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汚れし者8




 私は汚いモノに異様な性欲を感じる変態女です。ですからそんな汚れた包茎ペニスを目の当たりにし、過去の薄気味悪い記憶を蘇らせて興奮しているのです。
 そんな私に覗かれているとも知らず、男は自治会が寄付した『キレイキレイ』をズルムケ部分に二度プッシュすると、そこにクチュクチュという卑猥な音を立てながらペニスを洗い始めました。それはまるでマスターベーションしているようでした。そんな姿に更に欲情を覚えた私は立っていられなくなり、おもわずその場にしゃがみ込むと、和式トイレでウンチをするように股を開きながら、その不浄な穴を更に狂ったように掻き回したのでした。

 そんな雑草の中で私は二度イキました。知らないうちに失禁しており、気が付くと太ももを伝って垂れて来た尿が私のサンダルを濡らしていました。
 ソッと立ち上がり、再び見取り図の看板から男を覗きました。既にペニスを洗い終えたらしい男は、真っ黄色に汚れたタオルでモソモソと股間を拭いていました。
 まだイキ足りなかった私は、そのシーンが終わってしまった事に落胆しながらも、それでも男のその薄汚れた横顔を見つめながらスカートの中に人差し指をソッと忍ばせ、ヌルヌルと滑るクリトリスを転がしていました。

 男は股間を拭き終えると、そのタオルを水でジャバジャバと濯ぎ始めました。
 これで全てが終わったかのように思われましたが、しかし、そんな男の奇行はそれだけでは終わりませんでした。
 濯いだタオルを木の枝に引っ掛けると、男は下半身を露出したまま再び水飲み場に戻ってきました。そして足洗い場のコンクリートに転がっていた『キレイキレイ』を手に取ると、今度は手の平にそれを二度プッシュしました。
 男はソッと空を見上げました。そして白みかかった朝空を飛んで行くカラスをジッと見つめながらキュッと尻を突き出すと、ボディーソープが溜まっているその手の平を尻の谷間に滑り込ませたのでした。
 男の手が尻肉の間で動き始めると、クッチャ、クッチャ、と粘着力のある音が聞こえてきました。男は肛門を洗いながらソッと空を見上げ、既にカラスがいなくなってしまった白いだけの空をジッと見つめていました。
 暫くそれを続けていた男でしたが、不意に尻から手を抜くと、既に泡が乾いてしまっている指を見つめ、そして恐る恐るその指先を嗅ぎました。
 兎角、育ちが悪い者と言うのは、何でもすぐに匂いたがるものです。そういう私も、冷蔵庫の奥から取り出した古い食材など無意識に嗅いでしまう癖がありましたが、しかしあの男のように何でも嗅ぎまくるほど酷くはありませんでした。
 あの男のそれは、もはや犬レベルです。しかも絶対に臭いとわかっていながらも、敢えてそれを嗅ぐと言うのは、まともな人間のする癖ではありません。
 肛門を洗っていた指を恐る恐る嗅いだ男は、案の定「けっ!」と吐き捨てました。そしてその指をチョロチョロと出しっぱなしにしていた水道で乱暴に洗い流すと、今度は水飲み場のハンドルを捻り、まるで大人の玩具のようなその蛇口から水を出したのでした。

 私は(まさか……)と思いましたが、やはり男はそのコンクリートの水飲み場に尻を向けました。
 男は、その銀色に輝く蛇口の前で尻肉を開き、真っ黒な肛門を剥き出しました。そしてそのまま慎重に腰を落すと、チロチロと水が涌き上がる蛇口に直接肛門を押し付け、洗い始めたのでした。

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 それはいわゆるウォシュレットでした。事もあろうに水飲み場の蛇口に肛門を押し付け、ウォシュレットし始めたのです。
 不意に、『自分たちの手で危険なウィルスから子供達を守ろう!』と叫んでいた自治会の人々の声が、私の頭を過りました。
 あの潔癖な人々がこれを見たら、間違いなく卒倒するでしょう。
 しかし私は違いました。何度も申しますが、私は変態なのです。外見は普通の主婦を装っていても、内面はあの男と同じ異様性欲を持つ変態女なのです。
 だから私は、男のその奇行に嫌悪を感じるどころか、自分もやってみたいと思いました。あの男のように堂々と全裸になり、水が出たままの蛇口を膣の奥まで挿入しては、そのまま絶頂に達したいと素直にそう思いました。

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 そんな妄想の中、クリトリスを転がしていますと、三度目の絶頂が涌き上がってきました。
 ハァハァと荒い息を吐きながらそこに目を凝らしてみると、男の肛門の中に蛇口がすっぽりと入っているのが見えました。男は蛇口を入れたままハンドルを回し、水の勢いを調節していました。
 そんな男のペニスは勃起していました。今にもはち切れんばかりにヒクヒクと痙攣し、真っ赤な亀頭の先には、溢れ出した汁がテラテラと輝いていました。
 男は、蛇口を肛門に入れたまま微妙に腰を動かしていました。それを見ていた私は、気が狂いそうになるほどに興奮し、おもわず見取り図看板の柱の木を、前歯でガリガリと齧っていました。

 暫くすると、「あっ、あっ、あっ」と男は呻き、その体がまるで電車に乗っているかのようにユッサユッサと上下に揺れました。その瞬間、男はいきなりペニスをシゴき始め、ものの数回シゴいただけで、大量の精液を噴射しました。
 それは一瞬の出来事でした。それでも私の脳裏には、精液が飛び散る射精シーンがしっかりと焼き付き、それが何度も何度も頭の中でリピートしていたのでした。

 射精を終えた男はゆっくりと腰を上げ、肛門から蛇口をヌポッと抜きました。しゃがんだ股間の真ん中には萎えたペニスがダラリとぶら下がり、紫色の亀頭の先からは残液がドロリと糸を引いているのが見えました。
 男は恐る恐る水飲み場から降りると、精液が光るペニスを水道で洗い始めました。しかし、キレイキレイをプッシュしたものの既に中身が少なくなっており、プッシュを押す度にラクダのゲップのような下品な音が響いていました。
 男は「ちっ」と舌打ちしながらポンプキャップをクルクルと回し始めました。そしてそれをスポッと抜き取ると、ボトルを逆さまにしながら手の平にボトル口を何度も叩き付け、早朝の公園に歌舞伎の小鼓のような音をポンポンと響かせたのでした。

 ハンドソープの残液を直接手の平に垂らし、それでヌルヌルとペニスを洗いました。
 ペニスの泡を流し終えると、何を思ったのか再び空になったボトル容器を手に取りました。そしてそれを股間に持って行くと、ボトルの口に亀頭を向け、いきなりその中にドボドボと放尿しながらフーッ……と長い溜め息をついたのでした。
 尿が溜まったボトルにポンプキャップを取り付けると、男はそれを手洗い場の隅にソッと置きました。そんなボトルの裏には、『平成二十六年度・南台町内会寄与』と、油性マジックで書かれていました。

 男は何もなかったかのように服を着始めました。干していたブリーフは、もう一度力強く搾り(滴る絞り汁は茶色)、野球ボールのように丸めてポケットの中に押し込みました。
 帰り支度を終えた男は、公衆便所の横に置いてあった筒状の灰皿を漁り始めました。その中からシケモクを数本抜き取ると、そのうちの一本に火をつけ、残りをポケットの中に入れました。
 その『マイルドセブン』とプリントされた時代錯誤な灰皿は、全体の約八十%を赤錆に侵され、もはやボロボロに朽ち果てていました。昨今の喫煙事情から見ても、そんな粗大ゴミ化した灰皿などここには必要ないと思うのですが、しかし、そんな灰皿には『昭和五六年度・南台町内会寄与』と書かれており、それが捨てるに捨てられない厄介なモノである事を物語っていたのでした。

 男は煙草を吹かしながら、奥の雑木林に向かって歩き出しました。咥え煙草の煙が、一本の白い糸となって男の後を引いていました。それが風に乗って見取り図の裏に隠れる私にまで漂って来ると、ふとあの変態男と私はこの白い煙の糸で繋がっているような気がして、背筋にゾクっと寒気が走りました。

 男が去った後、私はその白い糸に引っ張られるようにして見取り図の裏から出ました。
 時刻は既に五時を過ぎていました。夫は六時に目を覚ましますので、五時半にはマンションに戻り朝食の支度をしておかなければなりません。
 私は急いで水飲み場に駆け寄りました。そして迷う事なく、その銀色に輝く蛇口に顔を近づけ、今まで男の肛門をピストンしていたそれを嗅いだのでした。

 そこにはまるで公園の花壇の中に転がっている猫のウンチのような臭いがプーンっと漂っていました。顔を背けたくなるような臭いでしたが、しかし、今の私にはそんな臭いも興奮の起爆剤となり、私は犬が犬の肛門を嗅ぐようにして汚れた蛇口をクンクンと嗅ぎ回ったのでした。
 かなり奥深くまで挿入していたのでしょう、その臭いは蛇口の根元のハンドルにまで達していました。鉄の匂いに混じってウンチの匂いがプンプンと漂っていました。
 私はそんな臭いを嗅ぎながら、蛇口をしゃぶりまくる妄想をしました。もちろん、それを本当にしゃぶる気はありません。しゃぶってみたいというマゾ的な感情は大いにありますが、しかしそれは、乳飲み子を持つ母親にとってはあまりにも危険過ぎました。
 以前にも、あの男が放った精液を膣に塗り込むという危険を犯した事がある私でしたが、しかし、あの時と今とでは全く状況が違います。精液と大腸菌では、スーパーで売っている賞味期限切れの刺身を食べる事と、インドのガンジス川の畔の食堂で名前もわからない醜魚の刺身を食べる事くらい、その危険度は違うのです。
 例え変態女であっても、そのくらいの区別はつきます。だから私は妄想に止めました。しゃぶりたい衝動を必死に堪え、その汚れた蛇口をペニスのようにしゃぶりまくる妄想を頭に描くだけに止めておいたのでした。

 しかし、それで我慢できる私ではありません。
 私はそれを妄想の中でしゃぶりまくりながら、もっともっと危険な事を頭に描いていたのでした。
 
汚れ者25

(つづく)

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