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吐泥(へろど)46

2013/06/13 Thu 00:01

 肛門の入り口で亀頭がコリコリしていた。
 射精しそうなために身動きできないサムソンは、私の腰が動かないよう両手でしっかりと押さえつけながら、その湧き上がるマグマを必死に治めようとしていた。
 フーフーと背後で響くサムソンの深呼吸を聞きながら窓の外を見ていると、半分萎れた化け物ペニスをブラブラさせた男がゆっくりと立ち上がるのが見えた。
 そのペニスは萎れてもいても巨大だった。毒リンゴのような色をした亀頭の先からは精液がネトネトと糸を引き、その真っ黒な竿には妻の物だと思われる汁が、卑猥にテラテラと輝いていた。

 そのまま男は、妻に振り向きもせず大浴場へと消えていった。残された妻はバスマットにへたり込んでいた。虚ろな表情で露天風呂の湯を桶で掬い、その湯を自分の下半身にダラダラと流しながら、太ももに押し込んだ手をモゾモゾと動かしていた。
 恐らくそれは陰部を洗っているのであろうが、しかし、膣内に中出しされた精液が、あのようないい加減な洗い方で流れてくれるはずはなかった。
 そんな事は妻も知っているはずだった。実際妻は、いつも私が中出しした後は、風呂場でしゃがみながらウンウンと力み、精液をドボドボと吐き出しているのだ。
 なのに妻は、気怠そうにバスマットにへたり込みながら、いつまでもそうやってダラダラしていた。
(これは何かおかしいぞ……)
 そう不審に思っていると、不意に露天風呂の入り口で、数人の男たちがジャンケンしているのが目に飛び込んできた。
 それを目にした瞬間、恐らく妻は、まだまだこれから大量に中出しされるだろうと予想し、それでわざわざ精液を洗い流さないでいるのだろうと思った。

 そんな妻を見ていると、数年前、新宿中央公園で買った薄汚い中国女をふと思い出した。
 あれは、西新宿の取引先からの帰り道の出来事だった。
 都庁に向かって新宿中央公園内の細道を歩いていると、突然、草むらの中から中国人らしき男が現れ、片言の日本語で呼び止められた。
 男はニヤニヤと笑いながら私に近寄り、「サンゼンエン、サンゼンエン」と言いながら三本立てた指を草むらの中に向けた。
 見るとその先には、モゾモゾと蠢く二匹の動物がいた。まだ午後二時を過ぎたばかりだというのに、その二匹の動物は堂々と下半身を丸出しにしながら、コキコキと交わっていたのだった。

ウツボ249

 白昼堂々、この大都会の真ん中でそれは繰り広げられていた。私はとんでもない変態ではあるが、しかし、そんな私の目にも、その光景は異常過ぎるほど異常に映った。
 胸底からムラムラとしたものを湧き上がらせながら、私は財布を取り出した。そしてそこから千円札を三枚抜き取りながら、「いくつですか?」と女の歳を聞くと、中国男は「いくつ? 三つでいい」と、笑顔で勘違いしながら、その三千円を必死に受け取ろうとしていた。
 とりあえず私は、この中国男に三千円を渡した。そして細道の隅にある擬木のベンチに腰掛けながら先客が終わるのを待つことにした。
 暫くすると、杖をついた老婆がヨボヨボと坂道を上がってきた。老婆は、そのすぐ横の草むらで醜い男と汚い女の性器が激しく交わっているなど夢にも思わぬまま、平然とそこを通り過ぎて行った。
 老婆の姿が消えるなり、薄汚い中年男が草むらの中からゴソゴソと出てきた。男はスーツの上着を羽織りながらも作業ズボンを履いていた。その奇妙な格好と、そのボサボサの髪と異様に日焼けしている顔色などから、この男がホームレスである事がすぐにわかった。
 男は草むらから出てくるなり、歩道の縁石の上に置いてあった飲みかけのワンカップを手にした。そしてそれを美味そうにゴクリと一口飲みながら、そのドロドロに濁った目玉をゆっくりと私に向け、「は、は、八王子には三年前にいたよ」と、突然意味不明な言葉を発した。

 そんな男を無視し、私は草むらの中に入った。蜘蛛の巣だらけの小枝を掻き分けながらガサガサと奥へ進んで行くと、そこには下半身を剥き出しにした二十歳くらいの女が、広げた段ボールの上でぐったりと寝転がっていた。
 女は、未だハァハァと荒い呼吸をしながら、腹を上下に動かしていた。そして私に気付くなり、無言で股をゆっくりと開き、その中出しされた直後の汚れた陰部を剥き出したのだった。

ウツボ250

 私は無言で女を見下ろしながらズボンを下ろした。そして、勃起したペニスをピコピコと揺らしながら女の股座に恐る恐る潜り込むと、その若い肉体に体を乗せた。
 女の乳首やうなじには、様々な男たちの唾液臭が漂っていた。ギラギラと脂ぎった髪は獣臭く、グレーのユニクロのTシャツからも、何やらキツイ香辛料のような刺激臭がムンムンと漂ってきた。
 それでも私は、その汚れた体を舐めた。コロコロに勃起した乳首を舌で転がし、脇腹からヘソにかけて舌をダラダラと走らせた。そんなヘソ周辺には、誰かが腹出ししたと思われる精液の形跡が残っていた。既にそれはカピカピに乾いていたが、しかし恐る恐るそこに舌先をチロチロさせてみると、その白いカスはまるでオブラートが溶けていくかのようにすぐにトロトロになり、独特な苦味が口内に広がった。

 そうやって女の上半身を隈なくペロペロしている私を、女は乱れた髪の隙間からジッと見ていた。
 ふと目が合い、「中国人か?」と聞いてみると、女はソッと目を逸らしながら小さくコクンっと頷いた。
 女の膣に指を這わすと、そこには大量の精液が溜まっていた。軽く指で開いただけでドロドロと溢れ出てくるその量からして、あのホームレスの精液だけではない事は確かだった。
 見知らぬ国で、見知らぬ男たちに、次から次へと精液を注入されている女。そんな女に異様な興奮を覚えながら、私はそこにペニスをツルンっと挿入した。
 もちろんナマだった。性病は怖かったが、しかし、この異常興奮には勝てなかった。
 結合部分は、ブジョ、ブジョ、と不気味な音を立てていた。ピストンする度に精液は押し出され、それが尻に敷いた段ボールに黒いシミを作っていた。
 女は全く感じていなかった。早く終わってくれと言わんばかりに時折私を睨みながら、気怠い溜息を何度も漏らしていた。
 しかし私は感じていた。この破滅した女と、この狂気のシチュエーションが異常性欲を激しく掻き立て、私は不気味にすすり泣きながら、女のその汚物入れにドクドクと射精したのだった。

ウツボ251

 あの時の薄汚い中国女と今の妻が重なった。
 見知らぬ男に中出しされながらも、その精液を放置したまま次の男を待っている妻に対し、改めてここまで我が妻を堕としてしまったかという罪悪感に胸を締め付けられたが、しかしそれは、すぐに異様なエロスへと変わり、更に私を異常興奮させた。

 ふと気がつくと、サムソンの腰の動きが再開していた。いつしかサムソンのペニスは根元まで埋まり、私の肛門をヌポヌポとピストンしていたが、しかし痛みはほとんどなく、むしろその異物感に不思議な性的快感が生まれ始めていた。
 
 窓の外を見ると、新たなる外道が妻の背後に迫っていた。
 その男は三十代後半と思われた。ニコニコと笑うその恵比寿顔と、小熊のようなぽっちゃりチビのその体型は、いかにも人の良さそうなお坊ちゃんタイプであり、凶暴な外道の仲間には見えなかった。
 しかし彼は、そんな笑顔の裏に、もう一つの冷血な顔を持っていた。
 彼はニコニコと笑いながら、バスマットにへたり込んでいる妻をそこに四つん這いにさせた。そして、他のギャラリーに向けて尻を突き出させると、「放流しまーす、放流しまーす」と戯けながら妻の陰部を指で開き、そこから真っ白な精液をダラーンっと垂らしたのだった。

ウツボ252

 その残酷な汁を見せつけられた私は、思わず「んんん……」と唸っていた。
 あまりの怒りと嫉妬と興奮にもはや言葉も浮かばず、ただただ胸に溢れてくる熱いものを吐き出すしかなった。

「すっごい量ですね〜」

 坊ちゃんはそこを覗き込みながらそう笑っていた。するとそれを見ていたギャラリーたちもヘラヘラと笑いだし、一変してその空気がサディスティックに変わった。
 坊ちゃんは、その可愛らしい顔に似合わず残酷だった。その言葉使いこそ優しかったが、しかしその内容は酷く妻を侮辱しており、四つん這いで性器を曝け出されている妻に激しい屈辱を与えていた。
 坊ちゃんはそのまま露天風呂の縁に腰掛け、妻にペニスをしゃぶらせた。四つん這いでペニスをしゃぶる妻の尻を、濡れたタオルでピシャピシャと叩きながら、坊ちゃんはギャラリーたちに向かって、「この女の人、頭おかしいっすよ」と笑い、そこにブラブラと垂れている巨乳を足の裏で蹴飛ばしていた。
 命よりも大切な妻が、あんなバカ坊ちゃんのような小僧に嬲られていた。
 激しい屈辱感に胸を締め付けられた私は、今すぐに妻の元へ駆けつけ、あのふざけた小僧の頭を露天風呂の岩に叩きつけてやりたい衝動に駆られた。
 と、その時、坊ちゃんは妻にペニスをしゃぶらせながら、何かボソボソと話しかけた。妻は唇に肉棒をズルズルと滑らせたままソッと坊ちゃんを見上げ、時間をかけてコクンっと頷いた。
 坊ちゃんが妻に何を聞いたのかはわからない。妻が何に対して頷いたのかもわからない。
 が、しかし、妻が頷くと同時に坊ちゃんが立ち上がり、四つん這いになった妻の尻の後ろで両膝をついた所を見れば、それがどんな話だったかは一目瞭然だった。恐らく坊ちゃんが「入れて欲しい?」と聞き、それに対して妻がコクンっと頷いたのだ。
 そうだ、そうに決まっている。あれほどの屈辱を受けながらも、妻はぼっちゃんの肉棒が欲しかったのだ。それをわかっていながらも、坊ちゃんはわざとそれを妻に聞き、妻自身に奴隷としての敗北感を植え付けたのだ。
 坊ちゃんは妻の背中を見つめながらニヤニヤと笑い、丸い尻肉の谷間に真っ黒な肉棒を突き立てた。そして両手でその尻肉を押し広げながら、そこに剥き出された淫らな穴に向けて一気に腰を突き上げた。

ウツボ253

 いきなり肉棒を突き刺された妻は、まるでヨガの『猫のポーズ』のように背中と首を弓なりに反り上げ、発情した猫の如く夜空に向かって激しく喘ぎ始めた。
 余程にそれを求めていたのだろう、妻は四つん這いのまま自ら腰を振り始めた。豊満な乳や尻や太ももが卑猥にタプタプと揺れ、まさにそれはセックスだけを目的としたマシーンのようだった。

 そんな淫らな妻を見ていると、肛門を擦れる肉棒の感触が、いよいよ気持ち良く思えてきた。今の妻の膣にも、こうして他人棒がズボズボとピストンしているのだろうと思っていると、私も今の妻と同じように喘ぎ声を張り上げていた。
 息を吹き返したサムソンは、インターバル前よりもアグレッシブになっていた。私の背中に、「ほら、ほら」と息を吐きながらそのリズムに合わせて腰を突き出し、私の直腸にズブズブとペニスをピストンさせていた。

 悶える妻の真似をしながらふと窓の外を見ると、四つん這いで犯されていた妻に、また別の男がペニスを咥えさせていた。妻はいわゆる串刺しにされていたのだが、しかしそんな陵辱を受けながらも、妻は気が狂ったようにペニスをしゃぶりまくっていた。
 その新たな男は、まだ二十歳を過ぎたばかりの若者だった。坊ちゃんと同様、見た目はいかにも草食系といった大人しそうな若者だったが、しかし、ニヤニヤと笑いながら妻を見下ろしているその目はどこか冷たく、恐らくその内面には、人を平気で虫けらのように扱う冷酷さが潜んでいるように思えた。
 案の定、しばらくするとその若者は、必死にペニスをしゃぶっている妻の頭部を両手で固定した。そして妻の喉の奥にまで強引にペニスを押し込み、ゴボゴボともがき苦しむ妻をニヤニヤと笑いながら見下ろしていた。
 イラマチオされる度に、背後で腰を振っていた坊ちゃんが悶えていた。恐らく、イラマチオされる事によって妻の膣の締まりが良くなるのであろう、坊ちゃんは妻がゴボゴボともがき苦しむ度に、「スゲェー、スゲェー」と騒ぎながら腰を振りまくっていた。
 そんな二人は、明らかにゆとり世代だった。
 そう言えばさっき、青年が私に迫ってきた時、サムソンは私に、「相手にするな、ゆとり世代だ」と注意を促していた。
 ふとそれを思い出した私がソッと後ろを振り向くと、腰を振りながら窓の外を眺めていたサムソンが、「あんたの奥さん、大丈夫かね……」と、心配そうにポツリと呟いた。

「ゆとり世代の外道はさ、自分のことしか考えてないから滅茶苦茶やるんだよ。あいつら、ゲームで人殺しばかり繰り返してるだろ、だから現実でも人間を人間と思ってないんだよ……」

「…………」

「あのガキ共はさ、この間も、店長がゲストとしてここに連れてきたクルクルパーの女を壊したばかりなんだよ。マンコの中に固形石鹸を五個も入れたりさ、女の口の中に直接ウ○コしたりして滅茶苦茶やったんだよ。もし店長が途中で止めなかったらさ、あいつらあのまま女の子を殺してたぜきっと……」

 背筋が凍った。一瞬にして現実に引き戻された。私は、まるで震度五強の地震にいきなり襲われたかの如く、何が何だかわからないくらいに狼狽えてしまった。
 が、しかし、坊ちゃんが、妻の尻にしがみつきながら射精しているシーンを目の当たりにした瞬間、それまでの背筋が凍るほどの恐怖は一瞬にして快楽へと変わった。
 それは、中出しされている妻が、「もっとして!」と叫んでいる声が聞こえたからだった。なんと妻は、精液をドクドクと注入している坊ちゃんに向かって、もっとペニスを動かして欲しいと必死に乞うていたのである。
 それに気づいた瞬間、濃厚なヘドロが私の正常な脳細胞を破壊し、私の中のサドとマゾとの比率が大きく変わった。たちまち私は、あのゆとり世代のガキ共よりも冷酷となり、妻を見殺しにするかの如く、(お前のような淫乱女は殺されてしまえ!)と心の中で何度も叫びながら、狂気のエロスに取り憑かれた。
「助けに行かなくてもいいのか?」と心配そうに聞いてくるサムソンを無視し、私は狂ったように腰を振り続けた。
 妻にペニスをしゃぶらせていた若者が、坊ちゃんに少し遅れて射精した。イラマチオのまま射精された妻は、絞殺寸前の真っ赤な顔でもがいていた。そしてペニスを抜かれるなりその場に崩れ落ち、唇に大量の精液をブラブラと垂らしながら激しく咳き込んだのだった。

 二人の若者は、散々妻をボロ雑巾のように扱った挙句、ニヤニヤと笑いながらその場を去った。
 すると、必死に咳き込んでいる妻の背後に、またしても新たなる男が現れた。

 その男は、まるで公衆便所の小便器の前で順番待ちしていたかのように普通に現れた。
 平然と妻の前に立ち、咳き込んでいる妻の後頭部に手を当て、その顔を上に向けた。そして、それがさも当然であるかのように妻の唇に亀頭を押し付けると、そのままペニスを妻の口内に滑り込ませた。
 それまさに公衆便所の小便器で小便をしているような残酷な光景だった。それを見ていた私は、いよいよ妻が外道共の肉便器と化したのだと思い、快楽と絶望に身震いしたのだった。

ウツボ254

(つづく)

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