限りなく欲情に近い嫉妬7
2012/05/19 Sat 02:00
僕は「ちょっといいですか」と言いながら、男のいきり立つペニスを静かに握った。
男のペニスは、太さも長さも僕のペニスの倍は大きかった。
亀頭のカリも韓国産の松茸のように開き、太い竿は石のように固い。
こんなペニスを入れられればさすがの美佐子でも気付くだろうが、しかしコレを入れられた時にはもう遅いだろう。
色情魔な美佐子は、その肉棒が僕のモノじゃないと気付いても、その変態性欲はもう止められないはずだ。
そんな事を思いながら男のペニスを握っていると、男はヘラヘラと笑いながら「どうです。立派なモンでしょう。これで狂わない女は今までにいませんでしたよ」と、自慢げにタバコ臭い息を僕に吹き掛けた。
そんな男の言葉に、僕は絶望しながらその場にガクンと膝を落とし、小さな声で美佐子の名を呟いた。
「じゃあ、そろそろいいですかね……」
男はペニスをシコシコとシゴきながら僕を見下ろした。
絶望に打ちひしがれた僕がコクンっと深く頷くと、男は「では……」と言いながら夜露に湿った雑草を踏みしめた。
月夜に照らされる男の裸体は、まるで獣のようだった。
今からあの獣に愛する婚約者が犯されるのである。
僕は泣いた。想像を絶する興奮に包まれながらも、僕はポロポロと涙を流していた。
「あっ、そう言えば……」
今まさに車内へ入ろうとしていた男が、突然足を止めて振り返った。
「本当にナマでヤっちゃって良かったんですよね?」
男は赤黒いペニスを暗闇に蠢かせながら聞いた。
僕はゆっくりと起き上がりながらコクンっと頷く。
「あと……本当に中で出しちゃってもいいんですか?」
男は分厚い唇をベロリと舌で舐めながらそう聞く。
僕が再び深く頷くと、男は醜い顔をえへへへへへっと歪めながら、「久しぶりだなぁ」と呟き、そのままカーステレオが響く車内に潜り込んで行ったのだった。
僕はそんな男の後ろ姿を見つめながら声を出して泣いた。
これでもう美佐子とは終わりだと思うと、今まで楽しかった二人の時が走馬灯のように浮かび、僕は「ディズニーランド楽しかったよな……」と呟きながら、車の周りをオロオロと歩き回った。
そんな僕の目に、男が美佐子の股を開くシーンが飛び込んできた。
一瞬にして僕のそれまでの感傷は吹っ飛び、頭の中に広がっていた楽しかったディズニーランドの思い出から一転して、脳内はドロドロとした変態性欲で汚染された。
ハァハァと異常興奮した僕は、男がいつも覗いていたように、助手席の窓ガラスに顔を押し付けた。
シートの上で目隠しされた美佐子が大きく股を開かされ、ヌルヌルに濡れたオマンコを卑猥に弄られていた。
男は僕をチラッと見るなり不敵にニヤリと微笑み、そのまま美佐子の唇に、その薄汚い唇を近づけた。
美佐子は「あぁぁん! あぁぁん!」と喘ぎながら口を開き、男のナメクジのような舌を素直に受け入れていた。
股間を這う男の指は二本から三本と増え、最終的には四本の指を美佐子の中へと押し込んだ。
大音量のカーステの中から、微かに、びちゃ、びちゃ、びちゃ、というAVの指マン音が聞いて取れた。
美佐子はかなり興奮しているようだった。
首に何本も筋を立てながら喘ぎ、激しく動き回る男の指の隙間から、なにやら潮のような汁をピュッピュッと飛ばしていた。
そんな美佐子の今までにないその乱れように、僕は倒れそうなくらいに興奮した。
シコシコとシゴくペニスの先が車のドアに押し付けられ、その生温かい車体がほどよく僕の亀頭を刺激してくれた。
男は喘ぎまくる美佐子を散々弄ぶと、もう我慢できなくなったのか、美佐子の身体の上にノソノソと乗り始めた。
ここが一番緊張する場面だった。
体格も体臭も全く違う男に抱きしめられれば、誰だってそれが別人だという事に気付くはずなのだ。
まして、男のペニスは異常にデカい。
あんなのを入れられて気付かなかったなどというのは絶対に有り得ないのだ。
僕はドキドキしながら美佐子を見守った。
男のペニスが挿入された瞬間、「やだぁぁぁぁぁぁ!」と美佐子が叫んでくれる事を、僕は必死になって祈っていた。
男はそんな美佐子の身体を乱暴に開かせると、そのままその醜い体を美佐子の身体にガバッと押し倒した。
そして、まるで熟練されたレイプ魔のように、いとも簡単に美佐子の両足をパカッと開かせると、そのまま巨大なペニスをズブッ!と突き刺したのだった。
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ!」
美佐子の金属的な悲鳴が車内に響き渡った。
そんな美佐子の悲鳴にオロオロになった僕は、「美佐子!」と泣きだしながら、いつ車内に飛び込んでは美佐子を助け出そうかと必死に考えた。
が、しかし、なんと美佐子は、あんな強烈な悲鳴をあげておきながらも、男に一切抵抗する事無く、逆に男のその腰の動きに合わせて自らの腰をコキコキと振り始めたのだ。
「嘘だろ!」
思わず僕がそう叫びながら立ち上がると、腰を振る男が僕をチラッと見つめ、「さ・い・こ・う」と口パクしながらニヤリと笑った。
おもわず僕は、開いていた運転席のドアから車内を覗き込んだ。
そんな車内には美佐子のアエギ声が、ラップなのかR&Bなのかわからない洋楽にまけないくらいの大音量で響いていた。
「イクぅ! イクぅ! イッちゃうよぅ!」
美佐子のそんな声を、僕は今まで一度も聞いたコトはない。
美佐子は両太ももをピクピクと痙攣させながら男にしがみつき、そして股間から大量の汁を垂らした。
それは恐らく小便らしく、僕の車のシートは真っ黒なシミを作った。
目の前で美佐子が見知らぬ男に犯されながら感じまくっていた。
僕はもうなにがなんだかわからなくなり、ただただそんな婚約者の姿を見ながらセンズリをした。
男はいきなりガバッと美佐子の身体を抱きしめた。
そして美佐子の耳元で、大きな声で「気持ちいいか? 気持ちいいか?」と何度も叫んでいる。
そうなれば、これは明らかに美佐子はこの男が僕じゃない事に気付いているはずだ。
が、しかし、美佐子は抵抗する事も無く、いや、むしろそれに喜びを感じるかのように、男に抱きつきながら「気持ちいい! もっとシテ!」と答えている。
男は「よし、よし」と興奮しながら腰を高速で動かし、目隠しされた美佐子の唇にグニャグニャと舌を押し込んでいた。
そんなシーンを目の当たりにしながら、僕は絶望を感じ、そして本当に終わりだな……っと呟いた。
男の激しい腰の動きに合わせ、再び美佐子が「またイク! またイッちゃうよぅ!」と叫んだ。
男はそんな美佐子の耳に口を押し付けながら「俺もイクぞ! 中でいっぱい出しちゃうぞ!」と叫んだ。
そんな二人が同時にイッた。
それを見ていた僕の手からも精液が飛んだ。
僕の精液が男の背中と、美佐子の腹に少しだけ飛んだ。
三人が同時に「あぁぁぁ」っと声を張り上げ、そして同時に風船の空気が抜けて行くかのようにヘナヘナと萎れて行ったのだった。
「最近さぁ、指名してくれるお客さんが結構多くてぇ、うふふふふ、私、お店のナンバーツーになっちゃった」
美佐子はクルクル巻きにした髪を対向車のヘッドライトに光らせながら怪しく笑った。
僕は方向指示器を右に出しながら、「ふぅ~ん」と生返事をすると、そのまま大通りから街灯ひとつない田園地帯の一本道に出た。
「今月のお給料、きっといっぱい貰えるからさぁ、ねぇ、どこか温泉にでも行こうよ」
美佐子は甘えた声でそう微笑むと、ハンドルを握る僕の腕にそっと寄り添った。
更に車を右折させると舗装されていない山道が現れ、まるで侵入を拒んでいるかのように雑草がフロントガラスに群がって来た。
「あの豚親父はまだ通ってるのか?」
僕はそう聞きながらカーステレオのスイッチを入れ、ラップなのかR&Bなのかわからない洋楽を車内に響かせた。
「あぁ、植村さん。うん、ここずっと毎日くらい来てくれてるよ」
「ふぅ~ん……で、そいつと最近、いつヤった?」
美佐子は「やだぁ……」と微笑みながら、グロスがたっぷりと塗られた唇を震わせると、小さな声で「昨日、会ったよ」と呟いた。
美佐子のその言葉で、僕の股間が一瞬にして固くなった。
雑草を掻き分けながら坂道を上ると、いつもの『立入禁止』の看板がヘッドライトに照らされて浮かび上がった。
しかし、もうそこは僕らにとって立入禁止ではない。
僕は美佐子の細い太ももを優しく擦りながら「その話し、あとでゆっくり聞かせてね」と笑うと、美佐子も嬉しそうに「クスッ」と微笑んだ。
雑草だらけの丘を登りきると、ヘッドライトの向こうに警備員の制服を着た中年男が嬉しそうに手を振っているのが見えた。
(限りなく欲情に近い嫉妬・完)
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