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吐泥(へろど)30

2013/06/13 Thu 00:01

 一瞬、抵抗の表情を見せた豚女だったが、しかし私のその目つきがあまりにも異常だったことに恐れをなしたのか、豚女はそのまま黙って項垂れてしまった。
 豚女の足首をいきなり掴んだ。股を更に大きく広げさせ、そのまま後ろに倒すと、体勢を崩した豚女は勢いよくソファーの上にひっくり返り、その醜い陰部を天井に向けた。
 豚女は抵抗しなかった。仰向けになったまま身動きせず、半ば諦めたような表情でジッと私を見つめていた。私は豚女の腕を掴み、「ここを持って」と、自分で両足を抱えるよう指示した。豚女は素直にそれに従った。両腕を両膝の裏へと伸ばし、そのまま自分の両足を持ち上げると、そこに肛門までも剥き出しにした。
 私は興奮しながら、「いいぞ、出せ」と尻を引っ叩いた。ピシッという乾いた音と共に、剥き出しにされていた赤黒い粘膜がヒクッと凹んだ。豚女はその醜い顔を更に醜く歪ませながら「出ます」と呟いた。その瞬間、凹んでいた粘膜がゆっくりと元に戻り、それと同時に、そこから黄金色の水がトトトトトッと噴き出したのだった。

ウツボ136

 醜かった。無様だった。まさにそれは、客に追い返された中年風俗嬢の、悲しき成れの果てだった。
 それでも私は、そんな醜さに猟奇的なエロスを感じた。例え金の為だとはいえ、出会って間もない男の目前で小便をするような、そんな女の異常性に強烈な興奮を覚えていた。
 私は「おおお」と唸りながら床に膝を付くと、尿が噴き出している陰部に顔を近づけ、まるで公園の水飲み場で水を飲むかのようにしてそれを口で受け止めた。
 名前も知らない女だった。どんな危険な病気を持っているのかわからない汚い女だった。それでも私は、この醜い女の尿を飲んだ。その臭い性器に唇を押し付け、まだ尿が噴き出している穴を舌で弄りながら、みるみる口内に溜まっていく尿をゴクゴクと飲み干していた。
 相当溜まっていたのか、それはいくら飲んでも止まらなかった。素早く股間から顔を離し、小便が続くそこに亀頭を突き立てた。シューっと音を立てて噴射する尿が私のヘソに当たり、濡れた陰毛がモズクのようになっている。
「入れるぞ」と言うと、豚女は眉間にしわを寄せながら、必死にコクンと頷いた。そのムチムチとした両太ももに体重をかけ、まるでプロレスでカウントを取るかのように豚女の体を押さえつけると、パックリと開いた穴に亀頭がヌプッと突き刺さった。

ウツボ137

 グッと腰を突き出すと、肉棒はいとも簡単にヌルッと滑り込んだ。まだ小便は続いていた。ピストンする度に尿は途切れ、まるで水鉄砲のように、ピュッ、ピュッと噴き出している。
 その穴は思っていた以上にガバガバだった。穴の隙間に尿が入り込み、ピストンする度に、長靴を履いた子供が泥の中を歩き回っているような下品な音を鳴らした。
 ガンガンと攻め立てられる豚女は、眉を八の字に歪めながら変な声を出していた。「あー、あー」と断続的に続くその声は、朝のカラスの鳴き声によく似ており、満更営業用の喘ぎ声ではなさそうだった。
(このバケモノ……本気で感じてるな……)
 そう思いながら、豚女の黒いTシャツを剥ぎ取った。当初は全裸にする予定だったが、しかしその中に着ていた肌色のスリップが妙に貧乏臭く、猟奇的な演出をリアルに醸し出していたため、敢えてそのスリップだけ残すことにした。

 尿が止まると同時にペニスを抜いた。ペニスが抜けると同時に、そのカラスのような不気味な鳴き声もピタリと止まった。
 私の下半身は、豚女の尿でびしょびしょだった。それは靴下も濡らし、靴の中敷さえも湿らせていた。
「チッ」と舌打ちしながら靴下を脱ぎ、靴を床に投げ捨てた。女の黒いTシャツを拾い、それで太ももの尿を拭き取りながらソファーでハァハァしている豚女に「立て」と命令した。

 あれだけの大声を出しておきながらも、フロントは静まり返ったままだった。当初は、見つかったら見つかった時だと覚悟を決めていたが、しかし、フロントには人の気配が全く感じられず、その心配はなさそうだった。
 安心した私は、観葉植物に囲まれた応接コーナーの中から豚女を連れ出した。
 勃起した全裸の男とスリップ一枚の肥満女が、だだっ広いロビーに裸足の足音をヒタヒタと鳴らしながら歩き回っていた。その光景は猟奇でしかなく、唐十郎と寺山修司をこよなく愛する私は、そう歩き回っているだけで一種のエクスタシーを感じていた。

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 エレベーターの前で足を止めた。
 そこは、ロビーの中で唯一照明が照らされている場所であり、最も危険な場所でもあった。
 照明の下で改めて豚女の顔を見た。五月人形のような顔だと思った。
 そんな豚女に、この明るい照明の下でウ◯コをさせてみたいと思った。そしてモリモリとウ◯コが捻り出されている最中の肛門に、ペニスを挿入したいと思ったのだ。
 私は豚女の顔を覗き込み、「ウ◯コ出るか?」と聞いてみた。
 豚女は一瞬首を傾げながらも、「たぶん出ません」と答えた。
「たぶんって事は、もしかしたら出るかもしれないという事かね」
「……はい……でも、ずっと便秘ですから無理だと思います……」
「ずっととはどれくらいだね」
 豚女は、記憶を辿るように首を傾げながら、「一週間です」と答えた。
 私は唐突にムラッと欲情した。この醜い豚女の腹の中には、一週間分のウ◯コが溜まっているのだと想像すると、居ても立っても居られないくらいに興奮した。
 私はハァハァと荒い息を吐きながら豚女の背中を押し、エレベーターの横に置いてあったエアコンの棚に両手をつかせた。アメリカの警察がやる身体検査のように両足を開かせ、立ったまま尻を突き出させると、そのまま豚女の足元にしゃがんだ。
 両手でブヨブヨの尻肉を左右に押し開くと、長年、様々な男たちに散々ほじくられてきた無残なワレメがベロリと口を開いていた。その赤黒いワレメの後部には、溶岩石のようなブツブツとした黒い塊がポコンっと飛び出しており、更に私の興奮は昂まった。

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「イボ痔だな」

 そう聞きながらそこに顔を近づけると、豚女は、悪びれることもなく「イボ痔と切れ痔の両方です」と普通に答えた。
 その溶岩石の塊には腐臭が漂っていた。それはウ◯コのようであり、何かが膿んだような匂いでもあった。こんなモノをぶら下げて、よく今まで商売ができたものだと驚きながら、それでも私は、迷うことなくそこに舌を伸ばし、それをレロレロと舌で転がした。
「痛いか?」と聞くと、豚女は「痛くありません、痒いだけです」と答えた。
「痒いのなら、こうされると気持ちいいだろ」
 そう言いながら更に舌の動きを早めてやると、そのポコンっと膨らんだ水膨れの中から、何やら醤油のような味のする汁がジワジワと溢れ出てきた。
 たちまちピータンのような香りが口一杯に広がり、さすがにこれは危険だと思った。慌ててそれをベッと吐き出すと、床に溜まった白い泡の唾液の中にはピンク色の血が混じっていた。

「痛くないなら浣腸します」

 そう言いながら立ち上がると、そのブヨブヨの尻肉を両手で押さえつけた。唾液で濡れた肛門に亀頭を押し付け、肛門を塞いでいる溶岩石を強引にこじ開けようとすると、さすがにそれは痛かったのか、豚女は下唇を噛みながら「ううううう」と唸り、エアコンの棚にしがみついた。

ウツボ139

 溶岩石は簡単にクリアできたが、しかしそれ以上はピクリとも前に進めなかった。
 当初、その肛門の感触を、オナホールの中に石焼き芋をパンパンに詰め込んだようなものと想像していたが、しかし、一週間も貯蓄されているウ◯コは石のように硬く、亀頭のような柔肉なものでは到底太刀打ちできない壁だった。
 この堅固なウ◯コ壁を破りさえすれば、いよいよフィナーレだった。決壊したダムの如く噴射する下痢ウ◯コと共に、この醜い女の無残な肛門に射精するという、実に華やかなフィナーレだった。
 それを夢見ながら、私はその堅固なウ◯コ壁と格闘していた。石のように硬い真っ黒なウ◯コ壁に、何度も何度も亀頭を打ち付けながら必死に腰を振っていた。
 すると、不意に背後で「チン!」という音が響いた。「えっ!」と振り向いた時には既に遅く、エレベーターのドアはサーッと開いていた。
 エレベーターの中には、ホテルの浴衣を着た男が一人いた。男は、すぐ目の前でまぐわっている私達に気付くと、「わっ」と小さく叫び、口を開けたまま絶句した。
 ここで騒がれてはまずいと思った私は、絶句している男に向かって、「レ◯プとかじゃありませんから」と笑顔で伝えた。そしてすぐさま女の尻から離れると、何もなかったかのように「行くぞ」と女の腕を掴み、そのままそそくさと観葉植物の応接コーナーに向かって歩き始めたのだった。

 応接コーナーの床には衣類が散らばっていた。慌ててそれを搔き集めながら男の気配を気にしていると、その男のスリッパの音は、みるみるこちらに近付いてきた。

「その女、デリヘルっすよね」

 頭上からそう呼びかけられた。ソッと見上げると、さっきの男が観葉植物の上からヌッと顔を出し、衣類を搔き集めている私を見ながらニヤニヤと笑っていた。

「ええ、まぁ……」

 そう曖昧に答えながら急いでトランクスを履いていると、豚女が「私のパンツがないんですけど……」と、その醜い顔を近づけながら聞いてきた。

「そこら辺にあるだろ、自分で探しなさい」

 まるで子供に言うようにそう豚女を突き放しながら、ソファーの下に脱ぎ捨ててあったズボンを手にすると、再び男が「そいつ、さっき僕がチェンジした女ですわ」と話しかけ、人を小馬鹿にするかのように「フン」と鼻で笑った。
 その「フン」が私の感情を逆撫でした。確かに、こんな所でこんな事をしている私たちの方が明らかに間違っているのだが、しかし、それにしてもこの男はデリカシーがなさすぎた。非を認めてさっさと退散しようとしている者を、草木の陰から覗き見しながら「フン」と鼻で笑うなど、憎たらしいにもほどがあるのだ。
 私はせっせとズボンを履きながらチラッと男を見てやった。その態度も憎たらしかったが、やはりその顔も憎たらしかった。特に髪型が憎たらしく、中途半端に伸ばした髪には、似合わないパーマがかけられていた。
 三十代だろうか、背が高く、なかなかがっしりとした体格をしていた。その不敵な目つきとチャラチャラしたパーマから見て恐らく遊び人であろう、ソープの呼び込みやキャバクラの店長にいそうな、そんな部類の嫌な男だった。
 そんな嫌な男は、私と目が合うなり、意味ありげに「凄いっすねぇ」と笑った。サッと目を反らしながら「何がですか?」と聞くと、嫌な男は、「こんな化け物と、よくヤリますねぇ」と笑い、ガサガサと観葉植物の隙間を抜けては、こちら側にやって来た。
 私はこのデリカシーのない男を無視する事にした。実に嫌な男だったが、しかし、あの体格では殴り合っても勝てるわけがなく、かといって馴れ合いたくもなかったため、無視するしかなかったのだった。
 嫌な男はドスンッとソファーに腰を下ろすと、浴衣の袖口からタバコを取り出し、一本口に銜えた。その銘柄はパーラメントだった。ライターも「カキン!」と音の鳴る金ピカの物であり、それを横目で見ていた私は、やはりこいつは水商売だと確信した。
 嫌な男は、タバコの煙をフーッと吐きながら、未だパンツを探し回っている豚女の巨大な尻をスリッパの先でツンツンと突いた。

「おい、化け物。ずーっと待ってんだけど、全然女が来ねぇじゃねぇか。どうなってんだよお前の店は」

 そう言われた豚女は、蚊の鳴くような声で「すみません……」と呟きながら、必死にソファーの下を覗き込んでいる。

「やっぱ田舎はレベル低いねぇ……歌舞伎町だったら秒殺で潰れちまうぜ……」

 そう嫌味っぽく呟きながら煙を吐いている男に、思わず私は「東京ですか?」と聞いてしまった。

「ええ。新宿っすよ。お宅も東京ですか?」

「ええ、まぁ……」

 そう曖昧に答えながらズボンのベルトをカチャカチャさせていると、今度は逆に「仕事ですか?」と聞かれてしまった。
 こんな嫌な男とは一瞬でも関わりたくはなかったが、しかし、なぜか靴が片方だけ見当たらず、すぐにこの場から立ち去れない状況に置かれた私は、再び「ええ、まぁ……」と曖昧に頷いた。

「仕事ですか……大変ですねこんな田舎に……」

 そう言いながら嫌な男は、まだ二口しか吸っていないタバコをクリスタルの灰皿に揉み消し始めた。

「僕も仕事で来たんっすよ。今、新宿で風俗嬢のスカウトマンしてるんですけどね、やっぱ都会の女の子よりも、地方の女の子の方が食い付きがいいですから、だからわざわざこんな田舎までキャッチしに来たんですけどね……でも失敗でした。商店街も駅前も老人ばっかだし、デリヘル嬢を引き抜こうと思ってもこれでしょ……」

 そう苦笑いしながら男は、ソファーの下を覗き込んでいる豚女の尻を思い切り蹴飛ばした。

「やっぱ金沢か富山に行けば良かったなぁ……」

 そう言いながら男はスッとソファーから立ち上がった。

「取りあえず、これからコンビニにでも行って、バカな田舎娘がノコノコやってくるのを網張ってみますわ」

 男は苦笑いしながらそう言うと、不意に私の耳元に顔を近づけ、声を顰めた。

「田舎だからってあんまり無茶しないほうがいいっすよ。田舎のコレは都会のコレよりも厄介ですからね」

 男は、右頬に人差し指を何度も走らせながらそう言った。そして、いきなりパーラメントの箱のビニールに突き刺さっていた名刺を一枚抜き取ると、それを私に突きつけながら、「もし東京で変態したくなったら電話下さい。まだ毛が生えてない子から、棺桶に片足突っ込んだ老婆まで色々取り揃えてますから」と不敵に笑い、そのままスタスタとホテルを出て行ってしまったのだった。

 その名刺には、『八雲芸能プロダクション』と書いてあった。男の名前は八雲潤一郎という、いかにもいかがわしい名前だった。その事務所も歌舞伎町の区役所通りという実にいかがわしい場所にあり、更にその会社のマークも、菱形の中に数字の『8』が入っているという、いかがわしさ極まりないものだった。
 私はそのいかがわしい名刺をすぐに握り潰すと、男がタバコを揉み消していたクリスタルの灰皿の中に捨て、テーブルの上に置いてあった『新潟信用銀行』のマッチで火を付けた。
 薄暗い応接コーナーが、ふわぁっと明るくなった。並んだ観葉植物にメラメラと炎が反射し、まるで海に沈む夕日を見ているようだった。
 そんな炎を見ていると、不意に(まだ毛が生えてない子から、棺桶に片足突っ込んだ老婆まで色々取り揃えてますから……)という八雲の声が蘇り、何とも言えない嫌悪感に胸を締め付けられた。

(嫌だ、嫌だ)

 そう首を振りながら、未だ頭から離れない八雲のあのいやらしい顔を振り払っていると、いきなり豚女が「あった!」と叫んだ。
 豚女のパンツは、私が探していた靴の片方の中に押し込まれていた。何故かそれは、窓際に置いてあったコーヒーの自販機の裏に隠してあった。
 背筋がゾッとした。何者かが意図的にそこに隠したとしか思えなかった。
 いったい誰がこんな所に私の靴を並べ、その中に豚女のパンツを隠したというのだ。しかもそのパンツのクロッチには、明らかにそこに射精したとわかる、生々しい精液がべっとりと付着しているではないか。

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(どこかに変質者がいる!)

 そう慌てた私は辺りを見回した。これは明らかに変質者の仕業だった。変質者が私たちを覗き見しながらセンズリしていたに違いなかった。しかもこの変質者はなかなかのツワモノだ。これだけ醜い豚女の激臭パンツに射精できるなど、もはや私レベルの変質者なのだ。

 私は何度も何度もこの静まり返った薄暗いロビーを見回した。私も変質者だったが、しかし変質者は怖かった。変質者であるがゆえに変質者の奇々怪々な行動が手に取るようにわかり、その分恐怖は倍増した。
 私は背筋をゾッとさせながら一刻も早くこの場から立ち去らねばと焦った。豚女は、パンツに付着している液体が何なのかわかっているらしく、黙ってそれを見つめながら絶句していた。そんな豚女の太い腕を掴み、「行くぞ!」とエレベーターに向かって歩き出した。「どこに行くんですか?」と恐る恐る聞いてくる豚女を、全裸のままエレベーターに押し込み、迷う事なく6階のボタンを押した。
 6階の部屋では、今頃妻がオナニーをしている頃だ。

(つづく)

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