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あの子、また私を見ている・・・・・
ミキは商品を手にしながらただならぬ視線に気付いていた。

近所のドラッグストアー。
洗剤コーナーを覗き込む主婦とカートを押しながら通り過ぎて行くおばあちゃん、そしてニキビ面した中学生が商品の裏の読みながら突っ立っていた。

ミキは商品の裏を読むフリをしながら、何気なく髪をかきあげ、その隙にチラッと隣りの中学生を見た。
中学2年生くらいだろうかニキビ面の少年がミニスカートから伸びるミキの足をジッと見つめている。

スタイルに自信のあるミキは見られる事には何の抵抗も無かった。
いやむしろ見られたいという願望の方が強かったミキは、わざと男達の視線を浴びるような露出の激しいミニスカートやTバックが丸出しになるようなローライズジーンズを好んで履いていたくらいだった。

いつも駅のホームや街角で、ミキの足をジロジロと見て来るのは決まって中年サラリーマンだ。
しかし中学生に性的な視線で見られるというのはさすがのミキも初めてだ。

この中学生は最近やたらとミキに付きまとっていた。
それを知ったミキは、付きまとわれる事を楽しむかのように少年を挑発したりしていた。

(私の事を想像してオナニーとかしてるのかな・・・・)
そう考えるとミキは背筋をゾクッとさせた。
常日頃、童貞少年を虐めてみたいと思っていたミキにとって、この少年は最高の性的玩具だ。
真面目そうでバカそうでオタクっぽくてヒキコモリっぽい内気なこの少年に危険性は無い。
激しい挑発をした所でレイプされる心配も無く、ストーカーになったとしても中学生のストーカーなんてたかが知れてる。
リスクが少ない割りには、この性的玩具はミキを激しく興奮させてくれた。
そんなミキは、少年に付きまとわれた日の夜は、決まって少年をネタにオナニーしていたのだった。

少年の視線を感じながらミキが隣りの通路に移動する。
通り過ぎるミキを見て慌てて顔を伏せる少年。
ミキは歩きながら少年の股間を見た。
(立ってるのかな・・・・・)
ミキはクスッと笑いながら反対側の通路へと行き、そして入浴剤のコーナーで足を止めると、ゆっくりと腰を下ろした。

後からゆっくりと付いて来た少年は、ミキがしゃがんだ姿勢で入浴剤を見ているのを発見すると、いきなりサッ!と後に引き下がった。
入浴剤を手に取りながら「ん?」と不思議に思ったミキは、なぜ少年が慌てて引き返したのか少しの間謎だった。
しかし、その謎はすぐに解けた。
そう、入浴剤の棚の反対側に、少年の黒い学生服が見えたからだ。
(そっか・・・・私がしゃがんでいるから、向こう側からスカートの中を覗く気だな・・・・)

ミキは胸をドキドキさせた。
と同時にある不安が頭を過る。
(どうしよう・・・多分、濡れてる・・・・)

そんな不安がミキを更に興奮させた。
ウブな童貞少年に濡れたパンティーを見せてみたいという願望が、次第にミキの股を弛めていった。

隣りの通路では、ミキに見られていないとでも思っているのだろうか、少年は大胆にも床に頬を押し付けながら棚の下を覗き込んでいた。
ミキと少年は、棚をひとつ挟んだだけの位置で互いに興奮していた。少年のハァハァと言う息づかいが今にも聞こえて来そうな距離だ。

それでもやっぱり少し不安だったミキは、今どれだけ自分が濡れているのか確認したくなった。
辺りを見回すと、先程のカートを押して歩く老人がひとり、ゆっくりと移動しているだけだった。
ミキは腕を組んで入浴剤の裏を読むフリをしながら静かに右手を股間へと下ろした。

棚の向こうでゴキブリのように床に這う学生服の少年は、いきなり股間に現れたミキの細く白い手に息を飲んでいるに違いない。

ミキは細く長い人差し指をパンティーの中心部に押し当ててみた。
人差し指にジトっという湿りを感じたミキは(やだ・・・凄く濡れてる・・・)と焦る。

慌ててミキは立ち上がると、顔を真っ赤にさせながら歩き始めた。
まさかここまで濡れているとは思ってもいなかったのだ。
恥ずかしい・・・・・と顔を真っ赤にさせて目的も無く歩き回るミキだったが、しかしもう我慢の限界だった。

アソコをウズウズさせたミキはトイレに向かう通路へと足早に入って行った。
ミキの後から少年が付いて来ているのがわかる。
ミキは少年が来るのを待つかのようにトイレの前で立ち止まった。

ここのドラッグストアーには3つのトイレがある。
ひとつは女子、ひとつは男子、そしてもうひとつは男女兼用の身障者用のトイレだ。
身障者用のトイレにはふたつの個室が並んでいる。
このふたつの個室は薄い壁に仕切られただけの簡易的なものだった。
ミキは迷わず身障者用の右側の個室に入った。

トイレに入るとミキは息を殺して耳を澄ました。
すかさずもうひとつの個室のドアが開けられる音が聞こえて来る。
少年が左側の個室に入ったのを確認すると、ミキはゆっくりと便座に腰を下ろし、便座の上で大きくM字に足を広げた。

ミキは「見られたい」という願望の中、いつものようにクリトリスをクリクリと転がし始めた。
しかし、簡易的な壁ながらも、隣りを覗けるようなスペースは無い。
きっと、覗けない少年は壁に耳を押し当てているに違いない。
ミキは隣りから聞こえて来るカチカチ・・・というベルトを外す音を聞きながら、せめて声だけでも聞かせてやろうと、小さな喘ぎ声をわざと出しながらビショビショに濡れたオマンコの中に指を深く入れたのであった。


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ミキは今年で24才。
2年前まで大手不動産会社の受付嬢をしていたが、毎日毎日会社の玄関に座りながら頭ばかり下げている自分が嫌になり会社を辞めた。
その後、知り合いの出版会社の事務員として働くが、しかしそこも受付嬢と似たり寄ったりな仕事ばかりですぐにアホらしくなり辞めてしまった。
結局落ち着く所は夜の街だった。
最初は生活する為にと働き始めたキャバクラだったが、しかし今ではこの仕事が自分の天性なのではないかと思い始めている。
度重なるヘッドハンティングの末、給料も顧客も倍増し、今では結構な売れっ子キャバクラ嬢にのし上がっていた。

とはいうものの、ミキはそれほどスレてはいなかった。
元々はレベルの高いお嬢様学校を卒業し大手一流企業の真面目な受付嬢だったミキだ、たかが2、3年夜の世界に身を宿した所でそう簡単にはその世界には浸からなかった。
そんな素人っぽさが逆に、夜の遊び人たちから受けたのであろう、ミキを狙って店に通い詰める男たちは後を絶たなかったのだった。


そんなミキと例の少年の「おかしな関係」は、月日が経つにつれ更に濃厚なものへと発展していった。

男には不自由しないミキだったが、しかし、遊び人の男達が玄人キャバ嬢よりも素人っぽいミキを好むのと同じで、ミキ自身もまた遊び慣れた男よりもウブで純粋な男に興味を示していた。

童貞中学生のストーカー。
これほどまでに純粋でウブな男はいない。

ミキはそんな少年との「危険な火遊び」を心から楽しんでいたのだった。



そんなある日、ミキがバルコニーで洗濯物を干していると、道路を挟んだ向こう側の電信柱の影に学生服が見えた。
(あの子・・・また見てる・・・・)

急にミキの悪戯心が騒ぎ始めた。
(よし・・・)
ミキは部屋に戻るとタンスの中から特に派手なパンティーばかりを取り出し、クスッとひとつ笑うとソレを持ってまたバルコニーへと出て行った。

ミキの部屋はアパートの一階にあった。
通りからちょっと手を伸ばせば簡単に洗濯物が盗める。
過去に何度も下着盗難の被害に遭っていたミキは、下着をバルコニーに干すという事はしなくなっていたのだが、しかし今日は特別である。

ミキは赤や青の派手なパンティーを広げると、それを1枚1枚洗濯バサミに挟んでいった。
チラッと電信柱を見るミキ。
電信柱に身を隠す学生服はジッと潜んだまま、バルコニーのミキを見つめているのだった。

ミキは部屋に戻ると、さっそくカーテンを閉めた。
そう、少年が行動に出やすいようにというミキの優しい心遣いだ。

ミキはワクワクしながらカーテンの隙間からそっと外を伺っていた。
(早く来い・・・早く来い・・・・)とまるで罠を仕掛けた漁民のように、ミキは期待しながら外を覗いていたが、30分もすると、ミキはいつしかスヤスヤと寝息を立てていたのであった。


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少年は電信柱の影で、どうしようかと迷っていた。
あのお姉さんのパンツは欲しい、でもそれは泥棒だ。

少年はかれこれ1年間も引き蘢っている。
不登校児の上に、更に下着泥棒で逮捕だなんて、少年はこれ以上自分の人生をミジメなものにさせたくはなかった。

しかし・・・・
性欲には敵わなかった。
夜な夜なミキを想ってセンズリをしていた少年にとって、ミキのパンティーは自分の人生と引き換えにしてもいいくらい、それほど手に入れたいシロモノだった。

少年は、「よし!」と覚悟を決めると、学生服の上着を脱いだ。
目撃者に「犯人は学生服の少年です!」と証言させない為の証拠隠滅だ。

しかし、不登校のくせに学生服を着ているのは実に変だ。
彼が不登校児だという事は、今、突然作者が思いつきで決めた事なのだが、しかしよくよく考えれば不登校児が学生服を着ているというのはあまりにも矛盾している。
だからといってもう書き直したくはない。
ドラッグストアーのシーンまで遡り書き直すなんてヤだ。
だから、ここはどうか穏便にサラリと流して頂きたい。
作者からの切なるお願いです。


少年はさりげなくアパートの前の路地を歩く。
ミキの部屋のバルコニーの手前に佐川急便の配達車が停車していた。佐川急便のトラックが前方を塞いでくれている。
後を振り向くと人影はまったくない。
チャンスだ。

少年はカーテンの閉まっている窓に警戒した。
ミキが部屋を出た形跡はない。
だとしたらミキは部屋にいる。
もしかしたらカーテンの向こうに潜んでいて、盗んだとたんに「こらぁ!」と出てくる作戦かも知れない。
少年は歩く速度を弱めながら注意深くカーテンの閉まる窓を見つめていた。

「ありがとうございましたー!」
アパートの隣りの家の玄関から若い男の元気な声が聞こえて来た。
マズイ!飛脚野郎がトラックに戻って来る!
そう思った瞬間、無意識にバルコニーに干してあった青いパンティーを摘み、洗濯バサミからプチッ!と引き抜いていた。

歩きながら素早くポケットの中にパンティーを押し込んだ。
「ふん♪ふん♪ふん♪」と鼻歌を歌いながら飛脚が隣りの家の門から出て来た。
次はドコに配達に行こうかとボードを眺めながらトラックに乗り込む。
佐川急便のトラックを通り越した瞬間、少年は猛ダッシュで走り出したのだった。


家に着くと、玄関に婆ちゃんがポツンと立っていた。
「婆ちゃんドコ行くの?」
靴を脱ぎながら少年がそう聞くと、婆ちゃんは「そろそろ米の配給の時間だよ」と手にはデコボコの鍋を持っていた。
ダメだ、完全にイっちゃってる。
少年は階段を駆け上りながら「婆ちゃん!空襲警報だよ!」と叫ぶと、玄関の婆ちゃんは「ひぃぃぃぃ」と叫びながら鍋を頭に被せた。

ゲラゲラ笑いながら部屋に入った少年は、頑丈な鍵を3つ掛けるとすかさずパソコンのスイッチを入れた。
パソコンの立ち上がる音を聞きながらズボンの中のパンティーを取り出すと、急いでズボンを脱いだ。
らっきょうのような小さなチンポがコロンと顔を出す。
軽く触ってみると、仮性包茎の皮の中は我慢汁でヌルヌルに濡れていた。
そのヌルヌルの皮の中に指を入れる。
(お姉さんのアソコもこんな感じなのかな・・・・)
そう思っていると、らっきょチンポはみるみると大きくなって来た。
大きくなったといっても所詮は中学2年生のポコチンである。
折り畳んだ携帯電話ほどの長さしかない短小チンポは、女の子の小指のように弱々しかった。

少年は弱々しいチンポをシコシコさせながら、デスクトップにある「お気に入りの映画」と書かれたファイルを開いた。
この「お気に入りの映画」というファイルの中には、ミキに関する情報がたっぷりと詰まっていた。
しかし、まともにそのデーターの名前を「お姉さんの生足」などと書くわけにもいかない。
いつ何時、両親や先生にパソコンの中を見られるかわからない。
だから少年は、それらのデーターを「男はつらいよ・寅さんの生足」などと映画のタイトルに変えていたのだった。

少年はその中でも特にお気に入りの、あともう少しでミキのパンチラが撮れそうだったというキワドい画像を開いた。
ちなみにこの画像のタイトルは「あと一歩の幸福」とし、主演を竹内豊と書き込んでいた。

画像を見ながら青いパンティーを広げた。
そのパンティーはまるでヒモのように細く、いったいなんだこりゃ?と少年を悩ませた。
机の上に広げて見て、初めてそれがTバックというものだと気付いた。
Tバックを初めて手にした少年は、おもわず「凄い・・・」とまるで宝の地図を発見したグーニーズのように目を爛々と輝かせた。

こんなに細くて意味があるのか?・・・・
と不思議に思いながらも、Tバックのニオイを嗅いだり舐めたりした。

当然、そのTバックは洗濯済みのモノだ。
しかし少年にはそれでも大満足だった。
洗濯洗剤のニオイしかしないTバックをクンクンと嗅いだりペロペロと舐めたりしながら、(このヒモがお姉さんのアソコに食い込んでいたんだ・・・)などと妄想を膨らませ、パンツと画像を交互に眺めながら楽しんでいた。

ふいに少年はこのTバックを履くお姉さんの気分になってみたくなった。
椅子から立ち上がると、スルスルっとTバックを履き、汗でグショグショに濡れた尻の谷間にTバックのヒモをクイッ!と食い込ませた。

「あはっ!」
少年はあまりのくすぐったさにおもわず声を出した。
そして、ベッドに寝転がると、自分がミキになった気分でTバックの股間部分をモジモジと弄った。
「あん!いやぁん!やめてぇん!」
少年はまるでオカマのような声を出しながら自分で自分の太ももを撫でては足をクネクネさせた。
そして、壁にぶら下がる鏡に下半身だけを映すと、四つん這いになりおもいっきり尻を鏡に突き出した。
金玉と肛門に沿ってミキのTバックのヒモが食い込んでいる。
(きっとお姉さんもこんな風にオナニーしてるんだろうな・・・・)
そう思いながら鏡に映る自分の尻を眺め、うぅぅぅぅ・・・とペニスを数回シゴくと、布団の上に黄色い精液を大量に飛び散らせたのであった。


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ズズズッとヨダレをすすった所で目が覚めた。
ハッ!と気付きアレ?と辺りを伺ったミキは、そっか張り込みしてたんだっけ・・・と大きく背伸びをした。

時計を見るとかれこれ5時間は眠ってしまっていた。
そろそろお店の準備をしなければならない時間だ。

あの子、まだいるのかな・・・とカーテンをシャッと引く。
通りの向こうの電信柱に少年の影はなかった。
なんだ・・・帰っちゃったのか・・・と、「餌」として干していた派手な下着を取り込もうとしたミキは、瞬間に、やられた・・・と思った。
しかも青いTバックだけが盗まれていると気付いたミキは、それをプレゼントしてくれた中田になんだか申し訳ない気がしてならなかった。


中田とは、ミキが勤めるキャバクラの常連だ。
ミキを落とそうとする中田は、週に4回は店に通い続けしかも延長延長の繰り返しで、ミキと店に多大なる利益をもたらせてくれる、いわゆる上客(バカ客ともいう)だった。

そんなバカ客、いや上客の中田はいつも店に来る時にはミキへのプレゼントを持って来てくれるのだが、最初のうちは花束やケーキといったプレゼントだったのが、最近では高価なブランド品に変わって来ていた。
そしてここ数日はブランドの下着ばかりをプレゼントしては、「これを付けたミキちゃんが見てみたいな」などと、三流企業の部長のようなゲスな口説き文句を並べるのであった。

「そろそろイっとかないとマズイんじゃない」
お店の先輩のアズサがミキに忠告してくれた。
「イっとく」とは「セックス」という意味である。
アズサは枕営業を得意とする超売れっ子キャバ嬢で、その道にかけてはプロだ。
「でも・・・中田さんっていい人なんだけど、なんか気持ち悪くって・・・・」
今だ素人っ気が抜けないミキは、まだ客を選んでしまう癖がある。
「・・・そんなノンキな事言ってると、カズミや理沙に中田さん盗られちゃうよ・・・」

確かにこのままだとセックスの1発や2発は我慢しなければならないだろう。
なんたって中田のおかげでミキの指名ランキングは常に上位で、しかも中田の指名だけで月にすると15万円ほど給料は上がっていたのだ。
今ここで中田を手放すのはあまりにも惜しい。
しかし、ミキはあの中田のネバネバした口調とテカテカした額、そして猛烈に吐き気を催す口臭が大の苦手だったのだ。
あんなバケモノに抱かれるくらいならキャバ嬢なんて辞めた方がマシだわ・・・・とは思うものの、しかし、落ちる所まで落ちてしまっていたミキにはもう夜の世界以外どこにも行く場所はない。
今更店を店を移って新人からやり直すくらいなら、いっそのこと中田のあの猛烈な口臭に包み込まれながら抱かれ、この店でこの地位にいたほうがマシなのかも知れない・・・・
ミキは今、中田の事で悩みに悩んでいる時だった。


そんな中田からプレゼントされた青いTバックが盗まれてしまった。
確か中田はそのTバックをプレゼントした時、「この下着はね、ダイアナ妃が愛用していたモノと同じ下着なんだ。フランス製の下着でね、日本では発売されてないんだ。ネットでやっと見つけてさっそく買ったんだけど、きっとスタイルのいいミキちゃんにはピッタリだと思うよ」と、ダイアナ妃がTバックを愛用していたかどうかは定かではないが、しかし、フランス製の妙に高そうだった下着なのは確かだった。

中田さんに盗まれましたなんて言えないしな・・・・・
ミキは憂鬱になりながらも、鏡に向かってファンデーションをパタパタと叩いていたのだった。


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乾いた精液でバリバリになったTバックを返そうかどうしようかと悩んでいた少年は、やっぱり泥棒はいけない、ヒキコモリで不登校児で仮性包茎のらっきょチンポな僕だけど、人様の物に手を付けるようなそんな恥知らずな事はしてはいけなのだ、と、散々恥知らずな行為をしておきながらもそう思っていた。

かといって、返そうにもこの精液バリバリのままでは返せない。しかし、これを洗濯機の中に入れておけばお母さんは驚きのあまり脳卒中で倒れてしまうだろう。

やっぱり自分で洗うしかないか・・・と思い立った少年は、家族の者が寝静まった深夜にこっそりと手洗いし、そのままお姉さんのバルコニーの中に投げ返して来ようと計画したのだった。


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お店は月曜日という事もあってか随分と暇だった。
いつもなら10時を過ぎる頃には満席になっているフロアも、たった2席しか埋まっていなかった。

「スンゴイ不景気だよね・・・このままだと私、自己破産コースだわ」
キャバ嬢達がズラリと待機している裏ボックスでは、キャバ歴5年の留璃子が巻き髪をふわふわさせながらぼやいていた。

ここのキャバ嬢達は基本給とは別に、指名料、ドリンク料、同伴料、フルーツ料といったバックにより稼いでいた。
この店で一番稼ぎが大きいのがフルーツバックと呼ばれるもので、これは自分のお客さんがフルーツ盛り合せを注文してくれた時のバックマージンだ。
缶詰のパイナップルと桃、バナナとオレンジとキウイを大皿に盛り合わせた「フルーツ盛り合せ」は、原価1000円に満たない物が定価1万円へと料金が跳ね上がった。
この場合、半分の5千円がキャバ嬢の手元へと入るというわけだ。
だから金に困ったキャバ嬢はなにかというと「フルーツは?」とお客さんに迫った。
カード会社に追われる留璃子は、口癖のように「フルーツはいかが?」と言いまくる事から、いつしかキャバ嬢達の間では「果物屋」とあだ名されている始末だった。

「それに比べて、アズサさんはいいわよね・・・・」
留璃子の声に、待機ボックスのキャバ嬢達が一斉にフロアを見る。
フロアの一番奥にある「大席」と呼ばれる団体席専用のテーブルでは、アズサの固定客であるパチンコ会社の重役達が接待の客を連れて盛大に盛り上がっていた。

「あっ、またフルーツ出た・・・これで4皿目だわよ・・・・」
理沙というミキと同期のキャバ嬢が、パンダのように真っ黒なアイラインの目をパチクリさせながら悔しがる。
「あぁ~あ、私もアズサさんみたいに枕営業しよっかなぁ~」
ミキのライバルであるカズミが嫌味っぽくプカぁ~っと煙草の煙を天井に吐いた。

ミキはカズミのその言葉に少なからずとも焦りを感じた。
カズミや理沙が中田を狙っている・・・・・
アズミのそんな言葉を思い出したのだ。

「ミキさん、御指名です」
ボーイがキャバ嬢達の待機ボックスに片膝を立てた。
「あ、はい」
そう言ってミキが立ち上がると、フロアにはマネージャーと談笑する中田の姿があった。

「中田さんってさぁ、一部上場企業で働いてるっつうじゃない・・・おいしいよね・・・・」
果物屋の留璃子が誰に言うわけでなくポツリと呟いた。
ミキは留璃子の言葉を背に受けながら中田の待つフロアへと出て行ったのであった。

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中田は相変わら下水道のような息を吐きながら腹を空かせたブタのような視線でミキの全身を舐め回して来た。

「いつ見ても綺麗な脚だね・・・」
中田の湿った手の平がナメクジのようにミキの太ももを這う。
「もう、中田さんのエッチ・・・」
ミキは「うふっ」という営業スマイルを見せながら中田の腕を掴んだ。
中田の肌は豚足のようにザラザラしている。

「ねぇミキちゃん、今度さぁ会社の同僚達とゴルフをしに韓国に遊びに行くんだけどね、よかったらお店のコ何人か誘って一緒に来ないか・・・」
ムワっという生暖かい息がミキの横っ面に降り掛かる。
「へぇ~楽しそうですねぇ~」
何が楽しそうなもんか、と自分にツッコミを入れながら答えるミキ。
「うん。ホテルはさぁ韓国でも一番イイとこ取るからさぁ、あ、もちろん部屋は別々でね。韓国はカジノもあるしショッピングも安いし、それに食い物が美味い。お金の心配はしなくていいからさぁ、ねぇ一緒に行こうよ・・・・」
中田はまるでおもちゃを欲しがる子供のような顔をしてミキにそうねだった。
「でも・・・お店、休めないし・・・」
「あ、いいよ。お店の定休日に合わせるから。韓国だったら1泊2日で充分楽しめるよ、うん」
中田は死んだ魚のような淀んだ目でミキを見つめそう言う。

答えに困っていると、マネージャーがスッと席に現れた。
「ミキさん、お願いします」
マネジャーはミキにそう告げると、中田に軽く会釈をし素早く消えた。
マネージャーの言う「お願いします」とは、別の客から指名が入ったからソッチに行ってくれ、という意味だ。

「ちょっと・・・行ってきますね・・・」
いつもは他の指名が入ってもすぐには席を立たないミキだったが、今日はこの場を切り抜ける絶好のチャンスとばかりにドリンクのグラスに紙のコースターで蓋をする。
これは「また戻って来ますから」という暗黙の合図だ。

ミキが席を立つと、フランス製の香水をムンムンと撒き散らしたカズミとすれ違った。
カズミは「お久しぶりでーす」と笑いながら中田の席に座る。
本命のミキが他の指名席に行っている間、残された客の相手をするという、いわゆる「ヘルプ」だ。

ミキはよりにもよってカズミがヘルプに付くとは・・・・と嫌な予感を感じながらも、フロアの隅にいるマネージャーの元へと向かった。

「4番テーブル。御新規さんだ」
ミキにそう告げたマネージャーは、「はい」と立ち去ろうとするミキを引き止めた。
「カズミの奴、中田さんを狙ってるみてぇだけど、トラブルだけは起こすなよ」
マネージャーはフロアをジッと見たままミキにそう言うと、ふいに目が合った8番テーブルの常連に「マネージャー!この真由子にフラれたからよ、首吊るロープ貸してくれ!」と言われ、「ロープの貸し出しは1時間3千円となっておりますが・・・」と言いながら、キャハハハハという作り笑いを浮かべたまま8番テーブルへと向かって行った。

ミキはとたんに心配になり中田の席に振り向く。
カズミが妙に中田に密着しながら中田のグラスにブランデーを足している。
中田も何かベラベラと喋りながら、さりげなくカズミの開いた胸元を覗き込んでいた。


新規の客は最悪だった。
酔っぱらったサラリーマン2人に挟まれたミキは、右側の上司らしき男から尻を撫でられ続け、一方左側の部下らしき男から何度もスカートの中に手を入れられた。
スカートの中に手を入れられる度にミキが「ダメですよ」と微笑むと、隣りの上司らしき男が「こら!笹嶋君!こんな事しちゃダメじゃないか!」と笑いながらミキの胸を鷲掴みにした。

これだから新規は嫌なのよ・・・と思いながら、そう考えると中田さんなんてカワイイものよね・・・とふと中田の席を見るミキ。
カズミは中田の耳に手を当て、何やら内緒話をしている。
カズミの内緒話しを聞きながら中田は嬉しそうな顔をしてうんうんと頷いている。
カズミの唇は中田の耳に触れるくらい接近し、まるでキスをしているようだ。
続いて中田が今度はカズミの耳に手をあて内緒話を始めた。
とたんにカズミが「やっだぁ~エッチ~!」と中田の肩を叩き、2人はゲラゲラと大笑いを始めた。

そんな光景を4番テーブルから見ていたミキは、いきなり股間に異物感を感じた。
はっ!と下を見ると、部下らしき男がミキのスカートの中に手を突っ込み、パンティーの上からアソコを撫でているではないか。
「ダメですって!」
そう言いながらミキが手を抜こうとすると、部下らしき男は「触らにゃ損」とばかりにふんばり、無我夢中で5本の指を動かし遂にはパンティーの中にまで指を入れて来た。
「・・・マネージャー!」
ミキは助けを求めようと慌てて手を上げるが、しかしマネージャーは8番テーブルの常連と「首吊りロープ」について盛り上がっている。
フロアのスタッフは誰もミキの助けに気付いてくれなかった。

「笹嶋君、明日の会議の件なんだけどね・・・・」
上司らしき男がわざとらしくそう言いながらミキの膝の上にスーツの上着を掛けた。
それと同時に上司らしき男の手もミキのスカートの中に潜り込んで来た。
ミキのスカートの中で2人の男の手が激しく暴れる。

大声で助けを呼びたい所だが、しかし、それはキャバ嬢として恥になる。
そんな場面を上手く切り抜けてからこそプロのキャバ嬢と言えるのだ。

「お客さん、本当にヤめて下さい・・・・ね、ね、静かに飲みましょうよ・・・」
そう言いながら、左手で股間で暴れる2本の腕を押さえ、右手を大きく振りながらも助けを求めた。

「課長・・・この子、濡れてますよ・・・・」
部下らしき男の指はミキのワレメを押し開き強引に穴の中に指を入れようとしている。
「笹嶋、交われ、交われ」
上司らしき男の手はミキの太ももを鷲掴みにしながら順番を待っていた。

「おまえ、濡れてるぞ」
部下らしき男が、タバコ臭い息をかけながらミキの顔に密着して来る。
濡れるはずが無かった。誰だって中は多少なりとも湿っている。
「もうイヤ!」と、部下らしき男の手の甲を引っ掻いた時に「お客様・・・」とマネージャーがやっと来てくれたのだった。


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キャバ嬢用のトイレで、コレでもか!というくらいウォシュレットでアソコを洗うミキ。
タバコ臭い親父の指がココを触りまくったと思うと背筋がゾッとした。

それにしても・・・・と、ビデの噴射を最強にしながらミキは思う。
やっぱり常連客は楽だわ・・・特に中田さんなんて、いやらしいけどでも新規の親父達みたいに乱暴はしないし・・・

そう思った瞬間、誰かに盗られるくらいなら一発くらいならヤらせてあげても・・・・と頭を過った。
獣のような中田がハァハァと興奮しながらミキの体の上で腰を振るのを想像する。
ビデの噴射は容赦なくミキのオマンコに噴きかかっている。
しかも、つい今しがた2人の親父にアソコを弄られたばかりだ。
ミキの体はムラムラとソッチ方面へ向かって行った。

小さな尻を移動させ、強烈に噴射するビデをクリトリスに当てる。
全身にビビビッという快感が走った。
「はぁん・・・・・」
ドレスの上からコリコリに固まった乳首を摘む。
さっき酔っぱらい親父から散々揉まれた乳房だ。

ミキはあの2人のサラリーマンにレイプされるのを想像した。
フロアのソファーに足を大きく開かされ、皆が見ている前でオマンコを弄られる・・・

つい今しがた本当に起きていた現実を妄想するのはあまりにもリアルすぎた。
ミキは部下の乱暴な指の動きを思い出し、「いや・・・ヤメて・・・」と声を洩らしながら、ビデの噴射にリズムを合わせ、まるで騎乗位のように便器の上で腰を振る。

「あん・・・イキそう・・・・」
と、思った瞬間、トイレのドアがドンドンと鳴った。

ミキは慌ててビデを止める。
「ミキちゃん、困るんだよ、早く出て来てもらわないと・・・・」
マネージャーの声だった。
「あ、はい、今出ます・・・」
ミキは急いでトイレットペーパーでアソコを拭く。
「中田さん、待ってるから、早くね」
そう言ってマネージャーは去っていった。
ミキのアソコはどれだけ拭いてもヌルヌルが拭き取れなかったのだった。


トイレを出て洗面所で手を洗っていると、キャバ嬢待機ボックスからカズミの得意気な声が聞こえて来た。
「中田っちから、韓国誘われちゃった」

ミキはドキッとした。
韓国の誘いもそうだが、早くもカズミが中田さんの事を「中田っち」と馴れ馴れしく呼んでいる事に焦りを覚えたのだ。

カズミに中田を盗られた・・・・
中田はあれだけ私に惚けていたのに、こんなに早くカズミに乗り換えるなんて・・・・
やっぱり、枕営業をしないといけないのかな・・・・
そんな不安を抱きながら中田の席に向かったミキは、中田から言い出すまで韓国の話しはしないでおこうと思った。

「ごめんなさい、遅れちゃって・・・」
ミキがテーブルに付くとヘルプに付いていた新人さんが「それじゃあ失礼しまーす・・・」と自分のグラスを持って立ち上がった。
「あ、さっきの韓国の話し、考えておいてくれよ」
中田が新人さんにそう言うと、新人は「あ、はい!ありがとうございます!」と元気よく笑った。

「よし。これでメンバーは揃いそうだな・・・。あとはミキちゃん次第なんだけどな・・・」
中田は隣りに座るミキの顔を覗き込んだ。
ミキは水滴の付いた中田のグラスを拭きながら「え?なんの事?」とわざとらしく首を傾げてブリッコした。
「ほら、さっき話してた韓国の話しだよ」
中田はミキからグラスを受け取ると、カランコロンと氷の音を立ててブランデーを飲んだ。
「でも・・・中田さんはカズミちゃんを誘ったんでしょ?」
ミキは中田の目を見ず、太ももの上に置いたハンカチを弄りながら聞いた。

「え?・・・もしかして、嫉妬してる?」
中田はパッ!と顔色を変え物凄く嬉しそうな顔をする。
「・・・・知らない・・・」
ミキが頬を膨らましてソッポを向いた。

「あはっ!あははははは!」
中田はさもプレイボーイを気取るかのように急に足を組んでグラスの酒を空けた。
そして空になったグラスをカタン・・・とテーブルの上に置くと、ソッとミキに顔を近づけ「バカだな・・・俺はミキちゃんだけだって・・・」と照れくさそうに小声でそう言った。

とたんにモアッとヘドロのような口臭がミキの鼻に襲いかかる。
しかしだからと言って「もしかして中田さんの喉って下水道と繋がってませんか?」などとは聞けない。
いや、わざわざ中田の気を引かせるようにミキが臭い演技でブリッコしたのに、そんな事を言ってしまったら全てが台無しだ。

「・・・ホント?」
ミキはトドメを喰らえ!とばかりにアイドル歌手のようなキラキラ瞳で中田を見つめる。

そんなミキのムカムカする程の臭い演技に、顔を真っ赤にさせた中田は「当たり前だよ・・・・俺はミキちゃんだけさ、約束する!」と、芋虫のような小指をサッと出し「指切りげんまん」をねだる中田の彼の息はムカムカする程臭い。

テーブルの下でこっそり指切りげんまんをする、糞たわけ共。
こんなタワケがいる限り、いつまでたっても日本はジャパンと呼ばれ続けるだろう。


泣きそうなくらい恥ずかしい「指切りげんまん」を終えたミキは、取りあえずはカズミからの攻防は出来たと少し安心した。
しかし、そうも呑気にしてはいられない。
いつまたカズミや理沙や留璃子が中田を狙って来るかわからない。
そろそろ腹の決め時か・・・・

ミキがそう思っていると、そんなミキの心を読んだのか、中田が先手を打って来た。
「今夜・・・店が終わってから寿司でも食いにいこうか・・・」

ミキはいつもアフターを断っている。
この店で唯一アフターと同伴をしないのはミキだけだった。
理由は簡単だ、眠たいから、である。

しかし今夜は特別だ。
一度くらいはアフターとやらに付き合ってやろうかな、とミキは思う。
それに腹も減ってるし・・・。

「うん。いいよ」
ミキがそう答えると、中田は「信じられない・・・」といった表情で、また短い足を組みグラスを一気に空にしたのだった。


               9


高級寿司屋の個室で鱈腹喰ったミキは、アフターってのはこんなにシアワセなんだぁ・・・とつくづくそう感じ、これからはアフターを断らないようにしようと心に決めた。

寿司屋を出ると、「家まで送るよ」と中田がタクシーを止めた。
「あ、大丈夫です。1人で帰れますから・・・・」
「いいよ、どうせ俺もタクシーだし・・・」
そう言いながらミキを強引にタクシーに乗せると、中田も一緒に乗り込んで来た。

「どこ?」
密着しながら中田が聞く。
「・・・あ、じゃあ中野まで・・・・」
ミキの声に、運転手が無言で料金メーターをカチッと押した。

タクシーが走り出すと、突然中田がミキの小さな手を掴んで来た。
いつもお店では手を握られているが、しかしこの時の中田の手の握り方は、とても強引で少し乱暴だった。

中田はミキの体に凭れ掛かりながら「本当に一人暮らしなの?」と聞いて来た。
すかさず高齢の運転手が「息子の嫁と同居してますが」と答える。
中田は運転席に向かって「ちっ!」と舌打ちすると、気を取り直してゆっくりとミキに向き直した。

「はい。1人ですよ」
ミキは凭れ掛かる中田を見ながらニコッと笑った。

「じゃあ・・・ちょっと部屋に寄っていっても・・・いいかな・・・・」
中田のその言葉に、いよいよ来た!っとミキは焦った。

この状態でどーやって断っていいのか、アフターが初めてのミキには断る口実が浮かんで来ない。
これがお店なら「あ、今日はお店が終わってからミーティングがあるの・・・ごめんね」と逃げ切るのだが、しかし、まさか今からミーティングなどという嘘もつけない。

「ダメ?・・・」
中田の目からソッと目を反らしたミキは「うぅん・・・・」と考え込む。
この場合、オンナが考え込んだらオトコの勝ちだ。誘われて考え込むオンナは、押して押して押し続ければ十中八九ヤらせてくれる・・・と、「愚人のキャバ嬢落としのテクニック」(基地外出版)にも書いてあったゾ!と中田は考え込むミキを見て密かに喜んだ。


それ以上、中田はミキに話し掛けて来なかった。
本人はもう部屋に来る気満々なのだ。

タクシーがミキのアパートの前に止まると最初に中田がタクシーを降りた。戸惑いながらミキがタクシーを降りると、中田は5千円札を運転席にポイッと投げ入れ「釣りはいいよ」と、早くアッチ行けとばかりに強引にタクシーのドアを閉めた。
強引にドアを閉められた車内から「釣りったって200円じゃねぇか」という声が聞こえた。

「ミキちゃんの部屋、ドコ?」
中田が勝手にアパートの方へ歩きながらミキに聞く。
「・・・あ、でも・・・・」
そう言いながらも今さら帰れとは言えない。もうタクシーもいないのだ。
それに、ここで中田を部屋に入れなかったら、本当に中田は私からカズミに寝返ってしまうだろうとミキはそう思い込みながら自分を諦めさせた。

「部屋、凄く散らかってるんだけど・・・」
そう言いながら部屋のドアに鍵を入れる。
「いいよいいよ、そんなの気にしなくても」
平然とした表情で淡々と答える中田。
しかし中田の頭の中には『いってみようやってみよう』のポッケが「中田っち!やったね!」と叫んでいる。
今の中田なら、無担保無利子無期限の保証人無しで300万貸してくれと言えばすぐに貸してくれるはずだろう・・・男って悲しい生き物だ・・・・


               10


静まり返った深夜の洗面所で、少年はパリパリの精液が付いたTバックをひとり黙って洗っていた。
こんな所を父親に見られたら、今度こそ「戸塚ヨットスクール」へ送られてしまう、と、少年は急いでTバックを濯いでいた。

濡れたままのTバックをポケットに押し込むと、少年は足音を忍ばせながら玄関へと向かった。
息を殺しながらスニーカーを履く。
玄関のドアを開けると、シーンと静まり返った暗闇の中で、どこかの家のボイラーの音だけがやたらうるさく響いていた。

わずか5歩で終わる小さな庭を通りに抜け、門の扉を開けようとすると、塀の脇に婆ちゃんが突っ立っていた。

「婆ちゃん・・・なにやってんの?」
深夜2時に塀の脇にひっそりと立ちすくむ老婆はあまりにも不気味だった。
「・・・あそこに・・・皇太子様が御見えになりまする・・・」
婆ちゃんはボソリとそう呟くと、向かいの家の玄関を指差した。
空襲警報だぞ!と、言ってやりたかったが、しかしそれはあまりにも危険だ。
この前も、夜中に突然庭に飛び出した婆ちゃんはひとり黙々とラジオ体操を始めたため、二階からそれを見ながらケラケラと笑っていた少年は、「アメリカ兵が来たぞ!」と声を掛けると、婆ちゃんは意味不明な言葉を叫びながら庭を飛び出し、5時間後に隣町のコンビニの駐車場で発見されるという大騒ぎになった事があった。

ここは無視した方が良さそうだ・・・・と、少年は静かに門を開け、一緒に出ようとした婆ちゃんを庭に押し戻すと、一気にミキのアパート目掛けて走り出したのだった。


               11


深夜の狭い部屋の中で中田と2人っきりと言うこのシチュエーションがなんとも吐き気を催した。

図々しくもベッドの上に座っている中田のその尻が気持ち悪くて仕方なかったミキは、中田が帰ったらすぐにシーツを交換しようと、そればかり考えていた。

「22才って言うの嘘だろ・・・・俺、店長から聞いてて知ってんだ、ミキちゃんが24才だって事・・・・」
今夜の中田は何やらとっても演技かかっていた。
まるで90年代の恥ずかしいトレンディードラマか、若しくは韓国恋愛ドラマを見ているようだと、ミキは中田のその臭い演技を見てそう思った。

「でも、俺は別に気にしてないよ・・・うん。っていうか、実は俺もね、32才だって言ってたけど本当は47才だし・・・人の事は言えないなハハハハハ・・・」
中田は劇団員がひとりで練習しているかのように、ひとりで勝手に話しまくる。
しかも、お店では誰も中田が32才だなんて思っていなかった。中田がもうすぐ50才だという事は、中田と同じ会社の松岡さんがお店で話していたからみんな知っている。しかも、結婚に焦った中田は中国人女性を紹介してくれるという新大久保にある国際結婚相談所に通い、そこで500万円詐欺られたという話しも松岡さんがしてくれた。
もう中田の事はほとんどみんな知っていたのだった。

ミキは中田の一人喋りに「うふっ」や「あはっ」とどーでもいい返答をしながらも、時計を見てはイライラしていた。
もうすぐ2時になる。とっとと帰ってくれないものかと心から願うミキ。

そんなミキにまったく気付かない中田は、バブル時代にはクルーザーを持っていたという話しをし始めた。
その話しはお店で何百回も聞いた。ジャグジー付きの億ションとクルーザーと銀座豪遊。中田の唯一の自慢であるこのバブル時代の三話は、お店の女の子の間では「中田の絶対すべる話し」と呼ばれていた。

イライラして来たミキは、とっとと終わらせてしまった方が楽だ、と投げ遣りになり、クルーザーの話しでひとり盛り上がっている中田の隣りに静かに座った。
「えっ?」と急に話しが止まる中田。
ドギマギとした中田のその顔を見ていると、遊んでいるように見せかけて本当は素人童貞かも知れない、とミキはふと思う。

無言でソッと中田に寄り添った。
中田は、いかりや長介に叱られた高木ブーのような声で「いいのか?いいのか?」とそればかりを繰り返していた。

中田の胸の中にスっと入り込むミキ。
中田の服は牛舎のようなニオイがプンプンと漂っている。
こんな臭い服でベッドに入られたらベッドを捨ててやる、と思ったミキは、すかさず中田をベッドの下に押し倒した。

「なんか・・・ミキちゃんって大胆だな・・・」
アタフタになっている高木ブーは、下水道のような息をプンプンと撒き散らしながら、物凄い勢いでミキの胸を掴んで来た。

「痛い!」とミキが肩をすくめると、「あっ、ごめん!」と慌てて手を離す中田。
こんなウブ(47才でウブ)なオトコならものの数分で終わらす事ができるだろうと、一分一秒でも早く帰って欲しいと思っていたミキは、更に大胆になっていったのだった。


               12


少年はお姉さんの部屋に電気が付いているのに気付くと、お姉さんの姿が見たくて見たくてたまらなくなった。
部屋で何をしているんだろう・・・・どんなカッコウをしているんだろう・・・・・
そんな妄想を繰り広げていた少年は、いつしかバルコニーの手摺をよじ登っていた。

手摺からバルコニーに降りた瞬間、ドン・・・という鈍い音を立ててしまった少年は、「あわわわ」と焦りながら、バルコニーの隅で猫のように体を丸めた。
しばらくの間そうしていたが、部屋からは誰もバルコニーを見に来なかったため、少年は安心すると再び動き始めた。

部屋の中を覗きたかったが、残念な事にカーテンはビッシリと閉じられていた。
中には人のいる気配はする。
声は聞こえないが、人が動いている音は聞き取る事ができた。

少年はふと頭の上のお姉さんのパンティーに気付く。
悩ましいピンクのパンティーが夜風にヒラヒラとなびいていた。
少年は窓に影が映らないように体を曲げながらそのパンティーを手にし、そしてアソコの部分を指で広げた。

そのままニオイを嗅いでみるが、残念なことに洗濯洗剤のニオイしか漂って来なかった。
それでも、それはお姉さんのアソコにピッタリと付いていたモノには変わりないんだ、と、少年はパンティーを洗濯バサミからパチンと外すと、それを持ってまたバルコニーの隅に戻った。

カチンコチンに固くなったチンポをスボンから取り出す。
家に持ち帰ってオナニーした方が安全なのだが、しかしまた戻しに来なくてはならないのが面倒臭い。
それに、家に帰ってスルよりも、このバルコニーでシコシコしたほうが、なにやらとっても危険な感じがしてより興奮できるのだ。

勃起したちっちゃなペニスをパンティーで包み込むと、それを上下にシコシコさせながら窓に耳を近づけた。
お姉さんの声を少しでもいいから聞きたい・・・と耳を澄ましていたのだった。


               13


(なんの音かしら?)
床に寝転がった中田のペニスをズボンの上から揉みながら、ミキはバルコニーの方をチラッと見た。
(いつもの猫?・・・それにしてはちょっと大きすぎる音だったわ・・・・)
鈍感でしかも興奮しまくりの中田には、もはやそのような音は聞こえていなかった。
彼の頭の中は、もうミキのオッパイと陰毛とビラビラと汁と穴とクリトリスと・・・とそればかりがグルグル回っているだけだった。

バルコニーに人の気配を感じていたミキは、中田を寝転ばせたままゆっくりと立ち上がった。

「あれ?どーしたの?」
おしゃぶりを取られた赤子のような顔をして中田がそう聞く。
「うん・・・そーいえば洗濯物を取り込んでなかったから・・・ちょっと待ってて・・・」
ミキはバルコニーへと向かった。

泥棒だったら怖いが、しかし中田に「変な音がしたから見て来て~」などと頼りたくはなかった。
その後に「ははは、猫だよ猫。ミキちゃんは恐がりだなぁ~」などと森田健作ぶられるくらいなら、泥棒と鉢合わせになって殴られた方がマシだと素直にそう思っていたのだ。

カラカラカラ・・・・と窓を開ける。
カーテンから恐る恐るソッと顔を出すミキ。
バルコニーの隅に踞る大きな物体。
目を凝らしてよく見ると、その物体は小刻みに震えている。明らかに人間だ。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」と、叫び声をあげようとした瞬間、その物体がパッと顔を上げ、ミキと少年の目が合った。

少年はミキの目をジッと見たまま固まっている。
当然、ミキも驚きのあまり固まってしまっていたが、しかしその物体がいつもの少年だと思うと内心ちょっとホッとしたのだった。

ガタガタと体を震わす少年。
よく見ると、少年はミキのパンティーを股間に押し当てオナニーしているではないか。

ミキは急に異常にこの少年が愛おしくなった。
私の事を思うあまり、こんな危険な事を犯してまでも私のパンティーを盗みに来た少年・・・・
ミキの背中に得体の知れない興奮がゾクゾクっと走った。

「誰かいるの?」
部屋の奥から中田がマヌケな声でそう言った。
「ううん。違う。猫みたい・・・・」
ミキはそう呟くと、バルコニーの隅でガタガタと震えている少年にパチっとウインクを投げた。

窓を静かに締めるミキは、わざと少年が覗けるようにとカーテンに隙間を作っておいた。

振り向くといつの間にズボンを脱いだのか、下半身を剥き出しにして勃起したペニスをピコピコとさせた中田が寝転がった状態でニヤニヤと笑っていた。
「早くおいでよ・・・・」
中田の顔を見下ろすミキは、中田のその顔が「笑うセールスマン」のような顔をしていると素直にそう思ったのだった。

(つづく)

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