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寝取られし者4

2013/05/30 Thu 15:24

寝取られし者1





 そのラブホテルは、駅裏の鄙びたビジネスホテル群に紛れ込むようにして佇んでいた。しかしそこは普通のラブホテルとは雰囲気が違い、その薄暗いホテルのフロントには、紫煙をくゆらせながら客待ちをする商売女たちが、まるで獲物を狙う獣の如く、目をギラギラさせながら身を潜めていたのだった。

 部屋は四〇二号室だった。窓ひとつ無く、要塞のように閉め切った部屋は、畳の和室とベッドが置いてある洋室が二間続きになっていた。
 そんな洋室のベッドの上に妻は寝かされていた。

 妻の横に座る牧田さんが、キャミソールからはみ出た大きな胸をいやらしく揉み、そして茶色い乳首を指先でコロコロと転がしていた。
 それを和室の畳に座りながら見ていた私と信吾君は、まるで、田舎の温泉街のストリップ小屋で、本番マナ板ショーはまだかとステージを見つめている観客のようだった。

「この変態女、とうとう寝ちゃったよ……」

 スースーと寝息を立てる妻の顔を覗き込みながら、牧田さんは静かに呟き、そのままベッドを下りた。
 そしてそのまま和室にいた私達の前にゆっくりとしゃがむと、突然、握り拳を突き出し、「ジャンケンで決めよっか」と、卑猥な笑顔で笑ったのだった。

 絶体絶命とはまさにこの事だった。
 妻がこのまま寝続ければ、もはや彼らにコンドームを付けさせる事は不可能に近く、となれば、この流れからして、当然、中出しという最悪な結果になる事は火を見るよりも明らかだった。

 この絶望的な状況を何とかしなければと焦る中、無情にもジャンケンが始まった。
 私は慌ててそのジャンケンを止め、「これはちょっとマズいですよ」と二人の顔を交互に見つめながら言った。
 すかさず牧田さんが「何がマズいんだよ」と私の顔を睨んだ。

「だって、この人、意識不明なんですよ……この状態でヤっちゃったら、後でレイプされたとかって訴えられたりするかも知れませんよ……だから、取りあえず、この人、起こしましょうよ」

 私は、とにかく妻の目を覚まさす事が先決だと思い、そう提案した。妻が目さえ覚ませてくれれば、あとは何らかの方法でコンドームの合図をすればいいと思ったのだ。
 しかし、そんな私を二匹の野獣は冷ややかに笑った。
「目を覚まして、この女の気が変わってたらどうすんだよ」と、牧田さんは笑い、信吾君などは、「あのエロ動画とかによくある『泥酔女レイプ』っての? あれ、一度でいいからヤってみたかったんですよね」などと言い出す始末だった。

 結局、そんな二人に押されて、無情なジャンケンが再開された。
 それならば自分が勝つしかない、勝って一番に妻を抱き、そこで妻を叩き起こしてやればいいんだ、と、気合いを入れてグーを出した私だったが、しかし、二匹の獣は、まるで申し合わせたかのように、揃ってパーを出していた。
 これで、私の絶望は確定となったのだった。

 そんなジャンケンで一番槍を手に入れたのは牧田さんだった。
 牧田さんは銜え煙草のまま服を脱ぎ出し、「素人女は久しぶりだわ」などと笑いながら、私の目の前に鋼のような黒ペニスを突き出した。
 ガチガチに勃起しているその巨大な亀頭の回りには、カピカピに乾いた恥垢が無数に付着していた。こんなペニスを入れられながら悶え狂っている妻を、私は今まで、何度想像してはオナニーした事だろうか。
 が、しかし、妻が意識不明の状態では、そんな悶えるシーンを見る事はできそうになかった。
 残念で仕方なかったが、しかし、今はそれどころではなかった。
 勃起したペニスを、これみよがしにシゴキながら笑っている牧田さんは、既に生のペニスを入れるつもりなのだ。

 このままでは中出しは確定だった。それに、牧田さんはそこらじゅうの汚い商売女とヤリまくっており、いったいどれほどの危険な性病を持っているかわからないのである。
 焦った私は、ベッドに向かおうとする牧田さんを慌てて呼び止めた。

「ゴム、付けた方がいいと思いますよ、もしかしたら怖い病気を持ってるかもしれませんからね」

 私はそう言いながら、急いでベッドの枕元にひとつだけ置いてあったコンドームを手にすると、それを牧田さんの前でピリリッと破いた。
 すると牧田さんは、そんな私をゆっくりと見下ろしながら静かな口調で言った。

「俺、この世の中で嫌いなものは、焼肉屋のベタベタごはんとコンドームなんだよね」

 牧田さんは、巨大なペニスをビンビンと跳ね上げながらニヤニヤと笑った。
 そんな牧田さんを見上げながら、ヌルヌルのコンドームをつまんだまま呆然としていた私の横を、信吾君が素早く横切った。

「病気持ちかどうか、僕が調べてあげますよ」

 信吾君はニヤニヤと笑いながらベッドに腰を下ろすと、横でぐったりと寝ている妻のスカートの中に手を突っ込み、そのままスルスルとパンティーを下ろし始めた。

「うわぁ……こりゃスゲエや……」

 ギラギラと目を輝かせながら妻の陰部を覗き込む信吾君は、ネトネトに濡れたパンティーのクロッチを指でクチャクチャと音立てながら、「これは『淫乱』という病気ですね」と戯けた。

「えっ? もうそんなに濡れてんのか?」

 信吾君が喫茶店のトイレで妻のアソコを弄っていた事を知らない牧田さんが、嬉しそうに笑いながらドタドタとベッドに向かった。

「濡れてるなんてもんじゃないっすよ、ほら、こうすると、オマンコがぷちゅぷちゅ言ってるでしょ」

 信吾君は、人差し指をワレメに這わせながらピタピタといやらしい音を鳴らした。
 二匹の獣が、愛する妻の陰部を覗き込んでいた。今まで、かろうじて私だけのモノだったソコが、今は欲望を剥き出しにした二匹の獣のモノとなっていた。
 この卑猥な現実に、私は興奮せずにはいられなかった。確かに、コンドームの問題も中出しの問題も早期解決を迫られていたが、しかし、この凄まじい興奮に襲われた今、私の思考回路は完全に狂ってしまっていたのだった。

 信吾君が妻の両脚を持ち上げながら、くにゃりと歪んでいたワレメをペロリと開いた。
 まるで大トロのようなピンクの生肉が私の目に飛び込んで来た。
 信吾君はそこに顔を近づけながらクンクンと鼻を鳴らし、「ちょっとイカ臭いけど、病気のニオイではなさそうですね」と戯けて言った。
 すると牧田さんが「エイズだろうと淋病だろうと俺にゃ関係ねぇし」と吐き捨てながら、妻の股の中に踞る信吾君を押し退け、トロトロの蜜がテラテラと輝いているワレメの生肉をペロリと舐めた。

「しょっぺぇなぁ……カタギの味って感じがするぜ……」

 ハァハァと荒い息を吐きながらそう呟く牧田さんは、M字に股を開いていた妻の太ももの裏を両手で支えると、まるで赤ちゃんがオムツを取り替えるような、卑猥な格好にした。
 そして、妻の陰毛の中に顔を埋めながら、ぶちゅべちょぶちゅべちょと下品な音を立てては妻の膣を猛然と舐めまくり、右手で自分のペニスを激しくシゴき始めたのだった。

 牧田さんの荒々しい舌が妻の肛門へと滑り落ちていくのを見ながら、私はおもわず硬くなった自分の股間を握り締めていた。
 妻の股間に顔を埋める牧田さんの隣りでは、信吾君が目をギラギラと輝かせながら妻の衣類を剥いでいた。そして全裸にされた妻の左手首を掴むと、力の抜けた妻の手に自分のペニスを握らせ、ニヤニヤと笑いながら妻の手首を上下に動かし始めた。

 そんな部屋には異様な空気が漂っていた。
 全裸にされた妻に二匹の獣が群がり、それを目の当たりにしながら密かにペニスをシゴく夫。
 この異様な光景は、まさに私がいつもネットで見ていた『寝取られ動画』のワンシーンのようだった。

「ほら見て、凄い弾力性ですよこの乳。尻も乳もムチムチしてますよ、ホントいやらしい奥さんですよ」

 信吾君は私にそう笑いながら、「一緒に触りませんか?」と言った。
 その女のムチムチ感を一番良く知っているのは、何を隠そうこの私だった。
 私は妻のムチムチした感触を掌に思い出しながらベッドの脇にしゃがんだ。ソッと妻の胸に手を伸ばし、それを優しく揉みながら、「本当ですね……」と、驚いたふりをした。

 妻の胸を他人行儀に揉みながら、大きく開かされた股を横目で見た。
 濡れた陰毛をジョリジョリと音立てながら、牧田さんがそこに顔面を擦り付けていた。
 上下に揺れる牧田さんの口からはピーンッと伸びた舌が肉の塊と化し、それがまるでペニスのように、妻の膣の中を出たり入ったりしていた。
 そんな卑猥な舐められ方をしている妻を至近距離で見てしまった私は、強烈なめまいを感じながら、おもわず床に尻餅を付いてしまった。
 すると、私が床にへたるのと入れ違いに、牧田さんが勢いよく立ち上がった。

「あぁ、もう我慢できねぇ、ぶっ込んでやる」

 そう呟きながら、牧田さんはシコシコとシゴく手をペニスから離した。ビヨヨヨンっとバウンドしながら解放されたそのペニスは、以前、社員旅行で三重に行った際、面白半分で立ち寄った『国際秘宝館』で見せられた種馬のペニスのようだった。

(妻が汚される! 住所不定の無職男に生で犯され、そして薄汚い精液を注入される!)

 愕然とする私は、妻の陰毛を掻き分ける獰猛なペニスを目の当りにしながら頭の中でそう叫んだ。
 強烈な怒りと嫉妬と恐怖が襲いかかり、その後から不思議な性的興奮がジワリジワリと全身を包み込んで行った。
 ミカンほどもある亀頭が、ベロリと開いた妻のワレメに押し当たった。
 こんなモノが入るわけがない、と思いながら唇を震わせていると、その大きな亀頭は、妻のワレメから溢れ出る潤滑油にヌルヌルとまみれながら、その身を穴の中へと沈み込ませて行ったのだった。

 とうとう生で入れられてしまった。
 しかし、そのショックよりも、こんなに大きなモノが妻のアソコにすんなり入ったというショックの方が大きかった。
 ヌルヌルヌルっと肉棒が根元まで突き刺さると、さすがに妻が声を発した。
 意識が朦朧としている妻は「んんんん……」と呻きながらも、必死に寝返りを打とうとしていた。

 これだけ巨大な異物を入れられても目を覚まさない所を見ると、余程、さっきのウィスキーは効いたのであろう。
 私は、あの廃墟のビルの暗闇で、妻にウィスキーを飲ませた事を激しく悔みながらも、その半面、今度からは妻とセックスをする際にはウィスキーを飲ませる事にしようなどと、不謹慎な事を考えていた。

「どう? 気持ちいいですか?」

 信吾君は、妻にペニスを握らせながら、腰を振る牧田さんに聞いた。

「最高だ。こいつ、ヤリマンのくせに、オマンコは処女みてぇにキュンキュンと締るよ……」

 ギシギシとベッドを軋ませる牧田さんは、苦しそうに顔を顰めながらそう答えた。
 私はそんな牧田さんの言葉を聞きながらも、確かに、妻のアソコは、この何十年間、私のお粗末なペニスしか入っていなかったからシマリ具合は格別だろうと思った。
 そう考えると、いきなり他人に大切な宝物が破壊されたような感じがして、激しい怒りが込み上げて来たが、しかし、それもこれも私自身が望んでいた事なんだと、私は唇を噛み締めながらその怒りに耐えた。

「まだですか、早く交代して下さいよ」

 信吾君は、上下に動く妻の手を早めながら牧田さんを急かした。

「待てよ、そう慌てるなって、時間はたっぷりあるんだから……」

 牧田さんはそう微笑みながら私を見つめ、気が狂いそうなほどに興奮している私に向かって「なっ」と同意を求めた。

 私がそれに答えないでいると、不意に牧田さんの鼻息が荒くなって来た。それはまるでマラソンでラストスパートをかけた時のような、荒々しい呼吸だ。

「すげぇよ……ギュンギュンと締め付けて来るよ……亀頭にザラザラした肉が吸い付いて……あああああ、イキそうだ、あああああ……もう無理だ」

 そんな牧田さんの呻き声に、私の恐怖はマックスに達した。

「中出しはマズいですよ牧田さん!」

 思わずそう叫んだ瞬間、牧田さんの表情が一瞬にして赤くなった。
「ふうっ!」と大きく息を吐いた牧田さんは、身体をピーンッと硬くさせながら、そのまま妻の細い体をがっつりと抱きしめた。

(ああああ……中出しされてしまった……)

 愕然とする私に、牧田さんはフゥーフゥーと荒い息を吐きながら、「すげぇ気持ちいい……」と吐き捨てた。
 精液がトクトクと注入される結合部分を、信吾君が目をギラギラさせながら覗き込んでいた。
 ありとあらゆる感情が入り乱れた私は、そんな三人を愕然と見つめながら今にも失神しそうになっていた。

 牧田さんの身体がゴム人形のように萎れて行くに連れて、牧田さんの表情はだらしなく蕩けていった。
 カクカクと動いていたその腰がみるみるとスピードを弱め、今までギシギシと軋んでいたベッドの揺れがフェードアウトして行った。

 犯される妻は、まだ眠ったままだった。

(五話に続く)

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