汚れし者は二度夢を見る15《汚された少年》
2013/05/30 Thu 18:00
コン、コン、コン……。
ノックと同時に、カサカサと擦り付けられていたナプキンの音がピタリと止まりました。
少年がこの壁穴を覗くと思い、私は慌てて壁穴から顔を離すと、和式便器にしゃがんだ陰部を剥き出したまま小さく項垂れました。
少年は、暫く息を潜めて壁穴から私を見ていましたが、しかしすぐに壁の向こうから荒い鼻息が聞こえ、同時に一定のリズムでモソモソと動く気配を感じました。
明らかに少年はオナニーを始めた様子でした。和式便器にしゃがみながら大きく股を開いている私の陰部を見て、ペニスをシゴき始めたのです。
黄ばんだ便器の底に向かって項垂れていた私は、盛り上がった恥骨にウヨウヨととぐろを巻いている陰毛をジッと見つめていました。きっとこの陰毛の奥に潜んでいる性器はドロドロに濡れ、さぞかし卑猥な姿になっている事でしょう。
(もっと見て……もっと見て……)
そう心の中で呟きながら肛門の筋肉を動かしました。ベロリと口を開いた性器の奥がヒクヒクと痙攣し、そこに溜まっていた汁がトロトロと溢れました。陰毛の中から飛び出していたクリトリスも、まるで糸で引っ張られるようにツンツンと飛び跳ね、それを繰り返していると急に尿意を催しました。
(おしっこを見せて上げるね……)
狂女の如くそう呟くと、まるで筋弛緩剤を打たれたかのように、いきなり性器が弛みました。壊れた水道の蛇口のように尿がタラタラと漏れ出し、ぐちゃぐちゃの小陰唇から肛門へと伝わり、そのまま丸い尻へと広がっては便器の底にポタポタと落ちて行きました。
(あぁぁ……おしっこがでちゃう……漏れちゃう……見ちゃいや……)
あまりの興奮に意識を朦朧とさせながらそう繰り返していると、チロチロと漏れていた尿がみるみると勢いを増し始め、突然、蛇が威嚇するような音を立てながら尿が噴き出したのでした。
放尿しながら私は、項垂れていた視線をソッと上げ、目の前に空いていた壁の穴を見ました。
こちらをジッと覗いていた少年と目が合いました。少年は慌てて身を隠しましたが、しかし、すぐに少年の目は再び壁穴に現れたのでした。
とても美しい目をした少年でした。白目は真珠のように白く、大きな黒目はクリクリとし、まるでペットショップで売られている小動物のような可愛らしい目をしていました。
こんなに澄んだ目をした少年が、こんな変態じみた事をするとは思えませんでした。ましてスズメを虐殺するなど想像もつきません。
しかし、今こうして壁の穴から女子便所を覗いているのは事実なのです。私の乱れた陰部から噴き出る尿を見ながら、オナニーしているのは紛れもない事実なのです。
いったいこの少年に何があったというのでしょう。これほど純粋そうな少年が、どうしたらこんなに汚れてしまうのでしょうか。
そんな事を思っていると、ふと、今から十数年前に起きた猟奇的な事件を思い出しました。
それは北海道のある牧場で起きた悲惨な事件でした。その牧場に住む男子中学生が、そこに観光に来ていたOLを裏の廃墟の牛小屋に拉致し、OLの頭部を金槌で数十回殴り、殺してしまったのでした。殺害後、少年はOLの死体から女性器だけを切り取りました。布切ハサミ一本とラジオペンチだけで死体から性器を切り取ったらしく、血が溢れ出す死体の傷口には、何故か乾いた牛糞がパンパンに詰め込まれていたらしいです。
この事件は、その残酷性と、犯人が中学二年生だったというショッキング性から、当時は『アベサダ少年事件』などと呼ばれてはマスコミを随分と騒がしていましたが、しかし少年事件だったために規制がかかり、わずか三日程度であっさりと闇に葬られてしまったのでした。
たった三日間しか世間を騒がさなかった事件でしたが、しかし私の頭の中には、まるで排水溝の汚れのようにいつまでもヌルヌルとこびりついていました。
なぜなら、当時の報道では、少年がOLを殺害した動機が明らかにされていなかったからです。少年はノイローゼだったという、実に簡単な動機で片付けられてしまっていたのです。
はっきりとした動機が明らかにされていない為、その事件はいつまでも私の頭の中で燻り、あらゆる妄想を生み出しました。
きっと少年は美少年だったのです。それを見たOLが少年を廃墟の牛小屋へと連れ込み、少年に性的悪戯をしたのです。
実際、殺されたOLは三十を過ぎた中年女で、女性セブンに載っていた写真は、まさに豚のように丸々と太っていました。
そんな女を中学二年の美少年が果たして拉致するでしょうか?
それほどの巨体を中学二年生の少年が、簡単に拉致できるものなのでしょうか?
そう思うと、妄想性障害の私の狂った妄想は更に膨らみました。
ましてその牧場はアイスクリームがとても有名で、平日でも行列ができるほど繁盛していたのです。事件が起きた時も二十人ほどの観光客が列を作り、その場所から殺害現場の牛小屋は目と鼻の先なのです。そんな状況で、少年があの豚のように太った女を拉致できるわけがないのです。
だから私は、女が少年を牛小屋に連れ込んだのだと妄想を膨らませました。
牛糞にまみれた廃墟の牛小屋で、女は嫌がる少年のズボンを脱がし、まだ幼いペニスを狂ったようにしゃぶったのです。そして勃起したペニスに無理矢理跨がり、女の体重の重さに悶える少年を見下ろしながら、女は何度もエクスタシーに達していたのです。
そんな妄想が次々に生まれ、私はそれを妄想する度にオナニーをしてしまいました。それは、決して少年に対する性的嗜好があったわけではありません。ただ単に、三十を過ぎた醜い豚女が、廃墟の牛小屋で美少年を犯すというその汚れた光景に異常興奮していたのです。
そんな事件をふと思い出すと、まさに今の私は、あの性器を切り取られて殺害された豚女だと思いました。そう思うと、今まで培って来た異常妄想が遂に現実になるのだと思い、恐怖と共に激しい性的興奮に襲われました。
私は、汚いモノに性的欲情を覚える変態です。幼い頃、伯父さんの家の糞尿が漂う汲取式便所の中で、あの丸尾末広の不気味な漫画を目にした時から、汚いモノに性的欲情を覚えるようになった変態女なのです。
私は、壁穴を覗いている少年の目からソッと目を反らすと、放尿を終えた陰部に指を這わせました。
ワレメは既に糸を引くくらい汁が溢れており、その皮から剥き出たクリトリスも、小豆ほどに膨れ上がっておりました。
そんなワレメに指を這わすと、私の指はいとも簡単に穴の中へとツルンっと滑り込み、私が最も感じる膣の天井を指腹が刺激しました。おもわず「んんんん……」と声が漏らした私は、このヒクヒクと感じている粘膜を少年に見て貰いたくなり、壁穴に向けて陰部を突き出すと、おもいきりそこを指で開いたのでした。
そこがベロリと捲れ上がった瞬間、それまでゴソゴソと蠢いていた少年の動きが急に激しくなりました。少年が私のこの汚れた性器を見て興奮しているのかと思うと、その興奮が小さな壁穴を伝って私の興奮と合体しました。
この、壁穴を通しての相互オナニーというのは、何とも表現し難い興奮を与えてくれました。この異様な興奮は、以前、スーパーキヨシゲのお爺ちゃんにオナニーを見せつけた時とよく似ており、あの時と同じ快感が脳を刺激していました。
ボケ老人と精神異常の少年。
どちらも弱者です。どちらも自分の意思では何もできず、いわゆる無抵抗な立場です。
私がそんな弱者に欲情したのは、この時だけではありませんでした。なんと私は、学生の頃、同じ女子校に通っていた加賀聡美さんが飼っていたトイプードルに肛門を舐めさせた事があるのです。
それは、加賀さんのお婆ちゃんが亡くなった日の事でした。自宅でお通夜をする為、一日だけトイプードルのペコちゃんを預かって欲しいと加賀さんに頼まれ、その晩私はペコちゃんと一緒に寝る事になったのでした。
ペコちゃんは雄犬でした。慣れないベッドのせいかなかなか寝付かず、深夜までベッドの中でモゾモゾしておりました。
その時、布団の中のペコちゃんは、やたらと私の下半身の匂いを嗅ぎ、そこに鼻を押し付けてきました。ふと見ると、ペコちゃんは小さなペニスをピンっと突き立て勃起しています。
やだ、やめて、と、そんなペコちゃんを押し返していた私でしたが、しかしペコちゃんはそれを一向にやめようとせず、挙げ句の果てには、その皮がペロリと捲れ上がった真ピンクのペニスを私の太ももにクイクイと押し付けてくるようになったのでした。
そのコリコリとした感触に、私は思わず欲情してしまいました。もしかしたら加賀さんは、ペコちゃんをオナニーの道具として調教しているのではないかと思いました。
すると、その真ピンクの肉棒をペロペロと舐めている加賀さんの姿が頭に浮かび、私は居ても立ってもいられなくなってしまったのでした。
布団の中で横向きになり、ペコちゃんにお尻を向けたままパジャマのズボンをソッと下ろしました。すかさずペコちゃんは私のお尻に顔を突っ込み、クンクンと鼻を鳴らし始めました。
例え犬とはいえ、お尻を嗅がれると言うのは恥ずかしいものです。
そんな羞恥に特殊な欲情を感じながら、「ダメだったら……」と呟くと、そのままスルスルと下着を下ろしました。そして尻肉の谷間を開くようにしながら、ペコちゃんに向かってお尻を突き出したのでした。
一瞬戸惑ったペコちゃんでしたが、すぐに剥き出しにされた私の肛門をクンクンと嗅ぎ始めました。犬に肛門を嗅がれる私のアソコは、既にネトネトに濡れていました。
我慢できなくなった私は、ペコちゃんにお尻を突き出しながらクリトリスを弄り始めました。枕に顔を押し付けながら「あん、あん」と喘いでいると、ペコちゃんの生温かい舌が私の肛門をチロチロと舐め始め、凄まじい快感に襲われた私は肛門を舐められたまま絶頂してしまったのでした。
このように、畜生でさえ性対象にしてしまう異常性欲者な私でしたから、私にとって思考能力のないボケ老人や変態性欲に取り憑かれた少年といった不具者は格好の性対象といえました。
そう考えると私のこの異常性欲は、ペドフィリアやロリコンといった幼児性愛者に匹敵するほどの危険性があり、本来、私こそがこの公園から追放されるべき者なのです。
そう自分でわかっていながらも、それでもこの性欲を止める事は不可能でした。脳ではわかっていても体が言う事を利いてくれないのです。
(見て……ほら、ピンクのお肉がヒクヒクしてるでしょ……この中にオチンチンを入れると、とっても気持ちがいいのよ……)
そう呟きながらパックリと開いた穴の中の粘膜を少年に見せつけ、そこをヒクヒクと痙攣させてやりました。そうすればするほど隣から響く振動は激しくなり、壁がカタカタカタカタと音を立てて揺れました。その振動が更に私の妄想を掻き立て、壁の向こう側から覗いている少年の姿を、より一層卑猥に浮かび上がらせるのでした。
我慢できなくなった私は、少年の個室に乱入したい衝動に駆られましたが、小心者の私にそんな勇気はございません。だから少年にこちらの個室に乱入して欲しいと密かに願いながらも、更に卑猥な姿を少年に見せつけているのですが、しかし少年が私を襲う気配は全くなく、残念ながらこのまま終わってしまいそうでした。
それでも諦めきれない私は、更に少年を挑発すべく、パンティーにぶっかけられていた精液を舐めるという異常行動に出ました。
パンティーを開くと、ドロドロの精液がネトネトと糸を引いていました。そこに恐る恐る舌を伸ばし、舌先をチロチロと動かしました。
精液は既に固形化しつつあり、そのプルプルとした舌触りは、まさにコラーゲンの塊のようでした。ゼリー状になったそれを舌先で転がし、それを口内へと吸い込むと舌をぺちゃぺちゃといやらしく鳴らしながら味わい、そして壁穴に向かってゴクンと飲み込んでやりました。
ここまで挑発してやれば、必ず少年は私の個室のドアをノックするだろうと思いました。
が、しかし、私は重要なミスを犯していました。そうです、相手はまだ少年なのです。これが海千山千の変態親父なら、熱り立つ肉棒を突き出したまま私の個室に乱入して来たでしょうが、しかし相手は高校生の少年だったのです。
私の挑発は、まだ幼い彼には刺激が強すぎたのです。挑発するどころか、射精を誘発してしまっていたのです。
少年は壁穴から覗きながら、「あっ、あっ」と一触即発の声で唸り出しました。
射精されたら終わりです。既に彼は私のパンティーでも射精しているのですから、今射精されてしまったら、いくら若いとはいえ連続の三度目は望めないのです。
しかし、そう思っても、時すでに遅しでした。ガタガタと震える壁の振動は震度五強レベルに達し、微かに聞こえて来る唸り声も、「あっあっ」から「あーっ、あーっ」へと変わって来ているのです。
(まだイカないで! まだイカないで! 私も一緒にイカせて!)
そう必死に念じる私は、気が付くと壁に顔を押し付け、壁穴を覗いていました。
すぐ目の前に、上下に動く少年のペニスがありました。その動きは、もはやフィニッシュ寸前であり、その「あぁぁぁぁ」という唸りは断末魔の叫びに近いものがありました。
少年は、壁穴から覗き込む私の目をジッと見下ろしながら、「出ます、出ます、あぁぁぁー」と呟きました。そして壁穴の私に鈴のような亀頭を向けると、呆気なく射精してしまったのでした。
ニュッ! と飛び出した精液は、そのまま壁の穴に向かってきました。「あっ」と思いながら慌てて顔を背けた私でしたが、しかし、その時既に私の頬には、生温かい感触が広がっていたのでした。
頬に迸った精液が、塊となってドロドロと垂れて来ました。
それでも私は身動きひとつせず、壁穴をジッと覗いていました。
ぴくん、ぴくん、と跳ねながら白い液をタラタラと流しているそのペニスは、わずか十センチ程度のものでした。その色も形も幼く、明らかに童貞だとわかるフォルムをしておりました。
そんな可愛いペニスを見つめながら、私は必死にクリトリスを弄り、そして膣壁の天井をグイグイと押していました。少年が逃げ出してしまう前にこのペニスを見てイキたいと思いながら、既に精液を出し尽くしているペニスに焦りを感じていました。
しかし、少年は射精を終えると、そそくさと服を着始めました。壁穴に向かって何度も何度もお辞儀をしながらズボンを履き、ベルトの金具を止める間もなく個室を飛び出して行きました。
ザッザッザッザッと走り去る足音と、ベルトの金具がカチャカチャと鳴る音が、みるみる遠ざかって行きました。
そんな音を悲しく聞きながら、和式便器にしゃがんだお尻をおもいきり突き出した私は、右手の指を四本挿入しては、狂ったようにそこを掻き回しました。
ぐじょ、ぐじょ、ぐじょ、ぐじょ、っと、まるでグラスの底をスポンジで洗うような音が響いていました。
四本の指をピストンさせながらその膣天井を指で刺激し、もう片方の手の指でクリトリスを摘まみ上げると、すぐに絶頂の兆しが涌き上がってきました。
出来る事なら、少年の射精を見ながら絶頂に達したかったものですが、しかし、私の脳裏にはあのシーンがしっかりと焼き付いていましたので、それだけでも満足でした。
しかも、私の頬にはまだ温かい精液が残っています。
私は狂ったように指を動かしながら、頬から唇へと垂れて来る精液にゾクゾクしていました。それが唇に達した時、それと同時に絶頂を迎えようと、そのタイミングを見計らっていたのでした。
激しい絶頂の後、私は抜け殻のようになって個室を出ました。
精液で汚されたパンティーは、スズメの死骸が眠るタンクの中に捨てました。
何もなかったかのように取り繕いながら公衆便所を出ると、既にグラウンドには朝日が差していました。その清々しい朝のグラウンドの風景に、不意に中学生の時のマラソン大会を思い出した私は、今まで公衆便所で行われていた不浄な出来事を、素早く頭の中から消去しました。
(もう二度とここには来ない……絶対に来ちゃいけない……)
そう自分に言い聞かせながら歩き出すと、公衆便所の入口のタイル床に、一匹の蛇がベタっと横たわっていました。
小さな悲鳴と共に足を止めると、それに気付いた蛇が、しゅるるるるるるっと不気味な音を立てながら長い体を蠢かせ、立ち竦む私に頭を向けました。
その蛇は、恐らくさっきの守護獣でした。
不気味にとぐろを巻きながら私をジッと見つめるその蛇は、まるで私を、ここから一歩も出さないようにしているようでした。
「私は普通の主婦なの……だから帰して……もう二度とここには来ないと約束するから……だからお願い……」
私は膝をガクガクと震わせながら、蛇に向かってそう言いました。
そんな私の言葉が通じたのか、突然蛇はクルクルと回していた胴体を逆回転させ、そのまま薮に向かってスルスルと動き出しました。そして、枯れ葉をカサカサと鳴らしながら藪の中に入って行くと、再びそこでとぐろを巻き始め、藪の中からジッと私を見つめていたのでした。
そんな蛇の口で、ニョロニョロとピストンしている舌は、まるで少年の亀頭から飛び出した精液のようでした。
それを見ていた私は、ふと、もしかしたらこの蛇はあの少年なのではないだろうかと思いました。
そんな事を思った瞬間、これではまるで、あのジブリ好きな真野さんと同じではないかと気づき、急にバカバカしくなりました。
あの少年が蛇の化身だったなどと一瞬でも思った自分が恥ずかしくなり、おもわずその蛇の頭をサンダルの踵で踏んづけてやろうかと思いましたが、しかし、そんな時間は今の私にはありません。
そうです。私は早く帰らないといけないのです。
私は普通の主婦ですから、夫と子供が目を覚ます前に帰らなければならないのです。
(つづく)
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