★生け贄 ─いけにえ─
2011/12/30 Fri 11:43
「亜美ちゃ~ん、二十分後に入浴だから用意しててね~」
病室の入口から看護婦さんの声が聞こえてきた。
昼間からベッドのカーテンを閉め切っていた亜美は、カーテン越しに「あ、はい……」と慌てて返事をしながらも、両手首を固めるギプスをジッと見つめ、「用意といわれても……」と小声で呟いたのだった。
亜美がこの病院に入院して今日で1週間が過ぎようとしていた。
高校二年の亜美はチアガール部に所属していた。三年生卒業後の次期エースといわれていたが、しかし、高校野球予選を目の前にして練習中に転倒。両手首にヒビが入り、敢えなく入院してしまった。
派手なパフォーマンスが売り物のチアガール部にとって、アイドル的な人気の亜美の入院はかなりの痛手だった。
亜美の応援だけを楽しみにしていた部員達の士気は大きく低下し、亜美を目当てにわざわざ応援団にまで入部した多くの男子生徒達は、今まで俺達は何の為に辛い練習に耐えてきたんだ!と嘆き、そして亜美のファンクラブと呼ばれている一般社会人のカメラ小僧たちの落胆は激しかった。
それだけ亜美は可愛かった。その可愛さは男子だけでなく女子さえも「ポッ」とさせてしまうほどの魅力であり、それは芸能プロダクションやファッション雑誌からわざわざスカウトに来るくらいのそんなキラキラ輝く魅力だった。
そんな亜美は見た目が可愛いだけでなく性格も良かった。誰にでも優しく、いつも笑顔の絶えない明るい女の子だった。そして何よりもその『溢れる元気』は、さすがチアガールのエースに相応しいパワーで、その全身から溢れるパワーは人々を強烈に惹き付けていたのだった。
が、しかし、今の亜美からはそのパワーは完全に消え失せていた。
憧れのチアガールのエースを目前にしての怪我。完全に治るまでには半年は掛かるらしく、もはや念願のエースの座は絶望的だった。
あれだけ明るかった亜美の表情は貪よりと暗く沈んでしまった。まるでヒキコモリの少女のように暗い陰を引きずっては、昼間からカーテンを閉め切った薄暗いベッドの中で、毎日シクシクと泣いてばかりいたのだった。
両手首がギプスで完全に固定され、指先だけがかろうじて動く状態の亜美は、入浴の用意をする事も出来ずただぼんやりとベッドに座っているだけだった。
「あんた何やってんだい……今日は婦長もいるんだよ、ノロノロしてるとまた叱られちゃうよ」
隣りのベッドのおばさんが、カーテン越しにボソボソと亜美にそう言った。
婦長という言葉を聞いた亜美は背筋をゾッとさせた。狼のような目つきと豚のように太った体。患者が車椅子だろうと老人だろうと容赦なく怒鳴り散らす婦長のその姿は、まさにドイツのナチス婦人部のようなヒステリックな雰囲気を漂わせていたのだった。
婦長がいると聞き、亜美はユダヤの如く慌ててベッドから立ち上がった。ベッドの下からボストンバッグを指先で摘み出すと、指の第一関節だけをぎこちなく動かしながらバッグのジッパーをギギギッと開けた。
バッグの中にはお母さんが用意してくれた衣類やタオルが綺麗に畳まれていた。その中から白いタオルと青いバスタオルと、そして丸められた下着を順番に摘まみ上げた。しかし、シャンプーやボディーソープは重くて摘み上げる事ができない。今までの亜美ならば隣りのおばさんに「おばちゃーん、お願ーい」と気軽に言えたのだが、しかし、手首だけでなく性格にまでヒビが入ってしまった今の亜美には、その一言がなかなか言えなかった。
亜美は口の開いたボストンバッグを見つめながらポロポロと涙を流した。
(どーして私はこんなふうになっちゃったんだろ……)
そう思うと、今の自分が哀れでミジメで可哀想に思えて堪らなくなり、止めどなく涙が溢れた。
(もうお風呂なんてどーだっていい……)
泣きながらそう思うが、しかし、かれこれ一週間もお風呂に入っていない亜美は、自分の汚さに自殺したいほどであり、どーしてもお風呂に入りたかった。
そうやってベッドの下にしゃがみながらメソメソと泣いていると、不意に病室の入口からナースサンダルの音がペタペタと近付いてきた。
(婦長だ!)
その足音に脅え、このままベッドの下に潜り込んでしまおうかと思った矢先、いきなりシャッ!とカーテンが開けられた。
亜美がしゃがんだまま「ひっ!」と踞ると、「あれ?……亜美ちゃんどうしたの?……」という優しい声が聞こえた。
その声に慌てて顔を上げる。そこには眉毛を八の字にさせながら心配そうに亜美を見つめる、若くて綺麗な看護婦さんが立っていたのであった。
その看護婦さんの胸には『中島』という名札が付いていたが、しかし患者の多くは彼女の事をミキティーと呼んでいた。
それは、彼女の名前が美希だからと言う事もあるが、しかし、ほとんどの患者、特に男性患者は、彼女がタレントのミキティーに似ているという事からそう呼んでいたのだった。
実際、この看護婦はかなりの美人だった。年齢も二十三才と若く、スタイルも良く性格も明るい。そしてなによりも患者に優しく、特に問題の多い患者に対しては必死になって世話をしてくれたものだった。
そんな看護婦に連れられて、亜美は浴場へと向かった。亜美は安心した。きっとこの優しい看護婦さんなら、手が不自由な私がどれだけ鈍臭くても、婦長のように怒鳴ったりする事なく、ゆっくりとお風呂に入れるだろうと温かい気持ちになれた。
浴場は完全個室だった。
脱衣場には前の人の熱気と湿気がムンムンと漂い、天井の換気扇がゴーッという音を立てながらフル回転していた。
「じゃあまずは上着から脱ごっか」
個室のドアを閉めた看護婦さんが、柔らかい笑顔を浮かべながら亜美の前に立った。パジャマを脱がされ、ブラジャーを外される。そしてパンティー一枚の姿になった亜美は、ここで妙な恥ずかしさを覚えた。
よくよく考えれば、同性に股間を見られるのは初めてだった。修学旅行の時、みんなで大浴場には入ったが、しかしあの時は両手が自由であり股間はタオルで隠していた。でも今は両手は使えない。ギプスで固まった両手にはビニール袋が被せられ、指先さえも使う事が出来なくなってしまった今は、タオルで股間を隠す事すら出来ないのだ。
(ここは病院なのに……それに、この人は看護婦さんなのに……なのにどうしてこんなに恥ずかしいんだろう……)
亜美は、脱いだパジャマを脱衣カゴの中に畳む看護婦を見つめながらそう考えた。
その答えはすぐに出た。それは、まずここが二人っきりの個室だという事と、そして一週間も風呂に入っていない自分の体が酷く汚れているからだ。
そんな亜美は、なんとかパンティーだけでも自分で脱げないものかと、両手のビニール袋をカサカサと音立てながら必死にパンティーを下ろそうとした。するとパジャマを畳み終えた看護婦が「うふふっ」と微笑みながら亜美を見つめ、「そんなに慌てなくてもいいのよ。時間は無制限だから」と亜美の前にスッとしゃがんだ。
看護婦の細く長い綺麗な指先が、亜美のパンティーの両端を優しく摘んだ。「あっ、でも、自分で……」と亜美が慌てると、看護婦は再び「うふふっ」と微笑みながら、亜美のパンティーをスルスルと下ろしていったのだった。
しゃがんだ看護婦の目の前に、一週間放置された陰毛がワサワサと溢れていた。
「亜美ちゃん、凄くスタイルいいわねぇ~なにかスポーツやってるの?」
看護婦は亜美の足首からパンティーを抜き取りながら明るく弾むような声でそう聞いた。しかし、亜美の目に映る陰毛は、一週間の汗のせいで下腹部にペタリと張り付き、それが何やら不潔な油のようなモノでテラテラと輝き、いかにも『汚れてます』と物語っているようだった。
そんな自分の陰毛を見つめる亜美は、とたんにミジメな気持ちに打ちひしがれ、素直に「チアガールやってました」とは答えられなかったのだった。
そう黙ったままの亜美に、看護婦は「若いから肌がピチピチしてるね」などと微笑み、そしていきなり脱ぎ取ったパンティーを手の平の中で開き始めた。
「えっ!」
驚いた亜美がそう叫ぶと、看護婦は「ごめんねぇ……女性患者が入浴する前にはね、次に入浴する患者さんの為に性病のチェックをしなくちゃならない規則なの……だからちょっとごめんねぇ……」と淡々と言いながら、容赦なくパンティーのクロッチを大きく開いたのだった。
クロッチを開いた看護婦は、そこに染み付いた亜美のオリモノをジロジロと見つめた。幸い、下着だけは毎日取り替えていた亜美だったが、しかしそこには、昨日からのオリモノや小便の残り汁などが魑魅魍魎と蠢いていた。
「も、もう、いいですか」
真っ赤な顔をして震える亜美は、それを奪い取ろうにも両手が使えず、ただただそこに突っ立ったまま唇を震わせそう言った。
「うん、ごめんね……もう少し待って……」
看護婦はそう答えながらも、なんと、黄色く染み付いたクロッチに鼻を近付け、そこをクンクンと嗅ぎ始めた。
恥ずかしさのあまりにおもわず気絶しそうになった亜美は、そのまま看護婦の前にスッとしゃがみこむと、「看護婦さん、お願い、もうヤメて、亜美、恥ずかしい」と顔をクシャクシャにさせながら訴えた。
しかし看護婦はそんな亜美を無視した。まるで麻薬犬のようにクロッチの隅々までクンクンと嗅ぐ看護婦は、クロッチの中心部分でピタリと鼻を止めると、不意にジロッと亜美を見上げた。
「生理はいつだった?……」
看護婦は、まるで宝塚の男役のような表情で亜美に聞いた。
亜美が震える声で、「せ、生理は……半月前に終わりました……」と答えると、看護婦はゆっくりと首を傾げながら「変ねぇ……」と呟いた。
「な、なにがですか?」
「……うん……」
看護婦は何かを頭の中で探りながらそう頷くと、もう一度その部分に鼻を近付けクンクンと鼻を鳴らし、そして再び首を傾げた。
「亜美ちゃん、悪いんだけど……ちょっと性器を調べさせてくれる?」
看護婦はミキティーのようなつぶらな瞳で、とんでもない事を言い始めた。
「イヤです!」
亜美は即決ではっきりと断った。
「うん……だけど、調べさせてくれないとお風呂に入れないわよ?……」
「いいです。我慢します、だから、下着を履かせて下さい」
「でもね亜美ちゃん、お風呂に入らないにしても、どっちみちこのまま婦人科で性器を調べられるわよ」
「ど、どうしてですか……」
「うん……亜美ちゃんのオリモノにね、ちょっと気になる匂いがするの。もちろんそれは私の勘違いかも知れないわよ。だけどね、規則では、ちょっとでもオリモノに気になる匂いがした時にはすぐにその場で性器を調べるか、もしくは婦人科で検査をしなくちゃならないって事になってるの。だから、もしここで亜美ちゃんがどうしても嫌だというなら、お風呂も中止になるし、婦人科で徹底的に検査されちゃうし、それに、婦長にも報告しなくちゃいけなくなるけど……本当にそれでいいの?」
亜美は慌ててブルブルと首を振った。婦長という言葉が亜美の精神を激しく締め付け、亜美は無意識のうちにブルブルと首を振っていた。
「大丈夫。すぐ終わるから。ちょっと見せてくれるだけでいいんだから。ね?」
看護婦は亜美の顔を覗き込みながら爽やかな笑顔でニコッと微笑んだ。
「ほ、本当にちょっとだけですか……」
そんな看護婦の優しい笑顔に、亜美はおもわずそう答えた。すると看護婦は、そんな亜美の気が変わらないうちにと、しゃがんでいる亜美の膝に手を掛け、「うん、すぐ終わるから、そのまま床にドスンっと座って」と、亜美をそう急かせたのだった。
亜美が床に腰を下ろすと、ジトッと湿ったバスマットが亜美のお尻をひんやりさせた。
体育座りで座っていた亜美の両膝を看護婦はゆっくりと開きながら、業務的に「ごめんねぇ」と囁いた。
M字に開かれた股の間に看護婦の小さな顔が沈んでいく。そんな看護婦を見下ろしながら、亜美は強烈な羞恥に襲われた。
看護婦は亜美の太ももの裏を両手の平で押えると、そのまま少しだけ左右に開いた。
とたんに性器がクニャっと口を開いたのがわかった。一週間もお風呂に入っていなかった自分の性器は、いったいどんな色をしてどんな匂いが漂っているのかと想像すると、亜美は死にたくなるほどの羞恥心に包まれた。
「うぅ~ん……これじゃあ影になってるから、ちゃんと色が見えないなぁ……」
看護婦はそう呟きながら、亜美にそこに寝転がるようにと指示を出した。亜美は早く終わらせたい一心から、素直に看護婦の言う事を聞き、床暖房が効いているフローリングの上に仰向けに寝転んだのだった。
※
亜美が素直に寝転ぶと、美希は木棚に置いてあった備え付けのバスタオルを一枚取り出し、「恥ずかしいでしょ」と笑いながら、それを亜美の顔に掛けてやった。
死体のようにタオルが掛けられた亜美の顔に「すぐに終わらせるから、ちょっと我慢しててね」と言うと、美希はそのまま亜美の両足を持ち上げ、出産するかのように股を大きく開かせた。真っ白な亜美の股間にドス黒い陰部がウニョウニョと蠢いていた。
美希はバイセクシャルだった。しかも子供や小動物などを虐待しては異常興奮するという加虐性淫乱症であり、それに加えて極度の匂いフェチ。つまり彼女は、レズでサドでロリコンでフェチという、手に負えない変態看護婦なのであった。
そんな美希は、剥き出された亜美の股間を覗き込みながら、(かなり汚れてるわね……)と密かに微笑み、その汚れた陰部にソッと顔を近づけた。
洗っていない性器のニオイが美希の鼻孔をプ~ンっとくすぐった。こんなに可愛い顔をしているのに……と思うと、美希はそのギャップに激しい欲情を覚え、この陰部にウヨウヨと蠢く白濁の分泌物や、大陰唇の隙間やクリトリスの皮の中に溜っている恥垢を、一気にレロレロと舐めつくしたいと切実にそう思った。
「ちょっと触るけど我慢してね……」
我慢できなくなった美希は、わざとらしく優しい声でそう言いながらピンクの裂け目にソッと指先を伸ばした。とたんに亜美の小さな体がビクンっと跳ねた。
そんな亜美の裂け目には、一週間分のあらゆる不浄物がネトネトとまとわりつき、まるで性的分泌物を溢れさせているかのようにヌルヌルしていた。
美希は、亜美の裂け目を指先で弄りながらゆっくりと四つん這いになると、自分の下着の中にソッと指を忍ばせた。美希のオマンコは既にヌルヌルになっていた。トロトロと溢れた性的分泌物がクロッチに染み込んでおり、オマンコを弄る美希の手の甲をネバネバと濡らしていた。
美希は自分のオマンコの中にヌルヌルと中指を挿入させながら、もう片方の手で亜美のクリトリスに指を伸ばすと、
「亜美ちゃん、ここ、痛くない?……」
と、独り言のように呟いた。
美希の指先が亜美のクリトリスをコロッと転がした瞬間、亜美が「ひっ!」と声を上げながらパタン!と股を閉じた。とたんに美希の顔は亜美の股間に挟まれた。
「い、痛くありません!」
亜美が必死にそう叫ぶと、美希は股間に挟まれたまま、「じゃあ大丈夫ね」と呟き、ギブアップするかのように亜美の小さな尻をヒタヒタと叩きながら「ごめんごめん」と笑った。
そんな美希は、太ももに顔を押し付けられたどさくさに紛れて素早く亜美の陰部に舌先を伸ばした。そして、股間から顔を上げようとした瞬間、素早く亜美の陰部をペロッと舐めた。
女子高生の一週間洗っていない陰部の酸味が美希の舌先をピリっと刺激した。そんな味覚に不敵な笑顔を浮かべた美希は、「それじゃ、お風呂に入りましょうね……」と亜美の顔に掛けてあったバスタオルをソッと剥がした。
そんな亜美の頬には恥辱の涙がキラキラと輝いていたのだった。
※
浴場内には介護用の大きなバスタブがひとつあり、その横に二つの洗い場が並んでいた。既にお湯の張られたバスタブのすぐ横の洗い場に座らされた亜美は、他人に性器を見られ、そして指で触られたという羞恥心が抜けないまま、塞ぎ込むようにして椅子に腰掛けていた。
「先に汚れを落としてからお湯に入ろうね」
美希はそう言いながら、不意に亜美の真上の天井からぶら下がっているゴムのロープを引っ張った。
「ここに両手をぶら下げておけば楽だから」
美希は微笑みながらビニールが被せられた亜美の両手を高く持ち上げると、その天井からぶら下がるゴムのロープを素早く亜美の両手に巻き付け、椅子に座ったまま両手を『万歳』の体勢にさせた。
これで亜美の両手は完全に拘束された。どれだけ暴れようがもがこうが両手に巻き付いたゴムロープはそう簡単には外れない。もはや亜美は、恥ずかしい部分を隠す事も、抵抗する事もできなくなってしまったのだった。
美希は亜美の背後にしゃがむと、手の平にボディーソープをプチュプチュと数回プッシュした。手の平でボディーソープを伸ばすと、そのまま亜美の細い背中をヌルヌルと洗い始めた。
背中はまだ我慢で来たが、しかし腰の辺りに美希の手の平が滑り降りて来るとくすぐったくて仕方なかった。もぞもぞしながら必死に堪えている亜美に、美希は背後から耳もとに顔を近づけ「亜美ちゃんは敏感なんだね」と囁いた。
そんな美希の手の平は、何度もボディーソープを継ぎ足しながら、亜美の丸くて小さな尻をヌルヌルと撫で、細くて長い脚に滑っていった。
「私ね、看護婦になる前、少しだけエステで働いていた事があるのよ」
美希は自慢げにそう微笑みながら手の平を亜美の腋の下に滑り込ませた。
敏感な腋をヌルヌルされた亜美は、顔を真っ赤にさせるほどにくすぐったくて堪らなかったが、しかし両手を天井から吊り下げられている為に身動きができない。
看護婦さんの手が早く腋から去って欲しいと顔を真っ赤にさせながら必死に願っていると、その願いが叶ったかのように美希の手は腋の下からスルリとすり抜け、そのまま乳房へと滑り降りた。
そんな亜美の乳房はAカップだった。以前付き合っていた和樹君に「貧乳だね」と言われた事があり、それから亜美はオッパイにコンプレックスを感じていた。だから、たとえ同性といえど、看護婦さんに小さなオッパイを触られるのは恥ずかしくて堪らなかった。
看護婦さんの指がそんな貧乳の先にある桜貝のような乳首を指先でヌルヌルと転がし始めた。
それを見下ろしていた亜美が(やだぁ……)と顔を背けると耳元で看護婦さんが囁いた。
「とっても綺麗な乳首してるのね……色も綺麗だし、形も崩れてないし……」
看護婦さんはそう囁きながら「んふっ」と笑った。そう笑った瞬間、看護婦さんの鼻息が亜美の耳を優しくくすぐり、不意に亜美の背筋にいやらしいゾクゾク感が走った。
(やだ……早く終わって……これ以上触られたら……変な気分なっちゃう……)
そう項垂れながら、看護婦さんにバレないように熱い息をソッと吐き出すと、いきなり浴室のドアがガラガラガラっと音を立てて開いた。
「あら!」
看護婦さんがそう叫び、亜美が慌ててドアに振り向いた。
そこには全裸のお爺さんがぼんやりと立っていた。とたんに亜美は「きゃっ!」と悲鳴をあげた。
「ダメよ秋川さん! 今は女子の入浴中なんだから!」
看護婦はそう叫びながら慌てて立ち上がると、ドアの前にいる老人を脱衣場へ追い出そうとした。が、しかし、老人は意味不明な事を口走りながら強行にバスタブに入ろうとする。
看護婦と老人が縺れ合った。看護婦は老人の肩を両手で押えながら「秋川さん、あと五分だけ外で待っててね」と必死に説得するが、しかし老人は「寒いから早ぐ湯に入れてくで!」と叫びながら看護婦の手から必死に逃れようともがいている。
困り果てた看護婦が老人を押さえつけながらも亜美に振り返った。
「亜美ちゃん、ごめんね……このお爺ちゃん、このままお風呂に入れてあげていいかなぁ……」
亜美は両手を天井から吊り下げられたまま「でも……」と真っ青になりながら戸惑う。
「大丈夫、このお爺ちゃん、完全にボケちゃってるから。耳も遠いし、目だってほとんど見えないんだから」
看護婦はそう言いながらクスッと笑った。その一瞬をついて老人は看護婦の手からすり抜けた。そして、戸惑っていた亜美の背後を素早く通り抜けると、バスタブの中へドボン!と飛び込んだのだった。
※
それもこれも、全て美希の仕組んだ罠だった。
この秋川という老人性痴呆症の老人は、頭は完全にボケてしまっているが、しかしその生殖器だけは、まるで別の生き物のように元気だった。
そんな秋川は美希が担当していた。いつも入浴時にはその人並み外れた巨大な陰茎を勃起させるため、美希はその度に抜いてやっていた。
最初のうちは手で簡単に抜いてやっていたのだが、しかしそれを繰り返しているうちに美希自身も変な気分になり、そのうちそれを口に含むようになった。
秋川は脳が完全に狂っているせいか、何度射精してもそれが衰える事は無かった。さすがにその精液はスズメの涙程度ではあったが、しかしソレはちゃんピュッと飛んだ。
そんな秋川の絶倫なペニスを美希が自身の裂け目に押し込むのは時間の問題だった。バスタブの中に寝かした秋川を騎乗位で攻めたり、椅子に座らせた秋川に四つん這いになった尻を向けては後背位で挿入し、自ら腰を激しく振っては秋川を天国へと導いていた。
秋川はまさに美希の性玩具だった。そんな変態老人の秋川を、この時間に風呂に呼んだのは何を隠そう美希本人だった。誰にも知られぬようにこっそり亜美と同じ入浴時間に合わせ、その時間に秋川を浴室に連れて来るようにと新人ナースに指示していたのだった。
そんな秋川は、何やら意味不明な言葉をブツブツと呟きながらバスタブにゆっくりと身を沈めた。
「ごめんね、早く洗っちゃうから」
美希はそう急ぎながら、再び手の平にボディーソープをプッシュすると、背後から亜美の尻の谷間に指を滑り込ませ、いきなり性器を洗い始めた。
「あっ」と亜美が慌てた声を出した。が、しかし、亜美はすぐ横で湯に浸かっているお爺さんがこちらに振り向きそうな気がして、慌ててその声を飲み込んだ。
美希はそんな亜美のワレメにヌルヌルと指を滑り込ませながら、既に亜美のその部分が濡れている事に気付いた。
(乳首を愛撫されて感じたのね……)
美希は亜美の背中にニヤリと微笑みながら、くちゅくちゅと音を立てて亜美のワレメを洗った。
「亜美ちゃんのココ、結構汚れてたわよ……」
美希はソッと亜美の耳元に囁いた。亜美は恥ずかしさのあまり下唇をギュッと噛み締める。
「お風呂に入れなくても、トイレのウォシュレットで綺麗にしとかなくちゃダメよ……」
美希はそう言いながらいきなり指をヌルッと抜き取ると、
「ほら、こんなに白いカスが溜ってるじゃない……」
と、その指を亜美に見せつけた。
亜美の頭がカッと赤くなった。恥ずかしさのあまり今にも泣き出しそうだった。
美希は羞恥に駆られた亜美を背後から抱きしめながら、そのドロドロに汚れた指をコッソリ自分の性器に這わせては亜美の汚汁をワレメに擦り付けた。そしてそのまま膣の奥へ奥へと滑り込ませた。
その指で性器をグチュグチュと掻き回した美希は、密かに「うっ」と喉を鳴らした。そして指を膣からヌルッと抜き取ると、その指を洗い流さないまま再び亜美のワレメに滑り込ませた。
「恥垢は性器のヒダヒダの隙間とかに溜ってるの。だからこうやってちゃんと隅々まで洗わないといけないのよ……」
美希の指は亜美のクリトリスの皮をヌルヌルと剥いた。そして剥き出しにされたクリトリスを指先で掻くようにしてコロコロと転がした。
「んっ……」
最も敏感なクリトリスを弄られ、亜美はおもわず声を出してしまった。どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう、と焦りながらも、ふとバスタブの老人を横目で見ると、老人は目を大きく見開きながらそんな亜美をジッと見つめていた。
(やだ!見ないで!)
亜美が下唇を噛みながら老人から目を背けると、美希の指はクリトリスからツルっと滑り、そのまま亜美の膣の中へとヌルッと入ったのだった。
くちゃ、くちゃ、くちゃ、くちゃ………
そんないやらしい音が浴室に響いていた。亜美の膣の中を掻き回す美希の指はいつしか二本に増え、そして今まさに三本に増えようとしていた。
「ごめんね亜美ちゃん、ゴムロープに体重をかけても大丈夫だから、もう少し体を前に傾けてくれるかな……」
美希はそう囁きながら、「そのほうがもっと奥まで洗えるから」と付け加えた。
亜美は言われるがままに、拘束されたゴムロープにぶら下がりながら体を前に傾けた。
そんな亜美には、もはやそれに抵抗する意思は失せていた。それよりももっと奥を……と、願ってしまっているのが本音だった。
ゴムロープにぶら下がる亜美の尻から、美希はソッと椅子を抜き取った。亜美の体は完全に宙吊りとなり、その体を支えているのはタイルに突き立った両膝だけだった。
美希はそんな亜美の両足を最大まで開かせた。そしてパックリと開いた股間をソッと覗き込みながら、膣の中で三本の指を突き立てている右手をクチャクチャクチャと激しく動かした。
「あぁぁん……」
遂に亜美は本格的な喘ぎ声を洩らしてしまった。慌てた亜美は必死に咳払いをしてはそれを誤魔化しながら、バスタブの老人をソッと見た。
とたんに亜美は「ひっ!」と喉を鳴らした。なんと老人はバスタブの縁に座りながら、まるでショータイムを見学するかのようにジッと亜美を見つめていたのだ。しかも、そんな老人のペニスは目を見張るほどに大きく膨れ上がっており、それを老人はぎこちない動きでシコシコとシゴいているのだ。
亜美は恐怖に駆られながら、慌てて老人から目を背けた。それを美希に伝えようと、亜美は体をくねらせながら背後の美希にソッと振り返った。
亜美の目の前に美希の真顔があった。美希は怒ったような目をギラギラさせながら、振り返った亜美の目をジッと見据えた。
そんな美希の目力にたじろいだ亜美が、美希の目からサッと目を反らすと、美希は低い声で「どうしたの」と聞いた。
「あの……お爺ちゃんが……」
亜美が俯きながらそう答えた瞬間、何かが亜美の腋の下に飛んだ。
それは妙に生温かくトロトロとした液体だった。その液体が腋の下から脇腹にタラタラと滴り落ちてきた。
脇腹を伝っていくネズミ色の液体を見た亜美は、それが飛んできた方へゆっくりと目を向けた。老人ががっしりと握っているペニスの先にも同じネズミ色の液体がドロリと垂れていた。
背筋をゾッとさせた亜美は必死になって立ち上がろうとした。が、しかし、タイルには大量のボディーソープが溢れているため、足が滑って立ち上がれない。
すると、必死にもがく亜美を真顔でジッと見つめていた美希が突然バスタブに擦り寄った。そしてバスタブに腰掛けていた老人をゆっくりと立ち上がらせると、「あらあら、また出しちゃったの……」と呟きながら老人のペニスを優しく握った。
それを呆然と見つめる亜美の目の前で、巨大なペニスが上下にシゴかれた。ペニスの先から精液の残液がドロドロと溢れ、それが、ぷちゃ、ぷちゃ、とイヤらしい音を浴室に響かせた。
「あっ……あっ……」
老人は唇からヨダレを垂らしながら、まるでゾンビのように震える両手を美希に向けた。
と、その時、いきなり美希が「あっ!」と何かを思い出したかのように呟いた。
「大変……私、ナースステェーションにシャンプーを忘れてきちゃったわ……」
そう呟きながら美希はスッと立ち上がると、そのままスタスタとドアに向かって歩き出した。
「か、看護婦さん待って!」
亜美が叫んだ。
美希はソッと足を止めゆっくりと振り返った。そして真顔のまま亜美を見つめながら「ナースステェーションまで言って来るから、そのまま待ってなさい……」と妙に低い声で呟いた。
「で、でも、このお爺ちゃんが!」と亜美が叫んだ時、突然美希の目がキっ!と吊り上がった。
「亜美ちゃん……その人はお爺ちゃんじゃないわよ……その人はね、神様なの……」
美希はそう呟きながら、夜叉のような目で亜美を睨んだ。
そんな美希の狂気じみた豹変に、亜美は背筋をゾッとさせながら呆然としていた。すると、バスタブから這い出した老人が亜美のすぐ隣りにしゃがんだ。
「きゃっ!」と叫ぶ亜美の手首で、軋んだゴムロープがギシギシギシっと頑丈な音を立てた。
「ねぇ、神様。私、ちょっとナースステェーションまで行って来るからさぁ、悪いんだけどその患者さん見ててくれるかなぁ……」
美希はそう告げると、怪しくニヤリと微笑みながら亜美を見つめ、「あなたは神へのイケニエよ」と捨てゼリフを残して浴場を出て行った。
「ちょっ、ちょっと待って下さい!」
無情に閉まるドアに叫ぶ亜美。そんな亜美の開いた股間を、老人はタイルに顔を押し付けながら覗き込んでいた。
「ば、婆さんのオメコ、も、もう、ベロベロに濡れてもうとるがなぁ……」
老人はそう呟きながらムクリと起き上がった。そしてブルブルと震える亜美の尻を、老人とは思えぬ恐ろしい力で鷲掴みしながら、開いた尻の谷間に巨大なペニスを押し付けてきた。
「イヤっ!」
叫ぶと同時に、ゴツゴツとした固いペニスはヌルッと亜美の中に侵入してきた。
その瞬間、ぶら下がったままの亜美は強烈な快感に襲われ、一瞬にしてエクスタシーに達した。
そんな亜美が、自分が被虐性淫乱症だという事を美希から教えられるのは、それからあらゆる調教を施された後の、まだまだ先の事である……。
(生け贄 ─いけにえ─・完)