洗濯機修理人
2009/09/11 Fri 10:02
1
遂にこの時が来た!・・・・
吉沢は今日の修理注文書を眺めながら、心の中でおもいきり叫んだ。
吉沢はトラックの中でもう一度その「修理注文書」を読み直した。
「○○町二丁目サンフレンドロイヤルコート1202号室・池上様宅・衣類乾燥機・パナンニックNH-D602P・途中で止まる」
1ヶ月前、吉沢が池上宅へ衣類乾燥機を届けた際、そのあまりにも美しい奥さんに吉沢は目眩を感じた程だった。
乾燥機を設置後、吉沢は相方の森下と共に奥さんからコーヒーを頂いたのだが、その時も吉沢は、あまりの奥さんの美しさに舞い上がってしまい、まともに奥さんの顔を見れない程だった。
そんな綺麗な奥さんから遂に呼出しがかかった。
修理は配達と違い基本的に1人である。
という事は、今日は奥さんと吉沢の二人だけなのだ。
吉沢は、トラックのエンジンを掛けると、なぜか「ざまぁみろ!」と叫び、トラックを池上宅へと走らせたのであった。
吉沢誠24歳独身。彼の仕事は、いわゆる「家電修理人」と呼ばれていた。
元々は、古くからこの町で家電製品を扱う「電気屋」の跡取り息子だった吉沢だが、しかし、数年前からこの町にも大手家電製品店が次々に進出し始め、吉沢の店のような「近所の電気屋さん」は瞬く間に廃業へと追い込まれてしまったのだった。
吉沢は親父の知り合いのツテで、そんな大手家電製品店の下請け修理業者として働く事になった。
あれほど憎んでいた大手家電製品店だったが、しかし、家族5人が生活して行く為には大手家電製品店の配下に下るしか道はなかったのだった。
吉沢は主にパナンニックの製品を扱っていた。
親父の電気屋がこのメーカーと取引があった為、必然的に吉沢もパナンニックの修理担当になったわけだが、しかし、このパナンニック、とにかく故障が多い。
特に洗濯機や乾燥機に力を入れているパナンニックだったが、それにしては洗濯機や乾燥機の故障が異常に多すぎた。
ま、エアコンやテレビといった複雑な物とは違い洗濯機関係はまだアナログな製品も多い事から、修理するには簡単で楽な仕事だったが、しかし、洗濯機関係は利用者が主婦なため、突然動かなくなった洗濯機にヒステリーを起こしそれが八つ当たりとなって修理人に襲いかかってくることが多々あった。
それさえなければ楽な仕事なんだけどな・・・とは思いながらも、しかしその逆もある。
その逆とは、主婦相手の仕事には付きものの「あっち」である。
「四丁目の河西さんちの洗濯機。あっちの方も一緒に修理させられたよ」
そんな言葉をこの業界ではよく耳にする。
彼らの言う「あっち」とは、そう、性処理の事だ。
よくAVなどで家電修理屋が奥さんとデキちゃったりとしているが、その場合のAVの中の修理人はほとんどがエアコン修理業者だ。
あれは多分、AVのストーリーが「奥さんの挑発」というコンセプトで行きたいが為に、「奥さんの挑発」=「セクシー衣装」=「薄着」=「夏」=「エアコン」といった具合に設定され、従って主役はエアコン業者となるのであり、しかし実際はエアコン業者などよりも洗濯機業者の方が、奥さんとの情事は圧倒的に多いのだ。
というのは、洗濯機修理人というのは「洗濯物」という、本来、人目に晒さないいわゆる「汚物」を目にする機会が多いからではないかと心理学者・トルマン氏は言う(嘘)。トルマン氏は、2002年にドイツで開催された心理学会において「他人に汚物を曝け出す事により汚物の持ち主である奥さんは洗濯機修理人をどこか他人とは思えなくなって来るのではないだろうか」と発表し、全世界の心理学者から「この変態野郎め!」と学会を追放された第一人者だ(大嘘)。
洗濯機修理人と奥さん。この関係は理屈では理解できない不思議な関係なのであった。
2
吉沢自身、そんな「あっち」の修理をした経験は数え切れない程ある。
一昔前までは奥さんの慰み者業者の上位を占めていたのがクリーニング屋と酒屋であったが、時代の流れとでも言おうか、今や三河屋のサブちゃんはサザエさんの世界だけとなり、洗濯屋ケンちゃんも高性能な洗濯機&乾燥機の登場により姿を消した。
今では、洗濯機修理人が「奥様慰め者☆業者ランキング」の1位となっていたのであった(ちなみに2位はハウスクリーニング、3位は在宅訪問介護員、4位はトイレ修理業者のクラシアン)。
そんな洗濯機修理人の吉沢は、洗濯機の蓋を開けた瞬間にその奥さんとの関係が結ばれると語る。
実際、汚れた下着をそのまま洗濯機に入れっぱなしの奥さんは少なくなかった。
洗濯機の蓋を開け、立ち会っている奥さんに「中を見ますので・・・」と言いながら洗濯機の中に入ったままの洗濯物を1枚1枚取り出していると、中から派手なTバックが出てきて奥さんが顔を真っ赤にさせるなんて事は日常茶飯事で、そんな時の吉沢は「うわぁ~派手なTバックですねぇ~奥さんならきっと似合うでしょうねぇ~」などと、軽いノリでお世辞を言ったりするらしい。
もちろん、これは相手の奥さんのタイプをよく読み取ってからじゃないと大変な事になってしまう。
ジョークの利かないヒステリックタイプや気の強そうなオバタリアン(死語)タイプにこんな事を言えば、たちまち会社にチカンだセクハラだと通報され、莫大な慰謝料を請求されるハメにあう。
てばどんなタイプならいいのか?
まずダントツなのが水商売風のお姉さんらしい。
このタイプは自分に自身があるらしく、どれだけ褒められてもそれがお世辞だとは思っていない。だからそんな褒め言葉にそのうち気分が良くなって来るのだ。
修理後に「お茶飲んでくぅ?」などとブリッコして言い出せばあとはこっちのもんだ。
コーヒーなど啜りながら相手を乗せるだけ乗せて「お姉さんの生Tバック見てみたいなぁ~」などとせがんでみれば「じゃあアッチの部屋行くぅ?」なんて寝室に御案内される事間違い無し!(なんか出会い系のCMみたいになってきました・・・)。
次にイケるタイプは真面目な若奥さんらしい。
これは「真面目」というのがキーワードだ。
この「真面目」には、いわゆる「気が小さい」というのも含まれる。
修理後のコーヒータイムで「奥さんって大人しそうに見えて結構大胆なんですね・・・」などとTバックの話しを持ち出し、その羞恥心をくすぐってやれば、かなりの確立でゴールまで行けるらしい(←この書き方が出会い系のCMなんですよ・・・反省)。
3
そんな吉沢の貴重な体験をひとつ紹介してみよう。
山内宅のお姉さん(推定26歳・キャバクラ嬢)の場合。
マンションに一人暮らしのそのお姉さんは、「3日前から洗濯機が動かないの!」と慌てて電話をしてきた。
3日間も洗濯をしてないなんて考えられねぇ女だなぁ、などと思いながら現場に直行した吉沢は、そのお姉さんの派手な恰好と化粧を見て「なぁんだキャバ嬢か。なら考えられるわ」と静かに笑った。
お姉さんは狂ったように吠えまくるチワワを抱きしめながら「洗濯機さんどうしちゃったんだろうね・・・」などと心配そうにチワワに話し掛けている。
かなりバカっぽい。
吉沢が洗濯機の蓋を開けると、そこには3日分の洗濯物が底の方に少しだけ転がっていた。
3日分にしては少ないなぁ・・・と思いながらも、中を漁って見るとそのほとんどが下着、Tシャツ、タオル系といった軽い物ばかりだった(出勤時に着ていくようなドレスやスーツ系は宿敵のクリーニング屋が持って行ったらしい)。
その時吉沢は、あえて洗濯機の中身を外に出さずして洗濯機の中に顔を押し込んだ。
チワワと戯れているお姉さんを横目に、洗濯機の底で、お姉さんのパンティーを開き、そのクロッチの汚れをスリスリと指で触る吉沢。
「ミュウちゃん、早く洗濯機さんが直ってくれるといいねぇ~」
洗濯機の外から、チワワに話し掛ける馬鹿キャバ嬢の声が聞こえる。
洗濯機の中に顔を押し込むすぐ隣りにそのお姉さんはいるのだ。
そんな状態の中、吉沢はそのお姉さんの下着のシミを鼻に近づけた。
キツい香水の香りと共に汗と小便が混じり合う卑猥な匂いが漂っていた。
ついでにチロッと舐めてみる。
かなり塩っぱい。まるで酢昆布のように塩っぱい。
お姉さんは自分の分泌物が今まさに目の前でこうして舐められているとは夢にも思っていないだろう。
そう思うと、吉沢の興奮度はグングンと上昇していった。
「まだ掛かりそうですかぁ?」
そこに立っているのに飽きて来たのか、お姉さんは洗濯機の中の吉沢にそう聞いて来た。
「・・・はい・・・ちょっとこのドラムを外してみないと原因がわかりませんので・・・」
と、吉沢はクロッチをベロベロと舐めながら答える。
「じゃあ、あっちの部屋にいますから、何かありましたら呼んでくださ~い」
そう言って馬鹿キャバ嬢はチワワと共に去って行った。
吉沢は、奥の部屋でペタンと腰を下ろしテレビを付けたお姉さんを見届けると、別のパンティーを取り出し、それを顔面に押し付けた。
先程の酢昆布とは違い、こっちのパンティーは少し匂いがキツかった。
クロッチにカリカリと付着していたシミは、モアッとしたチーズの香りがした。
ちょっと臭いくらいが人間らしくていいや・・・とそのシミを綺麗に舐め尽くした吉沢は、続いて勃起したペニスを取り出しソレをペニスに被せた。
パンティーを被せたペニスをシコシコとしながら、こっそりと奥の部屋を覗く。
お姉さんはまさか洗面所でこんな変態行為が繰り広げられているとは思いもせず、のんびりとワイドショーなんかを眺めていた。
と、その時、いつの間に来たのだろうか、いきなり足下でチワワがキャンキャンと吠え出した。
チワワは吉沢のその変態的行為を動物的直感でわかっているのか、まるで泥棒に吠えるかのように激しく吠えまくった。
「こぉらぁーミュウちゃん!」
チワワの声を聞いたキャバ嬢はいきなりガバッ!と立ち上がり、そして物凄い勢いでこちらに突進して来た。
「わぁ!」と、慌てる吉沢。
吉沢は素早くパンティーを洗濯機の中へ投げ入れ、ペニスをスボンの中に押し込んだ。
ふいにキャバ嬢と目が合う。
キャバ嬢は大きな目を吉沢に「?」と向けながらチワワを抱きかかえた。
さすがキャバ嬢。よく見るとかなりカワイイ。
「あぁ、今、御呼びしようかと思ってまして・・・」
吉沢が笑って誤魔化すとキャバ嬢は「ん?」と首を傾げた。
「はい。今、調べてたら洗濯槽が歪んじゃってんですよね・・・最近、何か大きなモノを洗いました?」
本当はそんなとこ調べてない。
パンティーしか見てないのだ。
「え~・・・最近、洗濯してないからわかんない・・・」
キャバ嬢は口を尖らせながらそう言うと、なぜか「うふっ」と笑った。
「そうですか・・・じゃあちょっと下の手動スイッチを入れてみますので、すみませんが洗濯槽を押さえててもらえませんかね・・・」
デタラメ言ってる吉沢は、下の手動スイッチってなんだ?と吉沢自身がそう思い笑いそうになった。
「あ、はい」
キャバ嬢は、チワワを床に下ろすと洗濯機の前に行き「・・・どうすればいいんですかぁ?」と吉沢を見た。
「はい、私が今から洗濯機の裏にあるレバーを引っ張りますので、お客様は洗濯機の底を押さえてて下さい」
吉沢がデタラメにそう言うと、キャバ嬢は洗濯機の中に「よいしょ!」と頭を突っ込み、中から「こうですかぁー」とエコーを効かせてそう言った。
「はい、ではそのまま少しの間そうやって押さえてて下さい、私は洗濯機の裏に入りますから」
吉沢は洗濯機の中に顔を突っ込むキャバ嬢にそう言うと、静かに床に身を伏せながら洗濯機の裏に手を突っ込むと、ゆっくりと顔をあげた。
吉沢の目の前で、小柄ながらも肉付きの良い尻がプリプリしていた。
あまりにもパンティーが小さすぎて尻肉はプニプニとはみ出している。
吉沢はキャバ嬢のスカートの中を覗きながらペニスをズボンから出した。
「あっ、もう少し強く押してもらえますかね・・・」
吉沢はわざとそう言った。
キャバ嬢が踏ん張ればもう少しはオマタが開かれるのではないかと考えたのだ。
「う~ん・・・・こんな感じ?」
洗濯機の中のキャバ嬢はいたって真剣だ。
軽く爪先立てながら、更に洗濯機の中へと潜って行った。
「そうです、そうです、ではそのまま少しだけそうしてて下さい・・・」
吉沢はパカッと開かれたキャバ嬢の股間を覗き込みながら、左手で洗濯機の裏をガサゴソすると右手でペニスをシゴいた。
ローアングルから覗き込む吉沢は、キャバ嬢の股間を食い入るように見つめる。
薄ピンク色したややTバック気味なパンティーの股間には、薄らとオリモノ系のシミが浮かんでいるようにも見えた。
吉沢はポケットからハンカチを取り出すと、ソレをペニスに被せる。
発射準備だ。
と、その時、そのハンカチを見たチワワが、遊んでもらえるのかと勘違いしたらしく、ハンカチに噛み付いた。
こっそりと引き離そうとするが、しかしチワワはそれを遊んでくれていると思い込み、更にじゃれついてくる。
「なんかこの体勢、辛いんですけど・・・・」
洗濯機の中でキャバ嬢がもがいている。時間がない。
背に腹は変えられないと、吉沢は、キャバ嬢の股間を見つめながら射精した。
ハンカチの隙間から精液が容赦なくチワワの顔に飛び掛かる。
「うっ・・・・」
床で両足をスリスリと擦り合わせながら絶頂に達した洗濯修理人。
チワワに顔射するという貴重な体験の持ち主である。
4
この他にも吉沢は数々な貴重(エロ)な体験をしている。
キャバ嬢のケースではオナニーに過ぎなかったが、しかし、実際にプレイに及ぶ事もしばしばあるという。そんな吉沢の極めつけの体験は、訪問した先の奥さんが「痴女」だったという事だ。
そんな変態体験談をひとつ御紹介しよう。
その奥さんは訪問した時から何か様子が変だった。
その奥さん(推定34歳)は、服装も表情も普通なのだが、しかし、その雰囲気が何やら変だった。
どう変なのかと言われても上手に表現できないのだが、ま、例えるなら「今、AV見てる最中です」や「今、オナニー始めた所なのよ」といったような、どこかムンムン&モヤモヤとしたスケベーな雰囲気がその奥さんには漂っていたのだった。
吉沢は奥さんから洗濯機の故障具合の説明を受けながら、こっそり奥さんをエロ妄想してみた。
奥さんは日課である「お昼のオナニー」の為、寝室にひとり籠りお気に入りのAVを見てはクリトリスにローターをビィ~ン・・・と走らせていた。
そこにピンポ~ンとチャイムが鳴る。
奥さんは「しまった!今日は洗濯機修理屋が来るんだった!」と慌ててベッドから起き上がり、AVが流れるテレビのスイッチを消すと、パンティーを半分下ろしたまま急いでローターを棚の中に隠した。
奥さんは途中でオナニーを中断された悶々とした気分の中、玄関に向かう。
どうせ蛭子能収のような顔したいつもの修理人だろうと何気なくドアを開けると、そこには思いもよらぬジャニーズ系の青年が白い歯をニカッと出して笑っていた(※これはあくまでも吉沢の妄想です。本当の吉沢はエスパー伊東に似ています)。
奥さんは濡れたままの膣をピクンッと反応させながら、若い修理人にスリッパを出した。
洗濯機の置いてある脱衣場に修理人を案内する間も、奥さんの膣からはドロドロとした性欲の汁が垂れ流れている。
奥さんはいつもAVのフェラシーンでイク派だ。
今見ていたAVは、まさに奥さんの大好きなフェラシーンを映し出していた。
それを見ながらプックリと膨れたクリトリスに、電池交換したばかりの元気の良いローターを押し付けていた奥さんは、その快感が甦り、いつしか若い修理人の股間ばかりに目が行くようになってしまった。
(この子。いったいどんな形をしているのかしら・・・若いから、さぞかしアレは固いでしょうね・・・ウチの旦那と違って・・・・)
奥さんは、かれこれ10年、旦那以外の男を受け入れていない。
10年前にスーパーの若い店員と何度か肌を合わせた事があったが、若い店員が結婚してしまってからというもの、旦那以外の肉棒を目にする事すらなくなっていた。
(若い肉棒が見たい・・・若くてカチカチな肉棒を触りたい・・・・)
奥さんは悶々とした気分で、この若い修理人の股間を眺めていたのだった・・・・・。
「ねぇ、聞いてんのアンタ?」
奥さんのキツい口調で吉沢は現実に戻された。
「は?あ、はい」
慌てた吉沢はテーブルの上に置かれた洗濯機の保証書に目を向ける。
「は?じゃないわよ、しっかりとコレみてよね、ったく、電車に轢かれたエスパー伊東みたいな顔して頼りないんだから・・・」
吉沢は京王線の線路でぐったりと倒れているエスパー伊東をふいに想像した。
「ここにさぁ、ちゃんと『保証します』って書いてあんでしょ!ほら、よく見なさいよ!」
奥さんは保証書をコンコンと指で叩きながらソコを指差す。
保証書には『保証します』とは書いてあるが、しかしそれは『3年間だけ保証します』という意味の事が書いているわけで・・・この家の洗濯機は貴乃花と宮沢りえが婚約した時代の商品であり・・・保障の3年間はとっくに終わっているのだ。
「だから新しいのに交換してよ」
奥さんは吉沢にお茶を出しながらそう言った。
「しかし、これは3年保障の商品でございまして・・・」
吉沢がズズズッと茶をすすりながらそう言うと、奥さんは「そこをあんたの力でなんとかしてよ・・・」と妙に色っぽい声でそう言った。
「ぼ、僕の力と言いましても・・・僕なんてただの修理人ですから・・・ははははは」
吉沢はニヤニヤと笑いながら茶を飲み干すと、「とりあえず見てみますよ」と席を立ちあがった。
狭い脱衣場は物が散乱していた。
足下に転がる子供用シャンプーを拾いながら、一番奥に置いてある洗濯機の前に立った。
吉沢は、この蓋を開ける瞬間が好きだった。
他人の家の洗濯機を覗くという事は、その家庭の生活全てを覗くに等しいと吉沢は思う。
冷蔵庫を覗く冷蔵庫修理人、トイレを覗くクラシアン、寝室を覗くエアコン修理人・・・・
家庭の見られたくない、いわゆる恥部を堂々と見る事ができる色々な業者達。
そんな業者達の中で、最も家庭の恥部ともいえる洗濯機の中を堂々と見られる洗濯機修理人。
吉沢はそんなこの仕事に誇りを持っていた(←アホ)
吉沢はワクワクしながら洗濯機の蓋を開けた。
思った通りだ。洗濯槽の中にはこれでもかというくらいに洗濯物が押し込められていた。
「奥さーん、洗濯機の中を見たいんで、洗濯物出してもいいっすかぁー」
吉沢は廊下から顔を出しリビングにいる奥さんに声を掛ける。
「ごめんねー、その辺に置いといてちょうだーい」
奥さんの声が戻って来た。
吉沢は、大量の洗濯物をひとつひとつ取り出した。
バスタオルと枕カバーの下から旦那のブリーフが出て来た。
あの奥さんの年齢からしても旦那さんはまだ30半ばだろ?まだ若いのに、ブリーフってのも珍しいなぁ・・・
などと思いながら旦那のブリーフを指先で摘まみ上げると、それをヒョイ!と床に投げ捨てた。
続いて娘のパンツが出て来た。
さっきリビングに娘が書いたと思われる「お母さんの似顔絵」が張ってあった。
その似顔絵に「4年2組」と書いてあったのを吉沢は見逃さなかった。
小学四年生のパンツか・・・・
何気なくそのパンツを開く。
小学生ながらもそこには黄色いシミがぼんやりと付いていた。
とたんに小学生のシミに興味が湧いて来た吉沢は、奥さんがやって来ないかと一度廊下を覗き、奥さんの気配がないことを確認すると、そのパンツのシミにそっと鼻を近づけてみた。
ツーンと鼻を刺激する小便残り汁臭。
吉沢はカーッと頭に血が上り、そのシミにベロベロと舌を這わした。
なにかとってもいけない事をしているような気がした。
奥さんやお姉さんの下着と違い、小学生の下着には、そんな後ろめたさが付きまとう。
パンツのクロッチが唾液で湿ってしまう程に舐め尽くした吉沢は、小学生の下着を床に放ると再び洗濯機の中を漁った。
いよいよ本題の奥さんの下着だ。
胸をワクワクさせながら1枚1枚洗濯物を出して行くと、ショッキングな光景が吉沢の脳を襲った。
な、な、なんだよコレ・・・・
吉沢が恐る恐るそのブツを摘まみ上げてみる。
それは黒いヒモだった。
ヒモといっても普通のヒモではない。下着らしき物が付いているヒモだ。
吉沢は、これはヒモなのかそれとも下着なのか?と思いながらも、延々と続く長い黒ヒモを洗濯機の中からスルスルと引っ張った。
ヒモを取り出し、それを広げて見てみるとなんとなく状況がわかってきた。
そう、それはまさしくSMで使用されるような拘束着のような物だった。
スゲェ・・・・・
雑誌やネットではよく目にする物だが、こうして本物を見るのは吉沢は初めてだった。
下着の部分を開いて見てみる。
シミは発見されなかったが、しかしコレを使用した時はかなり濡れていたのであろう、そこはバリバリと音がたつくらい乾いた愛液が染み込んでいた。
あのプルプルの奥さんの体にこんな物に巻き付かれていたのか・・・・
いったい旦那さんとどんなプレイをしたんだろう・・・・
バリバリに乾いた下着部分を舌先でペロペロと舐めながら、ズボンの中で爆発しそうな股間をモミモミとしていると、ふいに後から「あんた何してんの?」という奥さんの声が聞こえた。
ビクッ!と体を揺らした吉沢は、振り向かずに慌ててその黒ヒモ下着を床に落とす。
そして「え?」と後を振り向いた。
奥さんが真剣な表情でジッと吉沢の目を見ている。
しばらく沈黙が続いた後、壁に凭れかかった奥さんは「今、あんたソレ舐めてなかった?」と聞いて来た。
「え!・・・・いや・・・はい・・・す、すみません・・・・」
「あんた変態?」
奥さんが聞く。
変態はおまえたち夫婦だろ!いい歳こいてブリーフなんか履きやがってからに・・・・と、言ってやりたい所だったが、吉沢はゆっくりと俯きながら「すみません・・・」と項垂れたのだった。
奥さんはそれからもまたジッと吉沢を見つめ続けた。
奥さんに見つめられながら、吉沢はどうしていいものかと焦りながらただ俯いているだけだ。
「・・・・それ見て、興奮したの?」
いきなり奥さんがセンセーショナルに沈黙を破った。
「・・・あ、はい・・・いったいどんな下着なのかと思いまして・・・・」
吉沢は指をモジモジさせながら呟いた。
「そーいうの見た事ないの?」
「・・・・はい。本物は初めて見ました・・・」
「興味ある?」
「・・・少しだけ・・・」
奥さんはジッと吉沢の目を見つめたまま「ちょっとこっちにいらっしゃい」と言うと、リビングの方へとスリッパを響かせて行った。
(マジかよ・・・・・)
嬉しさと不安さが入り乱れた吉沢は、それでも何かを期待しながら奥さんの後に付いて行った。
奥さんはそのまま二階の階段を上がると、突き当りにあるドアの前で吉沢を待っていた。
吉沢が階段を昇りきると、「こっちに来て」といいながら部屋の中に入って行った。
そこは寝室だった。
奥さんはベッドの横にあるクローゼットの中をガサゴソと漁ると、中から数本の縄を出した。
「興味あるんでしょ・・・なら見せたげるわよ・・・」
奥さんは実にいやらしい表情でそう言いながらスルスルッとワンピースを脱ぎ始めた。
(スゲェことになったぜ・・・でも、俺が叩く方か?それとも叩かれるほうか?・・・ま、どっちでもいいや)
SMといえばムチで叩くか縄で縛るかはたまたローソクを垂らすかといったそれだけの知識しかない吉沢は、これから先、いったいどーなってしまうのかと「ガチンコ」的に胸をワクワクさせていた。
奥さんは全裸になると、とんでもなく巨大なディルドを取り出し、ディルドの裏に付いていた吸盤をペタン!と叩かせテーブルの上に貼付けた。
それはとてもリアルなディルドだった。
そのディルドの半分以下しかない自分のペニスとソレを比べた吉沢はとたんに腰が引けた。
奥さんは自分で手際よくスルスルと縄を音立てながら、縄を自分の腕に巻いて行く。
腕を後に回した奥さんは、そのまま吉沢に背中を向けると「ここを縛って」と甘えた声を出した。
吉沢はどうやって縛っていいのか専門的な事はわからなかったが、とりあえず、中古洗濯機を発注する時に毛布にくるめて荒縄で縛る要領で、奥さんの両腕を後に縛り上げた。
「あなた、上手いじゃない・・・」
奥さんがニヤッとスケベな口元を開きながら笑う。
奥さんは吉沢に見つめられながら、テーブルの上のディルドをペロペロと舐め始めた。
しゃがんでいる奥さんの股間にはパックリと開いたオマンコが汁を垂らして輝いていた。
吉沢は、机の下の奥さんの股間をさりげなく覗きながらも、勃起したペニスを触りたくてウズウズしていた。
「オナニーしてもいいのよ・・・」
腕を後に縛られた奥さんはそう笑うと、ゆっくりと巨大ディルドを口の中に飲み込ませていった。
ジュボジュボという卑猥な音を間近で聞いていた吉沢は、もう我慢できないとペニスをズボンから捻り出した。
そして、奥さんの上下に動く顔のリズムに合わせながらペニスを上下にシゴいた。
そんな吉沢のオナニーシーンを見ていた奥さんは、急に興奮が増して来たらしく、ヌポッと口からディルドを抜き取ると、唾液で濡れたディルドの上にゆっくりと腰を落としたのだった。
奥さんのオマンコの中に何の抵抗も無くヌプヌプと沈んで行く巨大ディルド。
吉沢は堪らなくなり、奥さんの後に回ると、その結合部分を間近で見つめた。
「あぅ・・・あぅ・・・あぅ・・・・」
とリズミカルに腰を振る奥さんがHな声を出し始めた。
「・・・見てる?・・・見てる?・・・」
奥さんが後の吉沢に呼びかける。
「はい、ちゃんと見てます」
「・・・あぅ・・・あぅ・・・見ながらオナニーして・・・・あぅ・・・」
吉沢はシコシコシコシコと高速でシゴきながらもその結合部分に鼻を近づけた。
ディルドのゴムの匂いと、奥さんのチーズ臭が混じり合って摩擦された複雑な匂いだった。
「あぁ・・・奥さん・・・僕、イキそうです・・・・」
吉沢がそう言うと、奥さんは「あぁぁ!あぁぁ!」と更に声を高めながら「いいわよ!お尻にぶっかけて!あぁぁぁ!」と叫んだ。
絶頂寸前の吉沢は、激しく腰を振る奥さんのどさくさに紛れて、ディルドと奥さんの結合部分に舌を伸ばした。
塩っぱい味覚とヌルヌルとしたヒダの感触。
吉沢は頭をクラクラとさせながら「奥さん、僕、奥さんとヤリたいです・・・入れさせて下さい・・・」と呟き、もう堂々と結合部分をベロベロと舐め出した。
「あぁぁ!もっと言って!もっといやらしい事言ってちょうだい!」
奥さんが狂気に満ちた声でそう叫ぶ。
「奥さんのオマンコにペニスを入れたいです!もう我慢できません!ジュルジュルに濡れている奥さんのオマンコにペニスを入れさせて下さい!」
吉沢がそう叫ぶと、奥さんは「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」と異様に長い喘ぎ声を出しながら果てたのだった。
奥さんはヌプっとディルドから腰を上げると、吉沢に近付き「その手拭で目隠しして」と甘えた声を出した。
吉沢はセンズリしていた手を止めると、クローゼットの中にある段ボールの中に畳んであった日本手拭を手にした。
「こ、これでいいんですか?・・・」
吉沢が鉢巻きするように自分の目にソレを巻くと、奥さんが「違う。私の目を隠してって事よ」と可笑しそうに笑った。
吉沢が奥さんの目に手拭を巻くと、目が見えなくなった奥さんはそのままベッドの上にドタっと倒れ込み、そしておもいきり股を大きく開くと、そのままゆっくり四つん這いになった。
猛烈な勢いで尻を突き上げている奥さんのソコは、膣や尻の穴がパックリと開き、奥さんのピンク色した内臓までもが覗き込めた。
「・・・犯していいわよ・・・・」
奥さんは喉を轢く突かせながらそう呟いた。
吉沢は、急いでズボンを下ろすと、下半身だけ裸になった。
過去に散々なる間男経験のある吉沢は、いつもこんなケースでセックスをする時には全裸にはならない。
そう、いつ旦那が帰って来るかもしれないからだ。
ある時など、いきなり旦那が帰って来た事があり、慌てた吉沢は全裸でベランダに隠れると、そのまま朝まで放置されたことがあった。
その時は幸いにも夏だったからいいようなものの、あれがもし冬だったらと考えると今さらながら背筋をゾッとさせる吉沢だった。
吉沢は、ビンビンに勃起したペニスを剥き出しにすると、そのままベッドの上に腰を下ろした。
まずは奥さんのアソコをじっくりと観察し始めたのである。
「何してんの・・・・ヤリたいんでしょ・・・だったら早く犯しなさいよ・・・・」
奥さんは吉沢の鼻息を股間に感じながらそう呟く。
吉沢は奥さんに急かされながらも、しかし、ここはひとつ賭けに出てみる事にした。
「・・・奥さん・・・奥さんのココってとっても汚いですね・・・・」
吉沢はそう言いながら奥さんのアナルに人差し指でグリグリと押した。
「・・・・いや・・・なにしてんの・・・・やめなさい・・・・」
言葉ではそう言いながらも奥さんは気持ち良さそうに尻を振っている。
「奥さんの汚いオマンコ・・・舐めてみていいですか?・・・・」
吉沢はわざと「汚い」を強調させてそう言った。
「・・・いや・・・・やめて・・・」
奥さんの口調が「やめなさい」から「やめて」に変わった。
吉沢は、やっぱりこの奥さんはマゾなんだ、苛められる事に快感を覚えているんだ、と確信する。
吉沢はオマンコの周りをネチネチと舐め回しながら「とっても臭いオマンコですね・・・」と罵る。
「あぁ!・・・・いや・・・やめて下さい!・・・・あぁ!」
続いて「やめて」から「やめて下さい」に変わると、吉沢はメキメキと自信をつけた。
パシン!と奥さんの丸い尻を叩いてみた。
「あん!」とそれにすぐ反応してくれる奥さん。
吉沢はオマンコの中にいきなり四本の指を差し込みながら「いいんですか奥さん、本当にヤっちゃっても・・・」と意地悪そうに聞いた。
「・・・はい・・・・犯してください・・・・」
奥さんはベッドに押し付ける顔を右に左にと何度も振りながら悶えている。
「こんな業者に犯されたなんて旦那さんが知ったら・・・・旦那さんが怒りませんか?・・・・」
「あぁぁ!・・・・主人の事は・・・・主人の事は言わないで下さい・・・・」
吉沢は指から垂れて来た奥さんのマン汁をジュルジュルと吸いながら、「こんな事、旦那さんに内緒でいつもしてるんですか?」と聞いた。
「・・・・あぁん!・・・・いや・・・苛めないで下さい・・・・あん!」
「ダメです。・・・正直に言いなさい。旦那さんに内緒で業者とセックスをした事があるんでしょ?・・・正直に白状しないとペニスを入れてあげませんよ・・・・」
「あぁぁ!・・・・はい・・・・しました・・・・・」
「誰と」
「・・・・・水道屋さんです・・・・あぁぁもう許して、お願い入れて!」
吉沢は指を激しくグリグリさせながら(くそう!クラシアンの野郎に先を越されたか・・・)と少しだけ悔しんだ。
「他にもいるでしょ・・・酒屋さんとかクリーニング屋さんとか・・・」
吉沢はギトギトになった指を抜くと、次はペニスの先を奥さんのオマンコにグチャグチャと捏ねくり回しながら聞いた。
「・・・・はい・・・・」
「誰ですか?旦那に内緒でこの汚いオマンコをヤらせた業者はいったい誰ですか?」
「・・・宅急便・・・です・・・・」
「ほう、宅急便ですか・・・・どうやってヤらせたんですか・・・・」
「・・・玄関で・・・玄関でレイプされました・・・・あぁぁん!」
吉沢のペニスの動きが速くなる。
吉沢の亀頭は奥さんの汁でネチャネチャに糸を引いていた。
「本当にレイプ?・・・・本当は奥さんが誘ったんじゃないの?・・・」
「あぁぁん!・・・・そうです!・・・・私がスカートの中を見せたりしてあの子を誘ったんです!・・・あぁぁ!もう無理!・・・早く犯して!」
ここらが潮時だ。
吉沢はぐっ!と腰を突き上げ、ペニスを奥さんのオマンコの中に捻り込んだ。
「あぁぁぁぁ!あぁぁぁ!気持ちイイ!気持ちイイ!」
奥さんは大声で叫びながら腰を振る。
吉沢は奥さんの激しく上下に振る尻を押さえながら、ペニスを何度も何度も深く突き刺した。
「あぁぁぁ!あぁぁぁ!気持ちイイ!オマンコ!オマンコ!気持ちイイ!」
奥さんの叫び声と同時にパンパンパン!という激しい音が寝室に響いていた。
と、その時、誰かが階段をトントンと駆け上がってくる音が聞こえた。
奥さんは急にシラフになると「紀香だわ!」と小さく叫んだ。
「おかーさーん!どこー!」
廊下で叫ぶ娘の声に、いきなりガバッとベッドから起き上がった奥さんは、目隠しされた状態で後ろ向きになりながら慌ててドアに駆け寄ると、背中からガチャンと鍵を掛けた。
「おかーさーん・・・・」
娘はそう言いながら寝室のドアノブをガチガチと回した。
危ない所だった。
「紀香ちゃん、おかえりなさい」
奥さんが後手に縛られたままドア越しに囁きかけた。
「・・・何してるの?」
ドアの向こうの娘が不安な声を出した。
吉沢はあの小便臭かった少女のパンティーの匂いをふいに思い出した。
「うん、あのね、今、このドアが壊れちゃったから、ドア屋さんに直してもらってるのよ・・・」
目隠しされたままの奥さんは、ドアに体を凭れかけながらそう言った。
「ふ~ん・・・あのね、今日ね、音楽のテストがあったの。紀香ね笛のテストで100点とったのよ!」
何も知らない娘がドアの向こうでそう叫ぶ。
吉沢は、そのまま奥さんの体をドアに押し付けると、再びオマンコの中にペニスを突き刺した。
「うっ!・・・・」
奥さんの声が漏れる。
娘はその声には気付かず、まだ音楽のテストに付いてあれこれと語り始めている。
「娘さんが目の前にいるというのに・・・・奥さんは獣のように変態ですね・・・・」
吉沢が小声でそう呟くと、奥さんは「さっきみたいに激しくして・・・」と息を漏らした。
吉沢は、ベッドの下に散乱していた奥さんの衣類の中から奥さんのパンティーを手にすると、それを奥さんの口の中に押し込んだ。
そのシチュエーションがかなり効いたのか、奥さんはそれだけで既に「うんうん」と悶え始めている。
パンパンパンパン!と激しい音が再び響き始める。
娘は「じゃあここで吹いて聞かせてあげるね」と言いながら、リコーダーでヘンテコリンな曲を吹き始めた。
立っていた奥さんを床に押し倒し、正常位でがっぷりと奥さんの体を抱きしめる。
プンと熟女の化粧品の香りが漂い、それが更に演出を高めてくれた。
床の上で娘の笛の音を聞きながら悶え狂う変態主婦。
吉沢が「奥さんイキそうです!」と言うと、奥さんは猿ぐつわをされたまま「中で出して!」と叫んだのであった。
5
そんな、やりたい放題の洗濯機修理人・吉沢は、次なるターゲットを目指しトラックを走らせていた。
今度のターゲットは大物だった。
ハンドルを握る吉沢の手にはベットリと汗が滲んでいるほどだ。
信号で止まった吉沢は、助手席に置いてあった注文書にもう一度目をやった。
「○○町二丁目サンフレンドロイヤルコート1202号室・池上様宅・衣類乾燥機・パナンニックNH-D602P・途中で止まる」
1ヶ月前に洗濯機を配達した時のあの池上の奥さんを思い出す。
推定年齢40歳。
ゴージャスなマンションに住みながらも全くタカビーな態度を見せず、吉沢達のような業者に対しても立派な応接室で上質なコーヒーをご馳走してくれたほどの奥さんだ。
サラサラの清潔的なヘアー。
グラマーな胸元。
真っ白な肌とそしてキラキラと輝く大きな瞳。
「清純」という言葉が相応しい、まさにセレブな奥様なのだ。
しかし、その清純さとは裏腹な面がこの奥様にはある。
それは、配達の帰りに森下から聞いた。
「あの奥さん、パチ屋の会長の二号さんであのマンションに囲われてんだけどよ、元々は銀座でママやってたらしくてさぁ、アッチのほうはスゲェらしいぜ」
森下は、持参した「JUDY AND MARY」のやけに古くっさいカセットテープを巻き戻ししながらニヤニヤ笑った。
「どうしておまえがそんな事知ってんだよ」
助手席の吉沢は煙草を吹かしながら森下の顔を怪しむように見る。
森下の話しの中に、銀座、六本木、TBS、右翼の大物、億の金、1万坪の土地、知り合いの親分、田中角栄、といったキーワードが含まれている時は大概ハッタリだ。
「北林さんっているだろ」
「あぁ、あの掃除屋のか」
「そう。これは北林さんから聞いた話しなんだけどね・・・・」
北林というのはこの界隈の雑居ビルやパチンコ屋、マンションといった物件の清掃を一挙に引き受けている清掃会社の社員だ。
「あの奥さんは相当なヤリマンなんだけど、パチ屋の会長がすげぇヤキモチ焼きらしくてさぁ、それで一歩も外に出してもらえねぇらしいんだ」
吉沢は、レベルの低い業者間でのありふれたデマのひとつにすぎないと、曖昧に聞きながらも大きなアクビをした。
「あ、吉沢もしかして信用してない?」
森下が助手席の吉沢を見る。
この男は「信用する・信用しない」のレベルに妙に執着する男だ。
「信用しない」と言うと、相手が「信用する」というまでしつこく話し続ける面倒臭い性格だった。
「実際、北林さんもヤったらしいぜ」
森下はどうしても信用させたいらしく爆弾的に発言を繰り返す。
「こないだ北林さんがマンションの廊下を掃除してる時に、奥さんから『お茶をどうぞ』なんて部屋に誘われたんだって。そんで北林さんは部屋に案内されるんだけど、二人の話しがすげぇ盛り上がっちゃったらしくてさぁ、そんでアレやコレやとするうちにアッチの方向に行っちゃって、んで、いきなり奥さんにチンコ舐められ始めたらしくてね、北林さん舐められながら奥さんのパンツん中に手を入れたらもうヌルヌルだったらしいぜ・・・・」
森下は「ヌルヌル」という言葉をやけに強調して言った。
吉沢はもう相手にしていなかった。
先日も森下は「実は俺、のりPが逃げてる時に巣鴨のネカフェでのりPを目撃してんだよね」と言い切っていた。
この男の話しはこいつの親ですら信用していないほどだ。
しかし、今、その奥さんのマンションに一人で向かおうとしている吉沢は違った。
少しでもモチベーションを高めようと、そんな森下のハッタリ話しまで信用しようとしているのだ。
(元銀座のママ・・・・ヤリマン・・・・パチ屋の二号で欲求不満・・・・ヌルヌル・・・・)
それらの森下単語を頭の中でグルグルとリピートさせながら、吉沢はマンションの地下駐車場にトラックを止めた。
BMW、ベンツ、アウディーといった高級車ばかりが止まっている地下駐車場。
数年前、ホリエモンがこの駐車場で芸能レポーターからインタビューされている映像をテレビで観た記憶がある。
エレベーター通用口にあるインターホンで1020号室を呼び出す。
しばらくして実に色っぽい声の奥さんが「はい」と出た。
「○○電気です。洗濯機の修理に参りました」
吉沢が告げると、セレブな奥様は「はーい」と明るい声で答えてくれ、そしてギー・・・ガッチャ!とオートロックを開いてくれた。
吉沢はエレベーターに乗り込むと、セレブなヤリマン奥様のパンティーのシミを妄想した。
そしてあの巨乳っぽい白い乳房に顔を埋める自分を想像し、12階に付く頃にはギンギンに勃起していた。
ドキドキしながら廊下を進む。
この廊下を北林さんが掃除していたのか・・・・と思うと、ふいに森下の「ヌルヌル」が頭を過った。
1202号室の前で深呼吸をした吉沢はチャイムを押す。
セレブな奥様のマンションのチャイムはベルではなくメロディーだった。
カチャと扉が開き、中からモアッとバラの香りが飛び出し吉沢を包み込んだ。
「どうぞ、中にお入りになって」
そう微笑むセレブな奥様。
吉沢は、玄関で靴を脱ぎながら、やっぱりこの奥様は「どうぞ、中にお出しになって」というんだろうな、と1人静かに微笑んだのであった。
(おしまい)
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