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わけあり7

2013/06/15 Sat 00:01


 女の耳に押し当てられたスマホの隙間に指を入れ、コールしている画面のスピーカーを押した。
 静まり返った部屋にプルルルルというコール音が鳴り響くと、それが緊張と興奮を更に昂め、私は女の尻にしがみつきながら軽い目眩を覚えた。
 そんなコールは六度目で途切れた。すぐさまスピーカーから、「はい」という夫の声が聞こえ、それだけで私はイキそうになった。
 女は、必死に声のトーンを変えながら、「私です……」と言った。
 男は同じ声のトーンのまま、「うん」と答えた。
 女は、しどろもどろになりながらも、「……優子と隆は……もう保育園から帰ってきたのかなぁ……」と、まるで独り言のように呟いた。
 すると、一瞬間をおいて、夫が「いきなりどうしたの?」と聞き返した。
 恐らく、いつもはそんな会話をしないのだろう、夫のその声は、明らかに妻を不審がっていた。
 女は戸惑いながらも、「うん……実はね……」と話し始めたが、しかし、何を話すのか事前に考えていなかったため、すぐに言葉を詰まらせた。
 女は頭の中が真っ白になったようだった。「あのね」と「そのね」を何度も繰り返しながら焦っていた。
 そんな女の背後に潜んでいた私は、その隙をついてゆっくりと両膝を立てた。すると、それまでワレメの表面をヌルヌルと泳いでいた肉棒の角度が変わり、亀頭だけが穴の中にヌルッと突き刺さった。

写真28

 いきなり女が、「はぁん!」と声を上げながら、四つん這いの背骨を仰け反らせた。
 すぐに夫が「え?」と言い、「今、何て言った?」と聞き直した。
 焦った女は、「ううん、違うの。ちょっと頭が痛くって……」と答えた。

「またいつもの偏頭痛か?」

「……うん……」

「だから医者に行けって言ってるだろ……」

「うん、だから今、病院に来てるの……」

 女はそう上手く誤魔化した。女は持病らしき偏頭痛に助けられたのだ。

「そんなに酷いのか?」

 そう心配そうに聞く夫の声が聞こえるなり、私はゆっくりと腰を落としてやった。
 ドロドロに濡れた穴の中に、太い肉棒がヌメヌメと沈んでいくと、女は慌ててスマホの送話口を手の平で押さえ、ベッドに顔を押し付けながら「んんんんんん」と唸った。
 そんな女の穴は思っていた以上に狭かった。出産経験が二度もある三十路の風俗嬢にしては珍しく、その穴はまるで肛門のようにキツかった。
 
写真29

 根元まですっぽりと突き刺さった肉棒は、蠢く膣筋にニギニギと締め付けられていた。
 これはすごい名器だと、肉棒を根元まで突き刺したままその具合の良さに目を細めていると、「もしもし! おい! 大丈夫か!」と、慌てた夫の声がスピーカーから響いた。
 女は急いでベッドから顔を上げた。そして大きく息を吸い込むと、「大丈夫、ちょっと目眩がしただけ」と言いながらゆっくり息を吐いた。

「先生には診てもらったのか」

「うん。今、検査の結果待ちなの」

「検査って……いつもの偏頭痛とは違うのか?」

 そう焦る夫に、「うん。私はいつもの偏頭痛だと思うんだけど、でも先生が一応検査しときましょうって……」と、女は最もらしい嘘をついた。
 そんな女の尻を見下ろしながら、(この嘘つき女め……)と思った。
 そう思うと、もっともっとこの女を窮地に追い込んでやりたくなり、女が話している最中に、根元まで突き刺さっていた肉棒をゆっくりと引いてやった。
 穴の筋肉に激しく締め付けられているせいか、肉棒の血管や亀頭のカリ首が膣壁にゴリゴリし、何とも言えない快感が太ももからジワジワと湧き上がってきた。
 当然女も、そんなゴリゴリに快感を得たらしく、話の途中で「んん!」と唸っては、再びベッドに顔を押し付けた。

写真30

「おい! どうした! 大丈夫か!」

 そう怒鳴り立てる夫の声を聞きながら私は腰を振り始めた。
 剥き出した穴の中にズプズプと突き刺さる肉棒は、子宮をガンガンと突いていた。
 女はアレが効いている。しかもここまで焦らされている。
 そんな女は、いつしか握っていたスマホを放り投げていた。両手でシーツを鷲掴みしながら、肉棒がピストンする動きに合わせて、「ハァン! ハァン!」と喘ぎまくっていた。
 放り出されたスマホから、「おい! 大丈夫か!」と叫ぶ夫の声が、ひっきりなしに聞こえてきた。
 それを無視して平気で喘いでいる女の耳元に、「このままだと旦那さんにバレちゃうよ」と囁いてやると、途端に女は「はっ」と我に返り、慌ててスマホを掴んだ。

「ごめんなさい……急に頭がクラクラして……」

 そう女が話す間にも、私はスコスコと腰を振っていた。女は既に潮を吹いたのか大量の汁を垂れ流し、その結合部分からは卑猥な音がグチャグチャと鳴り響いていた。
 女は、声が漏れないよう必死に唇を噛み締めながら、「大丈夫……ちょっと休んでればすぐに良くなるから……」と言った。しかし、それでも夫は心配なのか、「先生はいないのか! そこに先生か看護婦はいないのか!」と叫んだ。
 そんな夫の言葉に、すかさず私は肉棒を抜いた。そして、素早く女の手からスマホを奪い取ると、愕然としている女を不敵な笑顔で見下ろしながら、スマホを耳に当てた。

「もしもし、お電話かわりました医師の滝沢と申します」

 そう言うと、夫は少し安心したように、「ああ、先生ですか」と声を和らげた。

「妻は大丈夫なんでしょうか」

「はい。さっきCT検査をしまして、今はその結果待ちですので何とも申し上げられませんが、かなり頭痛が激しいようでしてね……」

「何とかならないでしょうか先生!」

「ええ、ですから今、鎮痛剤を用意したんですけどね……」

「お願いします。すぐに打ってやってください」

「うん。ただね、この鎮痛剤は相当強い薬でしてね、一時的に脳を麻痺させて痛みを抑えるという危険なものなんですよ」

「…………」

「頭痛は瞬間で消えるんですけど、その後に多少の副作用が——」

「——どんな副作用ですか」

「ええ、まぁ、食欲が激減したり、二、三日は歩行が困難になったりという程度なんですけどね」

「結構です。すぐに打ってやってください」

「あと、この鎮痛剤は膣から注入する座薬ですので、もし奥さんが妊娠してますと流産の恐れがあります。現在、奥さんは、妊娠していたり、その可能性というのはございますか?」

「いえ、妊娠してません」

「その可能性は?」

「可能性と申しますと……」

「最近、膣内射精はしましたか?」

「いえ」

「性交時に避妊具を使用してるんですか?」

「いえ、使ってません……使ってませんけど、ただ、ここ最近はずっと、その、性行為はしてなくて……」

「ずっとと申しますと、どれくらいの期間ですか? もしかしたら知らないうちに受精している可能性もございますので、詳しく教えてください」

「いや、それは大丈夫です。もう一年以上はしてませんから」

「一年以上ですか……それはまずいなぁ……」

「え?……何か問題があるんですか?」

「ええ。実はですね、うちの病院には、その鎮痛剤を注入する器具が旧式の物しか置いてないんですよ。頻繁に使用するものではありませんからね……」

「はぁ……」

「その旧式の器具は、五百ミリリットルのペットボトルくらいあるんですけどね、そんな大きな器具を膣の奥まで入れて、鎮痛剤をゆっくり注入しなければならないんです。ですから、一年以上も性行為がないとなると膣の筋肉が硬くなっていますから、それがスムーズに入るかどうかが……

「…………」

「もし、どうしても入らないという場合には、筋弛緩剤で膣の筋肉を緩めるという方法もあるんですが、しかし、鎮痛剤と筋弛緩剤を同時に使用するとなると、その後の副作用が心配でしてね……」

 馬鹿な話だった。これが本当なら、一年以上セックスしていない女は出産できないという事になるのだが、しかし、不安に駆られていた夫は、そんな矛盾には全く気づいていなかった。

「この器具で鎮痛剤を注入するとなりますと、奥さんは大変苦しい思いをするかと思います。旦那さんがそれでもよろしいというのであれば……」

 わざとらしくも、恐る恐るそう聞いた。
 すると夫は、突然声を低め、「背に腹は代えられません。まずは、その頭痛を取り除いてやることが先決です」と、まるで何かを決意した武士のように呟いた。
 バカかこいつは、と思いながらも、「それでは、鎮痛剤を注入しますからね」と私はペニスを握った。
「よろしくお願いします」と言う夫に、「このまま電話を切らないで、何か奥さんと話してやっててください、気が紛れると思いますから」と言ってやると、夫は半泣きになりながら、「わかりました」と声を震わせた。
 どこまでもバカな夫だ。

 スマホを女に渡し、その耳元に、「セックスしている間、ずっと旦那と喋ってろ。絶対に電話を切るんじゃないぞ」と念を押した。
 すると女は、素直にコクリと頷きながら、ソッとスマホを耳にあてた。
 そんな女を見下ろしながら再び女の尻肉を両手で開いた。そしてベロリと口を開いたドロドロの穴の中に亀頭をツルンっと滑らせ、そのまま肉棒を根元までヌーっと潜り込ませてやったのだった。
 
写真31

 まるで深い谷底に落ちていくかのように、女は、「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」と長く叫んだ。
 そんな叫び声の中に、「大丈夫だぞ! 少しの辛抱だぞ! 頑張れ!」という夫の声が混じり、まるで『立ち会い出産』のような雰囲気になってしまった。
 こんな雰囲気では燃えないと思い、私は慌てて女の手からスマホを奪い取った。

「変に励まさないでください。頑張れとか辛抱しろとか言うと、逆にそこに神経が集中して余計痛くなってしまうものです。ですから、お子さんの話とか、今夜の夕飯の話とか、普通の会話をしてやってください」

 そう言ってやると、すぐにスマホのスピーカーから、「了解しました!」という軍隊のような返事が響いた。
 そのまま腰を振り始めた。ゆっくりとピストンする肉棒には透明汁がネトネトと糸を引き、ピタッ、ピタッ、と粘着性のある音を鳴らした。
 そんな結合部分にスマホを近づけ、その卑猥な音をバカ夫に聞かせてやった。しかし、まさかその音が他人男のペニスが奏でている音だとは夢にも思っていない夫は、「優子はね、今、一人で大人しくアンパンマンのぬり絵をやってるよ……」などと話していた。

 スマホを女に手渡し、「話をしろ」と言った。女がそれを耳にあて、「あなた……」と言うなり、凄まじい勢いで腰をガンガンと振りまくってやった。

写真32

 パン、パン、パン、と尻肉が炸裂する音と、それに合わせて「あん、あん、あん」と喘ぐ女の声が部屋に響いた。
 それでも夫は必死に冷静さを装いながら、「隆は、また保育園でいじめられたらしいよ。早く自転車を買ってやらないと可哀想だね……」などと話していた。
 しかし、アレが効いている妻には、そんな夫の言葉は、もはや耳には入って来なかった。止まることなく襲い掛かってくる快感に狂わされ、妻や母という立場を忘れてしまった女は、もはや獣のように喘ぎまくっていた。

「イキます! またイっちゃいます!」

 そう泣き出しながら女が叫んだ。さすがに動揺したのか、夫は、「行くってどこに!」と叫び返した。

 そんな夫の声を聞きながら、その夫の妻を陵辱していた。
 凄まじい背徳感が凄まじい性的興奮を呼び起こし、思わず私も、「中で出すぞ!」と叫んでしまった。
 すると、女は一瞬真顔に戻り、慌てて私に振り向いた。

「やめて! 今は排卵日なんです!」

 その緊迫した表情が、私のS心を激しく刺激した。
 そんな女の顔を見ながら、「全部、旦那に聞こえてるぞ」とニヤリと微笑んだ。
 一瞬、「はっ!」と我に返った女だったが、しかし、私の腰が更に激しく動き始めると、すぐさま女は獣に戻り、再び卑猥な悲鳴を上げ始めた。
 いつの間にか放り捨てられたスマホから、「マミ! マミ!」と必死に妻の名を叫ぶ夫の声がひっきりなしに響いていた。
 そんな夫の悲痛な叫びを聞きながら、私は、穴の中にズブズブとペニスを突き刺したまま、ゆっくりとベッドに寝そべった。ペニスを挿入したまま仰向けに寝転がると、いつしか後背位から背面騎乗位の体勢に変わっていた。
 寝転がった私の腰の動きが弱まると、すぐさま女の尻が上下に激しく動き始めた。
 そんな女の尻を撫でながら、「あんまり激しく動かすと、中で出ちゃうぞ……」と囁くと、女はそれを無視して更に激しく尻を振ってきた。

「おい! マミ! 大丈夫なのか!」

 ベッドの隅に転がっていたスマホから夫の声が響いた。

「旦那さん、可哀想じゃないか。何とか言ってやれよ」

 そう言いながら女の前にスマホを放り投げてやると、女はユッサユッサと尻を振りながら、「もう大丈夫よ……あなた……」と言った。

「大丈夫のか? もうその鎮痛剤を入れるのは終わったのか?」

 ホッとした声で夫がそう聞くと、女は長い髪を妖艶に揺らしながら、「まだよ……今、やっと膣の中に……器具が入ったの……だから……これからそれを注入するの……」と、途切れ途切れに答えた。そう答えながらも、女は自ら尻を動かし、膣に肉棒をヌポヌポと出し入れしていた。
 夫は半泣きになりながら、「その注入ってのは痛くないのか……」と聞いた。
 
「わかんない……だけど、きっと痛いと思う……」

 そう女が答えると同時に、私は、わざと夫に聞こえるほどの大きな声で、「それじゃあ、そろそろ中に出しますよ」と言った。
 それに合わせて、「だ、大丈夫かマミ!」と夫が叫ぶと、いきなり女の尻の動きが激しく動き出し、女は狂ったように、「あなた! あなた!」と喘ぎ始めた。
 そんな女の尻を見ながら、私は、「イクぞ……中で出すぞ……」と囁くと、揺れ動くその大きな尻を思い切り引っ叩いた。
 ピシャン! という乾いた音が鳴り響くと同時に、私の尿道にゾクゾクとしたものが走った。
 穴の中にすっぽりと飲み込まれたペニスはドクンドクンと激しく脈を打ち、そこに大量の精液を吐き出したのだった。

写真33

 大きな尻肉をタプタプと上下に振っていた女は射精に気づいた。
 ドクドクと注入される精液の感触に興奮したのか、女は激しく悶えながら狂ったように腰を振りまくった。
 夫は必死に「マミ! マミ!」と叫びまくっていた。そんな夫に強烈な背徳感と罪悪感を感じたのだろう、突然女は、「ごめんなさい! ごめんなさい!」と泣き出した。そして、射精するペニスが結合したままの状態で、大量の小便を漏らしたのだった。

 私と女は、ほぼ同時に絶頂に達した。
 ゆっくりとペニスを抜くと、同時に、そこに溜まっていた精液がドロッと垂れた。それはまるで、『妖怪人間ベム』のオープニングのワンシーンのようであり、なんとも薄気味悪く感じた。
 アレが効いているせいか、女はまだまだ欲しそうだった。
 しかし、全ての欲望を放出してしまった私には全くその気はなく、未だ尻を突き出しながら肉棒を欲しがっているこの中年女が気持ち悪くてしょうがなかった。

 静まり返ったベッドでは、スマホから聞こえる夫の声だけが痛々しく響いていた。
 私は、溜め息混じりにそのスマホを手に取ると、「注入は無事に終了しましたからもう安心ですよ」と言ってやり、飲みかけのコーラを乾いた喉にゴクゴクと流し込んだ。

「先生、ありがとうございます」

 泣き出さんばかりの声で夫はそう言っていたが、しかし、アレが効いている女は未だ四つん這いで尻を突き出し、その尻を私に向けて大きく開きながら精液で汚れた陰部をヒクヒクさせていた。

「まだ欲しいのか?」

 そう聞くと、女は自分でクリトリスを弄りながら、「もっとしてください」と声を震わせた。

 アレに堕ちてしまった女ほど見苦しいものはなかった。アレに堕ちてしまうと、理性もプライドも消え失せ、その欲望を得るためなら泥水さえも平気で啜るのだ。
 そんな女に興味はなかった。例えワケあり女であれ、それなりの自尊心がなければ嬲る面白みがないのだ。

 気怠い溜息を吐いた私は、ふと、飲みかけのコーラのペットボトルの先を、ドロドロに汚れた陰部に突きつけてみた。
 すかさず女は「ハァン」と息を吐き、その尻をビクンっと跳ね上げた。
 それを穴の中にグニョグニョと押し込み、突き刺さったペットボトルの底を指でユッサユッサと揺らしてやった。
 すると女が「あぁぁ、あぁぁ」と激しく悶え始めたため、その声が聞こえたのか、再び不安に駆られた夫が、「先生! ど、どうしたんですか!」と慌てて聞いてきた。

「ああ、心配いりませんよ、ただの膣洗浄です。膣に溜まっている残液を炭酸水で洗い流してるだけですから心配しないでください」

 そう答えながらペットボトルの底を指でクイッと持ち上げると、真っ黒なコーラがドクドクと膣の中に流れ込んでいくのが見えた。

写真34

 たちまち結合部分から黄金色の泡が溢れ出した。
 それがシャワシャワしながらシーツの上にボタボタと落ちると、ふと、コーラで洗浄すれば避妊できるという一昔前の都市伝説を思い出した。

 女は悶えていた。炭酸に粘膜を刺激されながら身悶えていた。
 夫は不安に駆られていた。妻の悲痛な喘ぎ声を聞かされ、「先生、大丈夫ですか」と何度も聞きながら半泣きになっていた。
 私はぼんやりとしていた。シーツに落ちる不浄な泡をジッと見つめながら、明日の遠足は雨が降らなければいいがと思っていた……






 ふと気がつくと、けたたましいサイレンの音と共に、「三十代男性、全身打撲、意識はありません」という声が耳に飛び込んできた。
 目を開けようしたが、パンパンに腫れた瞼はほんの微かに開くだけだった。喋ろうとしても、ボコボコに腫れた唇は思うように動いてくれなかった。
 微かに開いた目に、白いヘルメットを被った男がぼんやりと見えた。男は、運転席に向かって「奈良中央病院が受け入れてくれましたぁ〜」と告げていた。それは、近所のラーメン店のバイト学生が、厨房の親父に向かって、「担々麺入りましたぁ〜」と言うのと同じ発音だった。

 ピッ、ピッ、ピッ、という医療ドラマでよく耳にする音が真横で鳴っていた。その音を聞きながら、あれだけ殴られてよく生きてたなぁ、と思った。
 男たちは明らかにヤクザだった。どうやってホテルの部屋の合鍵を手に入れたのかわからないが、コーラのペットボトルが突き刺さったままの女の肛門に、ペニスをズブッと挿入した瞬間、三人の獰猛な男達がいきなり部屋に突入してきた。
 あっという間の出来事だった。ドアが開き、男達が雪崩れ込み、「誰!」と叫ぶと同時に後頭部に重たい衝撃を受け、一瞬にして目の前が真っ暗になった。
 朦朧とする意識の中、ドカドカと無数の拳を喰らわされた。不思議な事に全く痛くはなかったが、しかし、その恐怖は半端ではなかった。
 遠くの方で「大丈夫か!」という男の声が聞こえ、それと同時に女の泣き叫ぶ声が聞こえた。
 誰かが「トランクに入れまっか」と言うと、また別の誰かが「このまま放っとけ」と言った。すると誰かが「この変態がぁ」と言いながら私の後頭部を革靴の踵でガンッ! と踏みつけ、そして誰かの「行くぞ」という声と共に私の意識は完全に飛んだのだった。

 ピーポーピーポーとけたたましく鳴り響くサイレンの中、ヘルメットの男が呟いた。

「ホテルの人が言うてましたけど、こいつ、デリヘル呼んどったらしいですわ」

 すると運転席から、「どうせ女に悪さしてヤー公にやられたんやろな」という声が返ってきた。

「でしょうね、バッグの中からシャブが発見されたって警察の人が言うてましたから」

「薬物反応は出てんのか?」

「いえ、気持ち悪いから検査してませんわ」

 酸素マスクが被せられた鼻が異常に痒かった。
 しかし、手が動かないため鼻を掻くことはできなかった。
 ヘルメットの男がケラケラと笑った。「チンポの先にウ○コが付いとるわ」と関西弁で笑った。
 思わず私も笑っていた。
 酸素マスクの中でケラケラと笑っていた。
 
「こいつ、笑うとるわ!」

 ヘルメットの男が驚いた。
 それでもケラケラ笑っていると、いきなりヘルメットの男が、「なに笑うとんねんチンポのカスがぁ」と、ストレッチャーの足をガン! と蹴飛ばしたのだった。

(わけあり・完)

《←目次》

変態

雌豚肉便器1

2013/06/15 Sat 00:00

「君は、顔はブスだが、体はいい」

 会社帰り、駅の改札口を出るなり突然背後からそう声をかけられた。
 振り返ると五十半ばのスーツを着た中年男が、何やら怒ったような顔をしながら恵美子を睨んでいた。
 全く見覚えのない人だった。
 その見ず知らずの中年男に手を引かれ、駅裏にある古いビジネスホテル『あらや』に連れて行かれた。
 恵美子は抵抗しなかった。そこに抵抗する理由は何もなく、恵美子は素直に男に従ったのだった。

 ベッドとソファーだけが置かれた狭い部屋だった。
 白い壁紙はタバコのヤニで茶色く染まり、クリーム色のカーペットにはコーヒーをひっくり返したかのような大きなシミが広がっていた。
 男は恵美子をベッドに座らせた。自分はそのベッドの真正面に置いてあったソファーに腰を下ろし、鋭い眼光で恵美子を睨みながら、「歳はいくつだね」と聞いてきた。

「26歳です……」

 そう恐る恐る答えると、男は矢継ぎ早に「勤務先は」と聞いてきた。

「……不動産の事務をしてます……」

「君はマゾだな」

 驚きながらそっと顔を上げると、男は銀縁眼鏡の奥で目を座らせながら、「雌豚だろ」と低く呟き、自分で自分の股間をスリスリと撫で始めたのだった。

肉便器1

 確かに恵美子にはマゾ的な性癖があった。
 というか、今までにSMプレイというものをしたことがないため、本当に自分がマゾなのかどうかはわからなかったが、しかし、オナニーをする度に、いつも誰かに乱暴に犯されている想像ばかりしていたため、恵美子は自分をマゾだと思い込んでいた。
 恵美子はブスだった。性格も暗く、友達もおらず、いつも一人だった。
 合コンや飲み会など一度も誘われたことはなく、街でナンパされる事もなければ、出会い系サイトに電話をする勇気もなかった。
 だから当然彼氏はいなかった。今までに付き合った男は一人もいなかった。

 それでもセックスはそれなりに熟していた。
 そんな恵美子に言い寄ってくるのは、決まって加齢臭漂うオヤジたちばかりだった。
 恵美子は、会社の上司たちから性処理女として扱われていた。上司と言っても、そのほとんどがウダツの上がらない平社員ばかりだったため、それは不倫などといったロマンチックなものではなく、ただ単に風俗嬢代わりに利用されているだけだった。
 オヤジたちは、すぐにヤらせてくれる恵美子を肉便器と呼んでいた。ヤリたくなったら恵美子をボイラー室やトイレなどに連れ込み、まるで小便をするかのようにちゃっちゃっと処理していた。
 だから彼らは、共通して恵美子の事を肉便器と呼んでいたのだが、それでも恵美子は、そんな薄汚いオヤジたちの身勝手なセックスに喜びを感じていた。
 まともに愛撫されることはなく、いきなり入れて、擦られて、そして勝手に射精されるといった無残なセックスでも、男運に恵まれない恵美子にとっては、その肉棒は唯一自分を女として認めてくれる物体だった。
 だから恵美子は、例え自分が性処理用の肉便器として利用されているとわかっていても、荒々しくピストンする肉棒の動きや、そこから吐き出される精液の温もりに女としての喜びを感じ、世間一般の女たちのように喘ぎ悶えていたのだった。

 そんな恵美子だったから、この見ず知らずの中年男に突然声を掛けられ、強引に腕を引っ張られても、抵抗することなく黙って付いてきた。
 恵美子は常にセックスがしたかった。例えその相手が薄汚いオヤジであろうと変質者であろうと、自分を女として認めてくれるなら誰でも良かったのだ。
 偶然この日も、恵美子はアパートに帰ってからオナニーに耽る予定でいた。
 それは、今日会社で誰も恵美子を使用してくれなかったからだった。
 そんな日は、いつか庶務課の遠藤さんがプレゼントしてくれた、あの巨大ディルド『サスケ』を使うのだ。
 そして恵美子は明け方まで自分を慰めるのだった。

肉便器2

 その日も、一人寂しくオナニーに耽る予定だった恵美子にとって、突然現れたこの中年男は、ある意味ひとつのサプライズだった。
 電車に揺られながら、誰の肉棒でも構わないから入れて欲しいと陰部を疼かせていた恵美子には、この中年男の誘いを断る理由は何一つなかったのだった。

 タバコ臭い部屋には、中年男がズボンの上から股間を摩っているスリスリという音だけが響いていた。
 そんな中年男の股間を見ていると、そこがみるみる硬くなっていくのがわかった。
 中年男は、わざとそこを恵美子に見せつけようと股を大きく広げていた。
 そこには、見るからにコリコリとした肉の棒がくっきりと浮かび上がっていた。
 中年男は、その膨らみを指で上下に撫でながら、「私は、瞬時に変態を見抜くパワーを持っているんだ」と呟いた。
 そして不敵に唇の端をニヤッと歪め、「君は変態だろ」と聞いてきたのだった。

 確かに恵美子は変態だった。それは自分でもわかっていた。
 それを恵美子が自覚したのは、今から二ヶ月ほど前だった。真夜中にどうしても肉棒が欲しくて堪らなくなり、近所の銭湯のガレージで飼われていた大型犬と交尾してしまった時からだった。

 その犬は恵美子に懐いていた。それは、朝の出勤途中、必ずそこで足を止めては、戯れてくる犬の首下や腹などを撫でてやっていたからだった。
 そんなある時、いつものように犬の腹を撫でてやっていると、犬の股間からヒクヒクと勃起した真ピンクのペニスが飛び出している事に気付いた。
 恵美子は嬉しくなった。こんな犬畜生でも私を女として見てくれいるのだと思うと、嬉しくて堪らなかった。
 だから恵美子は、それに答えてあげようと、腹を撫でるふりをしてペニスに指を伸ばした。
 そのペニスは人間のサイズとほぼ変わらず、亀頭らしきものもちゃんと付いていた。
 そのヌルヌルと滑った亀頭を指で摘み、人間と同じようにシコシコと上下にシゴいてやると、犬は嬉しそうにハァハァと荒い息を吐きながら、寝転がったまま腰をカクカクと動かした。
 そしてすぐにそこから真っ白な精液をピュッピュッと噴き出し、恵美子の手を汚したのだった。

 そんな事があったからか、その日、真夜中にどうしても肉棒が欲しくて堪らなくなった恵美子は、すぐさまあの犬を思い出した。
 さっそく恵美子は、ミニスカートにノーパンという姿で夜の闇に紛れた。息を殺しながら銭湯のガレージに潜り込み、ぐったりと寝ている犬に忍び寄った。
 犬は、恵美子に気づくと、狂ったように尻尾を振りながら起き上がった。
「よし、よし」と囁きながらも犬の身体中を撫で、そのままゆっくりと股間に指を忍ばせた。
 毛の中に潜り込んでいたペニスは、まるで煮込んだ麩のようにフニャフニャに萎れていた。しかし、そこばかり集中的に摩ってやっていると、次第にそれはコンニャクのように固まり始め、そしてすぐにシャウエッセンのように硬くなった。
 それをゆっくりシゴいてやった。犬は自らそこに仰向けになり、もっとシゴいてと言わんばかりにそれを剥き出してきた。
 毛だらけの皮の中から真ピンクに輝く肉棒がヌッと伸びていた。
 恵美子はそれをシコシコとシゴきながらそこに顔を埋めた。
 まるでチュッパチャップスを舐めるようにしながら舌で皮を剥いていくと、まるで鰻が穴から滑り出すかのようにして真ピンクの肉棒がヌルッと飛び出した。
 ズルムケにされたその痛々しい真ピンクの物体からは、ホワホワと湯気が上がっていた。恥垢らしき白いカスが大量に溜まり、腐ったハマグリのような異臭がムンムンと漂っていた。
 異様に生臭いペニスだったが、しかし、いつも恥垢だらけの包茎ペニスをオヤジたちにしゃぶらされていた恵美子には、その生臭さは然程苦ではなかった。
 だから迷うことなくそれを口内に含み、いつもオヤジたちにしているように、ブジュブジュと音を立ててしゃぶってやった。
 そうしながらも恵美子は、コンクリートの床に両膝を立て、捲れ上がったミニスカートの中から大きな尻を突き出した。
 犬のペニスをしゃぶりながら、尻の谷間に指を這わせた。パックリと剥き出された陰部は驚くほどに濡れており、指先でちょっと触れただけで、まるで吸い込まれるかのように指が滑り込んで行った。
 ヌルヌルの穴の中を指で掻き回しながら、この穴の中に、どうやって犬のペニスを入れようかと悩んでいた。
 すると突然、犬がガバッと起き上がった。コンクリートの床に爪をカチカチと鳴らしながら足踏みをし、恵美子をじっと見つめながらハァハァと荒い息を吐いていた。
 犬は、まるで恵美子の心を察したかのように、尻を突き出している恵美子の背後へと回った。そして尻の谷間に鼻を押しつけ、濡れた性器をクンクンと嗅ぎまわると、その生暖かい舌でそこをベロベロと舐め始めたのだった。
 今まで、散々オヤジたちの性処理に使われながらも、まともに愛撫された事のなかった恵美子は、素直にそのクンニに感動した。例えそれが獣だとしても、インサートの前に優しくクンニされた事など一度もなかった恵美子には、嬉しくてたまらなかった。
 強烈な欲情を覚えた恵美子は、その大きな尻を卑猥に揺らしながら、まるで人間の男に言うかのように、「入れて下さい、入れて下さい」とペニスをねだっていた。
 揺れる尻に誘発されたのか、犬は慌てて両前足を恵美子の尻の上に乗せた。そして、ハァハァと荒い息を吐きながら腰をコキコキと振り始め、恵美子の尻肉にペニスをツンツンと突き立ててきた。
 恵美子は素早く両手を後ろに回し、尻肉を大きく開いた。そして尻の角度を微調整しながらそのヌルヌルとした突起物を性器に押し付けると、そのまま一気に腰を落とした。
 犬のペニスは、何の障害もなく穴の中へとツルンっ滑り込んだ。
 それが入った瞬間、雌犬のごとくコンクリートの床に這っていた恵美子の全身にジーンっと痺れる快感が走った。
「もっと、もっと、もっと激しくしてください」
 背後でコキコキと腰を振りまくる犬に、冷たいコンクリートの床に顔を押し付けながらそう呻いた。
 惨めだった。こんなに惨めなセックスは初めてだと、恵美子は獣にガンガンと攻められながら思っていた。
 それは、営業課の田辺さんに、居酒屋の裏のゴミ捨て場で、生ゴミにまみれながら犯された時よりも屈辱だった。夜間の道路工事のおじさん達に、汗臭いダンプの中で集団でレ○プされた時よりも、高砂公園のホームレスに肛門を舐めさせられた時よりも、このセックスは強烈な屈辱を与えていた。
 その屈辱の理由は犬に対してではなかった。こんな獣のペニスで感じてしまっている自分への嫌悪感だった。
 しかし、そんな嫌悪感が膨らめば膨らむ程、その快感は激しく恵美子を襲った。
 それに気づいた時、ふと、自分はやっぱりマゾなんだと思った。犬畜生に犯されながらもこんなに感じてしまっている自分は、肉体的精神的苦痛に喜びを感じる真性の被虐願望者なんだと確信した。

(私は変態だ。ブスでデブで気持ちの悪い変態女なんだ……)

 そう自分を責めながらも、恵美子の脳は犬のペニスに溶かされていた。
 そして断続的に続く犬の射精を膣奥に感じながらも、その度に自分も何度も何度も絶頂に達し、獣と化していたのだった。


 そんな変態行為を夜な夜な密かに行っていた恵美子は、この見ず知らずの中年男に、いきなり「君は変態だろ」と図星を衝かれ、激しく動揺していた。
 いつも会社のオヤジたちからは、「雌豚」や「肉便器」などと罵られながら犯され、ある時には、「気持ち悪い女だ」などと顔を顰めながらペニスを入れられ、またある時には、「こんなバカ娘を持つ親の顔が見てみたいもんだ」などと言われながら中出しされていた。
 今までオヤジたちには、散々酷い事を言われながら肉便器にされてきたが、しかし、お前は変態だろとその胸の内を見透かされた事は一度もなかった。
 それはオヤジたちが、恵美子は嫌々ながらも仕方なく皆の肉便器にされていると思っていたからだった。そのオヤジたちは、恵美子が肉便器にされている事に喜びを感じているとは思ってもいなかったのだ。
 だからこの時、いきなり図星を衝かれた恵美子は激しく戸惑った。今まで密かに隠し持っていた変態性欲を、まだ出会ってから三十分も経っていないこの初対面の中年男に不意に暴かれ、動揺を隠せずにいた。
 そんな恵美子の目を中年男はグッと覗き込みながら、まるで念を押すかのように、「君は変態だよな」ともう一度聞いてきた。
 内面を無残に抉られた恵美子は、何も答えることができないまま、ただただ項垂れて震えていたのだった。

(つづく)

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変態

雌豚肉便器2

2013/06/15 Sat 00:00

 中年男は、更にその眼光を強めながら唇の端をニヤリと歪めた。そして「ふん」と小さく鼻で笑いながら、それがさも当然のことであるかのように、「では、おっぱいを見せてみなさい」とさりげなく言った。
 中年男のその自信に満ちた目は、まるで催眠術をかけようとしているようだった。その目に睨まれていると何も考えることができなくなり、もはや恵美子の体は操り人形のように無意識に動き出していた。
 シャツを喉元まで捲し上げると、後ろ手に回した手でブラジャーのホックを外した。決して大きくもないが決して小さくもない乳肉が、その反動でポテンっと揺れ、チョコレート色の乳首を蛍光灯の下に晒した。

「なんだそれは。まだ若いというのに、馬鹿共にヤられすぎたせいで形が崩れてしまってるじゃないか」

 中年男はそう鼻で笑うと、呆れたような笑みを浮かべながら、「そのままスカートを脱ぎなさい」と次の命令を出した。
 恵美子は、捲し上げたシャツを顎で押さえながら、スカートの右側にあるホックをモゾモゾと外した。そしてそれを太ももにスルスルと滑らせながら足元に落とすと、中年男はそこに現れた薄ピンクのパンティーを見て、「思っていた通りの貧乏くさいパンツだな」と嬉しそうに笑った。
 そうやって中年男はいちいち蔑んだコメントを呟いていたが、しかし恵美子は、そんな中年男の酷い言葉に不思議なエロスを感じていた。そう呟かれる度に屈辱感と羞恥心が入り乱れ、それが太ももの間に挟まれている陰核をズキズキと疼かせるのだ。

「なんだその太ももは。まさに堕落した雌豚女の醜い太ももだな」

 そう貶しながら中年男は、そのまま両足をベッドに上げ、股をM字に開けと命令した。
 言われるがままに両足をベッドに上げて体育座りの体勢になると、中年男はその股間を覗き込み、パンティーのクロッチをジッと見つめながら、「汚ねぇなぁ、黄色いシミが浮き出てるじゃないか」と吐き捨てた。
 今までにない羞恥心に襲われながらも、それでも恵美子の胸には異様な興奮がドクドクと湧き上がってきていた。
 そんな恵美子の変態性欲を見透かすかのように、中年男はニヤニヤと不敵に笑いながら、「オマンコも見て欲しいんだろ」と小声で囁いた。
 股間でそう囁かれる恵美子は、ただただ黙って項垂れていた。小心者の恵美子は、「見て欲しいです」などとは恥ずかしくて言えなかった。
 しかし、心はそうであっても体は違った。体は「見て下さい」と言わんばかりにその意思表示をしていた。
 それをこの中年男が気づかないわけがなかった。
 中年男はそんなクロッチを黙ってジッと見つめていた。
 クロッチの裏側は、もはやシロップを垂らしたかのようにヌルヌルしていた。それがクロッチの外側にジワジワと滲み出ている事は恵美子自身気づいていた。
 中年男は、今までニヤニヤしていた口元をぴたりと止めた。そして、突然怒ったような口調で、「どうして濡れてるんだ」と低く呟くと、そのまま恵美子の顔を鋭い目つきで睨んだのだった。

肉便器3

 恵美子は既にこのホテルの部屋に入った瞬間から濡れていた。それをこうしてM字に股を開かされたため、クロッチが陰部により密着し、そこに卑猥な汁が滲み出てきたのだった。
 今まで、オヤジたちにヤられている時にも、「すごく濡れてぞ」や、「小便を漏らしたみたいだな」などと、何度かその大量の愛液について指摘をされたことがあったが、しかしそれは、あくまでもオヤジたちが自分の欲情を昂めるために呟いている独り言であり、この中年男のように、濡れている理由を問い質されているわけではなかった。
 改めて「どうして濡れているのか」と聞かれても、恵美子は答えられなかった。当然のことながら、性器が濡れているということは、少なくとも今のこの状況に欲情しているという意味なのであるが、しかし、この時激しい羞恥心に駆られていた恵美子は、それを言葉にする事ができなかった。
 そんな恵美子の羞恥心を見透かしているかのように、中年男は更にそこを攻撃してきた。

「やっぱり君は相当な変態だな。初めて会った男にいきなりホテルに連れ込まれても、怖がるどころかオマンコを濡らしているじゃないか」

「…………」

「ヤって欲しいのか。そのヌルヌルに濡れた穴の中に、ビンビンに勃起したチンポを入れて欲しいのか。ん?……」

 そう首を傾げながら、中年男は項垂れている恵美子の顔を覗き込んだ。
 今まで恵美子は、決して自分からヤって欲しいなどと願った事はなかった。どれだけ疼いていても、どれだけ欲情していても、自分からオヤジたちにセックスを求めた事は一度もなかった。
 それは、自分に自信がなかったからだった。自分という女は、ブスで根暗で気持ちの悪いバカ女だと自覚していたため、自らそんなことを言う勇気がなかったのだ。
 そんな内気な性格こそが、オヤジたちから肉便器と蔑まれる原因だった。
 例えどれだけブスであろうと、どれだけ気色の悪い女であろうと、男を誘う意欲と色気があれば、それはただ単に『ヤリマン女』と呼ばれた。そこにバイタリティーが少しでもあれば、例えブスであろうと『スキモノ』や『ユルい女』と呼ばれ、それなりに女として扱ってもらうことができた。
 しかし恵美子にはそんなバイタリティーは微塵もなかった。貪欲な変態性欲は人一倍あってもそれを前面に打ち出す勇気はなく、ただただジメジメと陰部を濡らしながら肉棒を待ちわびているといった、そんな陰気な変態女だった。
 恵美子という女は、男に媚びる可愛らしさもなければ、男を挑発する色気もなかった。唯一、オマンコという特殊な性玩具を持っているだけであり、それ以外は男を惹きつける武器は何も持っていなかった。
 だから恵美子は肉便器と呼ばれた。ヤリマン女やユルい女といった愛称で男たちから可愛がられることはなく、性処理だけを目的とした『便器』として扱われていたのだった。

 そんな恵美子が、ここで中年男に向かって「入れて下さい」などと媚びることができるわけがなかった。
 しかし中年男も、恵美子がそんな事を言えるわけがない事は最初からわかっているようだった。
 この中年男は、そんな恵美子の内向的な性格を知っていたのだ。知っているからこそ、わざとそうやって恵美子を虐めているのだ。
 そんな中年男は明らかにサディストだった。しかも、肉体的苦痛を与えて喜ぶサディストではなく、精神的苦痛を与えて喜ぶサディストだった。
 恵美子は肉体的苦痛には慣れていた。毎日のように会社のオヤジたちに肉便器にされていた恵美子は、いつしかその肉体的苦痛を快楽へと変えてしまうほどに逞しくなっていた。
 が、しかし、精神的苦痛には弱かった。学生時代、『肉まん』というあだ名をつけられただけで二回も自殺未遂を起こすほどにメンタル面は弱かった。
 だからこの中年男は、恵美子にとっては最も苦手な部類と言えた。

 そんな中年男は、何も答えられないまま項垂れている恵美子を、ギラギラとした欲望溢れる目で見つめていた。そして、ネトネトに濡れたクロッチに人差し指の先をヌルヌルと滑らせながら、「この汚いマンコを見てあげるから、取り敢えずパンツを脱ぎなさい」と低く笑った。
 恵美子は無言でパンティーのサイドに指を引っ掛けると、両足をM字に曲げたままそれをスルスルと下ろし始めた。
 汗ばんだ尻でパンティーがクルクルと捻れた。そのままパンティーをクルクルと太ももへと上げていくと、陰部にペタリと張り付いていたクロッチが捲れ、トロトロの透明汁がねちゃっと糸を引いた。

「ストップ」

 中年男は、パンティーが太ももの真ん中に来た時点でそう言った。
 クルクルに捻れたパンティーは、まるで捩り鉢巻きのようになっていた。
 この状態は、全部脱いでしまうよりも恥ずかしかった。

肉便器4

 中年男はソッと身を乗り出すと、まるで画廊で絵画を見ているかのように黙って陰部をジッと見ていた。
 今まで、こんなにマジマジと性器を見られたことがなかった恵美子は、ゾクゾクとする興奮と共に強烈な羞恥を感じていた。

「この、真っ黒なびらびらに張り付いているのは、トイレットペーパーのカスだな」

 中年男はそう呟きながら、爪の先でそれをペリリッと剥がした。

「トイレットペーパーのカスがこよりになってぶら下がっているのはウォシュレットを使っていないからだ。君のようにペタリと張り付いているのは、ウォシュレットを使っている証拠だ」

 そう言いながら中年男は舌を伸ばし、その破片を舌の上にペタリと置くと、キャラメルを舐めるようにしてそれを食べてしまった。

「君は、ちゃんとウォシュレットを使っているようだが、しかし少し匂うねぇ……いや、それがピタリと閉じた状態でここまで匂うんだから、きっとそれをベロリと開いたら、かなり強烈な匂いだろう……」

 羞恥に駆られた恵美子が下唇をギュッと噛むと、すかさず中年男は肛門をクンクンと嗅ぎ始め、「ウ○コの匂いもするね」と追い打ちをかけた。
 その言葉に、思わず恵美子は、「やめてください……」と声を震わせた。犬のように股間をクンクンと嗅ぎまわる中年男から目を背けながら必死にそう呟いた。
 すると中年男は黒目だけをギッと上げ、三白眼で恵美子を睨みながら「どうして」と言った。

「君はこうされながらも濡れてるじゃないか。こうされて感じているんだろ?」

「……もう、許してください……」

「許してください? どうして?」

「恥ずかしいです……」

「恥ずかしい? ここを見られるのが恥ずかしいのかね。誰にでも尻を振る変態雌豚のくせに、ここの匂いを嗅がれるのが恥ずかしいというのかね」

 中年男はわざとらしくそう驚いた。そして、再び黒目をゆっくりと陰部へと戻すと、「ほらみろ、ワレメからオツユが垂れてるじゃないか……」と鼻で笑い、そのネトネトに濡れたワレメにベロリと舌を這わせたのだった。

肉便器5

(つづく)

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変態

雌豚肉便器3

2013/06/15 Sat 00:00

 中年男が恵美子のワレメをベロリと舐めたのは、わずかに一回だけだった。それはワレメから垂れる汁を舌で掬い取っただけであり、クンニと呼べるようなものではなかった。
 オヤジたちに散々肉便器にされていた恵美子だったが、しかしクンニをされた経験はほとんどなかった。
 まともにクンニをされたのは、二年前の忘年会の帰り道、ベロベロに酔った高橋部長にいきなりボウリング場の裏の細い路地に連れ込まれ、背後から陰部を二、三回舐められただけであり、あとは犬に舐められただけだった。
 肉便器の性器を好んで舐める者はいなかった。だから恵美子は、中年男がそこに舌を這わせた瞬間、激しい期待と興奮に胸が高鳴ったのだが、しかしそれは、無残にもたったひと舐めで終わってしまったのだった。
 それでも陰部を舐められたその感触は、激しい興奮となって恵美子の脳をグルグルと掻き回した。
 早く入れて、早く入れて、と、そんな言葉ばかりが脳の中を駆け巡っていた。恵美子の唇からは自然に卑猥な息がハァハァと漏れ出し、ひと舐めされて刺激を受けた陰部が、鯉の口のようにヒクヒクしていた。
 そんな恵美子を冷血な目で見下ろしながら、中年男はズボンを脱ぎ始めた。
 スーツの上着を羽織ったまま、ズボンとトランクスだけを脱ぎ捨てると、勃起した肉棒を張り子の虎のようにヒコヒコさせながらソファーにドスンっと腰を下ろした。

「入れて欲しいんだろ」

 中年男はそう言いながら、勃起したペニスをゆっくりとシゴき始めた。
 欲情した恵美子の目の前で卑猥な物体が上下に動いていた。それを握る中年男の拳の上で、真っ赤な亀頭が出たり入ったりと繰り返していた。

肉便器6

 男のオナニーを見せつけられたのは、これで三度目だった。
 一度目はコンビニの駐車場だった。
 夜の十一時を過ぎた頃、近所のコンビニにコーラを買いに行くと、駐車場に停めてあったワンボックスカーの中で若い男がペニスを露出していた。それは、明らかに恵美子に向けて露出しているものだった。
 最初恵美子は、見て見ぬ振りをした。そのままコンビニの店内に入ると、ドキドキしながらコーラを買い、白いビニール袋を片手にぶら下げながら窓際の雑誌コーナーへと向かった。
 女性雑誌が並ぶラックの目の前に、そのワンボックスカーは止まっていた。
 恵美子は取り敢えず『女性自身』を手に取ると、それをパラパラと捲りながらも、その視線を駐車場のワンボックスカーにソッと向けた。
 若い男は、いつの間にか後部座席から助手席へと移動していた。恵美子がそれを見せつけられても騒がなかった事に安心したのか、助手席に座る男は堂々と股を開き、巨大に勃起したペニスを見せつけてきた。
 若い男のペニスには興味があった。いつも中年オヤジのペニスばかりを相手にしていた恵美子には、若い男のピクピクとした元気の良いペニスが珍しかったのだ。
 恵美子は、レジにいる店員をチラチラと気にしながらも、堂々と視線をそこに向けていた。若い男は、見られている事に興奮しているのか、目を半開きにさせながら口を開け、狂ったようにペニスをシゴいていた。
 さすが、若い男のペニスは中年オヤジたちのペニスとは違った。それは、まるで金属バットのグリップのように長かった。クワっと開いたカリ首はエリマキトカゲのように獰猛で、がっしりと太くて逞しい竿は石のように固そうだった。

肉便器7

 若い男はそれをシコシコと上下させながら、恵美子をじっと見ていた。それに応えるべく、恵美子もスカートを捲り上げ、パンティーずらして陰毛が渦巻く恥骨を見せてやりたかったが、しかし、そんな勇気が恵美子にあるはずがなく、ただただ黙ってそれを見続けるしかなかった。
 しかし、それを見ているうちに、恵美子の陰部からはドロドロの汁が溢れ出し、居てもたっても居られないくらい陰部が疼いてきた。あの巨大なペニスでズボズボに掻き回されたいという思いが激しくなり、遂に意を決した恵美子は、思い切ってワンボックスカーの側まで行ってみようという気になった。
 大きく深呼吸しながら雑誌を閉じた。このままワンボックスカーの側へ行き、あの若い男に何と声をかければいいのかと考えながら、雑誌をラックにソッと戻した。
 しかし、それが失敗だった。若い男は、恵美子が店員に通報するとでも思ったのか急に慌て始め、ものすごい勢いで運転席に移動すると、そのままバックで逃げて行ってしまったのだ。
 ショックだった。呆然としたまま走り去るワンボックスカーのテールランプを見つめていた恵美子は、逃げ出さなくてもヤらせてあげるのにと下唇を噛んだのだった。
 それが一度目の経験だった。
 そして二度目は今から半年ほど前、会社の帰宅途中にいつも通っている公園での出来事だった。
 その日は残業があり、駅を出る頃には八時を過ぎていた。辺りは既に真っ暗だったが、いつものように郵便局裏の公園を通り抜けてアパートに向かった。
 鬱蒼とする森に囲まれた薄暗い遊歩道を歩いていると、前方で爛々と蛍光灯が輝いている公衆便所の前に、サラリーマン風の男がポツンと立っているのが見えた。
 男は明らかに不審だった。チラチラと恵美子の方を見つつ、何度も公衆便所の中を出たり入ったりと繰り返していた。
 変質者かもしれない。そうドキドキしながら、恵美子は公衆便所の前を早足で通り過ぎようとしていた。
 すると、いきなりその男が、公衆便所の中から「すみません」と声をかけてきた。
 見た目は普通だった。会社帰りのサラリーマンといった感じの三十代の男だった。
「はい」と警戒しながらも足を止めると、男は、「公園の管理事務所の者なんですけど、ちょっと手を貸してもらいたいんですけど……」と申し訳なさそうに頭を下げた。
 怪しかった。いつも見る公園管理事務所の人たちは作業服を着ており、ワイシャツを着ている人など一人も見たことがなかったからだ。
 恵美子は距離を保ちながらも、「どうしたんですか?」と聞いた。

「男子トイレの個室の中で泥酔した女性の方が倒れてるんです。今、警察と救急車には連絡したんですけど、なんか急に苦しいとか言い出しまして……相手は女性ですので、ちょっと様子を見てきて頂けないでしょうか……」

 どう考えても嘘臭かった。こんな住宅街の公園で、こんな時間に女性が泥酔。しかも男子トイレで……。
 これは絶対に何かの罠だと思った。この男は、私を男子トイレに連れ込み、いやらしい行為に及ぼうと企んでいるに違いないと思った。
 しかし、そうとはわかっていても、恵美子はそこから立ち去らなかった。なぜなら恵美子は、この一時間ほど前、一緒に残業をしていた上野という男に肉便器にされていたからだった。
 上野は、部長が帰って恵美子と事務所で二人きりになるなり、いきなり「させてくれよ」と言ってきた。上野は四十代の平社員で、つい先日離婚したばかりだった。離婚を機に、上野は他のオヤジたちの仲間入りをし、度々恵美子を肉便器に使っていたのだった。
 そんな上野のセックスは、まさにセンズリだった。恵美子を全裸にし何の愛撫もせぬまま尻を突き出させた。そして膣に大量の唾を垂らして一気にペニスを捻り込むと、すぐさまスマホでエロ動画を開き、そのエロ動画を見ながら中出しするのだった。

肉便器8

 それは、わずか三分で終了した。まるで立ち小便でもするかのように、さっさと射精してしまった。
 いつもなら、その後にまた別の誰かが恵美子を肉便器に使うため、例えそんな三分セックスでも恵美子はそれなりの快感を得ることができたのだが、しかし、この時会社に残っていたのは上野だけであり、結局この日は、たったの三分間、肉棒で膣を掻き回されただけで終わってしまっていたのだった。
 そんな恵美子は激しい欲求不満に襲われていた。中途半端にピストンされただけの膣は膿んだ傷口のようにジクジクと疼き、電車に乗っている時も、早くアパートに帰って巨大ディルドでアソコをぐちゃぐちゃにしたいと、そんなことばかり考えていた。
 だから恵美子は、この時、男子トイレで女性が泥酔しているから見て来て欲しいなどという、誰が聞いても怪しい話にも足を止めたのだった。
「お願いします」と言いながら、さっさと男子トイレに入っていった男の背中を見つめていた。例え彼が変質者であっても、殺されさえしなければいいと思いながら、そんな男の後について男子トイレの中へと進んだ。
 シーンっと静まり返ったトイレには、その男以外、人の気配は全くしなかった。それでも恵美子は、男が「ここです」と指を差す一番奥の個室に向かって歩いた。
 その個室はドアが閉まっていた。背後に立っている男をチラチラと気にしながらソッとドアを押し、半開きになったドアの隙間を恐る恐る覗いた。
 案の定、そこには誰もいなかった。「誰もいないですけど……」と言いながら後ろを振り向くと、さっきまで真後ろに立っていたはずの男は、小便器の前に立っていた。
「えっ? いないっすか?」
 そう言いながら男は、小便器の前で右腕をカサカサと動かしていた。
「おかしいなぁ……今までそこに居たんだけどなぁ……」
 そう言いながら男は、スカートから伸びる恵美子の足をジロジロと見つめ、時折、目をトロンとさせてはハァハァと卑猥な息を吐いた。
 恵美子はその場に立ち竦みながら、視線を男の下半身へと下ろした。
 そんな恵美子の視線に気づいた男は、「へへへへ」と笑いながら体を斜めに傾け、シコシコとシゴく肉棒を恵美子に見せつけた。

肉便器9

 予想していたことではあったが、しかし、改めてそれを見せつけられると、さすがの恵美子もギョッと目を見開いてしまった。
 すかさず男は、「逃げないで」と恵美子に言った。悲願するかのように眉を垂らしながら、「すぐにイキますから見ててください」と言った。
 恵美子は放心状態でそれを見つめながらゴクリと唾を飲み込んだ。上下にシゴかれる肉棒は、まるで別の生き物のように蠢き、ピンクの亀頭の先から溢れ出す我慢汁がピチャピチャと卑猥な音を奏でいた。
 恵美子は、逃げ出すことなくそれをジッと見ていた。すると男は、そんな恵美子に脈があると思ったのか、小便器に向けていた体を堂々と恵美子に向け、「お願いします……しゃぶって下さい……」と言いながら、恵美子の目の前にシコシコと上下する肉棒を突き出した。
 それをまともに見せつけられると、自然に恵美子の口からもハァハァと淫らな息が漏れ始めた。
 恵美子はクラクラと目眩を感じながらゆっくりとその場にしゃがんだ。男は極度に興奮し、いきなり「ほら、しゃぶれ」などと命令語になりながら、激しくシゴくそれを恵美子の口に押しつけた。
 強烈な恥垢臭が恵美子の鼻を襲った。しかし、そんな饐えた匂いは雌豚肉便器の恵美子にとっては興奮臭であり、恵美子の欲情を更に昂めてくれた。
 我慢汁でテラテラと輝く亀頭に震える舌を伸ばした。アイスキャンディーの先を舐めるようにペロペロと舌を動かしながら、徐々に亀頭を口内に滑り込ませていった。

肉便器10

 それが根元まで飲み込まれると、頭上で男が「マジかよ……」と呟いた。
 顔を前後に振り、唾液でブジュブジュと音を立て始めると、男は「あああああ……」と唸りだし、恵美子の髪を両手で優しく撫でながら、「そこまでするならヤらせてくれよ……」と言った。
 恵美子は、名残り惜しそうにそれを口からゆっくりと抜き取ると、口内に溜まった恥垢だらけの唾液をゴクリと飲み込んだ。
 男は「いいのか?」と嬉しそうに目を輝かせながら、しゃがんでいた恵美子をその場に立たせた。そして、恵美子と入れ替わるように今度は自分がそこにしゃがむと、震える手で恵美子のスカートをゆっくりと捲り上げ、パンティーの上から恵美子の下半身に顔を擦り付けたのだった。
 男はパンティーを乱暴に下ろすと、伸ばした舌を陰毛に這わせ、ジャリジャリと音を立てながらそこを舐めまくった。そうしながらも、尻から指を股間に潜り込ませ、割れ目を荒々しく弄りまくった。
「すげぇ濡れてるじゃん……」
 男は恥骨に頬ずりしながらそう呟いた。確かにこの時恵美子は濡れていたが、しかし、その時男が指でネチャネチャさせていたのは上野が中出しした残液だった。
 それを、こんなに恵美子が濡れているのだと勘違いした男は、「すげぇじゃん、すげぇ痴女じゃん」と喜びながら立ち上がり、そのまま恵美子を小便器にしがみつかせると、背後からペニスをツルンっと入れてきた。

肉便器11

 男は、「おっ、おっ、おっ」とリズムを取りながら、それに合わせて腰を振ってきた。肉棒がズボズボとピストンする度に上野の残液がびちゃびちゃと音を鳴らし、静まり返ったトイレに響いた。
 小便器にしがみつきながら悶える恵美子は、心の中で(もっと激しく犯してください、もっともっと乱暴に、めちゃくちゃにして下さい)と叫んでいた。するとそんな心の声が通じたのか、男は突然恵美子の尻をパシパシと叩き始め、「豚みてぇにデッケェ尻だな」と吐き捨てた。
 いつものオヤジとは違い、男は激しく腰を振ってきた。恵美子が喘げば喘ぐほどにその腰の動きは速くなり、「感じてるのか……気持ちいいのか……」といやらしい質問を繰り返してきた。
 そうされながら恵美子は何度も絶頂に達していた。イク度に恵美子は白い陶器の小便器に舌を這わせ、誰のものかもわからない塩っぱい小便の味を感じていたのだった。

 このように恵美子は、二度も他人のオナニーを見せつけられてきた。
 二度目のそれは、結局セックスまでさせてしまっているが、一度目の時も、誘われれば迷わずセックスさせていた。
 そんな恵美子が、今、三度目のオナニーを見せつけられていた。
 当然恵美子は、それを見せつけられながら、早くセックスして欲しいと思っていたが、しかし中年男は、まるでそんな恵美子の心を読み取っているかのように、ゆっくりとペニスをシゴきながら焦らし続けていた。

「これを、入れて欲しいか?」

 男は鋭い目で恵美子の顔を覗き込みながら言った。
 入れてくださいとどうしても声に出せない恵美子は、項垂れたまま小さくコクンっと頷いたのだった。

(つづく)

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変態

雌豚肉便器4

2013/06/15 Sat 00:00

「どこに入れて欲しいんだ?」

 項垂れている恵美子に、中年男はそう聞いてきた。
 恵美子が黙っていると、「口か? マンコか? それともケツの穴か?」と下品に笑った。
 それでも答えられない恵美子は、恐る恐る股間に手を伸ばした。そして、既にトロトロに濡れている割れ目にソッと指を這わせ、無言でそこにヌルヌルと指を滑らせた。

「そうか……そこに入れて欲しいのか……」

 中年男は満足そうに頷くと、愛液でテラテラと輝く恵美子の指をジッと見つめながら、「開いてみろ」と唇の端を歪ませた。
 恵美子は、その言葉に思わずいやらしい声を漏らした。今まで、早漏オヤジたちに入れて出されるだけの無情なセックスばかりされてきた恵美子には、そんな卑猥な命令は、いつも見ている変態動画よりも興奮させてくれた。
 ハァハァと息を荒げながら両手を太ももの裏に入れた。そしてM字に股を開いたまま太ももを両腕で持ち上げ、両手で尻肉を押し広げながら、そこに伸ばした指で大陰唇をベロッと開いた。

肉便器12

 中年男はペニスをシゴきながら前屈みになると、大きく開かれた膣の内部をマジマジと見つめた。そして、そこに顔をゆっくりと近づけながら、ヌメヌメと輝く粘膜をクンクンと嗅ぐと、「肉便器の匂いだ」と独り言のように呟いた。
 中年男は、獰猛に口を開いた膣に指を伸ばしてきた。そこに人差し指をヌルヌルと滑らせ、その指をクンクンと嗅いだりしていた。

「今日は誰かセックスしてくれたか?」

 白濁の汁が絡みつく指をペロペロと舐めながら中年男が聞いてきた。
 今日は誰も恵美子を肉便器にしなかった。今日は中古物件のキャンペーンがあったため、いつも恵美子を肉便器にしている平社員のオヤジたちは朝から会場に出ていたからだった。
 恵美子はソッと項垂れたまま、首を小さく左右に振った。
 中年男は、ぽっかりと口を開いた膣口に人差し指をヌポヌポと出し入れしながら、「そりゃあ可哀想に……さぞかしチンポが欲しくて堪らないだろうなぁ……」と呟いた。
 確かに、肉便器として調教されていた恵美子は、最低でも一日一回は肉棒を入れられないと気が狂いそうになった。肉棒を入れられない日はジクジクと陰部が疼いて仕方がないため、一人自宅アパートでディルドを使って疼きを癒していたくらいだった。

肉便器13

 中年男は、そこからヌルっと指を抜き取ると、再びソファーにふんぞり返った。そして、そのドロドロに濡れた指でペニスを摘み、その汁を亀頭に塗り込みながら上下にシゴき始めた。
 ピチャ、ピチャ、と汁が鳴っていた。それをジッと見つめていた恵美子は、今すぐにでもそれにしゃぶりつきたい衝動に駆られていた。
 そんな恵美子の心を知りながら、中年男はひたすらペニスをシゴいていた。わざと焦らすかのようにそれを見せつけながら、時折、「ああ、イキそうだ」などと唸っては、恵美子に焦燥感与えた。

肉便器14

「このまま射精してもいいか?」

 中年男は、不敵に唇の端を歪めながら聞いてきた。
 心に蠢くモヤモヤを鷲掴みにされた恵美子は、ギュッと下唇を噛み締めながらイヤイヤと首を左右に振った。
 中年男はニヤリと笑いながら、「君は、顔はブスだが、体はいい」と、最初に声を掛けられた時と同じ言葉を呟いた。

「醜い女に限ってアソコの具合は良いものなんだが……君はどうだね?」

「………………」

 恵美子は黙ったまま、いつもオヤジたちが唸っている言葉を思い出していた。
 オヤジたちは、いつも恵美子を肉便器にしている際、決まって、「マンコだけは最高だ」と唸っていた。
 定年退職間際の島田さんが言うには、恵美子の性器は、いわゆる『名器』らしく、咥え込んだペニスをギュンギュンと締め付けながら、ヌルヌルの穴肉全体をグニョグニョと蠢かすらしい。
 だから皆は、すぐにイッてしまうのだと島田さんは言った。決して早漏なのではなく、恵美子の性器が名器すぎるから、みんなすぐに果ててしまうんだと言っていた。
 そんな島田の言葉を思い出しながら、恵美子はソッと中年男の顔を見上げた。
 そんな恵美子の目を見ながら、中年男は、「ほほう……自信がありそうだな」と笑い、身を乗り上げた。そして、シコシコとシゴくその手を止め、ビンビンと勢いよく勃起する肉棒を恵美子に突き出しながら、「そんなに自信があるのなら、上に乗ってみなさい」と、亀頭をヒクヒクと痙攣させた。

 恵美子は背筋をゾクゾクさせながらゆっくりと立ち上がった。中年男がふん反り返るソファーに恐る恐る近づき、肉棒がヌッと突き出ている下半身を跨ごうとした。
 すると中年男が「おい」とそれを制止した。

「さっきから何度も言ってるが、君はブスだ。そんな醜い顔をドアップで見せられながらヤッても気色悪いだけだ。後ろを向け。ケツをこっちに向けて入れろ」

 中年男はそう言いながら恵美子の腰を両手で掴み、強引に後ろを向かせたのだった。
 屈辱が胸を締め付けた。ブスと言われる事には慣れていたが、気色悪いと言われたのは初めてであり、不意に埼玉にいるお母さんの顔が頭に浮かび悲しくなった。
 しかし、それでも恵美子は我慢した。そこまで無残に貶されても、もはや変態雌豚肉便器として調教されてしまっている恵美子には、ここでそれを止める事は不可能なのだ。
 屈辱に下唇を噛み締めながら、恵美子は前屈みになった。そのまま中年男の両太ももを跨ぎ、中年男の顔に向けておもいきり尻を突き出した。

「でかい尻だな……」

 中年男はそう呟きながら、恵美子の大きな尻を両手で受け止めた。そして尻肉をこれでもかというくらいに大きく開くと、そこに剥き出されたワレメに亀頭をヌルヌルと滑らせながら、「肛門が真っ黒だ」と笑った。
 
肉便器15

 ベロリと剥き出された粘膜に亀頭が食い込んできた。
 恵美子はこの瞬間が堪らなく好きだった。ツルンっと滑り込んできた亀頭が膣の入口でコリコリする感触が堪らなかった。
 しかし、いつものオヤジたちは、そんな感触を充分に楽しませてはくれなかった。こっそり会社の倉庫やトイレに恵美子を連れ込み、ビクビクしながら恵美子を肉便器にしていたオヤジたちには、そんな余裕はなかった。亀頭をワレメに充てがうなり一気に根元まで入れ、後は壊れたロボットのように腰を動かすだけだった。
 だから恵美子は、ここぞとばかりに亀頭の感触を味わっていた。すぐに腰を落とそうとはせず、亀頭だけをすっぽりと飲み込みながら小刻みに腰を動かしていた。

肉便器16

 そんな恵美子の尻を、中年男がおもいきり引っ叩いた。
 ただしそれは、早くペニスをズッポリと入れろと怒っているのではなかった。「素晴らしい尻だな……」と感慨深く呟く中年男は、その大きな尻を叩く感触を楽しんでいるのであった。
 そうやって尻を叩かれ続けていると、そのはち切れるような痛みがみるみる快感に変わってきた。但しそれは、痛みを快楽に変えた肉体的な快感ではなく、自分が無残に扱われているというマゾヒズムが湧き上がった精神的な快感だった。
 我慢できなくなった恵美子は、腰を持ち上げたまま前に倒れ、中年男の両足にしがみついた。そしてそのままゆっくりと腰を落とし、まるで奈落の底に落ちていくかのように、「あああああああああああああ」と声を上げながら、硬い肉棒を根元まで飲み込んだ。

肉便器17

 背後で中年男が「んんんんんんん……」と唸った。島田が言っていた『名器』を実感したのか、中年男は「んんんん」と唸る声を「おおおお」と変えながら、その大きな尻を両手で摩り始めた。

「これは凄い……想像して以上の具合の良さだ……」

 中年男はそう呟きながらも、早く動かせとばかりに、腰を締め付けている恵美子の太ももをトントンと叩いた。
 それを合図に恵美子の大きな尻が上下に動き出した。タプンタプンと揺れる尻肉が中年男の腹に叩きつけられ、パンパンと乾いた音を響かせた。
 そんな中年男のペニスは、然程大きなものではなかった。それはどちらかといえば小さく、広告宣伝部の井上さんの真性包茎レベルだった。
 それでも恵美子は感じていた。小さいながらもコリコリと硬い肉棒は、狭い穴の中にぎっしりと詰まった生肉をグイグイと掻き分け、膣壁をゴリゴリと擦ってくれた。その、ディルドとは違う肉感は恵美子を激しく興奮させ、気がつくと恵美子は肉棒をピストンしたまま失禁してしまっていた。
 ペニスがズボズボする度に、割れ目の先からシュッシュっと尿が吹き出した。中年男は吹き出すそれを手の平で掬いながら、嬉しそうにペロペロと舐めていた。
 恵美子も変態だったが、この中年男もかなりの変態だった。上下に動く恵美子の尻の裏を覗き込みながら、「ウ○コは出ないか、ウ○コを出してみろ」と肛門に指を突き立てていた。

 そんな変態的な背面騎乗で、恵美子は四度も絶頂に達していた。中年男も一度は射精したが、しかしそれは全く衰えることはなく、中出ししたままピストンを続行していた。

「私はね、電車の中で君を見た瞬間から、君が変態性欲者だとすぐに気づいたよ」

 中年男は、止めどなく上下する恵美子の尻を眺めながら突然そう語り始めた。

「なぜだかわかるかね」

「………………」

「それはね、君のその体が異様にエロかったからだよ」

 恵美子は「あん、あん」と喘ぎながら腰をふり、中年男の話に耳を傾けていた。

「普通、君ほどのブスなら、そこまで体はエロくないんだよ。男に相手にされないようなブスはね、みるみる男性ホルモンが強くなり、次第におっさん化していくもんなんだよ。なのに君はブスのくせにエロかった。そのだらしない唇も、このムチムチの尻も、変態男共の精液の匂いがプンプンと漂っていたよ」

「………………」

「私はピーンッときたね。あっ、この女、ヤリマンだなってね。しかも君はブスだったから雌豚だと思ったよ。マゾの雌豚。変態男共の肉便器だなってね」

 激しく腰を振る恵美子は、その肉便器という言葉に反応し、五度目の絶頂を迎えた。ヒィ、ヒィ、と息を詰まらせながら短く喘ぐ恵美子を見て、中年男は「それだよそれ、そのイキ方はまさに雌豚だよ」と笑った。
 再び吹き出した尿を手の平で掬い取り、中年男はそれをペロペロと舐めながら、「相当、男に遊ばれてるな」と呟いた。

「だいたいね、ブスのくせに男が寄り付いてくるってのは、その女が金を持っているか、とびっきりスタイルが良いか、それともマンコの具合が良いかのどれかなんだよ。君は、どう見ても金を持っているようには見えないし、スタイルだってどちらかと言えば豚だ。だから私は、きっとこの女のマンコの具合は最高だなって思ったんだよ」

 そう語りながら、突然中年男は、床に置いてあった黒い鞄を持ち上げた。そしてその中から太いマジックを取り出すと、「案の定、君は変態だった。そして予想通りマンコの具合も良かった。私の読みは当たっていた。君は最高の肉便器だ……」と言いながら、そのマジックのキャップをスポンっと抜いた。
 中年男は恵美子の尻に手を置き、尻の動きを止めさせた。
 その動きが止まるなり、恵美子の尻に冷たいマジックの先が滑り、辺りにシンナーのような匂いが漂った。
 中年男は、素早くそこに何かを書いた。そして、恵美子の尻に書いたそれにフーフーと息を吹きかけながら、それを乾かそうとしていた。
 マジックにキャップを被せながら、中年男は「よし」と言った。

「三日後の夜、また会おう。その時まで絶対にこれを消すな。君はこの三日間、この尻のまま肉便器にされるんだ」

 恵美子は、そんな中年男の言葉を無視するかのように再び尻を動かし始めた。

「三日後、もしこれがこのままの状態で保たれていたら、ご褒美に凄い所に連れて行ってあげよう。君の大好きな変態男たちが大勢いる変態の館に連れて行ってやるよ。どうだ、行きたいだろ」

 そうせせら嗤う中年男を無視して、恵美子はひたすら腰を動かしまくった。
 そして、その尻に何と書かれているかも知らないまま、六度目の絶頂を迎えたのだった。

肉便器18


(雌豚肉便器・完)

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