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八月の懺悔5

2012/03/30 Fri 13:05

   八月5




—11—

 シートの上でM字に股を開く恵子は、ジュポッ、ジュポッ、と激しい音を立てながら奥田のペニスをしゃぶっていた。そんな恵子の耳に「運転手さんが見てるぞ……」と囁くと、恵子は口にペニスを銜えたまま「うううぅ」と眉間にシワを寄せた。
 運転手に見られている事に感じているのか、恵子の舌の動きが更に激しくなって来た。奥田はそんな淫らな恵子を静かに見下ろしていると、不意に、恵子がしゃぶる、チュポッ、チュッポ、というリズミカルな音とは別に、なにやら、クチュ、クチュ、という粘着性のある音が車内に響き始めた。
 その音が恵子の下半身から聞こえて来る音だという事に、奥田は直ぐに気付いた。奥田はそっとシートに前屈みになりながらM字に開いた恵子のミニスカートの中を覗いた。
 薄暗い車内の灯りが、そこをよりグロテスクに映し出していた。ワサワサと生える陰毛の奥に、ベロリと内部を曝け出す赤いワレメ。そんなワレメに恵子の白魚のような細い指がヌルヌルと這い回り、太ももの付け根までもいやらしい汁でテラテラと輝かせていた。
 それを前屈みになって覗いていた奥田の耳に、運転席から「ハァハァ」という運転手の荒い息が聞こえて来た。もしかしたらこの運転手は、妻のオナニーシーンを見ながらこっそり陰茎を弄っているのかもしれないと思うと、奥田の変態性欲は更に高揚した。
 おもわずイキそうになった奥田は、慌てて恵子の口からペニスを抜いた。口が自由になった瞬間、恵子は奥田の太ももに顔を押し付けたまま喘ぎ声を張り上げた。
 そんな恵子に奥田は尋問を続けた。
「その他に、どんなビデオを撮られたんだ……」
 奥田は汗ばむ恵子の額を優しく撫でながら、恵子の顔を覗き込んだ。
「…………」
 一瞬、喘ぎ声を止めた恵子は、ハァハァと荒い息を吐きながら武田に撮られた卑猥なビデオを思い出していた。そして不意に何かを思い出したかのように眉間にギュッと皺を寄せた。
「……ホームレスと……ヤラされました……」
 激しいショックが奥田を襲う。よりにもよってホームレスなどという薄汚いヤツに妻が……と絶望しながらも、しかし反面ではその残酷さが理解不能な性的興奮を呼び起こした。
「ホームレスにドコでどうやってヤられたんだ……」
 声を震わせながら奥田が聞く。
「夜の公園で武田に裸にされました……そのままホームレスの小屋へ行くように命令されました……」
 恵子はその時のシーンを思い出しては感じているのか、股間から聞こえる卑猥な音を更に激しくさせながら言葉を続けた。
「……全裸で小屋へ入って行くと、大きな男が驚いて私を見てました……私は武田に命令された通り『犯して下さい』と言いながら、大きな男の前で股を開きました……あぁぁん……」
「ホームレスのチンポを入れられたのか? ヤられちゃったのか?」
 奥田は動揺しながら恵子の細い肩を鷲掴みにした。
「入れられました! 無茶苦茶にされました! 中にいっぱい出されました!」
 恵子がそう叫んだ瞬間、愕然と窓の外を見つめていた奥田の目に、公園の暗闇の中でボンヤリとベンチに佇む薄汚い男の姿が飛び込んで来た。
 見覚えのあるその男に振り返りながら、「止めろ!」と、奥田は運転席に向かって叫んだ。
「えっ? あの、南町商店街はすぐそこですけど」
 運転手はアタフタと動揺しながらそう答え、慌ててバックミラーの角度を元に戻した。
「いいからここで止めてくれ!」
 奥田の強引な言葉と共にウィンカーの音がチカチカと車内に響き出した。
「ここじゃ止めれませんのでそこの駐車場に入りますから……」
 運転手は動揺しながらそう言うと、そのまま車線を左に変更させ『市民文化美術ホール』と大きな看板が掲げられた駐車場に侵入したのだった。
 その巨大な駐車場は、隣りの公園から続く森に囲まれては鬱蒼としていた。駐車場の奥へ進もうとする運転手に「ここでいいよ」と告げると、運転手は「そこの公園を抜ければ南町商店街ですから」と言いながら、わざわざ駐車場の隅の暗闇にタクシーを止めた。
 カチカチっとメータを鳴らす運転手が「1500円です」と言った。奥田は財布から1万円札を取り出すと、「お釣りはイイから、そのかわり、この事は奥田さんの旦那さんには内緒だぞ」と、あくまでも奥田家の客人を装いながら、一万円札を運転席にパラリと落とした。
 すると運転手はその一万円札を拾いながら奥田の顔をソッと覗き込み、「あのぅ……」と不敵な笑みでニヤニヤと笑った。
 一瞬、この運転手が更に口止め料を要求してくるのかと思った奥田は、本来なら「ふざけるな!」と怒鳴っては署にしょっぴく所だが、しかしこの状態ではそれもできぬと思い、再び財布を開きながら「いくら欲しいんだ」と聞いた。
「いえいえ、滅相もない。お釣りもちゃんとお返ししますから……」
 運転手は慌ててそう言いながら、サイドギアに挟んでおいたショルダーバッグからお釣りを出し始めた。
「じゃあなんだ。はっきり言ってみろ」
 奥田は凄みながら運転手を睨んだ。
 運転手は「えへへへへ」と恥ずかしそうに笑いながら、お釣りの八五〇〇円を奥田に手渡した。そして、そのニヤニヤと笑う目で奥田を見つめながらボソッと言った。
「抜かせて貰えませんか?」
 奥田は「抜く?……どう言う事だ」と首を傾げた。
「ええ。ですから……奥さんのアレを見ながら……へへへへ、コレさせて下さいよ……」
 運転手は握り拳を縦にしながら、それをシコシコと上下に振っては恥ずかしそうに笑った。
「……センズリしたいって事か?……」
 奥田が聞くと、運転手は「へへへへへ」と笑いながら頷き、「口止め料って事でお願いできませんかね……僕、もうさっきから我慢できなくって……」と、下半身をモゾモゾとさせたのだった。

 エアコンのスイッチの灯りがボンヤリと灯る運転席がカクカクカクと小刻みに揺れ始めた。
 そんな揺れる運転席を後部座席から見ていた奥田は(世の中には変なヤツが沢山いるもんだ)、と思いながらも、奥田のシートの隣りで運転席に向かって股をM字に開きながら悶えている妻を見ては、(まぁ、俺たち夫婦の方がもっと変なヤツなんだろうけどな)と、ふと可笑しくなった。
 運転手は、運転席から身を乗り出すようにしながら後部座席を覗き込み、「本当に綺麗な奥さんですよね……」と、奥田を見て微笑んだ。
 そんな運転席を奥田も覗いてみた。灰皿の下の小さな車内灯が、運転手の激しく上下するペニスを照らし出していた。そんな運転手のペニスは、まるで芋虫のようにモグモグしていた。
「包茎か?」
 奥田がそう聞くと、運転手は恥ずかしそうに笑いながら「真性です」と答えた。
「歳はいくつだ」
「今年で30になります」
 運転手は芋虫ペニスをシゴきながら答える。
「嫁さんはいるのか?」
「いえ、恥ずかしながら彼女すらいません」
 運転手はそう言いながら、不気味にゲヒゲヒと笑った。
 30才の真正包茎。デブで不細工で安月給のタクシー運転手ではまともな彼女も無理だろうなあ、と思いながらも奥田は「じゃあ風俗ばっかか?」と聞いた。
「いえ、それが、この所、軍資金が乏しくて……へへへへ、最近ではもっぱらエロサイトなんか見ながらコッチで解消してます」
 運転手はそう笑いながら、上下に蠢く芋虫ペニスを奥田に向けたのだった。
 そんな悲惨な運転手の醜いオナニーを見ていた奥田の心中に、なにやら黒くてドロドロとした渦が貪よりと蠢き始めた。
(こんな醜男と恵子を……)
 不意にそんな欲望に駆られた奥田は、股間にクチュクチュと指を滑らす恵子をソッと見た。
(この変態女は犬とも平気でヤってた女だ……どうせこいつのオマンコは汚れきっている……)
 奥田はそう思いながらも、この醜男に陵辱される妻を想像し密かに悶えた。
 奥田は、目を半開きにさせながらシコシコとペニスをシゴいている醜男を見た。
「おい……」
「はぁ……」
 醜男は、その半開きの目のまま奥田をソッと見る。
「場所……代わってやろうか?」
 奥田のその言葉に、醜男はたちまち目を大きく開いた。
「ホ、ホンマですか……」
 醜男はいきなり関西弁になりながらゆっくりと身を起こす。その瞬間、駐車場の街灯がぼんやりと注ぎ込む後部座席の隅で恵子の体がピクンっと跳ねた。そして、まるで寝言のような朦朧とした口調で「いくっ」と短く唸り、その美しい爪先をピンっと伸ばしたのだった。


—12—

 後部座席のドアを開けると、鬱蒼とした森の青臭い夜風が奥田を包み込んだ。
「ラッキーです」と満面の笑みを浮かべながら醜男が運転席から降りて来た。奥田はそんな醜男を見ながら複雑な気分になった。が、しかし、奥田はどうしても妻が他人に汚されるシーンを見てみたかった。
 ニヤニヤと喜ぶ醜男を見つめ、(こいつは性処理用の犬なんだ)と自分に言い聞かせては不安を取り除いた奥田は、後部座席に乗込もうとする醜男に、「妻の体には絶対に触るなよ」と念を押すと、そのまま素知らぬ顔をして煙草に火を付けたのだった。

 そこはかなり巨大な駐車場だった。その奥に聳える『市民文化美術ホール』のお城のような建物は、あきらかに箱モノ行政とわかるバブリーな建物だった。
 そんな『市民文化美術ホール』を飲み込むようにして鬱蒼とした森が広がっていた。その森は巨大な公園へと繋がり、夜の樹木が水銀灯に照らされては、貪よりとした不気味さを醸し出していた。
 そんなドス黒い森に向かって煙を吐いた奥田は、口内にジワリと残る苦味を感じながらソッ車内に目をやった。
 恵子がM字に股を広げたまま座り、その股の中を必死に覗き込んでいる醜男。そんな2つの影がモゾモゾと蠢いているのが見えた。
 愛する妻の陰部を、今、見知らぬ男が顔を近づけて見ている。膨らんだクリトリスもパックリと濡れ開いた膣穴も、そして肛門のシワまでも事細かに見られているに違いない。そう思うと奥田の亀頭に鋭い刺激がズキン!と走った。
 煙草を靴底で揉み消した奥田は、今までにない激しい興奮に包まれながら助手席のドアを開けた。
 車内には一種独特な熱気がモワッと溢れ、2人の荒い息づかいがまるで安物のAVのように響いていた。
「えへへへへ……」
 あと数センチもすれば鼻が恵子の陰部に触れそうなくらいにソコに覗き込んでいた醜男は、奥田の顔を見上げながらそう笑うと、すかさず「奥さんのオメコ、いいニオイしますね」と、わざとらしく鼻をクンクンと鳴らした。
 奥田は助手席に腰を下ろすと恵子の顔を覗き込んだ。
 恵子は奥田の顔を見るなり、慌ててM字に開いていた脚をパッと閉じた。そして「ごめんなさい……」と呟く。そんな恵子の右の人差し指はいやらしい汁でテラテラと輝いていた。
 恵子のその「ごめんなさい」という言葉が、奥田の感情をムラムラと熱くさせた。
(見知らぬ男に陰部を見せつけながらオナニーする女……。この女は、もし俺がここにいなければ、間違いなくこの醜男にヤらせているだろう……)
 強烈な嫉妬と絶望に駆られた奥田は、胸に熱く滾る怒りを必死に堪えながら恵子をそっと見た。
「その人のチンチンをシコシコしてやりなさい……」
 奥田のその言葉に、すかさず醜男が嬉しそうにニヤリと笑った。
 そんな醜男の『悦び』は、即ち奥田にとっては『苦しみ』だった。では、なぜそんな苦しみをわざわざ自らの意志で作り出さなければならないのか。それは奥田本人にも理解できなかった。

 醜男はモゾモゾと腰を移動させながら、芋虫のような包茎ペニスを恵子に向けた。恵子はその芋虫を迷う事無く手の中に握った。
 恵子はそれを全く拒否しなかった。嫌がる風も無く、皮に包まれた醜い陰茎をシコシコと上下に動かしていた。
 恵子がそれを拒否しないのは、少なからずもそこには恵子の願望があるからだった。自白剤は感情をはっきりさせる薬だ。この薬を飲めばどんな強情者でも子供のように素直になれるのだ。
 そんな自白剤を飲んだ今の恵子は、まさしく玩具を欲しがる子供のように、そのペニスを欲しがっているに違いないと、奥田は確信していた。
「あぁぁぁ……すげぇ気持ちいいです……」
 シートで両足を投げ出す醜男は、クチュクチュと音を立てながらシゴかれる自分のペニスをジッと見つめながら、隣りの恵子の肩にソッと手を伸ばした。
(恵子に触るな!)
 奥田は心の中でそう叫ぶが、しかし一方では、奥田の胸には、(もっと触れ! その女の、乳もマンコもぐちゃぐちゃにしてやってくれ!)という、不気味な欲望が密かに渦巻いていた。
 奥田は助手席のシートに座り直すと、2人に背を向けたまま煙草に火を付けた。後から聞こえて来るゴソゴソと言う音に気が狂いそうになりながらも、冷静を装い、黙ってタバコを吹かした。
 ふと見ると、バックミラーにより後部座席が見える事に気がついた。奥田は2人に気付かれぬよう助手席に深く身を沈め、絶望と興奮の眼差しでバックミラーを見つめたのだった。
 案の定、醜男は奥田との約束を破っていた。醜男は恵子にペニスをシゴかれながら、その左手を恵子の太ももにソッと置いていた。
 そんな醜男の指が、まるでタランチュラのように蠢きながら恵子の股へとジワリジワリと近付いて行く。
 そんな指の動きをバックミラーから見ていた奥田は、その醜男をぶっ殺してやりたいと思いながらも、その指がそこに到着する事を密かに待ち望んだ。
 醜男の指は恵子の内股に落ちると、ゆっくりと恵子の股を開かせた。恵子には全く抵抗する気配もなく、ただ黙々と真正包茎のペニスをシゴいていた。
 恵子の股を大きく開かされ、バックミラーにその陰部が映し出された。醜男の指が赤黒いワレメのヒダをヌルヌルと開き、パックリと開いた穴の中にグニグニと侵入して行った。
「あぁぁん」
 不意に恵子が喘いだ。そんな恵子の声に驚いた醜男は、慌ててワレメから指を抜くと、助手席の奥田の様子を恐る恐る伺った。
「恵子……そのチンポ、舐めたいか?」
 いきなり奥田がフロントガラスに顔を向けたまま呟いた。
 驚いた醜男が「えぇ! ホンマですか!」と叫ぶ。
 しばらくすると、バックミラーに映る恵子がコクンと頷いた。
「だ、旦那はん、今、奥さん頷きました!」
 バックミラーで見られている事に気付いていない醜男は、恵子が頷いた事にたちまちテンションをあげ、助手席に向かって必死で叫んだ。
 奥田はゆっくりと後部座席に振り返った。そしてオドオドしている恵子をジッと見つめた。
「でも、この人は風呂に入っていないぞ? それに包茎だから凄く汚くて臭いんだぞ?……それでもいいのか?」
 奥田がそう聞くと、隣りの醜男が「そんなクサない思いますけど……」とテレながら笑った。
「どうなんだ恵子。そんなに汚れている包茎チンポをお前は本当に舐めたいのか?……」
 奥田がもう一度聞くと、恵子は申し訳なさそうに顔を歪めながら、静かにコクンと頷いた。
「よし、わかった。じゃあ舐めろ。その代り、ちゃんとその皮の中に舌を入れて亀頭まで綺麗に舐めるんだ。いいな」
 奥田の言葉に恵子が恐る恐る頷くと、醜男がぎひひひひひひっと下品な声で笑い出し、「ほなら、お願いします」と言いながら、恵子にその醜いペニスを向けたのだった。
 奥田は再び2人に背を向けると、素早くバックミラーを覗き込んだ。恵子の髪が醜男の太ももにパラパラと落ち、そしてテラテラと輝く赤い舌が唇から伸びるのが見えた。
「あぁぁぁ……奥さん……」
 醜男は恵子の頭部を両手で押えながら天井を見上げた。そんな醜男の手が、どさくさに紛れて恵子のTシャツの中に滑り込んで行く。
 ぺちゃ、ぷちょ、くちゃ、という唾液の音が車内に響き始めた。そんな音を聞きながら、醜い真正包茎の皮が恵子の口内でメリメリと捲られて行くシーンが奥田の頭の中に卑猥に浮かび上がる。
「おい、そいつは、ちゃんと皮の中まで舐めてるか?」
 奥田はタバコを吹かしながら醜男に聞いた。
「は、はい、奥さんの舌は皮の中に……あぁぁ……凄いです、凄く気持ちいいです……」
 醜男はそう答えながらも、またしてもどさくさに紛れて恵子のワレメに指を這わせた。
「ムグぅ……ムグぅ……ムグぅ……」
 ペニスを銜えながら喘ぐ恵子の声が聞こえて来た。
 そんな恵子の切ない声にクラクラと目眩を感じた奥田は、いきなりガバッと後ろを向き、驚く醜男に向かって「こいつとヤリたいか?」と聞いた。
 今度の醜男はさすがにギョッとした。その奥田の異常な気配に恐れをなしたのか、醜男はオロオロになりながらも「い、いえ、僕はこのままで……」と答え、そして恵子の股間からソッと手を離した。
「怖がらなくてもいいんだ。この変態女はおまえにヤッて欲しくて堪らないんだ」
 そう不敵に笑う奥田の目に、一心不乱に包茎ペニスをしゃぶる恵子の姿が映った。そんな恵子の唇から出たり入ったりしているペニスは先っぽの皮をダラリと捲らせ、その皮の中から真ピンクに輝く亀頭を少しだけ突き出させていた。
(強烈に臭そうだ……恵子は、よくこんな汚いモノを……)
 そう思うと、カーッと頭に血が上った奥田は居ても立ってもいられなくなった。
「いいからヤれ! そいつの変態マンコにその包茎チンポをぶち込んでやるんだ!」
 興奮しながらそう叫ぶと、醜男は「で、でも、僕、もう」と情けない声を出した。
「イクのか? イキそうなのか?」
「は、はい、ごめんなさい!」
 醜男は両足をピクピクさせながら「あぁぁ!」と小さく叫んだ。
「じゃあ舐めろ! 恵子のマンコを舐めるんだ!」
 奥田は必死に叫んだ。これからもっともっとこの人畜無害な醜男を、性的玩具として使おうと思っていた奥田は悔しそうにそう叫んだ。
「は、はい!」
 醜男は慌ててシートに横になると、恵子の小さな体をおもいきり引き寄せた。ペニスにしゃぶりついたままの恵子は、そのまま寝転がる醜男の顔を跨ぐとシックスナインの体勢になった。
 恵子の小さな尻が天井に向いていた。その尻の下では、恵子の陰部にしゃぶりつく醜男が「ぶじゅ、ぶじゅ、ぶじゅ」と下品な音を立てていた。
 そんな醜男が「あっ、イク!」と恵子の股の中で叫んだ。醜男の短い脚がピーンっと引き攣り、それに反応した恵子の頭部がスピードを更に早めた。
 奥田はシートから這い出しながら恵子の顔を覗き込んだ。恵子が摘んでいる陰茎がピクピクしているのを目にした瞬間、(妻が他人の精液を飲んでいる!)という激しい嫉妬に駆られた奥田は、いきなり恵子の顔をペニスから引き離した。
 唇からヌポッと抜けた包茎ペニスは、ドクン、ドクン、と脈打ちながらピュッピュッと精液を飛ばした。
 すかさず恵子が「あぁぁん」と勿体無さそうに顔を顰めた。そして恵子は、再びその精液を飛ばすペニスを口の中へペロンっと滑り込ませた。
「やめろ! 飲むな!」
 奥田は半狂乱になりながら恵子を突き飛ばした。しかしそれでも恵子は唇の端から精液をトロトロと垂らしたまま、再びペニスに舌を伸ばそうとする。
 そんな醜男の包茎ペニスから、何とも言えぬ強烈な恥垢臭がプ~ンっと漂って来た。そんな激臭な臭いに包まれながら、未だそんな激臭ペニスに舌を伸ばそうとする恵子の姿に奥田は愕然とした。
(こいつは狂ってる……こいつは本物の被虐性淫乱症だ……)
 醜男の腹に垂れる精液を、まるで練乳を味わうかのように舐める恵子。そんな恵子を見つめる奥田の背筋に、冷たいモノがスススッと走った。
(武田は……俺の妻にとんでもない調教をしやがった……)
 そう愕然とする奥田は、底知れぬ怒りと共に、更なる淫らな欲望を抱き始めていたのだった。


—13—

 薄暗い公園を歩く奥田は、フワフワと体を揺らしながら付いて来る恵子を気にしながらも、広い公園に目を凝らしていた。
 大通りを走り去る救急車の音が鬱蒼とする森の中に谺していた。そんな森は暗闇の中で巨大な黒い塊と化し、その奥に聳える高層ビルの航空障害灯がアンバランスに赤く点滅していた。それはまさしく「都会の森」と呼ぶに相応しい卑猥な光景だった。
 不意に奥田は立ち止まり恵子に振り向いた。自白剤で朦朧とする恵子だったが、しかし振り向いた奥田に気付き、慌てて顔を背けた。
 先程のタクシーでの出来事が恵子に強烈な罪悪感を与えているらしい。夫の目の前で他人の性器をしゃぶり、そしてその精液を飲んでしまったという後ろめたさが、恵子のその美しい顔に貪よりと暗い陰を作っていた。
 誰もいない暗闇の公園で、そんな恵子の『陰』を見つめていた奥田は、再びメラメラとした変態性欲が湧いて来た。
(マゾの変態女め……)
 そう心で呟く度に奥田の興奮は高まった。愛する妻を滅茶苦茶にしてやりたい思う加虐心と、愛する妻が滅茶苦茶にされる絶望的なシーンを見たいと思う被虐心が複雑に絡まり合う。
 奥田は項垂れる恵子に歩み寄ると、いきなりミニスカートを乱暴に捲った。水銀灯の灯りが真っ白な太ももと黒々とした陰毛を卑猥に照らし出した。恵子はジッと項垂れたまま奥田から顔を背けていた。そんな恵子に抵抗する意思は全くないらしい。
 奥田は閉じた股間の隙間に指を押し込んだ。陰毛のジリジリ感の後に、ヌルッとした熱いヌメリが奥田の人差し指を包み込んだ。
「どうしてこんなに濡れてるんだ?……あのタクシー運転手の汚いチンポで感じたのか?……」
 奥田が低い声でそう聞くと、恵子は迷う事無くコクンと頷いた。
 この自白剤は、通常4時間から5時間は効き目があると言われている。今まさに効き目が最高潮に達している恵子は、絶対に嘘は付けないのだ。
 奥田はそんな恵子の陰部を2本の指でヌルヌルと掻き回しながら、「あの包茎チンポはどんな味がした」と聞いた。
 中腰のまま奥田の腕にしがみつき、その指の動きに腰をカクカクと動かす恵子は、ハァハァと荒い息を吐きながらも「生ゴミ……」と呟いた。
「ふん。おまえはそんな生ゴミ臭いチンポに感じていたのか……糞のような変態女だな」
 そう吐き捨てながら2本の指を根元まで一気に押し込んだ。
「はぁっ!」と小さな悲鳴をあげた恵子は、まるで腰が抜けたかのようにストンと地面にしゃがみ込んだのだった。
 奥田は抜けた指を街灯に照らして見た。2本の指にまとわりつくドロドロの粘着汁が、水銀灯に照らされてテラテラと輝いていた。
 奥田は恵子を強引に起き上がらせると、そのまま公園の隅へと連行した。水銀灯の灯りの届かない、暗い薮の中まで恵子を連れて行くと、夜露が湿る雑草の上にその細い体を押し倒した。
 恵子の細い脚を腕の中に抱え込み、赤ちゃんがオシメを替える時のように股を大きく開かせると、そのままカチカチとズボンのベルトを外し始めた。
「あの運転手のチンポ……入れて欲しかったか……」
 細い体を正常位で押さえ込みながら恵子の耳元に囁く。
「はい……」
 恵子の震える声と共に、奥田のズボンから勃起したペニスが飛び出した。
「こうやって、コレをココに入れて欲しかったんだろ……」
 奥田はドロドロのワレメに亀頭をヌルヌルと這わせながら恵子の顔を覗き込む。恵子はそんな奥田から必死に顔を背けながらも、「はい、入れて欲しかったです」と正直に答え、下唇を噛みながら「うぅぅ」っと唸った。
「ほら」
 奥田はそう囁きながら腰を一気に突いた。ペニスが穴の中へとヌルンっと滑り込むなり、恵子は激しく唸りながら奥田の体にしがみついて来たのだった。
 奥田はそのヌルヌル感をペニスに感じながら、リズミカルに腰を動かし始めた。そして悶える恵子を見下ろしながら尋問を続けた。
「あの運転手にどこを舐められた……」
 雑草の上で顔をイヤイヤと振る恵子は「オマンコ……」と呟いた。
 今まで、奥田の性器を見る事も、自分の性器を見せる事さえも頑に嫌がっていた潔癖な恵子が、今、「オマンコ」などという卑猥な言葉を堂々と吐き捨てた。そんな下品な言葉は、きっと武田から教え込まれたに違いなく、それを思うと奥田の嫉妬は更に激しく燃え上がった。
「オマンコだけじゃわからないだろ……もっと詳しく説明するんだ……」
 恵子の太ももの裏に激しく自分の太ももを衝突させる奥田は、静まり返った公園にパンパンと乾いた音を響かせながら聞いた。
「クリトリスを吸われました……お尻の穴も、オマンコもベロベロに舐められました……そして、そして……」
 奥田はペニスを根元まで深く押し込んでは、「そしてなんだ!」と腰をグリグリと掻き回しながら聞いた。
「オマンコの中に舌を入れました! オマンコの中で舌を出したり入れたりしてピストンしました!」
 そう必死に答えた恵子は「あぁぁ、イクぅ!」と短く叫んだ。
 奥田はそんな恵子を見下ろしながら素早くペニスを抜いた。ヌルンっと抜け出たペニスは、白濁の汁でドロドロになりながらホヤホヤと湯気を立て、亀頭をヒクヒクさせてはその逞しい姿を月夜に照らし出した。
「あぁぁん、いやぁん!」
 ブリッジの体勢でそう叫ぶ恵子は、慌てて自分の指をクリトリスに這わせた。すると突然、恵子の尿道から、「ブシュッ!」と音を立てて小便が飛び散った。
 飛び散った恵子の小便が奥田の太ももを汚した。それを手の平で拭い取りながら、奥田はゆっくりと立ち上がった。そして、ハァハァと荒い息を吐きながら横たわる恵子を見下ろし、「チンポでイキたいか?」と聞いた。
「はい……チンチンで……イカせて下さい……」
 そんな卑猥な言葉を呟きながら奥田を見上げる恵子。今まで、上品で清楚で綺麗な奥さんと近所で評判だった恵子の姿は、そこには跡形も無かった。
「よし。それじゃあお望み通りチンポでイカせてやろう。ついて来い……」
 奥田はそう呟きながら、ドロドロのペニスをそのままズボンの中に押し込んだ。そして、パサ、パサ、という地面の落ち葉を踏みつける音を響かせながら、鬱蒼とした森の暗闇の中へと入って行ったのだった。

 ここに来る途中、走るタクシーの窓から見たパチンコ店の大きな看板を発見した奥田は、(確かこの辺にいたはずだ……)と、辺りを見回した。
 キョロキョロする奥田の後で、恵子はどっぷりと暗い陰に包まれながらひっそりと立ちすくんでいた。
 そんな恵子のミニスカートの尻には数枚の枯れ葉がくっついていた。髪はだらしなく乱れ、Tシャツには乳首が浮かび上がり、そして素足に履いたサンダルが脱げかけていた。そんな荒んだ姿で、貪よりと暗い陰を表情に浮かばせる我妻を、奥田は素直に卑猥だと思った。
 しばらく歩くと、薮の中に、『中央病院』と書かれた古い木製ベンチを発見した。確かヤツはこのベンチに座っていたはずだ、と思いながら、ベンチの上にポツンと置いてあった『お~いお茶』の缶にソッと触れた。その缶はまだほんのりと温かかった。それを確認した奥田は、ヤツはまだこの付近にいるなと確信した。
 そのベンチから約30メートルほど離れた先に、弱々しい蛍光灯がボンヤリと灯る公衆便所があるのが見えた。奥田は、「ヤツは絶対にあそこだ」と刑事の勘を働かせながら、まるで夜虫が街灯の灯りに引き寄せられるかのように、不気味に佇む公衆便所に向かって足を進めたのだった。
 公衆便所の前で足を止めると、奥田は恵子に「ここで待ってろ」と告げ、一人で女子便所に入って行った。
 タイルに囲まれた女子便所はひんやりと冷気が漂い、洗面所の壊れた蛇口からポツポツポツと水滴の音を谺していた。ズラリと並んだ3つの個室は全て扉が開いていた。そのひとつひとつを奥田は慎重に覗いて回る。
 そんな個室の汚物入れは、どれも物色された形跡があった。その一番奥にある個室で足を止めた奥田は、タンクの下に転がっている蓋の開いたままの汚物入れと、そして和式便器の周りに散乱する汚れた生理用品を見つめ、(やっぱりな……)と頷いた。
 急いで女子便所を出ると、薄暗い街灯の下でポツンと立ちすくんでいる恵子を横目に、そのまま男子便所へと足を忍ばせた。
 トイレに入るといきなりバリバリに割れた洗面所の鏡が目に飛び込んで来た。そんな朽ち果てた洗面所の横の白い壁には、かなり年代物と思われる『新宿スペクター』というスプレーの落書きが殴り書きされている。
 女子便所と違って、男子便所には小便器が剥き出しになっているせいか、強烈なアンモニア臭がムンムンと漂っていた。そんな臭いに顔を顰めながらソッと奥を覗くと、3つ並んでいる個室のうち、真ん中の個室のドアだけが閉まっていた。
(あそこだな……)
 奥田は湿ったコンクリート床をソッと進み、手前の個室に忍び込んだ。
 そんな個室の中は、これでもかというくらいに卑猥なラクガキが書き巡らされ、そしてなぜか和式便所の便器の中には『週刊実話』がビチャビチャに濡れながら捨ててあった。
 そんな無秩序な個室の壁には、隣りの個室を盗み見る為のノゾキ穴がいくつも開けられていた。奥田は、これじゃあ個室の意味がないだろ、と苦笑しながらも、音を立てぬよう慎重に壁に顔を近づけると、その『ホモ以外は5分100円』と落書きされたノゾキ穴をソッと覗き込んだのだった。
 案の定、隣りの個室にはヤツがいた。
 ヤツは女子便所から盗んで来たと思われる汚物を、ひとつひとつ丁寧に床に並べ、それを眺めてはニヤニヤと笑っていた。
 ヤツは常習犯だった。これまでに、ノゾキ、下着泥棒、露出、チカン、婦女暴行など、あらゆるワイセツ事犯の逮捕歴がある前科9犯のホームレスで、奥田自身もこの男を女子トイレ侵入の罪で逮捕した事があった。
 そんな男は、年齢はまだ40半ばだというのに、長年の路上生活のせいか、見た目は70過ぎの老いぼれ老人に見えた。しかし、見た目は大人しそうでも、この男の内面には、残虐な凶暴性と猟奇的な変態性が潜んでおり、過去にも目を背けたくなるような事件を引き起こしていた。
 それは今から4年前、公園の女子便所でたまたまノゾキをしていた男は、用を足している相手が知的障害のある中学生女子と知り、個室の壁をよじ登ってその個室に侵入すると、そこで2時間に渡って少女を監禁しては性的暴行を加えたという残虐な事件だった。
 この時、被害者の少女は、男の目の前で大便をさせられたり、男の小便を飲まされるなどの変態行為を強要され、又、発見された時の少女の口の中には、男の大便の付いたトイレトッペーパーがぎっしりと詰め込まれ、性器や肛門の中にも、100円ライターや携帯ストラップといった異物が多数押し込まれていた。
 そんな猟奇事件を引き起こしたこの男は、2年の懲役刑を受けた後、1年間精神病院に隔離されていたが、しかし最近になって退院してきたらしく、再びこの地域の公園に住み着いていた。
 そんな男は、当然の事ながら最重要危険人物として登録されており、所轄の奥田達もこの男をマークしていたのだった。
 そんな危険な男が、今、奥田の隣りの個室で、真っ赤に汚れた生理用品を床に並べてはニヤニヤと笑っている。
 奥田はそんな狂った変態男をノゾキ穴から見つめながら、究極の決断を迫られていた。
(こいつに……恵子を汚させたい……)
 奥田は乾いた喉にゴクリと唾を飲み込みながらそう思った。
 しかし、そうは思うものの、この男はあまりにも危険すぎた。こいつは、以前にも駅の女子トイレに侵入し、中年女性の乳首をカッターナイフで切り取った事のあるキチガイなのだ。
(恵子は……殺されてしまうかもしれない……)
 そう思うと、奥田の膝がガクガクと震えて来た。
 男は、床に並べた汚物をニヤニヤと見下ろしながら、薄汚れた作業ズボンのチャックを開けた。
 開いたチャックの中から強烈に勃起したペニスがピーンと突き出て来た。それはまるで、歌舞伎町の路上で売っている石焼きイモのようにデカく、そして歪にゴツゴツとしていた。
(武田のチンポよりもデカい!)
 奥田の目はいきなり爛々と輝き始めた。あの巨大なペニスをぶち込まれ、狂ったように乱れまくる妻の姿を見てみたいという激しい欲望が、奥田の刑事としての危機管理能力を木っ端微塵に破壊してしまったのだ。
 そんな奥田に覗かれているとも知らず、男はニヤニヤと笑いながら、足下に並んでいるナプキンを1枚手に取った。
 そして、どす黒い血がベッチョリと付着する部分をクンクンと嗅ぎながら、もう1枚のナプキンをゆっくりと摘まみ上げる。
 男はナプキンの血の付いている部分を亀頭に押し当てた。そして、そのままペニスをナプキンに包み込むと、ソレをシコシコとシゴき始めた。
 ハァハァハァ……と唸る男は、匂いを嗅いでいたナプキンに舌を伸ばし始めた。そして、その誰の物かわからないナプキンに付着するどす黒い血をペロペロと舐め、そしてチューチューと吸った。
(こいつは……狂ってる……)
 そんな猟奇的なシーンを見つめながら奥田は勃起していた。恵子がこの狂った変態に滅茶苦茶にされるシーンを想像すると、勃起せずにはいられなかったのだ。
 ペニスを包むナプキンがパサパサとビニール音を響かせていた。そんなナプキンから、そこに染み込んでいた血がポタポタと床に垂れた。
 そんな床に滴る黒い血を見つめながら、(やっぱりこいつは危険すぎる……)と背筋を凍らせた奥田はその男を素直に諦めた。そしてそのまま、男に気付かれぬよう静かに個室を後にしたのだった。

(続く)

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