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HOTEL MAN 4

2012/02/06 Mon 02:33

ホテル4
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「てめぇ・・・こんなとこで何やってんだよ・・・・」
 せっせとシーツを直す僕を見ながら、握り拳をブルブルと震わせる松っちゃんがそう聞いた。
「あ、はい・・・清掃の係の者がもう帰宅しておりまして・・・それで代りに僕が・・・」
 僕は松っちゃんの怒りに満ちた目を見ないようにと目を背けながらボソボソっと呟く。
「そ、それにしてもよ、掃除するって言っても、掃除道具なんかなんにもねぇじゃねぇか」
 松っちゃんのその言葉にとたんに動揺した僕は、「いや、それは、その・・・」と目を泳がしていると、僕の目に、ソファーの上に広げてある黒いパンティーを呆然と見つめているユイちゃんの姿が飛び込んできた。

(もう・・・おしまいだ・・・)

 僕はガクンと肩の力を落とした。
 怒りでブルブルと震える松っちゃんの熱気を感じながらも、ふいにこの町の職業安定所というのはどこにあるんだろうかと、そんな事が頭を過る。

「おい・・・なんとか言えよ・・・てめぇ、俺達の部屋でなにしてたんだよ・・・」

 松っちゃんがそう言いながら僕の肩をドン!と突き飛ばした。
 僕はそのままユイちゃんのベッドにドスンと尻餅を付き、そのベッドのクッションをグワングワンと尻に感じながらも、全裸でベッドに潜ってオナニーしてなくて本当に良かった・・・と、つくづくそう思った。

「違うのよ・・・私が、この人に清掃をお願いしたの・・・」

 いきなりユイちゃんが僕と松っちゃんの間に割り込み口を挟んだ。

「いくらお前が頼んだからってよ、この状況は明らかに怪しいじゃねぇか!だって見てみろよ、掃除するって言ってても掃除道具のひとつもねぇんだぜ!」

 そう叫びながら松っちゃんが部屋の中をグルリと見渡した。僕はそんな松っちゃんの目にソファーの上に広げられたままのパンティーが見つからないかと一瞬ドキっ!としたが、しかし、なんと今までそこにあったはずの黒いパンティーはいつのまにか姿を消していた。
(えっ?)と、僕はおもわずユイちゃんを見た。
 すると、松っちゃんと言い争っているユイちゃんの小さな右手の中に、微かに黒い布がチラッと見えた。

(ユ、ユイちゃんが・・・僕を庇ってくれている・・・)

 僕がそう感動した瞬間、いきなり「パシン!」という乾いた音が部屋に響き渡った。

「どうしておまえはこんな男を庇うんだよ!こいつは泥棒かも知れねぇんだぞ!」

 松っちゃんが叫ぶ。左頬を叩かれたユイちゃんは、無言で下唇を噛みながらギッ!と松っちゃんを睨み返した。

「なんだよその顔は・・・あぁ、もういいよ、勝手にしろ、おまえは俺よりもこんなモヤシみてぇな泥棒ヤロウを信じればいいよ、アホらしい!もうおまえとは終わりだ!」

 松っちゃんはそう怒鳴ると、ドカドカとテーブルまで行きそこに置いてあったデジカメをサッと手にした。そしてクローゼットへ向かうと、そこに転がっていた黒いボストンバッグの中にデジカメを押し込み、ヴィィィィィィっと激しくジッパーを閉めながら「俺、帰るから・・・」っと立ち上がった。

「いや、ちょっと待って下さい!すみません!これは全て僕の不注意です!僕が清掃用具を持たずに先にシーツの交換をしようとしたのが間違いだったんです!だから、ちょっと待って下さい!謝ります!誤解されるような事をした僕が悪いんです!」

 僕はそう叫びながら床に土下座した。
 そして深々と松っちゃんに頭を下げながら「申し訳ございませんでした!」と大声で謝った。

「・・・もういいよ・・・ヤメロよ・・・」
 松っちゃんの低い声が僕の頭上に響いた。僕はゆっくりと顔を上げながら「では、帰らないでくれるんですね・・・・」と松っちゃんの顔をソッ見た。
「いや、帰るよ・・・どっちみちこの女とはもう終わりだったんだよ・・・まぁ、そんな事、おまえに話す筋合いはねぇけどな・・・」
 松っちゃんは僕にそう言うと、スッとユイちゃんに顔を向けた。
「部屋の荷物はあとでおまえの実家に送ってやるよ・・・借りてた金は必ず返すから・・・」
 松っちゃんはボソリとそう呟くと、「じゃあな・・・」っと静かに背を向けた。
「ちょっ、ちょっ、ちょっと待って下さい!」
 僕が松っちゃんを追いかけようとすると、いきなりユイちゃんが「もういいのよ!」と叫んだ。
「しかし・・・・」
 アタフタしながら僕が振り返ると、ユイちゃんの大きな目からポトポトと涙が溢れていた。
 廊下の奥から「ガチャン・・・」っというドアの音が響き、松っちゃんが部屋を出て行ったのがわかると、ユイちゃんはガクンっと倒れ込むようにしてベッドに顔を埋めたのだった。


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 それからどれくらい時間が経っただろうか、僕は泣き崩れるユイちゃんにかける言葉もなくただモジモジとその場に立ちすくんでいるだけだった。
 2人が別れたのは全て僕の責任だ。しかしだからといってこのままこの部屋にいるというのもおかしなものだ。僕がいつまでもこうやってこの部屋にいるというのはきっと迷惑なのだ。
 しかしどうやってこの場を去ればいいのだろう。
「では、何かございましたらフロント9番まで御連絡下さい」と言って去るのも薄情過ぎるし、「それじゃあお掃除を始めさせて頂きますので」というのもまるっきり空気の読めないバカだ。
 しかし、かといって僕が彼女を慰めるというのも、なんともおこがましいことだし・・・・

 そんな事を考えながら、両手の親指を絡ませながらモジモジしていると、ふっとユイちゃんがベッドから顔をあげた。
 いきなり赤い目をしたユイちゃんと目が合った僕はもうタジタジだった。
 するとそんな僕を見ていたユイちゃんが突然「クスッ」と笑った。

「ねぇ・・・お酒・・・付き合ってよ・・・」

 ユイちゃんはそう言いながらゆっくりと立ち上がると、突っ立ったままの僕に「座ってて・・・」とソファーをチラッと見ながら言い、そのままクローゼットの奥にある冷蔵庫へとスリッパを鳴らした。
(マジかよ・・・・)
 とたんに僕はドッと汗をかいた。こんなシチュエーションに馴れていない僕は、この状況にどうすればいいのか頭の中がパニクって来たのだ。

「元々ね・・・この旅行が終わったら私たちは別れる予定だったの・・・・」

 ユイちゃんがそういいながらスタスタと戻って来た。
 そんなユイちゃんの手には数本のミニボトルと氷の入ったグラスが握られている。

「だからあなたのせいじゃないから気にしないで・・・・」

 ユイちゃんは僕にそう笑いかけると、手に持っていたウィスキーのミニボトルをテーブルの上に並べ、そして僕に振り返りながら「さっ、早く座って」とまた笑ったのだった。


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 どれくらい時間が過ぎただろうか、ソファーに座る僕は丁重に酒を断り続け、グイグイとグラスを空けるユイちゃんをただジッと見つめていた。

「なんだか酔っぱらっちゃった・・・」

 そう呟きながらニコッと笑うユイちゃんは既にミニボトルを2本も空けていた。
 全然酒の飲めない僕は、そんなホロ酔い加減のユイちゃんを静かに見つめながら、これであの「ユイちゃんの露出日記」という人気ブログは静かに消えて伝説ブログになってしまうのだろうかと思っていると、なぜか無性に淋しくなった。
 そう、ブログでユイちゃんを見れないという事は、もう2度とユイちゃんを見る事はないという事だからだ。
 そんな切ない気持ちでユイちゃんを見つめながら、何度も何度も心の中で「ユイちゃん・・・」っと呟いていると、そんな僕の心の声がユイちゃんに届いたのか、いきなりユイちゃんが顔を斜めに傾けながら僕の目をチラッと見た。
 そんなユイちゃんの瞳に僕がドキッ!としていると、ふいにユイちゃんがグロスで輝く唇をゆっくりと開いた。

「・・・・あなた、私の下着で何してたの?・・・・」

 ユイちゃんの大きな目は水中に浮かぶクリオネのようにフワフワしていた。
 僕はそんなユイちゃんの瞳を見つめながら「うっ!」と絶句する。

「・・・心配しないで。あなたが私の下着を見ていた事はホテルの人には黙っててあげる・・・そのかわり、あなたが私の下着で何をしていたのか教えてよ・・・」

 ユイちゃんは真剣な表情のまま真面目にそう言った。
 このユイちゃんの言葉の中に「そのかわり」という言葉が含まれているという事は、僕がユイちゃんの下着でなにをしていたのかを正直に白状しないと、この破廉恥行為をホテル側に通報するぞという意味でもある。
 それは困る。これがバレれば僕はたちまち失業者だ。
 しかし、だからといって、ここで正直に「匂いを嗅いでました」や「舐めたりしました大変おいしかったです」なとど答えれるほど僕の神経は太くない。
 そんな僕は、下着を見ていた事実を否定しないまま、ただひたすら「すびません・・・」と呟くしかなかった。

「エッチな事・・・してたの?・・・・」

「すびません」を連発する僕に、ユイちゃんがそう言いながらニヤッと微笑んだ。
 その笑顔にはちょっと救われた。が、しかしだからといってそこで微笑み返しができるほど僕は遊び慣れた男ではない。こう見えても僕は、生粋の素人童貞なのだ。
 そんな僕に、まるで子供に問いかけるような口調でユイちゃんは更に質問を続けた。

「私の下着で、あなたがどんな事をしていたのかとっても興味があるの・・・・だからね・・・今、私の目の前で・・・続きを見せてよ・・・・」

 素直に欲情した。
 憧れのユイちゃんの目の前で、しかも本人を目の前にしてそのパンティーでオナニーをする・・・・
 これほどのシチュエーションは、エロサイトの動画サンプルの世界でしかお目にかかれないくらいの最高のシチュエーションだ。
 やりたい。心の底からユイちゃんの目の前でユイちゃんのパンツのシミを舐めてセンズリをしてみたい!
 しかし、何度も言うが僕は気の小さな素人童貞である。そんな大胆な事を「ではでは始めさせて頂きます」などと浅草演芸ホールの芸人じゃあるまいし、できるわけがない。
 そうモジモジしていると、いきなりユイちゃんの細い手が僕のズボンのボタンに伸びてきた。

「ね、早く見せて・・・・」

「あわわわわわわわわ」と、慌てた僕は、そんなユイちゃんの細い腕を優しく振り解きながら、「わ、わかりましたからちょっと待って下さい」と素直に返事をしていたのだった。


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 ダラリンと項垂れる僕のペニスをユイちゃんはジッと見ていた。
 ソファーに座る僕はトランクスのゴムを引っ張りながら、正面に座るユイちゃんに向けてフニャチンを曝け出している。それはまるで、公園の公衆便所の裏に隠れながらこっそり小学生達にチンポを見せつけている露出狂の変態親父のようにマヌケだった。
 恥ずかしさのあまりに真っ赤な顔をして俯いていた僕だったが、しかしこの後どうすればいいのだろうとタジタジになりながらもチンポを出したままソッとユイちゃんを見た。
 すると、目を向けた瞬間ユイちゃんと目が合った。
 僕の目を見たユイちゃんは、とたんに悪戯っ子な笑顔で「ムフっ」と笑ったのだった。
 そんなユイちゃんは異様に可愛かった。ホロ酔い加減でふわふわとしているユイちゃんは、まるでバーのカウンターの隅で「飲み過ぎちゃった・・・」と部長にしなだれかかる、社内でも有名なヤリマン美人OLのような、そんな怪しげな雰囲気を漂わせていた。

「ホーケー?」

 僕のペニスを品定めするかのようにジロジロと見つめるユイちゃんは、優しい看護婦さんのような口調でそう聞いた。

「は、はい・・・でも、しかし仮性です・・・」

 だからなんだという話しである。男にとって真性か仮性かは重大な問題であっても、女にしてみれば真性も仮性もただの皮かむりなのだ。これは、女のバストがEカップかFカップかという問題に似ており、女にすればEとFとの差は重大でも、しかし男にして見たらEとFも同じ巨乳なのである。いや、さすればデブの体重だって同じ事が言えよう。106キロのデブが2キロ痩せたり2キロ太ったりというのは本人にとったら重大な事であるが、しかし、端から見ればデブは所詮デブであり、その肉の塊が2キロ痩せようが2キロ太ろうがそんな事もうどーでもいいのである。

 僕のそんなどーでもいい返答に、ユイちゃんは笑っていた目を更にギョーザのように曲げながら「クスッ」と鼻で笑うと、「それで、どうヤってたの?」と僕の目を覗き込むようにして聞いて来た。
 この場合の「ヤってた」というのは、オナニーの事を示しているのであり、即ちユイちゃんは今ここで僕にオナニーをやって見せろと言っているのである。
 いよいよだぞ・・・っと胸を熱くする僕だったが、しかし気持ちは激しくエロを求めていても、小心者の僕にはいつもその第一歩がなかなか踏み出せないのだ。先日も、初めて指名したデリヘル嬢から「アナル舐めますので四つん這いになって下さ~い」と、いきなりそう言われた僕は、他人に肛門を舐めさせるという殿様的なプレイに激しく興奮したものの、しかし、初対面の人にいきなりケツの穴を向けれるほど僕は豪傑な男ではない。しかも僕の肛門なんて変な味がするに違いなく、舐めたとしてもきっと全然美味しくないのだ。そう考えてしまうと、舐めて欲しいという気持ちは激しくあっても、しかしなかなか実行には移せなくなり、結局、モジモジとする僕は「いえ、結構です」と、せっかくの殿様的なプレイを断ってしまっているのである。
 そんな小心者の僕には、やっぱりユイちゃんの目の前でオナニーなどなかなかできなかった。
「早くシテみてよ」と笑うユイちゃんをモジモジと見つめながら、もはや僕は半泣き状態なのだ。
 すると、ユイちゃんはそんな僕を見てはニヤニヤと笑いながら、「はい・・・」っと、約10センチの白いカリカリ分泌物(成分/香水3・小便1・汗2・イカ2・酢昆布2)が付着する黒いパンティーを僕の膝の上にフワッと置いた。
 僕の曝け出された太ももに、黒いパンティーの柔らかい生地がしなだれかかる。

「この下着の匂いとか嗅いでたんでしょ?・・・」

「・・・す、すびません・・・」

「じゃあもう一度嗅いでみてよ・・・・」

 僕はユイちゃんのその言葉で、まるで催眠術に掛けられたかのように膝の上のパンティーを手に取ると、クロッチを両手で開きながら白いシミの部分を鼻に近づけた。
 僕は憧れのユイちゃんに見つめられながら、ユイちゃんのパンティーのシミの匂いを嗅いだ。そう、泣いた子供がグスンっと鼻を啜るかのようにしてさりげなく「スッ」と匂いを嗅いだ。
 然るにこの場合、ここは最も大事な部分である。本人を目の前にしてソレの匂いを嗅ぐ場合、冷蔵庫の奥で眠っていた賞味期限切れの「お刺身セット」を嗅ぐようにして恐る恐る嗅ぐというのは非常に失礼であるからだ。そう、この場合、あくまでもさりげなく、あくまでも自然に「すっ」と嗅ぐのが人間としての思いやりなのである。

「・・・どんな匂い?」

 こう聞かれて素直に「酸っぱいです」と答えるのもいかがなものだろう。しかし、かといってお茶の作法のように「なかなか結構な御点前で」と答えるのもバカバカしい。
 こういった場合のボギャブラリーに乏しい僕はいつも返答に困る。だから僕はこんな時、とりあえず「すびません・・・」っと謝る事にしているのだ。
 そうやっていつものように「すびません・・・」と謝ると、ふいにユイちゃんが「あっ・・・立って来たよ・・・」と驚いたように呟いた。
 顔にあてたパンティーの隙間からソッと自分の下半身を見ると、太ももの間で項垂れていたペニスが、ズン・・・ズン・・・っと時計の針が刻まれるように立ち上がろうとしていた。そんな皮を被ったペニスの先は、まるで殻付きピスタチオのようだった。

「舐めて・・・私の下着を舐めて・・・」

 僕のピスタチオに刺激を受けたのか、ユイちゃんは潤んだ瞳で僕をジンワリと見つめながら、グロスで輝く唇で静かにそう言った。
 ユイちゃんのそんないやらしい言葉を耳にした僕は、ゆっくりと唇を開きながら「はあぁ・・・」っという興奮息を洩らし、恐る恐るクロッチに舌を伸ばすとユイちゃんのアソコから滲み出たその白いシミをジリジリと舐め始めた。
 強烈に塩っぱい味が舌先をピリピリと刺激した。まるでシゲキックスを舐めているようだった。
 自分の下着が舐められるのを目の当たりにしたユイちゃんは、卑猥に動く僕の舌を見つめながら恥ずかしそうに小さな声で「いや・・・」っと呟く。

 僕はそんなユイちゃんの声を聞いて、そこで初めてある事に気がついた。
 そう、ユイちゃんはマゾなのである。

 それに気付いた僕は、目の前で下着を舐められながら恥ずかしそうにモジモジしているユイちゃん見つめ、今まで僕を支配していた「小心」という体制を打ち捨てては、ここはひとつ「大胆」という体制に革命するべきだとギラリと闘志を燃やしたのだった。

(5へ続く)★最終話は2月7日に更新します。
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