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天の邪鬼3

2012/05/19 Sat 01:00

    天の邪鬼3




僕が目を覚ましたのは、一時間ほど経過した頃だったろうと思う。
妙に体の疲れが取れている事と、異様に喉が渇いている事から、恐らく一時間くらいは眠っていたのではないかと予想できたからだ。
部屋に漂う安物のボディーソープの香りを感じながら、シーンっと静まり返ったこの部屋の状況を速やかに把握しようと、まだ寝たフリを続けたまま必死に五感を働かせた。

僕の隣りでは微かに女の気配を感じた。女は眠ってしまったのか、身動きひとつせぬまま微かな鼻息を鳴らしていた。
ついさっきまで聞こえて来たテレビの音が消えていた。しかし、テレビの電源は消されていない。閉じた瞼には、確かにテレビの明かりがチカチカと反射しているのだ。

どうしてわざわざ消音にしたんだろう。不思議にそう思った僕はほんの少しだけ瞼を開いて見た。
天井がぼんやりと目に映った。その悪趣味な柄の天井からソロリソロリと視線を落として行く。

消音された画面に映っていたのはAVだった。
さすが天の邪鬼だと思った。わざわざ消音してまでこっそり見るなんて、どこまで捻くれた女なんだとおもわず笑いそうになった。

そんな女は明らかに起きていた。隣りから漂う気配は間違いなくテレビを見ている気配だ。
不意にヌルヌルに濡れていた女のワレメを思い出した。
今、僕のすぐ横で、女はこのAVを見ながらあのヌルヌルの膣に指をくねらせているのだろうかと想像すると、女の日陰な性格が余計卑猥に感じられ、無性に僕をムラムラと欲情せしめた。

(あの濡れ壷の中にペニスをヌルッと挿入したい……)

そう思った瞬間、そんな僕のペニスに唯ならぬ感触が伝わった。
いつの間にかビンビンに勃起しているペニス。そんなペニスが、なんと女の手によってシコシコと上下に動かされていたのだ。

フーッ……っという女の溜め息が、僕のすぐ隣りで聞こえた。その溜め息は、退屈だからついた溜め息なのか、それともペニスをシゴキながら欲情した、俗に言う吐息というものなのかは定かではないが、しかし、いずれにせよ、眠っている男のペニスをこっそり勃起させ、それを密かにシコシコするなどというのは尋常な人間がする行為ではなく、今の女の精神状態は明らかに異常である事は確かだった。

僕は寝たフリを続けていた。女のその異常行為には猛烈に興奮していたが、しかし、このまましばらくの間は寝たフリを決め込み、今後、女がどんな行動に出るのかを見届けてみたいという、変態的な衝動に駆られたのだ。

僕は、わざとらしく寝返りを打っては、女の方へさりげなく顔を向けた。
その瞬間、女は慌ててペニスから手を離し、何事もなかったかのようにひっそりと息を殺していた。
そんな女を僕は、素直に可愛いと思った。

再び嘘の寝息を立て始めると、気配を消しながら僕の様子をジッと伺っていた女は、僕が完全に寝入っている事を確認すると、再びペニスに指を這わせて来た。

くちゅ、くちゅ、とペニスをシゴく音に合わせるかのように、僕はスースーと規則的な寝息を立てた。
そして、ほんの少しだけ瞼を開くと、その微かな隙間から衝撃的なシーンを目撃した。

その肉感を確かめるようにがっしりと握ったペニス。それを小刻みに上下させながら、親指の先で赤く腫れ上がった亀頭の裏をスリスリと擦っていた。
実に手慣れた手付きだった。男の感じる部分を全て知り尽くしているような、そんな手コキだった。

ふと見ると、女は左手でペニスを握りながら、もう片方の手で自分の股間を弄っていた。
出会って間もない見知らぬ男のペニスをシゴキながらオナニーする変態女。しかもその男は寝ていると思っているから、女のその変態度は更に高い。

最初はどうなる事かと思ったが、しかしこの女はなかなか楽しめそうだ……。
そんな事を考えながら背筋をゾクゾクさせていると、ベッドの足下から、ぺちっ、ぴちっ、という粘着性のある音が聞こえて来た。それは明らかに女がワレメを弄る音だった。

卑猥なAVをこっそり眺め、眠っている男のペニスを密かに弄りながら行なうオナニーは、さぞかし気持ちいい事だろうと、僕は女に感情移入しながら、今まさに気持ち良くなっているであろう女の股間をムラムラと想像した。

女の股間から聞こえて来るペチピチ音が激しくなるにつれペニスをシゴく手も早くなり、そして女の卑猥な喘ぎ声も微かに聞こえて来た。
このままガバッと起き上がり、口をパックリと開いた膣にペニスをヌルヌルと擦り付けたい衝動に駆られるが、しかしこのまま女がイッてしまうとは思えなかった。
これほどの変態女ならば、必ずや次のアクションを起こして来るはずだと期待してしまい、この貴重なシチュエーションを今ここで終了させるのは勿体無い気がした。

すると、案の定、女は何やら体勢を変え始めた。
ベッドのマットをググッと凹ませながら起き上がると、僕を見下ろしながら手コキをし始めた。
寝転がる僕の横に座る女の右手は、ベッドの上でペタリと座った股間の中でペチャペチャと卑猥な音を奏でている。
女は僕の顔を覗き込んでいた。僕が薄目を開けて見ているとも知らず、僕に向かって真っ赤な舌をペロペロとくねらせながら、ハァハァと荒い息を吐いていた。

「……無理……こんな大っきいおちんちん、お口に入らない……」

擦れた小声でボソッと呟いた。それは、まさに妄想の世界にどっぷりと浸る変質者の、妄想的な独り言だった。
女はそんな異常な独り言を呟きながら、座った体をゆっくりと傾け、僕の股間に顔を近づけて来た。

「やだ……無理だよ……」

至近距離で呟く女の生暖かい息が、敏感な亀頭にフワッと吹き掛かった。

「はぁぁ……はぁぁ……はぁぁ……」

女はそう呻きながら口を大きく開けた。
「許して下さい……無理だよ……」っという唸り声と共に、生温かい感触が僕のペニスをヌルリと包み込んだのであった。

女はジッと動かないまま銜えていた。
恐らく、突然の異変感触に僕が目を覚まさないように息を潜めているつもりなのだろう。口呼吸できない女の鼻息が僕の陰毛をくすぐった。

(早く動かしてくれ……じゅぶじゅぶと音を立てて上下にシゴいてくれ……)

焦らされる僕は気が狂いそうになった。
目を覚ました事にして、普通にヤってしまいたいという衝動に駆られるが、しかし、この天の邪鬼が、寝ている僕にどこまで破廉恥な行為をするかを見届けたく、僕は発狂したくなるのを堪えながらひたすら眠ったフリをした。

そのうち、何やら感触の良いヌメリがヌルヌルと亀頭を這い回った。
身動きしないまま口内で密かに舌を動かし、亀頭の先から次々に滲み出る我慢汁をチロチロと舐め始めていた。
動いていないせいか、肉竿を締め付ける唇の感触が直に伝わった。
こんなフェラは初めてだった。今までに感じた事のない奇妙な興奮に胸が息苦しくなって来た。

それでも寝たフリを続けていると、いよいよ女の唇が移動し始めた。
ペプ……ペプ……という弾けた音を立てながら、女の唇はゆっくりゆっくり肉竿を行きつ戻りつ繰り返す。
そんなシーンを薄目を開けて見ていた僕は、その光景とこの感触、そして眠る男をこっそりフェラをする変態女というシチュエーションに激しいエロスを感じ、遂に「あぁぁ……」と深い溜息をつきながら背骨を反らせてしまったのだった。

女は慌ててペニスを吐き出すと、そのまま何事もなかったかのようにソッと僕を見下ろしていた。
「うぅぅぅん……」とわざとらしい背伸びをしながら、薄目を開けて女を見る。

ふと女と目が合った気がした。嘘寝もこれが限界だと思い、僕はそのままゆっくりと目を開いた。
「あれっ?」と言いながら、わざとらしく辺りをキョロキョロした。いかにも『ここはどこだ?』的な臭い演技だった。

「ずっと寝てたよ」

女は気怠そうに僕を見下ろしながらそう言うと、何かを誤魔化すかのようにわざとらしくコホンっと咳をした。咳と同時に女の釣り鐘型のおっぱいが「ぷるっ」と揺れた。

「えっ? そうなんだ……今何時?」

僕が部屋の中をキョロキョロしながら時計を探すと、すかさず女が「もう三時だよ」と呟いた。

三時という事は、かれこれ二時間は眠ってしまった事になる。もしかしたら、女はその二時間の間にもっともっと卑猥な事を僕にしていたのではないかと思うと、無くした時間が非常に悔まれた。

「で……キミは何してるんだい?」

僕はそうとぼけながらも意地悪な質問をしてやった。

「別に……キモイ寝顔だなぁと思って見てたんだよ」

「寝顔を見てたって……二時間も?」

「悪い?」

「いや、別に悪くはないけど……」

そう言いながら、僕は消音されたテレビにソッと目をやった。
大きな画面には全裸の男女が獣のように交わっていた。

「わざわざ音を消してこんなの見てたんだ……」

女の顔を横目でジッと見ると、女は「違うわよ、リモコンをカチカチしてたからたまたまこんなのが映ってたんだよ」と慌てはじめ、枕元の棚に置いてあるテレビのリモコンを取ろうとした。
と、その時、腰を浮かせた女の尻の下のシーツが、卑猥に怪しく不自然にじっとりと濡れているのが見えた。

写真8

女が棚へと移動した瞬間、僕は女に見えるようにしながらシーツのシミを指でなぞった。ねっちょりとした生温かいヌルヌル感が指に伝わる。

「Hビデオ見てたら濡れちゃったの?」

僕は敢えて女にそのシミを示しながら効いた。
女はそのシミを見て一瞬ギョッとしながらも、すぐに「違うよ、さっきジュースを零したんだよバカ」と強がった。

「どうしてそんなに強情なのかなぁ……素直になればいいのに……」

僕はそう言いながら、いきなり女の足首を掴んだ。
「ヤメてよバカ!」と眉間にシワを寄せる女を無視して、そのまま強引に足首を引っ張ると、女はドテッとベッドに仰向けになった。
そんな女の上に必死な形相で伸し掛かる僕。

「なにすんのよ! ちょっと! ヤメてったら!」

足をばたつかせる女の股の中に強引に身体を押し込み、そのまま女の性器に指を伸ばした。

「なんだよコレ……ヌルヌルだよ?」

僕はそのテラテラに輝く指を女の目の前に突き出しニヤリと笑った。
その瞬間、女の顔には安堵の表情が浮かんだ気がした。

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