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女子高生に小便

《解説》
夜の駅前の公園でポツンと佇む女子高生。
そんな女子高生に忍び寄る中年男。
二人はそのまま公衆便所の男子トイレに消えて行った。




 その少女を初めて見たのは、常盤台駅の前にあるタクシー乗り場だった。時刻は十一時を少し過ぎた頃だったろうか、誰もいないタクシー乗り場でタクシーを待っていると、駅前ロータリーの中心にある小公園のベンチに、制服を着た少女がポツンと座っているのが見えた。

 少女は何をするわけでもなく、ただぼんやりとベンチに座りながら自分の靴を見つめていた。きっと塾帰りで、車で迎えに来てくれる親を待っているのだろうと思いながら何気に少女を見ていると、不意に、少女が座っているベンチの横に中年のサラリーマンが腰を下ろした。

 中年男は少女に何かを囁いていた。少女は伸ばした両足をブラブラと揺らしながら、黙って自分の靴の先を見つめていた。しばらくすると、二人は同時にベンチを立ち上がった。そして私のいるタクシー乗り場に向かって歩いて来ると、なんと、歩道の脇にある公衆便所の男子トイレの中に、二人で入って行ったのだった。

 私は呆然と男子トイレの入口を見つめながら、嘘だろ、っと呟いた。そして、慌てて男子トイレの入口まで早足で行くと、アンモニア臭がムンムンと溢れるトイレの中をソッと覗いてみた。

 トイレには冷たい小便器が冷たく並んでいるだけだった。恐らく二人は二つあるうちのどちらかの個室にシケ込んだのだろうと、蜘蛛の巣だらけの天井を見つめながら唾を飲んだ。

 女子高生の援交というものが巷では当たり前になってきている昨今だったが、しかし、まさか自分がその瞬間を目の当たりにするとは思いもよらなかった。しかも、こんな街の真ん中で。

 あの個室の中では、いったいどれほどの公序良俗に反した行為が繰り広げられているのだろうと興味が湧いた私は、男子トイレの中へと足を忍ばせた。

 奥の個室の扉が閉まっていた。私はもうひとつの個室に忍び込んだ。音を立てないように個室の扉を閉めると、そこで初めてその個室の便器の水が流されていない事に気が付いた。

 和式便器には茶色い汚物と、それを拭きとった紙が便器の底の水の中で溶けていた。音を立てないようにしていた私はそれを流す事もできず、必死に鼻を摘みながら隣りの物音に耳を澄ました。

「絶対に触っちゃダメだよ」という少女の声が聞こえ、「わかってるから早く股を開けよ」という中年男の震える声が聞こえてきた。衣類が擦れるガサゴソという音が響くと、同時に、ベルトを外す金具の音がカチャカチャと響いてきた。ふと見ると、落書きだらけの壁の下の方に釘を引き抜いたような小さな穴がポツンと空いていた。

 激しい動悸が私の体の中でドクドクと響いていた。込み上げて来る熱い息を必死に堪えながら小さな穴を覗いた。制服を着たままの少女が和式便器を反対向きにしゃがんでいた。私に向かって股を開いている為、M字に開く少女の股がハッキリと見えた。

 それは異様な光景だった。

 汚れたタイル床に身体を押し付けながら少女の股を覗いている中年男は、真っ黒なペニスをシコシコとシゴいていた。少女は表情ひとつ変えないまま、そんな中年男のハゲ頭をジッと見下ろしていた。

 中年男のハゲ頭越しに少女の陰部が見えた。無毛のワレメがねっとりと口を開き、その奥では、まるで子猫の舌のようなピンク色の生肉が、粘着を帯びながらテラテラと輝いていた。

「舐めさせてくれよ……」

 そう唸りながら中年男がそこに顔を近づけると、途端に少女は「ダメ」と言いながら股を閉じた。

「わかったよ、わかったから、股を開けよ」

 中年男は不服そうにそう言うと、再び開かれた股にギリギリまで顔を近づけながら、更に激しくペニスをシゴいた。

「おじさん、おしっこするとこ見たい?」

 少女がそう言うと、中年男の不貞腐れた表情が一瞬にして明るくなった。

「いいのか?」

「いいよ。でも、おじさんにかかっちゃうかも知れないよ」

 少女は白い八重歯を剥き出してクスッと笑った。

「ああ、いいとも、顔でもどこでも遠慮なくぶっかけてくれ」

 中年男が恍惚とした笑みを浮かべながらウミガメのようにヌッと顔を突き出すと、少女は細い指をワレメに沿わせながら、「どうせなら、おちんちんにかけてあげよっか?」と笑った。そんな少女の笑みも恍惚としていたのだった。

 全裸になった中年男は、床の和式便器の上に仰向けになって寝転んだ。人間便器と化した中年男の顔を少女が跨いだ。そしてそのままゆっくりとしゃがんでいくと、中年男は迫ってきたワレメや肛門をまるで犬のようにクンクンと鼻を鳴らしながら嗅ぎまくっていた。

 少女はしゃがんだままジリジリと移動すると、中年男の腹の辺りで止まった。今まで邪魔をしていた中年男のハゲ頭が消えたため、しゃがんだ少女の陰部は丸見えだった。

 女子高生の性器を生で見るのは初めてだった。ベロリと垂れた小陰唇の縁は、まるで焦げたカルビのように黒ずんでおり、これは相当使いこなしている性器だと思った。

 そんな少女の性器は明らかに濡れていた。すると少女はとんでもない行動に出た。なんと少女は、マニキュアを施した細い指をワレメに這わせ、クチュクチュと小さな音を立てながらワレメの中を掻き回し始めたのだ。

 女子高生の変態オナニーを間近で見せつけられては、もはや我慢できなかった。私はズボンのボタンをそっと外すと、飛び出したペニスを音も立てずにシゴいた。

「おじさん。イキそうになったら教えてね……射精するおちんちんにおしっこを掛けてあげるから……」

 少女はそう笑いながら、すぐ目の前でシコシコと上下に動いているペニスに開いたワレメの入口を向けた。

「あぁぁぁ、もう無理だ、もうイキそうだよ、出るよ,出るよ」

 中年男は靴底をガコガコと壁にぶつけながら両足を痙攣させると、いきなり「うっ!」と唸り声をあげ、ブリッヂするかのようにして腰を突き上げた。

 少女はワレメの中からヌポッと指を抜いた。黄色いマニキュアが施された爪先には透明の汁が糸を引いていた。少女はそのヌルヌルの指をクリトリスに這わせると、まるでゲームのコントローラーを連打するかのように激しく指を動かした。そして「あんっ」と可愛い声を個室に響かせると、開いたワレメの奥からシュッと音を立てて小便を噴き出したのだった。

 一直線に噴き出した少女の小便は、見事なまでに中年男のペニスに直撃していた。小便をぶっかけられながらシゴかれるペニスは、ぐじゅぐじゅぐじゅっと不気味な音を立てていた。中年男はその生温かい洗礼を受けながら「おぉぉぉぉぉぉ」と深く唸ると、真っ黒なペニスの先から真っ白な精液をびゅっびゅっと何度も飛ばした。

 少女の黄色い小便と、中年男の濃厚な精液が、中年男の腹の上で混じり合っていた。それを見下ろしながらクリトリスを弄っていた少女は、いきなり股をキュッと閉じた。少女の顔が一瞬にして真っ赤に火照った。少女は中年男に知られたくないのか、必死に声を押し殺しながら小さな肩をプルプルと震わせていた。

 そんな少女の密かな絶頂を見ながら、私も精液を飛ばした。落書きだらけの壁に私の精液がバタバタと飛び掛かった。

 その音に気付いた少女が慌てて壁を見上げたが、しかし、迫り来る絶頂感には耐えられなかったらしく、またすぐに目を半開きにさせながら唇を恍惚に歪ませたのだった。


              ※


 二人が個室から出て来る前に、私は急いで個室を飛び出した。公衆便所の前にあるタクシー乗り場には、終電から溢れ出てきたサラリーマン達がずらりと列をなしていた。

 私は何食わぬ顔でその列に加わり、そっと公衆便所の入口を見ていた。

 最初に出てきたのは中年男だった。コソコソしながら出て来た中年男は、そのまま駅に向かって早々と消えて行った。私はそんな中年男の後ろ姿に振り向きながら、まさかあの中年男が今まで女子高生の人間便器していたとは誰も思わないだろうと、中年男のズボンの尻にじっとりと浮かんでいるシミを見つめて笑った。

 しばらくすると少女が出てきた。少女は携帯をカチカチと弄りながら普通に出てきた。それはあまりにも堂々としていたため、そこに並ぶ人々は、少女が男子トイレから出てきた事すら気付いていなかった。

 少女は、中年男とは反対方向の歩道をとぼとぼと歩き出した。そんな少女の黒いニーソックスを見つめながら、あの中年男はいったいいくら支払ったんだろうと思った。

 私は頭の中で財布の中を数えた。
 恐らく、一万八千円くらいはあるはずだった。

 すぐ目の前のサラリーマンがタクシーに乗込んだ。次のタクシーが私の目の前に止まり、カチャッと無言でドアを開いた。私は、すかさず後の人に「お先にどうぞ」と言うと、そのまま少女が消えて行った歩道に向かって歩き出した。

 白木屋の赤い看板が爛々と輝いていた。その前の横断歩道を渡る少女は、そのまま正面のマクドナルドへと消えて行った。

「女子高生に小便を掛けられながら射精できるなんて、まるで夢のようじゃないか……」

 私はそう呟きながらマクドナルドに向かって走り出したのだった。


(おわり)

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