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妻の昼寝・後編

2012/11/17 Sat 04:25

妻の昼寝2




 ふと、私の我慢汁が垂れてシミになったのかと思った。が、しかし、目を凝らしてよく見てみると、明らかにそれは内部から滲み出ているシミだった。
 そのシミを見て、震え上がるほどの興奮を覚えた私だったが、しかし何かが釈然とせず、素直にそのシミを受け入れる事ができなかった。

 寝ているはずの瑞穂がどうして濡れているのだろうか。
 そう考えると、ある疑念が頭を過り、私の胸は雑巾を絞るかのように締め付けられた。

 私は慌てて立ち上がると、ペニスをブラブラさせたまま居間へと走った。
 海側の窓がキラキラと輝く居間はシーンと静まり返り、卓袱台の上もいつもと変わらなかった。
 天井に向かって鼻を鳴らした。煙草の匂いを嗅ぎ取ろうと必死になって歩き回った。
 もし、あいつが来ていたとしたら、あいつは必ず煙草を吸うはずだからだ。

 そこに煙草の匂いがない事を確認すると、そのまま寝室の襖を開けた。敷かれたままの布団の中に手を突っ込み、そこに温もりが残っていないかを確かめた。二つ並んだ布団はどちらもひんやりしていた。
 寝室の屑篭の中まで覗いてみた。丸めたティッシュが入っていないようにと祈りながら恐る恐る覗いた。中は空っぽだった。
 こんな所に捨てるわけがないと思いながら、疑念に取り憑かれた私は、黒ずんだ床板の廊下にバタバタと足音を鳴らしながら台所へ向かった。
 勝手口のドアを開け、青いポリバケツの蓋を開けた。
 迷う事無くそこに手を突っ込み、それらしき物がないかと奥の方まで探った。
 しかし、そこにもそれらしき物は見当たらなかった。
 フーッと溜息をつく私の拳には、今朝のみそ汁に入っていた油揚げがポツンとくっついていた。
 それを振り払いながら、「考え過ぎか……」と呟くと、目の前には乱反射する秋の海が広がっていた。

 洗面所で手を洗っていると、ふと自分がペニスを出したままだと言う事に気付き、思わず噴き出した。
 笑いながら鏡を見つめ、そこに映る自分に「考え過ぎだよ……」と、もう一度言い聞かせた。

 しかし、そう自分に言い聞かせても胸の曇りは一向に晴れなかった。やはりそれは、あの時の東条のあの一言が、今でも私の胸に刺のように突き刺さっているからだろう。

 それを東条から聞いたのは、瑞穂が流産した三日後の病院の待合室だった。
 あの日、営業部のみんなが、病院に見舞いに来てくれた。精神的なダメージの大きい瑞穂に会わせるわけにもいかず、私は病院の待合室でみんなに心からお礼を言った。
 その帰り際、突然東条が「ちょっと……いいか……」と私の耳元で囁き、私を待合室の隅に呼び寄せた。

「こんな事、おまえの耳に入れようかどうしようか随分と悩んだんだけど……あまりにもおまえが落ち込んでるからさ……正直に言うよ……」

 東条はそう前置きした後、私の目からソッと視線を反らし、言いにくそうに呟いた。

「流産した子は……実は、専務の子なんだ……」

 私は耳を疑った。一瞬、そのジョークはさすがに今は笑えないぞ東条、と、言いそうになるくらい、その言葉は信じられなかった。
 しかし、東条の顔は真剣だった。まるで母親の突然死を聞かされた時のように、暗い表情のまま私の足下を見つめているのだ。

「実は……オレ、おまえが瑞穂と婚約するちょっと前……瑞穂から相談を受けてたんだ……専務の子供ができたかも知れないってね……」

 東条のその一言は、やっと流産のショックから立ち直りかけていた私を、再び暗い穴の中に突き落とした。
 確かに、当時の私も、妊娠するのは少々早すぎやしないかと不思議に思っていた。しかし、瑞穂の中に初めて中出しした日にちなどいちいち覚えておらず、瑞穂が妊娠したと言えば、そうなのか、と信じるしかなかったのだ。

「こんな時に、こんな事を言うのはあまりにも残酷だとは思ったんだが、ただ、流産したのが自分の子じゃないとわかったほうが気が楽かなって思ったんだよね……」

 東条は下唇を噛みながらそう言った。
 私は心の中で、そんな問題じゃない、と、呟いた。きっと東条は、死んだのは専務のガキだから気にすんな、と言いたかったのだろうが、しかしこれはそんな問題ではないのだ。

「でも……専務との関係はもう完全に終わっているはずだから、それは心配しなくていいよ……オレ、あいつから相談受けた時、言ってやったんだ、あいつに。あんなおっさんとは直ぐに別れろ、ってな。不倫なんかやめてさぁ、もっと若くていい男を見つけろってハッパかけてやったよ、そしたら……まぁ……その後すぐにおまえと婚約したわけだけどな……」

 東条は、あたかも私と瑞穂が結婚で来たのは自分のおかげだとでも言いたそうにニヤッと微笑んだ。
 再び私は、そんな問題じゃない、と心の中で呟きながら、瑞穂の事ばかり考えていた。
 一刻も早く瑞穂の所に飛んで行きたかった。瑞穂本人に、その話しが本当なのかどうなのかを問い質したかった。そして、もし流産していなかったら、専務の子供を私の子だと偽って私に育てさせるつもりだったのかと……。

 私は東条に「色々とすまなかった……」と頭を下げると、そのまま歩き出した。
 廊下に出ると、背後から「結婚する前の話しなんだから、あんまり思い詰めるなよ」と言う東条の声が聞こえて来た。
 私は、そんな問題じゃないそんな問題じゃないそんな問題じゃない、と何度も呟きながら一歩一歩病室へと進んだ。そして、病室のドアの前まで来て、ふと、私はピタリと足を止めた。
 サッと振り返ると、歩きかけていた東条が、私に気付いて「ん?」と首を傾げた。

「おまえ……その相談、どこでされたんだ……」

 東条の目が一瞬点になった。

「もしかして……ホテル……か?……」

 私のその言葉とほぼ同時に、東条が廊下に響き渡るくらいの大きな音を立てて息を吸った。
 そしてその息を吐き出すと同時に、「ごめん」と顔を顰めたのだった。

 そんな残酷な事実を二つも知らされた私は、もはや瑞穂の顔を見れなくなっていた。
 そのまま病院の屋上へと走り、暗くなるまでプロミスの黄色い看板を見つめていた。
 専務に抱かれる瑞穂。東条に陵辱される瑞穂。そんな二つの残酷なシーンが交互に頭に浮かび、私は屋上のフェンスにしがみつきながらおもいきり泣いた。
 しかし、腹一杯泣きわめくと妙にスッキリした。そしてプロミスの看板が消える頃には、この件はこのまま知らなかった事にしておこうという結論に達した。
 今更、瑞穂と離婚できるわけがなかった。もはや私には、瑞穂のいない人生なんて考えられないのだ。ならばこのまま知らないふりをしておこう。そんな事実はなかった事にして、このままその忌々しい記憶は綺麗サッパリ消去してしまおう。

(きっと、時が解決してくれるはずだ……)

 そう割り切るなり、何やら清々しい気分に包まれた。
 おかげで流産のショックなどどこかに吹き飛んでしまい、これから瑞穂を一から愛し直そうという意欲が湧いて来た。
 これは、東条が言うように、実に効果的な対症方法だったのかも知れない。
 だから私は、その翌日、瑞穂から「海の見える静かな町で暮らしたい」と言われた時、二つ返事で了承した。まだ関内のマンションには一年しか住んでおらず、そのローンも目ん玉が飛び出るほどに残っていたが、それでも私は素直にそれを受け入れた。
 それは私にとってスタート地点だったからなのだ。

 こうして、私たち夫婦は、新たな町で新たに人生をスタートさせたわけだが、しかし、今になってあの忌々しい記憶が鮮明に甦って来た。
 どう考えても不自然なのだ。昼寝している妻の下着にシミが浮かび上がるほどに濡れているなど、どう考えても不自然なのだ。
 私が帰って来る前、男が来ていたはずだ。こんなに早く私が帰って来るとは思わなかった瑞穂は、きっと男を連れ込んでいたに違いないのだ。
 でなければ、昼寝しているだけであんなにアソコが濡れるはずがない。瑞穂は今、生理前の発情期だ。今の瑞穂は、男とヤリたくてヤリたくて仕方ないはずだ。
 専務か。東条か。それとも、いつも昼時にやって来るあの酒屋の兄ちゃんか。
 私は洗面所の鏡に映る自分に向かって「くそっ!」と吐き捨てると、瑞穂が昼寝している客間へと向かったのだった。

 午後の日差しに照らされながら眠る瑞穂の股は、ひっくり返ったカエルのように開いたままだった。さっきと同じ体勢のまま、何も知らずにスヤスヤと寝息を立てている。
 私は、怒りと興奮に包まれながら瑞穂の股間に手を伸ばした。そして長い脚からスルスルと下着を下ろし、そこに現れた栗毛色の陰毛を見て無性に嫉妬した。
 このふわふわの毛の中に、誰かの薄汚い肉棒が出たり入ったりしていたのかと思うと、目眩を感じるほどに嫉妬し、そして興奮した。
 白い下着を足首から抜き取り、素早くそれを開いてクロッチの裏を見た。
 案の定そこは、普通では考えられないほどの量の液体が、ベットリと付着していた。

 それをまともに見た私は、声に出して「はぁ、はぁ、はぁ」と荒い息を吐いていた。
 裏切られた。またしても瑞穂に裏切られた。そう思いながら太ももの付け根に唇を押し付け、そのままソッと視線を上げた。
 陰毛に囲まれた蜜穴がねっとりと口を開けていた。黒ずんだ花びらが卑猥にテラテラと輝き、あのビラビラが他人の肉棒を包み込んでいたのかと思うと、おもわずペニスを畳に擦り付けていた。

 瑞穂は全く起きる気配がないため、私は両手の指で陰毛を掻き分け、ワレメの上でプクッと膨れている突起物を飛び出させた。肉と肉の皺の間から、木の芽のような突起物を摘まみ上げ、その小さな皮をペロリと捲った。皮の中から出て来た陰核は、犬の勃起したペニスのように痛々しいピンク色に輝いていた。
 瑞穂はここを弄られるのが好きだった。舌で転がされ、唇で吸われ、そして指で乱暴に摘まれるのが大好きだった。
 そこに唾液の匂いが残っていないかを確かめた。しかし、そこに漂っているのは饐えたアンモニアの臭いばかりで、それが唾液の匂いかどうかは区別がつかなかった。

 そのまま左手を尻へと滑らせながら、右手の指を蜜穴に這わせた。そこは、透明の汁がネトネトと糸を引くくらいに濡れており、穴の中にはトロトロの液がたっぷりと溜っていた。
 まさか中出しさせているのでは……と焦りながら更に指を奥に入れて掻き回してみた。
 グチュ、グチュ、と、雨水が入った長靴で歩いているような音が響いた。瑞穂は「んんん……」と唸りながら寝返りを打とうとしたが、しかしまだ完全に眠りの中にいた。
 私は静かに指を引き抜いた。並んだ二本の指がテラテラと輝いていた。ゆっくりとピースサインに開くと、指と指との間に蜘蛛の巣のような糸が引き、すぐにプツンっと千切れて消えた。
 指にねっとりと付着した汁は、透明でかなりの粘着力があった。精液ならば、色は白濁で糸が引くほどの粘着力はない。そう思うと、中出しの心配が少し和らいだ。
 そのまま指の匂いを嗅いでみた。その匂いは、生理が近くなるとムンムンと漂って来る、あのいつもの卑猥な匂いだった。
 見た目も匂いも精液には程遠かった。あとは味を確かめるだけだと、だらりと横たわる両太ももを両手に抱え、赤ちゃんがオムツを取り替えるような体勢にさせた。
 そこに顔を近づけると、栗毛色の陰毛が鼻の穴をくすぐり、濃厚な卑猥臭が鼻孔を襲った。
 私は、この穴の中に他人のペニスが入れられ、尚かつ射精されていたかも知れないのだ、と、一瞬躊躇いながらも、それでもそこに舌を伸ばしたのだった。

 指で皺を広げながらワレメに沿ってベロリと舐めた。舌の上に赤貝の刺身のような食感を感じ、同時に、舌の上でオブラートを溶かしたような粘りを感じた。
 それは、混じりっけなしの愛液だった。念の為、穴の奥まで舌を捻り込み、膣壁の隅々まで舐めてみたが、やはりそれは、味も粘り具合も純正の膣分泌液だった。

(やはりコンドームか……)

 そう推理しながら、更に犬のようにソコを舐めまくっていると、ふと、彼女の手に握られたままの携帯電話が目に飛び込んで来た。

(この携帯の履歴を見れば、浮気していた男がわかる……)

 瑞穂という女は結婚前からそうだったのだ。ラブホで愛し合った後、瑞穂を家に送り届けて車を走らせていると、必ず瑞穂から電話が掛かって来た。別れてからまだ五分も経っていないというのに、「会いたい」と電話してくるのだ。それは、瑞穂の可愛い性癖のひとつなのだ。
 きっと今回もそのパターンに違いないと思った。男がこの家から出て行った後、再びその男に電話し、「会いたいよぅ」などと切ない声で甘えていたのだろう。
 そして瑞穂は電話をしたまま寝てしまった。野比のび太レベルの早業で、携帯を握ったままスッと寝てしまった。だから、この携帯の履歴を見れば、浮気男が誰なのかわかるのだ。
 私は恐る恐る携帯電話に手を伸ばした。携帯を握る指を、一本、また一本とゆっくり剥がし、開いた手の平から携帯電話を摘まみ上げた。
 専務か。東条か。そう緊張しながら携帯を開くと、私がプレステをしている待ち受け画面が現れ、おもわず私は涙ぐんでしまったのだった。

 着信履歴、発信履歴と、共に怪しい番号は見当たらなかった。既に履歴を消してしまった可能性もあるが、しかし、イラクの強烈な催眠ガスを噴射された時のように瞬間的に寝てしまう瑞穂の癖から考えると、その時、履歴を消すほどの余裕があったとは考えられなかった。
 念の為、メールも開いてみたが、やはり受信も送信もそれらしいメールは見当たらなかった。
 となると、瑞穂はどうして携帯を握ったまま寝てしまったのだろうか。
 私は唇を尖らせながら首を傾げ、更に詳しく携帯を探ってみた。

 携帯に残る着信履歴の最後は私だった。それは今朝の七時に、通勤電車の中から掛けたもので、その内容は、「今日の『いいとも』のゲストは役所広司らしいから録画して」という内容だった。
 発信履歴の最後も、やはり私だった。それは、その電話を切った五分後に掛けられたもので、その内容は、「ハードディスクの容量が足りなくて録画できないよ。何か消す?」というものだった。
 因みに、そのとき消去してもらったのは『NHKドキュメント・迫り来る南海地震を徹底検証』という番組で、北米プレートに住む私には関係のないと思い、迷わず消去させた。
 その電話から、既に七時間以上が経過していた。七時間もこうして寝ているとは到底考えられず、その電話の後に寝てしまったという線は消えた。

 ますます謎に包まれた。私は、この『携帯を握ったまま性器を濡らして眠る妻』の謎に首を傾げながら、何気にiモードのボタンを押した。もしかしたら、いつもの楽天ショッピングを眺めながら寝てしまったのかも知れないと思ったからだ。
 iモードを開き、サイトの履歴を開いた。ズラリと並んだサイト名の横には、そのサイトを開いた時刻が記されており、瑞穂が最後に見ていたサイトの時刻が午後二時十五分だった事が判明した。それは私が帰宅する約五分前だった。

(携帯を握りっぱなしで寝てたのは、サイトを見ていたからだったのか……瑞穂はこのサイトを見ている最中に寝てしまったんだな……)

 私は妙な安堵感に包まれながらも、その最後に見ていたというサイトを開いてみた。

『Yahoo!知恵袋』

 それは、私もよく見ているQ&A形式のコミュニティだった。
 馬鹿な主婦が『2才になる子供がタンスの角で頭を打つけ血が止まりません。今はぐったりしてて、ほとんど意識がありません。どうしたらいいですか?』などと本気で質問して来る、ある意味過激なサイトで、とってもリアルな馬鹿が楽しめた。
 先日も、たまたま会社でコレを見ていた私は、勤務中にも関わらず大声を出して笑ってしまった。その質問というのは、『家の風呂が壊れたので銭湯に行こうと思っていますが、銭湯の浴槽にバスロマンを入れたらダメですか?』というもので、何が可笑しかったかというと、その質問者が四十五才の会社員だったという事だった。

 そんなサイトを瑞穂は見ていた。そしてこれを見ている最中に寝てしまった。
 私は、瑞穂がどんな記事を読んでいたのかが気になり、画面を下げた。
 そしてそこに書かれた質問を目にした瞬間、私はクラっと目眩を感じたのだった。

『22才の女子大生です。私は生理が近付くと異常な性欲に襲われ、わけがわからなくなってしまいます。痴漢されたくて、わざとノーパンのミニスカートで満員電車に乗ったり、公園のホームレスのおじさんにおしっこをしている所を見せたりしてしまいます。幸い、親や友達にはバレていませんが、いつかバレてしまいそうで怖いです。でも生理が近付くとどうしても自分を止められません。私は病気なのでしょうか? 病気なら何科に行けば良いのでしょうか? 本当に悩んでいますので真面目な回答をお願いします』

 私はそれを読みながらペニスをシゴいていた。瑞穂の寝顔とその記事を交互に見ながら、我慢汁の卑猥な音を響かせていた。

 その質問も然ることながら回答も過激だった。中でも、同じ性癖を持つという女子高生の回答はとてもショッキングで、私を激しく興奮させた。
 この質問には、そんな卑猥な回答が百件以上も掲載されており、それらは、そこらの官能小説など足下にも及ばないほどのエロさだった。しかも、瑞穂にしてみれば、これらの回答は子宮の疼きを更に高めるものであったに違いないのだ。

 私は、Yahoo!のトップページに戻り、検索履歴を見てみた。瑞穂がいったい何を『検索』してこの記事を見つけたのか、それが知りたかった。

『生理前 欲情 我慢できない』

 最新の検索履歴にはそう記されていた。
 瑞穂は、海の見えるこの明るい家で、こんなに暗い検索をしていたのだ。キラキラと輝く美しい海を眺めながらも、この薄汚れた築八十年の古民家でドロドロとした欲情を胸に秘めていたのだ。

 検索の結果、瑞穂は『Yahoo!知恵袋』にある変態女子大生の記事に辿り着いた。それを爽やかな秋風が注ぎ込むこの客間の縁側で読み耽り、その質問者や回答者に感情移入しながら陰部を濡らした。そして、モヤモヤした気分のまま寝てしまったのだ。

『我慢できない』

 その言葉が頭から離れなかった。その検索の言葉は、きっと瑞穂の心の叫びだったに違いない。
 私は携帯電話を閉じると、瑞穂の小さな手の平に携帯電話をソッと戻した。
 そして、瑞穂の細い体を優しく抱きしめると、「もう我慢しなくてもいいんだよ……」と耳元に囁きながら真っ白な太ももを両腕に抱えた。
 はち切れんばかりに勃起しているペニスを蜜穴の中にヌルリと挿入した。穴の中はドロドロに濡れながらもコリッとしていた。私の凸と瑞穂の凹はぴったりサイズだったため、私のペニスはコリコリとした肉の感触に包まれた。

「あぁぁ……瑞穂……」

 そう唸りながら腰の動きを速めた。瑞穂の体がユサユサと揺れる度に、私の膝が畳に擦り付けられ、カサカサという陰湿な音が客間に響いた。
 季節外れの風鈴の音色が、長い間放置されたままの中庭に流れた。クロマツに隠れていたスズメが小さな羽を音立てながら飛び立ち、すぐ横を通り過ぎて行く江の電の振動が、築八十年の古民家を微かに揺らした。

(この変態女は我慢できなかったんだ……ペニスが欲しくて欲しくて我慢できなかったんだ……きっと今なら、私じゃなくても股を開くだろう……黒光りする肉棒さえあれば相手が誰であろうと股を開くはずだ……)

 私は、専務の股間に顔を埋めている瑞穂の姿を思い浮かべた。大きなペニスをジュポジュポと音を立てながらしゃぶり、ワレメから汁が垂れるくらいに欲情している瑞穂の姿を妄想した。

「はあはあ……専務に中出しされたのか……はあはあ……オマンコの中に専務の汁をたっぷりと注入してもらったのか……」

 そう囁きながら、瑞穂の膣壁に亀頭を擦り付けた。
 そして、瑞穂の尻と畳の間に手を入れ、尻の谷間の肛門を弄りながら、東条に陵辱される瑞穂の姿を思い浮かべた。

「はあはあ……あいつはココをヤらせろと言っただろ……あいつは縄で縛った女にアナルセックスするのが趣味なんだ……はあはあ……肛門をヤらせたんだろ……気持ち良かったか……はあはあ……」

 そう囁きながら肛門を弄っていた指の匂いを嗅いだ。指の先には、ほのかに饐えた匂いが漂い、私は迷わずその指を舐めた。

 瑞穂の両脚を両腕にがっつり抱え、これでもかと言うくらいに股を開かせて腰を振りまくった。中から溢れ出る汁がなんとも卑猥な音を奏でた。コリコリとした膣の感触がペニスを締め付け、私は気が触れたかのように下唇を必死に噛みながら、さぁイクぞ、と腰の動きを更に早めた。
 ビュッと精液が飛び出すと同時に、私は波打つ巨乳に顔を埋めた。
 甘い匂いに包まれながら快楽に身悶えていると、ホームレスの親父に強姦されながら悦んでいる瑞穂の姿が浮かんだ。そして、大勢の痴漢に電車の中で陵辱されながら、それでも潮を噴いている瑞穂の姿が浮かんだ。
 そんな妄想と共に、私の精液はみるみる瑞穂の穴の中に吸い込まれていったのだった。

 夕暮れの海を眺めながら、私はたっぷりの湯に肩まで浸かっていた。
 この家の最も嬉しい所は、浴室の窓を開けると海が一望できる事だった。
 夕日に染まりながらギラギラと輝く真っ赤な海と、爽やかな潮風。それはまるで海沿いの露天風呂に入っているような心地良さだった。

 風呂から上がると、裸のまま薄暗い廊下を進んだ。汗ばんだ肩からぽかぽかと湯気が上がり、ほんのりとカビ臭い廊下にソフレの甘い香りが漂った。
 客間を覗いた。電気を点けていない日本間はどんよりと薄暗く、開けっ放しの窓から見える古い中庭が真っ赤な夕日に染まっていた。
 そんな客間の窓際で、服を乱したまま畳に横たわる瑞穂は、まるで江戸川乱歩の小説に出てきそうなエロ怖い雰囲気を漂わせていた。

「おい。瑞穂。いつまで寝てるんだよ」

 黄ばんだ襖に寄りかかりながらそう声を掛けると、瑞穂の体が微かに反応した。

「おい! 起きろ!」

 そう声を荒げると、突然、瑞穂の目がハッと開き、びっくりしたような目で天井を見つめながら「うそ!」と叫んだ。

「嘘じゃないよ、何時だと思ってんだよ……早くメシにしてくれよ、もう腹が減って死にそうだよ」

 瑞穂は古畳をガサガサっと鳴らしながら慌てて起き上がった。
 私を見つめ、ゆっくりと部屋を見回し、そこで初めて頬に滴る涎を手の平で拭い取った。

「あなた、いつの間に帰って来たの……」

 瑞穂は、風呂上がりの私を不思議そうに眺めながら呟いた。
 そんな瑞穂の膣の中には、私の精液がタプタプと溜っている。それを思うと、私のペニスはムクムクと頭を持ち上げて来た。

「うん……今日、たまたま取引先の会社が臨時休業になっちゃってね……それで早く帰って来れたんだよ……」

 私はそう言いながら、寄りかかっていた襖の影から出た。
 全裸の体は、中庭から洩れる夕日で真っ赤に染まっていた。ヒクッ、ヒクッ、と小刻みに膨らむペニスも真っ赤に染まっていた。
 私は、そんなペニスをわざと強調しながら客間に入り、畳の上でベタリと座っている瑞穂の前に立った。
 瑞穂の目が一瞬ギラリと輝いた気がした。
 私はわざとらしく背伸びをした。
 瑞穂の鼻先で私のペニスがビンビンに勃起していた。

(我慢しなくてもいいよ……)

 そう心の中で囁きながら中庭を眺めていると、瑞穂の両手が私の尻を優しく抱いた。
 ねっとりとした舌の感触が亀頭を包み込み、それを銜えながら「んんん……」と唸る瑞穂の声が、肉棒全体に振動を与えた。
 ぷちゃ、ぷちゃ、ぴちゃ、ぷちゃ……
 夕日に包まれた古民家に卑猥な音が響いた。

 肉棒を銜える瑞穂の髪を優しく撫でた。
 そして、「ヤリたいのかい?」と瑞穂の顔を覗き込むと、築八十年の古民家の裏を江の電が通り過ぎて行った。

(妻の昼寝・完)



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