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吐泥(へろど)32

2013/06/13 Thu 00:01

 恐らく妻は、こんなシーンを見るのは初めてだった。いや、私の持ってる裏DVDで、こんなシーンは何度か見た事があるだろうが、しかし生で見るのは初めてに違いなかった。
 そんな妻は、ついさっきまで見知らぬタクシードライバーのペニスをしゃぶっていたのだ。そして今まで、ポルノ映画を観ながらローターでオナニーをしていたのだ。
 そんな妻が、こんなモノをまともに見せつけられて普通でいられるはずがない。そう確信した私は、腰をコキコキと振りながら掛け布団の端を摘んだ。そして布団の中をソッと覗いてみると、案の定、妻の指は、ぐっしょりと濡れたクロッチをグイグイと押していたのだった。

ウツボ148

 それを目にした瞬間、私は強烈な高揚感に包まれた。
 妻が変態だったという喜びと、自分がオナニーのネタにされているという快楽。そしてこのまま行けば、妻をサウナに連れ込むことができるという興奮が私を激しく歓喜させ、まるで浴槽の湯にバスクリンを入れた瞬間に香り立つ湯気に包まれたような、そんな多幸感が脳に溢れた。

(イけ。イきなさい。夫と他人女の醜いセックスを見ながらイくんだ)

 そう思いながら、妻の淫らな指の動きを布団の隙間から覗く私は、狂ったようにペニスをピストンさせ、そこに激しい粘着音を響かせた。
 すると、そんな私の思いが通じたのか、それまで膝をスリスリと擦り合わせていた妻の両足が、いきなり背伸びをするかのように伸び始めた。
 イきそうだな、とそう読み取った私は、今から訪れる妻の絶頂をより激しく、より劇的なものにしてやろうと思い、その瞬間に合わせて射精してやろうと思った。
 さっそく私は、その古い油のような匂いが漂う豚女の耳に唇を這わせ、「出るよ……出そうだよ……中で出しちゃうからね……」と、わざと妻に聞こえるように囁いた。
 それが私の意図的なセリフだとは知らない豚女は、「ダメ……ダメです……外で出してください……」と激しく首を振った。しかし、そんな豚女の緊迫した仕草と、そのリアリティーあるセリフが、一触即発だった妻のスイッチを押した。
 ピーンっと伸びていた妻の爪先がピクピクと痙攣した。それを見て(イッた!)と確信した私もすかさず射精し、穴に挿入したまま尿道をドクドクさせた。

ウツボ149

 射精に気づいた豚女は、慌てて「あっ! ダメです!」と叫びながら勢いよく腰を上げ、射精中のペニスを抜いた。
 豚女は、プロとしてあるまじき事をしでかした。素人女が無理矢理ナマでヤられていたわけでもあるまいし、最初からナマでヤらせていた玄人女が、既に射精中のペニスを強引に抜くなど、倫理上、絶対にやってはならない行為なのだ。
 が、しかし、今のこの状況では、逆にそれは良い結果となっていた。
 もちろん、射精中の私にとっては、せっかくの快感が半減してしまう結果となってしまったが、しかし、それをこっそり盗み見しながら絶頂に達していた妻にとっては、その生々しい射精の瞬間を目撃する事により、更に絶頂感を昂める事ができたはずだ。

ウツボ150

 そう思った私は、射精中のペニスを慌てて握りしめ、もっともっと妻に楽しんでもらおうと、勢いよくそれをシゴいた。
 びゅっ、びゅっ、と噴き出す精液は、パックリと開いたままの豚女の陰部にビタビタと飛び散った。
 私はネトネトと糸引くペニスをくちゃくちゃと摩擦しながら、しばらくの間、「むふぅぅぅぅぅぅぅ……」と快楽の唸りを上げていた。
 その唸りは、決して豚女との性交が気持ち良かったからではなかった。私のその快楽が長々と持続していたのは、掛け布団の隙間から見える妻の股間のおかげだった。
 なんと妻は、今まで下着の上から局部をクニクニと弄っていた指を、私が射精すると同時に下着の中に潜らせたのだ。そして私の射精シーンを見ながら下着の中をモゾモゾさせ、その静まり返った布団の中にグジョグジョと卑猥な音を響かせていたのだ。

ウツボ151

 そんな妻の秘密めいた行為に、私は妻の本性を見た気がした。異常興奮が次から次へと湧き上がり、本来なら、くすぐったいはずの射精直後のペニスは、どれだけシゴいても快楽が消え失せなかった。
 このまま連射する事も可能だった。いや、滅多にお目にかかれない妻のその動物的な本性はとても貴重であり、これで終わってしまうのは、あまりにも勿体なかった。
 そう思いながら、白いパンティーの中で蠢く妻の指の動きを眺めつつ、連射の態勢を取った私だったが、しかし、ここで思いもよらぬ問題が発生した。
 なんとあの豚女が、グチグチと文句を言い始めたのだ。

 既に私の腹の上から放り出されていた豚女は、ベッドの通路で蹲りながら股間にティッシュを押し付け、必死にウンウンと唸っていた。
 そんな豚女は、未だベッドの上でシコシコを続けている私を恨めしそうに見つめながら、「今日は危険日なんです今日は危険日なんです」と、まるで呪詛を唱えるかのように、同じ言葉をブツブツと繰り返していた。
 このまま連射しようと思っていた私だったが、しかし、こんな化け物に耳元で呪詛を唱えられていては、せっかくのネタも台無しになってしまうと思い、とりあえずこの豚から始末してしまおうと、素早くベッドを降りた。
「来い」と言いながら、通路で蹲っている豚女の手を引いた。「ちょっと待ってください、まだ精子が残ってます」と、再び通路に蹲ろうとした豚女の腕を素早く掴み、そのまま入口ドアまで乱暴に引きずった。
 部屋を出ようとすると、なぜか豚女は激しく抵抗した。膣から精液を絞り出す事などトイレでもできるのに、なぜか豚女は狂ったように抵抗しながら、私の部屋でそれをする事に拘泥した。
 それでも私は強引に豚女を廊下に引きずり出そうとした。閉まりかけたドアに必死にしがみつきながら、「まだ残ってるんです!まだ残ってるんです!」と叫んでいる豚女は、まるで国家権力の実力行使に抵抗している小市民のようであり、思わず笑えてきた。

ウツボ152

 ようやくその手を振りほどき、ひとまず部屋のドアを閉めると、さっそく豚女は廊下にしゃがみ込みんだ。再び陰部にティッシュを押し付け、「今日は危険日なんです今日は危険日なんです」と、またしても同じ呪詛を唱え始めた。
 明らかにそれは、中出しした私から少しでも金をせびろうとしているパフォーマンスに過ぎなかった。
 今までにもこんな修羅場は何度か経験していた。17歳のデリ嬢の肛門を無理矢理犯して二万円の罰金を請求されたこともあれば、人妻ホテトル嬢との性交中、その人妻の携帯をこっそり操作し、『旦那』とインプットされた番号にリダイヤルしてはその喘ぎ声を旦那に聞かせ、五万円の慰謝料を請求されたこともあった。
 今までなら、そんな輩は無視していた。どれだけ厳しく請求されようとも、「警察を呼んで白黒はっきりしようじゃないか」などと逆ギレし、一銭足りともその要求には応じなかった。
 しかし、今は違った。ようやく妻を、あのサウナに連れて行けそうな雰囲気となった今、無用なトラブルは禁物だった。今ここでトラブルを起こせば、投票日を目前にしてスキャンダルをスッパ抜かれた鳥越俊太郎の如く、今までの苦労が水の泡となってしまう可能性があるのだ。
 だから私は、ここは寛大に接することにした。一万円までならくれてやってもいいとラインを引きながら、廊下にしゃがみ込んでいる豚女の顔を覗き込んだ。

「いくら欲しいんだね」

 そう優しく聞くと、豚女は「お金の問題じゃありません」と開き直った。その仕草は、先日、国会前で慰安婦問題に対して座り込みデモをしていた在日のおばさん達によく似ていた。

「金じゃないならどうすればいいんだ。まさか、子供ができたら認知しろとでもいうのかね」

 そう、せせら嗤うと、突然豚女はキッと私を睨みつけ、「じゃあお金でいいです。今すぐ百万円支払ってください」と吐き捨てた。
 そう吐き捨てると同時に、豚女の口から肥満者特有の重たい口臭がモワッと溢れた。その長ネギのような匂いが脳を刺激し、不意にカッと頭に血が上った私は、気がつくと豚女の髪を鷲掴みにしていた。
 掴んだ髪を後ろに引っ張ると、豚女はいとも簡単にゴロンっとひっくり返った。廊下に寝転がった豚女の顔に掌を広げ、それを豚女の鼻に押し当てながら、「私の手はどうしてこんなに臭いかわかるかね」と聞いた。
 豚女は、何も答えないままジッと私を睨んでいた。そんな豚女の三段腹を、もう片方の手でムニュッと摘み、それを思い切り引っ張った。それはゴムのように伸び、途端に豚女は「イタタタタッ!」と叫びながら、団子虫のように丸まってしまった。

「君は、口も臭ければマンコも臭い。まして巨大なイボ痔は化膿し、そこから滲み出る膿汁が、こともあろうか商売道具であるマンコに溜まっていたのだ」

 そう言いながらゆっくりと立ち上がると、蹲った豚女の尻に素足の踵を押し付けた。

「いわゆる君は腐っているのだ。そんな腐った商品を、私は二万六千円と言う法外な値段で無理矢理買わされているわけであり——」

「——違います! あの料金はお客さんが勝手に——」

「うるさいハムカツ!」

 そう怒鳴りながら、尻に押し付けていた足を思い切り押し出すと、団子虫のように丸まっていた豚女の巨体がゴロリと転がった。
 一回転した豚女の背中を更に両手で押すと、豚女の巨体は面白いようにゴロリと転がった。
 思わず興奮した私は、「それ行け!」と言いながら豚女の背中を押しまくった。それはまるで、運動会の大玉転がしのようだった。
 童心に帰った私は、「それ、それ」と掛け声をかけながらそれを転がした。丸まった豚女は、無言で長い廊下をゴロゴロと転がっていたが、しかしその顔が私に向く度、豚女はなんとも言えない不気味な視線を私に突きつけていた。
 エレベーターの前まで転がすと、私はハァハァと肩で息をしながらエレベーターのボタンを押した。すぐに「チン!」というベルが廊下に響き、ザザザザッと扉が開くと、新たな照明が床で丸まっている豚女を煌々と照らした。
 そんなエレベーターの中に、再び豚女を転がした。豚女は、床に転がったままジッと私を睨んでいた。私はエレベーターの中に手を突っ込み、『閉』のボタンを押すと、ザザザザッと閉まるドアの隙間から「イボ痔にはヒサヤ大黒堂の薬が良く効くらしいよ」と告げた。

 グオォォォォォォォォンと動き出したエレベーターの音を背に、妻が待つ部屋に向かってゆっくりと歩き出した。
 長い廊下の絨毯には、白い液体が点々と続いていた。しゃがんで間近で見てみると、それは明らかに吐瀉物であり、転がされていた豚女が断続的に吐いたものに違いなかった。
 その液体を人差し指で掬った。一瞬、絨毯と指とにニュッと糸を引いたが、しかしそれはすぐにプツンっと切れ、まるでスライムのように私の指にブラブラとぶら下がった。
 匂いを嗅いでみたが、ハムカツの匂いはしなかった。
 舐めてみると、ただただ酸っぱいだけだった。

(つづく)

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