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我、貴女と弱肉強食2

2010/04/16 Fri 09:59

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それからの私の生活は一変した。

徹底した彼女の調査・観察に明け暮れ、日課となっていたコンビニのオリシー収集もする暇がないくらい忙しくなった。

彼女の動向調査をしていてわかった事は、まず、彼女は毎週火曜と金曜の夜(PM7:00~8:00)にゴミを出すという事だ。
このマンションは専用のゴミ捨て場を持っているため、曜日さえ守れば、捨てる時間はいつでもいいのだ。
彼女はどーいうわけか必ずこの時間帯にゴミを捨てに行く。
しかもその場合には鍵は絶対に掛けて行かないのだ。
もうひとつわかった事は、彼女には彼氏がいないと言う事だ。
どーやって調べたかというと、まぁ、ようするに、私が見ている限りでは、彼女の生活の中に男の気配がないというだけであり、それ以上の確かな証拠は何もないのだが、しかし、年頃の、しかもこれほど可愛いオンナの一人暮らしのマンションにオトコが尋ねて来ないという事は、それ即ち「彼氏がいない」という事であり、たぶん結構その確立は高いのである。

それらの情報(たいした情報ではない)を収集した私は、そのデーター(たいしたデーターではない)に基づき、あらゆる作戦を練った。

あれやこれやと作戦を練っているうちに、気がつくと秋葉原に来ていた。

まずは「盗撮器」を調べに行く。
ペン型のモノやライター型の盗撮カメラがズラリと並んでいる。
しかし高い。
私は先日、知り合いから紹介してもらった弁護士に、自己破産の申し込みをお願いして来たばかりであり、そんな私にこれら高価なアイテムを手に入れるのは不可能に近かった。

しかし、これさえあればもっともっと彼女の事が知れるのに・・・と、女々しくショーケースを眺めていると、いきなりムアッ!と汗臭い異臭が、ショーケースを覗き込む私を包み込んだ。

びっくりして振り向くと、そこには鼻と額に汗のツブを無数に作ったアキバ人が、わざとらしいアニメチックな笑顔を浮かべて立っていた。

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「お客様、こちらなんかが僕はオススメですね」
汗臭店員は、ジャラジャラと腰にぶら下げていた鍵を手にすると、ガラスにネトネトの手垢を付けながらショーケースを開けた。

そして彼はチョコボールくらいのカメラを手にすると「こちらはトイレなんかに仕掛けるには最適ですね。画質も41万画素と超小型ながら高画質を実現しておりまして、又、高性能な音声マイクも付いてますので、ブリブリっとかビチャビチャなんてどんな小さな音でも見逃しません」と、随分と下品なジャパネットタカタに変身した。

「・・・いくらだい?」

「・・・いくらなら出せます?」

汗臭店員は、ツブのような汗を滴らせながら病的に膨れた頬をブルブル震わせマニアックに笑った。

「・・・3千円・・・」
そう答える私のポケットには1800円しか入っていない。

汗臭店員は、ブフフフフッと唾を飛ばしながら笑い、無言でショーケースの鍵を閉めたのだった。


結局、秋葉原では何も入手する事ができなかった。
盗聴器と盗撮器、そしてデジカメとついでに如月舞華の最新DVD「うなぎと私の悶絶記録」を手に入れたかったのだが、しかし1800円では到底無理だった。

やはりデジタルに頼ってはイケナイのだ!エロはアナログに限る!
帰りの電車でそう開き直った私は、マンションに付くとさっそくゴミ捨て場へと赴き、少しでも時間稼ぎが出来るようにと、そのゴミ置場の引き扉のレールをペンチで少し曲げ、扉の開閉に時間を要するよう細工した。

これで約3分は時間が稼げる。
侵入時の3分は、一般時の1時間に値するのであり、3分あればもっとゆっくり楽しめるのだ。

丁度、今夜はお楽しみの金曜の夜だ。
ハイテクな機器は手に入れる事は出来なかったが、しかし、結果は射精さえできればそれでいいのである。

私は部屋に帰り、さっそく椅子を玄関に持って来ると、ドアスコープを覗きながら彼女がゴミを捨てに行くのをひたすら待ちわびたのであった。


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7時20分。
廊下からガチャッというドアが開く音が聞こえ、ゴミ置場に捨ててあった「激撮!!公園の人妻たち」というエロ本を読んでいた私は、慌ててドアスコープを覗いた。

彼女が大きなゴミ袋を「うんしょ、うんしょ」と玄関から引きずり出している。
相変わらず黒下着が似合いそうなイイ女だ。

しかし、私はそんな彼女をドアスコープから見つめながら嫌な予感がした。

というのは、彼女はまだ化粧をしているのである。

(・・・まだ風呂に入っていないのだろうか・・・という事はパンツは・・・・)

私は愕然としながらも、しかし、昨日のパンツが残っているさ、と自分を励ます。

彼女が乗ったエレベーターが閉まった瞬間に、私はソッと部屋から抜け出し、お向かえの502号室へと侵入した。

目指すは洗濯機あるのみである。
頼むぞ!頼むぞ!と祈りながら洗濯機の蓋を開ける。

寒々とした空っぽの洗濯槽だけが銀色に輝いていた。

「・・・神は・・・我を見放したか・・・」

私はそう呟きながら、ガクリと肩を落とした。
そして静かに洗濯機の蓋を閉めると、部屋へ戻ろうと洗面所を後にした。
空っぽの洗濯機では、この危ない侵入をする意味がなかったのだ。

1人淋しく玄関へと向かうと、いきなり背後から「♪アイラーブュー・・・♪」という尾崎豊のアイラブユーの着メロが流れて来た。

「・・・ホント、ホント、今だけは悲しい唄は聞きたくないよね・・・」と呟きながら部屋を出ようとした私は、ふと足を止めた。

携帯?・・・・・

慌ててリビングに駆け込む。
テーブルの上には、みかんの食べカスと一緒にシルバーの携帯電話が転がっていた。

「携帯とは気付かなかったぜ・・・」
私は、彼女が中身だけ吸い付くしたと思われるみかんの薄皮を摘まみ上げ、それをポイッと口の中に入れてはそれに染み込んでいる彼女の唾液を吸い尽くしながら、電話が止まるのを待った。

尾崎豊が「♪アイラーブュー・・・今だけは悲しい唄、聞きたくないよ♪」を5回ほど繰り返して唄った後、携帯はピタッと止まった。

私はすぐさま彼女の携帯を開く。
この携帯の中には、彼女の個人情報がたっぷりと詰まっているのである。

まずはこの携帯の番号とメールアドレスを表示させ、それを自分の携帯に登録した。
続いて電話帳を開く。
携帯以外の番号を手当り次第に自分の携帯に打ち込む。この中に、彼女が働いている会社の番号もあるはずだ。

これだけの情報が入手できればあとはこっちのものだ。
その情報をどーやって使いこなすかは今はまだ考えつかないが、まぁ、とりあえず彼女の携帯に無言電話を掛けては、彼女の声を聞きながらオナニーだってする事ができるのだ。

そうやって彼女の携帯の個人情報を盗み取ると、続いて彼女の携帯のマイピクチャを開いた。

いきなりダラダラダラ・・・っと写メのライブラリーが現れた。
かなりの数だ、これをひとつひとつ開いて見ている暇はない。とりあえず、彼女の顔写真が写っているモノを・・・と、探すのだが、しかしその写メのほとんどは、ラーメンだったりスパゲティーだったりとどーでもいい写真ばかりなのである。

「ちっ、B級グルメ野郎が・・・・」

そう呟きながらカーテンの隙間を覗く。
きっと彼女は今頃、先程私がぶっ壊した“なかなか開かないゴミ置場の引き扉”に苦戦している頃であろう。

そう思っていると、なにやら怪しげな1枚の写真を発見した。

「くっくっくっくっ・・・年頃の娘さんの携帯にゃ、必ずコレ系の写真があるもんよ・・・」

たわいもない自画像ヌードだろうと、そんな軽い気持ちでその写真を開いた私は、そこに映し出された彼女の淫らな写真の数々に愕然としたのであった。


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激しい怒りと嫉妬が私の体をワナワナと駆け巡った。

なんというフシダラ!
なんというオゲレツ!
おまえがこんなオンナだったとは!
よくも、よくも俺を裏切ってくれたな!

まったくもって筋違いな嫉妬に熱く燃える私だったが、とにかくその写メを頂こうと、彼女の携帯から私の携帯へと、急いでその写メを転送した。

その淫らな写真は全部で4枚あった。
彼氏とは思えないような年配のおっさんに、大きな胸を揉まれ、そして騎乗位らしきポーズを下から撮影されている。
どう見ても・・・これは援交だ。

こんなスケベ娘の事だ、もしかしたらこの部屋にフシダラなグッズを隠し持っているかも知れぬ。

そう思った私は、カーテンの隙間を気にしながらも、寝室の奥に置いてあったタンスの引き出しを開けた。

プーンと甘い香水の匂いが私の顔を包み込む。
タンスの引き出しの中には、まるで幕の内弁当のように、丸められた下着が綺麗に並んでいた。

その中でもひときわ輝いている派手な布を発見した私は、その綺麗に整頓された形を崩さないように、慎重にその真っ赤な下着を摘まみ上げた。

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なんという事だ・・・・
これではまるで、ロスアンジェルスのハイウェイで、やたらめたらにガムをクチャクチャさせながら巨大な白尻をプルプルと振ってはドライバーたちを挑発し、その三日後には自宅アパートで全身を48ヶ所切り刻まれ惨殺されるコールガールと一緒ぢゃないかぁ!

私は、そのシースルーのTバックを見つめながら、容赦なく自分の頭をボカボカと叩き、密かに喜んだ。

こんな下品な下着を付けては援交を繰り返し、更にクサマンと来ている。
こんな女はレイプしたって、検事も判事も許してくれるのではなかろうか?

そんなデタラメなる、且つ勝手な妄想を繰り広げていた私は、カーテンの隙間から彼女がのんびりと歩いて来るのを発見した。

とりあえず、作戦を立て直そう・・・

私は真っ赤なTバックを元通りに綺麗に仕舞うと、足音を忍ばせながら部屋を後にしたのだった。


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部屋に戻った私は彼女のフシダラな写メを眺めながら、この情報をどう使うかと、考え倦ねていた。
これだけのネタを握っていれば、彼女の身体を頂く事など簡単なのである。
が、しかし、それをするにはどーやればいいのかが浮かんで来ないのである。

「もうちょっと情報が欲しいな・・・」

そう思った私は、部屋を飛び出し、深夜のゴミ置場へと向かった。

ゴミ置場のなかなか開かない引き扉を必死に開けながら、なんというポンコツな扉なんだ馬鹿野郎!、と呟き、しかしそれが私の仕業だった事に気付くと、今度は一転して、俺ってオトコは天才なのかもしれないぜ、などと1人で照れ笑いなどしてみせた。

扉を開くと、昔バイトしていた居酒屋の勝手口と同じ匂いがムアッ!と私に襲いかかって来た。
コンクリートに囲まれたゴミ置場の中には、黒と青と白のゴミ袋がまるでゾンビの死体置場のような雰囲気を漂わせては転がっていた。

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確か・・・黒いゴミ袋だったよな・・・

私は、ゴミ置場のコンクリート壁にぶら下げられていた「ゴミ捨て記入ボード」を見つめながら、黒いゴミ袋に貼ってあるシールを調べた。

「B棟502号」
そのシールが貼られた黒いゴミ袋を発見した時、おもわず「あった!」と叫んでしまった私は、それを抱えながら一目散に部屋へと戻ったのであった。


部屋に戻り、さっそくフローリングの上に古新聞を敷き詰めると、その上に黒いゴミ袋をドカッと置き、そしてその固く結ばれた縛り口をハサミでちょん切った。

幸いにも、ゴミ袋の中からは生ゴミのニオイは漂って来なかった。
生ゴミのニオイどころか、なにやら甘い化粧品の匂いが漂って来る。

私はゴミ袋の中からひとつひとつブツを摘まみ上げると、それを新聞の上に綺麗に並べて行った。


●モンカフェ・ドリップコーヒーの袋。
(ふん。生意気に。いいコーヒー飲んでるじゃねぇか・・・俺なんてココ10年、ジョージアの缶コーヒーしか飲んだ事ねぇや・・・)

●美脚ケア・むくみ解消シート。
(なんだこりゃ?・・・サロンパスか?・・・)

●マクドナルドの袋。
(ははぁん・・・やっぱりこの女、自炊してねぇな・・・妙にキッチンがピカピカだと思ったぜ・・・)

●きゅうり1本
(?・・・自炊してないのにきゅうり?・・・しかも喰ってねぇじゃねぇか)

●アルフォートの袋。
(好きだね~アルフォート。こればっかり喰ってんじゃねぇのか?)

●マニキュアの空ビン。
(ビン類は火曜日だぞ!)

●エアコンのリモコン
(いいのか?捨てちゃっても?・・・後で「ない!」って大騒ぎしても知らネェゾ・・・)


・・・と、まぁ、彼女のゴミ袋の中には、こんなどーでもいいものばかりが大量に押し込められていた。

後はほとんどが丸められたティッシュだ。

しかし・・・この丸められたティッシュの中に、本当のお宝が眠っている事があるんだよ・・・

私は煙草なんぞを吹かしながら、のんびりと丸められたティッシュをひとつひとつ広げていった。

そのほとんどが無色透明の液体が乾いたモノであり、匂いは無臭だが、中には化粧品の匂いがするモノも交じっていた。

花粉の季節だからね・・・などと、もうだんだん投げ遣りになってきた私は、チラッと中を覗いてはポイッと捨てる動作を繰り返していた。

と、その時だった。
異様に大きく膨れ上がった丸めたティッシュが出て来た。それは、ソフトボールを更に一回り大きくした大きさである。

これは絶対なにかあるぞ・・・とばかり、期待に股間を膨らませながら、まるで竹の子の皮を1枚1枚捲るかのように、重ねられたティッシュを1枚1枚剥がしていった。

3枚目を捲った時、中から異様にキラキラと光るピンクの素材を発見した私は、おもわず「あった!」と、それが何であるかもわからないうちに叫んでいた。

しかしそれは私の期待通りの物だった。
そう、それはピンクのサテン生地Tバックである。

私は、「神様・・・」と天井を見上げ、先程、あれだけ憎んでいた神様に感謝した。

しかもそれは使用済みである。派手なシミこそ付いてはいないが、しかし細いクロッチ部分は微かにパリパリ感が感じられ、匂いも香水と同時に彼女特有のイカ臭が漂っている。

うひひひひひ、と笑いながらも、しかし、どーしてわざわざこんな風にティッシュに包んで捨てたのだろうかと、疑問に顔を歪める。

アレやコレやと考えながら、Tバックが包めてあったティッシュを再び捲り始める。
ゆうに15枚は重ねてあるその厳重なティッシュは明らかに不審である。

私はそのティッシュの最後の1枚を捲った時、あまりの驚きに絶句した。

そう、その中には、なんとコンドームが萎れていたのであった・・・・・

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これはいったいどーいう事だ!

私はビロビロに萎れたコンドームを眺めながら、少しパニック状態に陥っていた。

彼女には彼氏はいないはずだ、いやたとえいたとしても、この一週間以内に彼女の部屋を尋ねて来たのは、宅急便のおっさんと、ピザ屋の兄ちゃんだけだ。
しかも、そいつらは用事を済ますと、ものの数分で部屋を後にしている。
コンドームを使う時間などないはずだ。

・・・と、言う事は・・・

私は新聞紙の上に並べられた、ゴミの数々をもう一度見直した。

アルフォートの袋・・・マックの袋・・・むくみ解消シート・・・きゅうり・・・

きゅうり?!

私は慌ててきゅうりを手にすると、そのポツポツとさせる表面の匂いを嗅いだ。

うん・・・確かに、ゴムの匂いがする・・・

私はキュウリを手にしたまま後にひっくり返った。
そしてフローリングの床にゴッ!と後頭部をぶつけながらも、天井を見上げたままくっくっくっくっくっく・・・と笑い出した。

とうとう本性を現したなこのキュウリ夫人め!
そういって叫びながら飛び起きると、すかさずコンドームを摘まみ上げた。

コンドームを慎重に摘みながら、どっちがキュウリの面でどっちが膣の面だったのかを調べる。

濡れ具合と匂いからして内側だな・・・・

私はさっそく全裸になった。
彼女の携帯から盗んだフシダラな写メを開き、それを眺めながらピンクのTバックのクロッチを鼻に押し付けた。

イカ臭い。キツい香水で誤魔化しても無駄だ、キミのこの日本海的な磯の香りはどうあがいたって誤魔化せやしない・・・・

彼女がこのTバックを履いたまま、コンドームを被せたキュウリを、グチョグチョとオマンコに出し入れする姿を想像する。
四つん這いになったり、横になったり、フィニッシュはやはり正常位か・・・

ビンビンに勃起したペニスをシコシコとシゴきながら、ピンクのTバックを口に含み、まるでカブトムシが蜜入り綿を吸うかのように、チューチューとクロッチを吸った。
塩っぱさとイカ臭さが私の口の中に広がり、次第に私はトランス状態へとなっていった。

コンドームの膣側を指で伸ばす。
いよいよ、彼女の正真正銘の生汁を御賞味できるのだ、これは実に大興奮である。

ピンクのコンドームには所々にヨーグルトのカスのような白いネチャネチャとした物体が付着していた。
いわゆる「白濁つゆ」という、愛液を摩擦する事によって出来上がるエロ粘膜だ。
それをひとつひとつ唇の先で摘まみ上げては、舌で丁寧に舐め潰す。
それは通常の愛液とは違い、その濃厚な食感は小学校の給食出ていた安物のチーズに似ていた。

たとえ間接的とは言え、私は今、彼女のフシダラなオマンコから溢れ出た白濁つゆを舐めている。
それを考えると、借金の事も会社の事も自己破産の事も何もかもを忘れた私は、ただひたすらに幸福に包まれ、このまま死んでもいいとさえ思ったりするのだった。

コンドームの膣側に付着する白濁つゆを全て食べ尽した私は、まだ彼女のいやらしい汁がネチャネチャと糸を引いているコンドームを、コリコリコリッとペニスに装着させた。

彼女と一体になった記念すべき瞬間である。

彼女の汁に包まれたペニスをシコシコとシゴく。乾いたゴムの表面が、カシュ、カシュ、カシュ、と、小気味よいリズムを奏でる。

彼女のいやらしい汁。彼女が1人淋しくキュウリを使って自慰したその結果に生まれたいやらしい汁。
それが私の尿道を伝わり、私の体の中に入って行く。

「あぁ、イキそうだよ502・・・」

そう言えば、私は彼女の名前すらまだ知らない。
キュウリで自慰をしたり、アソコがイカ臭かったり、妙にアルフォートが好きだったりという、そんな秘密は知っていても、しかし彼女の名前は知らなかった。

そんな私は、「502」という彼女の部屋番号を叫びながら、彼女が性欲を晴らしたそのコンドームの中に、同じく性欲をぶちまけたのであった。


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502号室への侵入と502号室のゴミ泥棒という罪を繰り返しながら、性欲を発散していた私の元にそのハガキが届いたのは、それから1ヶ月も経った頃だった。

「大日本債権回収センター」と書かれたそのハガキには、「15日までに家賃の一ヶ月分と携帯の一ヶ月分、合計11,5523円を支払え。さもなくば己をこのマンションから叩き出し、且つ、二度と携帯電話なる文明の利器を使えないようにしてやるから覚悟してろよバーロー」といった内容が、ヒラギノ角ゴシック文字で淡々とプリントされていた。

瞬時に、私の心の中を、オフコースの「さよなら」の歌い出しが通り過ぎていく。

お袋に助けて貰おうか?
しかし老人ホームに預けたままのお袋には金の都合など頼めない。っていうかお袋は、今は太平洋戦争の真っただ中だと思っており、先月面会に来た私に「赤紙は来たか?」と聞くくらいボケてしまっている。

では兄に助けて貰おうか?
しかし、兄は昨年の正月、年賀状の変わりに「絶縁状」なる1枚のハガキを送って来たばかりだ、兄にも頼れない。

ならば別れた女房は?
しかし先月、彼女から3千円借りようとお願いに伺った際、彼女は「これは手切金です」と私に1万円をくれ、尚かつ、「これに判を頂戴」と、「念書」なる証書を取り出し、なんとその念書には「今後、半径10メートル以内に近付かない事」なる、非人道的な文面が綴られていた。だから別れた女房には絶対に頼めない。

じゃあ会社に前借りを頼んでみるか?
・ ・・前借りどころか、もう来月から会社には来なくていいと・・・言われているのだ・・・・

私の心の中のオフコースが「さよなら」のサビに突入した。

「もうすぐ外は白い冬」という言葉がやけに身にしみる・・・・


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15日まであと4日。

もう逆立ちしたってひっくり返ったって金の都合が出来なくなった私は、素直にこのマンションと携帯を手放そうと諦めたのではあるが、しかし、どーにも無条件降伏する事に腹の虫が治まらない私は、どーせ追い出されるのなら、とばかりに近所中の野良猫や野良犬をマンションに連れ込み、残り少ないマンション生活を賑やかにしてやろうと企んだ(ホームレスも連れて来ようかと思ったのだが、しかしもしそいつが同性愛者だったらおっかないので野良人間には御遠慮願った)。

そしてもちろん携帯も矢鱈めったらに使いまくってやる。
とは言うものの、掛ける相手など誰もいない私は、レディースコミックの広告にあった「女性の為のアダルトグッズ」という店に電話を掛け、対応した女性スタッフに対し「え~、商品の説明を聞きたいのですが~、まず、このAの158番の『アナルポチポチ棒』という商品は、いったいドコをどーやって使用する物なのでしょうか~」などと、わざわざ声を変えては尋ね、それに対し女性スタッフが「それは、アナルを刺激する棒でございまして・・・」と説明したらば、すかさずセンズリをコキ始め、女性スタッフの説明が終わる前に果てるという金メダル級の早業で、性欲を満たしていたのだった。

しかし、このマンションを出て行くにあたって、今後、ドコで暮らすのかという問題も然ることながら、何が一番辛いかって、もう彼女の部屋に侵入できなくなる事である。

それだけが心残りだった私は、いよいよ最終決断を迫られていた。

そう、それは例の写真である。
携帯が使えるのはあと4日しかないのだ、それまでに彼女の痴態写真を活用し、最後に大きな花火を打ち上げる・・・

その決断に私は迫られていたのだった。

やるか・・・どうするか・・・
失敗したら間違いなく刑務所だ。私には二丁目のパン屋「まるフジ」から食パン1ケースとコロッケパン1個、そしてレジに残っていた釣り銭の1560円と「お客様スタンプカード」を20枚、盗んで逮捕されたという窃盗の前科がある。あの時は執行猶予でシャバに戻れたが・・・

私の心の中で、突然、ざんばら髪の梶芽衣子が「あんた、次はシャバに出られんこつあるとよ」と、悲しそうな目をして叫んだ。

刑務所は嫌だ。嫌だが、しかし、男にゃ、やらなくっちゃならねぇ時があるんだ・・・

そう心の中の梶芽衣子に呟くと、さっそく計画を実行しようと、あと4日の命の携帯電話を握りしめた。


新規メールに彼女のアドレスを入力し、そして計画通りの文面を打ち込み始めた。

『突然失礼します。実は、ある人から貴女のこんな写真を入手いたしました。又、貴女がキュウリを使用してオナニーしている写真も同時に入手いたしました。これらの写真を買い取っては頂けないでしょうか?もし、貴女が買い取ってくれない場合、この写真は某アダルトサイトに売ります。そうなれば当然、この写真は世界各国の人々が目にする事となります。なにぶん、貴女は嫁入り前の身、私もできる事ならそんな事はしたくありません。ですからこの写真を貴女の方で引き取って頂きたいのです。どうか御検討下さい。ちなみに、アダルトサイトはこの写真を1枚3万円で買い取ると言っています』

私はその文面と一緒に例の写真の1枚を添付し、彼女の携帯にメールを送った。

もし彼女がこの写真を1枚3万円で買い取ってくれれば、4枚で12万。なんとかもう一ヶ月はこのマンションで生活し、この携帯も使えるのである。

一ヶ月経ったら、また金を要求すればいい。
そう、私はあの女を骨の髄までしゃぶり尽してやるんだ。

私はそんな事を思いながら、暗闇の中でいひひひひひと無意味に笑い、中型犬ほどもある巨大な野良猫に「ニャ~ゴ」と笑い返されたのであった。

(3へ続く)


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