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白衣の魔女

2012/11/17 Sat 04:25

白衣の魔女

《あらすじ》
その看護婦には誰も逆らえない。
そんな看護婦が、新人看護婦を、患者を、そして院長さえも卑猥な蟻地獄へと引きずり込むサディスティックなレズ小説。




テーブルがひとつ置いてあるだけの狭い主任室に、まるで子猫が水を飲んでいるような、ぴちゃ、ぷちゃ、ぴちゃ、という音が響いていた。
立ったまま、テーブルの上に尻を半分乗せる貴子は、目の前に迫る由香里の髪にヴィダルサスーンの香りを感じながら視線をゆっくりと落とした。
由香里の真っ赤な舌が、貴子のドス黒い乳首をコロコロと転がしているのが見えた。転がる乳首は義父のイボ痔のようだった。

「そこはもういいわ。今度は下よ……」

不意に義父のイボ痔を思い出し嫌悪を覚えた貴子は、溜め息混じりにそう呟きながらショーツを脱いだ。
立ったままの体勢でテーブルの上に右足を上げ、由香里に向けて大きく股を開いた。

夜勤明けの陰部はかなり汚れているようだった。脱いだショーツのクロッチには、こってりとした濃厚なオリモノが、乾いた卵の黄身のように固まっていた。
貴子は自分の太ももの裏に手を回すと、太ももの肉を引っ張りながら汚れた陰部を開いた。赤黒いワレメがねちゃっと口を開くと、一瞬、スルメのような饐えた匂いが漂った。
今のこの女にはこれが必要なんだと薄ら笑いを浮かべながら、貴子は自分の陰部から漂うスルメの匂いに顔を背けた。

由香里がゆっくりとしゃがんだ。
目の前に剥き出されたグロテスクなワレメに、まだ経験の浅い由香里は顔を赤らめた。

「どうして加藤さんの病室にいかなかったの……加藤さん、明け方まであなたを待ってたのよ……」

由香里は、貴子の陰部からソッと目を反らしながら「すみません……」と呟いた。

「すみませんじゃないわよ……私の立場はどうなるのよ……私はあなたのような新米看護婦と違って、この病棟を預かる主任なのよ……」

貴子はそう言いながら、ヴィダルサスーンの香りが漂う由利香の髪を優しく掴むと、由利香の顔を自分の股間に引き寄せた。
そこから漂う饐えた匂いに由利香が顔を顰めた。そんな由香里の顔を見下ろしながら貴子が低く呟く。

「私の言う事が聞けないの? 聞きたくないの? それならそれでいいのよ」

貴子のその突き放すような言い方に、由利香は慌てて「違います」と答えながら貴子の顔を見上げた。
十九才のつぶらな瞳が、三十二才の汚れた瞳をジッと見つめた。
そんな由利香の大きな瞳には、恐怖と悲しみが広がる一方で、なにやら底知れぬ強い意思が漲っていた。その瞳の輝きは、麻原に忠誠を誓うオウム信者と同じだった。

由香里はぴちゃぴちゃと音を立てながら、夜勤明けで汚れた貴子の陰部を舐めた。
だらりと垂れ下がった醜い小陰唇を唇に挟んだ。使い過ぎの小陰唇は生焼けの牛タンのように爛れ、左右大きさの違う巨大なヒダだった。
そんな小陰唇の裏に溜った白い垢を丁寧に舌先で舐め取ると、そのまま赤く爛れた裂け目に舌を滑り込ませ、陰毛に鼻を押し付けながらクタクタクタっと膣の中で舌を動かした。

感じる部分を知り尽くした舌の動きに、貴子は、はぁぁぁ……っと深い息を洩らしながら由香里の頭を優しく撫でた。
彼女をここまで調教するのに半年掛かった。真面目な性格だった為、短期間でここまで調教する事ができた。
あとは躊躇う事無く患者に奉仕できるようにさえなれば、上質な奴隷の出来上がりだ。

貴子は、由香里の口に更に陰部を押し付けながら優しく囁いた。

「今から加藤さんの部屋にいってらっしゃい……加藤さんには私からもよく謝っておくから……」

由香里は貴子の陰部にハァハァと熱い息を吐きながらコクンっと頷いた。
これで今月の家賃が支払えれる、と貴子は細く笑いながら、由香里の舌の動きに野太い喘ぎ声を洩らしたのだった。

由香里が主任室を出て行くと、さっそく加藤の携帯に電話を掛けた。
今、由利香がそちらに向かったからと伝えると、加藤は下品な笑いを携帯に響かせながら電話を切った。

主任室から出ると、ナースステーションの隅でおしゃべりしていた二人の看護婦が慌てて口を噤んだ。貴子の視界に入らぬようその場でジッと息を潜めながら、ひたすら貴子が去る事だけを願っていた。

この病棟の看護婦達は、まるで腫れ物に触れるようにして貴子と接していた。
看護婦歴十四年の貴子はこの病棟の女王であり、貴子には婦長さえも逆らえなかった。

しかし、今から五年前、この病棟で婦長をしていた佐々木京佳が一度だけ貴子に注意をした事があった。
それは、深夜、夜勤の貴子が患者の個室で楽しそうに雑談をしていたという密告が患者からあり、それで貴子は注意されたのだ。
貴子は素直に非を認めた。そしてもう二度としませんと皆の前で佐々木に頭を下げ、その問題は穏便終わった。

しかし、その半年後、定年を目前にした佐々木が突然病院を解雇された。
解雇の理由は看護婦の医療ミスだった。
それは准看護婦が患者の点滴を間違えてしまうという事故で、幸い死には至らなかったが、しかしその患者はそれが原因で脳障害を負い、一日中、涎を垂らしっぱなしの廃人となった。
その医療ミスで、婦長の佐々木は詰め腹を切らされた。
廃人になった患者は、貴子を密告した患者だった。
そして、医療ミスを犯した准看護婦は、貴子が妹のように可愛がっていた十九才の少女だった。
因みに、その少女はその事故があった一週間後、自責の念に駆られ自殺した。

そんな悲惨な事件は、全て貴子が書いた絵図だと誰もがそう思っていた。
こんな疑惑事件は、貴子の回りには掃いて捨てるほど起きていた。だから看護婦達から怖れられていた貴子だったが、しかし一部の患者達からは人気があった。
一部の患者と言うのは男性患者で、しかもそれは、一癖も二癖もありそうな問題患者ばかりだった。
貴子は、そんな問題患者に、煙草を与え、酒を与え、そして看護婦の体までも提供していた。そしてその見返りとして、患者から金を受け取っていたのだ。

それは、この病院の職員なら誰もが知っている事だった。
しかし、貴子は解雇されなかった。解雇どころか七病棟の主任を任されていた。
その理由は、この病院の院長にあった……。

ナースステーションを出た貴子は、そのままエレベーターに乗り、最上階のボタンを押した。
このエレベーターが最上階の十三階まで行く事は少なかった。
十三階には理事会専用の巨大会議室と院長室しかなく、一般職員や一般患者がここに来る事はまずなかった。

エレベーターを降りた貴子は、そのまま院長室へと向かった。
院長室の扉の前でパソコンを打っていた秘書の手が、一瞬ぴたりと止まったが、しかしすぐに動き出した。明らかに秘書は貴子の存在に見て見ぬ振りをした。

重圧な木の扉をコンコンっとノックすると、貴子は返事を聞かぬまま院長室に入った。
大きなデスクで書類を見ていた院長が、貴子を見るなり「おお」と言いながら立ち上がった。

貴子はそんな院長を無視してデスクまで行くと、「お忙しそうですね……」と言いながらデスクの上の書類を覗き込んだ。
院長は慌てて書類を引き出しに仕舞いながら、「いやいや、自民党のゴルフコンペのお誘いだよ」と、臭い息で笑った。

「ところで、あの女の子はどうなりました?……ちゃんと婦長に話して下さいましたか?……」

貴子は、書類の消えたデスクを見つめながらそう呟いた。

「ああ、あれか……。看護婦の人事の全ては婦長にあるからね、院長と言えど人の縄張りに首を突っ込むのは……」

「無理なんですか?」

貴子は院長の言葉を遮りながら、強い口調で言った。

「いや、無理ではないんだが……」

院長は、万引きがバレた少年のような表情で、濁った目をキョロキョロとさせた。
そんな院長に背を向けたまま、貴子はスルスルと下着を脱ぎ始めた。
足首から丸まった下着を脱ぎ取ると、背後から院長の荒い鼻息が聞こえて来た。
貴子はスカートを一気に捲り上げると、ノーパンの尻を突き出した。

「どうしてもあの子がうちの病棟に必要なんです……わかるでしょ院長……」

そう呟きながら右足に重心を傾け、尻肉を斜めに歪ませた。
尻の谷間が歪に開き、剥き出しになった陰部の隙間を院長の荒い鼻息が通り過ぎて行った。

ソファーに寝転がった院長を、貴子はナース服の胸ボタンを外しながら見下ろした。
ブラジャーから零れ落ちるタプタプの巨乳を見た院長は餌を欲しがるトドのように奇妙な声をあげて興奮した。
院長の足下に腰を下ろした貴子は、院長のズボンのベルトを外し始めた。そしてそこから突き出た真っ黒なペニスを優しく上下にシゴキながら、「院長の力で、なんとかお願いしますよ……」と妖艶に囁いた。

「難しいかもしれんが……はぁはぁ……出来るだけ動いてみよう……」

院長は曖昧にそう唸りながら、ピーンッと伸ばした足をスリスリと擦り合わせ、上下に動く貴子の手の感触に熱い息を吐いた。
貴子の顔に、院長の下水道のような口臭が吹きかかった。
貴子はその口臭から顔を背けるようにして、ゆっくりと顔を俯かせた。

貴子の鼻先に院長の亀頭が当たった。
口内にたっぷりと唾液を溜めていた貴子は、唇を窄ませながら唾液を亀頭に垂らした。
白い泡を含んだ唾液がじゅぶじゅぶと亀頭にまとわりついた。それを真っ赤な舌で丁寧に亀頭に塗り込み、そうしながらペニスの竿をシコシコとシゴいた。

貴子の舌ワザに、院長は情けない声を出しながら尻をモゾモゾさせた。
「気持ちいいですか?」と貴子が聞くと、院長は「もう我慢できない。入れてくれ」と、ナース服から溢れる巨大な乳を鷲掴みにした。

「入れてあげますから……ちゃんと約束して下さい。三病棟にいる准看護婦の井ノ上真美子をウチの病棟に移動させると……」

貴子はそう囁きながら一気にペニスを呑み込んだ。
銜えたまま口を窄め、激しく吸い込みながら、ジュポッ、ジュポッ、と派手な音を立てた。
ソファーの上で悶える院長は、無言でうんうんっと頷き、右手で乳を弄り左手で貴子の尻肉を鷲掴みにした。

院長が頷いたのを確認した貴子は、唇に、ポッ! と音を立てながらペニスを抜くと、まるでコモドオオトカゲのようにゆっくりと院長の胸へと這い上がった。

院長の腰を跨ぎ、握ったペニスの先で自分のソコを弄った。
貴子の膣は既にヌルヌルに濡れていた。しかし、濡れた原因は院長ではなく、先程そこを舐めさせていた由香里だった。

そんな事も知らず、「凄く濡れてるじゃないか」と感動する院長を見下ろしながら、貴子は一気に腰を落とした。
プチュっといやらしい音を立てながら、ペニスは穴の中に収まった。
ゆっくりと腰を振りながら、膣筋をきゅっきゅっと絞めると、タプタプと揺れる大きな乳に見とれていた院長は、「あぁぁぁ、堪らん」と唸り、自分でも腰を動かして来たのだった。

このように、貴子はこの病院の最高責任者である院長さえも手玉に取っていた。
もし、院長が裏切ったとしても、貴子は今までの院長との変態行為を録画したテープを持っていた。
一年前、貴子の手引きにより、院長は女子高生の患者をレイプした。しかもその場所は手術室で、麻酔で眠らされた女子高生は院長に好き放題に犯された。
その時のテープも貴子は持っていた。
このテープが公表されれば、院長だけでなくこの病院自体が破滅だ。
そんな爆弾を持っていた貴子は、この病院で怖いものは何も無かったのだった。


貴子が七病棟に戻ると、ナースステーションに屯していた看護婦達が蜘蛛の子を散らすかのように一斉に散らばった。
その中に由香里の姿がない事に安堵を覚えた貴子は、そのまま加藤の特室へと向かった。

特室は、病棟の一番奥にあった。
A特とB特の二つの部屋があり、どちらの部屋の患者も貴子のお得意様だった。

加藤はA特だった。
大きな扉をスルスルッと静かに開けると、耳を澄ましながらソッと中に忍び込んだ。特室は二部屋に分かれており、手前の四畳半には浴室とトイレとミニキッチンが設置され、奥の八畳にはベッドと医療器機、そして大きなテレビと応接セットが並んでいた。

奥の部屋から、布団がカサカサと擦れる音と、ペチャペチャと湿った音が聞こえて来た。
ちゃんとやってるわね、と確認を終えた貴子が部屋を出ようとした時、「ふん、ふん……」という、なにやら子犬が鼻を鳴らすような由香里の声が聞こえて来た。

貴子は足を止めた。
まさか……と眉間にシワを寄せながら、再び奥の部屋へと足を忍ばせた。
加藤からはフェラの代金しか貰っていなかった。まさか商売女のように由香里がフェラで声を出すとは思えなかった。
と言う事は、欲情した加藤が本番を迫った可能性が高い。そうなれば明らかに契約違反だ。
その現場を押さえ、しっかりと罰金を徴収してやらなければならないのだ。

そう思いながら貴子は壁の隅からソッと部屋の中を覗いた。
ベッドの上では、二つの体が別方向に頭を向けながら怪しく蠢いていた。
全裸にされた由香里が、加藤の顔を跨ぎながらペニスをしゃぶっていた。
二人はハァハァと荒い息を吐きながらシックスナインをしていたのだった。

シックスナインは別コースだった。
手コキ五千円、フェラ八千円。シックスナインは一万円で、素股は一万五千円だった。
基本的に本番は断っていた。本番をしてしまうと売春法に引っ掛かってしまうからというのが本番を拒否していた理由だった。
が、しかし、断るのはあくまでも演出のひとつでしかなかった。どうしてもヤらせて欲しいと頼んで来る患者に時価でふっかけてやる為に、本番だけは絶対ダメだと値打ちを付けていたのだ。

貴子は、自分に内緒でシックスナインをしている由香里を鬼のような形相で睨みつけた。
コースを変更したり、熱烈に本番を求める患者がいた場合、必ず貴子にメールで確認を取るように厳しく教えているのだ。

由香里は自分に内緒で差額をネコババするつもりなんだと思った。
この病院から、いやこの町の病院から由香里を永久追放してやると貴子は奥歯をギリっと噛んだ。

どんな小額のネコババでも貴子は絶対に許さなかった。
以前、貴子に内緒で本番をやった看護婦がいた。その看護婦は患者から二万円を貰い、貴子には申告していなかった。
それがまんまと貴子にばれ、その看護婦は罰金として五十万円を支払わされた。
そして院長に圧力をかけ、その看護婦を病院から追い出した。
しかし、それでも気が治まらない貴子は、その看護婦が他の病院に移籍できないようにする為に、院長に周辺の病院に電話をかけさせては、彼女のデタラメな悪評を言いふらさせた。
そして挙げ句には、彼女が患者のペニスをしゃぶっている隠し撮り動画をネットにバラ捲き、遂には彼女を精神病へと追い込んでやったのだった。

そのくらい、貴子と言う女は執念深く、非情だった。
特に金に関しては異常なほどの執念を持っており、例え百円であろうと誤魔化しやネコババは通用しなかった。
貴子と言うのは、そんな恐ろしい女だった。

特室Aの浴室ドアに凭れながら、互いの性器を舐め合う二匹の獣を冷徹に眺めていた。浴室ドアの隙間からは、湿気を帯びたボディーソープの香りが漏れ、百均に売っているアロマテラピーのような安物の香りを漂わせていた。

「ああぁ出そうだ……」

加藤の声が聞こえた。加藤は由香里の陰部に唇を押し付けたままなのか、その声はシャワーを口に当てながら呟いたような、そんな声だった。

貴子は携帯を取り出すと、ベッドで蠢く二匹の獣に向けて録画ボタンを押した。
貴子の携帯はスピーカーの配線を切断しているため、シャッター音も録画ボタンの音も鳴らなかった。当然、そんな改造携帯は着信音も聞こえなかったが、しかし、どっちみち院内にいる間は常にバイブにしておかなければならず、ほとんど院内で生活している貴子には着信音が聞こえなくても何ら支障はなかった。

「あぁぁぁ、イクよ由香里ちゃん」

加藤はそう唸りながら両脚を伸ばした。
そんな加藤の股間にぎこちなく顔を振りながら、由香里は口内に飛び散る精液に、苦しそうに眉を顰めていた。

どうせなら本番までヤってしまえば良かったのに。
チッと舌打ちしながら貴子は録画を止めた。
由香里への制裁と加藤の罰金を考えながら廊下に向かった。
背後から、「ちゃんとゴックンしてね」という加藤の甘えた声が聞こえて来た。






一週間後、新しい准看護婦が七病棟にやってきた。
井ノ上真美子、十九才。
貴子が院長に裏工作して手に入れた娘だった。

真美子は可愛い少女だった。
見るからに純粋そうな瞳は美しい森の小動物を連想させ、均等の取れたその小さな体は、まだ何者にも汚されていない清潔感が漂っていた。
性格も明るく、素直で優しかった。恥ずかしがりやなのか、笑う時には、小さくはにかみながらクスッと笑った。まるで宮崎駿の世界から飛び出して来たような、そんな天真爛漫な少女だった。

貴子が真美子に目を付けたのは、今から二ヶ月前の事だった。
三病棟に出向いた時、偶然廊下で恐る恐る車椅子を押している真美子を見かけた。
一目見た瞬間から、この娘なら稼げると思った。いかにも変態親父たちが好きそうな、地味で明るい素朴な少女なのだ。
真美子が車椅子の患者を病室に送り届けると、貴子は早速真美子に近付いた。
いきなり、「あなた、准看護婦ね」と呼び止めると、真美子は叱られると思ったのか、脅えながら「はい」と返事をした。

「あなたの車椅子の押し方、とってもいいわ。あれだけ丁寧なら患者さんも安心できるわ」

貴子がそう褒めると、それまで脅えていた真美子の顔がパッと明るくなった。その表情を見て、貴子は典型的な田舎娘だと細く微笑む。

「あなた名前は?」

「井ノ上真美子です」

「井ノ上さんね。覚えておくわ。これからもその調子で頑張ってね」

貴子はそう言いながら優しく微笑み、颯爽と去って行った。
廊下を歩きながら、主任に褒められた田舎の准看護婦が目を輝かせながら喜んでいる気配を背後に感じた。
あんなに素直ならすぐに落ちるだろうと貴子は確信した。

さっそく井ノ上真美子を調べてみた。
思っていた通り、患者達からの真美子の評判はすこぶる良く、特に男性患者からはAKBレベルの人気だった。

そんな真美子が、貴子が仕切る七病棟に移動して来た。
真美子は、出勤して来た貴子を見るなり、「あっ」と小さく驚きながら子鹿のように駆け寄って来た。

「先日、三病棟の廊下で声を掛けて頂いた井ノ上真美子です。覚えてらっしゃいますか?」

真美子は、貴子の記憶を呼び起こそうと必死に笑った。
しかし貴子は、そんな真美子に笑わなかった。いつもの冷徹な目で真美子をジッと見下ろした。

「……あなた、馴れ馴れしいわよ。礼儀を弁えなさい」

そう呟くと、真美子は小さな顔からサッと血の気を引いた。
立ちすくむ真美子にサッと背中を向けた貴子は、そのまま主任室へと消えて行ったのだった。

デスクに腰を下ろすと、引き出しから煙草を取り出し換気扇のスイッチを入れた。
ゴワァァァァァっと微かに響く換気扇の下で煙草の煙をくゆらしながら、今頃、先輩達から「主任には近付かない方がいいわよ」と忠告されている頃だろうと、真美子の曇った表情を思い浮かべた。

それで良かった。それが貴子のいつもの手口なのだ。
最初は徹底的に冷たく接し、目のやり場もないくらいに居辛くさせる。そして、どんな些細な失敗にも揚げ足を取り、ヒステリックに注意してはとことん恐怖を与える。
そうやって追い込んでおきながら、ある時、いきなり手の平を返したように優しくする。そしてどんな些細な事にでも大袈裟に褒めまくり、まるで本当の妹のように可愛がるのだ。

貴子は、狙った獲物にはそれを三回くらい繰り返した。
そうやってアゲとサゲを繰り返し、純粋な少女の心を手鞠のように転がした。少女はもう二度とサゲられるのは嫌だと思い、どんな時でも貴子の顔色を伺いながら行動するようになった。
そうなれば貴子の思うツボだった。あとは少女の弱みを握り、逆らえない状況に追い込み、絶対服従の上下関係を作り上げてしまう。
それが貴子流の洗脳の手口だった。

井ノ上真美子は、今までの看護婦の中でも類を見ないほど簡単に落ちた。真美子はそれだけ純粋だったのだ。
二ヶ月も経つと、真美子は立派な貴子のペットになっていた。

しかし、患者に提供するにはまだ早かった。
真美子の男性経験は高校時代に付き合っていた男一人だった。しかもそのセックスはただ出し入れするだけの単純なもので、手コキもフェラもした事がなければ、アソコを舐められた事も一度もないのである。

これでは商売にならなかった。
これが風俗店なら、そんなウブな少女の方が値は高くつくのだろうが、しかし、ここは病院だ。貴子のやっているのは完全もぐりの素人売春だ。しかも看護婦達は、好き好んで体を売っているわけではなく、絶対服従の貴子の命令により体を売っているという、いわば強制売春なのだ。
このリスクは大きかった。下手に真美子に売春を強要し、自殺でもされたら元も子もない。純粋な真美子ならその可能性もあり得るのだ。

真美子という純粋な少女は、脳と心だけでなく、体も調教する必要があると思った。
貴子は、さっそくシフト係に、次の真美子の夜勤を由香里と組ませるように変更させた。
既に真美子の予約は殺到しており、フェラだけで二万円払ってもいいという患者まで現れていた。
旬を逃す手は無かった。
貴子は、次の夜勤で真美子の洗脳の仕上げに掛かろうと決めたのだった。




病棟がすっかり寝静まった十一時半。七階で止まったエレベーターから、まだナース服に初々しさを残す真美子が音も無く降り立った。
廃墟のように静まり返った廊下を歩き出すと、思っていた以上にナースサンダルの底がキュッキュッと廊下に響き、慌てた真美子は肩を竦めながら歩調を緩めた。
自分の足音にまで気を使う真美子は、まだ深夜勤には馴れていなかったのだった。

煌々と蛍光灯が灯るナースステーションに、一人ポツンと患者のカルテを眺める貴子の姿が見えた。
貴子がいるとは思わなかった真美子は、それまで忍び足で歩いていた歩調をいきなり速め、廊下にキュッキュッと音を立てながらナースステーションに向かった。

「どうしたんですか主任……」

驚きながら貴子に近寄ると、貴子は真美子と壁の時計を交互に見ながら、「あら、早いのね」と笑った。
そんな機嫌の良い貴子を見て、真美子は内心ホっとした。
昨日の貴子は妙にイライラしていた。真美子がゴホンっと小さく咳をしただけで、看護婦がマスクもなしに咳をするなんて信じられないわ、と怒り狂い、一時間以上説教された。だから深夜のナースステーションにいる貴子を見た瞬間、また虐められるのではないかと泣き出しそうなほどに怖れていた真美子だったが、今の貴子の笑顔を見て叫び出したいほどに嬉しくなったのだった。

「三十分前の出勤姿勢は合格ね」

真美子はそんな貴子の笑顔にたちまち高揚感を感じた。が、しかし、もう一方で貴子を怒らせないようにしなければという緊張の糸がピーンッと張り、そのプレッシャーに押し潰されそうになっていた。
貴子はそんな真美子の緊張を感じ取っていた。その緊張が高まれば高まるほど、気の弱い田舎娘は逆らえなくなるものだと、貴子は知り尽くしていた。

互いにコーヒーを持ちながら向かい合わせで事務机に腰を下ろすと、貴子はさっそく「ところで、飯島由香里さんの最近の態度、あなたどう思う?」と尋ねた。

どう思う、と聞かれ、真美子は何と答えていいかわからなかった。主任のこの言い方からすれば、この場合、由香里さんを批判したほうが良さそうだったが、しかし、由香里さんは主任が最も可愛がっている看護婦であり、ここで下手に批判すれば後でいちゃもんをつけられる危険性もあった。
真美子はどう答えていいのか悩みながら、飲みたくもないコーヒーを啜っては時間を稼いだ。

「あなた、もしかして由香里を庇ってるの?」

貴子がコーヒーカップをデスクに置きながら足を組んだ。
貴子の口調がキツくなった事に真美子は焦った。「いえ」と慌てて首を振り、「飯島さんの最近の態度は間違っていると思います」と、おもわず心にも無い事を答えてしまっていた。

「そうよね……あの子、最近調子に乗ってるのよ……先月も二回も遅刻してるし、この間も水谷さんのガーゼ交換を忘れてたでしょ……主任の私が甘やかし過ぎたのがいけなかったのよね……」

そう溜め息混じり貴子が呟くと、真美子は再び首を振りながら「主任のせいじゃありません」と必死に否定した。
すると突然、貴子の切れ長な目がキラッと光った。その目でキッと睨みつけるように見つめられた真美子は、自分の言葉の何が貴子の気に触れたのだろうと慌てて息を飲んだ。
貴子に睨まれたままの状態で沈黙が続いた。真美子の小さな両膝が自然にガタガタと震え始め、さっきトイレに行ったばかりだというのに、下腹部に強烈な尿意を感じた。
なにがなんだかわからないけど、とにかく謝ったほうが良さそうだと思った真美子が恐る恐る口を開こうとすると、いきなり貴子がフッと微笑んだ。

「そう言ってもらえると救われるわ」

その言葉を聞いた瞬間、真美子の全身からドッと力が抜けた。緊張の糸がプツンっと切れた瞬間、おしっこがほんの少しだけ洩れ、真美子の下着のクロッチを生温かく湿らせた。

「あなたに見せたいものがあるの」

突然貴子はそう笑いながらスッと立ち上がった。

「一緒に来て………」

そう言いながら廊下に出ようとする貴子の背中を見て、再び真美子の全身に緊張が走った。

「嫌ならいいのよ」

振り返った貴子の目が鋭く光った。
真美子は慌てて首を横に振りながら、「行きます」と声を震わせた。そんな真美子のクロッチには、新たに生温かい尿がジワっと染み込んだのだった。


真美子は貴子に連れられて廊下に出た。薄暗い廊下の床には、非常階段の緑の看板と火災報知器の赤いランプが反射し、独特な不気味さを醸し出していた。
静まり返った階段に二人のナースサンダルがスタスタと音を立てた。
一階の薄暗いロビーには、夜間救急に訪れた患者が、長椅子ソファーでずらりと項垂れていた。深夜の救急患者というのは、得体の知れない何かを背中に背負っているようだった。明らかに昼の患者とは違った。

不気味なロビーを素通りし、中庭の渡り廊下に出た。
深夜の中庭には白い光を放つ水銀灯がぼんやりと輝き、寝静まった草花を寒々と照らし出していた。
そんな長い渡り廊下の先は東病棟だった。そこはこの大病院で唯一の隔離病棟だった。

東病棟は夜間でも照明が灯されていた。
ナースステーションでは太った看護婦がポテトチップスを食べながらテレビを見ていた。ナースステーションの前を堂々と横切って行く貴子を、太った看護婦はチラッと見ただけで慌てて目を伏せた。

『A8号』とプレートが掲げられた病室の前で貴子は足を止めた。一般病棟とは違う病室番号と頑丈な扉。その扉には暗証番号付きのドアロックが付いており、病室の中からは開けれないようになっていた。

貴子はそんなドアロックに慣れた手つきで暗証番号を打ち込んだ。
背後の真美子が脅えながら「ここは……」と聞くと、貴子は「アル中の重症患者よ。もう完全に壊れちゃってるの」とポツリと呟き、何故かクスッと笑った。

貴子はドアを右手で開けながらゆっくりと振り返ると、背後の真美子にソッと耳打ちした。

「ここで見た事は絶対に誰にも言っちゃいけないわよ……」

そう言いながら真美子の小さな手をギュッと握った。
接近した貴子の息が真美子の頬をすり抜けた。濃厚な口紅の香りが淫媚に漂い、真美子の小動物的な背中がブルっと震えたのだった。

部屋に入ると生温い空気が真美子を包み込んだ。カーテンの向こうからはギシギシという音がひっきりなしに聞こえ、ベッドを仕切るピンクのカーテンが歪に揺れていた。
貴子は震える真美子の肩を優しく抱き、その奇妙に揺れるカーテンへと導いた。

真美子は抵抗できなかった。もちろん抵抗したかったが、しかし貴子が発する凄まじいパワーに真美子のような小心者が敵うわけがなかった。
ギシギシとベッドが軋む音と、子犬がクンクンと鼻を鳴らすような泣き声が聞こえ、そのカーテンの向こう側で何が起きているのかくらい、さすがの真美子でもわかった。

貴子がカーテンの端を指で摘んだ。そして再び真美子の顔を覗き込みながら、生温かい口紅の香りを漂わせた。

「私に逆らうとね、こういう目に遭うの……」

カーテンが開けられた瞬間、おもわず真美子は下唇を噛み締めた。真っ赤に充血させた目を、爬虫類のようにギョロギョロさせた男が、由香里の股の間でユサユサと腰を振っていた。

由香里はカーテンの向こうから現れた二人を見つめ、いきなり泣き出した。そして貴子に向かって、「ごめんなさい」と、「もう二度と逆らいません」という言葉を何度も何度も呟いていた。

そんな光景を目の前にして、真美子の身体は瞬く間に硬直してしまった。もちろん、真美子が他人のセックスを見るのは始めてで、ネットの動画やAVすら今までにまともに見た事がなかった。

激しいショックで目眩を感じていた真美子の背中を貴子がソッと抱いた。ビクッと震える真美子のうなじに唇を軽く押しあてながら、貴子は静かに囁いた。

「怖がらなくてもいいのよ……一人前の看護婦になるにはこんなシーンに馴れておかなくちゃね……せっかくのチャンスだからよく観察しておきなさい……」

貴子はそう言いながら真美子の肩を両手で押え、そのまま床にしゃがませた。真美子の目の前にベッドの鉄柵が現れた。その鉄柵の隙間から、ユサユサと揺れる男の尻と、その尻の下でタポタポと上下に揺れる睾丸が見えた。

慌てて目を閉じた真美子の尻を貴子が摘んだ。

「ちゃんと見なきゃダメよ……ほら、もっと顔を近づけて、結合部分を観察するのよ」

頭部を押し出された真美子の目に、卑猥な肉棒がドロドロに濡れたグロテスクな穴の中を行ったり来たりするのが映った。それはあまりにも生々しく、そのぐちゃぐちゃという卑猥な音と、陰部特有の饐えたニオイが、更に真美子の脳を激しく刺激した。
遂に泣き出してしまった真美子を見下ろしていた患者が、「あぁぁぁうぅぅぅ……」と呻きながら真美子の髪を掴もうとした。すると貴子が「触るな!」と激しく叱り、いきなり患者の後頭部をおもいきり叩いた。

「あんたにはちゃんと餌をあげたでしょ。言う事が聞けないのならもう餌をあげないわよ」

そう叱りながら、由香里の身体から患者の身体を引き離そうとすると、患者は「あだだがぼががに」と意味不明な言葉を発しなから、必死に由香里の身体にしがみついた。
由香里の泣き声が悲鳴に変わった。患者はそんな由香里の悲鳴に連鎖反応を起こし、まるでチンパンジーのような奇声をあげながら激しく腰を振っていた。
それを見下ろしていた貴子が満足そうに笑った。その貴子の不敵な笑顔を見た真美子は、遂に失禁してしまったのだった。



病室を出ると、貴子に肩を支えられた真美子は出口に向かって連行された。
ナースステーションの前を通りかかった時、貴子はナースステーションの小窓を覗きながら、中でポテトチップスをバリバリと食べている太った看護婦に言った。

「三時になったら解放してあげて」

太った看護婦は「はぁ」と頷きながらムクッと立ち上がると、下卑な笑いを浮かべながら小窓から顔を出した。

「解放したら……あの子、私の部屋に連れてってもいいですか?」

ニヤニヤといやらしく笑う太った看護婦に、貴子は「勝手にどうぞ」と冷たく言うと、そのまま真美子の手を引いた。
廊下を連行されながら、不意に背後に視線を感じた真美子が振り向くと、ニヤニヤと笑う太った看護婦が真美子の尻を舐めるような目で見ていた。太った看護婦と目が合うと、太った看護婦は真美子に向かって舌を突き出し、レロレロと揺らして見せた。

「エロ豚が」

それを横目で見ていた貴子がそう吐き捨てた。そんな貴子の口元から口紅の匂いが漂って来た。その淫媚な匂いを嗅いだ瞬間、もはや貴子からは逃げられないと真美子は悟ったのだった。


三病棟に戻ると、真美子はそのまま主任室へと連れて行かれた。
ソファーに座らされると、貴子は真美子の顔を覗き込みながら「刺激が強すぎたかしら」と優しく微笑んだ。

何も答えられなかった。すぐに返答しなければ貴子の機嫌を損ねてしまうと焦りながらも、しかし、真美子の脳には返す言葉が全く浮かんで来なかった。

項垂れたまま焦っている真美子の隣に貴子が腰を下ろした。
「怖がらなくてもいいのよ」と耳元で囁く貴子は、項垂れている真美子のアゴに指をあて、そのまま真美子の顔をスッと上げた。

「わかるでしょ。これがこの世界の本当の姿なの。私だってね、新人の頃は、意地悪な先輩に色々やらされたわ。大勢の患者の前でオナニーさせられたり、浣腸されたり、もちろん強姦もされたわ。でもね、その中でも一番凄かったのはやっぱりアレね……」

貴子はそう語りながら真美子のナース服のボタンに指を掛けた。ひとつひとつ外されて行くボタンを、真美子はただただ震えながら見ているしかなかった。

「……私が始めての夜勤の時だったわ。今のあなたみたいにね、私も先輩から連れ出されたの。連れて行かれた先は、離れ病棟の地下。そう、遺体安置所よ……」

真美子の上着は脱がされ、ブラジャーのホックがプツっと外された。煌々と照らす蛍光灯の下に丸い乳肉が揺れ、幼気な乳首が薄桜に輝いていた。

「死亡四時間の五十代の男の人だったわ。肝臓がんだったからブヨブヨに浮腫んだ顔はチョコレートみたいに黒くてね、全身からは凄い臭気が漂ってたわ。先輩はその遺体のペニスを摘みながら言うの。舌で綺麗に洗ってあげて、ってね……」

貴子はそう微笑みながら真美子のスカートのホックを外した。身動きしない真美子の太ももからスルスルと滑ったスカートは床で萎れ、白いパンティーに包まれた下半身が、ストッキング越しに露になった。

「死体のペニスってね、身体が死後硬直してるからアソコも固そうに思うんだけど、実はマシュマロみたいに柔らかいのよ。亀頭なんて萎れた水風船みたいにシワシワになってて、ふふふふふっ、とっても可愛いの。……そんなペニスをね、私は舐めたわ。死ぬほどイヤだったけど、先輩達に睨まれてたから必死に睾丸まで舐めまくったわ……この世界、先輩の命令には絶対服従なの。それがこの世界なの。わかるでしょ?」

首を傾げながら貴子はストッキングの中にスッと手を入れた。
息を飲んだ真美子が「はっ」と顔を顰めた。

「あら?……濡れてるわよ。ほら、もうヌルヌルよ……」

蒸れたストッキングの中で貴子の指が蠢いた。細く長い貴子の指先は、濡れた真美子の陰部を滑るように走り回り、敏感な部分を探し出しては執拗に愛撫した。

真美子は顔を顰めたまま、喉に溢れる声を必死に堪えていた。一刻も早くここから脱出したいと思いながらも、貴子の指の動きに身体がピクピクと反応してしまっていた。

貴子はニヤニヤと笑いながらそんな貴子のストッキングを、パンティーと一緒に脱がせた。真っ白な太ももははち切れんばかりにムチムチし、その奥には魑魅魍魎とした陰部が赤黒く蠢いていた。

そんな真美子の足下にしゃがみ込んだ貴子は、ツルンっと皮が捲れた陰茎に舌先を伸ばした。ソファーに座る真美子の小さな体が「はんっ」という声と共に激しく仰け反った。その腰を貴子はがっしりと押えながら、更に舌を伸ばしては小さなヒダを掻き分け、ピンクのワレメの中へヌルヌルと進入して行ったのだった。

その後、ソファーの上に四つん這いにされたり、自ら指でアソコを開かされたりと色々なポーズを取らされた。その体勢で膣を舐められ、感じた所をデジカメで撮影された。
もちろん、貴子の膣も舐めさせられた。仰向けに寝転がる真美子の顔の上に跨がった貴子は腰を激しく振り、陰部を真美子の顔に擦り付けながら窒息しそうになっている真美子に向かって「もっと舌を突き出しなさい」と命令した。

そんな真美子は、いつしか荒縄で縛られ、両手首に皮の手錠を嵌められていた。身動きできなくなった真美子を恍惚とした目で見下ろしながら、貴子はナース服を脱いだ。

「確か、男は一人しか知らないと言ってたけど、それって本当?……」

全裸になった貴子は、デスクの一番下の引き出しをガラガラと開けながらそう聞いた。

「……はい……」

真美子は脅えながらゆっくりと頷いた。

「ふ〜ん……今どき、珍しいわね……」

そう鼻で笑いながら貴子は引き出しの中を弄った。

「で、その男のオチンチンはどうだった? 大きかった? それとも小さかった?」

「……他の人のを見た事がないから……わかりません……」

「じゃあ、これとどっちが大きい?」

貴子はそう笑いながら、引き出しの中から白い筒のようなものを取り出した。それは、真美子が知っている男のペニスの倍はあるかと思われる巨大なディルドだった。

絶句している真美子を見つめながら、貴子は黒皮のベルトを腰に巻き付けた。鼻歌を唄いながらパチパチとボタンを止めて行く貴子を見つめる真美子は、今から何が起きるのかを察知し、慌てて首を振った。

「無理です! そんなに大きなの絶対に無理です!」

そう焦る真美子を貴子はせせら笑いながら、黒皮のベルトに巨大なディルドを装着した。

「今のうちに大きなオチンチンに馴れておいた方がいいわよ……ここの患者さん達、結構巨根揃いだから……」

そう笑いながら真美子の両脚を広げた。
いきなり真美子が暴れ出した。ごめんなさい! ごめんなさい! と叫びながら泣きじゃくり、恐怖に引き攣った唇から涎を垂らした。
そんな真美子の両膝を両手でガッチリと押さえ付けた貴子は、股間からピーンっと突き出たディルドの先を、真美子の幼気なワレメにグニグニと押し付けた。

「イヤ! イヤ! やめて! 私、もう看護婦やめます! だからもうやめて!」

「あら?……看護婦やめちゃうの?……だったらあんたのこの写真をネットにバラ捲くわよ? それでもいいの?」

真美子は声を張り上げて泣き出した。
そんな真美子の頬を片手で握り潰しながら貴子が唸った。

「私の命令がきけないのなら、あんたを地獄に落としてやるからね。逃げても無駄よ。どこに逃げても必ずあんたを見つけ出すからね。それでもいいの? それでも私に逆らうと言うのね? 本当にそれでいいのね?」

貴子は鬼のような形相で睨みつけながら執拗に念を押した。
その形相に震え上がった真美子は、「うっ」と絶句したまま、下唇を噛み締め声を殺した。

「そう。それでいいのよ。私の命令に逆らわなければ、あなたのナース生活はとっても素晴らしいものになるわ。私を信用しなさい……」

貴子の腰が真美子の股の間にズズッと潜り込んだ。
すると、それまで下唇を噛みながら「うぅぅぅ」と唸っていた真美子が、いきなり顔を上げた。そして噛んでいた下唇をゆっくりと解放しながら、「はあぁぁぁぁぁ」と長い息を吐き始めた。

「ふふふふふふ。感じるでしょ? そうよね、これだけ濡れてるんだもん、本当は入れて欲しくて堪らなかったんでしょ……」

そう笑いながら貴子は腰をクネクネと振り始めた。
くちゅ、くちゅ、という、いやらしい音がリズミカルに響いた。
貴子の腰の動きと、そのいやらしい音に合わせるかのように、真美子の口から荒い息が漏れ始めた。そんな真美子の口から切ない声が洩れ出すのも、もはや時間の問題だった。



               


「じゃあ、いったい本番はいくらになるんだよ」

真っ白な病室の壁に真っ赤な夕日が燃えるように反射していた。そんな光りを眩しそうに避けながら、牧田は貴子の顔をもう一度覗き込んだ。

「本番はダメよ。あの子はまだ経験が少ないんだから、牧田さんのみたいに大っきなのを入れられたら壊れちゃうじゃない」

貴子はそう怪しく微笑みながら、再び、手コキは五千円、フェラは八千円、シックスナインは一万円で、素股なら一万五千円よ、っと指折り告げた。

「そこまでヤらせといて本番はダメってのはねぇだろ……なぁ、ずばり言ってくれよ、いくらならヤらせてくれるんだい。あんたの希望額を教えてくれよ……」

枕の下から財布を取り出した牧田は、卑屈な笑顔を浮かべながら財布を開くと、中から一万円札を見せつけながらそう言った。
定期的に交通事故の保険金が入って来る牧田は、この病棟でも一、二を争う上客だった。

「困ったわね……そうなると本人を口説かなきゃならないわね……あの子、ウブだから手コキさせるだけでも大変なのよ……」

貴子は、財布の中の一万円札を素早く数えながら唇を尖らせた。

「そこを、あんたの力でなんとか頼むよ。な、礼は弾むからさ」

「……じゃあ、取りあえず五万円預かっておくわ。現ナマ見せて、なんとか説得してみるわよ……」

牧田はキラリと目を光らせると、慌てて財布の中から一万円札を五枚抜き取り、それを貴子に渡した。

「あら、これじゃあダメよ。あの子に渡すのが五万円だから、これじゃあ私の手数料がないじゃない」

再び唇を尖らせた貴子に、牧田は「ちっ」と舌打ちしながら、もう一枚財布から取り出したのだった。

ナースステーションに戻ると、真っ白なナース服の看護婦達に囲まれながら、黒い喪服を来た婦長がポツンっと立っていた。
婦長は貴子を見るなり顔を驚かせ、「主任、もう時間よ、早く準備をして」と、腕時計を示しながら慌てた。

「いえ、私は残ります。婦長が代表でお願いします」

そう言いながら、窓際で点滴の準備をしていた真美子を呼んだ。

「残りますって……あなたはここの主任なのよ、それにあの子はあなたが一番可愛がっていた……」

「主任だから残るんです。可愛がっていたとかは関係ありません。私は主任として、死んだ者より、生きている患者の方を優先します。さっ、井ノ上さん、行きましょ」

貴子はそう言いながら、看護婦達がズラリと並ぶ中を真美子の手を引いた。
そんな貴子に逆らえる者は、ここには誰一人としていなかった。

クレゾールの匂いが漂う廊下を、貴子と真美子は並んで歩いた。
歩行器で廊下をノロノロと進んで来た少年が、擦れ違う真美子の顔を見てポッと頬を赤らめた。

「あの子、確か先週、手コキしてあげた子よね……」

貴子が囁くと、真美子は小さく首を振った。

「いえ、私の手じゃイカなくて、結局自分で抜きました」

「自分で抜いたって、オナニー?」

「はい」

貴子は訝しげに後ろを振り返った。歩行器の少年が、顔を赤らめたまま真美子の後ろ姿を見つめていた。

「それで、あんたそれを見てやってたの?」

「そうなんですけど……緊張してるらしくてなかなかイかなかったから……アソコを見せてあげました」

「ふ〜ん……まぁ、サービスするのはあんたの勝手だけど、もし追加料金を貰う事があったらちゃんと私に申告しなきゃダメよ」

「わかってますよ……私だって由香里さんみたいにはなりたくありませんからね……」

真美子がそう悪戯っぽく笑うと、貴子が「ふん」と鼻で笑った。

牧田の個室の前で足を止めると、貴子はポケットの中から一万円札を一枚取り出した。

「本番だからね」

そう念を押されながら一万円を手渡された真美子は、それを素早くポケットに押し込んだ。

真美子が牧田の部屋へと消えて行くと、貴子は大きく背伸びをした。
窓の外に婦長と院長の姿が見えた。二人はお揃いの喪服姿でシルバーのベンツの後部座席に乗込んだ。

今夜は、自殺した由香里の通夜だった。

走り去って行くベンツのテールランプを見つめながら、白衣の悪女は再び「ふん」と鼻で笑ったのだった。

(白衣の魔女・完)



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