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銀座の変な物語4

2011/08/19 Fri 10:31

銀座の




               8


 ガタン・・・・
 玄関から聞こえて来たその音に、クローゼットの中に潜む僕は一瞬にして心臓が踊り出した。
 時刻は深夜3時。
 やっとメイサが帰って来たという嬉しさと、もしかしたら誰かと一緒かも知れないという恐怖が、僕の胸で複雑に絡み合う。
 クローゼットの扉の向こうの物音に全神経を集中させる。もし、男が一緒だったらと思うと、その緊張のあまりに不意にウンコがしたくなって来た。
 足音が近付いて来る。
 もし、この扉を開けられれば、このスッキリと片付けられた空っぽのクローゼットでポツンと座っているだけの僕は一巻の終わりだ。僕は近付いて来る足音と共に、足下に置いてあったスタンガンをソッと握った。
「ふぅ・・・・」
 扉の向こうから溜息と共にグググッとソファーに腰掛ける音が聞こえて来た。
 汗びっしょりの僕は息を止めたままソッと扉の隙間に顔を近づけた。
 白いソファーに座りながらボンヤリと天井を見つめているメイサがいた。他には誰もいない。部屋にはシャンパンゴールドのワンピースを着たメイサ1人だけだ。
 そんなメイサが座っているソファーには、客達からのプレゼントなのだろう、リボンで飾られた箱や花束などが大量に転がっていた。
 メイサは、酔っぱらっているのか、無言で天井をボンヤリと見つめたまま小さな体をフワフワと左右に動かしている。
 そのプレゼントの数を見れば、銀座を引退するメイサを惜しんだメイサの贔屓客がかなり来店していただろうと思われ、恐らくメイサは彼らから相当な酒を飲まされていると予想できた。
 酔っぱらっていたら好都合だ。
 扉の隙間から覗く僕は細く微笑んだ。


 その日の昼間、久しぶりに実家に帰った僕は、姉から例の睡眠薬を貰った。その時姉は「絶対に酒と一緒に飲まないでよ」と、躁鬱病独特の貪よりした目で僕をボーっと見つめながらそう言った。
「酒と一緒に飲んだらどうなるの?」
 僕はその錠剤を素早くポケットに入れながら聞いた。
「ラリッちゃうよ」
 姉はニヤッと微笑みながらそういうと、まるで電池が切れ掛かったロボット玩具のようにゆっくりと瞬きをした。
「ラリるってどんな風に?・・・眠らないって事?」
 姉は「う~ん・・・」っと首を傾げながら、テーブルの上の百円ライターを指で弄んだ。そしておもむろにカチッカチッと火を付けながら、「寝てるんだけど・・・ぼんやりと起きてるって感じ・・・」と呟いた。
「意識はあるの?」
 僕はそう聞きながら全く化粧気のない三十路の姉の顔を覗き込んだ。
 すると姉は「あるわけないじゃん」とケラケラと笑い、その不気味な笑顔のまま「夢見てるような感じかな」と気怠そうに答え、弄んでいた百円ライターをコトッとテーブルの上に置いた。
 そしていきなり僕の目を探るように覗き込みながら「女の子に使うの?」とズバリ核心を衝いてきた。
「・・・・・・・・・・」
 黙っている僕に、姉は「やっぱりね・・・」と笑いながらパーラメントの箱をガサゴソっと指で漁り、そこから煙草を1本取り出すと、それをカサカサの唇にやんわりと銜えながら「この薬なら百発百中だよ」と不気味な流し目で僕を見た。
「この薬でラリッてる時は何をされても覚えてないからね、レイプなんてのに使うには最適だよ。それにこの薬でラリッてると・・・」
 姉は勿体ぶった口調でそう言いながら煙草に火を付けた。そしてカサカサの唇から白い糸のような細い煙をスーッと吐き出すと、「女も気持ちいいんだよ」と気怠そうに呟き、ニヤリと微笑んだのだった。
 そんな僕の姉は、薬物による逮捕歴4回、自殺未遂歴8回という重症躁鬱病の元ソープ嬢だった。
 そんな姉の「酔ってる時に飲むとラリッちゃうからね」という忠告は、今のこの状況の僕に、勇気と悦びを与えてくれたのだった。


 しばらくソファーの上でボンヤリしていたメイサだったが、いきなり「よしっ!」と気合いを入れると、ソファーからスクッと立ち上がった。
 そして少しフラフラしながらその場で服を脱ぎ始める。
 シャンパンゴールドのワンピースの中から黒いレースのブラジャーが現れた。そんな黒いレースのブラジャーを「ふう・・・」っと酔った溜息を吐きながらプチッと外す。中からポロンっと小豆色した乳首が溢れ、スッキリとした釣り鐘型のオッパイが天井のダウンライトに照らされた。
 そのオッパイは手の平サイズの小さな物だった。前々からメイサは貧乳だと睨んでいた僕の予想は見事に的中したわけだが、しかし、メイサのこの贅肉ひとつないスレンダーなスタイルから見れば、その形の整った貧乳はとても丁度バランスが良く、僕はそんな人魚のようなメイサのプロポーションを素直に美しいと感動した。

 ボタンが外されたそんなワンピースは、メイサの極度にくびれた腰で止まっていた。細い腰のわりにプリンっと突き出た丸い尻は何故かイルカを連想させた。
 その尻からワンピースをスルスルと降ろすと、そこから顔を出した芸術と思えるような形の良い尻に黒いレースのTバックがピッタリとフィットしているのが見え、そのあまりの美しさに僕おもわず目眩を感じた。
 Tバック1枚の姿となったメイサは、そのままフラフラとした足取りで浴室に向かって歩き始めた。
 そんなメイサは意味もなく冷蔵庫に向かって「うふふふ」っと微笑んでいる。かなり酔っぱらっているようだ。
 メイサの姿が部屋から完全に消え、バスルームからシャワーの音が微かに聞こえ始めると、僕は急いでズボンのチャックを開けると、慌てて足下に置いていた空のペットボトルを手にした。
 そう、緊張のあまりに小便がちびりそうだったのだ。
 ズボンから捻り出したペニスの先を、「おーいお茶」のペットボトルの先に押しあてる。
 自分で言うのもなんだが、僕のペニスは結構立派だ。通常時でも8センチあり、勃起すると16センチになる。太さは測った事ないがそれなりに太い。
 だから当然の如く、「おーいお茶」のペットボトルの口に僕の亀頭は収まらず、ここは慎重に事を運ばなければならなかった。
 ペットボトルに小便をし終えると、僕はバスルームから聞こえて来るボイラーの音に神経を尖らせながらソッとクローゼットから這い出た。
 メイサが座っていたソファーへ行くと、『引退おめでとう』などとメッセージカードが添えられた花束の香りが溢れていた。
 今脱ぎ捨てたばかりのメイサのワンピースを手に取る。ほんのりとメイサの温もりが残っていた。
 それを顔に押し付けると、メイサの甘い香水に混じり、客の煙草やブランデーの香りがモワッと僕の鼻孔に侵入して来た。
 僕は黒いレースのブラジャーの温もりを手の中に感じながら、あの脱ぎ立てTバックも拝見したいという衝動に駆られるが、しかし今夜は『間接』ではなく『直接』メイサのアソコを楽しめるのだと自分に言い聞かせ、犯行を素直に諦めた。
 するとボイラーの音がいきなり「ブィィン・・・・」とフェードアウトした。
 突然部屋は静まり返り、とたんに焦った僕は素早くクローゼットの中に潜り込む。
 ソロリソロリとクローゼットの扉を閉め、薄暗い空間の中で少しずつ少しずつ鼻から呼吸していると、扉の向こうにヒタヒタと素足で歩くメイサの足音が聞こえて来た。
 僕は息を飲んだ。ここがこの計画において最も重要な場面なのである。
 そう、この計画は、風呂上がりのメイサが冷蔵庫の中に入っている睡眠薬入りのダイエットコーラを飲むと設定している為、ここでメイサがダイエットコーラを飲まなければ全て失敗なのだ。
 緊張する僕は、扉の隙間から部屋をソッと覗き込み、頼むぞ・・・頼むぞ・・・と念力を送った。
 扉の向こう側のメイサは、フワフワとした栗毛色の陰毛を剥き出したまま、大きなバスタオルで髪をゴシゴシと拭きながらキッチンの前で足を止めた。
(行け!・・・そのまま冷蔵庫の前へ行って大好きなダイエットコーラを手にするんだ!)
 そう祈っていると、果たしてメイサはそのスレンダーな裸体を冷蔵庫の前へと移動させた。そして「んっしょ・・・」と小さく呟くと、その細い腕で大きな冷蔵庫の扉を開けた。
 その時点で僕はニヤリと微笑んだ。
 そう、この生活感のない部屋の冷蔵庫の中には、睡眠薬入りのダイエットコーラが1本しか入っていないからだ。
 まんまとそのダイエットコーラを手にしたメイサは、そのままソファーへと戻って来ると、それをガラステーブルの上にポンッと置き、僕が隠れている巨大クローゼットの横にある衣類用クローゼットの中からピンクのパジャマや下着を取り出した。
 黒いビキニのパンティーをスルスルっと履き、テラテラと輝くピンク色のシルクのパジャマを素早く着ると、再び濡れた髪をバスタオルでゴシゴシしながらソファーに腰を降ろした。
「疲れた・・・」
 静まり返った深夜の部屋に、銀座の高級クラブで常にトップクラスにいたホステスがポツリと独り言を洩らす。
 メイサは黒々としたダイエットコーラを手に取ると、白い蓋を「プシュ」っと音を立てて開けた。
 そして何の疑いもなく、その超危険な睡眠薬が混入されたダイエットコーラをゴクゴクと音を立てて飲み始めたのだった。


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 メイサがベッドに入ったのは、それから10分ほど経ってからだった。
 睡眠薬入りのダイエットコーラを半分ほど飲んだメイサは、そのままドライヤーで長い黒髪をフワフワと乾かし始めたが、しかし途中から睡眠薬が効いて来たのかドライヤーを頭にあてながらウトウトとし始め、時にはいきなり「グガッ!」と鼾をかいては、自分のその鼾で慌てて目を覚ましたりしていた。
 そんな事をウトウトしながらも10分近くしていたが、しかし途中でどーにも我慢できなくなったらしく、メイサはテーブルの上に取り出した化粧水を顔に付ける事もしないままモゾモゾとベッドに潜り込んだのだった。
 ベッドに潜り込んだメイサは、照明のリモコンを天井に向け「ピピッ」と電気を消すと、むにゃむにゃとした口調で「おやしゅみなしゃい・・・」っと呟くなり、瞬間に寝息を立てたのだった。

 姉が言うには、完全に意識を飛ばしてしまいたければ、1度ノンレム状態に陥らせたほうがより効果的だと言う事だった。
「そのノンレム状態ってのはなんだよ」と僕が聞くと、姉は「軽く眠らすって事だよ」と薄ら笑いを浮かべたので、それならばそんな難しい言葉を使わずに、普通に「眠らす」と言えばいいじゃねぇかこのサイコ野郎!と思ったが、しかしそんな事を口に出せば、この精神不安定な姉はたちまち自殺をしてしまう恐れもある為、僕はそのままグッと口を噤んだ。
 そんな姉いわく、アルコールと睡眠薬で朦朧とした脳は、1度眠りに落ちてしまえば瞬間的に記憶を喪失させ、その浅い眠りの状態でいきなり眠りを覚まされると、いわゆる「ラリッた状態」になるらしい。
 実際、ラリった状態でソープで働いていた事があるらしい姉は、「客に何をしたのかも何をされたのかも全く覚えてないのよ。その時の客の顔も覚えてない。ただ、あの時のセックスが異常に気持ち良かったってのだけは今でもちゃんと覚えてるけどね」と、得意気に話してくれたが、しかしそのナマズを連想させるブヨブヨ顔でそんな話しをされても、僕はただただ気持ちが悪いだけで、まして実の姉のセックスシーンをリアルに想像してしまった僕は極度な嫌悪感から急にウンコがしたくなってしまい、それ以上姉の醜い体験談を聞く事はできなかったが、要するに姉の言わんとするのは、この薬でラリってオマンコすると凄く気持ちいいんだよ、という事らしい。

 そんなサイコな姉のアドバイスを基に、僕はクローゼットの中でひたすらメイサの寝息を聞いていた。
 酒と睡眠薬に犯されたメイサのその鼾は、やはりどこか尋常ではなく、まるで飯場のオヤジのような荒々しい鼾を部屋中に轟かしている。
 僕はそんな異常な鼾を合図に、静かにクローゼットの中から這い出した。
 一昔前の過激派の学生のようにタオルで顔を隠した僕は、足を忍ばせながらメイサが眠るベッドの横にソッと身体を屈めた。
 ベッドでは化粧を落としたスッピンのメイサが激しい鼾をあげていた。スッピンでもこんなに美しいんだと、僕はサイコな姉のナマズのようなスッピン顔と比べながらも感動した。
 そんなメイサの寝顔にソッと顔を近づけて見る。
 メイサの唇から、酒の香りと歯磨き粉のミントの匂いが混じった息がフーフーと僕の顔に吹き掛かった。
 そんな生々しいメイサにとたんに欲情し始めた僕は、そのまま舌をソッと伸ばしメイサの唇をチロチロッと舐める。
 憧れのメイサの唇を舐めたと言う事実に、強烈な感動を覚えながらも、一方でいつ目を覚ますかという恐怖に怯える。
 しかし僕のこの欲情した気持ちはもう抑えられなくなっていた。もしメイサが目を覚まして騒ぎ出したら一目散に逃げ出せばいいんだ、という刹那的な考えが芽生えた僕は、メイサの唇をチロチロと舐めていたその舌を、今度は「ヌチャッ」と唇の中へ挿入した。
 半開きの口に舌を入れると、すぐにメイサの前歯が舌先に触れた。その前歯を舌でこじ開け、その奥へと舌を侵入させる。
 生温かいメイサの舌が僕の舌に触れた。僕は舌をウゴウゴと蠢かせながらメイサの舌を舐めまくる。
 メイサの唾液が僕の舌に絡み付き、僕は迷う事なくソレを飲み込んだ。
 そうやってキスをしながら布団の中に静かに手を入れ、シルクのパジャマの上からメイサの貧乳にソッと手を乗せる。ブラジャーをしていないその胸は、コリッとした乳首が手の平に当たった。
 そんな僕の股間は、痛いくらいに勃起していた。すぐにでも窮屈なジーンズから解放してやろうとズボンのジッパーを開けると、破裂せんばかりに勃起したペニスが暗闇に浮かび上がり、その赤紫に輝く亀頭は我ながら獰猛だと感じた。
 全く目を覚ます気配のないメイサに安心した僕は、ズボンを降ろしてベッドの上にあがると、メイサの小さな顔を跨ぎながら、獰猛なペニスをメイサの唇に押しあてた。
「メイサ・・・優しくしゃぶっておくれ・・・」
 蚊の飛ぶような小さな声でそう呟きながらメイサの唇の前でペニスをシゴくと、とたんにメイサの唇は、まるでグロスを塗り付けたかのように、僕の我慢汁でテラテラと輝いた。
 そんなメイサの口内にソッと指を入れ舌を摘み出した。アッカンベーのように舌を出したメイサのその舌に、亀頭の裏にある『人』という字に良く似た尿道をヌルヌルと擦り付ける。
 メイサの舌の生温かさと尿道から溢れる我慢汁のヌメリが、敏感になっている亀頭にビリビリと快感を与えてくれた。僕はハァハァと荒い息を吐きながら、メイサの舌に亀頭をヌメヌメと擦りまくったのだった。


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 メイサは、何度かいきなり鼾をピタッと止まらせ、僕の背筋を凍らせた。しかしその度に「むにゃむにゃ」と口を動かしては、「三番テーブルにオシボリお願いします・・・」などとマヌケな寝言をいい、不意に僕を噴き出させた。
 中でも一番笑えた寝言は、いきなり顔を顰めながら「もう!やんなっちゃう!」と吐き捨てたかと思えば、その後、一瞬「スーッ」と眠り、そしてすぐにまた「もう!やんなっちゃう!」と再び同じ言葉を繰り返し、そして最後に「えへへへ」と微笑むとまた大鼾で寝てしまった、というもので、そんな寝言は可愛くもありそして不気味でもあった。
 そんなメイサの奇怪なる数々の寝言は、やはり睡眠薬の効果が効いている証拠だろうと思われる。
 僕は、このままメイサがバカになってしまったらどうしようという不安に駆られながらも、そのままゴソゴソとベッドの足下へ移動した。
 メイサの足下の布団をバサッと剥がすと、仰向けに寝るメイサの2本の足が現れた。素早くピンク色に輝くシルクのパジャマのズボンをスルスルッと下ろす。
 僕は事前に用意していたペンライトのスイッチを入れた。
 強烈なLEDライトに照らされる美脚には傷ひとつなく実に美しい。
 そんなメイサの足にペンライトの灯りを照らしながら、僕はメイサの足の裏や足の指に鼻を押し付け豚のように匂いを嗅いだ。しかし、そこにはただボデイーソープの香りが漂うだけで、期待していた素の匂いは全く感じられなかった。
 ちょっとがっかりした僕は、そのままペンライトの先を股間へと移動させた。
 黒いビキニパンティーがメイサの下半身をピッタリと包み込んでいた。
 指を伸ばし、パンティーの上からソッと局部に触れてみる。クロッチの奥に、なにやら海産物のようなグリっとした感触を感じ、それが夢にまで見たメイサの女性器のヒダヒダなのだと思うと、堪らなく興奮してしまった僕は、そのクロッチを指で摘みながらそれをペロンと捲ってみた。

 やはりそこには海産物らしきものが隠れていた。
 グニャっと変形したそのヒダは、まるでホタテ貝の『ヒモ』のようだ。しかも結構使い込んでいるのか、そのヒモは半生のカルビのような灰色をしていた。
 そんな左右のヒモが折り重ねられるようになっている中心は、見事にスパっ!と割れており、そのワレメの色は赤とピンクがグラデーションされた独特な色を作り出していた。
(これがメイサのオマンコか・・・)
 感動に満ちた溜息を漏らした僕は、そのまま黒いパンティーを脱がすと、両手で両足を広げてはM字に開いた股間をマジマジと覗き込んだ。
 そしてソコに溢れる女の匂いを感じながら、これが銀座のナンバーワンホステスのオマンコの匂いなんだと自分に言い聞かせてはペニスをシゴいた。
 そうしながらお店のメイサを想像してみる。
 僕のような貧乏人には絶対に手の届かない高嶺の花。いつも弁護士や医者や社長連中といった上流社会のオヤジ達に囲まれながらチヤホヤされる夜の蝶。
 そんな女が、今、僕のような下級層の変態に睡眠薬を飲まされ、惨めに女性器の匂いをクンクンと嗅がれている。
 僕は優越感に浸った。上流階級のオヤジ達がどれだけ金を貢いでも彼女をこれほどまでに自由にはできなかっただろうと、僕はそんな優越感に浸りながらメイサのワレメに舌を伸ばした。
 ほんのりと潤いの残るメイサのワレメは、ねっとりとした感触を僕の舌に与えた。
 メイサの恥垢を舐めたいと思いながら、ペンライトで隅々までその白い恋人を探し求めるが、しかし風呂上がりのメイサのソコにはそれらしきカスは見当たらなかった。
 そして、やはり肛門も同じだった。
 銀座のナンバーワンホステスのウンコの匂いを嗅ぎたいといつも強くそう願っていたのに、しかし洗ったばかりの肛門には、薔薇のようなボディーソープの香りがただひたすら漂っているばかりだった。
 そんなメイサの清潔なワレメと肛門を味わうようにペチャペチャと舐めまくる。
 そんなワレメには匂いはなくとも味はあった。甘くもあり塩っぱくもあるその味は、どことなく涙の味に似ている気がした。
 犬のように舐めまくっていると、メイサのワレメは僕の唾液でネトネトになって来た。
 そんな唾液で潤んだワレメを指でグチャグチャと弄りながら、鼾をかいているメイサを見つめ「濡れて来たよ・・・」っと呟く。
 メイサのワレメが唾液で濡れている分、シゴいている僕のペニスも我慢汁でグチョグチョに濡れていた。
 その我慢汁をこのワレメに擦り付けてみようと、僕はゆっくりとベッドに起き上がると、メイサの細い両足を抱えては正常位の体勢になった。
 ガッチリと固まった竿を指で摘みながら、パンパンに腫れ上がった亀頭をメイサのワレメに押しあてた。
 柔らかい感触が亀頭に広がり、おもわず僕はそのままブスリと入れてしまいたい衝動に駆られるが、しかし入れるのはまだ早い、とその感情を必死で抑える。
(時間はまだまだたっぷりとあるんだ・・・ここでチンポを入れてしまっては勿体無い・・・我慢しろ・・・もう少し我慢するんだ・・・・)
 僕は暴走しそうな息子をそう宥めながら、指で摘んだ竿をグリグリと優しく掻き回した。

 そんな僕の亀頭から溢れ出した我慢汁が、メイサのワレメにピチャピチャといやらしい音を響かせた。
 ホタテ貝のヒモのようなビラビラを亀頭でこじ開け、その中心でポッカリと口を開いている穴に亀頭を擦り付ける。
 このまま死んでもいいと思うくらいの快感が僕を襲った。
 そんな感情に包まれながら、「あぁぁ・・・」と悶えていると、不意にメイサの鼾が止まっている事に気付いた。
「ん?・・・」
 不意に顔をあげた僕は、まるでスーパーのラックから『のりたま』を手に取り、それをソッとポケットの中に入れた瞬間、ラックの隅に隠れていた万引きGメンと目が合ったような、そんな衝撃を受け一瞬にして凍り付いた。
 そう、なんとメイサはぼんやりと目を開きながらも、ジッと僕の事を見ていたのだ。
(見つかった!・・・・・)
 猛烈に焦るが、しかし僕の体はあまりの恐怖で固まってしまい、身動きひとつ出来ない状態だ。逃げようにも逃げられないのである。
(どうしよう・・・どうしよう・・・)
 そう焦りながらも、おもわず(姉ちゃん助けて!)と、サイコな姉を思い出した瞬間、メイサがボソっと何かを呟いた。
「・・・誰?・・・」
 メイサのその声は、あきらかに普通の人間の声ではなかった。それはまるで、山谷のドヤにある薄汚い煮込み屋の隅で、ヘベレケに酔っぱらっては独り言を呟いているオッサン、そう、それはまさしく、明日のジョーの丹下段平が「おっちゃん、もう帰ろうや」と嘆くマンモス西に愚痴をこぼしている、そんなロレツの曲がらない声なのだ。
 僕はそんなメイサの声に、もしかしたら・・・、という希望を託した。
 事実、このような状況であってもメイサは悲鳴を上げるどころか、怯える様子すらないのだ。
 そう考えると、今のメイサは、姉の言う「ラリった状態」にあるのかも知れない。
 僕はそんな希望を胸に抱きながら、静かにメイサの両足を下ろすと、そろりそろりとベッドから降りた。
 ベッドから降りた僕に再びメイサが話し掛けた。
「ねぇ・・・だれらろ?・・・」
 それは恐らく「誰なの?」と言っているのだろうが、しかしメイサの舌が回っていないために「だれらろ」になってしまっている。
 ベッドの下にそっと身体を屈めて隠れ、再びメイサが眠りにつくのを待つ。
「あれ・・・どうして・・・」
 メイサは、剥き出しになっている自分の下半身に気付きそう言うと、モゾモゾとそれを布団で隠そうとしている。
「ねぇ・・・誰なの・・・」
 メイサはベッドの下を覗き込みながらそう言う。
 僕は5センチほどしかないベッドの下の隙間に潜り込もうと必死になる。
「誰?・・・将太?・・・」
 メイサは不意に男の名を呼ぶと、まるでかくれんぼしている小学生が誰かを見つけたかのように、ヘラヘラと笑いながらベッドの下の僕を見た。
 そんなメイサの声を聞きながら、僕の脳裏に躁鬱病の姉の言葉が甦った。
『正常に戻った時、ラリってた時の記憶は全くないから心配しなくてもいいわよ・・・』
 よくよく考えれば、姉の言ってる事は正しいかも知れない。
 だって普通ならば、夜中に誰かがベッドに侵入して来たならまずは絶叫するはずだ。それなのにこの時のメイサは「誰?」と妙にのんびりし、しかも「将太?」などと男の名前を呼ぶほどの余裕なのだ。
 こんな言動は、通常の人間では考えられない事である。
 そう、メイサは完全にラリっているんだ。だから朝になったら全て忘れてしまうんだ。
 僕は、そんなサイコな姉の言葉を信じた。
 メイサがラリってるのなら、ヤらなきゃ損なのだ。
 意を決した僕は、ベッドの横からヌッと顔を出すと、ベッドの上でぼんやりとこちらを見ているメイサを真正面から見下ろした。
「あっ・・・酒屋のお兄ちゃんら・・・」
 メイサはまるで知能遅れの子供のような口調でそう言いながら、僕の顔を見てニヤニヤと微笑んだ。
 ラリっていても僕が誰だかわかるらしい。
 しかし、メイサは驚いたり騒いだりしない。ラリったメイサはただニヤニヤと笑っているだけだ。
 僕はまだ半信半疑だった。もしかしたらメイサは、この危険な状態を察知しわざとラリったフリをしては警察に通報するチャンスを伺っているのかも知れない。
 海千山千の銀座のナンバーワンホステスならば、そのくらいの知恵は持っているはずだ。
 それを確かめる為に、僕は強烈に勃起しているペニスをメイサの目の前に突き出してみた。
 正常な人間ならば、いきなりこんなのを見せつけられればきっと表情に出るはずだ。
 しかしメイサは別段驚く風もなく、僕のそのペニスをぼんやり見つめていた。
 ジッと僕のペニスを見ていたメイサは、ゆっくりと視線を僕の目に戻しながら「えっちぃ・・・」と緩く笑った。
 これはもう、紛れもなくラリっているとしか考えられない・・・。

(最終話に続く)

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