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夜道の拾い者

2012/11/23 Fri 13:03

夜道の拾い者

《あらすじ》
夜勤明けの帰り道、暗い路地でぐったり倒れている泥酔女と遭遇した。
女は喫茶店のウェイトレスの美咲ちゃんだった。
美咲ちゃんは意識不明だった。
取りあえず俺は、美咲ちゃんの乳にそっと触れてみた・・・





静まり返った深夜の住宅街をむしゃくしゃしながら歩いていた。深夜一時。夜勤明けの気怠い帰り道だった。朝から晩まで働きっぱなしの俺だったが、しかし生活は一向に楽にならなかった。なぜならそれは、稼いだ金を全てパチンコで溶かしてしまっているからだった。

誰もいない夜道には俺の足音だけが響いていた。ポケットの中のパチンコの玉を指で転がしながら今にも倒壊しそうな平屋の角を曲がり、「潰れたいならとっとと潰れろ」と毒づきながら細い路地に入った。

細い路地には、電信柱からぶら下がる昭和チックな街灯がひとつしかなかった。茶色い電球が古い家屋の裏をぼんやりと照らし、その通りは妙に薄ら淋しい雰囲気を漂わせていた。

古ぼけた家屋の裏口からは、貧しい家庭の生活臭がムンムンと漂って来た。そんな貧乏臭いニオイをモロに嗅ぎながら暗い淋しい路地を進んで行くと、いきなり女が倒れていた。

ビクッと肩を震わせながら足を止めた。瞬間的に殺されていると思った俺は、息を潜めて辺りを見回した。もしかしたら殺人犯がこの闇に紛れて俺を見ているかも知れない。そう思ったらとたんに動けなくなった。

しかし女は死んでいなかった。よく見ると、女は「うぅぅん……」と唸っていた。俺はビビりながらも「大丈夫ですか?」と声を掛けた。しかし女は俺の声に反応せぬままぐったりと横たわっていたのだった。

しばらくは三歩離れて様子を見ていた。どうやら女は酔い潰れているようだった。そこに事件性がないと判断した俺は、女の前にそっとしゃがみ込んだ。「大丈夫ですか?」と女の顔を覗き込むと、女はこの先の喫茶店で働いている美咲ちゃんだった。

美咲ちゃんは、喫茶店『マーブル』の二階に住んでいる、いわゆる住み込みの店員さんだった。歳は俺よりも二つ下の二十三才で、常連達からは人気者の明るい美人店員だ。

俺も時々マーブルには顔を出していた。その度に美咲ちゃんを見てイイ女だなと思っていた。こんなに若くて可愛い子が、こんな場末の喫茶店で住み込み店員しているなんて、きっとワケアリだろうなと思っていたが、今、目の前でぐったりと酔い潰れている彼女を見て、なんとなくその確信が得られたような気がした。

「美咲ちゃん、こんなとこで寝てると風邪引いちゃうぞ」

俺はそう言いながら彼女の肩を揺すった。
タンクトップの肩に触れる瞬間、一瞬戸惑ったが、しかし今はそれどころじゃないと思い、堂々とその生肌に触れた。

若い女の肌は柔らかくてスベスベしていた。いつも駅裏の雑居ビルの地下にある『抜きキャバ』で、三十路のババアの荒れた肌ばかり触っていた俺には、彼女のその柔らかい肌は触れるだけで勃起する価値があった。

何度揺すっても彼女は反応しなかった。半開きの唇から、しゅるるるぶ、しゅるるるぶ、と規則正しい息を吐いているだけで、彼女は完全に落ちてしまっていた。

そうなると、たちまち俺は、居ても立っても居られなくなって来た。
こんなチャンスは二度とないぞ、と、自分に言い聞かせながら、このまま彼女を引きずり、アパートまで連れて行きたい衝動に駆られた。

しかし、それでは誘拐になってしまう。酔った女を誘拐して強姦したなんて、いったい何年の実刑を喰らうんだろうと考えると、さすがにそれはできなかった。

俺はドキドキしながら、項垂れている彼女の顔を覗き込んだ。
しゅるるるぶ、しゅるるるぶ、と吐き出る酒臭い息が顔に吹きかかり、その生温かい息に二十三才の娘の秘密を垣間見たような気がして、なぜか無性に興奮した。

俺は揺すっていた肩から、ソロリソロリと手を下ろした。本当に誰もいないだろうなと、もう一度暗闇に目を凝らしながら辺りを伺い、ドキドキしながらタンクトップの紐を肩から外した。

しかし、おっぱいは素直にポロリとはいかなかった。良く見ると、胸の部分には金色のジッパーが付いており、それを開けなければポロリはない事に気付いた。
さっそくそのジッパーを摘んだ。彼女が目を覚まさないかとヒヤヒヤしながら、少しずつ少しずつゆっくりと下げて行った。

そのワンピースには既にブラジャーらしきパットが付いているせいか、彼女はブラジャーをしていなかった。モノトーン柄のワンピースの中から真っ白な肌が現れ、その肌は下に行くにつれ柔らかな膨らみを帯びて来た。

ジッパーを下げきると、胸元を大きく開かせた。小豆色の乳首が真っ白な肌の中にポツンと浮かんでいるのが見えた。
おもわず、はぁぁぁぁっと息を吐き出した俺は、その思ったよりも遊んでそうな乳首に人差し指を押しあてたのだった。


「うぅぅぅん……」

いきなり反応した。ここで慌てて手を引っ込めると意識が戻ってしまうのではないかと焦った俺は、乳首を指で押さえたままジッと息を殺した。

遠くから犬の鳴き声が聞こえて来た。路地の饐えた匂いが夜風に乗って漂って来た。しばらくすると再び彼女は、しゅるるるぶ、しゅるるるぶ、と息を吐き始め、とりあえず俺はホッとしながら乳首から指を離したのだった。
空き地の向こう側の通りを一台の乗用車が走って行った。暗闇に浮かぶ車のライトを見つめながら息を潜めていると、だんだん彼女の呼吸が整って来た。

再び俺の指が動き始めた。今度は五本の指を大きく広げ、オッパイ全体を手の平の中に包み込むようにしてスリスリと擦った。大きくもなく小さくもない乳だった。ただひたすらにスベスベしており、まるで生クリームを手の平でこねているような感触だった。
俺は右手で乳を擦りながら、左手で作業ズボンの股間を擦った。中で固くなっているコリコリした筋肉をソッと握りしめ、そのまま親指で亀頭部分をズリズリと乱暴に擦った。

ふと、彼女の顔に精液をぶっかけたい衝動に駆られた俺は、ゆっくりとズボンのジッパーを下ろすと、素早く中から固くなった肉棒を引きずり出した。
仮性包茎の皮が捲れ、汗ばんだ亀頭が夜風に晒された。チンカス混じりの真っ赤な亀頭を親指の腹でズリズリと擦りながら、彼女の唇に顔を近づけた。

口紅を付けていない彼女の唇はカサカサしていた。荒れた唇に恐る恐る舌先を伸ばし、チロチロと舐めながらそのカサカサ感を共有した。
閉じた唇の中に舌を進入させたくて堪らなかった。しかし、口内は神経が集中している為、とたんに彼女は目を覚ましてしまうだろうと諦め、ソッと顔を離した。

気が付くと、いつしか俺は両手で両乳首を摘んでいた。彼女の乳首は結構大きく、その弾力性は血管注射のゴム管を思い出させた。

この女、こんなに可愛い顔して結構遊んでるんだな……
もしかしたら店の客達ともヤってるかも知れねぇな……

そう思いながら両乳首をプチプチと摘んだ。そのうち、喫茶店の常連客の商店街の親父たちの顔が浮かび、奴らがこの若い肉体を弄んでいるのではないかと勝手に疑念を抱きながら、両乳首をプチプチと摘みまくった。

もう我慢できなかった。乳首を摘みながらペニスをシコシコシコっとシゴいてやった。これがオナニーならば迷う事無く精液を飛ばしている頃だろうが、しかし、こんなチャンスは恐らく二度とは無い。だからそう簡単にイッてしまって勿体ないと思った俺は、慌ててペニスから手を離すと大きく深呼吸し、ピクピクと痙攣する亀頭に母の顔を思い浮かべながら一触即発の危機を回避した。

何度も深呼吸を繰り返した末、やっと気が治まると、続いて脇の下を覗き込んだ。
じっとりと湿った肌に髭の剃り残しのような短い毛がポツポツと青く広がっていた。ソッと匂いを嗅いだ。そこには俺の脇の下のようなガンモドキ臭は匂って来ず、ふんわりとした洗濯洗剤の香りが優しく漂っていた。

いよいよ次は下半身の番だと、乳を撫でていた手をそのままスルスルと下げた。腰に両手を添えると、なかなか張りのある尻だと言う事がすぐさま手の平に伝わって来た。まずは衣類の上から尻を撫でた。

喫茶店でこの尻をよく眺めていた。不味いコーヒーを啜りながら、あの大きな尻にチンポをぶち込んで、肉付きの良い尻肉をユッサユッサと揺らしてやりてぇと、何度妄想した事かわからない。そんな夢にまで見た尻を、今俺は自由にできるのだ。

ハァハァと荒い息を洩らしながら、ワンピースのスカートをスリスリと上げた。下腹部を包み込むショッキングピンクのパンティーが闇の中で光った。
ブロック塀に凭れたまま体育座りする股をゆっくりと開いた。するとピンクのパンティーの股間部分に、丸いシミがしっとりと浮かび上がっているのが見えた。

地面に顔を押し付けながら股間に顔を押し込んだ。右頬にアスファルトの小石がプツプツと食い込んだ。
スカートの中は全体的に甘いコロンの香りが漂っていた。が、しかし股間のその一部分からは、汗のような小便のような酸っぱい匂いがツンっと匂って来た。恐らく、酔って膣が弛み、何かで笑った拍子にチロっと失禁してしまったような、そんな感じのシミだった。

俺は迷う事無くパンティーを下ろしに掛かった。ここまで来たらもはや最後まで行くしか無いと腹を括った。

足首から抜き取ったパンティーを目の前で広げた。白いオリモノがベチャっと付着し、その中心がほんのりと湿っていた。彼女の寝顔を見つめながら、その恥ずかしいシミを嗅いだ。ツンっと酸っぱい匂いが鼻孔に広がり、これがあの可愛いウェイトレスさんのオマンコから滲み出た汁の匂いなんだと思うと、俺の興奮はマックスに達していた。

尻とアスファルトの間に両手をそっと押し込み、下腹部をゆっくり持ち上げた。だらりと開いた股間の中心で、剥き出しにされたオマンコが粘膜を帯びながら怪しく光っていた。

そこは、女性が最も隠したい部分だった。そんな部分を今俺は、おもいきり間近に見ている。
美咲はまさか俺にその部分を見られるとは思ってもいなかっただろう。この若く可愛いウェイトレスは、まさか通りすがりの客に最も見られたくない陰部を見られるとはゆめゆめ思ってもいなかったはずだ。そう思うと更に俺の興奮は熱を帯びて来た。

まるで犬のように赤黒いワレメをクンクンと嗅いだ。そこは、汗と小便と恥垢が混じり、パルメザンチーズのような匂いをプンプンと発していた。

可愛いくせにオマンコは不潔なんだな……
そう語りかけながら指で裂け目を押し開いた。黒ずんだビラビラの奥でピンクの生肉がヒクヒクと息づき、ねちゃねちゃとした粘膜がテラテラと輝いていた。ソコに指を入れたかったが、しかし今ここで目を覚まされては一巻の終わりだと思い、指マンは素直に断念した。

しかし、パンティーを脱がされても彼女は一向に目を覚ます気配はなかった。
ここまで酔い潰れるなんて、いったいどれだけ酒を飲んだんだろうと彼女を心配しながらも、頭上から聞こえて来る、しゅるるるぶ、しゅるるるぶ、という規則的な呼吸に安心した。

柔らかい下腹にソッと唇を押しあてた。そのまま顔を下げて行き、ゴワゴワした陰毛に顔を埋めた。
陰毛にはボディーソープの香りがほんのりと漂っていた。喫茶店の二階の狭い浴室で、股間にボディーソープを垂らしながら陰毛をガシュガシュと洗う彼女の姿がふいに浮かんだ。
とたんにそんな彼女が愛おしく思えた俺は、その淫臭漂うワレメに迷う事無く舌を伸ばしたのだった。

ぐにゅぐにゅとした肉感を舌に感じた。それはまるでプニプニの蒟蒻ゼリーの切れ目に舌を押し込んだような感触だった。
堪らなくなった俺はおもわずビラビラの隅々にまで舌先を走らせた。
ポン酢のような酸っぱさを舌先に感じながら、喉の乾いた犬のようにレロレロと舐めまくった。

ワレメが唾液でぐしょぐしょになると、舌を肉棒のように固く伸ばしながら穴の中に滑り込ませた。
ヨーグルトのようにまったりした液体が舌に絡み付き口内をドロドロにした。その液体がなんなのかわからないが、その天然の酸味に興奮した俺はその液体を舌で掬い取るようにしてほじり出し、ぴちゃぴちゃと舌鼓を打ちながら味わった。

舌でヌポヌポとピストンした後、ハァハァと荒い息を吐きながらヘソへと向かって舌を滑らせた。陰毛をジャリジャリさせながら、その奥に隠れている豆を探す。
裂け目の頂上でぷっくりと膨らんだ豆は皮に包まれていた。紫色の表面が半分だけ顔を出していた。

両脚を更にジリジリと広げさせ、だらしのないM字開脚を作った。陰毛の中に目を凝らしながら豆を覆う皮を指先で捲ると、皮に埋もれていた部分には真っ白な恥垢が溜っていた。

イカの珍味のような匂いがツンっと鼻孔を襲い、うわっと眉を顰めた。それは俺の仮性ちんぽと同じ匂いだった。
なぜか無性に嬉しくなった。こんな可愛い女と俺の陰部が同じニオイという事が嬉しくて堪らなかった。

恐る恐るそこに舌先を伸ばした。そこに溜る美咲の恥ずかしい垢を全て舐め尽くしてやりたいと素直に思った。
が、しかし、舌先がそこに触れた瞬間、突然彼女の体がピクンッと跳ねた。
俺は慌ててその場に踞り、水中に潜っているように息を止めた。
彼女は、「うぅぅぅん……」と唸りながら顔の向きを変えた。そんな街灯に照らし出された彼女の額には、黒い前髪が汗でベッタリと張り付いていたのだった。

結局、俺はセックスを諦めた。
ヤろうと思えばヤれない事はないのだが、しかし、この状態からすると、恐らく彼女はペニスを挿入されれば気が付くだろう。
暴れまくる彼女を必死に押さえつけてまで強引にヤりたいとは思わなかった。っていうか、こんな住宅密集地の路地の真ん中で、暴れる女を強引にヤってしまうような度胸は俺には無かった。小心者の俺には、せいぜい酔い潰れた女のパンツを脱がしてコソコソと悪戯するのが関の山なのだ。

再び彼女の股間に顔を埋めた。タラリと垂れ下がった小陰唇を舌先で押し広げ、ピンク色の粘膜部分をチロチロと舐めた。
そこを舐めながらペニスをシゴいた。ものの三こすり半で絶頂が沸き上がって来た。

カリ首の裏を指で押さえながら、アスファルトに落ちていたピンクのパンティーを拾い上げた。オリモノが付着している部分に亀頭を押し付けペニス全体を包み込むと、そのまま一気にペニスをシゴいた。オマンコのビラビラをレロレロと舐めながらシゴキまくった。

クロッチのザラザラ感に刺激された亀頭が破裂した。握った拳の中でペニスがドクドクと跳ねていた。背筋に爽快感が走り、脳味噌が蕩け、おもわず「ぬふっ」と声を洩らした。

瞬く間に生温かいヌルヌル感が亀頭を包み込んだ。ペニスとパンティーの隙間から精液が零れ、それがナメクジのようにヌルヌルしながら陰毛の中へと垂れて行った。

ペニスからパンティーを剥ぎ取ると、パンティーはずっしりと重くなっていた。広げて見ると、彼女のオマンコにピッタリフィットしていた部分には白濁の精液がどっぷりと溜っていたのだった。

俺はその精液が溜ったパンティーを、そのまま彼女に履かせようと思った。精液が垂れ落ちないよう慎重にパンティーを足首に通した。しかし精液はコラーゲンの塊のようにプルプルと震えながらも、しっかりとクロッチにへばりついていた。

スルスルと進むパンティーが足の付け根に来た時、ふと手を止めた俺は慌ててポケットの中を弄った。
ポケットの中から取り出したのは銀色に輝くパチンコの玉だった。
精液まみれのパンティーを履かせる前に、これを入れてやろうと思った。

ビラビラの奥でポッカリと空いた穴にパチンコの玉を挟んだ。人差し指で押すと、まるでウォータースライダーを滑るかのようにパチンコの玉は膣奥へと吸い込まれて行った。

いきなり笑えて来た。
明日の朝、便座に座ると同時に膣からパチンコの玉がコロンっと出て来たら彼女はどう思うだろうか。
そんな彼女の心境を想像すると、腹の底から笑いが込み上げて来たのだった。


               ※


翌朝、期限切れのコーヒーチケットを引き出しの奥から見つけ出した俺は、路地の突き当たりにある『マーブル』に向かった。

路地には『マーブル』から溢れるコーヒーの香りが漂っていた。
古臭いドアを開けると、カラン、コロンっと放牧的な音が頭上で鳴り、それと同時にカウンターの奥から「おはよーっ」というママさんのダミ声が飛び出して来た。

カウンターは商店街の親父達に占領されていた。煙草の煙に埋もれながら猫背の親父達が無言でコーヒーを啜っていた。新聞を捲る音とコーヒーを啜る音だけがひたすら続くそのカウンターは、まるでコーヒーを飲む為の道場のように厳粛な雰囲気が漂っていた。

そんなマニアックなカウンターを横目に、観葉植物の間をすり抜け奥へと進んだ。
美咲ちゃんの姿は見当たらなかった。
公衆電話の横に置いてあるカラーボックスから、『のらり松太郎』の三巻を抜き取りながらカウンターの中を伺った。そこには水風船のようなママと、なぜかリーゼントのマスターが二人ポツンといるだけだった。

俺は『のらり松太郎』を片手に一番奥のボックスに座った。頭上にぶら下がるテレビから、『目覚ましテレビ』の天気予報のメロディーが流れ出すと、カウンターに座っていた親父達が一斉に振り向いた。

親父達の視線を一斉に浴びた俺は、慌てて『のらり松太郎』を開いた。リーゼントのマスターがカウンター越しに「モーニングで良かった?」と聞いて来た。期限切れのコーヒーチケットしか持っていない俺は、「ホット」と答えた。

すると、俺が座るテーブルの真横にあるトイレのドアがいきなり開き、中からエプロン姿の美咲ちゃんが顔を出した。

「ママー、昨日買ったトイレットペーパーはどこー」

美咲ちゃんはカウンターに向かってそう叫びながらも、真横に座っている俺に気付いて「あっ、いらっしゃい」と慌てて笑顔を作った。とたんに俺の鼻孔に昨夜の淫臭が甦った。

「だから、右の棚にしまうよって昨日言ったじゃない」

カウンターからママが不機嫌そうにそう言うと、美咲ちゃんは、あっ、そーだったごめんごめん、と笑いながらそのままスッとドアを閉めたのだった。

「ちっ、ホント、今の若い子ってのは使えないわよね……」

ママはコーヒーカップを白い布巾で拭きながら舌打ちを連発し、誰彼無くそう呟いた。
すると、文房具店の親父が煙草に火を付けながら、「どこだって一緒さ」と呆れて笑い、隣のガソリンスタンドの親父に「なっ」と同調を求めると、すかさずガソリンスタンドの親父が「美咲ちゃんはまだいい方だよ、ウチのバイトなんてねぇ」と愚痴をこぼし始めた。

俺はそんな親父達をチラチラ見ながらも、背中の壁に神経を集中させた。薄い壁の向こう側はトイレであり、あわよくば美咲ちゃんの放尿音が聞こえるかも知れないと期待したのだ。

「そんなのまだいい方よ、あの子なんてね、今さっき帰って来たばかりなんだから」

ママが苦々しくそう言うと、カウンターの隅で日刊スポーツを広げていたタクシーの運転手が「朝帰りか、やるねぇ」と、七十年代のヤングのようにダサイ指パッチンを軽快に鳴らした。

「朝帰りかなんか知らないけどさぁ、昨日駅前の居酒屋でベロンベロンに酔っぱらっちゃったらしくてね、気が付いたらそこの空き地で寝てたって言うでしょ、ホント、だらしないったらありゃしないよ」

俺は慌てて『のらり松太郎』に視線を移しながら、あの後、誰かが美咲ちゃんを空き地まで運んだのか、それとも美咲ちゃんが自力で空き地まで這って行ったのだろうかと考えた。

もし、誰かが運んだとすれば、間違いなくそいつは美咲ちゃんをヤっちゃったに違いない。

って事は、俺のあのパチンコ玉は……

そう思った瞬間、後の壁の奥から、カラランっと金属が響く音が聞こえた。

(夜道の拾い者・完)



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