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吐泥(へろど)13

2013/06/13 Thu 00:01

 二日後、再び私は上越新幹線の中にいた。妻と二人で並んで座りながら、走り去る窓の外をぼんやりと眺めていた。例の計画が実行されるのは、いよいよ今夜だった。しかし私は妻を説得するどころか、そのイベントすら妻に告げることができなかった。だから妻は何も知らなかった。前日の晩、いきなり私は、「ちょっとした契約上の手違いがあってね、明日また新潟に行かなくちゃならないんだ」と嘘をつき、そして「お前も一緒にどうだい。せっかくの休みなんだし、たまには日本海の美味しい魚でも食べに行こうじゃないか」と提案した。妻は乗り気ではなかったが、翌日、渋る妻を私は強引に連れ出した。だから妻は、例の計画を何も知らされないまま、新幹線に乗せられたのだった。

 越後湯沢に近づくにつれ、窓の景色がみるみると変わってきた。最初はあまり乗り気じゃなかった妻だったが、しかし、広大な大自然が窓の外に広がり始めると、急に旅行気分が出てきたのか、妻は「新潟に着いたらまずはどこのお店に行こっか」などと浮き浮きし始め、さっそくスマホで『食べログ』などを開き始めた。
 越後湯沢駅に到着すると、ホームにはスーツを着たサラリーマンの集団が待ち受けていた。そこで何かの会合でもあったのか、全員同じ形の茶封筒を手にしながらぞろぞろと自由席に乗り込んできた。ガラガラだった車内が一気に人で溢れた。それまで快適だった車内には、安サラリーマン特有のタバコ臭と汗臭と加齢臭がムンムンと充満し、そこらじゅうから、「係長」や「ファンド」や「運営事業」といった言葉が聞こえてきてた。

 新幹線が走り出すと、『食べログ』を見ていた妻が、「急に騒がしくなったね」とポツリと呟いた。

「うん。この前、経済新聞に、新潟県が越後湯沢の再開発に乗り出すって記事が書いてあったから、きっとその関係の役所の人たちじゃないのかな……」

 そうボソッと答えると、妻はもはやそんな事はどうでもいいかのように、「うわぁ〜この海鮮丼おいしそう〜」と大きな目を餃子のように歪め、それを私に見せようとしてきた。窓に寄りかかっていた私は、「どれどれ」と言いながら体を起こした。そしてスマホを覗きながらも必要以上に寄り添い、妻の髪から漂うリンスの香りを胸深く吸い込んだ。

 あと小一時間で終点の新潟だった。そろそろ実行に移らなければならないと焦っていた。計画では、大宮あたりから車内露出を始め、高崎でローターを渡してオナニーをさせ、そして越後湯沢でしゃぶらせるという順序だった。しかしまだ何も実行していなかった。ぐずぐずしているうちに越後湯沢に到着してしまった。しかも大勢の乗客が乗り込んでくるという予想外な展開に見舞われ、私の計画は出だしから躓いてしまっていた。
 最初からこの調子では、例の計画など実行できるわけがなかった。焦った私は、今からでも遅くはないと妻に寄り添った。すると勘の良い妻は何かを感じ取ったのか、そんな私から素早く身を引きながら「ほら、こんなに甘エビが入ってるよ」とスマホの画面を私に向け、防御の体制に入った。
 それでも私が、「本当だね……これでこの値段はお値打ちだよ……」と更に迫って行くと、妻は引いた目で私を見ながら、「どうしたの?」と首を傾げた。私は素早く妻の肩に頬を摺り寄せた。そしてタプタプの胸を下から持ち上げるように撫でながら、「我慢できなくなってきた……」と呟いた。妻は呆れたように顔を顰めながら、小さな溜息を漏らした。
 妻は私の異常性欲を知っていた。それが所構わずいきなり発情するという事も、妻は嫌という程にわかっていた。妻は周囲を見回すと、まるで小便を我慢している子供を宥めるような口調で、「こんな所じゃ無理よ、夜まで我慢して」と小声で囁いた。

「わかってるよ……だからオッパイだけでいいから見せてくれよ……」

 そう呟きながら、その柔らかい乳肉をゆっくりと一揉みすると、そのまま上着のボタンを外そうとした。するとその時、いきなり通路に人が現れた。それはスーツを着た四十後半の中年サラリーマンで、私たちの座席の前で足を止めた。私は慌てて妻の胸から手を離した。しかし男の視線は確実にその瞬間を捕らえており、爪楊枝のような細い目が一瞬ギョッと見開いた。
 男は、「ここ、空いてますか?」と訝しげに私たちを見下ろしながらそう聞いた。「あっ、どうぞ」と妻は言いながら通路側の座席に置いていたハンドバッグを自分の尻と肘掛の隙間に入れた。「すみません……」と言いながら、男は妻の隣の座席に静かに腰を下ろした。やはりその男も皆と同じ茶封筒を持っていた。
 その封筒の帯には長岡市役所とプリントされていた。
(やっぱり役人か……)
 私はそう呟きながら窓の外に目をやった。この予想外の邪魔者の出現で計画は完全に頓挫だと、山だらけの風景を見ながら私は小さな溜め息を吐いたのだった。

 トンネルを過ぎると、またすぐトンネルだった。その度に景色が遮られる私は、スマホの画面に走る妻の爪の音を聞きながらウトウトしていた。
 ふと気づくと、いつの間にか車内は静まり返っていた。今まで騒ついていた役人共の声は消え、所々から微かな寝息が聞こえてきた。
 ソッと体を起こして正面の電光掲示板を見ると、『次は長岡』と表示されていた。ついつい眠ってしまっていた私は、もはや猶予がない事に激しい焦りを感じた。
 隣りを見ると妻も寝ていた。その隣りのサラリーマンも薄くなった頭をこちらにぐたっと傾けながら寝息を立てていた。みんな寝てしまったのか……と思いながら再びシートに凭れようとすると、ふと、寝ている妻の股が微かに緩んでいる事に気づいた。
 出かける直前、ジーンズを履いていた妻を強引に着替えさせた。露出させるためにはスカートでなければダメだと思い、ミニのタイトスカートに履き替えさせていたのだが、それが今、なぜか不自然に太ももまで捲れ上がっているのだ。

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(もしかしてこいつら……)と、いきなり私は強烈な嫉妬を覚えた。私が寝ている隙に、二人は何かいやらしいことをしていたのではないかと不審を抱いたのだ。
 もちろん、そんな事が現実にあるわけがなかった。そんな事を本気で思ってはいなかった。が、しかし、敢えて私はそう思う事にした。この新潟までの残り少ない時間内に計画を遂行させるために、そんな非現実的な妄想で異常性欲を奮い立たせようとしたのだ。

 スースーと寝息を立てている妻の顔をソッと覗き込んだ。既に勃起している股間を握りしめながら、妻の寝顔に(どうせ嘘寝してるんだろ?)と呟いた。そのまま体を傾け、緩んだスカートの中を覗き込んだ。(私が寝ている間に、その隣りの薄汚い親父にアソコを触らせていたんだろ……)と、恥骨に張り付くピンクのクロッチを見つめた。そして生足の膝っ小僧にソッと唇を押し付けると、(オマンコを弄られながら……そいつのペニスをしゃぶっていたんだな……)と、その光景を頭に思い描いた。

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 ピンクのクロッチには二本の縦皺が浮かんでいた。その皺から妻の陰部を想像し、あの何とも言えない甘い香りと、そこにペニスがヌルヌルと滑る感触を思い出しながら、私は妻の膝っ小僧をチロッと舐めた。その瞬間、妻の目がパッと開いた。妻は別段慌てる事もなく、呆れた顔で「イヤだって……」と小声で呟くと、ゆっくりと股を閉じながら捲れていたスカートを元に戻した。

「どうしてスカートが捲れてるんだよ……隣りの男にオマンコを触らせていたのか……」

 そう言いながら妻の頬に顔を寄せると、妻はおもむろに「クスッ」と鼻で笑った。そんな妻は慣れていた。異常性欲者の私の狂った妄想には慣れており、私がどんなに突拍子も無いことを言い出しても、もはや驚くことはなかった。

「な、やっぱりそうなんだろ、隣の親父にオマンコを弄られながらチンポをしゃぶってたんだろ……」

 そう妻の耳元に囁きながら私はスカートの中に手を入れた。妻は慌てて私の手首を押さえると、小声で「隣の人が起きるからやめて」と言いながら眉を顰めた。

「嘘をつくな。濡れてるのがバレるからだろ」

「濡れてるわけ無いでしょ」

「じゃあパンツだけでも確認させろ」

 一度言い出すとそれをするまで諦めないという私の性格を、妻はよく知っていた。だから妻は面倒臭そうに溜息を吐き、「パンツだけだよ」と、私の手首を握っていた手を緩めた。
 私は静かにスカートを捲り上げた。不特定多数の親父たちの寝息が響く車内に、真っ白な太ももが現れた。その異様な卑猥感にムラッと欲情した私は、太ももに押し潰された股の隙間に手を潜り込ませた。寝ていたせいか、そこは明け方の布団の中のように暖かかった。妻は隣で眠る親父を、緊張した表情でチラチラと見ながら、「早くして」と顔を歪めた。
 むちむちの太ももを五本の指で押し開き、その奥にあるクロッチに指を伸ばした。ザラザラとしたクロッチを指で撫で、その中に潜む『具』の感触を確かめるかのようにグニグニと撫で回した。もちろんそこは濡れていなかった。

「もういいでしょ」

 そう言いながら妻が私の手を押さえた。それでも私は強引に指を動かした。クロッチの奥に潜む穴が愛おしくて堪らず、ムチッと盛り上がった肉の割れ目を指腹で擦りまくったのだった。

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「もうイヤ」と、隣の親父を気にしながら囁く妻に、私は「見られてるぞ」と呟いた。

「隣の親父は起きてるよ……さっきからソッと薄眼を開けて、お前のここを見てるよ……」

 そんな私のデタラメに妻は動揺しなかった。黙ったまま項垂れ、蠢く私の手を押さえながらギュッと目を閉じていた。

(なぜ妻は動揺しないのか?)

 そう思いながら、項垂れる妻の横顔を見つめた。そして、妻が動揺しない理由は、妻自身に隣の親父に見られたいという露出願望があるからに違いないなどと勝手に決めつけ、激しい嫉妬と激しい興奮の渦に巻かれた。

「本当は見られたいんだろ……その隣にいる薄汚い親父に、いやらしいオマンコを見て欲しいんだろ……」

 私は、まるで暗示をかけるかのようにして、そう何度も妻の耳元に囁いた。
 妻は変態なのだ。表向きは普通の主婦を装っているが、その内面にはドロドロとした変態性欲が潜んでいるのだ。その証拠に、この女は夫の私が見ている前で他人男の肉棒を咥えたことがあるのだ。そしてそれをズボズボと入れられ、夫の私の目前で絶頂に達したという前科があるのだ。
 そんな妻が、こんなプレイが嫌いなわけがなかった。私はそう確信しながら、曝け出されたピンクのパンティーの上からクリトリスを見つけ出し、そこを集中的に攻めた。
 最初はクニャクニャしていた感触がすぐにコリコリと変わった。全体的にグニャグニャしている中で、そこだけがポツンっと硬かった。それを人差し指でクリクリと捏ねながら、「親父が見てるぞ……クリトリスが転がされるのをジッと見てるぞ……」と、耳元に何度も囁いた。すると、それまで私の手を必死に掴んでいた妻の指の力は抜け、今までぴっちりと閉じていた股が、みるみると緩んで行った。

(こいつ……感じているな……)

 そう確信した私は、伸ばした舌先で妻の耳の穴をチロチロと舐めた。妻は全く抵抗しなかった。それどころか、項垂れた口元からハァハァと猥褻な息を吐き出していた。
 いけるぞ、と思った私は、クリトリスを捏ねていた指をじわじわと移動させた。そしてクロッチの端にソッと指先を引っ掛けると、「せっかくだから……みんなに見てもらおう……」と囁き、ピタリと陰部に張り付いていたピンクのクロッチを横にずらしたのだった。

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(つづく)

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