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汚れし者23



 トラックの荷台に両手でしがみつく真野さんは、薄汚い男達に上の口と下の口を同時に塞がれていました。
 荷台の下で真野さんを背後から犯しているのは、汚れた作業服を着た建設作業員風の男でした。男は、まるで立ち小便をするかのように作業ズボンのチャックからペニスだけを突き出し、より深く挿入できるようにと真野さんの右足を腕に抱えては、グイグイと腰を振っていました。
 一方、荷台の上で下半身を突き出しているのは例の変態男でした。腰に両手をあてながら下半身を突き出し、その股間でウグウグと苦しそうにペニスをしゃぶっている真野さんをジッと見下ろしていました。
 その奥にジーンズを履いた男がいました。しかし、真野さんの胸に顔を押し付けながら必死に乳首を舐め回していた為、その顔は見えません。
 更にその横には、白髪混じりの老人がしゃがんでいました。老人は腰を振る作業服男の足下から真上を見つめ、ペニスがズボズボとピストンされている結合部分を覗き込んではニヤニヤと笑っていたのでした。

 それはまさに地獄絵図でした。
 穢れを知らない真野さんの体に不浄な男達が群がっています。
 好き放題に弄ばれる真野さんは、もはや完全に戦意を失っており、まるで廃人のように、いや、それ専用の肉人形のようにぐったりしながら、男達の欲望にただただ身を任せているだけでした。

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 そんな地獄絵図を作り上げたのは私自身でした。
 あの不浄な獣達に、明るくて、可愛くて、ジブリが好きで、ハーブティーが好きで、無農薬野菜を作ってて、エコロジーで、アコースティックで、アイボリーな若い奥さんを与えたのは、この私です。
 常に変態性欲と異常妄想を抱き、エコロジーには全く興味がなく、丸尾末広が好きで、炭酸飲料が好きで、毎日食品添加物を大量摂取しているネガティブで悲観的でお乳ばかりが大きな変態主婦のこの私が、真野さんを地獄に突き落としたのです。

 あの時、あの東屋で男に言ったあの一言で、これほどの地獄絵図が出来上がるとは夢にも思ってもいませんでした。
 そんな私は何ともいえない高揚感に包まれていました。たった一言で他人の人生を左右できるなんて、まるで神になったような気分なのです。
 しかし、そんな高揚感も長くは続きませんでした。それを目にした瞬間、高揚感どころか一瞬にして奈落の底に突き落とされてしまったのです。
 それは、作業服男の足下にしゃがみながら結合部分を覗き込んでいる老人の顔でした。
 なんと彼の左目は潰れていたのです。
 そうです、その老人は、前回の夜回りで真野さんの旦那さんが暴行したホームレスなのであります。

 それは偶然なのかも知れません。
 あの片目の老人と変態男がたまたま知り合いで、偶然このような結果になっただけかも知れませんが、私にはこれがあの老人の復讐に思えてなりませんでした。
 しかし、私を驚愕させたのはそれだけではありませんでした。
 この地獄絵図には、更に私を奈落の底へと突き落とすだけの、最悪なシナリオが用意されていたのです。
 その衝撃は、真野さんの乳首を舐めていた男がヌッと顔を上げた瞬間、私の脳を貫きました。
 その男の顔に私は目を疑いました。目を疑うどころか、今までの結婚生活の全てを疑ってしまったのでした。

 不意に、作業服の男が真野さんのお尻からペニスを抜きました。作業服の男は、荷台に両手を付いてお尻を突き出していた真野さんの体を素早く反転させ、その細い体を力強く抱きしめると、そのまま荷台の上にゴロリと仰向けに寝転がりました。
 荷台の上で真野さんは騎乗位にさせられました。
 変態男が素早く真野さんの肩を鷲掴みにし、もう片方の手で髪を掴むと、再び真野さんの口の中にペニスを押し込みました。
 作業服の男が腰を振り始めると、変態男も真野さんの口に腰を振り出し、トラックがユッサユッサと卑猥に揺れ始めました。
 片目の老人はガタガタの前歯をニヤリと剥き出しながら揺れ動く荷台によじ登ると、真野さんの胸を揉み始めました。
 そして、もう一人の男は……
 私の夫は……
 騎乗位の結合部分を覗き込み、真野さんのその剥き出しになった肛門をベロベロと舐め始めたのでした。

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 夫が、なぜここにいるのか……
 彼らと夫はどういう関係で、いつからの関係なのか……
 そしてこれが、いったいどこまで計算された計画なのか……

 私は夫の醜い姿を愕然と見つめながら、パニクった脳を必死に整理していました。

 夫と変態男は、真野さんを陵辱しながらも、何やら楽しそうにボソボソと会話しておりました。その内容は聞き取れませんでしたが、二人の表情はいかにも親しげであり、もう随分と以前からの友達のように思えました。

 そう考えると、そもそもこの物語の始まりからして疑わしいものでした。

 あの日私は、夫と子供とすずらん公園に遊びに来ていました。夫と子供がボール遊びをしているのをスマホで撮影しておりますと、突然背後に変態男が現れ、堂々と私を痴漢し、そして私の背中に精液をぶっかけて逃げたのです。
 これがこの物語の始まりでした。
 今思えば、あれはいくらなんでも不自然です。すぐ目の前に夫がいると言うのに、あの変態男は何の躊躇いもなく私の背後に忍び寄ってきたのです。もしあそこで私が騒げば、あの男は即刻逮捕されてしまうのです。そんなリスクを背負ってまで、あの状態で私に痴漢すると言うのは考えられないのです。

 それは恐らく、夫が手引きした事なのです。夫が変態男に、妻を痴漢してくれと頼んだ事なのです。でなければ、白昼堂々とあれだけの痴漢行為ができるわけがないのです。
 それは寝取られ願望に取り憑かれた夫ならば考えられる事でした。きっと性交されるまでの勇気がなかったため、痴漢に止めさせたのです。
 夫はあの男にそれをさせる事で私を試そうとしていたのでしょう、もし私があそこで騒いでいれば夫の異常な性癖はそれで沈静化したでしょうが、しかし私は騒ぐ事もなく、それを夫にひた隠した為に、夫の性癖は更に燃え上がり、そして結果的には、このような地獄絵図を作り上げてしまったのです。

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 再び作業服の男が真野さんの体を抱き上げ、今度は荷台の上に、ぐったりとする真野さんの体を仰向けに寝転がしました。
 月夜に浮かんだ作業服の男のペニスは、信じられないくらいに大きなモノでした。あんなモノをズボズボと入れられていた真野さんの恐怖を思うと、胸が締め付けられました。
 しかし、そんなペニスは月夜にテラテラと輝いていました。その輝く汁は恐らく真野さんの体液です。という事は、真野さんは……

 そう思った瞬間、作業服の男は、仰向けで股を開らかされている真野さんの膣にその巨大なペニスを滑り込ませました。
 ペニスを咥えさせられていなかった真野さんは、「あぁぁぁん!」と喘ぎ、細い腰をブリッヂするように撓らせました。
 作業服の男がガンガンと腰を振り出すと、それに合わせて男達の手も真野さんの体に群がりました。
 夫は、キャンキャンと子犬のように鳴く真野さんのうなじをペロペロと舐めていました。
 すると、真野さんの胸を揉みしだいていた変態男が、そんな夫を見下ろしながら話しかけました。

「あんたの奥さん、遅いねぇ……」

 私の心臓はドクン! と跳ね上がりました。

「そうなんだよ……さっきから電話してるんだけど電話にも出ないんだよね……何やってんだろうあの馬鹿女……」

 夫が顔を顰めながらそう言いますと、作業服の男が「そこらに隠れて覗き見してるんじゃねぇのか?」と笑いました。
 その瞬間、夫が「ちっ」と舌打をしながらムクリと顔を上げ、雑草の中に潜り込んでいる私をギッと睨みました。

(バレていた!…………)

 私は、噛み千切らんばかり下唇を噛み締めました。そうしながら、息をするのもやっとの思いで失禁し、四つん這いになる太ももにダラダラと生温かい尿を垂らしてしまいました。

 すると、夫はジッと私の方を見ながら言いました。

「おーい……ウチのバカ妻、まだ来ていない?」

 その瞬間、私の真横で雑草がガサっと鳴り、ライトバンの後ろから黒い影がヌッと現れました。

「まだ来ていないようですね……もし奥さんが来たらすぐに教えますから安心して楽しんでて下さい……っていうか、早く交代して下さいよぉ〜1人でこんなところで見張りしてるのつまんないですよぉ〜」

 黒い影が戯けながらそう言うと、作業服の男が「それはあんたがジャンケン弱いから悪いんだべ」と笑い、それに釣られて夫や変態男がニヤニヤと笑い出しました。

「ま、そうですね……ジャンケンに負けたんですから仕方ないですよね……」

 黒い影はそう呟きながらソッと後ろを振り返りました。
 そして雑草の中に伏せている私を見下ろし、ニヤリと微笑みました。
 それは、紛れもなく東さんの旦那さんでした。
 なんと彼も、この変態集団の仲間だったのです。

 私は顎をガクガクさせながらそんな東さんの目を見上げていました。
 東さんは、小さな声で「こっちに来て下さい……」と呟きました。
 そしてそのまま、何もなかったかのようにライトバンの表側へと歩き出しました。
 私はまるで催眠術にかけられたかのように、四つん這いのまま東さんの後を追ったのでした。

 ライトバンの表では東さんがニヤニヤと笑いながら、地面に這い蹲る私を見下ろしていました。
 ゆっくりと立ち上がろうとすると、東さんが私に手を差し出してきました。恐る恐るその手に触れた瞬間、もの凄い勢いで引っ張られ、そのまま立ち上がらされた私は一瞬のうちにライトバンの後部ドアに体を押し付けられてしまったのでした。

「みなさんお待ちかねですよ……」

 東さんは、私の耳たぶに唇を動かしながらそう呟きました。そんな東さんの生温かい息には、煙草とコーヒーと、そしてほんのり虫歯の匂いが混じっていました。

「ど、どう言う事ですか……」

 私はこの状況を知りたくてそう尋ねました。

「何がですか?」

「だから……どうして真野さんがこんな事に……」

 東さんは「ふっ」と鼻で笑いながら背後から私を抱きしめました。
 そして両手で私の胸を鷲掴みにすると、「柔らかいオッパイですね」と、生温かい息を私のうなじに漂わせたのでした。

汚れ者も96

 東さんは、パン生地を捏ねるように私の両乳を揉みながら、私の耳元に囁きました。

「あなたがあの奥さんをここに呼んだんでしょ?」

 それには反論できない私でしたが、「でも……」と言葉を続けると、東さんは、まるでエステティシャンのマッサージのような手つきで胸を優しく揉みながら「旦那さんの事ですか?」と唇の端を歪めました。
 恐る恐るコクンっと小さく頷く私に、東さんは小さく歪めていた唇を大きくニヤリと歪ませました。

「いきなり旦那さんがいたから驚いたんでしょ……ふふふふ……でもね、あなたは知らなかったんだろうけど、旦那さんはここの常連さんなんですよ」

「……常連?……」

「そう、常連ですよ。ここはね、通称『寝取られ場』って呼ばれてるんです。いわゆる、妻を寝取られたい夫が妻をここに連れて来て、そして他人妻を寝取りたい男達に妻を提供するという、ここはそんな場所なんです」

「……………」

「ここはラブホとかと違って野外ですから覗き見も自由だし、飛び入り参加だってOKなんです。だからここはすずらん公園の裏スポットとして凄く人気なんですよ」

 そう微笑みながら私の胸をいやらしく揉んでいる東さんの手元を、私は複雑な気持ちで見ていました。

「では……あの時も東さんの奥さんは……」

 私は、東さんの奥さんがライトバンに忍び込んだ夜の事を聞きました。

「ああ、そうですよ。あいつもここの常連ですから」

 東さんは、さも当然のようにそう言いながら、突然目を大きく開いて笑い出しました。

「しかし、それにしても、あの時はびっくりしましたよ。まさか飯島さんの奥さんが飛び入り参加してくるとは夢にも思ってもいませんでしたからね……お宅の旦那さん、いつも言ってたんですよ、『ウチの女房はこーいうの嫌いだから絶対に参加しない』ってね。だから、僕たちもびっくりしたけど、一番驚いていたのはお宅の旦那さんでしたよ」

 そんな東さんの薄ら笑いに背筋が凍りました。
 夫は知っていたのです。夫は、私がこのライトバンの中を覗きに来た事も、そして私がいきなり東さんのペニスをしゃぶった事も、全部知っていたのです。
 あの病的に嫉妬深い夫が、よく今までそれを私に問い詰める事もなく我慢できたものだと、私は驚かずには入られませんでした。

 しかし、それが『寝取られ』という異常性癖者なのかも知れません。寝取られ願望を持つ男には、妻を寝取られたその絶望こそが快楽らしく、その絶望感を味わいたい為に、大切な妻を他人に差し出すのだと、以前読んだソレ系のブログにそう書いてありました。
 きっと私の夫も、私が東さんのペニスをしゃぶった事を知り、気が狂わんばかりに絶望した事でしょう。そしてその絶望を性的快楽に変えたのです。だから今、夫は獣達に混じって真野さんを輪姦しているのです。

「ほら、見て御覧なさいよ……若い奥さんが、お宅の旦那さんの上で腰を振ってますよ……」

 東さんはライトバンの窓を指差しました。
 汚れたライトバンの窓から裏の世界が見えました。

 長閑な昼顔の面の皮を剥がされた公園は、凶暴で残酷で卑猥な夜顔を剥き出しにしていました。

 その現実を、私は今、まざまざと見せつけられているのです……

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(つづく)

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