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でんでんむしむし皮かむり2

2010/06/18 Fri 09:49

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               8


脱衣場のドアにソッと耳をあてた大助は、中から聞こえて来た「♪ふんふん♪ふふん♪」という優子の鼻歌に想像を絶する興奮に包まれた。
スルスルっという音が響く。その音はきっとセーラー服のリボンを取った音だろうとそう予想した大助は、今まさにこのたった1枚の扉の向こうでは憧れの中学生がセーラー服を脱いでいるのだという実感に、おもわず心の中でお題目を唱えられずにいられなかった。
そのように興奮しながらドアに耳を押し当てていた大助だったが、しかし、さっきから優子が口ずさんでいるその鼻歌は、いったい何の曲だったかが気になって仕方なくなって来た。
「♪ふんふん♪ふふん♪」と、大助も小声で口ずさんでみる。しかし、その曲はそこで途切れてしまい、それ以上前には進まなかった。

ガラッ!という浴室のドアの音が中から聞こえて来た。
とたんに全裸の優子の妖精のような姿が目に浮かぶ。
「あっ!」という声が聞こえて来た。
すかさず優子の「ボディーソープがないよぅ・・・」というアニメチックな声が聞こえて来た。
扉の下付近でガサゴソという音が響いていた。
その音が聞こえて来る扉の下部分に耳を移動させる大助。
優子は洗面所下の棚からボディーソープを取り出し、それを詰め替えているようだった。
この扉のすぐ向こうで、全裸の中学生が幼気なオマンコをモッコリと膨らませながらしゃがんでいる・・・
そんな妄想を繰り広げる大助は、「南無妙法蓮華経・・・南無妙法蓮華経・・・」と小声で呟きながら、扉の向こうに静かに手を合わせた。

「よし・・・」
ボディーソープの詰め替えを完了したらしい優子の声が聞こえて来た。
今すぐこの扉をぶち破り、キョトンっとしゃがんでいる優子をその場に押し倒しては、学校で汚れた腋の下や足の指の間、そして肛門から膣全域をペロペロと舐め尽くしては存分に味わいたいという衝動に駆られ大助は、その雑念を取り払うべく、更に「南無妙法蓮華経・・・」のスピードを速めた。

再びガチャ・・・っと浴室の扉の音が聞こえた。
カタコト・・・っという音の後に、シャァーーーーーーーッというシャワーの音が響き、一呼吸置いてボッ!というボイラーの鈍い音が轟いた。

息を止めたまま脱衣場のドアノブを捻った。
まったく物音ひとつ立てずに脱衣場のドアを開けた大助は、将来自分は立派なコソ泥になれるのではないかと妙に自信がついた。
脱衣場の奥に南京錠がぶら下がった洗濯機が置いてあった。洗濯機の上には脱ぎ捨てたばかりの優子のセーラー服が山積みされている。

しかし、そこに辿り着くには、浴室ドアの前を横切らなければならなかった。
その浴室ドアは模様の入った透明アクリル窓になっており、ガラスのようにハッキリとは見えないが、しかし色や形はボンヤリと見る事が出来る。
実際、今、浴室の中で全裸で椅子に座っている優子の姿もアクリル窓にクッキリと映っていた。

大助は、そんな優子のシルエットをアクリル窓から見つめながら、その足と手の長さといい、スラリと細いボディーといい、この娘はもしかしたらコペンハーゲン港の「人魚姫」なのではないかと、その美しいシルエットにうっとりと見とれた。

そんな優子のシルエットがふいに俯いた。
椅子で項垂れている優子の頭にシャワーの湯がシャーーーーーッと噴きかかる。
(チャンスだ南無妙法蓮華経!)
大助は、視界を失った優子のシルエットを横目に、爪先で脱衣場の奥へと忍び込む。
洗濯機の上で山積みにされているセーラー服をそのままごっそりと両手に抱えた大助は、再び爪先でドアの前を横切り、そして静かに脱衣場のドアを閉めた。
「フーッ・・・・」
セーラー服を両手に抱える大助は、まるで難解な手術を終えた外科医のような深い溜息を付いた。
しかしここでのんびりしている暇はない。一刻も早く目的を告げた後、これらの戦利品を元通りに戻しておかなくてはならないのだ。
「時間がない・・・」
大助は、後楽園球場に仕掛けられた時限爆弾の隠し場所を探す七曲署の刑事のように眉間にシワを寄せると、それを二階の自室へ運ぼうとした。
が、しかし・・・と、廊下で足を止めた。
二階の部屋でのんびりと鑑賞している暇はない。
そう思った大助は、玄関横にある老婆の部屋を借りる事にした。

セーラー服を抱えながら、老婆の部屋の襖を乱暴に足で開けると、とたんに線香の匂いが部屋から溢れ出し、ふいに富山の母ちゃんを思い出した。
大袈裟な仏壇の前にセーラー服をドサッと放った。仏壇に掲げてある白黒の写真は、セサミストリートに出てくるビックバードによく似ているとふと思った。

もの凄いスピードで全裸になる大助。まるでチビの金太郎が激太りしたような醜い体を曝け出す。
そのままプールに飛び込むかのように、畳の上のセーラー服の山に飛び込んだ。
ズシン!という音が響き、仏壇のロウソクがカタカタと揺れた。
平泳ぎをするかのようにセーラー服の山の中を掻き分けパンテーを探した。
黒いセーラー服の中でチラッと白い布が光った。それをすかさず抜き取ると、大助の目にカルピスを連想させる空色の水玉模様が飛び込んで来た。
「ブ、ブラボー・・・・」
実際、ブラボーの意味は知らなかった。しかし、田舎の康祐叔父ちゃんがいつも酒を飲む前にグラスの酒を見つめては「ブラボー」と呟いていたため、まあ、この場合のブラボーは間違っていないだろうと、安心しながらそう呟いてみたのだ。

水玉模様のパンテーを床に広げた。優子の幼気な膣にピッタリと付いていたと思われる場所を指で開く。
真っ白なクロッチに小さな黄色シミが、まるで筆ペンで殴り書きしたかのように付着していた。
「優子・・・・」
魂の塊のように熱い息が口から洩れ、大助はとたんに息苦しくなった。
優子のオリモノは少し湿気を帯びていた。
ネットの中だけのオリモノ博士である大助は、その湿気についてこう分析する。

「若気の至りだ・・・」

大助はパンチーを床に広げたまま、まるで麻薬捜査犬のように四つん這いになりながらクロッチにクンクンと鼻を鳴らした。
ツーンという酸っぱい匂いが大助の鼻に広がる。

以前、巣鴨のデリヘルを簡易ホテルに呼んだ時、デリヘル嬢がシャワーを浴びている隙にパンティーの匂いを嗅いだ事のある大助は、その時の匂いと優子のこの匂いを嗅ぎ比べて見た。
確かに、富山から東京見物に来た康祐叔父ちゃんに誘われて巣鴨のデリヘル嬢を呼んだのは、かれこれ2年も前の事で、あの時、コッソリ嗅いだパンティーの匂いをもう既に明確には記憶してはいないが、しかし、鼻も曲がらんほどの激臭だったことだけは今でもハッキリと覚えている。確か、あの女は異様な下半身デブで、初めてホテルの部屋に来た時には、おもわず「ダチョウだ!」と心で叫んでしまったほどだ。本人は21才だと言っていたがあれはどうみても40は過ぎている。その女が尺八をしている間中、口ずさんでいた鼻歌を記憶しておき、あとでネットでその歌を調べてみたら、それは研ナオコの「かもめはかもめ」という歌で、1978年に第20回日本レコード大賞の金賞を受賞している歌だった。
21才の娘がそんな曲をさりげなく口ずさむなど考えられないわけで、その時大助は、やはり彼女は40過ぎだったと確信したのであった。
今になって2年前のデリヘル嬢が年齢詐称していたという事実に沸々と怒りを感じ始めた大助は、後であのデリヘル店に100回のイタズラ電話をしてやろうと変な意欲が湧いた。

そんな40才の激臭パンテーと、人魚姫のように美しい中学生の幼気なパンテーとは、よくよく考えれば比べ物になるわけがなかった。「ボカぁバカだなぁ」と加山雄三のモノマネで精神を落ち着かせた大助は、再び優子のオリモノに鼻先を近付けた。

先程よりは穏やかに感じるツーン臭は、著しく大助を興奮のどん底へと突き落とした。
(ここに・・・ここに・・・優子のHな部分がくっ付いていた・・・・)
中学生の汗と小便の匂いに悶えながら、大助はそのカスタードクリームのように少し湿ったオリモノをペロッと舐めた。
口の中に塩っぱさが広がった。
今、自分の口の中で優子の下半身の秘密が溢れているのだと思うと、大助は我慢できなくなった。
下半身では「らっきょう」のチンコが分厚い鎧を脱ぎ捨て、まさに厳戒態勢の装いを見せていた。
大助は優子の性器から滲み出た怪しい汁をベロベロと舐めながら100円ライターほどのチンコをシゴく。

何度も何度もイキそうになりながらもその手をパッ!と離し、頭の中で掛け算を繰り返す。
ハァハァと興奮した大助は、唾液でネチャネチャに濡れたパンテーをモソモソと履き始めた。
大福のようにボデッとした大助の下半身に、水玉模様の小さなパンティーが「もう限界です!」と悲鳴を上げながらその身をパンパンに広げていた。
「あう・・・あう・・・」と意味不明な唸り声を上げながら、優子のセーラー服を着た。
当然、その中に大助の大福のような肥満体が治まるわけがない。
セーラー服は大助の体半分をかろうじて隠した。
スカートは太ももで止まり、ボタンが止められない上着からはスイカのような腹が突き出していた。

「いや!やめて!」
突然そう叫ぶ大助。どうやら優子が取り憑いたようだ。
「いやいや!見ないで!」
そう叫びながら畳の上を転がり回るセーラー服を来たデブ。
仏壇の前で四つん這いになり太ももまでのスカートの中に手を突っ込んではパツパツのパンテーからはみ出る小さなチンコをシゴいた。
大助の頭の中で、あの純粋な中学生が汚されて行く。
「ジタバタすんじゃねぇ!」
まるで時代劇に出てくる無宿者のような声で叫びながら、パツパツに広がっているパンツに手を掛けた。
「いや!」と叫びながらクルッと仰向けになり、ブリッジの体勢でパンツを脱がし「大人しくしやがれってんだ!」と叫ぶ。
実に凄まじい自作自演オナニーだ。

自分の下半身から優子のパンティーを引きずり下ろし、「ひひひひひ」っとまたしても時代劇が掛かった無宿者風に笑いながら匂いを嗅ぐ。
とたんに「ムアッ!」と生ゴミの匂いが大助の鼻に広がった。それはまさしく「カニ道楽」の裏に置いてあるポリバケツのような匂いだ。
大助がパンティーを履いてしまった事により、そのパンティーからは既に優子の香りは消え、もはやそこには大助の股間の匂いがシミ付いてしまっているのである。
大助はおもわず「くっさい!」と叫び、そのパンティーをおもいきり投げ捨てた。
パンティーは正面の仏壇へと飛び、ビッグバードの写真の上にバサッと落ちた。

パンティーを諦めた大助は、セーラー服の上から自分のブヨブヨの胸を揉みながら「なかなか発達してるジャン」となぜか急にヤングの言葉となり、それでも「いやいや!お願いやめて!」と自作自演で叫びながら、ブリッジ状態のチンコを激しくシゴいた。
右手でチンコをシゴいていると、ふと、セーラー服の左の袖に白い染みを発見した。
(これはきっと優子ちゃんが学校帰りに友達の真希子ちゃんと立ち寄ったマックで、飲んでいたシェイクをついポトリと落としてしまったものに違いない!ああ優子!キミはなんて可愛いんだ!僕もシェイクになりたい!シェイクになってキミのその純粋な唇で吸われたい!ああ優子!アイラブユー子!)
そう悶える大助は、袖のシミをペロッと舐め、少し醤油っぽいぞと感じながらも、それでもブリッジしたチンコを高速でシゴきまくり、優子優子と悶えながら大量の精液を放出した。

ブリッジする大助のチンコから飛び出した濃厚な精液は、迷う事無く仏壇を砲撃した。パンティーを被ったビッグバードのような顔をしたお爺ちゃんの写真に精液が飛び散る。

その時、いきなりガバッ!と部屋の襖が開いた。
チンチクリンなセーラー服姿でブリッジしながら仏壇に精液を飛ばしている不気味な物体が老婆の目に飛び込んで来た。
「あがっ!」っと意味不明な叫びながら呆然とする老婆と、それでもチンコをシゴきながら一心不乱に「南無妙法蓮華経・・・南無妙法蓮華経・・・」とお題目を唱える大助。

老婆の部屋には動物園の熊の檻のような匂いがムンムンと充満していたのであった。


               9


もう我慢の限界だった。パート割引で買って来たお惣菜のかき揚げをガシュと力強く噛みながら、美佐は今度という今度は絶対に大助を許さないと考えていた。

「お婆ちゃん・・・夕ご飯、食べないのかな・・・」
イカ天にキッコーマンのソースを掛けながら優子が聞く。

老婆はあまりのショックに寝込んでしまっていた。盆栽だけでなく仏壇にまで射精された老婆の悲しみは計り知れない。

「うん・・・」
美佐が頷くと、優子は心配そうに美佐の顔を覗き込みながら「病気、大丈夫かな・・・」と透き通った目を淋しそうに向けて来たのだった。


美佐は帰宅するなり玄関で泡を吹いて倒れている老婆を発見した。
老婆の部屋の仏壇の前では、優子のセーラー服を着た大助が、仏壇に向かって静かに手を合わせていた。
すぐにこの状況を飲み込んだ美佐は、浴室から聞こえて来る優子の「あれぇ?」という声を聞きつけ、慌てて老婆の部屋の扉を閉めると、浴室に向かって走った。
「優子ちゃん?」
美佐が脱衣場の扉を開けると、髪の毛を濡らした優子が「お母さん・・・」と困った顔をして立っていた。
「あのね・・・実は、お婆ちゃんがね、優子のセーラー服を・・・」
思春期の優子に現実を知らせたくないと思う美佐はすかさず老婆のせいにした。
「お婆ちゃん・・・優子のセーラー服を着てるの?」
優子は幼い顔に恐怖を浮かばせながら心配そうにそう聞いた。
「・・・うん・・・お婆ちゃん、また中学生に戻っちゃったみたい・・・」
美佐が必死で笑顔を作りながらそう言うと、優子も顔を引き攣らせながらクスッと笑ったのだった。


その日の深夜、美佐は大助をガレージに呼び出した。
大助の部屋だと優子に聞こえる恐れがある。だから美佐はあえて深夜に大助をこの閉鎖されたガレージに呼び出したのであった。

「・・・すびません・・・」
ガレージに入るなり大助はいつものようにそう呟き始めた。
大助の「すびません」はもう聞き飽きた。っというか、この大助という男は、何も悪い事をしていない時でも、人の顔を見れば「すびません、すびません」と謝ってばかりいる。
ある時、御飯を食べながら「すびません・・・すびません・・・」といちいち呟く大助に無性に腹が立った美佐がパチン!と箸を置き「どうしてそんなに謝るの?」と問い質した事がある。
すかさず優子が「お母さんやめて」と大助を庇ったが、しかし老婆はいきなり立ち上がり、まるで戦前の特高警察のように「キサマ!何をやったんだ白状しろ!」と大助の太い首を締め上げ、強烈な入れ歯臭を大助の顔に吹き掛けた。
しかし、大助はただひたすら「すびません・・・すびません・・・」と呟くだけで、美佐の質問にも老婆の拷問にも「すびません」を貫き通したのだった。

そんな「すびません」を連発しながらガレージにやってきた大助を見て、美佐の怒りは更に燃え上がった。
項垂れる大助を睨みながら、ガラガラガラ・・・とガレージのシャッターを閉める美佐。いきなり真っ暗闇になったガレージで、「ひぃ!」という大助の小さな悲鳴だけが静かに響いた。
ガレージの床に散らばる小石をジリジリと踏みしめながら美佐が奥へと進み、カチッとスイッチを入れると、天井にぶら下がっていた工事現場用の小さな電球が弱々しい光をパッと灯した。

電球の明かりに照らされた美佐の顔は鬼のような形相をしていた。
大助は恐怖のあまりおもわずお題目を唱えるが、しかし美佐に「チッ!」と舌打ちされ、慌てて「すびません」と口を閉じた。

そんな大助をどう説得したらいいものかと、夕食後からずっと考えていた美佐は、台所で洗い物をしながらある方法を考えついた。
それはある言葉がヒントとなっていた。
それは、昼休み、パート仲間のオバさんが言っていた「その水商売女が越して来てくれたおかげで下着泥棒はみんなソッチ行っちゃったから、ウチが狙われる事はなくなったってワケなの」という言葉だ。

美佐は、経済的に追い出すわけにいかないこの変態下宿人に、これ以上優子にちょっかいを出さないようにさせる為には自分が犠牲になるしかないと考えたのだ。

美佐は、全身汗だらけになりながらモジモジと立ちすくんでいる大助をジッと睨みながら、大助の目の前にスっと赤い布を差し出した。
「これ、あげるから・・・優子にはもう関わらないで欲しいの・・・・」
美佐はそう言いながら、キャッチャーミットのような大助のブヨブヨの手に、その赤い布切れを握らせた。

大助は、「ん?」と顔を斜めに向けながら、不思議そうにその赤い布切れを広げる。
大助のその仕草が「裸の大将」のようで、あの山下清を演じる芦屋雁之助の演技が生理的に受け付けなかった美佐は更にイライラした。

「こ・・・これは・・・・」
大助は真っ赤な布を天井の電球に照らしながら、言葉さえも山下清のようにそう聞いた。

「私のショーツよ。これから毎日、私のショーツをあげるから、だからもう優子の下着には手を出さないで欲しいの」
美佐は鬼のように目を光らせながらそう呟いた。

大助はそんな美佐の言葉が聞こえているのか、まるでチョコレートを手に入れたグーニーズのバケモノの如く、赤い布を電球に広げては、嬉しそうにフガフガと笑っていた。

「ねぇ。だからここでハッキリと約束してちょうだい。もう二度と優子には近付かないと」
美佐がそう言いながら大助の顔を覗き込むと、大助は「しかし・・・」と小声で呟いた。
「なによ」
美佐が、私のショーツじゃ文句あるの?と言わんばかりに大助に詰め寄った。

「・・・いや・・・こんな事、申し上げるのも図々しいとは存じますが・・・」
そう呟き、デヘヘへっと肥満体をくねらせながら笑う大助。こいつはまるでナメクジのような物体だと美佐はふと思う。

「なによ。ハッキリ言いなさいよ」

「・・・はい・・・誠に図々しいのではございますが・・・できれば、洗濯していない下着を頂ければと思うのですが・・・・」
大助はそう言いながらまたデヘヘへっと顔をダラリンと弛ませながら笑った。

とたんにカチン!と来た美佐は、おもわず「変態!」と怒鳴ってしまった。
その怒鳴り声に「はっ!」と我に帰った大助は、その弛ませた顔をギュッと硬直させ、額から大量の汗をドッと放出させると、再び「すびません!すびません!」の世界に籠ってしまった。

美佐のショーツをギュッと握りしめたまま殻に閉じこもってしまった大助。そんな大助をジッと見つめながら、それで娘の将来が助かるのなら・・・と思った美佐は、「わかったわ。・・・・その代わり、金輪際優子には近寄らないと約束してくれる?」と至って優しく大助に語りかけた。

「・・・は、はい・・・」
ガレージの床に溜った砂埃の上に、額の汗をポタポタと落としながら大助が深く頷く。
「じゃあ明日、この時間にまたここにいらっしゃい。洗濯していないショーツをあげるから・・・」
そう言って美佐がガレージを立ち去ろうとすると、俯いていた大助が「えっ?」と悲しそうな顔をあげた。
「・・・なに?」
「・・・今夜の分は・・・」
大助は突き出た腹の前で両手の指をモゾモゾと動かしながら、まるで悲願するかのように美佐にそう訴えて来た。

(こいつ・・・さっき仏壇に出したばかりじゃない・・・それに今朝だって盆栽に・・・)
とたんに美佐は大助のその性欲に背筋をゾクッと凍らせた。
こんなサカリの付いたケモノのような男と、隣り合わせで寝させている優子の事が無性に心配になって来た。そして、ここでもし、未洗濯のショーツをあげなかったら・・・と、考えると、ふいにこのケモノに襲われる優子の姿が頭を過った。

美佐は諦めた。優子の事を思うと諦めるしかなかったのだ。
「わかったわ・・・今日は、今履いているこのショーツしかないから・・・これをあげるわ・・・」
美佐はそう言いながら、ガレージの中をキョロキョロとショーツを脱ぐ場所を探した。
場所を探しながらも、「ゴクッ・・・」という不気味な音を、大助の太い喉から聞いた気がした。

ガレージの隅に生前旦那が使っていたスタッドレスタイヤが積み重ねられている。それを壁にするようにタイヤの後で前屈みになった美佐は、スカートの中からスルスルっとショーツを下ろした。
すかさず、美佐の頭の上でタイヤを被せているビニール袋がガサッと鳴る。美佐が顔をあげると、大助が異様に目をギラつかせながら覗いていた。
「あっちへ行って」
屈んだままの美佐がキッと大助を睨むと、大助は「すびませんすびません」と言いながらタイヤから離れた。
その隙に、片足を上げてスポッと足首からショーツを抜き取る。

素早く脱いだショーツのクロッチを確認した美佐は、おもわず愕然とした。
そのクロッチには、倉庫で専務に変態行為で責められた形跡がビッチョリと付着していたのだ。
(どうしよう・・・)
美佐は、その汚してしまったクロッチをジッと見つめながら焦った。その汚れは、誰が見ても「変だ」と気付く程の汚れなのである。
美佐は、今になって、ショーツの隙間から専務の肉棒を入れられては子犬のように鳴いていた自分を恨んだ。
淫らな愛液と専務の精液が混ざり合った、そのバリバリに乾いたクロッチを見つめながら美佐がモジモジしていると、再びタイヤのビニールがガサガサと音を立てた。

サッと美佐がタイヤの裏を覗き込むと、タイヤの下で踞る大助の体がユサユサと小刻みに揺れていた。
(?・・・なにしてるのコイツ・・・)
そう思いながら目を凝らすと、真っ赤な野いちごがふいに美佐の目に飛び込んで来た。その野いちごが大助の亀頭だと知った時、あまりの衝撃におもわず美佐は手に持っていたショーツをバサッと床に落としてしまった。

美佐の足下に落ちたショーツを、まるで浅草のスリの如く、恐ろしい早業で奪い取る大助。
「あ、それは!」と、美佐が言う間に、大助はクロッチを広げ、その洗濯糊でパリパリに固まったようなクロッチを鼻に充てた。

(やだ!)
美佐はおもわず両手で顔を塞いだ。例えこんな男でも、そんな汚れたクロッチを見られたり嗅がれたりするのは恥ずかしいのだ。
両手で顔を塞ぐ美佐の耳に、ハァハァ・・・という、あの専務と同じ呼吸が聞こえて来た。
そしてガシガシガシ・・・という作業的な音がガレージの中に響き渡った。
美佐の好奇心が、塞いでいた指をゆっくり緩ませた。

大助は、専務の精液が交じったそのクロッチを、まるで子供がアイスクリームの裏蓋を舐めるかのようにデロデロと舐めまくり、そして美味しそうに目を細めていた。
そんな大助のグロテスクな姿を指の間からジッと見つめていた美佐は、ふいに自分の性器を舐められているかのような感覚に取り入られた。
「・・・やめて・・・」
怖くなった美佐がおもわず口走る。
美佐のその言葉に、もしかしたらパンテーを奪い返されるかもしれないと焦った大助は、慌ててそのクロッチをチンコに被せた。
「いや!・・・」
一瞬、ペニスを入れられたかと思うような錯覚をした美佐は、そう叫びながら再び指が閉じ、慌てて視界は遮った。
ショーツと大助の陰毛が擦れ合うゴシゴシゴシ・・・という音が美佐の耳を襲う。
突然、「若奥様!」という小さな叫び声が上がったかと思うと、ガサガサ音が急に激しくなった。
小指の間からソッと覗く美佐。
大助は桜島大根のような太ももを激しく擦り合わせながら、股間に包んでいる美佐のショーツをコキコキコキっと高速でシゴき、虚ろな目を天井にゆっくりと向けながら、タラッと粘りっけのあるヨダレをアゴに垂らした。

その大助の瞬間は、実に気味の悪いものだったが、しかしその反面、妙に気持ち良さそうだと美佐は思ったりした。

ムクッと立ち上がった大助が、ゆっくりとタイヤの向こうから顔を出した。そして、モジモジしながら手の平の中で丸めていたショーツを「ありがとうございました・・・」と差し出すと、「明日もこの時間にココに来ます」と呟き、逃げるようにしてガレージを出て行った。

美佐の手には、まだ大助の温もりが残るショーツがあった。恐る恐るソレを開くと、クロッチの中にゼリーのような精液が溜り、美佐は急にそのショーツが重たく感じた。
自分の性器が密着していた場所に他人の精液が溜っている。
美佐は、その汚されたショーツがレイプされた自分に見えて仕方なかった。
そして、もし、これが優子だったらと想像すると、恐怖のあまりおもわず顔を背けてしまった。

こんなショーツは捨ててしまおうと、一歩進んだその時、美佐のノーパンの股間からトロッと熱いモノが太ももに垂れたのだった。


               10


翌朝、美佐は嫌悪感の中でゆっくり目が覚めた。
中庭から差し込む清々しい朝の光とは裏腹に美佐の心はどんよりと曇っている。
美佐はベッドから静かに起き上がると、部屋の隅に置いてある屑篭が目に飛び込んで来た。
その屑篭の中に、大助の精液が溜ったショーツが押し込められているのがベッドから見て取れた。

ふいに昨夜の自分の醜い姿が美佐の胸を襲った。
大助と別れた後、このベッドの上であのショーツに包まった若い精液を・・・そう思い出した瞬間、美佐は自分の行なった醜くい行為を頭の中から消し去ろうと、慌ててカーテンを開けた。

シャッ!とカーテンが開く音と同時に、黄金色の朝日が部屋の中に降り注がれた。
昨夜の醜い行為を思い出さないようにしようと、「よし!」とあえて明るく振舞った美佐が飛び起きるようにベッドを出ると、遠くからガタンガタンという始発電車の音が近付いて来たのだった。


数日後。いつものように食堂でパートのオバさん達と雑談をしていると、食堂の前の廊下を専務と松川さんが並んで歩いて行くのが見えた。
食堂を通り過ぎる時、松川さんはわざとらしく専務に向かって「井上食品のコンニャクなんですが・・・」と話し掛けた。そのわざとらしい松川さんの仕草が、つい数日前まで同じ立場だった美佐には手に取るようにわかった。

「いいの?・・・」
パンチパーマのおばさんが、専務と松川さんの背中をアゴで指しながら美佐をジロッと横目で見た。
「私には関係ないわ・・・」
美佐はそう答えながらも、倉庫の片隅で大便をさせられている松川さんの姿がふと頭に浮かんだ。

それからというもの専務からの呼出しはプツリと途切れた。
あの変態行為に耐えられなかった美佐は内心ホッとしながらも、しかし一万円という収入を無くした痛手は大きかった。
このままだと、スナックでアルバイトするしかないわね・・・
美佐はそう思いながら、先日、商店街の裏路地で「ホステス募集」と書かれた張り紙をふと思い出したのだった。

商店街の裏路地にポツンとひとつだけ看板が出ているスナックのママは、カピパラのような顔をしていた。
貴女みたいなキレイな人が来てくれたらウチは大助かりだわよ、ねぇあんた、と、カピパラが厨房の奥を覗くと、厨房の奥にいた、時代遅れの蝶ネクタイをしたパンチパーマの中年親父が、竹輪の中に細く切ったきゅうりを押し込みながらチラッと美佐に目を向け、「あぁ」とボソリと返事をした。

翌日から美佐は、この昭和の匂いを漂わす「スナックあずみ」でアルバイトをする事になった。
「スナックあずみ」は、ママと、その旦那であるマスター、そして週末だけバイトに来る恵子という40を過ぎたオバさんの3人で切り盛りしており、お客は近所の商店街の旦那衆が主で、ほとんどが常連さんだった。
水商売が初めての美佐は、その初々しさが商店街の親父達にウケたのか、瞬く間に美佐目当てでやってくる客がみるみる増えて来た。
最初のうちは週に3回だったバイトも、美佐の人気が出てくると同時に週5回に増え、毎週専務から貰っていた手当よりも遥かに収入が増えた美佐は、生活も幾分か楽になったのであった。

ただ、美佐には心配な事がひとつだけあった。
それは二階に住んでいる変態下宿人の事である。
あれから、毎晩使用済みのショーツを約束通り大助に与えていた美佐だったが、いつ大助が自分のショーツに飽きて優子に手を出さないかと心配でならなかった。
まして、スナックで働く美佐の帰りは遅く、深夜になってしまう事も度々あった。
一応、お婆ちゃんがいるためそれなりに安心はしていたが、しかしお婆ちゃんは夜の9時ともなれば既に寝息を立ててしまっている。その為、帰りが深夜になった時など、美佐は優子の事が心配で堪らなかったのだった。



そんなある日の深夜、大助は足音を忍ばせながら階段を下りると、いつものようにガレージへと忍び込んだ。
最近は美佐の帰りが遅いため、美佐のパンテーを手に入れるのは午前様が続いていた。
ガレージのシャッターを静かに下ろした大助は、ガレージの電気をカチッと付けると、いつものタイヤの三段目にガサガサっと手を入れた。
タイヤを覆っているビニールのパサパサ感の中で、指先に布の感触を得た大助は慌てて中からそれを抜き取った。

今日もベージュのデカパンツだった。
大助はこの何のセクシーさも感じさせないベージュのデカパンツが大嫌いだった。
最近の美佐のショーツは全てベージュのデカパンツばかりだ。
最初の頃は、黒いレース、薄ピンクの綿パン、白い小さなモノ、白い大きなモノ、薄い黄色の綿、などがローテーションしており、時々、ヒョウ柄やサイドがヒモになった真っ赤なサテン生地といったサプライズもあったのに、しかし最近はベージュのデカバンツしかないのだ。
大助はいい加減このベージュデカパンツに飽き飽きさせられていた。

ブツブツ文句を言いながらも、ベージュのショーツをそっと開く大助。
クロッチには緑色がかかった不気味なオリモノがネチャっと一本線を作っていた。
ソッと鼻を近づけると、そのオリモノからは上野動物園の象の匂いがプ~ンと漂って来た。
(・・・若奥様は・・・病気じゃなかろうか・・・)
首を傾げながらソレをペロッと舐める大助は、最近の美佐のオリモノが変化して来た事に深く心配しているのであった。

そんな頃、そろそろお風呂に入ろうかな・・・と、キッチンで背伸びをしていた美佐は、右肩上がりの家計簿をパタンと閉じ、そのままスリッパの音を鳴らしながら浴室へと向かった。
脱衣場で洗面所の鏡を見ながら服を脱ぐ美佐。今日、お客さんから「20代に見えるよ」と言われたお世辞が妙に嬉しく、自分の裸体を鏡に映してはニヤニヤと笑いながら、グレーのビキニパンティーをスルスルっと下ろした。
洗濯機の南京錠をカチャッと開け、蓋を開けると、洗濯機のドラムの中にはピンクの水玉パンティーがちょこんと置いてあった。美佐はそんな優子の下着を見つめながら、それがちゃんとそこにある事に安心した。
グレーのビキニパンティーを、優子の下着の隣にポトッと落とすと、ふいに浴室の隣にあるガレージから「若奥様!」という小さな叫び声が聞こえた。
とたんに美佐は「ぷっ」と噴き出す。
何も知らない大助が、お婆ちゃんのショーツでオナニーをしているのを想像すると、美佐は笑わずにはいられなかったのだった。

ガレージの大助に気付かれぬよう、静かに湯船に体を落とした美佐は、ぬるめの湯に疲れたその身を預けた。
ふと、スナックの常連さんである升本の顔が湯船に浮かんだ。
升本は商店街で文房具店を営む升本文具店の1人息子で、婚期を逃したらしい升本は38才でまだ独身だった。升本は、美佐が出勤している間中、カウンターを奥の席を陣取り、そこからニヤニヤと美佐をいつも眺めていたのだった。

そんな升本の事を、週末だけバイトに来ている恵子さんが「あいつは変態だから気を付けなよ」と苦々しい表情で美佐に言う。
以前、恵子さんは升本から「まあ一杯飲めよ」と水割りを出された事があるらしい。しかし、恵子さんはその水割りを一口飲んだとたんに吐き出した。なんとその水割りの中には明らかに精液と思われる液体が交じっていたらしいのだ。その時の事をまだ恨みに思っている恵子さんはマントヒヒのような顔で怒りながら、「あいつはカウンターの隅で自分でコレしながらアレをグラスに入れたのさ」と、右手をシコシコとジェスチャーさせながら吐き捨てたのだった。

そんな升本の顔をふと思い出しながら、どうして私の周りには変態しかいないのかしら・・・と呟く美佐は、ガレージから出て行く大助の足音をふと耳にし、またしても「ぷっ」と噴き出しては慌てて湯の中に口を沈ませると、美佐の口から小さな泡がプクプクっと溢れたのだった。

(つづく)

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