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たまねぎの皮3

2013/05/30 Thu 15:38

たまねぎの皮3



 俺が詫びを入れると、女は呆れた顔で「ふーっ」と小さく溜め息をつきながら、「もう、いいわ。あんたのような人間に助けを求めた私が馬鹿だったのよ」と吐き捨て、「とにかく優希ちゃんを呼びなさい」と命令した。

 おもしろい、と俺は思った。この場に優希ちゃんを呼び出し、今から始まる惨劇をまざまざと見せつけてやるのもいいと思った。
 俺はバッグの中から携帯を取り出すと、短縮3を押した。そして携帯から響くコール音を聞きながら、女の口を塞いでいたタオルを外してやった。

『もしもしぃ』と、何も知らない優希ちゃんが浮かれた声で電話に出た。
 俺はそのまま携帯を女の耳にあてた。

「優希ちゃん。理由は後で説明するから、すぐにお店に来て。いい、絶対に一人で来るのよ」

 女はそう言うと、俺を無言で見つめながら、携帯を切れと目で合図した。
 俺は、ピっ、と携帯を切ると、それをバッグの中に戻し、再び足の縄を緩め始めた。

「縄を解いたら、あんたは帰っていいわ。優希ちゃんに見られないように出て行きなさい」

 俺は、今までとは打って変わり、「わかりました」と素直に返事をした。そうする事で更に女を調子に乗らせようとしたのだ。
 すると女は、そんな俺の作戦にまんまと引っかかった。

「最初からそうやって素直に言う事を聞けばいいのよ。なにが『生かすも殺すも俺次第』よ、バッカじゃない。あんたみたいな下級層が私に勝てるわけがないじゃない。私から見たら、あんたなんて一匹の蟻よ。いつでも踏みつぶしてやれるわ」

「ふん」と鼻で笑う女に、俺は「よくわかってます……」と、深々と頭を下げた。
 キツく絞まっていた結び目がやっと弛んできた。一気にパラパラっと縄が解けてしまわないよう、巻き付いた縄を手で押さえながら、女の股が開く程度にジワジワと弛めた。

「あんたニートなんでしょ? 世間一般に働こうなんて思わずに素直に生活保護受ければいいじゃない。あんたみたいなダメ人間が私のお店で働こうなんて百年早いの。わかるでしょ?」

 そう薄ら笑いを浮かべながら、縄の弛んだ足を女が動かそうとした。
 その瞬間、俺はギラリと目を輝かせながら、弛んでいた結び目を一気に絞めた。

「えっ?」と女が眉をしかめながら俺を見た。
 俺は、細い目をわざと三白眼にさせながら女を睨み、「だから言ったじゃないですか、生かすも殺すも俺次第だって」と唇の端をニヤリと歪めてやった。

 女の顔からサッと血の気が引いた。薄ら笑いを浮かべていた顔はそのまま固まり、唇と頬がヒクヒクと痙攣し始めた。
 そんな女を見下ろしながら、俺は優越感に浸っていた。

「おまえ、アホだろ」と笑いながら、俺はジーンズのボタンを外した。
 ジーンズとトランクスを同時にズルッとズリ下げると、まるで天狗の鼻のように勃起したペニスがニョキッと突き出した。パンパンに腫れた真っ赤な亀頭が蛍光灯の光に照らされ、まるでルビーのようにテラテラと輝いていた。

「どうだ。デカいだろ。俺は何の取り柄もないクズ人間だけどよ、チンポだけはデカいんだよ」

 そう笑いながら女の股を開くと、女は「やめなさい」と恐怖に顔を引き攣らせながら腰を捻った。
 しかし、女が腰を横に向けた瞬間、偶然にも俺の亀頭の先が女の肛門にムニュと触れた。

「おまえ、本当は入れて欲しいんじゃねぇの?」
 
 そう笑いながら俺は、しゃがんでいた膝で女の右太ももを押さえると、足首を掴んでいた左の足を天井に掲げた。女の股が大きく開かれると、それに連動して裂け目がネチャっと口を開いた。
 どす黒い小陰唇がベロリと捲れていた。その奥から真っ赤な生肉が剥き出され、中出しされた精液がドロドロと渦を巻いていた。
 初めて生で見たオマンコは、駅の公衆便所に書かれていた落書きと一緒だった。目眩を感じるほどに卑猥だ。
 俺は大きく息を吸いながら、その穴の中に恐る恐る亀頭を差し込んだ。
 女は黙っていた。黙ったまま俺を睨んでいた。

 ペニスをヌルヌルと包み込むこの快感に、俺は背筋をブルと震わせた。センズリの快楽しか知らなかった俺は、脳をも蕩けさすほどのこのヌルヌルとした快楽に身悶えながら、穴の中を出たり入ったりしている自分の肉棒を見ていたのだった。

 ペニスが根元まで飲み込まれる度に、俺の口から「あああ……」という声が漏れた。
 最初のうちは「やめなさい!」と叫んでいた女の声も、次第に弱々しくなり、今では「やめて……」と、何かを必死に堪えているような声になっていた。
 俺はそんな女の顔をチラチラと見ながら、もしかしたら感じているのだろうかとふと思った。
 確かに、ペニスを挿入してからの女の様子は明らかに変化していた。あれだけ強気だったのが、ズボズボと肉棒をピストンされ始めてからは、まるで近所の子供達に虐待される子犬のように大人しくなってしまっているのだ。
 
「あんた、優希ちゃんとレズッてる時は、男役と女役のどっちだ」

 俺は唐突にそう聞いた。すると女はそれには答えないまま「優希ちゃんが来る前に早く終わらせて」と、ポツリと呟いた。
 答えは聞くまでもなかった。この気の強い女が、あのいかにもバカっぽそうな優希ちゃんに攻められるのは考えられず、女が優希ちゃんを性玩具にしているのは火を見るより明らかなのだ。

「女同士でどうやって遊んでるんだよ。バイブか? それともペニスバンドなんか付けて順番に犯し合ったりしてるのか? へへへへ、教えてくれよ」

 そんな下品な尋問をしながら腰を振っていた俺だったが、そこでふとある事に気づいた。
 男役のこの女は、こうして男に攻められるという経験は少ないのではないのだろうか、と。
 そう思った瞬間、俺は、この女が密かに感じている事を確信した。日頃、優希ちゃんを攻めてばかりいるこの女は、今、こうして久しぶりに男に攻められた事により、今まで忘れていた女の快楽を思い出してしまったのだ、と、勝手に想像したのだ。

 そう思うと、俺も燃えて来た。
 激しく腰を動かしながら、「久しぶりのチンポの味はどうだ?」や、「気持ちいいならヨガってみろよ、ほら、ほら、ほら」などと、まるで昭和のポルノ小説のような台詞を女に囁いては、穴の奥深くまでペニスで掻き回してやった。

 ぶちゃ、ぶちゃ、ぶちゃ、という卑猥な音が鳴った。穴の中からはスキンヘッドの男の精液が押し出され、それが女の股関節に溢れている。

 俺は更に激しく腰を振った。逞しい肉棒がズブズブと女の体内に突き刺さり、まるで女の内臓を抉っているような感じがした。
 しかし、それでも女は一向に乱れる事はなかった。喘ぎ声ひとつ出さない女は、細い体を上下に激しく揺らされながらも、俺をジッと睨んでいた。

(なんだこの女は。おもしろくねぇ女だな。動画の変態女達みたいにヒィーヒィーと喘いで、マンコからピュッピュッと潮を噴いたりとかしねぇのかよ)

 そう思いながら腰を振っていた俺は、ふと、これではいつものセンズリと一緒だという事に気づいた。ウンともスンとも言わない肉の塊にチンポをシコシコとピストンさせているだけなら、ローションを垂らしたオナホールでセンズリしているのと何ら変わりないのである。
 しかも女は怒っている。ムスッとした表情で俺を睨みつけ、今にも俺の首筋に喰らい付いてきそうな危険性があった。
 そんな一触即発なムードの中でペニスを摩擦しているのは、いつ親父が部屋に乱入して来るかわからない恐怖に脅えながらセンズリしているのと同じで、ちっとも気持ち良くないのである。

 俺は腰をピタリと止めると、思い切って「おまえ、気持ち良くないのか?」と、ズバリそう聞いた。
 女はジッと俺を睨んだまま、「全然」と即答した。
 俺は屈辱と敗北を感じた。今までの人生で屈辱と敗北は嫌というほどに味わい、もはや負け犬には慣れっこになっていた俺だったが、しかしセックスによる屈辱と敗北は生まれて初めてであり、俺は素直にショックを受けた。

 女は、悔しさに歪んだ俺の顔をジッと見上げながら、「いいから早く終わらせなさい」と、命令口調で言った。
 そして女は、すっかり強気の女オーナーの表情に戻りながら、「こんな所を優希ちゃんに見られたら面倒な事になるわよ。警察沙汰にされたくないなら、さっさと終わらせてとっとと出てって」と吐き捨て、「ほら、早く」と急かしながら、自ら尻をクネクネと回して来た。

(この野郎!)と思った瞬間、突然、裏口のドアノブがガチャガチャと音を立てた。見ると、ドアの磨りガラスには、白いTシャツを着た小柄な女の子の姿がぼんやりと浮かんでいた。

 ドアに鍵が掛かっている事を知ると、今度は鉄のドアをコンコンっとノックし始めた。そしてノックと同時に、「優希です」という声が、ドアの向こうから聞こえて来た。

「ゲームオーバー……」

 女は、勝ち誇った目で俺を見ながらそう呟いた。

「早くその汚いモノを抜きなさい。そしてすぐに縄を解くのよ」

 女は早口でそう言うと、ドアに向かって首を曲げながら、「今開けるからそこで待ってて!」と、優希ちゃんに叫んだ。

 俺は、身動きしないままそんな女をジッと見下ろした。
 そして、いつもの女の真似をして、「ふっ」と鼻で笑ってやると、「ゲームオーバーってさぁ……あんた、ゲームやった事あるのか?」と聞いた。
 女は素早く眉を潜めながら、「あんた、何言ってるの?」と首を傾げた。

「ゲームなんてやった事ねぇだろうなぁ……まぁ、やった事あるっていっても、テトリスとかそんな類いの単純パズルゲームだろ」

 そんな俺の声が聞こえたのか、ドアの向こうから「オーナー? そこに誰かいるんですか?」という優希ちゃんの声が聞こえた。

「最近のゲームは凄いぜ。ロールプレイングゲームなんて複雑難解すぎて、一度ハマっちまうと軽く三年はそのゲームの世界から抜け出せなくなっちまうもんさ……」

「何が言いたいのよ」

 そう睨む女の目を睨み返しながら俺は言った。

「俺はこの十五年間、ずっと部屋の中に引き蘢りながらそんなゲームばかりしていた男さ。ゲームの奥深さを知らないようなおまえみたいなヤツに、そう簡単に『ゲームオーバー』なんて言葉を使われたくないね……」

 俺はそう言いながら、女と結合したままの体勢でドアノブにソッと手を伸ばした。
 一瞬にして女の顔色がサッと変わった。
 女は優希ちゃんにこの姿を見られたくないのか、「やめて。まだ開けないで」と顔を引き攣らせた。
 俺は、そんな女にニヤリと微笑みながらドアノブの鍵をカタンっと回した。
 
 鍵が開いた瞬間、ドアがカチャっと開いた。
 夜風と共に、髪を二つ縛りにした優希ちゃんがちょこんっと顔を出した。

「来ないで!」

 女が叫ぶと同時に、俺はいきなり優希ちゃんの髪を鷲掴みにした。
 右耳の後ろで縛っていた栗毛色の髪をおもいきり引っ張ると、小柄な優希ちゃんはいとも簡単に通路に引きずり込まれ、冷たい通路にペタンっと尻餅をついた。

 俺は急いでドアを閉め、再びカタンっと鍵を閉めた。

 たちまちその場の空気がピーンッと張りつめ、まるでビデオを一時停止したかのように時間が止まった。

 俺は、通路の床で愕然としている優希ちゃんと、そして縛られたままペニスを入れられている女オーナーを交互に見つめながらニヤリと笑うと、静かに呟いた。

「ゲームは始まったばかりだぜ」


(つづく)

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