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でんでんむしむし皮かむり1

2010/06/18 Fri 09:50

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               1


それはまさしく「らっきょう」だった。
ジーンズのチャックから申し訳なさそうにコロンと顔を出す、わずか3センチ足らずの「らっきょう」を指で摘むと、ゆっくりとその分厚い皮を捲った。
雨上がりの爽やかな太陽の光に照らされながら、捲られた皮の中では大量の白い垢が納豆のようにネチャッと糸を引いていた。突然、頭の上を轟音を轟かせながら電車が走り抜けて行く。
中庭に並べられていた盆栽がガタガタと震え、庭の片隅に立てかけられていた竹箒がパタンと倒れた。
竹箒が倒れたと同時に電車は走り去り、轟音が消えた中庭はまた元のようにシーンと静まり返った。

中庭の中央に置かれた物干しにぶら下がっている桃色や黄色の布切れが、春の爽やかな風に乗って靡きながら、まるで「こっちにおいで」と手招きしているようだった。

ジリリッと地面の土を鳴らしながら物干し竿に忍び寄るとソッと桃色の布に顔を近づけた。湿った洗濯洗剤の香りがプ~ンと漂う。いつの間に来たのか黒い小さな野良猫が身動きひとつせずジッとこちらを見ていた。

桃色の布には剥げかけたキティーちゃんのプリントがボンヤリと写っていた。そのキティーちゃんが優子の丸い尻に食い込んでいるのをふと想像すると「らっきょう」がムクムクと反応し始めた。
皮の中で糸を引いていた白い垢が、「らっきょう」を上下に擦る指にまとわりついて来た。
ぺちゃ、ぺちゃ、という卑猥な音を立てながら「らっきょう」を上下する動きを更に早めると、雨上がりの青空にピーンと「らっきょう」がそそり立つ。

コキコキと腰を動かしながら、その桃色の布に掛けようかどうしようか悩んだ。
しかしせっかく洗濯をした物に掛けるというのは少し気が引けた。
すかさず「らっきょう」の先は盆栽へと向きを変えた。
まるで模型のような松の盆栽に真っ白なカルピスがボトボトっと音を立てては垂れ落ちる。
その小さな松の小枝には、春の爽やかな太陽に照らされた濃厚な白濁汁が、まるで生きているかのようにネトーッと長い糸を引いてぶら下がっていたのだった。


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「あのコ、またやってただよ・・・」
老婆は台所に入るなり、台所の床を拭いていた美佐を見下ろしたまま眉を顰めてそう告げた。
「また?」と驚きながら美佐が顔をあげた。
「んだ。今朝、優子たちが学校に行ってからよ、オラが庭に水をやろうとしたらさ、あのコ、また洗濯物見てはシコシコやってただよ・・・」
顔を歪めた老婆は、まるで油虫を踏んづけたかのような嫌な表情をしながら美佐にそう言うと、テーブルの上に置いてあった優子の弁当に作ったソーセージの残りをひとつ摘まみ上げ、「こーんな小っせぇチンコロしとっただに」と苦々しく吐き捨てながらそれをコロンと口の中に放り込んだ。

ふいにドカンドカンっという音が近付いて来た。
美佐がゆっくりと立ち上がり、床を拭いていた雑巾をバケツの中へ静かに沈めた。電車が通過するまで会話はできない。頭の上に聳え立つ高架橋を電車が通り過ぎて行く間はこの家の会話はストップするのだ。
電車が家のすぐ上に突入して来た。食器棚がガラガラと揺れ始め、天井からぶら下がる電気が、クイ、クイ、という音を立てて揺れた。それはまるで地震のようだった。

「で、あのコは何処に行ったんです?」
電車が通り過ぎると、美佐は老婆にそう聞いた。
「知らねぇけんどさぁ、すぐに松江さんにワケを話して、もう出てって貰ったらどうかのう」
老婆はエプロンを脱ぐ美佐にそう言って覗き込む。
「死んだ爺さんが大事にしてた盆栽だってよ、あのコの汚ねぇ汁でベトベトだぁ」
美佐は老婆の声を背後に、中庭に向う縁側にスリッパの音を響かせたのであった。



市電の高架橋のすぐ下の電車の音がやたらにうるさい家には、4人の人間がひっそりと暮らしていた。
32才という若さで旦那に先立たれた未亡人の美佐35才。その美佐の一人娘で、中学校に通う優子14才。そして死んだ旦那の母である姑のマサ73才。
美佐の旦那とお爺ちゃんが続いてバタバタと亡くなった後、女しかいない家では何かと物騒だという事で、半年前、親戚の松江の紹介で、1人の下宿人をこの家に迎える事となった。
その下宿人が例の「あのコ」だった。

田畑大助21才。自称、早稲田を目指す浪人生である。
故郷の富山から上京して3年。実家の親には「今年こそは早稲田に合格します」と言ってはいるものの、それはあくまでも仕送りの口実に過ぎず、本人は早稲田どころかそこらの四流大学にすらサラサラ行く気はなかった。
そんな大助はびっくりする程の小心者だった。あまりの小心者過ぎて予備校はおろかアルバイトに行く事すらできないのである。それはもはや小心者というレベルではなく精神薄弱といったレベルで、そんな男が天下の早稲田を狙うという方が甚だ可笑しいのであるが、しかしそれを何も知らない田舎の両親は、いつか大助が早稲田の学帽を被っては故郷に錦を飾ってくれるだろうと、遠い空の下、奇妙な太鼓をトントンと鳴らしながらお題目を唱えているのであった。


美佐が中庭へ行くと、庭の真ん中でヒラヒラと風に靡いている優子の派手な下着が目に飛び込んで来た。
「・・・もう、ここには優子の下着は干さないでって何度言ってもここに干すんだから・・・」
美佐は、最近ヤケにボケかけて来た姑が干した優子の桃色と黄色の下着を、急いで洗濯バサミからパツ!パツ!と外すと、ふいに背筋をゾクッとさせる視線を背後に感じた。
パッと振り向く美佐。
二階の角の部屋から中庭の美佐をジッと見つめていた大助が慌ててサッと顔を隠した。
「見なよこの盆栽・・・死んだ爺ちゃんが見たらさぞかし悲しむ事だに・・・」
いきなりそう呟きながら縁側に現れた老婆の胸には「23」と書かれたゼッケンがぶら下がっていた。
老婆は近所の公園へとゲートボールに出掛けようとしているのである。
「お婆ちゃん、優子の下着は庭に干さないでっていったじゃない・・・」
美佐が老婆にそう言うと、老婆はどんよりとした目をユラユラと揺らしては「爺さんの盆栽が汚ねぇ汁でベタベタだに・・・」と悲しそうに呟き、縁側の隅に置いてあった小さなスニーカーを履いた。そして庭に立ちすくんでいる美佐に目を向けないまま「美佐さんちょっと言って来るだよ」と告げると、ノソノソと庭を出て行ったのであった。

老婆の背中を見送っていた美佐が再び二階に振り向くと、またしても覗いていた大助がサッと体を伏せた。
美佐は優子の下着を自分の寝室に干すと、そのまま大助のいる二階へと向かったのであった。


               3


二階には、優子と大助の部屋が2つ並んでいるだけだった。優子の部屋には外から頑丈な南京錠で鍵が掛けられており、なにやら不穏な気配を感じさせた。
その南京錠は、大助が優子の部屋に忍び込むのを防止する為のものであり、優子が自らで取付けたものでなく、心配した美佐が取付けたものであった。

美佐は、これまでに3度、大助が優子の部屋に侵入したのを目撃している。
1度目は、優子の部屋のベッドの上に腰掛けている大助を発見し、不思議に思った美佐が「何してるの?」と声を掛けると、大助は慌てて自分の部屋へと逃げ帰った。1度目はただそれだけだった。

しかし2度目では、優子の部屋で自慰をしている大助を目撃してしまった。
廊下から美佐が見ているとも知らず、優子の部屋に侵入した大助は、優子の机やベッドをベロベロと舐めながら、「優ちゃん、優ちゃん」と呟いてはペニスを弄っていたのだ。
「やめて!」とおもわず美佐が叫ぶと、真っ赤な顔をした大助は「すびませんすびません」と連発しながら、もの凄い勢いで自分の部屋へ戻って行った。しかし、二度目もただそれだけで終わった。

しかし三度目が問題だった。
なんと大助は、優子が部屋にいるのにもかかわらず優子の部屋に侵入したのである。
あれは1ヶ月程前の事だった。深夜に二階から聞こえて来た足音を不審に思った美佐が、足音を忍ばせながら階段を上がると、暗闇の中、ポツンと優子の部屋のドアが開いていた。
1階のトイレには誰もいなかった。優子はトイレには行っていないのである。
美佐は嫌な予感を覚えながら、ソッと優子の部屋を覗いてみた。
優子が眠るベッドの横で、黒い物体がモゾモゾと動いていた。美佐はそれが泥棒や強盗だとは思わなかった。そう、美佐はそれが大助だとわかっていたのだ。
美佐は、優子の微かな寝息を聞きながら、優子を起こさないまま何とかしてこの不潔な黒い物体を追い出したかった。思春期の優子には、隣に住む下宿人のこの変態行為を知られたくなかったのである。
美佐は、優子を起こさずどうやってこの変態馬鹿を追い出そうかと考えていると、美佐に見られているとも知らない大助は、唇をポッカリと開けて寝息を立てている優子の口に鼻を近づけながら、優子の寝息をクンクンと嗅いでいた。そして股間からニョキッと伸びるペニスを静かに上下にシゴきながら、優子の口から首筋を嗅ぎ回り、そしてベッドからだらしなく飛び出していた優子の足の指を、まるで犬のようにクンクンと嗅ぎ回っていた。
美佐は、その暗闇で蠢く変態に恐怖を感じた。と、同時に、ハエ叩きでハエを叩き潰すかのように今すぐ目の前のその男の頭を叩き潰して殺してやりたいと強く思った。

そんな美佐の殺気を感じたのか、優子の足の小指をクンクンと嗅いでいた大助が、暗闇の中から目玉だけをジロッと美佐に向けた。
一瞬、大助のその視線は獣のように鋭かったが、しかし美佐と目が合った瞬間、その目は瞬く間に萎れ、逆に美佐にギッと睨まれては完全に屁たってしまったのだった。

その時は、なんとか優子にバレず大助を追い出す事が出来たが、しかし、またいつ大助が優子が寝てる間に忍び込むかも知れず、美佐は優子の部屋のドアに頑丈な鍵と外付けの南京錠を設置したのであった。
ただ、当然優子はその大袈裟な鍵を見つめ、「どうして?」と驚いた。しかし美佐は本当の事を思春期の優子には話せなかった。だから美佐は「最近、お婆ちゃんのボケが酷くなって来てね、お婆ちゃん、自分が中学生だと勘違いする時があるのよ。時々優子の部屋に入っては机に座って勉強なんかしたりしてるのよ・・・気持ちが悪いでしょ・・・」と、まんまと姑のせいにして、鍵の理由をそう優子に告げたのだった。

そんな大助は、優子の部屋に侵入できなくなると、今度は優子の下着を狙うようになった。
深夜、脱衣場の洗濯機の中を覗いているのを何度も目撃した事のある美佐は、その度にハエ叩きで大助を叩いては追い払っていた。
だからこの家の洗濯機には頑丈な南京錠が取付けてあった。
そんな物々しい洗濯機を見て、またしても優子が「どうして?」と大きな瞳を美佐に向ける。
しかし美佐は冷静にこう答える。
「実は、お婆ちゃんのボケが最近もっと激しくなって来てね・・・お婆ちゃんったら、洗濯機をおトイレと勘違いして洗濯機の中で用を足してしまうのよ・・・本当に困ったわ・・・」

このように、またしてもお婆ちゃんのせいにした美佐だったが、しかし、感受性の強い優子が、今にこの下宿人の変態行為に気付くのは時間の問題だ。そう心配する美佐は、大助を撃退する何かもっと画期的な方法はないものかといつも考えていたのだった。

いっその事、大助にこの家を出て行って貰おうかと何度も考えたが、しかし、大助の実家から送られて来る毎月の下宿料は、女手一つで家計を支える美佐にとってはかけがえのない収入源だ。ならば別のまともな下宿人を募集すればいいのだが、しかし、今時、こんな高架橋下の電車の騒音で家が揺れるようなところで下宿などしなくとも、近所には下宿代と然程変わらない家賃で住めるワンルームマンションがゴロゴロと建っているのだ。大助のような余程の馬鹿でない限り、ここで下宿するような変わり者はいないのである。

そんな理由から、仕方なくこの「ド」が付く程の変態浪人生を下宿させているのだが、しかし、今に興奮した大助が大事な1人娘に襲いかかりはしないかと、美佐はいつも目を光らせながら警戒しているのであった。


そんな美佐が、先程からチラチラと庭を覗き見をしている大助の部屋にドカドカと押し掛けて行った。
ガサッ!と乱暴に襖を開けると、部屋の隅で座布団を頭から被っていた大助の肩が「ビクッ!」と震えた。

「あんたねぇ・・・いいかげんにしてよ・・・」
美佐は、部屋の隅で座布団を被りながらブルブルと震える、まるで防空頭巾を被りながら空襲警報に脅える戦時中の日本国民のような大助の前に静かにしゃがんだ。
「すびません・・・」
座布団の奥から鼻づまりの声が聞こえて来た。
「もう優子にはちょっかい出さないって約束したじゃない・・・」
美佐が溜息混じりにそう言うと、大助は気の小さな小動物的のような瞑らな瞳を座布団の中でパチクリとさせながら、「ですから盆栽に・・・」と言い訳がましくそう答えた。
美佐は呆れたように大きな溜息を付くと、この男に何を言っても無駄だと思い、「今度やったら警察に言うからね」と一応釘だけ押しておき、その場をそそくさと後にしたのだった。

大助の部屋の襖を「バタン!」と乱暴に閉めると、中から「すびませんでした」という声が聞こえて来た。
大助のその声を聞きながら階段を下りる美佐は、根はそれほど悪い人間ではないのに・・・と、残念に思う。

階段をゆっくりと降りながら時計を見るともう9時を過ぎていた。9時半から近所のスーパーのパートに行かなければならなかった美佐は、慌てて残りの階段を飛び降りると、急いで準備に取り掛かったのであった。


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美佐が部屋を出て行くなり、大助は頭の上の座布団をソッと下ろすと、それまで美佐がしゃがんでいた位置に素早くしゃがんだ。
美佐が今までいたその空間の空気を共有した事により大助の背筋がゾクッと怪しく震える。
大助はパッツパツのジーンズから小豚のような太ももを慌てて捻り出してはズボンとブリーフを必死で脱ぎ捨てた。
剥き出しにされた下半身に手拭をふわりと載せる。
この手拭は富山の母親が大助に送ってくれた物で、「下痢にトメリン」とふざけた薬品名が染め抜かれている。
大助はその手拭を美佐のタイトスカートに見立て、あの時、どれくらい美佐の太ももが曝け出されていたかを思い出しながら手拭の長さを調節した。
腰に巻いた手拭から小豚のような醜い太ももを半分だけ出す。
それを上から眺め、あの時の美佐のしゃがみポーズとダブらせながらハフハフと肥満体特有の興奮息を洩らした。

ガバッ!といきなり手拭の中に手を突っ込んだ。
美佐になりきっている大助は「やめて!」と裏声で叫ぶ。
「やりてぇんだろ!」と空想の自分が叫び、「へへへへへ」といやらしい笑いを浮かべながら、小豚のような太ももをスリスリと撫でた。
「ダメ!優子ちゃんに聞こえちゃうわ!」
デブのオカマ口調ほど情けないものはない。
「聞かせてやればいいじゃねぇか・・・」
大助はそう唸りながら、手拭の中でピコピコと勃起しているチンポを握った。
半分だけ皮が被ったチンコの先からはカウパー氏腺分泌液が溢れていた。
それを指の先でヌルヌルと弄りながら「もうこんなに濡れてるじゃねぇか若奥様・・・」と呟き、自分のその言葉にムラムラと沸き上がる欲情を堪え切れなくなると、そのままドテン!とひっくり返り、カエルのように股を開きながら「若奥様・・・」と囁いてはセンズリを始めたのであった。

大助は美佐の事を若奥様と呼んでいた。もちろん、本人に向かってそう呼びはしない、あくまでも自分の胸の中でそう呼んでいたのだ。
大助が美佐をこっそりそう呼ぶようになったのは、初めてこの家に来た時からだった。
その日の夕食時、美佐から「おかわりは?」と勧められた大助は「いただきます若奥様」と答え、正面でみそ汁を飲んでいた優子を「ぷっ」と噴き出させた。
優子の口から飛び出したワカメと豆腐と米粒が大助の顔にバラバラっと噴きかかる。
「優子ちゃん!」と叫ぶ美佐が「ごめんなさいね・・・」と慌てながら大助の顔に飛び散った食べカスをセッセと拭き取る。しかしその美佐の手に握られていた、大助の顔を拭くソレが雑巾だと知った老婆が「ブッ!」と噴き出し、老婆の口から飛び出した骨付きカルビのような部分入れ歯が大助の額にカツン!と当たった。

それからというもの、大助は美佐の事を人前で「若奥様」と呼ばなくなった。それからは普通に「奥さん」と呼んではいるが、しかし大助の心の中では、美佐を「若奥様」、老婆を「糞婆」、そして優子は「優子」と呼び捨てにしていたのだった。

因みに、その時、優子が噴き出した「ワカメ」を大助は今でも大切に保管している。
それは今では乾燥ワカメのようにパリパリに乾いてしまっているが、しかし大助は、センズリをする時にそれを唾液で元に戻し、テラテラになったワカメを亀頭に張付けては、優子にフェラをしてもらっているのを想像するのだった。


玄関で急いでパンプスを履いていた美佐は、二階から聞こえて来たドテン!という音を聞き、一瞬ギロッと天井を睨んだ。
(・・・あの変態、また何かやってるわね・・・)
そう思いながらパンプスを履くと、カラカラカラっと玄関の扉を開け、外に飛び出した。
遅刻しそうだったため、今日は自転車で出勤しようとガレージのシャッターを開ける。
埃っぽいガレージの中には生前旦那が使っていたスタッドレスタイヤがビニール袋に包まれたまま積み重ねられていた。
タイヤの横に並んでいる2台の自転車。1台は美佐の自転車だが、もう1台の優子の自転車にはサドルがない。
お婆ちゃん曰く、2階の変態が優子の自転車のサドルを盗んだのだと言うのだが、本当の事はわかっていない。

サドルのないアンバランスな優子の自転車を見つめながら、美佐は自転車に跨がり、バックでゆっくりとガレージから出た。
家の真上の高架橋を騒音を轟かせながら電車が通過して行く。
一瞬、電車の騒音の中で「イグぅー!」という叫び声が家の中から聞こえたような気がした美佐は、背筋をゾクッとさせながらももう一度二階に振り返ったのだった。


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昼休み。美佐はパート仲間数人と食堂でお弁当を広げていた。
美佐以外、まるで水木しげるの漫画に出て来そうなオバさん達ばかりだった。
そんなオバさんの1人が、お惣菜コーナーから貰って来た賞味期限切れのエビ天を頬張りながら、「やっと下着泥棒から解放されたわよ・・・」と、唇の回りをギトギトにさせながら意味ありげにそう言った。

「えっ!どうやって!ねぇ教えてよぉ、私も困ってるのよ下着泥棒・・・」
“鹿児島産黒豚”と背中に表示していそうなオバさんが、ゴワゴワのパンチパーマをユサユサさせながらそう聞いた。

「・・・あのね・・・」と、エビ天オバさんが声を潜める。
下着泥棒が見たら「ふざけるな!」と怒りそうな妖怪ババア達が、「なになに・・・」と目を輝かせる。
「実はさ、私が住んでるマンションの2つ隣の部屋に、水商売の女が引っ越してきたのよ。その女がまた凄くてさぁ、バルコニーに万国旗をぶら下げるみたいに派手なパンツをズラーっと干してるのよ」
エビ天オバさんの話しを何げなく聞いていた美佐は、今朝優子が作った卵焼きを一口食べ、そのあまりの美味しさに将来優子を「卵焼き職人」にできないものかとふと思っていた。

「要するに、その水商売女が越して来てくれたおかげで下着泥棒はみんなソッチ行っちゃったから、ウチが狙われる事はなくなったってワケなの」
唇をギトギトに輝かすオバさんは、満足そうにそう言うとそのままガリガリとエビの尻尾まで噛み砕いてしまった。

その時、奥の事務室から「中山さん?」という声が聞こえて来た。
水木しげる系のオバさん達が一斉に事務室に振り返る。
「はい」と、美佐が返事をすると、事務室の前に立っていた中年の男が「あ、食事中?」と黒ぶち眼鏡をクイッと上げた。
「いえ、もう済みましたから大丈夫です」
美佐がそう言いながら急いで弁当を片付け始めると、「いやいや、夕方で結構ですよ。ちょっと袋菓子の在庫を確認したいだけだから、パート時間が終わってから倉庫の方へ来てくれるかな」と、中年男は青いファイルをパタパタと振った。
「わかりました。4時に倉庫に行きます」
美佐がそう答えながら弁当箱をバンダナに包んでいると、「では、よろしく・・・」と男は言いながら、地味な健康サンダルをスタスタと鳴らしたのだった。

「うふっ」
獰猛なエリマキトカゲのような顔をしたオバさんが美佐を見て笑った。
「なに?」
弁当箱をバッグに入れながら美佐がチラッと目を向ける。
「もしかして、倉庫で一発ってやつ?」
賞味期限切れのエビ天を尻尾まで喰い付くした卑しいオバさんがニタニタといやらしい笑いを浮かべながら美佐の顔を覗き込む。
「やだぁ、やめてよ」
美佐がそう笑うと、水木しげる系のオバさん達は「あらあら」と声を揃えながら一斉に冷やかした。
「で、クラークケントのアレはどうなのよ、大っきい?」
ゴワゴワのパンチパーマのオバさんが下品な目を輝かせながらそう聞くと、もう1人の濡れ鼠のような貧弱なオバさんが「そりゃあクラーク・ケントと呼ばれてるんだもん、服を脱いだら当然スーパーマンよね」とドス黒い歯茎を剥き出しに笑うと、皆が一斉に笑い出した。

そんな腐れババア共を横目に「そんなんじゃないわよ」と笑いながらその場を立ち去る美佐は、そのオバさん達の笑い声から発せられる“濡れた雑巾”のような口臭から一刻も早く逃げ出そうと、レジへと向かう足を速めたのだった。


パートを終了させた美佐はロッカーで着替えながら携帯を開いた。
3時56分。
今から専務に呼び出されたとなると、帰りは5時を過ぎてしまう。今夜の夕食はお惣菜を買って帰ろうと決めた。

倉庫の重いドアを開けると、乾燥剤独特の乾いた空気が埃と共に美佐の体を包み込んだ。
シーンと静まり返った薄暗い倉庫は、防火窓から差し込む光が舞い散る埃をキラキラと輝かせていた。
倉庫の一番奥で青いファイルがパタパタっと無言で揺れた。
重たいドアを閉め、小走りで奥へ行くと、『サラダチップス』と書かれた段ボールの山の中に男がポツンと立っていた。

その男はこのスーパーの専務。本社から単身赴任で派遣されたこの専務は、スーパーで働くからスーパーマンというアダナをお客様から付けられていたのだが、しかしその貧弱な体型と頼りない性格から、従業員達の間ではスーパーマンに変身する前の軟弱な男「クラーク・ケント」と呼ばれていた。

「サラダチップスなんだけど、このファイルに書いてある数と在庫が一致しないんですよ・・・」
男はわざとらしくそう言いながら、ゆっくりとファイルを開き、それを美佐に示した。

その在庫表は美佐が書いたものでなく、あのゴワゴワパンチパーマのオバさんが書いたものだ。表が記された書類の最後にも担当者名が記入されており、誰が見たって美佐には関係のない書類だとすぐにわかる。

しかし美佐は敢えてそれを言わなかった。
美佐は、わざとらしく「あら・・・本当ですね・・・」と呟きながら、棚に並ぶ「サラダチップス」の段ボール箱を数え始めた。

美佐の背後でカサカサっという乾いた紙の音が聞こえた。棚を数えている美佐の手に、綺麗に折り畳まれた一万円札がスッと入れられた。
美佐が、手に握らされたそれを確認する事なくソッとポケットの中に仕舞うと、それを確認した男は、その場にゆっくりとしゃがみ込み、目の前の美佐の尻に顔を押し付けた。

美佐のタイトスカートはピチっと尻に張り付き、その弾力性のある尻はゴムボールのようにムチムチに張っていた。そんな美佐の尻肉に頬擦りする男は、昼のドラマに出てくる不倫男そのものに「中山さん・・・」といやらしく囁きながら、スカートの中へと手を忍び込ませて来た。
男の細い指は、ストッキングを履いていない美佐の太ももの裏をくすぐるように這い回り、時折、人差し指の先が何かを確認するかのようにツンツンと股間に触れた。
男は、ハァ・・・ハァ・・・とゆっくり重たい息を吐き出しながら、美佐のスカートを捲り上げ、それを腰まで押しやると、目の前に現れたプルプルの尻に「おぉぉぉ・・・」と深い溜息を付いた。

男はパンティーの上から頬擦りし、そしてパンティーからはみ出している尻肉を、まるでプリンを吸い込むかのように激しくバキュームした。
「ベプっ!ベベベプっ!」という下品な音が静まり返った倉庫に響き渡る。美佐はそんな下品な音を聞きながら、ボンヤリと倉庫の戸棚を眺めていたのだった。

美佐がこの男と関係を持つようになったのは、半年前の飲み会の席での事だった。
いつもなら従業員の飲み会には出席しない美佐だったが、その日は、鮮魚売場の篠原さんが定年するという事だったので、その日だけ特別に顔を出した。
飲み会をやっていた居酒屋はスーパーのパート達がいつも集まっている低料金な居酒屋で、それはまるで映画のセットに出て来るような「赤ちょうちん」的な汚い居酒屋だった。
一刻も早くこの居酒屋から脱出したかった美佐は、薄汚れたカウンターで時計ばかりをジッと見つめ、きっかり1時間経った所ですかさず席を立ったのだった。

店を出た美佐の後から、専務が「おーい!」と叫びながら付いて来た。
「僕はああいう場所が苦手なんだよね・・・」と呟く専務は、そのまま美佐の隣に寄り添うように並ぶと、「これから2人で飲み直そうか?」と、まるで九十年代のトレンディードラマのような恥ずかしいセリフを堂々と吐いた。
「いえ、娘が待ってますので・・・」
美佐が苦笑いしながらそう断ると、専務はいきなり財布を取り出し、中から一万円札を抜き取った。
「僕は単身赴任だから淋しいんですよ・・・。中山さんも旦那さんに先立たれてるから、この気持ちわかりますよね・・・」
そう言いながら美佐に一万円を差し出した。
「・・・なんですかこれ?・・・」
「いや、気分を悪くしないで下さい。これは変な意味ではありません。ただ、ほんの一時間だけでいいですから、そこのバーで僕に付き合って欲しいんですよ・・・」
2人が歩くライトアップした橋の先に、小さなバーが赤いネオンを灯していた。
「・・・わかりました。一時間だけなら・・・」
美佐はそう言って一万円を突き返した。本当は喉から手が出る程欲しかった一万円だったが、しかし、それを貰ってまで付き合うというのは、あまりにもこの男が可哀想だと思ったからだ。
「いや、それはいけない。キミの大切な時間を僕が金で買う。これは何もやましい事ではなく、キミの時間を売ってもらう以上金を払うのは当たり前の事なんだ。だから、さ、遠慮なく受け取ってくれたまえ」
男は専務らしい口調でそう突っ張ると、その一万円札を強引に美佐の手に握らせたのだった。

それからというもの、専務は何かというと「今夜キミの時間を売ってくれないか?」と、こっそり一万円を差し出して来た。
一万円。専務と2人っきりで場末のバーへと飲みに行き、そこで専務の愚痴を小一時間聞いているだけで3日分のパート代が手に入るのだ。美佐にとってこんなワリの良いバイトはなかった。

しかし、そんな楽なバイトはいつまでも続かなかった。
ある時、いつもより酔っていた専務は、バーのカウンターで更に一万円を取り出し、「キミの肉体を売ってほしい」と言って来た。そして同時に、「もしダメなら、もう二度とキミには会わない・・・」と、脅迫めいた事まで言って来たのだ。

その頃の美佐は、毎週専務から貰う一万円をあてにしていた。あてにするあまり、優子を学習塾にまで通わせてしまっていたのだ。
今ここで専務からの一万円を無くすのはあまりにも痛かった。そう考えた美佐は黙ってその一万円を受け取った。その晩、近くのラブホテルの一室で、旦那の死後3年ぶりに、男の荒々しい肉棒を捻り込まれた美佐は、あまりの快感に二度も絶頂に達してしまったのだった。

初めのうちはラブホテルを利用していた専務だったが、しかし最近では面倒臭くなってきたのか、美佐を抱くのはもっぱらスーパーの倉庫だった。

そんな専務に美佐は焦りを感じていた。
というのは、最近新しくパートに入った松川さんと専務が妙に親しいからだ。

松川さんは美佐よりも4つ若い31才。顔はお世辞にも綺麗とは言えない。美佐の京人形のように整った美形とは比べものにならず、まるで激痩せしたアンパンマンのような酷い顔をしていたが、しかしそのスタイルはずば抜けていた。
歩く度にブルンブルンと震えるその巨乳は美佐の倍程大きく、その突き出した尻も破裂寸前の水風船のようにムチムチと輝いている。しかも、パート仲間の噂では、松川さんはここに来る前、駅裏のランジェリーパブでアルバイトをしていたらしく、その妖艶な体で男を手玉に取るのはプロなのである。

美佐は、いつ専務の気が松川さんへと移るかが怖くて仕方なかった。そうなれば毎週美佐が貰っていた一万円は松川さんの手に渡ってしまうのである。そう焦る美佐は、専務の気を引き止めるためにと、今まで拒否し続けて来た恥ずかしい変態行為をも素直に受け入れるようになっていたのであった。


倉庫の床に仰向けになった専務は、「跨いでくれ・・・」と弱々しい声で呟いた。床に寝そべっては豚のようにフーフーと鼻を鳴らす専務を見下ろす美佐は、うんざりしながらも「一万円のため・・・」と心で呟き、そのまま専務の顔面にゆっくりと腰を下ろした。

それはまるで和式便所でおしっこをしているようなポーズだった。
股の下で、パンティーに鼻を押し付けながらグフグフと悶えている専務をソッと見下ろす美佐は、こんな事して何が楽しいの?と、ふと思う。

「・・・生理・・・近いのかな?・・・今日はいつもより・・・匂うねぇ・・・」
そう言いながらも専務は、パンティーの脇から巨大なヒルのような舌を捻り込ませて来た。
美佐は専務の唾液でパンティーを汚されるのが嫌だった。しかし専務は、パンティーを履いたまま顔面騎乗されるのが好きらしく、パンティーを脱ごうとすると怒るのだ。

「もっと・・・もっと尻を顔に押し付けてくれ・・・」
股の下で専務が唸る。心の中で溜息を付きながら、美佐は尻に体重をグッと掛けた。
「うぐぐぐ・・・・」
そう唸る専務の顔面に、腰を上下に振りながら股間を擦り付ける。
専務はまるで倒れたキョンシーのように両手を上げ、しゃがむ美佐の胸を鷲掴みにしたのだった。


               6


階下から「ただいまぁ」という優子の声が聞こえて来るなり、大助はそれまでこっそりと眺めていた「パンツのシミは1万ボルト」という、けったいなエロブログを慌てて閉じると、誰もいない部屋で「すびませんすびません・・・」と2回詫びた。

しばらくすると、階段を駆け上って来るトントントンっという優子の足音が響き、大助は慌てて座布団の下に潜り込んだ。

「ねぇ、大助さん」
優子が大助の部屋の襖をバサバサとノックする。大助はその音に更に「ひっ!」と体を震わせ、ひたすら「すびませんすびません」と唱えた。
「いるんでしょ・・・」
優子がバサッと襖を開けると、優子の目の前に大福のような大助の尻がポコッと丸まっていた。
「・・・なにやってんの・・・」
優子が「ぷっ」と噴き出しながら聞く。
「すびません・・・すびません・・・」
そう呟きながら座布団からノソッと顔を出した大助は、襖の前に立っている優子の足下にゆっくりと正座した。

「お母さんは?」
優子のその声にとたんに心を溶かせた大助は、パンパンの太ももで正座しながらゆっくりと優子に目を向けた。
セーラー服を着た小さな少女が、小動物的なクリクリの黒目を不思議そうに大助に向けている。大助はふいに「パンツのシミは1万ボルト」に掲載されていた「中学生の汚ぱんちゅ」のパンシミ画像を思い出し、目の前に立っている優子と、あの画像に写っていた黄色いオリモノとを比べてしまった。

「まだ帰ってないの?」
優子がそう言いながら、ふいに大助の目の前にしゃがんだ。とたんに大助と優子の目線が一緒になった。
「・・・は、はぃ・・・ま、まだのようです・・・・すびません・・・」
「ふぅ~ん・・・じゃあお婆ちゃんは?」
優子の桜貝のような唇からチョコレートの香りがふんわりと漂って来た。
「・・・さ、さっき、裏の吉浦さんちのお婆ちゃんと銭湯へ・・・・」
優子の全身から漂って来るチョコレートの甘い香りをこっそり胸一杯に吸い込みながら大助はそう答えた。
「じゃあ大助さん1人でお留守番ね」
優子がニコッと小さな顔を傾けた。優子のその笑顔に、(この子は絶対にジブリ作品に出るべきだ!)と大助はふいにそう思った。

「ん・・・困ったな・・・どうしよう・・・」
優子がカバンの鈴をチリリンと鳴らしながら立ち上がった。
「・・・ど、どうしました?・・・」
大助はセーラー服のスカートからニョキッと伸びる優子の細い足をジッと見つめながら聞いた。
「実はね、部屋の鍵を学校のロッカーに忘れて来ちゃったの・・・だからお母さんが帰って来るまで部屋に入れないの・・・困ったな・・・・」
優子はそう言いながら桜貝のような唇に人差し指を押し当て、「う~ん・・・」と困った表情で考え倦ねている。
大助は優子のスカートから伸びているニーソックスの先をジッと見つめながら、素直に「吸いたい」と思った。

「とりあえず、シャワー浴びて来よっかな・・・」
優子は独り言のようにそう呟くと、足の踵を軸にしてクルッと階段に体を向けると、正座している大助に向かって「お腹空いたね」とクスッと笑い、そのまま跳ねるようにして階段を降りて行った。

まるで子鹿が崖の谷間を降りて行くように優子が階段を降りて行くと、大助はゆっくりと立ち上がり、今まで優子が立っていた場所に立ってはそこの空気を全て吸い込むかのような深い深呼吸をすると、いきなり優子になりすました大助は、部屋にポツンと転がっている座布団に向かって「お腹空いたね」と大福のような大きな尻を突き出して言い、すかさず「クスッ」と笑った。
それを4回繰り返した。
5回目で「クスッ」と笑う時、ついつい「プスっ」と放屁してしまい、とたんに顔を赤らめた大助は「優子は屁はしない!」と防空頭巾兼用の座布団にそう叫ぶと、己のじゃがいも頭をボカボカと叩き、自己嫌悪に陥った。
いきなり富山の母の笑顔が浮かんだ。早稲田を期待する母のその笑顔はあきらかに体裁的な笑顔だった。親戚の松久兄さんが法政大学に合格したからといってどうして僕が早稲田なんか行かなくちゃいけないんだ、と、頭にポッと浮かんだ母の顔へそう尋ねると、カビの生えた前歯を剥き出しにした母が「ウチは本家なんやちゃ!」と日本猿のような獰猛な顔で怒鳴った。
その日本猿のような母の顔に「ひっ!」と脅えた大助は、しかしそこである事に気付いた。
(部屋の鍵と洗濯機の鍵は・・・確か同じキーホルダーだったはすだ・・・)
とたんに大助の頭から富山の母が消えた。
女性の性器から排出されるオリモノをこの上なく愛する大助にとって、愛おしい優子のオリモノは蒼井優と二泊三日の熱海旅行に匹敵するくらい貴重なものである。
自称・オリモノ博士を名乗る(ネットの世界だけで)大助だったが、しかし、中学生の性器から排出されるオリモノというものをまだ見た事が無い。
この家に下宿した当初、何度か深夜に脱衣場へ忍び込んだ事はあるのだが、洗濯機の蓋を開けた瞬間、いつも若奥様にハエ叩きで叩かれては追い払われていた。だからまだ愛しの優子のオリモノは見た事が無いのだ。
因みに、姑のマサ73才のオリモノは何度か見たことがある。マサは家の風呂は使わずいつも銭湯へ行くため、銭湯で履き替えた汚れた下着類をいつもビニール袋に入れては脱衣場の隅に放っているからだ。
しかし、さすがのオリモノ博士でも73才のオリモノはあまりにもゲテモノすぎた。しかもマサは通信販売で購入した「失禁パンツ」を履いているため、そのクロッチにはオリモノだけでなくババアの小便もたっぷり含まれているのだ。おまけに糞まで付いている事もある。ある時、「研究の為だ」と、勢い付けてその糞の匂いを嗅いでしまった大助は、その猫のウンチのような強烈な臭いにとたんに持病のウツが誘発され、あやうく電車に飛び込む所だった。

そんなオリモノ博士と異名を取る大助(ネット内でわずか2名の変態からそう呼ばれているだけ)は、シャワーを浴びに行った優子のオリモノ付きパンテーが今どのようにして脱衣場に置かれているかを想像し、たちまち「らっきょう」のチンポを芽生えさせた。

「そこにパンテーがあるから!」
大助は力強くそう叫ぶと、「♪お嬢さんよく聞ぃ~けよ♪山男にゃ惚れるなよぉ~♪」となんだか意味不明な歌を口ずさみながら、力強く階段を降り始め、途中一段を踏み外しては真っ逆さまに落下したのであった。


               7


倉庫の奥へと連れていかれた美佐は、倉庫の隅で壁に体を向けたまま、床に敷かれていた段ボールの上にノーパンでしゃがまされた。
パックリと開いた股間の中を、床に腹這いになって寝そべる専務がハァハァと熱い息を吐きながら覗き込む。
背後からプックリと突き出た肛門をレロレロと舐め、ヌルヌルに湿った膣をべちゃべちゃと指で弄る専務。
そして剥き出した美佐の生尻に頬擦りしながら「よし・・・そろそろ・・・」と、専務が合図をした。
最初の尿がシュッという音を立てて飛び出すと、尿が飛び散った床の段ボールがバタバタッ!という音を立てた。膣をヒクッ!とさせて一呼吸置いた後、ホースから水が飛び出すように、勢い良く尿が噴き出した。
美佐の尿道が開き、そこからまるで蛇が威嚇しているかのようなシャーッ!という音が響いて来る。
専務は「おぉぉぉ・・・」と呻きながら、勢い良く飛び出す尿に手の平をあて、それを手の平に掬ってはズズッと音を立てて飲んだ。
床に敷かれた段ボールがグングンと小便を含みドス黒く湿っていく。膣がヒクヒクと痙攣し、最後にぴゅっ!と搾り出すと、しゃがんでいる美佐の尻に伝わった尿がポタっと雫を落とし、放尿ショーは終了した。

股間を覗き込んでいた専務は、いつしか勃起したペニスをシコシコとシゴいていた。
突き出された美佐の尻肉を軽く噛みながら、「じゃあ、そろそろ出そうか・・・」と、新たな合図を出す。

壁に向ってしゃがんでいる美佐は静かに目を瞑った。何よりも一番嫌いなショータイムが始まろうとしているのだ。
ハァハァと股間を覗き込む専務の前で、ゆっくりと美佐の肛門が膨れ上る。みるみる親指大に膨れ上がった肛門の先から、真っ黒な物体が静かに顔を出した。
肛門と黒い物体の隙間からプスッと音を立ててガスが漏れる。美佐は恥ずかしさのあまり両手で顔を塞いだ。
ガスが漏れたと同時に、肛門から一気に溢れ出た黒い物体は、まるでうなぎのようだった。
ピキピキピキ・・・と奇妙な音を立てながら伸びるうなぎ。15センチほどまで伸びてプツッと切れたうなぎは、そのまま段ボールの上にボトッと落ち、瞬間、肛門がヒクッとしゃっくりをした。

「綺麗だな・・・・」
段ボールの上で横たえるうなぎを見つめながらそう呟き、ペニスを激しく扱きながら専務はしゃがんでいる美佐の両肩に手をやった。
そのまま背中を押された美佐は、その場に四つん這いにされると、突き出された尻に専務の熱い息が近付き、「はっ」と息を飲んだ瞬間、専務の舌が肛門を這い回った。
専務の太い舌は大便が付着した肛門を執拗に舐めまくった。専務の分厚い唇がポッコリと膨れ上がる美佐の肛門に吸い付き、まるで氷菓子の「チューチューアイス」をしゃぶるような音を倉庫に響かせた。

肛門を舌で刺激されながら人差し指でクリトリスを転がされていると、突然、コリコリとした専務のペニスがニュルッと膣に侵入して来た。
専務の激しく揺れる膝が、尿で湿る段ボールをグチュグチュと音立てた。
ズコズコと激しく突いて来る専務に、おもわず美佐が「あぁぁ!」と声をあげると、専務は悦に浸った表情で「気持ちいいか・・・」と聞きながら、美佐の尻をペタペタと叩いた。
そして唾液でヌルヌルになった美佐の肛門に人差し指を挿入すると、腸の中をネチャネチャと弄り回し、その指をクンクンと嗅ぎ、ペロッと舐めた。その瞬間、専務は額に大量の汗を浮かべながらペニスをヌポッ!と抜き取ると、そのギトギトに濡れたペニスの先を、段ボールの上で無惨に横たわっている黒いうなぎに向けた。
シュッ!という音が専務のペニスの先で鳴った。獰猛な精液が黒いうなぎにぴゅっ!ぴゅっ!と飛び掛かる。
専務は「うぅぅぅぅ・・・」と唸りながらうなぎに精液をぶっかけ、そして上下にシゴくその手を次第にゆっくりさせながら、一言「ざまあみろ・・・」と呟いたのだった。

(つづく)

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