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吐泥(へろど)22

2013/06/13 Thu 00:01

 さっそく私は、窓一面に映る海を覗き込みながら、「ここは泳げるんですか?」と運転手に話しかけてみた。そう聞きながらもズボンのボタンをソッと外すした。
 運転手はバックミラーでチラッと私を見ながら「ここら一帯は海水浴場になってますよ」と、なぜか妙に嬉しそうに答えた。その口ぶりから、なかなかノリの良さそうな親父だと察した。
 私は「へぇ〜」と頷きながらトランクスのゴムを剝いだ。それまで押し付けられていたペニスがビンっと跳ね上がり、陰毛の生い茂る下腹部にピタンッと当たった。それは、先日NHKの特集で見た、ユーラシアプレートに沈み込んだフィリピンプレートが跳ね上がって起きる『南海トラフのメカニズム』によく似ていた。
 そんなペニスを妻の唇に突きつけてやると、妻は素早くそれを握りしめた。そして我慢汁がダラダラと溢れる尿道を愛おしそうに見つめながら、その弛んだ皮を上下にシコシコと動かし始めた。

ウツボ94

 太ももから快楽がジンジンと湧き上がってきた。フゥゥゥ……と静かに息を吐きながら妻の髪を優しく撫でていると、再び運転手が私に話しかけてきた。

「シーズンになりますとね、この通りは海水浴に来た客で凄い渋滞ですよ。もうピクリとも車が動かなくなりますからね。だから、私たちタクシードライバーの間ではね、シーズン中のこの通りの事を『天神様の細道』なんて呼んでるんですよ……」

 とりあえず、「そうなんだ……」とだけ答えておいた。
 正直どうでもよかった。この通りが彼らの間で何と呼ばれているなど全く興味はなく、今はただ妻の愛撫に集中していたかった。だからそのまま話を切ろうとしたのだが、しかし、案の定、運転手は話を続けてきた。バックミラーでチラチラと私を見ながら、まるで、自分しか知らないクイズの答えをコメンテーターに聞き出そうとしている自己欲の強いみのもんたのように、「なぜだと思います?」と聞いてきた。
「知るかボケ!」と怒鳴りたいところだったが、しかし、その瞬間、妻がいきなり亀頭をベロリと舐めた。その快感により私の表情がフッと一瞬緩んだのを運転手はバックミラーで見ていた。だから私は無視できなかった。反論もできなかった。いや、逆にこうやってこの男に話しを続けさせていた方が、妻にスリルを与えられるのではないかと咄嗟に思い、私は顔を緩ませたまま「なぜだろう……わかんないなぁ……教えて下さいよ……」なとど、そのくだらない話に乗ったふりをした。

「ふふふふ。お客さん、通りゃんせ、通りゃんせ、って童謡知ってるでしょ。アレですよアレ。あの歌に『天神様の細道』って出てくるじゃないっすか」

「はぁ……」と私が答える間にも、妻の舌はソフトクリームを舐めるように動き出し、ピチャピチャという湿った音まで鳴らし始めた。

ウツボ95

「行きはヨイヨイ、帰りは怖い、っつうね、まさにアレですよ。客を海水浴場まで送ってくのには料金がバンバン跳ね上がるからいいんですけどね、その帰り道は渋滞で身動き取れなくなって時間を無駄にしちゃうでしょ、だからこの通りは、私たちの間では『天神様の細道』なんて呼ばれてるんですわ」

 そう運転手がへらへらと笑うと同時に、ペニスは妻の口内にヌルッと滑り込んだ。
 妻はそれを咥えたままゆっくりと舌を動かした。尿道やカリ首の裏といった細部にまでその生温い舌を滑らせながら、窄めた唇で竿を上下に摩擦した。

ウツボ96

 そんな妻の口技は、ペニスだけでなく私の脳までも愛撫していた。思わず顔を顰めて「んふっ……」と息を漏らすと、それをバックミラーで見ていた運転手が、「お客さん?……もしかして車酔いしました?」と心配そうに眉を顰めた。
「いえ……大丈夫です……」と答えながら腰をずらし、慌てて妻の口からペニスを抜いた。この状況でもう少ししゃぶらせていたかったが、しかし、今の私には、このシチュエーションはあまりにも刺激が強すぎたため、ここで果ててしまうのには勿体ないと思い、慌てて妻のそれをやめさせたのだった。

 そのまま妻の上半身を起き上がらせると、妻は俯いたまま唇の唾液をそっと拭い、元の座席位置へと戻った。
 妻の体が突然ムクリと起き上がったせいか、それをバックミラーで見ていた運転手は、「あれ? 気分が悪いのは奥さんの方でしたか?」と心配そうに聞いてきた。

「ええ。そうなんですよ……妻はすぐに車酔いするんですよ……」

 私はそう嘘を吐くと、バックミラーには映らない妻の下半身に手を伸ばし、指を尺取虫のように動かしながらスカートを捲った。真っ白な太ももとピンクのパンティーが、海面に反射して炎のようにメラメラと輝く夕日に照らされた。
 妻は一瞬ビクっとしたが、しかし、運転手が後ろに振り向かない限り、そこを彼に見られる事はないと知ると、大胆に股を広げたまま、そのスリリングなプチ露出にドキドキしていた。
 そんな事がすぐ真後ろで行われているとは露知らず、運転手は「それじゃあ、もう少しゆっくり走りますね」などと言いながらスピードを緩めた。私はそんな運転手に「すみませんねぇ」と呟きながら、素早くそのピンクのパンティーの中に手を滑り込ませた。いきなり生温い汁が指にネトネトと絡みついてきた。まるで大量の『めかぶ』が流し込まれたかのように、そこは異様なほどに濡れていた。もはやどこがクリトリスで、どこに穴があるのかもわからないくらいヌルヌルしていた。

ウツボ97

 二本の指を滑り込ませ、熱い穴の中をぐちゃぐちゃと掻き回した。妻は「んん……」と小さく唸りながら私の肩に頬を摺り寄せた。髪から漂う甘いリンスの香りを感じながら妻の耳元にソッと唇を這わせ、「声を出すとバレちゃうよ……」と囁きながらも、声を出せよと言わんばかりにわざと指を激しく動かしてやった。
 右手でそうしながら左手でバッグの中を漁った。今こそあれを使うべきだと思いながら必死にそれを探した。
 すぐ目の前では、名前も知らない赤の他人がハンドルを握っていた。この男だったら、と思った。「もし気分が悪くなったらコンビニに寄りますので、遠慮なくお申し付けください」などと話しているこの真面目そうな男だったら、きっと従順な性玩具となってくれるはずだと期待しながら、私はバッグの中からピンクローターを摘み出した。
 それを妻に見せると、妻は困惑した表情で「音が聞こえちゃうよ……」と慌てた。私は妻のうなじにそっと唇を這わせると、「いいじゃないか、見せてあげよう……」と囁き、拒む妻の手を払い除けながらそれをパンティーの中に入れた。
 トロトロに濡れた割れ目にそれを這わした。ツルツルとした丸い表面は面白いようにヌルヌルと滑り、時折それが穴の中にツルンっと滑り込んだりした。その度に妻は太ももをヒクンっと跳ね上げ、必死に私の腕にしがみついていたが、しかし、いよいよその丸い先がクリトリスの上をヌルヌルと滑り始めると、妻は恐怖の表情を浮かべながら私の顔を見上げ、無言で「いや、いや」と首を横に振った。
 そんな妻のマゾ顔に激しく欲情しながら、私はもう片方の手でコントローラーを握った。眉を顰めながら必死に懇願する妻を無視し、「運転手さん……」と声を掛けると、その声と同時に妻は股を閉じ、慌ててスカートを直し始めた。
「なんでしょう?」と運転手がバックミラーで私を見た。私は、再びスカートを捲り上げながら、「ほら、言うことを聞きなさい……」と、わざと運転手に聞こえるくらいの声で言いながら、妻の太ももを左足の膝でツンツンと突いた。

「どうかなさいましたか?」

 運転手はそう言いながら後ろに振り返ると、ぐったりと項垂れている妻を見て、「大丈夫ですか?」と驚いた。私はそんな運転手の目をジッと見ながら、一気にローターのスイッチを入れた。
 妻の股間から振動音が響いた。すかさず運転手の視線が妻の下半身へとサッと下りた。運転手の目が、ピンクのパンティーの中で蠢く私の手を捕らえた。たちまち運転手はその子羊のような目をギョッと見開き、慌てて前に向き直ったのだった。

 一瞬にして車内は静まり返った。重たい沈黙の中、電気剃刀のようなヴィィィィィィィィィという振動音だけが不気味に響いていた。
 項垂れている妻の耳元に、「見られちゃったよ」囁くと、妻は閉じていた目を更にぎゅっと瞑りながら、迫り来る羞恥と恐怖と快楽に必死に耐えていた。
 そんな妻のマゾ心を更に昂ぶらせようと、閉じていた太ももを乱暴に引っ張り、股を逆Y字に開かせた。「パンツのシミが丸見えだよ」と耳元に囁きながら妻の手を握り、その妻の手をパンティーの中に潜らせた。「自分でヤリなさい」とパンティーの中でローターを渡そうとすると、妻は戸惑いながらもそれを受け取り、いつものようにそれを陰核に押し付けた。

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「はぁん」という声と共に、妻は背骨を大きく反らした。そしてすぐに腰を引き、再びガクンっと項垂れた。その一瞬の激しい出来事に、慌てて運転手がバックミラーを覗いた。バックミラー越しに運転手と目があった。運転手の目は激しく動揺し、まるでタクシー強盗に後ろから包丁を突きつけられているような恐怖が浮かんでいた。

 私はバックミラーに「フッ」と小さく微笑むと、「すみませんね、驚かせちゃって……」と言いながら、ノーブラの大きな胸をダイナミックに揉みしだいた。そして「この女、変態なんですよ」と笑ってやると、運転手は、「あぁ、はい……」と、しどろもどろになりながら、慌ててバックミラーから目を反らした。
 私は運転席へと身を乗り出した。シート越しに運転手の耳元に顔を近づけ、「こーいう事したらダメですか?」と聞くと、運転手は人形のようにジッと前を向いたまま、「いえ……」と呟いた。
 そんな運転手の顔は顔面神経痛のように引き攣っていた。ハンドルを握る手はブルブルと震えていた。助手席の前にあるネームプレートには『松本和樹』と達筆で書かれていた。そのプレートの上には、『優良運転者』と表示されたカードが刺さっており、そこには『十年間無事故無違反達成』という表彰マークが記されていた。
 恐らく彼は、浮気をしたこともなければ、風俗にも行ったことのないような、仕事一筋の真面目な男だった。それは、運転席と助手席の隙間に刺さっている本のタイトルから見てもわかった。普通のタクシーなら、週刊大衆やアサヒ芸能といった下品な週刊誌や、ニッカンや東スポといったスポーツ新聞が刺さっているものだが、しかしそこに刺さっていたのは、『お客様を確実に気分良くさせるための接客術』というハウツー本と、『般若心経から読み取る真心のおもてなし』という単行本だった。
 こんな本を読んでいる奴に悪人はいなかった。こんな本を読んでいる奴は風俗などには絶対に行かず、一貫して古女房の股座で性処理しているはずだった。がしかし、その一方で、こんな本を読んでいる奴に限って、一歩道を踏み外すと取り返しがつかないくらいに暴走するものだった。特に性的な問題は、免疫力がない為にブレーキが効かず、一度欲情すると獣の如く手がつけられなくなるものだった。

(こんな真面目な男が、出会い系で知り合った少女を殺しちゃったりするんだろうな……)

 そんなことを勝手に想像しながら、私はこの真面目な男に、妻の不真面目な性器を見せてみたいと思った。それは、ウブな少女に卑猥なノーカット動画を見せてみたいという欲求によく似ていた。
 ムラムラと興奮を覚えた私は、そのまま手を伸ばして、勝手にバックミラーの角度を変えた。途端に運転手が、「あっ、お客さん、それは——」と、慌ててバックミラーを元の角度に戻そうとしたが、しかし、そこに妻の下半身が映っていることを知ると、運転手は、何かに必死に戸惑いながらもソッと手を下ろした。
 そんな運転手の下劣な本能に欲情した私は、黙々とオナニーに耽っている妻のパンティーを一気に膝まで下ろした。一瞬妻は「イヤ……」と呟いたが、しかし、この状況下でオナニーに耽っている妻の脳は、もはや完全にヘドロと化しており、口ではイヤと言いながらも抵抗する気配は微塵もなかった。
 渦巻く陰毛の中で、赤く爛れたワレメがテラテラと濡れ輝いていた。それはまるで、腸を抉られた魚の腹のように残酷であり、グロテスクだった。その部分を運転手にも見せたいと思った私は、逆Y字に開いていた妻の足を片方ずつシートの上に持ち上げ、股をM字に開かせた。
 その恥ずかしい部分を他人に見られていると意識した妻は、ハァハァと息を荒げ始めた。そしてクリトリスを集中的に攻めながら「見ないで、見ないで」と何度も呟き、自らの意思で更に股を大きく開いた。

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 そんな妻の乱心する姿を、運転手はバックミラーで見ていた。そこに映る運転手の目には狂気が浮かんでいた。あの羊のように優しかった目は獰猛な狼の目に変わり、今にも襲いかかってきそうな危険な光を帯びていた。
 羊の皮を被った狼。こんな男に妻を犯させたいと思った。風俗にも行かなければ、浮気もしない。エロ雑誌も見なければエロ動画も一切見ない。古女房一筋の真面目で誠実なタクシードライバー。そんな男が、他人の妻の裸体に悶え狂っている姿を見てみたいと本気で思った。
 私は、妻のワンピースの肩をずらした。大きな乳肉が溢れ、ポテンっと波を打った。妻の手をそこに誘導した。そして妻が自ら乳肉を揉み始めたのを確認すると、運転手の耳元に「私の妻は……露出狂なんです……」と呟いた。

「あぁ、はい……」

 そう頷く運転手の耳の裏からは、強烈な加齢臭が漂ってきた。

「妻を……助手席に座らせてもいいですか?……」

 そう聞くと、運転手は戸惑いながらも、「はぁ……」と頷いた。

「良かったね……前に座ってもいいってさ」

 そう囁くと、妻はその言葉から、今から始まる卑猥な光景を想像したのか、ハァハァという呼吸を荒げた。そして半開きの目で運転席を見つめながら突然乳房を激しく揉み出すと、そのまま全身をヒクヒクさせながらイッてしまったのだった。
 
ウツボ100

(つづく)

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