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変態純情地獄

2009/02/26 Thu 23:51

変態純情地獄

《あらすじ》
久々に恋をしました。
私は彼女が好きで好きで堪りません。できることなら彼女と結婚をして子供を産み家庭を作り、この長年歩んで来た変態道から足を洗ってもいいとさえ思います。
しかしながら長年私の歩んで来た道はそう簡単には許してくれませんでした。
頭の先から爪先までどっぷりと変態道に浸かってしまっている私は、普通の恋すらできないくらい汚れてしまっていたのです……





長年仕事を共にする杉山氏から、私はキャバクラ店の新規オープンのプロデュースを依頼された。
今までの彼からの依頼は、キャバクラ、ファッションパブ(おっぱいパブ)、ショークラブ、など、水商売系を主体としたプロデュースを手掛けさせてもらっていたが、この水商売系といった部類のプロデュースほど簡単でボロいものはない。

水商売系は、デリヘルやイメクラといった「ヌキ」がメインの店と違って「飲む」のがメインである。
イイ女と雰囲気の良い店があればそれでいいのだ。目隠し浣腸手コキ足コキといった奇抜なプレイ企画は何も考えなくていいのである。
そんな簡単なプロデュースだったが、ま、少しでも小遣いになればそれでいっか、という軽いノリでそれを引き受け、改装中の店内でボンヤリと煙草ばかり吹かしていたのであった。
そんなある日、杉山グループのキャッチ部隊の隊長である上森君が、田舎ホストが下駄で引っ叩かれたような面をして店にやってきた。
「先生、キャッチした女の子に店を見せたいんだけど、今、連れて来てもいいですか?」
恥ずかしながら、私は彼らからは「先生」と呼ばれている。
「いいよ。そこらに釘とかが転がってるから気をつけさせなよ」

私がメインホールの壁について左官屋のあんちゃんとアレやコレやと話し合っている時、ドヤドヤと若い女の集団が店の中に入って来た。
「ここがフロアになります。今はまだ工事中だからアレだけど、ここは完成するとギリシャの…なんとかっつう教会?みたいな雰囲気の内装になるらしいから」
ギリシャのなんとか教会ではなくアテネのパルテノン神殿だ。
「こちらはこの店を演出してくれるプロデューサーの先生。そしてあっちの人がこの店の設計をしてくれてる設計士の先生で、そしてあっちが…」
上森君はギャル系の女の子たちにスタッフを一人一人紹介している。
ギャル系の女の子達はその度に「ちぃーっす、ちぃーっす」と奇妙な挨拶をしていた。

私は上森君の袖を引っ張り呼び寄せると「ちょっと質が悪すぎるんじゃない…どこから拾って来たの?」と小声で聞いた。
「駅前の居酒屋で合コンしてたんっすよ、こいつらまだ高校卒業したばっかみたいでバカばっかです」
馬鹿はオマエだ、と言ってやった。

馬鹿達をとっとと追い出すと、再び工事が再開された。
今回のコンセプトは「神秘&ゴージャス」である。店内の柱をギリシャ神殿風に化粧し壁は朽ち果てたコンクリート、フカフカの赤絨毯とオールステンで仕上げたヨーロピアン調のシャンデリアをミスマッチにアレンジする。テーブルやソファーも古代ギリシャをイメージした中世のデザインとし、薄暗い照明の中に豪華なロウソク立てを華やかに演出しようと考えている。

そんなイメージを膨らませながら「商店建築」をパラパラと眺めていると、入口に若い娘がポツリと立っているのに気付いた。
辺りを見回すが私以外に手の空いている者はいない。私は仕方なく雑誌をテーブルの上に置くと彼女の方へ向かって行った。
「…何か御用ですか?」
ギギギギーッという材木を切る機材の音で店内は充満している。激しい雑音の中、彼女は何やら一生懸命喋っているが彼女の声は雑音に掻き消されていた。
私は彼女をドアの外に出るようにジェスチャーで伝えた。

雑居ビルの廊下は店内から漏れて来る雑音が響いていたが、店内よりは随分と話しやすい状況だった。
「ここでバイトを募集してると聞きまして」
廊下に出るなり彼女は大きな瞳をコロコロさせながら元気よくそう言った。

それが彼女との初めての出会いだった。
彼女の髪、彼女のスタイル、彼女の唇に彼女のパワー溢れる元気な瞳。まるで相武紗季のような彼女の魅力に取り憑かれた私の胸は既に張り裂けんばかりに悶え苦しんでいるのであった。

萩原愛理。19才。高校を卒業後、美容師になろうと故郷を離れこの街にやってきたが、修業先の美容室が不況から閉店しその後カラオケボックス等でアルバイトをしながら生計を立てていた。
愛読しているヘアーカタログ雑誌を捲れば、ゴージャスな巻き髪を輝かせながら華やかなキャバ嬢たちばかりが誌面を飾っている。そんな雑誌を眺めているうちに、私もキラキラとしたキャバ嬢になりたい!と思い始め、それがきっかけでこの業界に入ろうと決心したのだという。

私は近くの喫茶店で彼女を面接しながらも、20ほども歳の差があるこの娘にグイグイと惹き付けられていた。
「今、毎月いくらで生活してるの?」
本来ならば、キャバのバイトごときの面接でこんな質問はしない。しかし、私は営業的ではなく個人的に彼女の事が知りたかった。
「えっと…カラオケで7万円…コンビニで6万円…だいたい13万円くらいですかね…」
「13万か…家賃はいくら?」
「4万円です」
「じゃあ残りは9万円か…それは大変だね…」
ハッキリ言って私は、彼女達のようなタイプの娘たちがいったい毎月平均いくらで生活をしているのか全く知らない。
私の周囲にいる彼女と同じ年齢の娘達は、1万円で脱ぎたてのパンツを売り2万円でチンポをしゃぶってくれる。3万円も出せば中出しもOKであり、そんな親父たちを一晩に2人ばかり絶頂に導いてやれば1日の収入は6万円になる。15日計算としてひと月に90万円である。彼女と比べれば10倍の収入なのだ。

私はひと月9万円で生活している彼女の現実を想像しながら、ボンヤリと彼女の小さな胸を見つめてはコーヒーを啜っていた。
「ねぇねぇプロデューサーさん、キャバクラで毎日働いたらいくらくらい貰えるんですか?」
彼女の甘えた声で我に戻る。
彼女は大きな瞳で私の顔を覗き込みながら嬉しそうな表情で聞いて来た。
「…ウチの店は時給3千円だから6時間働いても1日18000円は貰えると思うよ」
私の言葉に彼女は目を大きく開き、そして指を1本2本と折り曲げながら計算を始めた。
「えっ?…ひと月に…54万円!!」
彼女は喫茶店に響き渡るくらいの大きな声でそう叫んだ。
これだから田舎娘はカワイイ。

「ま、定休日が日曜だから、25日フル出勤したとして45万くらいだね、でもそれ以外にもキミが頑張ればもっと給料はあがるから」
「えっ!お給料以外にもまだ貰えるんですか!!」
彼女の大きな瞳はキラキラと輝いている。
「ウチはドリンクバックというのがあってね、お客様にお酒を1杯御馳走になったら千円がキャッシュバックされるんだよ」
「?…お酒を御馳走してもらってそしてお金まで貰えるんですか?」
「そう。他にも同伴だとかアフターだとか色々と稼げるけど、ま、とにかく詳しい事はこの後店長に聞いたらいいよ。ただ、キミみたいに魅力的な女性なら、頑張り次第によっては毎月100万円を稼ぐのも簡単さ」
100万円と聞いた彼女は少し放心状態だったが、すぐに我に帰りひとこと「なんか怖い…」と呟いた。
「確かに怖いよね。毎月100万円っていったら普通の人じゃ稼げない金額だもんね。でも、本当に100万円稼ごうと思ったらウチの店だったら可能だよ。でも、酔っぱらいの親父にセクハラされたりと色々と大変だけどね…」
私の言葉に少し考えた彼女だったが、しかしすぐにまた元気な瞳をキラキラとさせて「頑張れます!」と力強く笑ったのだった。

                       ※

オープン1ヶ月前に内装も完成し、キャッチ部隊の精力的な働きの甲斐あってか働く女の子達も目標の30人を大きく上回っていた。
私は本業のホテルからちょっと抜け出し、愛理と二人でいくつかのマンション物件を下見にいっていた。
「この部屋はいいじゃないか…陽当たりもいいし部屋もひとつひとつが広い」
私の声に不動産屋の若造が「こちらはとっても人気のタイプでして…」と間合いを入れる。
そんな私の手を引きながら、愛理は「やっぱりココ高いですよプロデューサーさん…」と小声で言った。
築2年・3LDK・5階角部屋・オートロック付き。家賃15万円で敷金は56万円。ひとつき9万円で暮らす今の彼女にとったら夢のようなマンションである。
「大丈夫、心配するな。プロデューサーの私が言ってるんだ、キミなら毎月100万円は稼げるって」
私は心配そうな彼女の顔を覗き込む。
「…でも…」
「最初の金のことなら心配いらないよ。56万円、私が貸してあげるから。それと保証人だとかも心配しなくていいい、それも私がなってあげるから」
彼女は、どうしてそこまでしてくれるの?といった不安な表情で私を見る。
私は「キミが好きなんだ…キミをずっと私のそばから離したくないんだ…」と心で呟きながら、不安そうにしている彼女に笑いかけた。
私の笑顔を見計らってか、それまで知らんフリして窓の外を見ていた不動産屋の若造が「タレントさんか何かですか?」と興味津々聞いて来た。
彼女が私の事をプロデューサーさんと呼ぶからそう思ったのだろうが、しかし、彼女の全身から滲み出て来る「可愛らしさ」にこの若造が彼女をタレントの卵と思っても、なんら不思議はなかった。
「そうだよ。彼女はこれから芸能界を背負って立つビックタレントになるんだ。握手してもらうなら今のうちだぜ」
若造は「やっぱり…」と呟くと、嬉しそうに「握手して下さい!」と彼女に汚い手を差し出した。彼女は恥ずかしそうに照れ笑いをしながらも若造の手を受け入れていたのだった。


彼女のマンションの契約を済ませると、私は不動産屋から2個の鍵を受けとった。
そのひとつを彼女に渡し、もうひとつはこっそりとポケットの中にしまい込んだ。

夕暮れ時の不動産屋の帰り道、二人は寿司屋に立ち寄った。
老舗の寿司屋のカウンターで彼女は、私の耳元にそっと口を近寄せると「回転してないね」とクスッと笑った。
3年ぶりに食べるというウニの軍艦巻きを口に頬張りながら彼女が目を細めている横で、私は「これだけは約束しろよ…」と話しを切り出した。
「絶対に部屋に男を連れ込むな。キミは絶対に売れっ子キャバ嬢になる素質を持っているんだ。しかし、そんな素質がいくらあっても男ができるととたんにダメになる。だからここ数年は彼氏を作るな、わかったかい?」
彼女はウニに目を細めながら「はい、わかりました」と頷き、そして「次はイクラを食べてもいい?」と笑った。


店は華やかにオープンした。
オーナーの杉山の人脈からか、店内には芸能人や業界人からの豪華な花輪がずらりと並んだ。
フロアで笑談する彼女は、念願の巻き髪に白いロングドレスを身にまとい、他のキャバ嬢たちとは圧倒的に違うオーラを発していた。
フロアを覗いた私に気付いた彼女は、お客さんの接客中にもかかわらず私に向かって大きく手を振った。

「愚人ちゃんの連れて来たあの子、なかなかいいよ、オープン4日目だってのに彼女を目当てに来る客ばっかりだぜ」
杉山オーナーが、フロアを覗く私の耳元で囁いた。
「杉ちゃん、くれぐれも悪い虫がつかないように見張っててよ」
私が心配そうに言うと、杉山はニヤニヤ笑いながら「ホレてんの?」と聞いて来た。
「いや、そんなんじゃないけどさぁ…せっかくの上玉だしね…」
私はその業界ではちょっと名の知れた変態である。変態の40男が19才のキャバ嬢に惚れているとは恥ずかしすぎて人には言えない。
「でも○○町に立派なマンションまで用意してやったらしいじゃん、彼女嬉しそうに話してたぜ」
杉山の言葉が耳に突き刺さる。恥ずかしさで倒れそうになるくらいだ。私は笑って誤摩化していた。

そんな時だった。愛理の隣りに座っていた中年サラリーマンが酔った勢いから愛理に抱きつき、キスを迫ろうとした。
「いやぁ!ダメダメ!」
迫り来る中年男の顔を必死に避けようともがく愛理。
「いいじゃねぇか~ちょっとだけチューッてさせてくれよ~」
酒臭い息を掛けられながらも、愛理は「ダメぇ~!!」と笑いながら必死に抵抗していた。
カーッ!!と私の顔に血が上った。今すぐにでもそのテーブルに走りブランデーの瓶でその男の頭を叩き割ってやりたい心境だった。
バタバタと騒いだ挙げ句、なんとか親父の唇から逃げ切った愛理は「私、この人がタイプだから~」と言いながら、そのテーブルで明らかに上司だと思われる一番偉そうにしているボスの隣りにそそくさと席を移った。
見事な逃げ方である。
そう言われて上司の隣りに逃げられては、さすがのキス魔の中年親父も何も言えない。しかも相手が上司ならば場がシラケる事も無いのだ。
案の定、キス魔の中年親父は「課長の隣りに逃げるとは、こりゃあまいったなぁ」と戯け、テーブルはドッと笑いが起こったのだった。

少しして、カウンターでひとり酒を飲んでいた私のところに彼女がやってきた。
「さっきはごめんなさい…」
唇を尖らせながら項垂れる彼女。
「えっ?…なにが?」
「さっき、キスされそうになってたし…それにココも触られた…」
彼女はそう言いながら股間に手をやった。
私はとたんに彼女のマンコを想像してしまい、どう返事をしていいかわからなかった。

「あぁ…うん」
「怒ってます?」
なにやらまるで恋人同士の雰囲気である。私は内心ドキドキしていた。
「…どうして?」
「だって…凄い怖い顔して見てたんだもん…」
彼女は上目遣いの瞳を今にも泣き出さんばかりに潤ませた。
「いや…キミが心配だったからね…」
「え?私の事、心配してくれたんですか?嬉しい~!!」
彼女はとたんに笑顔に変わるとカウンターに座る私に抱きついた。彼女の小さな胸が私の肘に押し付けられる。
「なんだよ…酔ってるのかい?」
私は彼女の髪の匂いを嗅ぎながらそっと彼女の細い腰に腕を回した。シルクのドレス越しに彼女の柔らかい肌を感じる。
「ちょっと頑張り過ぎました…もう6杯も飲んじゃいました…だから今夜は6千円も稼ぎましたよ」
彼女はパッと私から身体を離すと、嬉しそうに笑いながら「今度は私がウニをご馳走しますからね」と微笑んだのだった。

私は店を出ると、彼女の髪の匂いと彼女の柔らかい肌の感触が消えないうちに、急いで1軒の風俗に駆け込んだ。
「いらっしゃいませ…ご指名の子は?…」
私は蝶ネクタイのボーイから写真をひったくると、愛理に一番似ている娘を探した。
しかし、どれもこれも萎びた茄子のような女ばかりで、愛理のように燦々と降り注ぐ太陽の下で大きく咲き開いているひまわりのような娘は見当たらなかった。
改めて愛理の良さを実感しながらも、まるで「笑点」に出てきそうな落語家面したオンナを指名する。
そのオンナが一番の貧乳らしい。巨乳は愛理には似合わない。

私は、ベニヤ板に仕切られた畳2枚ほどの狭いボックスに案内された。店内にはなぜか田原俊彦の古いヒットナンバーがびっくりするくらいの音量で垂れ流されていた。
しばらくして真っ赤な派手な衣装を着た落語家が「いらっしゃいませ~」と業務的に叫びながらやって来た。
オンナは隣りに座ると、不機嫌そうにおしぼりのビニールをポンッポンッと叩き破り、湯気すら出ない冷えたおしぼりを取り出しはじめる。オンナは取り出したおしぼりを一枚一枚慎重に匂いを嗅いでいた。
「…どうする?本番する?」
オンナは私の目を一度も見る事無くそう話し始めた。
どう考えてもこの落語家とヤル気にはなれなかった。普段の私ならばこんな下手物でもしっかりと愛してやるのだが、しかし、今の私は愛理の事で頭がいっぱいだ、こんなどこかの師匠のようなオンナを抱ける気分ではなかった。
「本番以外なら1万でいいよ…」
黙っている私に、オンナはそう言って欠けた前歯を剥き出しにして笑った。

落語家は私に全裸になるようにとぶっきらぼうに告げると、自分は上着を脱ぐ事もせずそのままの衣装で私の身体にまとわりついた。

オンナの薄気味悪い舌が私の乳首をリロリロと舐める。鼻が詰まっているのか落語家はハァハァと息を吐きながら乳首を舐めていた。私は落語家のそのだらしない口から発せられる下水道のような口臭に耐え切れず思わず顔を背けた。
それを見た落語家は何を勘違いしたのか「あら、乳首感じるんだね」と言うとケタケタケタと妖怪のような笑い声をあげた。
落語家のシワだらけの指が私の勃起したペニスを激しくシゴく。こんな妖怪にでもしっかりと勃起する自分が恥ずかしい。こんな姿を愛理には見せられない。
そう愛理を思い出した瞬間、彼女の明るい笑顔が私の脳みそ一杯に広がった。
彼女の柔らかく細い腰。彼女のサラサラのヘアー。私は目を瞑り静かに彼女を想像する。

しかし、この落語家はそんな愛理を私の脳から消去してしまう。
落語家は赤いストッキングとパンティーを同時に足首までずり下ろすと、リクライニングしている私の顔の上に股を開いた。
「特別にシックスナインさせたげる…」
猛毒にでも犯されているのかザクロのように赤黒く爛れたマンコが私の目の前に広がった。
強烈な生臭さだ、それはまるで腐ったサバだ。
本来の私なら喜んで舐め回すところだが、恋の病におかされている今の私にそんなパワーは湧いて来ない。
しかしながらこの落語家のフェラはなかなかどうして上手い。天は二物を与えずとはよくいったもので、こんな腐れマンコで落語家面したオンナにでもこんなに素晴らしい長所があるのだ。落語家だけに思わず「座布団一枚!」と蝶ネクタイのボーイに言ってやりたいくらいだった。

ブジュジュ~という不気味な音を立てながらペニスにしゃぶりついている落語家。猛烈なマン臭を発する腐れマンコ。そして店内で「ハッとして~グッときて~」と垂れ流されている田原俊彦の不気味な歌声。
そんな究極の状態の中、私は「愛理!!」と小さく叫ぶと、落語家の口の中一杯に熱い欲望を放出したのであった。


                       ※

愛理が店で働き始めて1ヶ月が過ぎようとしていた。
相変わらず私は、彼女の手すら握れぬ状態でモンモンとした日々を送っていた。
「先輩らしくないねぇ~そんな女は深夜映画館にでも誘ってみんなで犯してしまえばいいじゃないですか」
後輩の田代が卑猥な投稿雑誌をパラパラとさせながらそう言った。
「違うんだよな…今までとは…」
そんな私を見つめながら「重症だね…」と呟いた田代は、すかさず投稿雑誌を開いて私に見せつけた。
「ほら先輩、相武紗季。その愛理って子、相武紗季に似てるんでしょ」

開かれた雑誌には水着姿の相武紗季が笑っていた。その笑顔、その雰囲気、見れば見るほど愛理にそっくりだった。

「まだ、その子の部屋にも侵入してないんでしょ?」
私は雑誌を手にしながら田代の質問に無言で頷いた。
「これ、素人でも簡単に取付けられるカメラ。一応、カメラで監視しておいたほうがいいでしょ。そんなに人気のある子だったらオトコが出来ても不思議じゃないし…」
田代は遠慮がちに言ったつもりだろうが、その言葉は私の胸をグサリと刺した。

私は何が怖いかといえば、愛理にオトコができる事だった。たとえ愛理の手を握れなくともたとえ愛理の近くにいれなくとも、愛理にオトコさえできなければ私は安心なのである。
そんな不安を抱えた私は無言で田代からそのカメラを受けとると「取付け方がわからなかったら連絡するよ」と言い残しホテルを出たのだった。

愛理のマンションの近くまで来て、まだ時間が昼の3時だという事に気がついた。こんな時間にマンションに行けば当然愛理がいるはずである。
私は車を止めるとマンションの下にある公園のベンチに腰を下ろし、愛理の部屋をボンヤリと見上げていた。

カメラを設置しようかしまいか。私は酷く悩んでいた。
カメラにもしオトコが映っていたら私はどうすればいいのか。愛理を信じたい、しかし、愛理は私のものでもなんでもない、彼女にだって彼氏を作る権利もあれば彼氏と仲良くキムチ鍋などを突く自由だってあるのだ。

私は、これまでにカメラの盗撮やマイクの盗聴によって、知りたくない事実までも知ってしまい廃人のようになってしまったストーカーを何人も知っている。
知らなくてもいい事実をあえて知ろうとするのは、相手を愛していればいるほど危険すぎるのだ。

私はふと、変態友達の峰島氏を思い出した。
峰島氏は究極に愛した女の部屋に盗撮カメラを設置したが、そのカメラが捕らえた映像、そう、夜な夜な大きな音でオナラをする彼女の現状を見てしまい…絶望した彼は生きる目的を失い自ら命を絶った。
たかだかオナラかもしれないが、我々のような普通の恋ができない変態にすれば、されどオナラなのである。
私はそんな峰島氏の冥福を祈りながら彼女のマンションを見上げていた。

公園のすぐ端に小さなスーパーがある。私の視野にそのスーパーに入って行く愛理の姿が飛び込んで来た。
人違いかと思いながらも私はそのスーパーに向かって歩き始めていた。

ウィンドウ越しに中を覗くと、やはり白いパンツにボーダーのTシャツといったラフな恰好をした愛理が買い物をしていた。
私は彼女に見られないようにこっそりと彼女を目で追った。
彼女の買い物カゴの中には既に商品がいくつか入れられている。ねぎ、豚肉、玉ねぎ、キャベツ、ポテトフライの冷凍物と、そしてマグロの刺身。一人暮らしの女には少々量が多すぎる気もする。しかも、豚肉を買いながらも刺身を買うなど、これまでの愛理の食生活からは考えられないメニューである。
私はふとマグロの刺身はオトコの好物なのでは…と頭を過った。

私はいてもたってもいられなくなりスーパーの中に入って行く。
愛理は調味料のコーナーでしゃがみながら「酢」を眺めていた。彼女の白いパンツから、黒いレースのショーツがはみ出していた。

「おい、黒いショーツが丸見えだぞ」
私の声に一瞬驚き、そして後ろを振り向く愛理。私を見るなり驚いていた顔がやんわりと笑顔に変わった。
「プロデューサーさん!!どうしたのこんな所で?!」
彼女からは相変わらずのパワーが発せられていた。いや、出会った時と比べるとそのパワーは数段も増し、驚くほど洗礼されていた。
「ちょっとそこを通りかかってね…キミがここに入るのが見えたから」
彼女はなぜか「うふふふ」と嬉しそうに笑った。

「どうだいお店のほうは」
「はい。おかげさまでお給料沢山いただきました」
私のおかげではない、キミが魅力的だから世のスケベな男達が貢いでいるのだ。
「仕事は慣れた?」
彼女は一度手にした「ミツカン酢」を棚に戻しながら「はい、とっても楽しいです!」と輝きながら微笑んだ。

彼女と二人して近くの喫茶店に入った。
彼女は席に着くなりウェイトレスにホットコーヒーを注文し、そして私のほうを見ては「プロデューサーさんはアイスコーヒーでしたよね?」と尋ねると「それとアイスコーヒーをシロップ抜きで」と手際よく注文した。
それを見て、物凄いスピードで彼女が変身したのがわかる。

私と初めて出会った1ヶ月前、ひと月9万円の極貧生活をしていた田舎娘は喫茶店に入る事すら脅えていた。それが今では、全身をブランドで固めたスタイリッシュな人気キャバ嬢に変身だ。
「変わったね」
私がそう言うと、彼女は恥ずかしそうに「そうですかぁ」と笑った。
その笑顔に、私は直感でオトコの存在を感じとった。
私以外に、彼女をプロデュースしている奴がきっといるはずだ。しかも、そいつは彼女のプライベートをプロデュースしている。

「お店は何時に出勤するの?その前に何かおいしい物でも食べに行こうか?」
私はアイスコーヒーのストローを口に運びながら誘った。
「ホントですかぁ!嬉しい~」
彼女は随分と水商売慣れしてしまったようだ、そんな誘いをオーバーなリアクションで受け答える。
「店は10時までに行けばいいですから…今から急いで準備してきます」
私がまだ彼女を知る時は、確か店には7時までに入店し、開店の準備や掃除等をしていたはずだ。それがたった1ヶ月で10時出勤とは…彼女がどれだけ人気があるのかが手に取るようにわかった。

彼女は最新型のグッチの財布から千円札を取り出しそれをウェイトレスに渡すと「車で待ってて下さいね」と私に言い席を立とうとした。彼女の財布の中には一万円札が少なくとも10枚は無造作に押し込められていた。

席を立とうとしたその時、ふいに彼女の携帯電話が鳴り出した。
彼女はもう一度席に座り直しプラダのスポーツバッグから携帯を取り出す。鳴り続ける携帯をよそに携帯画面を眺めながら不思議そうに顔を横にする彼女。
「…誰だろ…」と呟きながらピッとボタンを押した。

「もしもし…あっ!はいはい、わかります! …えぇ~もちろん覚えてますよ~」
彼女はそう話しながら、バッグの中からパンパンに膨らんだ手帳を取り出した。それを器用に片手でパラパラと捲りながら話しを続ける彼女。
彼女は手帳に挟んである無数の名刺をひとつひとつ確認しながら、一枚の名刺を素早く抜き出した。
「…はい…はい…えぇ~ホントですかぁ~なんか怪しいですよ横山さん」
電話の相手に初めてそう名前を呼んだ彼女。彼女が眺めている名刺には「篠崎産業 営業部長 横山健一」と書いてあった。そしてその名刺の裏には、ボールペンで「6月5日、雨、会社の社員3人、JINROウーロン割り…」などと、ゴルフのハンデから誕生日、車の車種から好きな食べ物まで客のデーターがびっしりと殴り書きされていた。

「あっ…今日ですか…今日はちょっと…」
恐らく同伴出勤を誘われたのだろう、愛理は気まずそうに私の顔をチラッと見た。
私はすかざす無言で合図を送る。そしてテーブルの上の伝票に「同伴なら行っておいで」と愛理の手帳に挟んでいたボールペンで書いた。
それを読んだ愛理は「…あ、やっぱり大丈夫みたいです…ええ~違いますよ~オトコなんていませんよ~本当は今日、他のお客さんと約束してたんだけど~やっぱり横山さんのほうがいいなぁ~なんて思っただけですよ~」と、うまく話しを合わせていた。

「プロデューサーさん、せっかく誘って頂いたのにゴメンなさい…」
愛理は両手を合わせると片目を瞑って謝った。
「いいよいいよ、仕事だからしょうがないよ」
「今度、また誘ってくれますか?」
「ふふふふ…どうしようかなぁ…」
「お願い!また美味しいお寿司食べに連れてってください! …ね?」
笑うしかなかった。彼女のわざとらしくも可愛いその演技に私はひたすら笑うしか無かった。
こうやって世の男達は彼女の可愛らしさに振り回されているのだろう、キャバクラにハマる男達の気持ちがその時初めてわかったような気がした。

彼女と別れてから、マンションの周囲を車で一周し、そしてまた元の公園に戻って来てしまった。
愛理が愛おしくてたまらない。
彼女のマンションを車の中から見上げる。今頃、その横山とかいうオトコの好みの洋服に着替えている頃であろう。

その晩、私は久しぶりに愛理の店に顔を出した。
頭の中は愛理の事で一杯だ。何も手に付かないのである。
いつものカウンターに座ると、さりげなくフロアを見回し愛理の姿を探す。
愛理は奥のカウンターで一人の客と楽しそうに笑談していた。
「あの6番テーブルの客、あれ誰?」
私はカウンターの隅でぼんやりと立っているボーイを呼びつけそう聞いた。
「あぁ、あれは横山さんですよ」
「よく店に来るの?」
「…そうですね…僕は週3回のバイトですから詳しくはわかりませんけど、僕が出勤してる時はいつもおみえになってますね」

あいつが愛理のオトコか?
いや愛理はついさっきまであいつの名前すら覚えてなかったじゃないか…あいつがオトコであるわけがない…
私はカウンターの奥に取付けてあるボトル棚の鏡を見ながら、後ろで仲良く話し合っている愛理と横山を観察していた。

ボーイが愛理のテーブルに近付き、なにやらコソコソっと愛理に耳打ちをした。
愛理はコクンとボーイに頷くと、また何も無かったかのように横山と話し始める。しかし、しばらくすると愛理は横山との話しを上手く切り上げ「ちょっと失礼しますね…」と席を立った。
愛理の代りにひょうたんのような顔の形をした嬢が横山の席に着いた。

愛理はそのまま3番テーブルに向かってドレスを靡かせた。3番テーブルもやはり1人の客で、なにやら思い詰めたように黙ったまま柿の種を齧っている。
「ごめ~ん、いっぱい待たしちゃったね」
愛理が席に着くなりオトコの顔は一瞬にして明るくなり、とたんに目力が湧いて出て来た。
「おい、あれは?あの3番テーブルの柿の種ばかり食ってるハゲ」
私は再びボーイに聞いた。
「あれは加藤さんです」
「何やってる人?」
「たぶん、普通のサラリーマンだと思います」
「よく来るの?」
「…そうですね…僕は週3回のバイトですから詳しくはわかりませんけど、僕が出勤してる時はいつもおみえになってますね」
先程と同じ回答のボーイ。この週3回出勤のボーイの言葉からも、愛理の客はかなり通い詰めている様子が伺える。

私がこの店に来てからわずか数十分の間に、愛理は次々と指名されたテーブルを華麗に回っていた。
その度にボーイの答えは「…僕が出勤してる時はいつもおみえになってますね」といつもの回答だった。
愛理の客のどれもこれもが似たり寄ったりのハゲやデブばかりであり、私にとってライバルとなるような客はいなかったのだが、しかし、気になるのは愛理の客は全て1人で来店しているというところである。
オトコが1人でキャバクラに通い詰めるというのはかなりのハマりようなのである。

私は心配になり再びボーイを呼んだ。
「愛理はあいつらとよくアフターに行ったりするのかい?」
「愛理? …あぁ鈴音さんですね…そうですね…僕は週3回のバイトですから詳しくはわかりませんけど、僕が出勤してる時はいつも…」
私はボーイの言葉を最後まで聞かず、後ろを振り向き愛理の顔を直に眺めた。

ハゲ親父のたいしておもしろくもないような話しにオーバーなリアクションをしながらクスクスと笑う愛理。
私が愛理を見つめている脇で、やはり私と同じような視線を愛理に送る横山がいた。いや、横山だけではない、そのフロアにいる1人客のほとんど全員が、愛理と楽しそうに話す客に対して嫉妬の視線を向けているのである。

私はこれらの男達に愛理が犯されるのをふと想像した。
いやきっと彼らは愛理を待ち続けている間、妄想の中で愛理を犯しているに違いない。愛理の小さなマンコに舌を這わせベロベロといやらしく舐め、愛理の貧乳を指で強く摘みながら背後から愛理の尻にペニスを突き刺す。そう、彼らが愛理を見つめるその真剣な眼差しには愛理を視姦している雰囲気が漂っているのだ。

私は客のグラスの水滴をハンカチで拭く愛理を見た。グラスをペニスに置き換え、愛理が客のペニスをハンカチで丁寧に擦っている姿を妄想する。
私の頭の中は嫉妬と興奮のあまりクラクラと目眩がした。

横山の顔を見る。横山が愛理の細い体を抱え、背後から激しく付きまくる姿を想像する。
横山はイク瞬間に愛理の唇を奪い、濃厚なディープキッスで舌を絡ませながら愛理の膣の中に薄汚い精液を放出する。


私は妄想が走り過ぎ、現実がわからなくなってきた。
嫉妬のあまり愛理を激しく憎んだ。
そして週3回のボーイを突き飛ばし店を後にした。

エレベーターの中で、ギンギンにペニスが勃起しているのに気付く。
最近は愛理が切なくてヌク気にもならなかったのだ、かなり溜まっているようだ。
ビルを出ると駐車場へ向かう路地に入る。
路地の奥に有る落語家のピンサロが赤い照明を路地にまで洩らし、その灯りがまるで「おいで、おいで」をしているように見えた。
私は一瞬迷う。このまま落語家にスッキリサッパリさせてもらおうか、それとも今から愛理の部屋へ…
しかし、ピンサロから聞こえて来る田原俊彦の不気味な歌声を耳にしたとたん私の決心は固まった。

私はもう躊躇う事無く愛理のマンションに車を走らせていた。
彼女のマンションのいたるところにカメラを仕掛け、オトコを連れ込まないか監視してやるのだ。
あれだけの人気キャバ嬢だとオトコが強引に押し入りレイプされるキケンもある、それにストーカーに付け狙われる事だってあるのだ。
私は今の私がストーカーそのものだと思いながらも、アクセルを強く踏込んだのだった。

彼女のマンションはオートロックだが合鍵を持っている私はすんなりとそれをクリアした。
ドアの前に立つ私。そこに立ってから、突然「もしこの部屋の中にオトコがいたらどうしよう…」という不安に駆られた。
恐る恐る部屋の呼び鈴を鳴らす。
30秒おきに5回以上呼び鈴を鳴らしたが何の応答も無い。まずは一安心だ。
私は怪しまれぬよう、普通に彼女の部屋の鍵を開けると、平然を装って部屋の中に入って行った。

静まり返った部屋は電気が消され真っ暗だった。
携帯を開き、画面の明かりで電気のスイッチを探した。
電気を灯し、彼女の部屋を見渡した。
わりとコザッパリとした部屋だ。今まで数々のキャバ嬢の部屋に潜入して来たが、その大半はまるでワイドショーで報道される「ゴミ屋敷」のように汚かったが、愛理の部屋はきちんと整頓されていた。

つい数時間前まで愛理がこの部屋にいたのかと思うとムラムラと欲情が込み上げて来た。
カメラを仕掛ける前に、一発抜いておくべきだ、でないと設置にミスを犯す危険がある、そうだ、そうしよう。
私は自分にそう言い聞かせると、洗濯機の置いてある浴室に足を忍ばせた。

乾燥機付きの最新型洗濯機が人気キャバ嬢を物語っていた。
扉を開けると中には様々な「彼女の汚れ物」が押し込められていた。
私は洗濯機の中に手を突っ込み、まるでゴミ箱を漁るホームレスのように真剣にブツを探した。

黒いパンティーと柄物のパンティーの2枚を発見。
それを手にして彼女の寝室へと向かう。

全裸になり彼女のベッドに潜り込む。
勃起したペニスが彼女のタオルケットに擦れ、思わぬ快感を得る。
ベッドに仰向けになりながら、黒いパンティーを鼻にあてた。これはついさっきまで履いていたパンティーだろう、あのスーパーで見た物と同じレース柄である。
水商売らしいキツい香水の匂いが鼻を刺激した。
ゆっくりとパンティーを広げクロッチを覗き込む。
下地が黒の為か彼女のオリモノはひたすら白かった。しかもほんの少ししか汚れていない。
きっとこのパンツは目覚めてから出勤するまでの間の、ほんのわずかな数時間しか履いていなかったのだろう、と諦め、もう一枚の柄物に願いを託した。

アメリカの国旗をイメージさせる柄の木綿のパンティーだった。
ブランドで身を固めた人気キャバ嬢には相応しくない、質素な素材ででダサイ柄。このパンティーはきっとひと月9万円の極貧時代から履いていたものであろう。

そして私はある事に気付いた。
そう、昨日は店は定休日なのである。
という事は、この使い古したパンティーを、愛理は昨日一日中履きっぱなしだったのだ。
私の胸はとたんにドキドキと鼓動を打った。

ゆっくりとクロッチを広げる。
その凄まじい汚れに、これは本当にあの可愛い愛理のパンティーなのかと目を疑った。
黄ばんだ小便の残りジミとクリーム色の濃厚なオリモノ。
私はそれにそっと鼻を近づけた。強烈なチーズ臭が私の脳を襲う。
「あぁ…愛理…こんなにパンティーを汚してしまって…」
私はそう声を出しながら、その愛理の分泌物に舌を這わせた。
しょっぱさの中に粉チーズのような触感。
私は愛おしい愛理のパンティーのシミを消えてなくなるまで舐め尽くした。

気がつくと私の太ももには我慢汁がダラダラと垂れていた。
それを愛理の枕で拭い取る。
私はその使い古したパンティーをペニスの先に被せると、愛理の靴下やTシャツの匂いを嗅ぎながらペニスをシゴいた。

店用の香水の付いている衣類は避け、愛理の本来の体臭を感じられる衣類を選んだ。
ゴミ箱の中に捨ててあるティッシュを口の中に頬張り、彼女の室内用スリッパの匂いを嗅いだ。
ペニスにパンティーを被せそれをシコシコとシゴきながら部屋中を物色して歩く私。
まさに変態だ。

キッチンにあるダイニングテーブルの上に大きく寝転んだ。
このテーブルで愛理は何を思い何を考えているのか…
そろそろ限界だ。全身がゾクゾクと絶頂を知らせている。
私はパンティーをグッと強く掴むと、フィニッシュに向けての激しいピストンを繰り返した。
私のペニスと愛理のオリモノが擦れ合う…「うっっっ!」

とめどなく放出される精液を、愛理のパンティーが懸命に受け止めていた。
しかし、その半端じゃない量にその小さなパンティーは堪え切れず、パンティーの端から白い液体をダラリと垂らした。

私は愛理のパンティーに付いた精液を指で拭い取ると、その指に付いた精液をダイニングテーブル、冷蔵庫の取っ手、便座、スリッパの奥、と、あらゆる部分に付けて回った。
そしてそれを全て終えると、キッチンの流し台に小便をしてやった。


愛理のマンションを後にした私は、駐車場に停めておいた車に乗り込んだ。
田代が教えてくれた通りにカメラは設置した。これで完全に彼女の私生活は私のものだ。
私は横山の顔を思い浮かべた。
そしてなぜか「ざまぁみろ!」とひとつ叫ぶと、ホテルに向かって車を走らせたのであった。

                     ※

カメラを仕掛けてから毎日、私は支配人室に籠りっぱなしだった。
店から帰って来た愛理の着替えシーンで一発抜き、風呂上がりの裸体を眺めてはまた一発抜いた。

そして朝になるまで画面に映る彼女の寝顔をずっと見つめ続けている。私は完全に異常者と化していた。

彼女の部屋だけでなく、彼女の働く店のいたる所にまでカメラを設置した。友人の杉山には悪いが、彼女を好きで好きで堪らないのである、杉山には内緒で設置させてもらった。

かれこれ1週間になろうとしていただろうか。
その間、愛理にオトコがいる気配はまったくない。
安心した私は、体調は段々と回復させ思考も正常に戻って来ていた。

やっぱり愛理は純粋な娘だ。私との約束を守りオトコなんて連れ込んだりしていない。私は嫉妬からきた被害妄想にかられてしまっていたのだ。
今、冷静になって考えてみると私の被害妄想は異常だった。それに気付くと、疑ってしまった愛理に無性にお詫びがしたくて堪らなくなった。

私は急激にウツが吹っ飛び、その後に訪れた異常なソウ状態で、愛理に電話を掛けた。
「もしもしプロデューサーさん!!元気ですか~!!」
すぐにいつもの元気な愛理の声が電話口から飛び出して来た。
画面を見ながら電話をしている私はまるでテレビ電話のようだった。

「仕事はどうかな?儲けてますか?」
彼女の仕事はすこぶる順調だ。昨夜など12の指名を取り合計28杯のドリンクを飲んでいる。きっと画面を眺めている私のほうが詳しいだろうが、あえて彼女にそう聞いた。
「はい、おかげさまで儲かってま~す!アハハハ」
画面の中で元気に笑う愛理の笑顔は紛れもなく本物だった。あの客達に見せる営業的な偽笑顔ではない。
私は画面に映るそんな純な愛理の笑顔に救われる思いがした。

「ところでどうだい今夜辺り。この前連れて行こうと思っていた寿司屋で食事でも」
私の言葉に「えええ~」という暗い返事が返って来た。
「今夜はお店が休みでしょ?何か大事な用事でもあるの?」
「実は、私、今、実家に帰って来てるんですよ~」

私は彼女の言葉に耳を疑った。
「…えっ…今、もう実家にいるの…」
「そうなんですよ…朝一番の電車で帰ってきちゃったんです…あぁ残念だなぁお寿司」
画面の向こうの愛理はまさか盗撮されているとは思ってもいない。

なぜだ!なぜ愛理はそんな嘘を付く!
私は呆然と画面を眺めていた。

「明日ならそっちに帰ってきてますから…明日じゃダメですか?」
愛理の声は妙に明るかった。いつもと変わりないあの元気な口調だ。
「…うん。わかった。とりあえずまた明日電話してみるよ…」
私はショックをバレないようにいたって平然を装い、淡々と返事をし、そして電話を切った。

なぜ愛理は嘘を付く…
どうして私に対してそこらの客と同じように嘘を付くんだ…
私はショックのあまり、これ以上画面を見る気も失せていた。
私は画面を切ると、支配人室のソファーに横たわり静かに目を綴じた。
眠りたかった。深い深い眠りに落ち現実逃避したかったのだ。


目が覚めると、辺りはシーンと静まり返っていた。
いつの間にか夜も更け、ドアの向こうのフロントも静まり返っているようだった。
時計を見ると夜の11時を過ぎていた。私はここで9時間以上も寝てしまっていたのだ。

ようやく脳みそが動き始め、状況が把握できるようになると、あの愛理の嘘が再び甦って来た。
もしかしたらあれは夢だったのか?と何度も思ってはみたが、しかしそれが紛れもなく現実である事は否が応でもわかっていた。

愛理だって人間だ、毎日毎日人の機嫌を伺ってばかりいたら疲れるだろう、彼女だってたまには一人になりたい時だってあるさ…と、自分に言い聞かせる。
私はゆっくりとソファーから身を起こした。枕代わりにしていたソファーの肘掛けが高かった為か首が寝違えたように痛かった。

そうだよ、そうにきまっているさ、愛理はそんなに性悪女じゃない、あいつは純粋で正直でカワイイ女なんだ…たまには息抜きだってしたいだろう、でもまさか私に「今日は一人でのんびりしたいから」なんて断れないだろうし、だからしょうがなくあんな嘘をついたんだよきっと…

私は何度も何度もそう心に言い聞かせ、冷蔵庫からオロナミンCを取り出すと、それを一気に飲み干した。

それに…もしかしたらあれは私の聞き間違いだったのかも知れない。そうだ、あの時彼女は「今から実家に帰る」と言ったんだよ、それを私は早とちりして「もう実家に帰っている」と聞き間違えたんだ、そうだそうに決まっている、私はよくそんな聞き間違いをするんだ、この間も札幌のお客様が「今からそちらのホテルに行きます」というのを「今、そちらのホテルに着きました」と勘違いしてしまったじゃないか!なんだそうだったのか、これは私の聞き間違いだったよ、なぁんだまたしても愛理を疑ってしまったよ…

私は何度も何度もそう自分に言い聞かせながら、平然とした表情でPCのスイッチを入れた。

じゃあ今頃は愛理は故郷で懐かしいお袋の手料理でも食べてる頃だろう…そうだ、後で電話してあいつの地元のお土産でも買って来てもらおう…

PCはグイーン…という音を立てながら立ち上がった。私はテーブルの上の煙草を喰わえるとそれに火をつけながら愛理の部屋の盗撮カメラにクリックした。

明日、愛理をどこに連れて行こうか…あいつは寿司が好きだからとびっきり豪華な寿司屋で上等なトロを食わせてやろう、いやあいつは…ウニが…好きだ…と…言って…たよ…な…

私は喰わえていた煙草をポトリと落とした。
PCの画面の中には、激しくオトコの身体を受け入れる愛理の姿が映っていた。

あまりにも残酷なそのシーンは私の脳みそを千枚通しで突き刺すかのようにドクッ!ドクッ!とじんわり刺激を与えて来た。

愛理がオトコの身体にしがみつき、オトコに持ち上げられた腰を自ら激しく振っている。
画面の中で愛理の身体にむしゃぶりついているそのオトコは、紛れもなくあの横山だった。

そのセックスは客とキャバ嬢という枠を遥かに超えていた。
激しく舌を絡ませるそのキスは、愛し合う男と女そのものだ。

横山に深く挿入され、身を捩らせながらヨガる愛理。
そんな愛理の姿を上から眺めては勝ち誇ったように腰を突き出す横山。
私はショックのあまりその場にへたり込んだ。
何も頭に浮かんで来ない。頭の中は真っ白になってしまっている。

何分くらいそうしていただろうか。
私は先程飲み干したオロナミンCの空き瓶を黙ったままジッと眺めているのだ。

ふと我に返る。
そう言えば、ここ最近、メシを喰った記憶が無い。いや、風呂にも入っていないはずだ。
そしてテーブルの下でギンギンに勃起している我が息子に気付く。
「…そう言えば…長い事ヌいてないなぁ…」

ふと顔を上げると、PCの画面には愛理と横山が二人並んでベッドに寝そべっていた。
もうセックスは終わったらしい、二人はまさしく恋人同士のようにベッドの上でいちゃいちゃと余韻を楽しんでいた。
それを眺めながら私は大きな屁をこいてやった。
そういえば最近、屁をこいた記憶がなかった。なにか全てが吹っ切れ、なにやら物凄く清々しい気分になった。

「よし!」
私はそのもうどーでもいいPCの画面を消すと、勃起したペニスの先を撫でながらホテルを飛び出した。
車に飛び乗ると、思い切りアクセルを空ぶかししてやった。
そのまま車をぶっ飛ばし、愛理の店まで猛スピードで走った。途中、田代から携帯電話が鳴っていた。突然ホテルを飛び出して行った私をきっと心配しているのだろう。しかし、今の私は彼に何を言い出すかわからない、私はそっと携帯電話のスイッチを消した。

車は愛理の店の契約駐車場に飛び込んだ。
車を降りると、私は財布の中にいくら金があるか確認した。
万札と千円札合わせて合計24万円。

私は薄汚い路地を進み、路地の突き当りにある赤い照明を目指して歩いた。

24万円をあの落語家にくれてやろう、そして思う存分あの腐れマンコを舐め尽くしてやる。そうだ、そういえば丁度私はここ最近風呂に入っていないじゃないか、私の臭いペニスと落語家の臭いマンコ、こりゃあお似合いのカップルじゃないか!

私は突然可笑しくなり「わははははは!!」と大きな声で笑った。
そして私の笑い声に驚く野良猫に小便をかけてやろうとしたが逃げられた。

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赤い照明が近付いて来ると、やっぱりあの不気味な田原俊彦の歌声が聞こえて来た。
私はなぜか久しぶりに故郷に帰って来たかのような安堵感を覚え、田原俊彦の「ハッとしてグー」を一緒に口ずさみながら赤い照明の中に消えて言ったのであった。

おわり



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