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下宿人8

2011/11/18 Fri 13:16

    下宿人8
「うぉーい!いま帰ったぞー!」
 階下から、いつもの竜雄の野太い声が聞こえて来た。
 裕介は漫画の本をパタッと閉じるとゆっくりと起き上がり、気怠そうに階段を下りたのだった。
 毎週月曜日と水曜日に竜雄は帰って来た。つい先日までは金曜日にも帰って来ていたのだが、しかし運送のルートを九州まで伸ばした事により、最近では毎週月曜日と水曜日にしか帰って来る事はなかった。
「おかえりなさい」と言いながら裕介が茶の間を覗くと、ふいに明子と竜雄が濃厚なディープキスをしているシーンに出会した。
「あわあわあわ」と驚きながら竜雄が明子の体を引き離し、唇を唾液で濡らす明子がケラケラと笑った。
 どこからどう見ても仲の良い夫婦だった。
 そんなこの夫婦を裕介は幸せそうだと心からそう思った。
 竜雄は照れ笑いしながらも裕介を茶の間に招き入れ、今夜は下関からフグを持って来たから鍋にして食べようと、まるで裕介を実の子供のように温かく見つめながら笑った。
 そんな竜雄の優しさに裕介は心が締め付けられた。
 それは、3日前の夜、竜雄の最愛の妻である明子が泥酔しているのをいい事に、実に破廉恥な事をしてしまったからだ。
 裕介は、テーブルの上に乗ったフグを見つめながら嬉しそうにフグの説明している竜雄を見つめながら、心の中で何度も詫びた。そしてもう二度とあんな事はしないと心に誓ったのだった。

 しかし、そんな裕介の心の痛さとは裏腹に、明子は竜雄が出張に出て行くなり、性懲りもなく例の東田を店に呼びつけては深夜遅くまで酒を飲ませていた。
 竜雄さんにバレたらヤバいですよ、と何度裕介が明子に忠告しても、明子はあっけらかんと笑いながら「大丈夫よ。そんな事、ユウ君が心配しなくてもいいの」とそれを一向にやめようとはしなかった。
 そんな東田も、竜雄が留守の晩は必ず店にやって来た。
 そして閉店した喫茶店の奥で、明子と東田は2人っきりで酒を飲み、ベロンベロンになるまで酔いつぶれるのだ。
 酔い潰れた明子が東田に乱暴されぬようにと、裕介は東田が店にいる間中、いつも茶の間でテレビを見ていた。
 おかげで裕介はいつも寝不足だった。
 が、しかし、それなりにイイ事もある。
 それは酔い潰れた明子を介抱する事が出来るからだ。
 しかし、あの時の晩のように、明子のパンティーを脱がせたりペニスを明子の性器に擦り付けたりといった行為はしなかった。
 さすがにアレは夫の竜雄に悪いと思った。だから裕介は明子の服を脱がせたりはせず、かろうじて胸や尻を服の上から撫でたり、スカートの中を覗き込んだりする程度で、それらをオナニーの材料にしていたのだった。

 そんなある晩、いつものように東田が店にやって来て、いつもの奥のボックスで2人は飲んでいたのだが、しかし、用心棒の如く茶の間で聞き耳を立てていた裕介は、今夜の東田の雰囲気がいつもと違っているのにふと気付いた。
 いつもは馬鹿笑いしながら飲んでいる東田だったが、その日に限って妙にトゲトゲしているのだ。
 そんな東田の態度に神経を尖らせていた裕介は、不意に店から聞こえて来た「ばかやろう!」という東田の声に、おもわず茶の間で立ち上がった。
 時計の音がカチカチと響く茶の間で、耳を澄ましながら立ちすくんでいる裕介の耳に、新たな暴言が飛び込んで来た。
「俺がどれだけこの店に貢いでると思ってんだよ!」
 その語気荒い東田の言葉の後に、ガチャン!と何かが倒れる音がした。
 裕介の背筋に寒気が走った。明子が乱暴されている、と思うと、恐怖と同時に強烈な怒りが込み上げ、裕介は膝をガクガクと武者震いさせながらそのまま店へと向かった。
 住居と店とを繋ぐ廊下を進み、カウンターの裏の暖簾からソッと店内を覗き込むと、奥のボックスにポツンと座りながら、神妙な表情で項垂れている明子の姿が見えた。
「これだけ通ってやってるのによ、メシにも付きあわねぇってのはちょっと酷過ぎるだろ?あん?」
 東田の声が聞こえた。しかし壁が死角になっているため、裕介からは東田の姿は見る事は出来なかった。
 ただ、しょんぼりと項垂れている明子のその姿を見れば、今の東田がどれだけ激昂しているのかは、手に取るようにして知る事が出来た。
 裕介は明子に見つからないように、その場にソッとしゃがみ込んだ。もし裕介がそこにいる事を明子が知れば、明子は必ず裕介に「あっちに行ってて」と言うに決まっているからだ。だから裕介は、そこでジッと身を潜めながらも、もし東田が明子に乱暴するような事があればいつでも店に飛び出せる状態にしていたのだった。

「おまえ、水商売長いんだろ?・・・だったらよ、そのくらいのルールくらいわかるだろ、ガキじゃあるめぇし・・・」

 東田はそう言いながらいきなり明子の肩に手を掛け、明子の小さな体を強引に引き寄せた。
 裕介の視界から明子の上半身が消え、とたんに裕介は焦る。
 裕介は飛び出そうかどうしようかと悩んだ。しかし、明子が悲鳴をあげたり助けを求めたりしない以上、今ここで飛び出しても・・・と、すぐに諦める。
 明子さんは僕が守るんだと強がりを言ってた裕介だったが、しかし所詮は高校一年生。結局、裕介は猛牛のように酔っぱらっている東田が怖かったのだ。
「だからよ、メシ食いに行くだけなんだし、付き合えよ、な?」
 東田は明子の肩を強引に抱いたままそう呟いた。
 裕介から見える明子の下半身は、別段バタバタと暴れる事もなく平然としている。
 そんな東田の声が急に聞こえなくなった。静まり返った店内にはいつもの如く麻雀ゲームの電子音だけが鳴り響き、しばらくの間その沈黙が続いていた。
 裕介はいったい2人は何をしているのかと気になった。が、しかし裕介から2人が何をしているのかは見えない。
 裕介の握り拳にジトッと汗が滲むと、それと同時に奥のテーブルから「ぷちゃ」という水が弾けたような音が聞こえた。
 それはまるで小さな子供がアメ玉を舐めているかのような音だった。その音がキスをしていた唇が離れた時の音だという事を、キスをした事のない裕介は気付かない。
 そんな沈黙を破ったのは再び東田のダミゴエだった。

「・・・な、だからよ、こんなとこじゃなくて、もっとゆっくりできる所へ行こうや・・・」

 東田はそう言いながら、明子の太ももに手を滑らせた。裕介の目に、東田のゴツゴツとした大人の手が飛び込む。
「ダメだって東田さん・・・ねぇ、お願い、わかって・・・」
 明子の甘ったるい声が聞こえた。
「わかるって何をだよ・・・おまえが淫乱女だって事は十分わかってるよ・・・」
 そう呟く東田の手が、明子のスカートの中に潜り込んで行った。
 裕介は焦った。クラクラと目眩するほどに焦ったが、しかし、しゃがんでいる両足はまるで凍り付いたかのようにピクリとも動かず、店に飛び出して行く勇気は全く出て来ない。
「お願い・・・ね、いつもみたいに楽しく飲もうよ・・・」
 明子は必死でスカートの中の東田の手を防御しながら、もう片方の手でテーブルの上のグラスを取ると、それを東田に向けた。
「おう、飲んでやるよ、だからおまえも飲め・・・ほら・・・一気に飲めよ・・・」
 東田は明子が差し出したグラスを奪い取ると、そのグラスを明子の唇に押し付けた。
 明子はそんな東田の酒を、文句ひとつ言わずに一気にゴクゴクと飲み干した。
 それから東田は次々に明子に水割りを作らせ、それを明子に強引に飲ませた。その度に明子は「うぐうぐ」と微妙に拒否するが、しかし結局はそれを全て東田に飲まされていた。
 明子が酒を飲んでいる間、東田の手は明子のスカートの中を弄り、そして明子のブラウスの上から胸を揉みしだいていた。
 五杯ほど一気に飲まされた明子は、ソファーに座りながらもフワフワと体を左右に動かしながら、「ごめんね、ごめんね」と東田に謝り続けていた。

「だからホテル行こうぜ、な、な、いいだろ?小遣いやるからよ」

 東田は露骨にそう言いながら、明子のスカートの中で小刻みに手を動かしている。
 ホテルという言葉を聞いた瞬間、裕介はカッと頭に血が上った。薄汚いホテルのベッドの上で、東田が明子をムチャクチャに犯すシーンが、裕介の脳裏にリアルに浮かんで来たのだ。
「ダメだって・・・アタシには旦那がいるんだから・・・」
 明子はロレツの曲がらない言葉でそう言いながらスカートの中の東田の手を強引に引きずり出すと、そのままフラフラとカウンターの席へと逃げた。
「そんな事言わずによ・・・な、俺の気持ちもわかってくれよ・・・」
 そう喋る東田の姿が、いきなり裕介の視界に現れた。
 東田は、カウンターの椅子に座る明子の正面に立つと、そのまま明子を抱きしめた。そして明子の背後からスカートの中に手を滑り込ませ、明子の下半身を撫でながら明子にキスを迫った。
(この野郎!)
 遂に裕介は立ち上がった。そして何かぶん殴る物はないかと辺りをキョロキョロと探す。そんな裕介の目に玄関の下駄箱に立てかけてあった靴べらが飛び込んで来た。
(よし、アレで引っ叩いてやる・・・)
 裕介は鼻息を荒くしながら玄関へ行くと、その金属製の靴べらを握りしめた。すると、いつもこの靴べらを使っては出勤して行く竜雄の顔が不意に浮かんだ。
(竜雄さん。僕が明子さんを守って見せますから・・・)
 裕介は頭に浮かんだ竜雄にそう告げると、それをギュッと握りしめたまま店に向かった。
 しかし、暖簾の向こうに見えるその光景を見た瞬間、今まで威勢の良かった裕介の足が急にピタリと止まった。
 なんと、カウンターの椅子に座っている明子は、自ら舌を東田の唇の中へ伸ばしながら、ウグウグと濃厚なディープキスをしていたのだ。

 それは、どうみても明子のほうが積極的に見えた。
 明子の唇から伸びる舌が東田の口内でリズミカルに踊っている。
(嘘だろ・・・・)
 そんな明子の積極的な愛撫を目の当りにした裕介は、一瞬にして戦意を無くしてしまったのだった。
 重なり合う唇がプチャっと音を立てて離れると、東田は「もう我慢できねぇよ」と情けない声で明子に囁いた。
 そんな東田に明子は「んふっ」と色っぽく微笑むと、そのまま東田のズボンのベルトに手を掛けた。
 裕介の頭にドクドクと血が上り、それ以上立っていられなくなった裕介はそのまま静かに腰を下ろした。
「なぁ、こんなとこじゃなくてよ・・・駅裏のホテルに行こうぜ・・・」
 東田はブツブツとそう言いながら明子のブラウスのボタンをポツポツと外し始める。
「ホテルはダメよ・・・」
 明子そう微笑みながら、ズボンの中から勃起したペニスを捻り出した。
「凄い・・・東田さん、ビンビン・・・」
 明子が目を丸くしながらそう驚くと、東田は満足そうに「へへへへ」と笑い、「ぶち込んで欲しいか?」と明子の首筋に顔を埋めた。
 そのまま明子はフラフラとした足取りで再び奥のボックスへと向かった。そんな明子の後に、ピーンとペニスを立てた東田がフラフラと付いて行く。
 2人が後ろを向いた隙に、裕介はソッと暖簾を掻き分けて店に出た。そして素早くカウンターの裏に忍び込むと、そこから奥のカウンターをソッと覗く。
 東田はソファーにドスンと座ると、東田の股の間にしゃがみ込んだ明子のブラウスを脱がし始めた。
 見慣れた喫茶店の風景の中に、明子の真っ白な肌が浮かび上がり、その不自然な光景に裕介は強烈に興奮した。
 パンティー1枚にされた明子は、そのパンティーさえも毟り取ろうとする東田を上手く躱しながら、椅子に座る東田の足下にしなだれた。そして「今日はこれで許してね・・・」と優しく微笑みながら、ピーンと天井に向かって勃起する東田のペニスをガッシリと握った。

 明子が握るペニスはリズミカルに上下に動き出した。東田は「あぁぁぁ・・・」っという深い声を唸りながら、牛のように垂れ下がる明子のおっぱいをギュウギュウと揉みまくった。
「どうしてホテルはダメなんだよ・・・」
 麻雀ゲームの電子音が鳴り響く中、明子のたわわなオッパイを揉みながら東田が不満そうに聞いた。
「だって・・・アタシ、売春婦じゃないもん・・・」
 明子はそう笑いながら東田の大きなペニスを機械的にシゴく。
「ここまでヤってたら売春と同じじゃねぇか」
 東田が可笑しそうに笑いながら、明子の髪を掻き分け、明子の顔を覗き込む。
「違うよ・・・本番は絶対にヤらせないもん・・・」
「じゃあ、こんなに勃起しちゃったチンポ、どうしてくれるんだよ・・・」
 東田は、明子の股間に手を伸ばし、そこを弄りながら聞いた。
「お口でしてあげる・・・だから今夜はそれで許して・・・」
「でもよ・・・オマエのここ、もうビショビショに濡れてるぜ・・・入れて欲しいんだろ?正直に言えよ」
 東田はそう言いながら明子の股間の指を激しく動かし、ここぞとばかりにワザとらしくいやらしい音を立てた。
「あぁぁん・・・ダメだったら、ヤリたくなっちゃうじゃない・・・」
 明子はそう笑いながら、東田のその乱暴な指からすり抜けるようにして、体をソファーの下へと移動させた。
 そして、東田の両太ももを両手で押え付けると、目の前に聳える東田のペニスをジッと見た。
「お口の中で出してもいいから・・・今夜はこれで許して・・・」
 明子は東田を見上げながら優しくそう呟くと、握っていた東田のペニスの角度を変え、それをそのまま口の中へと滑り込ませて行ったのだった。

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