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みんなのおもちゃ4

2012/11/17 Sat 04:25

みんなのおもちゃ3



男は妙に冷静だった。
剥き出しにされた膣からは異様な異物が顔を出しているというのに、それでも男はそれがさも当然であるかのように平然としながらマッサージを続けていた。
そんな男の冷たい態度が、逆に私の異常性欲を更にくすぐった。

私は男の視線を気にしながら自分の股間に恐る恐る手を伸ばした。
太ももの内側を揉んでいた男の動きがピタリと止まった。
陰毛を掻き分け、その下にあるクレパスに中指をソッと這わせた。
ディルドが埋め込まれたクレパスは、まるで石焼き芋を頬張った唇のように広がり、左右の襞(ひだ)がディルドの筒に絡み付いていた。

そんな陰部を盲目のように指先で確認しながら、今、この卑猥に変形した陰部を赤の他人に見られているんだと実感すると、恥ずかしさのあまりおもわず泣き出しそうになった。
しかし、そんな羞恥心に襲われながらも、私は確実に快楽を感じていた。

見ないで。見て。見ないで。見て。
そんな複雑な感情を繰り返しながら、私は恐る恐るディルドの筒を摘んだ。
それは、私だけでなく、この男も、そしてテレビ電話で見ている課長もそれを望んでいるはずだった。

ディルドをゆっくりと引くと、男が私の顔をソッと見た。
膣から抜かれるディルドは、ペティペティペティと湿った音を響かせた。
その音を聞きながら私の顔を見ていた男は、下品な笑顔を浮かべていた。
恥ずかしくて死にそうになった私は慌てて枕に顔を押し付けた。

ディルドが抜かれると、ポッカリと開いた膣からヌメリのある汁が肛門へとトロリと垂れた。
男に見られながら再びディルドを差し込んだ。しわくちゃのコンドームが再びペティペティペティと音を立て、小さな膣穴にいっぱいの異物感が広がった。

他人の前で出し入れされるディルドを、課長は今、どんな気持ちで見ているのかと思うと、私の中で悲しみと性的興奮が入り乱れた。
悲しみは思考を襲い、性的興奮は体を襲った。
複雑な快楽だった。しかし、マゾヒズムな私には、この複雑な快楽が堪らなかった。

「恥骨筋と膣筋ってね、実は繋がってるんですよ……」

突然男がそう呟いた。
私は枕に顔を押し付けたまま黙っていた。

「激しいセックスをした後や出産後なんかは膣筋がすごく疲れますから、この恥骨筋まで影響しちゃうんですよね……」

男は再び股関節の筋をグリグリし始めた。

「特に、こういった固いモノで膣筋を刺激するのは良くないですね。もう少しソフトなモノで優しく膣筋を解してやったほうが……」

そう言いながら、男はいきなり私の指からディルドを奪った。
膣からディルドをヌポッと抜き、そしてそれを畳の上にゴロリと転がすと、開いたままのワレメに静かに指を這わせ、「膣筋を解すには指が一番ですよ」とヌルヌルになった襞(ひだ)を左右に開いたのだった。

男のゴツゴツとした指がゆっくり進入して来た。
おもわず腰が浮き、私は逆海老に身を反らしながら、腹の底から熱い息を吐いた。
この姿を課長に見られていると思うと、気が狂いそうなほどに気持ち良くなり、声を出さずにはいられなかった。

初めは一本の指が膣の内部でグニグニと蠢いているだけだったが、しかし次第にその指は二本、三本と増えていき、緩いピストンをし始めた。
指が出たり入ったりと繰り返す度に、ブチョッ、ブチョッ、と卑猥な音が部屋に谺した。

私はその音を聞きながら狂ったように喘ぎ始めた。
すると男もそれに挑発されたのか、私の両脚をこれでもかというくらいに大きく広げ、指がピストンする結合部分を間近に覗き込んだ。
そしてもう片方の手でクリトリスを転がしながら、「イキそうだったら、遠慮なくイッて下さいね」と囁き、私の太ももの裏に熱い息を吐き掛けたのだった。

「あんたみたいな客、結構いるんだよね。浴衣にノーパンでマッサージされて夫婦揃って興奮してるドスケベ。どうしたの? 欲求不満なの? それとも変態なの?」

男はそうブツブツと呟きながら私の膣を指でほじりまくった。
三本の指を根元まで押し込み、手首を左右に振りながらクタクタクタっと言う音を立てて笑っていた。

「いやっ!」

小さく叫びながら腰を捻ると、男は凄い力で私の下半身を押さえ込んだ。

「何が嫌なんだよ、あんたが誘ったんだろ、オマンコにオモチャなんか仕込んでよ、この変態が」

男は真っ赤な舌をピーンッと伸ばしながら股間に顔を埋めると、舌先でクリトリスを転がした。
脳に電流が走り、無意識に膝が伸びた。
「あっ! あっ! あっ!」と喉を引き攣らせながら、伸ばした足をヒクヒクと痙攣させていると、男はその仕草に興奮したのか、いきなり膣に吸い付き、そのドロドロに濡れた指でズボンのファスナーをギギギッと開けた。

「……これが……欲しかったんだろ……」

股間でブチョブチョと卑猥な音を立てながら男が唸った。
男は真っ黒な肉棒を指先に摘みながら、それを私の目の前でビタビタと振った。
太さ長さは普通サイズだったが異様に黒かった。まるで備長炭のように黒く、亀頭だけがイチゴのように赤かった。
鼻先に亀頭を突き付けられると、プーンっと饐えた匂いが漂って来た。
その匂いが男のペニスなのか、それとも私の膣をほじっていた指の匂いなのかが気になった。

「触ってもいいんだぜ。舐めたかったら舐めたっていいんだぜ……これが欲しかったんだろ……」

男はそう唸りながら、私の汁でドロドロに濡れた指でペニスをシゴいた。
私の膣から溢れ出した白濁の汁が潤滑油となり、ペニスを這う指はスムーズに上下した。
それを目の前で繰り返される私は、もはや悲鳴に近い喘ぎ声を張り上げていた。

私は布団の上で狂ったように喘ぎながら、テーブルの上の携帯を見つめた。
今、課長はどんな風にこのシーンを見ているんだろう。
この男のようにペニスをシゴキながら見てくれているのだろうか。
そう考えていると、不意に課長のペニスが頭に浮かんだ。
M字に股を広げ、「肛門を舐めてくれ」、と自分でペニスをシゴキながら悶える課長の切ない顔が、鮮明に頭に浮かんで来た。
その瞬間、私は男のペニスにむしゃぶりついていたのだった。

男のペニスは水を得た魚のように私の口内で暴れ回った。
今まで中年男のペニスばかり銜えさせられていた私は、この乱暴で獰猛な生き物に恐怖と期待を感じた。

「あぁぁすげぇ……おおぉすげぇ……」

男は膣を指で掻き回しながら、ペニスを銜える私の顔を覗き込んでいた。
男の視線を感じながら喉の奥までペニスを呑み込んだ。そして根元を指でシゴキながらもう片方の手でズボンを下ろし、そこにぶら下がる睾丸を掌で転がした。

感じ始めた男の指は、まるで私の膣を破壊するかのように激しく動き出した。
乱暴にされたとたん、絶頂の兆しがムラムラと沸き上がって来た。
私は、見ず知らずの他人にイカされる瞬間を課長に見て貰おうと、腰をズリズリと移動させながら携帯に向けて股を大きく開いた。

見て。課長。見て。私、知らない人の指でイキます。イっちゃいます…………あっ!

電気ショックを受けた遺体のように全身がビクンっと跳ね上がると、いきなりビュッと尿が飛び出した。
そのままピーンッと体を伸ばして行くと、強烈な痺れが全身を駆け抜け、麻薬のような高揚感が脳味噌に浸透していった。

朦朧とする意識の中、突然、島尻部長の言葉が甦った。

『あいつはね、キミが俺や専務にヤられているシーンをいつもテレビ電話で見ながらシコシコとオナニーしてたんだよ。実に気持ち悪い男さ。そもそもあいつがキミを専務に紹介したのは、キミが俺達に犯されるシーンをテレビ電話で見たかったからなんだ。ありゃあ性犯罪者レベルの危ない性癖を持った変態男なんだよ……』

そんな島尻部長の言葉と同時に、私の卑猥な姿を携帯で見ながら自慰をしている課長の姿が浮かんで来た。

「入れて!」

私は男の下半身にしがみつきながらおもわずそう叫んだ。
男は「いいのか? 本当に入れちゃっていいのか?」と何度も私に確認を取りながらも、大きく開いた股間に体を潜り込ませた。
そしてピーンッと突き出したペニスの先で膣をツンツンと突き刺しながら、「後でトラブルとかになんねぇだろうな」と私の顔を覗き込んだ。

「大丈夫です。入れて下さい。滅茶苦茶にして下さい」

男は、そう悲願する私の顔を見つめながら、「おまえ、よく見ると壇蜜に似てるな」とニヤリと微笑んだ。
そして、かろうじて亀頭だけを挿入しながら、焦らすかのように亀頭だけをヌポヌポとピストンさせたのだった。






気が付くと、既に男の姿は消えていた。
枕元には丸まったティッシュが散乱し、クシャクシャになったシーツには大きなシミが広がっていた。
そんなシミを指先でなぞりながら、幾度となく放尿していた自分の姿を思い出して赤面した。

乱れた髪を整えながら、四つん這いでテーブルに這った。
携帯を手にすると、既に携帯は繋がっていなかった。
課長はいつ携帯を切ったんだろうと思いながら、通話時間を調べた。
携帯のディスプレイに一時間二十分と表示された。
一時間以上もの間、課長がずっと見てくれていたんだと思うと、嬉しさのあまり涙が溢れた。

例え携帯でもいい。
例え課長のおもちゃでもいい。
こうしていつまでも課長と繋がっていたい……

そう思いながら携帯を胸に抱きしめると、ふいに携帯が鳴り出した。

携帯には『島尻部長』と表示されていた。
無言で電話に出ると、いきなり興奮した島尻部長の声が飛び出した。

「いやぁ、凄かったよ。さっき課長から動画が送られて来てね、見たよキミとマッサージ師との変態セックス。うん、素晴らしい。でね、これから専務と二人でそっちに行こうと思うんだが、いいかね?」

島尻部長は卑猥に笑った。

私はみんなのおもちゃ。
私に拒否権はない。

私は小声で「わかりました……」と答えた。
答えた瞬間、中出しされた生温かい精液がトロッと垂れたのだった。


(みんなのおもちゃ・完)

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