蛸と少女2
2012/05/19 Sat 00:32
まさに『事実は小説よりも奇なり』であった。
少女がパンツを下ろすのを岩陰からソッと覗き見する私は思いもよらぬ展開にかなり動揺していた。
少女は白ネギのようにスラリと伸びた太ももにパンツを引っ掛けると、小波がちゃぷんっと打ち付ける水際にゆっくりと腰を下ろした。
小便か? と身構えた私の頭の中に、『美少女の海ション』という言葉がふんわりと浮かび上がり、同時に、なんとかして少女の海ションを真正面から見れないものかと、少女の目の前に広がる海を見渡した。
そんな私の足下を、錆びたドラム缶のような色をしたカニがサカサカと横切って行った。私の頭に、磯の水溜まりに横たわる無数の海藻を身体中に張り付けてはカニのようにカサカサと少女に近付いたらやっぱりバレるだろうか、などとバカな考えがふと過る。
少女はノーパンでしゃがんだまま足下の水溜まりを見つめていた。そして、水溜まりに人差し指を突き出すと、なにやら水面をツンツンと突いている。
そこに何かいるのだろうか? と、鼻の下を伸ばしながらその水溜まりをソッと覗いて見ると、そこにはやっぱり何かいた。
それはグニョグニョとした不気味な物体だった。灰色と錆色が混じり合った妙に丸いグロテスクな生物は、なんと蛸だった。少女はそんな蛸の丸い頭を、まるで蛸を目覚めさせるかのようにプニプニと押し続けていたのだ。
少女の人差し指で刺激を受けた蛸は、たちまち水溜まりの中でウニョウニョと蠢き始めた。八本の足がまるで個別の生き物のように縦横無尽に動き回り、そのまま隣りの水溜まりへと逃げようとする。
そんな蛸を少女はいきなりヒョイっと摘まみ上げた。
ジッと蛸を見つめる少女の目は異様な光りを放っていた。私はそんな少女の横顔を見つめ、おもわず背筋をぞくっとさせながらも、不意に薄暗い路地裏で中年夫婦の野外セックスを目撃してしまった時のような怪しいエロスを感じた。
少女は蛸を摘まみ上げたまま、しゃがんでいた両足をゆっくりと開いた。残念ながら私の位置から少女のソコは見えないが、しかし大きく開かれた少女のソコには、きっと栗毛色した少量の陰毛がフワフワと海風に靡いているだろうと想像した。
少女は、開いた股間の右太ももの上にその奇妙な粘着汁でドロドロと滴る蛸をベタッと置いた。
嘘だろ! と私が驚くと、少女は顔を真っ赤に染めながら、真っ白な前歯でピンクの唇をキュッと噛んだ。
再び私の足下を、錆びたドラム缶色したカニがサカサカと横切って行った。私はおもわずそのカニをバシっと踏み潰した。そして民宿で借りた下駄の裏を恐る恐る覗き込んで見ると、果たして想像していたグロテスクな光景はそこにはなく、下駄の裏には、昨日の夕食の刺身の盛り合せに付いていたような緑の海藻が、惨めにブラブラとぶら下がっているだけだった。
私は素早く元の体勢に戻ると、再び岩陰から少女を覗いた。
少女は背後の岩に背中を凭れながら、M字に開いた股を海に向けていた。そこに蛸が蠢いているかどうかは、残念ながら私の位置からは見えなかったが、しかし、しゃがんだ少女の丸い尻の下から,蛸の足のようなものが、にゅるにゅると動いているのが見え、私はソコに蛸が蠢いているのを確信した。
再び私の足下をカニが横切って行った。もはや私はそんなカニには目もくれず、乾いた喉にゴクリと唾を押し込みながら少女を凝視し続けた。
少女は無言のまま口を大きく開き、ゆっくりと空を見上げていた。空を見つめる少女の目は、半開きのままトロリと垂れている。
(葛飾北斎の蛸オナニーだ……)
私はカラカラに乾いた喉に唾をゴクリと押し込みながらそう呟いた。
いきなり少女が苦しそうに「んふっ!」と声をあげた。そしてハァハァと荒い息を吐きながら小さな肩を揺らし、自分の股間をソッと覗き込むと、再び「んんん!」と唸りながら眉間にシワを寄せ、また空を見上げては唇を噛み締めた。
もう我慢できなかった。
漁村の少女が、誰もいない岩場でこっそり陰部に蛸を這わせてオナニーをするという卑猥なシーンを目の前で見せつけられ、そうそう我慢できる程私は紳士ではない。
私はビクンビクンと脈打つ陰茎をギュッと握ると、そのまま拳を根元まで手を下げ、そしてゆっくりと先っぽに移動させた。
このまま射精してしまおうかどうしようかと、悩みながらもゆるやかなピストンを繰り返していると、いきなり背後から「秋恵!」というおばさんの声が響いた。
マズい! と素早く岩陰に実を伏せると、おばさんのその声はみるみるとこっちに近付いてきた。
「秋恵! そこにいるんだろうさ!」
おばさんは面倒臭そうに叫んだ。私は慌ててペニスをズボンの中に押し込むと、岩場に寝そべるような体勢でソッと少女を覗いた。
少女はあたふたになりながらショートパンツを履いていた。そして、今にも泣きそうな声を張り上げながら「今行くから待ってよ!」と叫んでいた。
おばさんが少女がいる岩に到達した瞬間、ショートパンツのボタンを閉め終えた少女が、ウサギのようにピョンっと飛び出した。
その時、初めて少女の顔を私は見た。その顔は、まさに三井のリハウスのCMに出てても何らおかしくない美しい顔をしており、誰が何と言おうと正真正銘の美少女だった。
私がその大きな瞳にうっとりと見とれていると、不意におばさんがダミ声で叫んだ。
「父ちゃんの船、もうとっくに着いたんだよ! 選別の手伝いもしないで、あんたはいつもいつもこんな所で何やってんだい!」
おばさんがそう忌々しく叫ぶと、少女はおばさんを無視したままピョンピョンとウサギのように岩場を飛び跳ねながら逃げ出した。
「秋恵! 待ちなさいったら! 父ちゃんね、今日という今日はもう許さねぇってカンカンに怒ってんだかんね!」
おばさんはそう叫びながら、ぎこちない足取りで少女の後を追う。
「わかってるったら! 今から手伝うよ!」
そんな少女の声が遠くのほうで響いた。私は、そんな少女の小さくなっていく背中を見つめながら、再び私の足下を横切ろうとしたカニに、グシャ! と決着を付けたのだった。
思わぬ所で思わぬ収穫を得た私は、つくづく日本海にしなくて良かったと、岩陰からのそりと身を起こした。
走り去って行く少女とそれを追い掛けるおばさんは、既に米粒程に小さくなっていた。
もちろん、私はこの少女の蛸オナニーを題材に官能小説を書くつもりだった。例え北斎のパクリだろと非難されようとも、しかし本当にその光景をこの目で目撃してしまったのだから、これはもはやパクリとか盗作といったレベルではない。
さっそく私は少女が淫らな事をしていた岩陰に向かった。これを小説にするには、まずは少女の気持ちを探る必要がある。いったい少女はあの岩陰で、どんな香りに包まれながら、どんな景色を見ていたのか。そして、どんな状況でどんな体勢でいたのか。そのあらゆる『どんな』を実証してみた上で、なぜに少女は股間に生きた蛸を這わせたのかを推理してみようと思ったのだ。
そんな岩陰に辿り着くと、湿った岩の上に、慌てた少女が履き忘れていった白いパンツがパサッと置いてあるのが見えた。
私は迷わずそのパンツを手に取りその場にしゃがんだ。それは生活感溢れる、随分と履き古した綿のパンツだった。手に取ったパンツからは既に少女の温もりは消えている。
穏やかな波の音をちゃぷちゃぷと聞きながら、私はそれを両手で開いた。少女の性器が当たっていた中心部分に、まるで枕にこびり付いたヨダレの跡のようなそんな黄色いシミが三センチ程の一本線を作っていた。
その一本線の長さから、少女のワレメの長さもきっとこのくらいなんだろうとふと思うと、私はいきなりムラッと興奮した。
興奮した私は、戸惑う事無くその黄色いシミを鼻に近づけた。
ツンっと嫌な臭いがした。そこに漂うニオイも、これまた枕のヨダレ染みによく似ていた。一瞬私は、これは本当に枕カバーなのではないだろうかと疑ったが、しかしパンツの横の部分に、サイズ表示のタグが縫い付けてあった事から、これが、少女の母親が古くなった枕カバーを縫い合わせ、パンツとして再利用したものではない事が証明された。
私はその黄色いシミをペロリと舐めてみた。塩っぱい味が舌に広がり、同時に頭の片隅で『♪三井のリハウスぅ~♪』というCMソングが流れた。
堪らなくなった私はスボンからペニスを捻り出した。そして少女のシミをレロレロと舐めながらペニスを扱いてみた。
なるほど、この岩場の陰は妙に落ち着く。さすがは地元の少女だ、この場所ならば、『安心できるオナニースポット』と言っても過言ではないだろう。
目の前に広がる大パノラマの大海原を見つめながらペニスをシコシコとシゴいていると、ふと、ぷじゅぷじゅっという奇妙な音が足下から聞こえてきた。
先程踏み潰したカニの一族が仕返しにでも来たのかと足下を見ると、そこには例の蛸が水溜まりの中でブクブクと泡のようなものを噴いていた。
私は悩んだ。確かに、少女のその時の気持ちや感情を知る上においても、又、それがどれほどの快楽を与えてくれるものなのかを詳しく知る為にも、やはり私も実際に蛸を股間に押し当ててみるべきなのだ。それはわかっている。わかってはいるが、しかし、生きている蛸を見るのは初めてなのだ。ぶつ切りされた蛸刺しや、真っ赤に茹でられた蛸ならば馴染みではあるが、しかし、こうも不気味に蠢く生きた蛸は全く馴染みではない。それは見るからにグロテスクであり、かつて西欧では、蛸の事を『悪魔の魚』と呼んでは忌み嫌っていたという理由が納得できるくらい、そのくらい気持ち悪いのである。
(こんな気持ちの悪いモノを少女はよく股間なんかに……)
そう眉を顰めていると、なにやら不思議なエロスが私の心をジリジリとくすぐりはじめた。そう、あれだけの美少女が、どうしてこんなグロテスクな生き物を、よりにもよって性器なんかに這わせていたのだろうかと考えれば考える程、少女が隠し持っているその異常な変態性に切なさを感じ、不意に私は欲情を覚えてしまったのだ。
私はスースーと鼻息を荒げながら、恐る恐る水溜まりの蛸の頭をムニュッと押した。
そこは思ったよりも固かった。蛸の頭などどうせ軟体動物特有のグニャグニャヌルヌルだろうと思っていたのだが、しかしそこは、奇妙なヌメリでヌルヌルはしているもののグニャグニャとはしておらず、どちらかというとコリコリに近い感じだった。
そんな蛸の頭を鷲掴みにし、水溜まりの中からバシャっと持ち上げた。
すると蛸の足が私の右手首にウネウネと絡み付いた。おもわず「うわっ!」と叫びながら右手首に絡み付く蛸を振り払おうとすると、蛸は必死にもがきながら私の肌にイボのような吸盤をプチプチと吸い付けてきた。
その感触は尋常ではなかった。気持ちイイとか気持ち悪いとかの問題ではなく、ただひたすらに恐怖だけを感じさせる強烈な感触だった。
そんな恐怖の感触を手首にグニュグニュと感じていると、またしても少女はこんなモノを性器に這わせていたのかという奇妙な興奮に包まれた。そして同時に、今私の手首に吸い付いているこの吸盤は、あの美少女の整った小陰唇や、米粒のような陰核、そして、まだ肉棒を知らないであろう幼気な膣口などをヌルヌルと弄っていたのだろうかと思い、私は立っていられない程に興奮してしまった。
手首に絡み付く蛸をジッと見つめながら、私は自分に「大丈夫か?」と問い掛けた。すると私の中のもう一人の私が、すかさず「やれ」と命令を下した。
私は岩陰に隠れながらソッと腰を上げると、恐る恐る岩磯を見回した。
辺りには見事に誰もいなかった。遥か彼方の、道路を挟んだ向こう側にある『出光』と書かれたガソリンスタンドから、一台の青いトラックが出て行くのが見えたが、しかしそれは豆粒のように小さく、そんな豆粒トラックに深々と頭を下げているスタンドマンも米粒程に小さかった。
私は決心した。少女の小説を書く上で、実際に蛸を性器に絡み付かせた時の感触を知らなければ、リアルな描写をする事はできないのだ。
私は左手を使い、素早くズボンとパンツを脱いだ。そして蛸が絡み付く右手で勃起したペニスをグニュっと握った。
八本の足を蠢かす蛸は、何の疑いも持たずニョロニョロとペニスに移動してきた。まるで納豆のようにヌルヌルした蛸の足が、一本また一本と私のペニスに絡み付く。
(こりぁ、なんだか、すげぇぞ……)
そう呟きながら、私はそのまま岩場に腰を下ろした。そこは丁度、少女がしゃがんでいた場所だった。
蠢く蛸を股間にあてると、ひんやりとした冷たさと共に、なんとも心地良いヌメリが股間に広がった。
蛸が蠢く度におもわず「はうっ!」っと悲鳴をあげる。私は蛸に愛撫されながら、そんな破廉恥な声を十秒に一回あげていた。
この場所なら、例え大声で叫んだとしても誰にも気付かれなかった。そんな安心感から、私はいつもより大きな声をあげ、そして大胆に悶えまくった。
いつしか私は、ゴツゴツとした岩の上に仰向けに寝転んでいた。真っ青な春の空が目の前に広がり、なにやら野外プレイをしている時のような開放感と、スリルに包まれていた。
そんな私の下半身には、ドロドロと糸を引く生きた蛸が官能的に蠢いていた。蛸は私の亀頭と竿と金玉と肛門の『性感四天王』に容赦なくヌルヌルと這い回り、そして吸盤でクチュクチュと吸い付いてきた。それはまるで唇の大きな熟女とローションプレイをしているような感覚だった。
因みに、唇の大きな熟女というのは、私が贔屓にしているデリヘル嬢の事だ。私はかれこれ彼女を十回以上指名しているものの、未だに彼女の名前が覚えられず、指名する時はいつも「唇の大きな熟女をお願いします」と言っていた。しかし、不思議とソレで通用するから笑える。
私は蛸にペニスを愛撫されながらも、そんな唇の大きな熟女のねっとりフェラを思い出していた。唇の大きな熟女はベポバポと音を鳴らしながらしゃぶるが、しかし蛸は、ピチ、ペチ、という、まるで天ぷらを揚げている時のような音を立てた。
そんな蛸はヌルヌルとヘソへ移動して来た。その度に私は蛸を金玉まで下げるのだが、そうしながらも、ふと、あの美少女もこうやっていちいち蛸を下げていたのかと想像してしまい、まるで自分が少女になった気分になっては、おもわず「蛸さん、やめて……」などと、恥ずかしい言葉を呟いてしまった。
そんな言葉を発しながら私はペニスをシゴいた。蛸さんには金玉と肛門を愛撫してもらい、その隙にジュブジュブとペニスをシゴいた。蛸の皮膚についている粘膜がほどよいヌルヌル感を与えてくれ、かなり気持ちイイ。
しかも、この蛸さんはつい先程まで美少女の股間を弄っていたのだと考えると、これは紛れもなく間接性交だ、などと更に興奮し、このまま蛸さんの八本の腕に包まれながらイッてしまいたいという衝動に駆られた。
岩の上に大の字に寝転ぶ私は、下半身に蛸を張付けたまま豪快にペニスをシゴいた。
そして、そろそろイクぞ、と両足をスリスリさせながら蛸に合図を送ると、蛸は私の股に挟まれながらグニョグニョ掻き回されていた。
しまった! と焦った私は、蛸が私の股の中で潰れてしまったのではないかと慌ててムクリと起き上がった。
すると、なんと私の目の前には、例の美少女が大きな目玉を「ギョッ」とさせながら呆然と立ちすくんでいたのだった。
※
「つまり……キミはこのパンツを返して欲しいというわけだね?」
岩の上に胡座をかく私は、その股間を蛸で隠しながら少女にそう聞いた。しかし、股間の蛸は容赦せずにペニスに絡み付く為、それに感じたペニスは蛸の腕の中からニョッキリと亀頭を突き出していた。
そんな私の問いに、少女は瞳を恐怖で泳がせながら小さくコクンと頷いた。
「しかしキミ、果たしてこのパンツが本当にキミの物なのかどうかわからないじゃないか……もしかしたら僕のパンツかも知れない」
私が意地悪くそう言うと、少女は、「それは私のです」と、今にも泣きそうな表情できっぱりと呟いた。
「だったらその証拠はあるのかい?」
「そんなのないけど……でもそれは秋恵のだもん」
「ほう、キミは秋恵ちゃんと言うのかい?」
「…………」
「まぁいい。仮にキミを秋恵ちゃんとしとこう」
私はそう頷くと、薄ら笑いを浮かべながらそのまま言葉を続けた。
「ならば秋恵ちゃん、ちょっとお尋ねしますがね、なぜキミはこんな所にパンツを脱ぎ捨てていたんだい?」
「……それは……」
「その理由を明らかにしてくれない事には、このパンツをキミに渡す事はできないね。これはこのまま私が『落とし物』として、駅前の交番に届ける事にするよ」
「それはヤダ」
「じゃあ秋恵ちゃん、いや、仮に秋恵ちゃん。どうしてこんな所にパンツを脱ぎ捨てていたのか理由を説明しなさい」
「ヤダ」
「じゃあ交番に届けるまでだ」
「それもヤダ」
そう言いながら真っ白な頬をプクッと膨らませる少女。そんな少女を見つめる私の脳裏に、再び『♪三井のリハウスぅ~♪』のCMソングが流れた。
「じゃあ聞きますが、これはいつ脱いだの?」
「さっき」
「さっきとは何時間くらい前?」
少女は小さな顔を斜めに傾けながら考えると、しばらくして「三十分くらい前かなぁ……」と呟いた。
「って事は、キミは今、パンツを履いてないのかい?」
少女は恥ずかしそうに視線を落としながら、コクンと小さく頷いた。
「じゃあ証拠を見せて下さい」
「しょうこ?」
「そうです。証拠です。今キミが本当にパンツを履いていないという証拠です。そのショートパンツを脱いでそれを証明してくれたら、私も黙ってこのパンツをキミに返しましょう」
「…………」
少女は下唇を噛みながら悩んでいた。
私の肉棒に蛸が絡み付く。私は股間に快感を感じながら、戸惑う少女の大きな瞳をジッと見つめ、そして心の中で(早く脱げ! 早く脱いでマンコを見せろ!)と念力を送っていた。
すると少女は私の意に反し、「恥ずかしいからヤダ」と呟いた。
私はイライラしながらも少女にキツい口調で問い掛ける。
「キミはどこの学校だね。何年何組で、担任の先生は誰だね」
「中之島中学の……一年二組……」
中学一年と聞いて、逆に私が戸惑った。
しかし、これはチャンスだ。中学一年生のマンコを見たり触ったり、いやもしかしたら入れれたりできるかも知れないというチャンスなのだ。
こんなチャンスは二度とない。もしこれを逃せば、私は変態小説家として一生悔むだろう。そう思った私は必死になって少女に叫んだ。
「担任の先生は誰だ!」
少女は私の怒鳴り声に、細い肩をビクンっとさせると、慌てて「川端先生です」と答えた。
「ようしわかった。ならばこれからその川端か康成かわからないけれど、その先生とやらに会いに行こうじゃないか。そしてその先生に、キミが本当にパンツを履いてないかどうかを確認してもらおうではないか」
「ヤダヤダヤダ」
少女は細い脚をバタバタと足踏みさせながら顔を歪ませた。
「イヤなら、今ここで私に証拠を見せなさい!」
肩を竦める少女は「ふぇん」と喉を鳴らすと、投げ遣りにショートパンツのボタンを摘んだのだった。
(3へ続く)
《←目次へ》《3話へ→》
少女がパンツを下ろすのを岩陰からソッと覗き見する私は思いもよらぬ展開にかなり動揺していた。
少女は白ネギのようにスラリと伸びた太ももにパンツを引っ掛けると、小波がちゃぷんっと打ち付ける水際にゆっくりと腰を下ろした。
小便か? と身構えた私の頭の中に、『美少女の海ション』という言葉がふんわりと浮かび上がり、同時に、なんとかして少女の海ションを真正面から見れないものかと、少女の目の前に広がる海を見渡した。
そんな私の足下を、錆びたドラム缶のような色をしたカニがサカサカと横切って行った。私の頭に、磯の水溜まりに横たわる無数の海藻を身体中に張り付けてはカニのようにカサカサと少女に近付いたらやっぱりバレるだろうか、などとバカな考えがふと過る。
少女はノーパンでしゃがんだまま足下の水溜まりを見つめていた。そして、水溜まりに人差し指を突き出すと、なにやら水面をツンツンと突いている。
そこに何かいるのだろうか? と、鼻の下を伸ばしながらその水溜まりをソッと覗いて見ると、そこにはやっぱり何かいた。
それはグニョグニョとした不気味な物体だった。灰色と錆色が混じり合った妙に丸いグロテスクな生物は、なんと蛸だった。少女はそんな蛸の丸い頭を、まるで蛸を目覚めさせるかのようにプニプニと押し続けていたのだ。
少女の人差し指で刺激を受けた蛸は、たちまち水溜まりの中でウニョウニョと蠢き始めた。八本の足がまるで個別の生き物のように縦横無尽に動き回り、そのまま隣りの水溜まりへと逃げようとする。
そんな蛸を少女はいきなりヒョイっと摘まみ上げた。
ジッと蛸を見つめる少女の目は異様な光りを放っていた。私はそんな少女の横顔を見つめ、おもわず背筋をぞくっとさせながらも、不意に薄暗い路地裏で中年夫婦の野外セックスを目撃してしまった時のような怪しいエロスを感じた。
少女は蛸を摘まみ上げたまま、しゃがんでいた両足をゆっくりと開いた。残念ながら私の位置から少女のソコは見えないが、しかし大きく開かれた少女のソコには、きっと栗毛色した少量の陰毛がフワフワと海風に靡いているだろうと想像した。
少女は、開いた股間の右太ももの上にその奇妙な粘着汁でドロドロと滴る蛸をベタッと置いた。
嘘だろ! と私が驚くと、少女は顔を真っ赤に染めながら、真っ白な前歯でピンクの唇をキュッと噛んだ。
再び私の足下を、錆びたドラム缶色したカニがサカサカと横切って行った。私はおもわずそのカニをバシっと踏み潰した。そして民宿で借りた下駄の裏を恐る恐る覗き込んで見ると、果たして想像していたグロテスクな光景はそこにはなく、下駄の裏には、昨日の夕食の刺身の盛り合せに付いていたような緑の海藻が、惨めにブラブラとぶら下がっているだけだった。
私は素早く元の体勢に戻ると、再び岩陰から少女を覗いた。
少女は背後の岩に背中を凭れながら、M字に開いた股を海に向けていた。そこに蛸が蠢いているかどうかは、残念ながら私の位置からは見えなかったが、しかし、しゃがんだ少女の丸い尻の下から,蛸の足のようなものが、にゅるにゅると動いているのが見え、私はソコに蛸が蠢いているのを確信した。
再び私の足下をカニが横切って行った。もはや私はそんなカニには目もくれず、乾いた喉にゴクリと唾を押し込みながら少女を凝視し続けた。
少女は無言のまま口を大きく開き、ゆっくりと空を見上げていた。空を見つめる少女の目は、半開きのままトロリと垂れている。
(葛飾北斎の蛸オナニーだ……)
私はカラカラに乾いた喉に唾をゴクリと押し込みながらそう呟いた。
いきなり少女が苦しそうに「んふっ!」と声をあげた。そしてハァハァと荒い息を吐きながら小さな肩を揺らし、自分の股間をソッと覗き込むと、再び「んんん!」と唸りながら眉間にシワを寄せ、また空を見上げては唇を噛み締めた。
もう我慢できなかった。
漁村の少女が、誰もいない岩場でこっそり陰部に蛸を這わせてオナニーをするという卑猥なシーンを目の前で見せつけられ、そうそう我慢できる程私は紳士ではない。
私はビクンビクンと脈打つ陰茎をギュッと握ると、そのまま拳を根元まで手を下げ、そしてゆっくりと先っぽに移動させた。
このまま射精してしまおうかどうしようかと、悩みながらもゆるやかなピストンを繰り返していると、いきなり背後から「秋恵!」というおばさんの声が響いた。
マズい! と素早く岩陰に実を伏せると、おばさんのその声はみるみるとこっちに近付いてきた。
「秋恵! そこにいるんだろうさ!」
おばさんは面倒臭そうに叫んだ。私は慌ててペニスをズボンの中に押し込むと、岩場に寝そべるような体勢でソッと少女を覗いた。
少女はあたふたになりながらショートパンツを履いていた。そして、今にも泣きそうな声を張り上げながら「今行くから待ってよ!」と叫んでいた。
おばさんが少女がいる岩に到達した瞬間、ショートパンツのボタンを閉め終えた少女が、ウサギのようにピョンっと飛び出した。
その時、初めて少女の顔を私は見た。その顔は、まさに三井のリハウスのCMに出てても何らおかしくない美しい顔をしており、誰が何と言おうと正真正銘の美少女だった。
私がその大きな瞳にうっとりと見とれていると、不意におばさんがダミ声で叫んだ。
「父ちゃんの船、もうとっくに着いたんだよ! 選別の手伝いもしないで、あんたはいつもいつもこんな所で何やってんだい!」
おばさんがそう忌々しく叫ぶと、少女はおばさんを無視したままピョンピョンとウサギのように岩場を飛び跳ねながら逃げ出した。
「秋恵! 待ちなさいったら! 父ちゃんね、今日という今日はもう許さねぇってカンカンに怒ってんだかんね!」
おばさんはそう叫びながら、ぎこちない足取りで少女の後を追う。
「わかってるったら! 今から手伝うよ!」
そんな少女の声が遠くのほうで響いた。私は、そんな少女の小さくなっていく背中を見つめながら、再び私の足下を横切ろうとしたカニに、グシャ! と決着を付けたのだった。
思わぬ所で思わぬ収穫を得た私は、つくづく日本海にしなくて良かったと、岩陰からのそりと身を起こした。
走り去って行く少女とそれを追い掛けるおばさんは、既に米粒程に小さくなっていた。
もちろん、私はこの少女の蛸オナニーを題材に官能小説を書くつもりだった。例え北斎のパクリだろと非難されようとも、しかし本当にその光景をこの目で目撃してしまったのだから、これはもはやパクリとか盗作といったレベルではない。
さっそく私は少女が淫らな事をしていた岩陰に向かった。これを小説にするには、まずは少女の気持ちを探る必要がある。いったい少女はあの岩陰で、どんな香りに包まれながら、どんな景色を見ていたのか。そして、どんな状況でどんな体勢でいたのか。そのあらゆる『どんな』を実証してみた上で、なぜに少女は股間に生きた蛸を這わせたのかを推理してみようと思ったのだ。
そんな岩陰に辿り着くと、湿った岩の上に、慌てた少女が履き忘れていった白いパンツがパサッと置いてあるのが見えた。
私は迷わずそのパンツを手に取りその場にしゃがんだ。それは生活感溢れる、随分と履き古した綿のパンツだった。手に取ったパンツからは既に少女の温もりは消えている。
穏やかな波の音をちゃぷちゃぷと聞きながら、私はそれを両手で開いた。少女の性器が当たっていた中心部分に、まるで枕にこびり付いたヨダレの跡のようなそんな黄色いシミが三センチ程の一本線を作っていた。
その一本線の長さから、少女のワレメの長さもきっとこのくらいなんだろうとふと思うと、私はいきなりムラッと興奮した。
興奮した私は、戸惑う事無くその黄色いシミを鼻に近づけた。
ツンっと嫌な臭いがした。そこに漂うニオイも、これまた枕のヨダレ染みによく似ていた。一瞬私は、これは本当に枕カバーなのではないだろうかと疑ったが、しかしパンツの横の部分に、サイズ表示のタグが縫い付けてあった事から、これが、少女の母親が古くなった枕カバーを縫い合わせ、パンツとして再利用したものではない事が証明された。
私はその黄色いシミをペロリと舐めてみた。塩っぱい味が舌に広がり、同時に頭の片隅で『♪三井のリハウスぅ~♪』というCMソングが流れた。
堪らなくなった私はスボンからペニスを捻り出した。そして少女のシミをレロレロと舐めながらペニスを扱いてみた。
なるほど、この岩場の陰は妙に落ち着く。さすがは地元の少女だ、この場所ならば、『安心できるオナニースポット』と言っても過言ではないだろう。
目の前に広がる大パノラマの大海原を見つめながらペニスをシコシコとシゴいていると、ふと、ぷじゅぷじゅっという奇妙な音が足下から聞こえてきた。
先程踏み潰したカニの一族が仕返しにでも来たのかと足下を見ると、そこには例の蛸が水溜まりの中でブクブクと泡のようなものを噴いていた。
私は悩んだ。確かに、少女のその時の気持ちや感情を知る上においても、又、それがどれほどの快楽を与えてくれるものなのかを詳しく知る為にも、やはり私も実際に蛸を股間に押し当ててみるべきなのだ。それはわかっている。わかってはいるが、しかし、生きている蛸を見るのは初めてなのだ。ぶつ切りされた蛸刺しや、真っ赤に茹でられた蛸ならば馴染みではあるが、しかし、こうも不気味に蠢く生きた蛸は全く馴染みではない。それは見るからにグロテスクであり、かつて西欧では、蛸の事を『悪魔の魚』と呼んでは忌み嫌っていたという理由が納得できるくらい、そのくらい気持ち悪いのである。
(こんな気持ちの悪いモノを少女はよく股間なんかに……)
そう眉を顰めていると、なにやら不思議なエロスが私の心をジリジリとくすぐりはじめた。そう、あれだけの美少女が、どうしてこんなグロテスクな生き物を、よりにもよって性器なんかに這わせていたのだろうかと考えれば考える程、少女が隠し持っているその異常な変態性に切なさを感じ、不意に私は欲情を覚えてしまったのだ。
私はスースーと鼻息を荒げながら、恐る恐る水溜まりの蛸の頭をムニュッと押した。
そこは思ったよりも固かった。蛸の頭などどうせ軟体動物特有のグニャグニャヌルヌルだろうと思っていたのだが、しかしそこは、奇妙なヌメリでヌルヌルはしているもののグニャグニャとはしておらず、どちらかというとコリコリに近い感じだった。
そんな蛸の頭を鷲掴みにし、水溜まりの中からバシャっと持ち上げた。
すると蛸の足が私の右手首にウネウネと絡み付いた。おもわず「うわっ!」と叫びながら右手首に絡み付く蛸を振り払おうとすると、蛸は必死にもがきながら私の肌にイボのような吸盤をプチプチと吸い付けてきた。
その感触は尋常ではなかった。気持ちイイとか気持ち悪いとかの問題ではなく、ただひたすらに恐怖だけを感じさせる強烈な感触だった。
そんな恐怖の感触を手首にグニュグニュと感じていると、またしても少女はこんなモノを性器に這わせていたのかという奇妙な興奮に包まれた。そして同時に、今私の手首に吸い付いているこの吸盤は、あの美少女の整った小陰唇や、米粒のような陰核、そして、まだ肉棒を知らないであろう幼気な膣口などをヌルヌルと弄っていたのだろうかと思い、私は立っていられない程に興奮してしまった。
手首に絡み付く蛸をジッと見つめながら、私は自分に「大丈夫か?」と問い掛けた。すると私の中のもう一人の私が、すかさず「やれ」と命令を下した。
私は岩陰に隠れながらソッと腰を上げると、恐る恐る岩磯を見回した。
辺りには見事に誰もいなかった。遥か彼方の、道路を挟んだ向こう側にある『出光』と書かれたガソリンスタンドから、一台の青いトラックが出て行くのが見えたが、しかしそれは豆粒のように小さく、そんな豆粒トラックに深々と頭を下げているスタンドマンも米粒程に小さかった。
私は決心した。少女の小説を書く上で、実際に蛸を性器に絡み付かせた時の感触を知らなければ、リアルな描写をする事はできないのだ。
私は左手を使い、素早くズボンとパンツを脱いだ。そして蛸が絡み付く右手で勃起したペニスをグニュっと握った。
八本の足を蠢かす蛸は、何の疑いも持たずニョロニョロとペニスに移動してきた。まるで納豆のようにヌルヌルした蛸の足が、一本また一本と私のペニスに絡み付く。
(こりぁ、なんだか、すげぇぞ……)
そう呟きながら、私はそのまま岩場に腰を下ろした。そこは丁度、少女がしゃがんでいた場所だった。
蠢く蛸を股間にあてると、ひんやりとした冷たさと共に、なんとも心地良いヌメリが股間に広がった。
蛸が蠢く度におもわず「はうっ!」っと悲鳴をあげる。私は蛸に愛撫されながら、そんな破廉恥な声を十秒に一回あげていた。
この場所なら、例え大声で叫んだとしても誰にも気付かれなかった。そんな安心感から、私はいつもより大きな声をあげ、そして大胆に悶えまくった。
いつしか私は、ゴツゴツとした岩の上に仰向けに寝転んでいた。真っ青な春の空が目の前に広がり、なにやら野外プレイをしている時のような開放感と、スリルに包まれていた。
そんな私の下半身には、ドロドロと糸を引く生きた蛸が官能的に蠢いていた。蛸は私の亀頭と竿と金玉と肛門の『性感四天王』に容赦なくヌルヌルと這い回り、そして吸盤でクチュクチュと吸い付いてきた。それはまるで唇の大きな熟女とローションプレイをしているような感覚だった。
因みに、唇の大きな熟女というのは、私が贔屓にしているデリヘル嬢の事だ。私はかれこれ彼女を十回以上指名しているものの、未だに彼女の名前が覚えられず、指名する時はいつも「唇の大きな熟女をお願いします」と言っていた。しかし、不思議とソレで通用するから笑える。
私は蛸にペニスを愛撫されながらも、そんな唇の大きな熟女のねっとりフェラを思い出していた。唇の大きな熟女はベポバポと音を鳴らしながらしゃぶるが、しかし蛸は、ピチ、ペチ、という、まるで天ぷらを揚げている時のような音を立てた。
そんな蛸はヌルヌルとヘソへ移動して来た。その度に私は蛸を金玉まで下げるのだが、そうしながらも、ふと、あの美少女もこうやっていちいち蛸を下げていたのかと想像してしまい、まるで自分が少女になった気分になっては、おもわず「蛸さん、やめて……」などと、恥ずかしい言葉を呟いてしまった。
そんな言葉を発しながら私はペニスをシゴいた。蛸さんには金玉と肛門を愛撫してもらい、その隙にジュブジュブとペニスをシゴいた。蛸の皮膚についている粘膜がほどよいヌルヌル感を与えてくれ、かなり気持ちイイ。
しかも、この蛸さんはつい先程まで美少女の股間を弄っていたのだと考えると、これは紛れもなく間接性交だ、などと更に興奮し、このまま蛸さんの八本の腕に包まれながらイッてしまいたいという衝動に駆られた。
岩の上に大の字に寝転ぶ私は、下半身に蛸を張付けたまま豪快にペニスをシゴいた。
そして、そろそろイクぞ、と両足をスリスリさせながら蛸に合図を送ると、蛸は私の股に挟まれながらグニョグニョ掻き回されていた。
しまった! と焦った私は、蛸が私の股の中で潰れてしまったのではないかと慌ててムクリと起き上がった。
すると、なんと私の目の前には、例の美少女が大きな目玉を「ギョッ」とさせながら呆然と立ちすくんでいたのだった。
※
「つまり……キミはこのパンツを返して欲しいというわけだね?」
岩の上に胡座をかく私は、その股間を蛸で隠しながら少女にそう聞いた。しかし、股間の蛸は容赦せずにペニスに絡み付く為、それに感じたペニスは蛸の腕の中からニョッキリと亀頭を突き出していた。
そんな私の問いに、少女は瞳を恐怖で泳がせながら小さくコクンと頷いた。
「しかしキミ、果たしてこのパンツが本当にキミの物なのかどうかわからないじゃないか……もしかしたら僕のパンツかも知れない」
私が意地悪くそう言うと、少女は、「それは私のです」と、今にも泣きそうな表情できっぱりと呟いた。
「だったらその証拠はあるのかい?」
「そんなのないけど……でもそれは秋恵のだもん」
「ほう、キミは秋恵ちゃんと言うのかい?」
「…………」
「まぁいい。仮にキミを秋恵ちゃんとしとこう」
私はそう頷くと、薄ら笑いを浮かべながらそのまま言葉を続けた。
「ならば秋恵ちゃん、ちょっとお尋ねしますがね、なぜキミはこんな所にパンツを脱ぎ捨てていたんだい?」
「……それは……」
「その理由を明らかにしてくれない事には、このパンツをキミに渡す事はできないね。これはこのまま私が『落とし物』として、駅前の交番に届ける事にするよ」
「それはヤダ」
「じゃあ秋恵ちゃん、いや、仮に秋恵ちゃん。どうしてこんな所にパンツを脱ぎ捨てていたのか理由を説明しなさい」
「ヤダ」
「じゃあ交番に届けるまでだ」
「それもヤダ」
そう言いながら真っ白な頬をプクッと膨らませる少女。そんな少女を見つめる私の脳裏に、再び『♪三井のリハウスぅ~♪』のCMソングが流れた。
「じゃあ聞きますが、これはいつ脱いだの?」
「さっき」
「さっきとは何時間くらい前?」
少女は小さな顔を斜めに傾けながら考えると、しばらくして「三十分くらい前かなぁ……」と呟いた。
「って事は、キミは今、パンツを履いてないのかい?」
少女は恥ずかしそうに視線を落としながら、コクンと小さく頷いた。
「じゃあ証拠を見せて下さい」
「しょうこ?」
「そうです。証拠です。今キミが本当にパンツを履いていないという証拠です。そのショートパンツを脱いでそれを証明してくれたら、私も黙ってこのパンツをキミに返しましょう」
「…………」
少女は下唇を噛みながら悩んでいた。
私の肉棒に蛸が絡み付く。私は股間に快感を感じながら、戸惑う少女の大きな瞳をジッと見つめ、そして心の中で(早く脱げ! 早く脱いでマンコを見せろ!)と念力を送っていた。
すると少女は私の意に反し、「恥ずかしいからヤダ」と呟いた。
私はイライラしながらも少女にキツい口調で問い掛ける。
「キミはどこの学校だね。何年何組で、担任の先生は誰だね」
「中之島中学の……一年二組……」
中学一年と聞いて、逆に私が戸惑った。
しかし、これはチャンスだ。中学一年生のマンコを見たり触ったり、いやもしかしたら入れれたりできるかも知れないというチャンスなのだ。
こんなチャンスは二度とない。もしこれを逃せば、私は変態小説家として一生悔むだろう。そう思った私は必死になって少女に叫んだ。
「担任の先生は誰だ!」
少女は私の怒鳴り声に、細い肩をビクンっとさせると、慌てて「川端先生です」と答えた。
「ようしわかった。ならばこれからその川端か康成かわからないけれど、その先生とやらに会いに行こうじゃないか。そしてその先生に、キミが本当にパンツを履いてないかどうかを確認してもらおうではないか」
「ヤダヤダヤダ」
少女は細い脚をバタバタと足踏みさせながら顔を歪ませた。
「イヤなら、今ここで私に証拠を見せなさい!」
肩を竦める少女は「ふぇん」と喉を鳴らすと、投げ遣りにショートパンツのボタンを摘んだのだった。
(3へ続く)
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