ぬかるみ4
2013/05/30 Thu 15:36
人間のペニスは野犬のそれとは比べ物になりませんでした。助手席のシートで正常位で犯されまくった私は、吉岡の獰猛な腰の動きに何度も何度も潮を噴いてはシートを汚してしまいました。
腰を振る吉岡は、そんな私を勝ち誇ったかのように見下ろしながら、「中で出すぞ」と、さも当然のように言いました。
私は危険日でした。しかし、私は今まで、危険日であろうと野犬に中出しさせてきました。もちろん犬と人間の精子は違いますが、だけど私の中ではこの醜い男も犬も同じであり、だから今更、犬畜生に「中で出すぞ」と言われても、何の危機感も感じませんでした。
私が黙っていると、吉岡はハァハァと荒い息を吐きながら「イクぞ」と呟きました。そして私の顔をジッと覗き込みながら狂ったように腰を振りまくると、突然「あっ、あっ」と情けない声を出しながら眉を八の字に下げたのでした。
私のうなじに顔を埋めながら、吉岡が「んふっ! んふっ!」と唸っていました。その唸りに合わせて精液が、ビュッ、ビュッ、と膣内に迸るのがわかりました。
吉岡の射精は犬のような勢いはありませんでしたが、しかしその量は半端ではありませんでした。
射精はいつまでもドクドクと続きました。その間吉岡は、まるで強い酒を飲んだ爺様のように、「カァァァァァ」や「クフゥゥゥゥ」と唸り、私の乳肉を乱暴に握りしめていたのでした。
ギシギシギシギシっと軋んでいたシートの音が、吉岡の腰の動きに合わせて次第に弱まってきました。
吉岡の体は、私の体の上でぐったりと萎れてしまいました。そして腰の動きが完全に止まると、吉岡は「ふぅぅぅぅぅ」と深い溜め息を付きながらゆっくりと体を起こし、私の穴の中からペニスをヌルっと抜いたでした。
「満足したか?……」
ネトネトと精液が絡み付くペニスを卑猥に突き出しながら、吉岡が私に聞きました。私は返事もしないまま、膣から溢れ出る精液をティッシュで拭き取っていました。
「もう犬なんかとやらんでええ。今度からはワシがおまえのオメコをホジったるわい」
そう言った吉岡は、それからというもの、義父の目を盗んでは私の体を求めて来るようになりました。
ある時は、義父達がまだ寝ている早朝、私が一人でお台所でお味噌汁を作っていると、ズボンを膝まで降ろした吉岡が、突然勝手口から入り込んできました。
はよ脱げ、はよ脱げ、と吉岡は私を急かしながら、既に勃起しているペニスを自分でシゴきました。
私は、いつ姑が起きて来るかと脅えながらも、そそくさと全裸になると、吉岡は、私を床に膝をつかせ、「里芋のみそ汁は、ちょっと砂糖を入れると旨もなるで」などと笑いながら、私の唇に亀頭を押し付けてきたのでした。
またある時など、畑仕事の休憩中、居間でお昼ご飯を食べていると、いきなり吉岡がやってきました。
吉岡はドカドカと居間に入って来ると、まだ食事中の義父に「ここの鶉谷の洞窟ん中に黒ボケの巣があるのを発見したったわ」と興奮しながら言うと、御菜の並ぶ卓袱台の上に慌てて地図を広げ始めました。
因みに、黒ボケというのはこの村の野犬のボスでした。
黒ボケは、頭に鉈で斬られた大きな傷のある真っ黒な大型犬で、平気で人間にも襲い掛かって来るというこの凶暴な野犬でした。一年前にも、牧野さんの家の四才になる娘が噛み殺されたばかりで、村人達は黒ボケの巣を血眼になって探していたのでした。
そんな黒ボケの巣と聞いて熱り立った義父は、いきなりごはんにみそ汁をぶっかけると、それをザバザバとかっ込みながら「みんなを公民館に集めろや」と吉岡に指示を出しました。
すぐに吉岡は居間を出て行こうとしたのですが、しかし、その時、吉岡は義父と姑の前で「谷で長靴が破れてしもうた。なんか貸してくれ」と私に言ってきました。
姑が私に「下駄箱に安彦の長靴があるから出したれ」と言いました。
私と吉岡は急いで玄関に走りました。そして私が下駄箱の中から夫の長靴を出そうとすると、いきなり吉岡が私のジャージのズボンを下ろしたのでした。
「慌てんな、黒ボケの話は全部嘘じゃ」
そう言いながら吉岡は、私を玄関の廊下に押し倒しました。
すぐ隣りの居間には姑達がいます。義父がみそ汁をぶっかけたご飯をザバザバとかっ込む音も聞こえてきます。
私は必死に抵抗しました。しかし吉岡も必死になっていました。
吉岡は下着の上から私の陰部にしゃぶりつき、器用に舌を動かしてはクロッチを掻き分け、既にヌルヌルになっている膣に舌を押し込んできました。
それがスイッチとなり、たちまち火が付いてしまった私は、この一触即発の状況であるにもかかわらず、自ら下着を脱いで吉岡を受け入れていたのでした。
廊下に寝転がる私は、カエルのように股を開かされながらズブズブと肉棒をピストンされていました。
いつ義父が廊下に現れるかという恐怖に包まれながらも、異様な快楽に脳を溶かされていました。
すると、ふと玄関前にある階段から、ギシッと軋む音が聞こえました。ハッと階段を見上げると、階段の壁にジッと身を潜める人影が見えました。
それは明らかに夫でした。夫は別段驚く事もなく、ただただ呆然と私と吉岡を見下ろしながら自らペニスをシゴいておりました。
そんな夫に気づいていない吉岡は、そのまま私の中に射精しました。そして急いでペニスを引き抜くと、そのドロドロの汁を廊下にポトポトと垂らしながら逃げるようにして玄関を出て行きました。
私は夫に見られながら下着を履きました。そして、わざと夫に見せつけるようにして、廊下にポタポタと垂れている汁を犬のようにペロペロと舐めてやったのでした。
このようにして、吉岡は義父達の目を盗んでは私を犯しました。そして、野犬と吉岡に交互に犯されるという異常行為が一年近く続いた頃、遂にとんでもない事態が発生しました。
それは、私に子供が出来てしまったのです。
こんな事が姑や義父にバレたら大変です。ここ一年以上、私と夫が接触していない事を義父や姑は知っているのです。
焦った私は、さっそく吉岡を呼び出し、この子供は間違いなく吉岡の子供だと言ってやりました。
すると吉岡は別段慌てる風も無く、「そう慌てんなや」と、余裕の笑みを浮かべました。そしてその夜から吉岡は、変な男を一人連れてくるようになったのでした。
男は村の外れに住む松江という中年男でした。
吉岡は、義父と野犬が私の部屋から出て行くのを見計らい、その男と共に私の部屋に忍び込んできました。
「ワシ、犬とオメコやる女なんて初めて見たわ」
そう目をギラギラ輝かせながら私を見る松江は、既に全裸になっていました。
そんな松江のペニスは、吉岡のモノよりも数段大きく、まるで養徳寺に祀られている『ツチノコのミイラ』のように黒くて太くて不気味な肉棒でした。
「どや、でけぇやろ。松っちゃんのチンポに敵うもんはこの村にはおらん。こいつをぶち込まれたら白目むいて失神しよるでぇ」
吉岡は自慢げにそう言いながら私の足首を掴むと、松江に向かって「ほな、とっとと初めてくれや」と笑い、私の股を大きく開かせたのでした。
「ちょっと待ってよ」と私が慌てると、吉岡は私の体を押さえつけながら「なんでや」と睨みました。
「だって……」
「だっても糞もあるかい。どうせ犬畜生にヤらせてる穴やんけ、今更勿体ぶる事ないやろ」
けけけけけ、っと笑う吉岡の背後から、松江の馬面がヌッと現れました。
松江は私の両脚を両腕に抱え、下半身を強引に押さえ込むと、そのままツチノコのような巨大ペニスを私の陰部に擦り付けてきました。
「爺さん起きてきよるから、絶対に声出すなや……」
吉岡が私の耳元にそう囁きました。
私の両脚を肩に担いだ松江が、真上から私を見下ろしていました。
松江が腰をゆっくりと突き上げると、ヌルっという感触と共に圧迫感が私の膣を襲いました。私はその強烈な一撃に、おもわず「ひっ!」と悲鳴を上げながらも、今までに無い快楽に全身を引き攣らせてしまったのでした。
その日を境に、吉岡は色々な男を私の部屋に連れてくるようになりました。隣村に住む知的障害者のトン坊や、去年、刑務所から出て来たばかりの飯島の爺さん、そして三年程前から村境のトンネル横に小屋を建てて住み着いているホームレスに至まで、ありとあらゆる男を連れて来ては私を犯させるのでした。
吉岡は、その男達と私がセックスをしているシーンを全て携帯のカメラで撮影していました。
そしてある時、吉岡はそれらの画像を私に見せつけながら言ったのです。
「これで、おまえの腹のガキは誰のものかわからへんわ」
吉岡のその笑顔に、私は絶望を覚えました。吉岡は子供の責任逃れをするために、わざわざあの臭いホームレスまでもここに連れて来ていたのです。
悔しくてたまりませんでした。殺意を覚える程でした。
しかし、そんな写真を撮られている以上、もはやどうすることもできませんでした。
吉岡は「この写真を爺様や婆様が見たら腰抜かしよるでぇ」と不敵に笑いながら、その晩、これが最後だと私を抱いたのでした。
それからというもの、私はいつその写真が義父や姑に晒されるかという恐怖に脅えていました。
姑の目に脅える毎日でした。義父には具合が悪いと嘘を付き、野犬との交尾を拒否し続けておりました。
中絶も考えましたが、しかし、町の産婦人科に行こうとしても畑仕事が忙しく、そんな暇をもらえるわけありません。それに私は、そもそも中絶するお金など持っていないのです。
そうこうしているうちに、中絶できる期間が過ぎてしまいました。私の腹はどんどん膨らんでいき、もはや誤魔化す事ができなくなっていました。
腹の膨らみが見つかるのが怖く、私は熱が出たと嘘をついては連日仏間に引き蘢っていました。畑仕事が忙しい姑は、そんな私を散々貶し、食事すらまともに与えてくれませんでした。
そしてある夜、いきなり義父が仏間にやってきました。いつになく義父は興奮し、その目は、まるで欲情した青年のようにギラギラと輝いておりました。
それもそのはずです。なんと義父は、その日の夕方、遂に野犬のボスである黒ボケを捕まえていたのです。
興奮している義父は、無理矢理私を裏庭に連れ出しました。
薄暗い藪の中、満月に照らされた鉄檻の中で巨大な黒犬が牙を剥き出して唸っていました。
「服を脱げ」
そう声を震わせながら義父は自分のパジャマのズボンをスルッと下ろしました。なんと義父は勃起しておりました。既に完全に不能となっていた義父のペニスが、今、満月に向かって反り立ちながらビクンビクンと脈を打っています。
私はそんな義父の異変に驚きながらも、恐る恐る服を脱ぎ始めました。すると義父はいきなり私の髪を鷲掴みにし、私の顔にその凶暴な肉棒を突きつけてきました。
私は無我夢中で義父のペニスを口に含みました。そして、じゅぷじゅぷと卑猥な音を立てながら服を脱ぎました。
月の明かりがぽっこりと膨らんだ私の腹を照らしていましたが、しかし義父は黒ボケをジッと睨んでいたため、それには全く気づいていませんでした。
いつそれが発見されるかと脅えながら義父のペニスをしゃぶっていると、義父は黒ボケをジッと睨みながら「ケツを出せ」と私の体を突き飛ばし、そこに四つん這いになるように命令したのでした。
幸い、この暗闇で四つん這いならば腹は目立たないと思い、私は言われるままに両手両膝を地面に付き、尻を義父に向けて突き出しました。
義父の骸骨のような手が私の尻肉を鷲掴みにすると、愛撫もないまま細長い肉棒が穴の中に滑り込んできました。
「あぁぁぁ」と低く唸ると、すぐ私の横で臥せっていた黒ボケが「グルルル」と喉を鳴らしました。
黒ボケは、熊のような大きな体から凄まじい獣臭を発しながら、トラの如く凶暴な牙の隙間から巨大ナメクジのような涎をぶらぶらと揺らしていました。
そんな黒ボケと一瞬目が合いました。黄金色にギラリと輝く黒ボケの目は、明らかに私を獲物として捕らえているようでした。
「待っちょれ……ワシが終わったらゆっくりと楽しませてやるわい……」
義父は私の尻にゆっさゆっさと腰を振りながら黒ボケに向かってそう呟きました。
どうやら義父は私と黒ボケを交尾させるつもりのようでした。義父のその言葉に、私の脳はたちまちパニックを起こしました。この檻の中に入れられたら間違いなく私は噛み殺されてしまうのです。
私は慌てて義父に振り返りました。この犬とでは噛み殺されます、と言おうとすると、義父はいきなり私の顔にペッとツバを吐きかけました。
「黒ボケよ……ウチの嫁は色キチガイじゃ……村中の若い衆と毎晩ヤリまくっちょる……見てみろ、この醜い腹ぼてを……誰の子供かさえわからんのじゃ……」
義父は私が妊娠している事を知っていました。
義父は腰を振りながら私の尻を叩きました。
憎しみを込めておもいきり叩きました。
ピシャン! という乾いた音に驚いた黒ボケが、いきなりムクっと起き上がりました。
もう一度義父が私の尻を叩くと、黒ボケは「グルルルルルル」と喉を鳴らしながら口をヒクヒクと痙攣させ、真っ白な牙を剥き出しました。
殺される。
そう思った瞬間、私はいきなり立ち上がり、黒ボケの鉄檻にしがみつきました。
慌てて振り向くと義父は、濡れたペニスを月明かりに輝かせながら呆然と尻餅をついていました。
私は迷う事無く鉄檻のレバーを引きました。
「あっ!」と義父が叫んだ瞬間、真っ黒な塊が鉄檻の中から飛び出し、尻餅をついている義父に飛びかかりました。
くしゃ、っという音が聞こえました。それはまるで熟した柿に齧りついた時のような、水気の多い柔らかい音でした。
頭の右端がザクっと欠けた義父が、私に向かって両手を広げていました。声も無く義父は口を大きく開けていました。
再び「くしゃ」という音が聞こえました。一瞬だけ、義父の真っ赤な目が見えましたが、しかし黒ボケは義父の顔面に噛み付いたまま滅茶苦茶に首を振り始めたため、もう二度と義父の顔は見れませんでした。
私は地面に散らばった服を慌てて掴むと、そのまま一目散に森の中に走り出しました。
背後ではグルルルルっという黒ボケの唸りと、ドサドサと義父が振り回される鈍い音が響いていました。
私は後ろを振り向かぬまま狂ったように暗闇の中を走ったのでした。
※
あの日、明け方の県道で長距離トラックに拾われた私は、そのまま長距離トラックの運転手のアパートで暮らすようになりました。
その男は覚醒剤の前科のある薄汚い中年男でしたが、妊娠する私をとても大切にしてくれました。
しかし、それから三ヶ月後、私はアパートの共同トイレで赤ちゃんを産み落としてしまいました。
その日は朝からお腹が異様に痛く、おかしいおかしいと思いながらもトイレで力んでみると、まるで蒟蒻ゼリーが飛び出すようにしてツルンと赤ちゃんが出て来てしまったのです。
男は季節外れのメロンを積んで静岡に向かっている最中でした。アパートには私一人でした。とても心細かったのですが、しかし、よくよく思えば、ここに男がいなくて幸いでした。
というのは、便器の中でドロドロになって浮かんでいる子供は真っ黒な毛で覆われていたからです。
顔も手も黒い毛で覆われ、かろうじて真っ黒な鼻だけに毛が生えていないその赤ちゃんは、明らかに犬でした。
こんな物を男に見られたら、たちまち私はここを追い出されてしまうでしょう。いくらシャブ中の男とはいえ、子犬を生む女など気味悪がるにきまっているのです。
ですから私は、その子犬の死骸を包丁で五等分に切断し、生ゴミと一緒に捨ててやりました。
しかし、死骸は始末できても、いきなり腹が小さくなってしまっては男に怪しまれます。
だから取りあえず、赤ちゃんの代わりにキューピー人形を膣の中に入れておく事にします。
(ぬかるみ・完)
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