天の邪鬼2
2012/05/19 Sat 01:00
(なんだよ……ちゃっかりコーフンしてるんじゃねぇか……)
テラテラと輝くクロッチに鼻を近付けた。
恐る恐る嗅ぐと、まったりとしたチーズの匂いがプーンっと漂って来た。そんなチーズ臭が、より素人っぽくて良かった。
僕は迷う事なくそのヌルヌルとした液体を舌先でチロチロと舐めた。それは小便のように塩っぱく、チーズの味は全くしなかった。
そのヌメリが消えるまでクロッチを舐め尽くした僕は、続いて唾液でベトベトになったクロッチに亀頭を擦り付けた。そしてソレでペニスを包み込むと、洗面台に凭れながらガシガシとペニスをシゴき、ピーンと伸ばした両脚をスリスリと擦り合わせた。
(ヤリたいんだろ……ヤリたいから出会い系なんかにメールして来たんだろ……素直になればいいのに……)
そう呟きながらペニスをシゴく僕は、初対面の男のセンズリシーンを見せつけられてパンティーを濡らしていた、そんな女のその時の心境を想像するとおもわずイキそうになり、慌ててペニスからその手を離した。
ペニスにまとわりついていたパンティーが床にパサッと落ちた。
太い肉棒がピクン、ピクン、っと跳ね、今にも破裂しそうな痛々しい亀頭が真っ赤に輝いていた。
(あの女は、きっと天の邪鬼なんだ……)
ふとそう思った僕は、そんな天の邪鬼な女がベッドの上で本能に狂わされながらもヒィヒィと乱れる姿を想像し、今までにないマニアックな気分に包まれた。
嫌がる女のアソコに舌を這わせ、恥ずかしがる女の肛門に指を入れる。ガッツリと四つに組みながら堕落した乳を鷲掴みし、ムチムチの太ももに挟まれながら激しく腰を振る。
女は散々悪態をつきながらもいつしか鼻息が荒くなり、隠れるようにジッと顔を伏せながら密かにその快楽に溺れる。
そんな事を考えながらシャワーを捻った。
女が意図的にそうしておいたのか、シャワーからいきなり冷水が噴き出し、それを太ももに浴びた僕はおもわず「ひやっ!」と飛び上がった。
すると扉の向こうからケラケラと笑う女の声が聞こえて来た。なかなか手強い天の邪鬼だぞ……と苦々しく思いながら、僕はその意図的に冷水にされていたシャワーの蛇口を温水に変えたのだった。
シャワーを浴び終えた僕は、全裸のまま部屋に出た。
素早くベッドに入ると、既に女は寝息を立てていた。
しかしその寝息はあきらかに嘘臭く、いったいどこまで性格の悪い女なんだとおもわず呆れてしまった。
僕はそんな嘘臭い寝息を無視して、バスタオルを巻いたまま横向きに寝ている女の正面にソッと寄り添った。女の髪から甘いリンスの香りが漂って来た。
女は素早く寝返りを打った。それはまるで旦那の誘いを断るセックスレスの妻のようだった。
僕はそんな女の肩を掴み、背後から細いうなじに顔を埋め唇を押し付けた。
「なにしてんのよ、ヤメてよ、警察に通報するわよ」
女は僕に背を向けたままボソリと呟いた。
出会い系で知り合い、そのままラブホへ直行し、そこで二万円を払ってベッドで抱き合ったら警察に通報される。そんな支離滅裂な言い分を、さも当然の事のように堂々と言うところが天の邪鬼らしく、そして幼稚だった。
しかし女はそう言うものの抵抗はして来なかった。
湿ったバスタオルをズリズリと剥ぎ取り、それをベッドの下へ放り投げると、背後から優しく抱きしめ肌を合わせた。
女の柔らかい肌が僕の腕の中でムチムチと蠢き、僕の固くなった男根が女の尻のワレメにぴったりフィットする。
「ヤルんなら一億円ちょうだいよ」
女は背後からタプタプの乳を揉みしだかれながらそう呟くと、それの何が可笑しいのかケラケラと笑い出した。
そんな女の憎たらしい笑い声を聞きながら、僕は必死に女の乳首を指で転がした。今にこの天の邪鬼が僕の腕の中でヒィヒィと切ない声をあげるのをムンムンと想像しながら、ひたすら乳首を転がしまくった。
「ヤメてったら」
女はそんな僕の手を払い除けた。
「オッパイ触りたいなら前金で500万円頂きまーす」
そう戯けるバカ女を無視し、払い除けられたその手を素早く女の尻に滑らせた。
なかなかボリュームのある尻肉だった。ムチムチと弾力性があり、肌も赤ちゃんのようにスルスルしている。
そんな尻をいやらしく撫で回しながら、「気持ち良くしてやるから、股、開いてみろよ……」と卑猥に囁く。そしてその指先を尻の谷間へと移動させると、じっとりと汗ばんだ谷間に滑り込ませた。
女は腰を引きながら素早くその指を躱すと、突然ムクッと半身を起き上がらせた。そして僕の顔を覗き込みながら、「そんなに触りたいならさ、マッサージしてよマッサージ。事務やってるとさぁ、座り過ぎで腰がキツいんんだよね~」と、そのままベッドの上にゴロリとうつ伏せになったのだった。
出会い系で知り合ったばかりの男女が、ラブホの一室で全裸でマッサージとは、天の邪鬼な彼女らしいセックスアプローチだった。
そんな女の太ももの裏にフルチンのまま跨いだ。固くなった肉棒が女の太ももに隙間にカチッと嵌っていた。
「肩はいいから腰やって」
リラックスしながらそう呟く女に、僕も対抗して「腰を揉んで欲しかったら一億え~ん」と叫んでやろうかと思ったが、しかし相手は天の邪鬼。おもいっきり無視される恐れがあるので怖くてやめた。
「この辺?」
そう囁きながら、女の丸い尻肉を両手に包み込んだ。
まるでパン生地を捏ねるように尻肉をムニムニと揉み解す。
「そこはお尻だよ。バカみたいだからそういうノリはやめて」
いたって冷静なツッコミが帰って来た。やはり「一億え~ん」は言わなくて良かったと心からそう思った。
そうやって女の腰をひたすら揉んだ。その間、腰を微妙に動かしては女の太ももの隙間にビンビンのペニスを擦り付けた。
この女がオマンコをしたくて堪らないのは事実だった。それは、あのぐっしょりと濡れたパンティーが物語っているのだ。
マッサージなどと遠回しに誘ってはいるが、本当はこのまま背後からヌプっと入れられたいと思っているに違いないのだ。
僕はそう思いながら、激しくペニスを擦り付けた。
いつしかペニスは太ももの隙間にスッポリと挟まり、腰を動かす度にムチムチとした肉の感触がペニスを包み込んでいた。
そんな感触は彼女にもあるはずだった。僕が入れる感触なら、彼女は入れられる感触を、今、太ももに感じているはずだ。
ハァハァと荒い息を吐きながら、女の腰を親指でグイグイと押した。そしてそのままゆっくりと体を屈め、顔を歪に傾けながら丸い尻の裏側を覗き込む。
おもわず目を疑った。期待はしていたものの、まさかここまで濡れているとは思いもよらなかった。
女のグロテスクなワレメからは白濁の汁がトロトロと溢れていた。その汁はワレメの皺を滴り、陰毛を通過し、そしてベッドのシーツにじっとりとしたシミを作っていた。
小さな感動と共に底知れぬ興奮が胸の奥でゾクっと跳ねた。
強がり言って悪態をついていたものの、この女が持つ動物的な変態本能はパンティー同様にまたしても恥ずかしい証拠を作ってしまっていたのだ。
(バカな天の邪鬼め……)
そう細く微笑んだ僕は、ふと、子供の頃に『日本昔話し』で見た天の邪鬼の物語を思い出した。
確か天の邪鬼という妖怪は、わざと反対の事をしたがる性質を持っていたはずだ。誰かが『この饅頭おいしいね』と言えば、天の邪鬼自身、本当はほっぺたが落ちる程においしいくせに、あえて『不味いよ、吐きそうだよ』と嘘を付くのだ。
そんなストーリーを思い出した僕は、ひとつの賭けに出てみようと思った。
僕は「もう疲れたよ、クタクタだ」と言いながら、そのままベッドにゴロリと横になった。
「え~っ……マッサージはもう終わりなの……」
女は残念そうに呟きながら、仰向けに寝転がった僕の顔を覗き込んだ。そんな女の目は明らかに卑猥な熱を帯びていた。
「もう無理。疲れた。セックスは諦めてこのまま寝る……」
そう言って僕はソッと目を綴じた。
女は、「うそぉ~」や「信じられない……」などと呆れた声で呟きながらしばらく僕の顔を覗き込んでいた。女のいらただしい気配がムンムンと漂って来る。
「あぁ~あ……つまんないなぁ……帰ろっかな……」
女は明らかに僕に伝えようと、わざとらしく独り言を呟いた。
それでも僕は女を無視した。そして時間を見計らってスースーと嘘の寝息を立て始めると、女は「本当に寝ちゃったよ……」と、少し残念そうに呟き、いらただしい溜め息と共にヒステリックな寝返りを打ったのだった。
ダブルベッドのマットがグワンっと揺れた。そんな揺れに身を任せながら、ひたすら嘘の寝息を立てた。
天の邪鬼が我慢できなくなり、自分の口から「セックスしようよ」と寝ている僕を起こすのを、僕はひたすら待ち続けた。
この変態女なら絶対に誘って来る。
そう確信を持っていた僕だったが、しかし寝たフリをしているうちに強烈な睡魔に襲われ、ジワジワと意識が遠退いて行く。
そしていつしか僕は、不覚にも本当に眠ってしまっていたのだった。
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