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ぶっかけ小屋(後編)

2009/03/13 Fri 21:19

ぶっかけ小屋・後編




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店内の改装が急ピッチで進められていた。
戦後間もなくして映画館として立てられたこの建物は、昭和30年代には高利貸しの華僑の手に渡り、それからというものストリップ劇場として怪しいネオンを灯してきた。
そんな歴史ある建物の老朽化は目を背けたくなるほどのものだったが、しかし改装に掛けるだけの資金も乏しく、改装工事は店内だけに絞り、外装は新たに看板を設置しただけとし、あとは戦後からのそのままの姿を残す事とした。

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解体されて行くステージを眺めながら、30年間そのステージで戦って来たローズは目に涙を浮かべていた。今までの色々な思い出が詰まっているのであろう…女の涙に弱い私は、そんな彼女の気持ちを察し肩にそっと手を回す。回してふと彼女の顔を覗き込み労いの言葉のひとつでも掛けてやろうとすると「…いやぁ…ひどい埃だわねぇ…これは戦後からの埃が溜まってんのよ、あたしゃ花粉症だから埃に弱くってね…ヒャ、ヒャ、ヒャァ~クッション!!」と大きなクシャミをした。

この日、午後3時から、近くのホテルのロビーで、『ぶっかけ嬢』の面接が開かれることになっていた。

これまでに集まった嬢は合計10名。その内の3名はプロダクションからの派遣AV女優で、一昔前はそこそこ名前の売れていたAV女優も混じっていた。そこに立ち会っていた田代は「先輩!!僕、あの女優さんのファンでした!!昔、毎日のようにあの女優さんでヌいてましたよ!!」と興奮状態で大騒ぎし大変だった。しかし、その女優達のどれもが見れば見る程素晴らしいルックスの女達ばかりであった。

そしてその内の5名は香川が連れて来た素人の人妻達だった。彼女達はなかなか垢抜けた人妻たちばかりで、まさか闇金の返済の為に体を売っているような暗い人生を引きずるオンナたちには見えなかった。そのままベビーカーを引きずりながら公園でお喋りさせていても、誰もが普通の主婦だと思い、まさか売春主婦軍団とは誰も思わない、そんな普通の若い人妻ばかりだった。
このギャラでこの質とはそすがは香川アッパレだ!っとボーナスもとびっきり弾んでやった。

しかしその内の2名。元ストリッパーとして東劇で働いていた、いわゆる『熟女』なのだが、これまた凄いの一言だった。熟女といってもそこそこ熟女ではなくブヨブヨの完熟。加齢臭と安物の香水をプンプンとさせながら、華麗なるAV女優達の中でその二人だけはあきらかに違う空気を漂わせていた。

「お給金さぁ~100万以上ってローズ姐さんから聞いてるけどぉ~でも私たちって元々がダンサーだしぃ~あの娘たちみたいにあんまり下品な事はできないんだよねぇ~」
この腐った浅野温子もどきの完熟女は絶対にスカトロ大便専用に回してやろうと心に誓う。

「あたしは給料さえちゃんと貰えれば何だっていいけどね…でも、やっぱりあたしも元東劇のダンサーっていうプライドあるじゃん、だからできるだけあのチャラチャラしたガキん子たちとは絡みたくないなぁって思うわけよ、わかるでしょ?」
もう一人の元東劇ダンサー。この煙草ばかり吹かしている口臭桃井かおりカブレの身の程知らず熟女にはマゾの部屋に入ってもらおう、こんな糞憎たらしい女ならサドっ気のない一般人でもムチで叩きのめしてやりたいはずだ。

そんなこんなでとりあえずは10人は揃った。

ただ、今集まっているのはあくまでもプロのお姉さん方ばかりである。当店がウリとする肝心の素人女はまだ0人なのだ。
果たして、今日の面接に素人専門の宇都宮は、いったい何人の素人女を連れて来れるだろうか…
私はそんな不安に駆られながらも面接場所であるホテルのロビーに向かったのだった。


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ホテルのロビーのソファーでは宇都宮が携帯電話に向かっていつもの営業口調の大きな声を張り上げていた。ホテルの自動ドアを開いてロビーに入って来た私に気付いた宇都宮は「それでは社長、できるだワケアリなオンナを集めてみますので…はい、はい、わかりました、また御連絡させていただきます、失礼します」と慌てて電話を切った。

「それ、山ちゃんからだろ?…」
笑いながら歩み寄る私に宇都宮は「どうしてわかったんですか?!」と驚いた。
「さっき私んとこにも電話があったんだよ、新しいデリヘル立ち上げるから何かアイデアくれってね…」
宇都宮はソファーから立ち上がり私と並んでホテルの廊下を歩きながら奥の喫茶店『パティオ』に向かう。
「だからさぁ山ちゃんに言ってやったの、派遣切りされた女ばかり集めて『泪橋』って名前のデリヘル作れって。突然派遣会社解雇されちゃって明日からどうやって生活して行こうかと路頭に迷う女がさぁ、生きる為にハングリー精神剥き出しにして体売るってのがコンセプトのデリヘル」
「あれは愚人さんの案だったんですか~、派遣を首になった女を集めろって山田さんうるさかったんですよね…どうりでなんかマニアっぽくて愚人さんらしい企画ですよね~」
「それでね、そのデリで働く女達はデリヘル嬢じゃなくて、明日の嬢って呼ぶように言ってやったの。泪橋のオンボロジムで『あしたのためにその1…』って言いながら働くようにね」

デリちらし

「それってダシャレじゃないですかぁ、滅茶苦茶だなぁ愚人さんは、山田さん可哀想~」
二人はハハハハハと笑いながら歩いた。

パティオの前に来ると、中に数人の女達がコーヒーを啜っているのがショーウィンドー越しに見えた。
「…どうだい質は?上玉はいるかい?」
私は彼女達の席に近付きながら宇都宮に小声で尋ねる。
「…はい、あの赤いハンドバッグを持った女の子…あの子、風俗経験も援交経験もナシで、性格もルックスもなかなかイケてます…」
「…借金は?」
「ウチに50、他社に80。その内、東新プロが50の債権持ってまして、あいつら彼女を企画モノのAVでデビューさせようとしてたんですけど、ソレ横取りしてやりました」
私はクククククッと含み笑いをしながら「なかなかやるねぇ宇都宮チャン」と彼の腰を突っついた。

私がテーブルの前まで来ると、全員が俯き加減に机に向かいボソッと挨拶をした。
女は6人。どれも20代の若い女ばかりだ。みんな高級そうなハンドバッグを持ちブランドのアクセサリーを身体中に散りばめていた。
私は簡単に挨拶をすると、席に着きながらもその赤いハンドバッグの彼女だけがチャラチャラとブランド品を身につけていないのに気がついた。


「仕事内容は簡単です。キミ達はただ部屋の中で座っていればいいんです。あとは客がパンツを見せてとか舌ベラを見せてとかインターホンで指示をしてきますので、それに従えばいいだけです」

「ホントにぃ~お触りとかって~ないんですかぁ~?」
どこか若い頃の和田アキ子に似たアフリカ系のギャルがコーラの中に入っていたレモンをチューチューと吸いながら質問して来た。喫茶店でコーラを頼む奴ほどムカつく奴はいない。コーラなど外の自販機で買えば120円だろうが!!しかもそんなに酸っぱそうな顔をして悶え苦しむのなら初めからレモンなど吸うな!!

「お触りはあります。ありますけど嫌だったら断ってもOKです。ただし、お触りのオプションは全て有料になってますから、稼ぎを多くしたいのならお触りをしたほうがいいと思います。収入は倍ほど違って来ますからね」
私は笑顔でそう答える。

「本番とかを強要されたらどうすればいいんですか?」
目、鼻、に比較して異常に口のでかいオンナがロボットのように早口で質問して来た。こいつはきっとスターウォーズに出てきた化け物だ。

「キミは確か、デリヘルの経験があるって言ってたよね?」
「はい、こちらの宇都宮さんに1度だけバイトに行かされましたがお父さんくらいの年齢のお腹がすごく出ているカエルみたいなオジさんに無理矢理本番をヤられそうになりまして怖くなって二度と行かないと誓いました」
誰に誓ったんだよ。
「ウチの店は本番は絶対にないから安心してていいよ。っていうか、キミ達のいる部屋には客は入ってこれないから、小さな窓から手やオチンチンが出て来るだけだから、本番するってのはちょっと無理だね」

ロボットは「なら安心しました」と凄い早口で頷くと、突然ストローをパクッと喰わえ凄い早さでキューッと一気にレモンスカッシュを飲み干した。。

「あのぅ…」
赤いハンドバックの女が恐る恐る私の顔を覗き込んだ。
(…かわいい…)っと瞬間に思った。その素朴で純情そうな顔は蒼井優によく似ていると思った。

私は今まで質問して来た女とはあきらかに違う優しい表情で「なに?」と囁きながら彼女を見た。

「ぶっかけってのはどういう意味なんですか?…」
彼女のウブな質問に和田アキ子が「マッジかよ~」と日焼けした顔でケラケラと笑った。こいつの歯グキは異常に黒いのだが、やはりキミのその黒くて汚い歯グキも日サロで焼いたのか?と聞いてやろうかと思ったが、ま、一応、紹介者の宇都宮君の手前、我慢してやった。

「…ぶっかけというのは、いわゆる精子を掛けられるって事です。お客さんが小さな窓からキミの身体に精子を飛ばすのです。ま、個室の裏にはシャワーもありますからすぐに洗い落とせますし、それに、顔に精子を掛けたいという客がいたら、それはオプション料金として4000円かかりますから、キミにはその半額の2000円がチップとして入るようになります。結構、稼げると思いますよ」

私の説明を聞いて急に不安そうな表情になる彼女の横で、レモンの皮を齧り始めた和田アキ子が「顔射で2000円貰えるならいいよね~顔射なんて目閉じてればいいだけだしぃ~マジ楽だよねぇ~」とほざいた。
それまで不安そうな表情だった赤いバッグの彼女は、そんな和田アキ子の話しを聞きながら「ふぅ~ん」と妙に納得している。アッコも時には役に立つ。

そんなこんなで取りあえず顔合わせの面接は終了した。
次回は、改装が終了しリニューアルされた現場にて、実際に店や個室の中を見てもらうという事となり、その日はそのまま解散となったのだった。


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全員が席を立ち、帰り間際にふと宇都宮が私の耳元で囁いた。
「あの娘、今日中に今月分の利息を払わなくちゃならないんですよね…愚人さん、あの娘、気に入ってたみたいだし、どうします、利息立て替えて払ってやりますか?」
宇都宮は人の足下を見てはニヤニヤと笑った。

「いくらだい?」
「今月分は5万円。でもあの娘、先月分も滞納してますので合計10万円と延滞料の3万円を足して13万円になっております毎度おおきに」
宇都宮は戯けながら深々とお辞儀をした。

「わかった。先月分の5万だけ立て替えてやるよ。今月分は店がオープンしてから給料から天引きすればいい」
「え?じゃあ延滞料の3万円は?」
「それは山ちゃんを紹介してやった紹介料だと思って負けてくれよ」
「えぇ~だってアレ、明日の嬢っすよ~マジきついっすよアレは~」
二人はケラケラと声を出して笑った。

宇都宮が店を出ようとしていた彼女を呼び止める。
「中山さん、今月と先月の分なんだけどさぁ…」
彼女の顔からサッと血の気が引き「…あっ…はい…」とモジモジしながら何か言い訳を考えてるように指を動かした。

「いや、実はね、こちらのマネージャーがキミをどうしても店で使いたいって事だからさぁ、先月分の5万円を立て替えてくれて、残りの今月分は給料から天引きするってことにしてくれると言うんだけど、どうかな?」
「え?!本当ですか?」と彼女の顔が一瞬にして明るくなった。私が「本当です」と笑顔を見せると、「ありがとうございます!!」と飛び上がらんばかりに喜んだ。

「ま、こんなに優しいマネージャーさんなんだし、キミも頑張って働かないとね」
宇都宮がそう言うと「はい!一生懸命頑張ります!」と今までには見せなかった明るい笑顔で白く綺麗な歯を輝かせた。

「でも…延滞金は…」と再び暗くなる彼女。
「あ、それは、ま、明日の嬢が立て替えてくれたという事で、なかった事にしましょう」
宇都宮はそう言いながらケラケラと笑うと、それじゃあ、と手を振りさっさとホテルを出て行った。


喫茶店に二人だけ取り残された私達。
「ホント…何てお礼を言ったらいいか…助かりました」
彼女は、余程、宇都宮の追い込みに苦しんでいたのか、宇都宮がいなくなったとたん随分とリラックスした表情になった。

「どう?このホテルの最上階に美味しいステーキの店があるんだけど、今後の相談でもしながら、ちょっと食べてく?」
彼女は一瞬「どうしよう…」と悩んだが、しかしすぐに「はい」と返事をしたのだった。


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彼女は相当「食」に餓えていたようだった。肉厚のステーキをペロリと平らげ食後のデザートもおいしそうに笑いながら食べている。

「よっぽど腹が減ってたんだね」
私は食べ物をおいしそうに食べる女が好きだ。豪快に食べまくるそんな彼女を見ていて楽しくなった。
「はい!…」と元気よく返事をし、そして慌てて場の空気を読んだのか「…すみません…えへへ…」と可愛く笑った。

「…私、こんなに美味しいお肉を食べるなんて久しぶりなんです…このメロンもとっても美味しい」
彼女はクスッと嬉しそうに笑うと、メロンをペロンっと平らげた。

「…こんな事、聞くのもなんだけど…どうしてそんなに借金しちゃったの?…」
彼女の動きが急に止まり、手に持っていたホークがゆっくりと皿の上に置かれた。
彼女はナプキンで口を拭き取ると「私…馬鹿なんですよね…」とポツリと呟いたのだった。

彼女が借金を作った経過はこうだった。
高校を卒業しアパレル関係の仕事に就いた彼女は、会社の同僚に誘われちょくちょく合コンに顔を出すようになった。
そこで知り合った男A氏。こいつがなんとも外道な野郎で、甘いマスクと甘い言葉で彼女を陥れると、さっそく二人は小さなマンションで同棲を始めた。
彼女はA氏とは結婚を前提に付き合っていたつもりだったが、このA氏はその界隈では有名な竿師で、女を食い物にする寄生虫のような男だった。A氏は鼻っから彼女と結婚するつもりなどない。狙いは彼女のキャッシュカードと現ナマだけである。
言葉巧みに操られた幼い彼女は、A氏に言われるまま、前借り、キャッシング、サラ金、と進み、そして挙げ句の果てには闇金へと落とされていったのだった。

「それでそのAはどうしたの?まだ一緒に住んでるの?」
私は彼女が食事を終えるのを見計らうと、静かに煙草に火を付けながら聞いた。
「…はい…っていうか、今、彼はいないんです…」
「…いないって?どういうこと?」
「…彼、別の女の人から詐欺で訴えられちゃって…今は…」
「刑務所?」
彼女は淋しそうにコクリと頷いた。

「Aは他の女からも金を騙し盗ってたんでしょ?それでもキミはまだそいつと付き合っているの?」
「…っていうか…彼には身寄りが無いし…面会とかも行ってあげなきゃ可哀想だから…」

私はそれ以上、その男の事は聞かなかった。それ以上聞いても、まだ自分が騙されている事に気付いていない彼女が哀れに思えるだけだ。

「…風俗は経験ないんでしょ?キャバクラとかはあるの?」
私は話題を変えた。
「…何度かAに紹介されてキャバクラへはバイトに行ったんですけど…なかなか馴染めなくって…っていうか、私、お酒も飲めないし、なんか地味な女だからああいう雰囲気は似合わなくて…」
彼女は恥ずかしそうに「えへへへ」と笑った。

確かに彼女はキャバには似合わないと思う。その純粋さと素朴さが彼女の美しさを醸し出しているのだ、飾られたキャバ嬢ではせっかくの彼女の良さが死んでしまう。
しかし、こんなどこか泥臭い女だったが、内面から滲み出るこのエロス的なフェロモンはいったいどこから生まれて来るのだろうか…ただ単に私が溜まっているだけなのだろうか?…いや違う、10人中9人の親父達は彼女から漂うエロスを感じ取るはずだ、残りの1人は恐らく熟女好きの変態野郎であろう。

「今、23才だよね?…今はどうやって生活してるの?」
「お昼はブティックの店員をしています。夜は…あっ!!…いけない!!もうバイトの時間過ぎてます!!」
彼女は時計を見るなり慌てて立ち上がった。
「私、夜はこの先のネットカフェでバイトしてるんです!!もうお店いかなくっちゃ30分も遅刻しちゃってます!!」
私は思わず吹き出した。彼女のその慌てる姿が何とも愛らしいのだ。

彼女は何度も何度も私にお礼を言うと、赤いハンドバッグを抱えながら慌てて店を出て行った。
1人残された私は、こっそり予約しておいた最上階の部屋のキーをポケットから取り出すと、それを眺めながら、今夜はホテトルでも呼ぶか…と呟き、残っていたワインを飲み干したのだった。


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「東洋ミリオン劇場」は見事に「ぶっかけ小屋」としてリニューアルし、店の入口には関係各位の花輪がズラリと並んだ。

「坊や、私は本当に部屋に入らなくていいのかい?」
受付に立たされたローズは不安そうな表情で私の顔を見つめた。

こんなレトロなお嬢様が部屋に出たら、せっかくのリニューアルが台無しである。
「はい、ローズ姐さんはもうこの店の役員なんですから、これからは堂々としていてくださいよ」
そう言う私に「役員ったって、これじゃあただのモギリのおばちゃんじゃないかよ…」と不満げな笑顔を見せた。

「いや、ここはこの店で一番大切なポジションなんですよ。いいですか姐さんよく聞いて下さいよ。まず、お客様が入店しましたら、この壁の大きなパネルを見せてどの部屋にするのか決めさせて下さい。そして部屋のタイプが決まったら」
「このパネルから女の子を選ばせて、それをこの無線で楽屋に伝えて、楽屋から女の子の合図があったら、爺さんに客を部屋に案内させてればいいんでしょ…もう何回も聞いたよそれ…」

ローズと親父に十分にシステムの説明を指導したところで、私は女の子が集まるホールへと向かった。

今夜、出勤したのは総勢12名。個室が8室しかないため溢れた4名は楽屋で待機となる。
私は12人の女の子を集めると、もう一度おさらいの為に各個室を一緒に回った。

「みなさん、もう何度も聞いてうんざりしているとは思いますが、もうすぐオープンをしてお客様がドバーっと押し寄せて来ます。その時、パニックにならないように、もう1度おさらいをしておきますのでよく聞いててくださいね…」
私はそう言いながら「主婦の台所」という部屋のドアを開けた。

「主婦の台所」には本物のキッチンが作られていた。この部屋のレギュラー嬢には、これまた本物の主婦S子を用意した。彼女はいつもと変わらぬ雰囲気でこのキッチンの前に立ってもらう。小さなダイニングテーブルの上には買い物カゴの中に入ったナスやキュウリ。お客達はこのナスやキュウリを使ってS子に屈辱を与えるのだ。

「最初は、この普通のエプロンのまま洗い物をしていて下さい。お客様が個室に入って来ても決して驚かないように、あくまでも自然に振舞って下さいね」
S子は「はい」と怪しい瞳で頷いた。この部屋には補欠として他にも2名用意している。その全員が本物の主婦だ。恐らく一番人気の部屋になるだろう。


続いて「公衆便所」に向かう。
この部屋はその名の通り、部屋の中に和式トイレが設置してある。もちろん下水道を通している本物のトイレだ。客はこの便器に女をしゃがませ、まるでトイレを覗いているかのようにこっそりと女の股の中を眺めては楽しむ。
この部屋のレギュラーは元東劇のダンサーの腐った浅野温子にしてやった。

「いいですか、お客様が『小便』のオプションをオーダーしてきてから小便をして下さいよ、その前に勝手に小便をしてしまったらオプション料金はいただけませんからね」
私は不貞腐れている浅野温子に説明した。
「…しかしアレだよね、人のオシッコしてるとこ見てさぁ、な~にが楽しいんだろうねぇ~私には全然わかんない」
ガムをクチャクチャと噛みながら憎たらしい表情を見せる腐った浅野温子。しかし、この部屋のオプションサービスは小便だけでなく、プレミアオプションとして「浣腸」がある。私はあえてこれを彼女には黙っていた。客にド太い浣腸をぶち込まれ、ゲリグソを撒き散らしながら悶え苦しむ腐った浅野温子の表情が目に浮かぶ。ククククククッ…この部屋はきっと一番流行らないだろうクククククククッ…


続いて、「アパートの部屋」の扉を開ける。この部屋は、どこにでもある普通のアパートの一室をリアルに再現させた。壁をわざと汚し、生活感漂う雰囲気はまるで映画のセットのようだ。
この部屋のレギュラーは蒼井優に似た例の彼女に決めた。きっと彼女もこんな生活感漂う薄汚れたアパートに住んでいるのだろうと想像すると、私の下半身はムクムクと起き上がろうと懸命になる。

「キミは特に何もしなくていいから。その部屋の中で漫画の本を読んだりテレビを見ていればそれでいい。あとはお客さんからの要求に従ってオナニーをしたりすればいいから」
私は今までと違う優しい笑顔で話しかける。するとやはり私の後ろで「いいなぁ~この部屋チョー楽そう~これってぜってぇ贔屓だよね~」と和田アキ子が愚痴をこぼす。和田アキ子には腐った浅野温子の「公衆便所」の補欠にしてやった。浅野温子がビビビ~ブチュチュ~ブベブベ!!とゲリグソを撒き散らした直後の部屋に入ってもらうのだ。ちなみに、その公衆便所には換気扇は完備されていない。


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オープンまでまだ2時間以上もあるという事で、とりあえず彼女達を楽屋に返すと、私はこっそりとアパートの部屋へと引き返した。
この部屋の各場所には監視カメラをこっそりと設置しているのだ。それはもちろん安全性や防犯上の理由からではない、そうズバリ彼女の痴態を覗くためだけの理由である。この映像は受付に置いてあるPCに受信されるようにわざわざ田代が現場に来て取付けしてくれたものだった。

私はカメラの設置位置を再度確認し、受付にあるPCに画像を送信するスイッチをオンにすると、ちゃんとその画像がPCに送信されているかを確かめようと急いで部屋を出た。

と、その時、部屋に入ろうとしていた蒼井優似の彼女とドン!っと身体がぶつかった。
「おっと!大丈夫かい?」
私は彼女の肉付きの良い身体を抱きしめた。
「あっ、すみません!」
彼女は慌てて私の腕からすり抜ける。

「…どうしたの?何か忘れ物?」
「…いえ…ちょっと自信がなくて…もう一度練習しておこうかと思いまして…」

実に謙虚な娘である。和田アキ子や浅野温子とは大違いである。といっても和田や浅野がゲリグソを撒き散らしてのリハーサルをされても困るが…

「ハハハハ。心配入らないよ、キミはこの部屋でのんびりしておけばいいだけだから…」
私はそう笑いながらもゆっくりと後ろに後ずさりしジワリジワリと部屋に入る。彼女とこの個室の中で二人きりになりたかったのだ。

「一番心配なのが…ぶっかけ…なんですよね…」
彼女はそう言いながら心配そうに部屋の中を覗く。
「今までにぶっかけられたことは一度も無いの?」
私の質問に彼女は「…腹にならありますけど…」と恥ずかしそうにモジモジした。

私は「よし!」と言いながら個室の横にある小さな扉を開いて部屋の中に入ると、シャワールームに置いてあるボディーソープを取り出した。
「じゃあさぁ、キミ、部屋の中に入ってごらん」
私と入れ違いに彼女が部屋の中に入る。私は個室の小窓から覗き、部屋の中にポツンと取り残された彼女を見た。

「いいかい、お客様がぶっかけをするのはこの窓からなんだ。今からこのボディーソープを使ってピュッと飛ばすから、それを両手で受け止めてごらん」
私がそう言うと彼女は子供のようにワクワクしながら「了解しました!」と笑った。

「…もうちょっと窓に近付いてしゃがんでくれるかな…あ、そうそうそのくらい」
小窓から覗く私の目に、ミニスカートからチラチラと見える白いパンティーが映った。
「いいかい、ここからピュッと飛ばすから、それを避けたりしたらいけないよ、ちゃんと両手で受け止めるようにね…じゃあイクよ…」

私はボディーソープの頭をプシュッと押した。ピュッと白いボディーソープが飛び出し、しゃがんでいる彼女の太ももの網タイツにピチャッと掛かった。

「あ~ん…難しいですねコレ…もう一回お願いしま~す」

私は彼女の死角となっている。彼女からは私が見えないのだ。私は小窓から見える彼女のミニスカートの中を覗き込みながらペニスを激しくシゴいていた。

「じゃあもう一度イクよ…」
私は先程よりも強く頭を押した。プシュッ!と激しく飛び出したボディーソープは彼女の首筋にまで飛び散り、彼女のTシャツには白濁の液体が糸を引いて垂れた。

「ほら…だからちゃんと両手で受け止めないとダメだって言ったじゃないか…」
彼女は「凄く難しいですねコレ…」と言いながら首筋の液体をティッシュで拭い取る。そのスキに私もシコシコとペニスをシゴく。

それを何度か続けているうちに、彼女もタイミングを覚えたらしく、なんとか両手でキャッチできるようになった。

「お客さんはドコにぶっかけるかわからないからね…例えば尻とか足とか、もしかしたら股間に掛けたいって人もいるかも知れないしね…」
「そんな人がいたらどうすればいいんですか…」
マジックミラーの中で彼女は不安そうな声を出した。
「どうするもこうするもその要求に応えるしかないね…ただ…失敗すると困るよね…男は一度出しちゃうとしばらくは萎んじゃうから…」
「…失敗って?」
「…うん…例えば、尻にぶっかけたいってお客様が要求するとするでしょ、でもキミの立ち位置が悪くて、お客様が狙っていた場所に掛からなかった時だよ…尻を外れて太ももや壁なんかに掛かっちゃっても、お客様はもう一度やり直しってわけにはいかないだろ…これは一発本番勝負だから難しいんだよね…」

私が説明をしているといきなり小窓から彼女がヌッと顔を出した。
油断していた私は、慌てて剥き出しにしていたペニスを隠した。

「あのぅ…もしお時間がございましたら…リハーサルをしてほしいんですけど…」

彼女は言いにくそうに下唇を噛みながら言った。
私にとっては願ってもないことである、いや金を払ってでも見てみたいものだ。

「よし、わかった。じゃあ簡単なリハーサルをしてみよう。私がお客様の立場でボディーソープをぶっかけるから、キミはそこに尻を出して立ち位置をちゃんと確認するんだ」
彼女はパッと明るい表情になり「ありがとうございます!」と言うと、嬉しそうに笑いながら小窓から顔をサッ!と引っ込めた。

部屋の中で彼女は、窓越しに私に向かって「この変にお尻を向けてればいいですか?」と聞いて来た。
部屋と個室はマジックミラーで仕切られており、彼女から私の姿はまったく見えない。
私はズボンから射精しそうなくらい腫れ上がったペニスを取り出し、再びそれをシコシコとしながら「いや、もうちょっと左に寄った方がいいね」などと指導をし始めたのだった。


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「この辺でいいのかなぁ…」と彼女は私に尻を向けたまま、足下のカーペットに指で印を付けていた。
私は小窓から彼女のミニスカートの中を覗き込む。肌色の網タイツがムチムチの太ももをボンレスハムのように包み込み、プリプリの大きな尻を白いパンティーがピチピチになりながら支えていた。

「じゃあ実際にボディーソープを飛ばしてみよう…」
「はい。お願いします…」
「…っと言っても…これだと…キミのスカートやパンティーに掛かってしまうよ…」
「あ、大丈夫です。後で綺麗に拭いておきますから」
「…でも、着替えは持って来てないんだろ?ボディーソープでカピカピに汚れたままの服でお客様の前にでるわけにも行かないしな…」
「じゃあ脱ぎます…ちょっと待ってて下さいね…」

彼女はそう言うと体勢を元に戻し、手際よくスカートを捲り上げた。
網タイツに包まれた弾力性のありそうな大きな尻が私に向かって突き出される。尻フェチには溜まらない光景だ。

「…いや…それでもパンティーに付いてしまうよ…カピカピのパンティーをお客様に見せるわけにもいかないだろう…」
「…じゃあ…コレも脱ぎますかぁ?…」
彼女は泣きそうな顔をしてマジックミラーに振り向いた。

「…あぁ、そうしようか…汚れちゃったら困るからね…でも恥ずかしがらなくてもいいよ、こっちからはキミの…ほら…ソコは見えないから…」
「じゃあ平気ですっ!」

彼女は突然明るい返事をすると、スルスルスルっと網タイツとパンティーを下ろし、脱いだパンティーをクルクルっと丸めると、足下に置いてあるクッションの下にそれを隠した。

「それじゃ、もう少し左に寄ってくれるかなぁ…あぁっと、行き過ぎ、もう少し右」
私の誘導に彼女の白い尻はプルルンと向きを変える。

「もう少し尻をあげた方がいいかも知れない…あ、そうそうそのくらい…」
私はこっそりと小窓を覗き込む。彼女の綺麗に陰毛を処理されたマンコがドアップで見る事ができた。

「…もうちょっと足を開こうか…そのほうが足を閉じているよりお尻が綺麗に見えるよ…いや、もう少し開いて…いやいや恥ずかしがらずに思い切ってガバッと開いてごらん」
彼女は私に言われるまま、両手を床につき「立ちバック」のように大きく足を開いた。

私はすかさず股を覗き込む。ほんのりと黒ずんだヒダヒダがネチャーッと開き、その中にあるピンク色した小さな穴がポッカリと口を開けていた。
それを見ながらシコシコとペニスをシゴく。糸を引き始めた我慢汁でシゴいている音がバレないようにとわざと咳払いをしながらシゴいた。

「…これ…ホントに見えてませんかぁ…」
俯いている彼女が心配そうにそう聞く。
「大丈夫だよ、上からだとキミのお尻しか見えないから…」
私は大嘘つきだ。マンコの奥までくっきりと丸見えだ。いや、マンコだけでなくアナルのシワの1本1本まで鮮明に見えている。

「それじゃあ、ボデイーソープを掛けてみるね…」
私はペニスをシゴきながら彼女の大きな尻を目掛けてボディーソープを発射させた。
「冷たい!!」と尻をピクン!と震わせる彼女。
ボディーソープは彼女の尻まで届かず、彼女の白いふくらはぎに飛び散った。

「う~ん…ちょっと距離がありすぎるのかなぁ…これじゃあ元気のないお客様はそこまで届かないよ…」
「じゃあ…このくらいでどうですか?」
立ち四つん這いのまま、ジリジリと尻を近づけて来る彼女。彼女の尻は小窓ギリギリの位置にまで来ていた。

私は静かにソコに顔を近づけ、マンコのニオイを嗅いでみる。
プ~ンと生臭い。きっとまだ風呂に入っていないせいだろう。しかし、イイ女の臭いマンコというのはどうしてこうも興奮するもんなんだろう。これが腐った浅野温子なら、すかさずマンコの中に火の付いた煙草を押し込んでやるのに…

「その位置でいいと思うよ。そこに印を付けておけばいいよ」
彼女は四つん這いのまま「…はい」と言いながらカーペットに指で印を付けた。

「それじゃあもう一度ボディーソープをぶっかけて見るね…いや、ちょっと待てよ、これ冷たいでしょ?…ちょっとさぁ、そこのシャワーの湯でボディーソープの入れ物を温めるといいよ」
彼女は「あ、そっか!」と笑いながら私から入れ物を受けとると、シャワールームに行き、ソレに熱湯をぶっかけた。

しばらくして湯気のたつボディーソープをニヤニヤしながら持って来た彼女は「もういっぱいぶっかけてもらっても大丈夫ですよ~!」と戯けながら、再び立ちバックの体勢になった。


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私は彼女に悟られないようにゆっくりとペニスを小窓から出した。
彼女の大きな尻に向かってシコシコとシゴく。
「…いいですよマネージャー…早く掛けて下さい…」
何も知らずに彼女はパックリとマンコを開いている。

私は無性にもう一度彼女の生マンのニオイが嗅ぎたくなり、ゆっくりとペニスを下げるとまた小窓の前にしゃがみ込んだ。
マンコに顔を近づけクンクンとニオイを嗅ぐ。再びプ~ンと生臭い香りが鼻を刺激した。

と、ふと私は気付いた。なんと彼女、少し濡れているようなのだ。
マンコのまわりが妙にテラテラと輝きしっぽりと湿っているように見受けられる。
やはりいくら純粋な彼女とはいえ、さすがにこの過激なシチュエーションでは感じてしまうのか…

「もしさぁ…この状態でお客様がオナニーを要求して来たとしても、その位置をずらさずにオナニーする事ってできる?」
私は彼女にオナニーの誘導をしてみた。

「えぇ…どうかなぁ…なんか難しそうですね…」
「ちょっとオナニーするフリしてごらん…こっちからは何も見えないから、恥ずかしがらなくてもいいよ…」
「…ホントに見えませんか?…」
「大丈夫よ。ほら、恥ずかしがらずにやってごらん、もうすぐオープンするんだから、ちゃんと練習しとかないとね」

「…は…い…」と言いながら彼女の細く長い指が股の間から伸びて来た。
私はギリギリまで顔を近付かせ、その指を食い入るように見る。
「…ホントにしなくても…フリだけでいいんですよね…」
「あぁ。でも本番でやっているようにちゃんと指で触って、腰を振ったりしてみたほうがいいと思うよ…」

「…は…い…」と彼女の指がマンコのワレメに触れる。私の耳に「クチャッ」という卑猥な音が聞こえた。
(濡れてる…間違いなく濡れているぞ…)

私はペニスをシゴきながら「もう少し激しく指を動かして、そして同時に腰も動かしてみて」と要求する。
彼女の指は愛液で糸を引きながら、こっそりクリトリスをクリクリと弄っていた。
「もっと激しく、もっと激しく身体を動かしてみなさい。そしてズレる位置を確認して、また元に戻るんだ」

彼女はレゲエダンスのように激しく腰を上下に振りながら、時折、ヌポッと指を入れていた。

私に見られているとは知らず、こっそりとクリトリスを弄ったり指を挿入させている彼女を眺めながら、私は限界を感じていた。
ゆっくりと立ち上がると、そっと小窓の中にペニスを突き出した。そしてそのまま彼女の尻の上でゴシゴシと激しくペニスをシゴく。

「…よぅし…その調子だ…それじゃあボディーソープをぶっかけてみるからね…ちゃんと尻で受け止めるんだよ…」
彼女は「ハァハァ」と息を荒くさせながら「…はい」と小さく返事をした。

「うっ!!」
私のペニスからボディーソープに負けないくらいの勢いで精液が発射された。
私は彼女のマンコに当たるようにとわざと腰を低くする。
私の精液は見事に彼女のマンコに命中した。
精液は、アナル、マンコ、そして陰毛へと飛び散り、彼女のソレは私の精液でギトギトに汚されたのだった。

「…大丈夫かい?」
素早くペニスを隠した私が、マジックミラーの中で放心状態になっている彼女に声を掛ける。
「…は…い…なんか…とっても熱いボディーソープでした…お湯で温め過ぎちゃいましたね…」
彼女はうつ伏せのままぐったりとしながらクスクスっと笑ったのだった。


              16


私は個室の椅子に腰を下ろすと煙草に火を付けた。
時計を見るとオープンまでまだ1時間以上はある。シャワーで精液を洗い流した彼女が素早くパンティーを履く姿をマジックミラー越しに眺めながら、つい今しがた出したばかりだというのに、どうしても今すぐ彼女で1発ヌキたいという私のワガママが沸々と湧いて出て来た。

私はマジックミラーをコンコン!と叩く。彼女が「ん?」と振り向く。垢抜けない女だが、なぜか色っぽくカワイイ。彼女は私がコンコンと窓を叩いているのに気付くと「はい?」と顔を斜めにさせながらマジックミラーに顔を近づけた。

「ところでさぁ…キミは風俗の経験がないって言ってたけど…本当にここでオナニーとかできるのかい?」
私は窓越しに彼女に話しかける、まるで刑務所の面会室のようだ。

「…あんまり自信ないですけど…でもここ、マジックミラーで何も見えないから…自分の部屋でやってるって思えば大丈夫かも…」
「ってことは、部屋ではオナニーはよくするの?」
「…あぁ…まぁ…それなりに…はい…」
彼女は恥ずかしそうにクスッと笑った。

私は、マジックミラーに映る彼女の顔の前に早くも回復したペニスを押し付けながら、先程の彼女の「指入れオナニー」を想像してシゴく。

「でも、やっぱり見られてると思ったら恥ずかしいですよね…オナニーもそうだけど裸も…」
彼女が床のカーペットをモジモジと弄りながらそう呟いた。

私はペニスを握る手を左手に持ち替え、もう一方の手でインターホンを握ると「プルプルプル」とベルを鳴らした。
部屋の中の彼女は一瞬「えっ?!」と驚いたが、それが私からの呼出し音だと気付くと、ニヤニヤと笑いながらそれに出た。

「…もしもし…ユウと申します初めましてぇ…お客さんはこの店始めてですかぁ?…」
彼女は再びリハーサルが開始されたと思い込み、教えられたマニュアル通りにそう答えた。
「…要求してもいいかなぁ…」
「…ふふふふふ。はい、ありがとうございます、お好きな要求をどうぞ」
彼女はマジックミラーの中で私に手を振りながら微笑んでいた。私が我慢汁を垂れ流しながらペニスをシゴいているとも気付かず…

「…まず…ストッキングを脱いで…」
私の要求に彼女は「は~い」と戯けた返事をしながら、ストッキングを脱いだフリをした。
「…いや、フリじゃなく、本当に脱いでみて…」

彼女は戸惑いの表情を見せながら、マジックミラーに向かって「…本当に?」と首を横にしている。
私は再びインターホンに向かうと「本番通りにしてみよう…」と低く呟いた。

少し躊躇っていたが、しばらくして彼女はゆっくりとストッキングを下ろした。ムチムチの白い太ももが再び現れた。

「…パンツも脱ぎなさい」
「えっ?…ホントに?」

私は財布から1万円を取り出すとそれを小窓の中にスっと落とした。
「…これはリハーサルなんかじゃない。これは本番だ。金を払った以上、私はもうお客だ。私の要求に従うんだ…いいね」

彼女はカーペットの上にパラリと落ちた1万円札を無言で見つめていた。そしてしばらくすると、ゆっくりとその一万円札をクッションの下にそっと隠し、そして静かに立ち上がるとクルッと私に背を向けゆっくりとパンティーを脱いだのだった。

「…そのパンツをこっちに渡しなさい…」
彼女は無言のまま真剣な表情でマジックミラーを見つめると、ゆっくりと小窓に向かって歩いて来た。

私は餌を貰う前のビーグル犬のようにハァハァと小窓から手を出した。
私の手に蒼井優の脱ぎたてホヤホヤのパンティーがヒラリと落ちた。まだ温もりと香りが新鮮なパンティーだ。
私はそれをガバッと鼻に押し付ける。

「…次は、マジックミラーに出来るだけ近付いて、そのまましゃがんで足を開いてもらおうか…おしっこするみたいにね…」
私はそう言いながらクロッチを指で開く。ほんのりと黄色いシミがクロッチに付着していた。思ったほど汚れが少ない事にがっかりしながらもニオイを嗅ぐ。量の少ないシミの割にはニオイは強烈だった。まさしく洗っていないマンコのニオイそのものだった。

彼女がマジックミラーの前でゆっくりと腰を下ろし、そしてゆっくりと股を開く。つい今までそのマンコにピッタリとくっ付いていたクロッチを舐めながら、私はマジックミラーにへばりつき、彼女の開かれた股の中を奥まで覗いた。

「ハァハァ…指でマンコを開くんだ…そしてオナニーしてみろ…」
私の乱暴な要求に、彼女は恥ずかしそうに顔を背けながら、ゆっくりとマンコを弄る。
「指を入れろ…さっきみたいに指を入れるんだ…」
やはりさっきのオナニーは見られていたんだ…とでも思ったのだろう、屈辱を受けた彼女は下唇をキュッと噛んだ。

指が第一関節の所で止まりモゾモゾと動いている。「…もっと奥まで入れるんだ…」という私の要求に、彼女は入れやすいように尻を突き出すと、ヌヌヌッと指を奥深く根元まで押し込んだ。
その指をバイブのようにグニグニと膣の中で動かす彼女。時折「はあっ~」という深い吐息を洩らす。
それを眺めながらシコシコとする私はイキそうになるのを懸命に堪え心の中で「イイクニツクロウカマクラバクフ」を4回唱えた。

爆発をなんとか堪えた私は彼女のパンティーをペニスに被せた。クロッチのザラザラとした繊維が私の亀頭を刺激する。
「…胸を出しなさい…そして激しく揉みほぐすのだ…ハァハァ…」

彼女はTシャツを捲り上げると大きな乳房を露出させた。ピーンッと勃起した乳首は薄茶色に輝いていた。
彼女はグラングランと大きな胸を片手で揉みながら、突き立てた二本の指に腰を動かしている。マンコから溢れ出て来た愛液で彼女の指はテラテラと輝いていた。

「うっ!うっ!う~!!」
二度目の射精。今回は彼女のパンティーの中で発射してやった。

私の精液がクロッチの中で塊となっている。私は精液を拭き取る事もせず、そのままパンティーを小窓に入れた。
「もう一度、そのパンティーを履きなさい」
彼女は床に落ちているパンティーを拾い上げると、クロッチに溜まる私の精液に気がついた。
ゆっくりと顔を上げマジックミラーをジッと見つめる彼女。
そして彼女は、その汚れたクロッチに顔を近づけると、ゆっくりとソレに舌を這わせた。彼女の舌の上に、まるで「こんにゃく畑」のようにプルプルとした私の精液がネバーッと付く。彼女は何の躊躇いもなく、その精液をゴクリと飲み込んだのだった。


              17


再びパンティーを履かされた彼女は後ろに置いてある椅子に座るように命じられた。
「パンティーを履いたまま、バイブを突っ込みなさい…」

彼女は私の言うがままにバイブを手にすると、パンティーを履いたままそれを股の間から挿入させた。
「…あぁぁぁ…ん」

さすがの彼女もその太いバイブには敵わないらしく、遂に大きな声を洩らす。
「スイッチを入れるんだ…そして両手で両方のオッパイを激しく揉みなさい…」

スイッチを入れられたバイブはまるで水を得た魚のようにパンティーの中で激しく暴れ回る。その快感に身を捩らせながら彼女は両方の乳房をムニョムニョと揉み始める。
「あぁぁん!!…あぁ~ん!!」
激しくヨガル彼女。その度に膣が締まるのか、中のバイブが押し出されそうになっていたが、しかしパンティーのクロッチが壁となりそれを防いでくれていた。

私は既に爆発寸前だった。しかし、かれこれ1時間以内の内に2発も発射してしまっている。いや、やろうと思えば5発でも10発でも射精できるだけの体力はあるのだが、しかし、あまりにも短時間でイキすぎると快感が薄れて行くのだ。

私は射精を我慢するために、とりあえずラジオ体操を始めた。しかもマニアックな第2である。以前、パクられた時に拘置所の中で毎朝やっていた日課だったので、このマニアックなラジオ体操第2は既に身体が覚えているのだ。
しかし、人生はそうも甘くなかった。身体を大きく動かすラジオ体操は、同時に勃起したペニスをも動かすわけで、爆発寸前の私には少々煮が重すぎた。ピョンピョンと飛び跳ねた瞬間、ピュッピュッと威嚇発射してしまい、慌ててラジオ体操を中止したのだった。

私は射精を我慢するためにも何かしなくてはと焦った挙げ句、とりあえず「ポ~ニョポ~ニョポ~ニョ魚の子~」と踊ってみるが、しかし膝を曲げた瞬間、ペニスが圧迫され再びテポドン発射の危機に脅えた。「マズイ!!!」と思いウムっ!と力を入れたら「プソっ!」と屁が出た。
そのままの状態で少しの間安静を保つ。下手に動けば精液が飛び出し、今までの苦労が全てが水の泡だ。やりかけのポニョの姿はまるでウルトラマンのピグモンのようだった。

やしばらくして、やっと噴火が収まった私は、部屋の中でバイブオナニーに耽る彼女に近付いた。
小窓を静かに開けると「バイブを入れたままこっちへ来なさい…」と彼女に要求をする。

彼女はバイブを入れたままの状態で四つん這いになり、ハイハイをしながら小窓にやってきた。
私はそんな彼女の目の前に、既にパワーを回復したペニスを突き出す。

「オプションでフェラをお願いします…」そう言いながら私は五千円札を小窓に差し入れた。

彼女はうつろな目のまま小さな声で「ありがとうございます…」というと、五千円をさりげなくクッションの下に隠しながら、小窓から突き出す私のペニスを握った。
彼女のパンティーの中ではグニョグニョと音を立てながらバイブが暴れている。それをクロッチで支えながら、小窓から突き出されるペニスを手でシゴく女。

そして掌の中でペニスが馴染んでくると、彼女は大きな口を開けてソレを静かに頬張った。
ヌチャーッという生暖かい彼女の口内を感じながら、私はマジックミラーに顔を押し付け中の彼女の痴態を覗き見る。

彼女の舌は口内で私の亀頭をチロチロと刺激した。時折、チューッと吸い付いたり尿道に舌先をねじり込ませようとするテクニックは、今頃は刑務所の中でラジヲを聞きながら将棋をしているに竿師の男が調教したのであろう。

私はしゃぶられながら彼女が正常位で大きく股を開き男に犯されるシーンを想像した。
男の身体にしがみつく彼女。そして乱暴にバックの体勢にさせられ、そして尻から勢い良くペニスをぶち込まれる…今まさに彼女の尻にはバイブがウニョウニョとくねっていた。

突然、彼女の手と口の動きが速くなる。彼女はペニスの根元をシゴきながら亀頭をチューチューと吸うという本気の構えを見せて来た。
ジュボジュボという卑猥な音、ウィーンウィーンというバイブの音、時折ペニスを喰わえながら「う~う~」と喘ぐ彼女の声。
それがひとつに重なった瞬間、私の三度目の射精が誘発された。

「寝ろ!!そのまま仰向けになって寝転ぶんだ!!」
私はイキそうなペニスを彼女の口からヌポッと抜くと、急いで彼女にそう叫んだ。

彼女は興奮のあまり「あっは~ん」と口を半開きにさせながら、そのまま床にゴロンと寝転んだ。

「パンツを脱げ…そして股を開け…股を開いてオマンコをこっちに向けるんだ…あぁ…イクぞ…あぁぁぁ…」

「どぴゅ!!~ぴゅっ!!~」

精液は彼女の開かれたマンコに向かって飛び散った。それを見ていた彼女は自分の指を口の中に押し込み、まるでフェラチオをするかのように指をしゃぶりまくったのだった。


              18


「…どうだった?…少しは勉強になったかい?」
衣類を整えた二人は、部屋を来た時と同じ状態に戻すと、個室に二人並びながら少し気まずそうに雑談をしていた。
「…はい…とっても…」
「とっても…何?」
「…ふふふ…とっても気持ちよかった…」
彼女は恥ずかしそうに私の唇にチュッとキスをすると、「色々とありがとうございました」と笑い、個室を出て行った。

なんともカワイイ娘ではないか!!…私はしばらくの間、彼女の事を想像しボォ~とノボせていたが、なぜかあまりにも嬉しくなり「まいっちんぐマチコ先生!!」と奇声をあげると変なポーズをした。私はなぜか子供の頃から嬉しい時にはコレをやる癖がある。

私は『マチコ先生』をキメると、1人ニヤニヤとしながらそそくさと個室を出たのだった。


              ※


そろそろレセプションオープンが幕を切って落とされようとしていた。
今夜は一般客の入場をお断りし、招待客だけのレセプションパーティーなのである。これは練習と祝儀を兼ねれるというメリットがあるため、私が手掛けた店では、いつも新規オープンの前日は必ず行なう行事だった。

受付の前を通りかかると、既にガヤガヤという客の声が聞こえて来た。
東劇の常連や私の変態友達、そして女の子を派遣してくれた香川や宇都宮達の顔ぶれが受付に揃っていた。

「皆様、お忙しい中、わざわざお越し下さいましてありがとうございます!!」
私が挨拶をしながら受付に出ると、受付にいた多くの仲間達が突然「うおぉぉぉ!!」歓声をあげた。

とたんに私の胸がジーーーンと熱くなる。

この店を立ち上げるのに色々な困難があった。地回りのヤクザには「挨拶が遅ぇじゃねぇかぁ!!」と法外なミカジメをむしり取られ、管轄の生活安全課には「おいコラ!!調子に乗ってっとすぐに潰すかんな!!」と脅され、地域の風俗追放運動推進団体のおばちゃん達からは「改装工事反対!!風俗はこの町から出て~いけ~!!」とシュプレヒコール投げつけられ、挙げ句の果てには近所のちびっ子たちからは石を投げら野良犬にまで小便を掛けられそうになった…

そんな苦節1ケ月あまり、私は「受けた恩は必ず返せ」という北島三郎先生のお言葉を胸に、この劇場を甦らせるのだ!!親父やローズの老後を守ってやるのだ!!と獅子奮闘し戦って来た…
それが…今夜…ついにこうして幕を開く…そしてそれは、私を待っていてくれたこの温かい仲間達の友情によって報われるのだ…

私はみんなが声を揃える「愚人コール」に酔いしれながら、ゆっくりと受付のカウンターに立つ。
さぁ、いよいよオープンだ!!風俗業界に新たなる旋風が巻き起こるのだ!!

と、興奮の雄叫びをあげると、不意に私の隣りに立っていたローズが肘で私を突いた。
「ん?」
「…坊や…ごめんよ…実はさぁ、アタシ、この機械の使い方がわかんなくてさぁ…ごちゃごちゃと触ってたら…映っちゃったんだよね…」
「ん?…何が映ったの?」
「…アンタだよ…アンタが映ってたんだよ…」

!!…
私は一瞬にして凍り付いた。
そう言えば、さっき私は、あの部屋の監視カメラのスイッチを入れ、それをこのPCに送信したままだったのだ…

まさか…とは思ったが、私は恐る恐るローズに小声で聞いた見た。
「…もしかして…ここにいる人達…それ全部見てた?…」
ローズは私の言葉に一瞬顔を青ざめさせると「坊や!!本当にごめん!」と突然大きな声で頭を下げた。

「それ!30年前と同じぢゃないかよ~!!」

それを見ていた変態仲間達が大声で笑い出す。
「おい!!愚人ちゃん!!なんだよあの変な踊りは!!あれはもしかして崖の上のポニョか?ぎゃはははははは!!」

そこまで見られているとは!!…恐るべし田代の盗撮技術!!

皆が大笑いする中、私の頭の中で不意に山口百恵の『さよならの向こうがわ』のイントロが静かに流れ始めた。
私は頭を項垂れたまま、潔く引退した山口百恵のように、静かに受付を後にしようとした…

と、その時、「坊や…」と申し訳なさそうにローズが私を引き止めた。

…そりゃそうだろうよ!!私は今まで無償で、アンタに義理があったからこそ、こうやってここまで店を立ち上げたんだ!!それをこんな仕打ちで返すなんて、あまりにも酷すぎるだろ!!もっと温かい言葉を私にかけて慰めるのが本当だろうよ!!…と、心の中で思いながらも、ローズに温かい言葉を期待して振り向くと、ローズは一言…

「あれさぁ、言いにくいんだけど…坊やがさっきやってた『まいっちんぐマチコ先生』ってポーズ…あれはどう見ても『がきデカ』の『死刑!』のポーズだと思うんだよね…アタシんトコの息子がさぁ、昔よく読んでたマンガだからさぁアタシ詳しいのよね…」

店内はとたんに大爆笑の渦。

アンタぁ…子供いないって言ってたじゃないかぁ~アレは嘘だったのかよ~

私の涙声の奇声に大爆笑の渦は更に広がっていったのであった。

(おわり)

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