ストレス8
2013/05/30 Thu 18:10
結合するなり、昭夫と広美は同時に唸った。
ペニス全体を熱い粘膜に包み込まれた昭夫は、その七年ぶりの肉感に背筋をブルっと震わせた。ずっぽりとペニスを咥え込んだ肉壁は容赦なく締め付け、熱を帯びた粘膜が亀頭にヌルヌルと絡み付いてきた。
(凄いオマンコだ……)
そう心の中で呟いた昭夫は、素早く両腕に広美の両太ももを抱え込むと、より深く挿入しようと広美の下半身を持ち上げ、尻を浮かせた状態で自分の恥骨を広美の恥骨に押し付けた。そのまま腰を回転させ穴の中をペニスで掻き回すと、ドロドロに濡れた穴は、ぶちゅ、ぶちゅ、と下品な音を立て、擦れ合う互いの陰毛がジリジリと鳴った。
そんな穴の中で蠢く肉棒を、広美は朦朧とする意識の中で感じていた。
ジリジリと擦れ合う陰毛の奥で勃起した陰核が転がされていた。
不意にパン生地を捏ねるミキシングの機械が頭に浮かび、その機械の中にはぐちゃぐちゃに掻き回されて液状化した自分がいた。
そんな外界からの入力がない感覚の中、股間の陰核からじわりじわりと快楽が涌き上がって来た。その徐々に涌き上がって来る快楽は、夢の中で尿意を催している感覚に似ていた。尿道がゾクゾクし、背筋がソワソワし、早くそれを出したくてイライラしながら夢の中を彷徨っている感覚だった。
目玉をギラギラさせながらそんな広美を見下ろしていた昭夫は、膝立ちしていた体をゆっくりと前に倒した。ベッドに食い込んでいた両膝が伸び、密着していた恥骨が離れると、互いの陰毛に幾本もの透明の糸が引いた。そのドロドロになった二人の陰毛は、まるで水飴を垂らしたモズクのようだった。
昭夫は、ペニスを根元まで挿入した状態で、タプタプの乳肉に顔を埋めた。腰をぴくりとも動かさないまま乳輪の大きな乳首を舐め回し、両手で尻やうなじをいやらしく撫で回していた。
そんな昭夫の指が広美の唇に触れた。ポテッとした下唇の上で指を曲げると、ポツッという音と共に白い前歯が顔を出した。指で前歯をこじ開けると、すかさず広美の生温かい舌が指に絡み付いて来た。
「シャブ、効いて来たやろ……そろそろ動かして欲しいか?」
乳に顔を埋めたまま上目遣いでそう聞くと、広美は半開きの目で昭夫を見つめながら小さくコクンッと頷いた。
昭夫は、タプタプの乳に頬を押し付けながらヒヒヒヒヒと下品な笑いを浮かべると、「おまえは変態か? それともただのスケベなヤリマン主婦か?」と聞き、まだそれを焦らそうとしていた。
広美は「変態です……」と即答した。
「知らないおっさんにマンコとか露出しちゃってるタイプか?」
「……はい……」
「どんな所で露出してるんだ」
「……夜の公園とか……深夜の公衆便所とか……」
「そんなとこでマンコ見せたらヤられちゃうだろ?」
「……はい……みんなにヤられました……」
「輪姦か?」
「……はい……」
「ヤられちゃってもいいのか?」
「……はい……」
「ヤられたいのか?」
「……はい……滅茶苦茶にして欲しいです……」
広美は、そう答える自分に欲情していた。実際、そんな場所で露出した経験などなく、輪姦された事も一度もなかったが、常にその願望を抱いていた事は確かだった。その淫らな妄想を、この名前も知らない男に巨大なペニスを挿入されたまま話す事は、広美にとっては凄まじい欲情だった。
「旦那は何も知らないのか?」
「……はい……」
「大勢にヤられまくってたら、旦那は気付くだろ?」
「……気付いてません……」
そう答える広美の脳裏に、突然、聞き覚えのあるメロディーが浮かんだ。
「おまえ、本当に旦那と別れる気はあるのか?」
広美はコクンッと頷きながらも、必死にその曲を思い出そうとしていた。何故か今ここでその曲を思い出さなければ一生悔やむような気がしてならなかった。
しかし、そのメロディーを頭の中で何度繰り返しても、思い出されるのはサビの部分だけだった。それ以上はメロディーが進まず、その曲が思い出せない広美は次第に気が狂いそうになってきた。
「旦那は素直に別れてくれるのか?」
昭夫がそう聞いた瞬間、おもわず広美の口からそのメロディーが漏れた。
「ラララララ〜♪」
突然そう口ずさみ始めた広美を昭夫は黙って見ていた。
昭夫が冷静な口調で「なんだそれは」と聞くと、いきなり広美が叫んだ。
「この曲が頭の中で止まらないんです! これが誰の歌なのかわからないんです!」
そう髪の毛を両手で掻きむしり始めると、昭夫は広美のその手を振り払い、広美の髪を乱暴に鷲掴みにした。そしてゆっくりと腰を振りながら広美の顔を覗き込むと、「それがシャブだ」と笑った。
ゴツゴツとした太い肉棒がゆっくり動き始めた。ドロドロの肉穴の中を行ったり来たりする肉棒は、引かれる度に亀頭が膣の天井を掻き、その度に広美は、夢の中で高い所から飛び降りた時のような感覚に襲われた。
「どうだ……シャブマンコは気持ちいいだろ……」
昭夫は亀頭から根元までゆっくりと動かしながらそう聞いた。
広美は「あああああああああああ」と腹の底から声を振り絞りながら、「もっと速く動かして下さい!」と叫んだ。
「いいよ。滅茶苦茶にピストンしてやるよ。ただし、その前にこれだけははっきりしろ。本当に旦那と別れて俺の女になるんだな」
広美はウンウンと高速で頷きながら「だから早く」と言った。
「旦那と別れられるのか? 旦那は離婚を了承してくれるのか?」
「了承させます、だから早く」
「了承しなかったらどうするんだ?」
「殺して下さい」
「殺す?」
昭夫がそう首を傾げると、広美は黒目をロンパらせながら話し始めた。
「夫は二千万持ってます。現金です。義父の遺産を隠し持っているんです。その隠し場所も知ってます。殺してくれたら場所を教えます。その二千万、全てあなたにあげます。だから殺して下さい」
昭夫の表情が固まった。笑った状態のまま引き攣っていた。
満更嘘ではなさそうだと昭夫は思った。コレ系の狂った女なら本気でそう言い兼ねないと思った。そんな話しは嫌というほど刑務所の中で聞かされて来たのだ。
不意に昭夫の頭に、看守の野太い「就寝準備ぃぃぃぃぃぃぃ」という声が蘇った。昨夜の今頃は、釈前房の窓から鉄格子越しに月を見ていた。明日の今頃は何をしているだろうと胸をワクワクさせながら、漆黒の空に浮かぶ真っ白な満月を見つめていた。
もう二度とあの鉄格子越しの月は見たくなかった。あそこに戻されるくらいなら死んだ方がましだと本気で思った。が、しかし、二千万円は魅力だった。二千万円あれば死ぬほどシャブが打てるのだ。
「本気で言っとるのか?」
「本気です」
「でも、どうやって殺すんだ……」
「自殺に見せかければいいんです」
広美は呂律の回っていない口調でそう言うと、昭夫を真正面からジッと見据えた。
「夫は精神科に通ってます。だから夫が自殺したとしても誰も怪しみません」
「そう簡単に言われてもな……」
「簡単です。家の裏の農家の倉庫にパラコートがあります。あれを飲ませればいいんです」
「……パラコート?」
「除草剤です。去年、地元の女子高生がそれを飲んで自殺しました。だからそれを飲ませれば簡単に死ぬと思います」
そう淡々と話す広美の目は、マネキン人形のように固まっていた。表情のないまま口だけがパクパクと動き、まるでロボットのように話していた。
実際、二千万などあるわけがなかった。パラコートも出鱈目だった。広美の自宅の裏は巨大なショッピングモールであり、農家など一軒もないのだ。
そんな出鱈目を広美は無意識に話していた。それは常に広美が頭で描いていた妄想であり、それが勝手に言葉となって口から出てしまっていたのだ。
初めて覚醒剤を打った者がこのような症状に陥る事を昭夫は知っていた。実際、昭夫自身、初めてシャブを打った時には、片っ端から知り合いに電話を掛け、「大橋巨泉が和田アキ子を殺した」などと支離滅裂な嘘をつきまくっていた。
が、しかし、この時の昭夫はそれに気付かなかった。頭の中が二千万円でいっぱいになってしまっており、初シャブの狂言を本気にしてしまっていたのだ。
「よし。殺そう」
昭夫はそう頷くと、いきなり広美を抱きしめ、腰を激しく動かし始めた。
腰の動きと同時に、マネキン人形のような広美の目がクワっと見開いた。昭夫の痩せこけた背中にしがみつき、まるでオペラ歌手のように「あああああああああああああああああああ」と喘ぎ始めた。
今まで、ギシ、ギシ、ギシ、と軋んでいたベッドが、いきなり、バン、バン、バン、と激しく波打った。広美の股はこれでもかというくらいに広げられ、そこに昭夫が狂ったように腰を打ち付けていた。魚の腹を裂いたような真っ赤な膣に、大木の幹のような肉棒がズボズボと出し入れされ、人間の最も醜い部分が剥き出しにされていた。
昭夫は、その為だけに作られたような卑猥な体を、ひっくり返したり、膝の上に持ち上げたりしながら、七年間の欲望を満たしていた。グズグズに犯しまくられる広美も、その凶器のような太い肉棒で溜まりに溜まっていた欲望を掻き回されながら、悪性のストレスを拡散させていた。
二人はそうやって獣化しながら個々に絶頂に達していた。
昭夫は何度も何度もその穴の中でペニスを痙攣させていた。三度目までは射精として成り立っていたが、それ以降は精液は出なかった。しかし、それでもシャブが効いていた昭夫はその度に脳が溶けるような快楽に身を捩らせていた。しかも、何度イッてもペニスは衰えず、それどころかイケばイクほどに、それは隆々と力を帯びるのであった。
広美も数えきれないほどイッていた。肉棒で擦られる度に電気がビリビリと走り、それが脳を刺激しては激しい快楽を生んでいた。イク寸前は全身が硬直し、ビクンビクンと体を跳ね上げながら痙攣していたが、しかし、イッてしまうととたんに全身の筋肉が弛緩し、クラゲのようにふにゃふにゃになりながら決まって失禁していた。
そんなクラゲのようにぐったりとする広美の体を、絶倫の昭夫は容赦なく攻めた。それはエンドレスだった。二人は延々とそれを繰り返し、汗と尿と涎と精液にまみれながら、この狭い箱の中で互いに欲望を吐き出していたのだった。
※
ふと気が付くと、遮光カーテンの隙間から、白い光りが薄らと漏れていた。窓の外から聞こえて来る車の音からして、なんとなく昼だとわかったが、しかし、それが何日目の昼なのかまでは全くわからなかった。
広美は、自分がつい今しがたイッたばかりだという事に気付いた。全身の力は抜け、尻のシーツに広がる尿はまだ生温かかった。
隣りでは、痩せこけた男がうつ伏せになっていた。身動きひとつしないため、一瞬広美は死んでいるのかと焦ったが、しかし、暫くすると男はマットに顔を押し付けたまま大きな鼾をかき始めた。
その鼾は、まるで地響きのようにベッドのマットを断続的に揺らしていた。この男に覚醒剤を打たれた事までは覚えていたが、しかしその後の記憶は全く消えていた。
『覚醒剤を打つと、三日三晩飲まず喰わずでいられるが、しかし覚醒剤が切れると三日三晩死んだように眠り続ける』
ふとそんな記事を思い出した。それは確か、ノリピーが逮捕された時の週刊誌に書いてあった、自称元覚醒剤中毒者の男が語った記事だった。
という事は、私は三日間もこの男とここでセックスし続けていたのだろうか、と、そう背筋をゾッとさせながらムクリと起き上がると、不意に膣の中から大量の精液がヌルリと溢れ出したのだった。
部屋には、何ともいえない据えた臭いが充満していた。そこらじゅうにビールの空き缶やヴォルビックのペットボトルが転がっていたが、しかし、何かを食べた形跡はなかった。
自分の体が強烈に臭かった。全身がネバネバし髪は油っぽかった。陰毛は乾いた精液でバリバリに固まり、白い粉を吹いていた。
すぐにシャワーを浴びたかったが、しかし、そんな暇はなかった。そんな事をしていると、この痩せこけた男が目を覚ましてしまうのだ。
ベッドを揺らさないよう、慎重にベッドを下りた。ベッドの下には、なぜかメリットシャンプーが転がっていた。
それらを踏まないようにソッと浴衣を取り、生臭い体にそれを羽織った。
足を忍ばせてドアに向かうと、浴室の前に犬山モンキーパークの紙袋が転がっていた。中を見ると、箸箱や石鹸箱といった日用品が入っていた。
(この男はホームレスだったのか……)
改めて背筋をゾッとさせると、ふと、そんな紙袋の奥に茶色い封筒があるのが見えた。ベッドで眠りこける男をチラチラと見ながら恐る恐るそれを摘まみ上げた。封筒の表に『賞与金』と書かれていた。そしてその裏には『名古屋刑務所』というゴム印が押されていた。
中を見ると十五万円も入っていた。もちろん、その十五万円は封筒ごと頂いた。
見覚えのある駅から電車に飛び乗った。
時刻は三時二十分だった。
電車が走り出して暫くすると、窓からさっきのビジネスホテルが見えた。
遠ざかって行くホテルを振り返りながら見ていると、不意に陰部がキュンっと疼いた。今になって、あの強烈なセックスの快感が蘇って来たのだ。
ソッと下腹部を押さえながら顔を元に戻した。
電車はほとんど無人だった。唯一、正面の座席に、日本猿のような顔をしたお爺さんが一人ポツンと座っているだけだった。
そんなお爺さんをジッと見ていると、ふと目が合った。
そのまま目を反らさないでいると、お爺さんは左耳の補聴器を手で押さえながら「ん?」と広美に首を傾けた。
広美はそのお爺さんを見つめたまま、ゆっくりと股を開いた。
お爺さんの視線がゆっくりと下りて行った。
下着は穿いていなかった。シャワーも浴びていなかった。シャブ中の前科者に三日三晩犯され続けたままの醜い穴だった。
それを目にした瞬間、今まで穏やかだったお爺さんの顔が、いきなりカッ! と引き攣り、一瞬にして真っ赤に火照った。
それはまさに激怒した日本猿そのものだった。
広美はそんな日本猿に向けておしっこを飛ばしてやった。スカートの中から黄金色の尿がシューっと噴射し、それが電車の通路の真ん中でドボトボと弾けた。
それを見ていたお爺さんは酷く焦りながら喉をひゅーひゅーと鳴らした。
その姿は、猿がキィーキィーと騒いでいるようであり、おもわず広美はクスッと笑ってしまったのだった。
金山駅に到着すると、そのまま人混みに紛れた。
太ももの内側には尿が滴っていた。
歩く度に陰部がヌルヌルと蠢いていた。
この人混みの通路で四つん這いになりたかった。誰でもいいからすぐに入れて欲しかった。公衆便所の如く、ここを通り過ぎて行く人達にサッサと処理して欲しかった。
そうムラムラしながら金山総合駅を出ると、金山独特の生温かい空気に包まれ、再び激しいストレスに胸を鷲掴みにされた。
そんな駅前には、近くにある場外馬券場から溢れ出て来た薄汚い男達がウヨウヨしていた。痰を吐く者、煙草を投げ捨てる者、歩道で胡座をかいている者までいた。
そんな無法者達をぼんやり見ていると、このまま夫の元に帰ろうと思っていた気持ちが激しく揺らいだ。
茶色いガードレールにもたれながら競馬新聞を読んでいた男が、「チッ」と舌打ちしながら顔を上げた。
ふと、その男と目が合った。
男はいかにも破滅型だった。泥だらけの作業ズボンにヨレヨレのTシャツ、新聞を広げているその左手の小指は半分しかなかった。
広美はその男からジッと目を反らないまま、ゆっくりと前に進んだ。そして男のすぐ目の前で足を止めると、その場にスッとしゃがんで股を緩めた。
男はギョッとしながらそこを見ていた。ベロリと捲れた陰部はドロドロと糸を引き、その奥で濡れ輝いている赤い粘膜はヒクヒクと引き攣っていた。
愕然とそこを見つめる男に、広美はクスっと微笑んだ。そしてそのまま素早く立ち上がると、再び駅に向かって歩き出したのだった。
全身を包み込む生温かい空気が胸をムカムカさせた。この人混みの中で、おもいきりギャャャャャャャと叫び出したい衝動に駆られ、慌てて人差し指の爪を噛んだ。
小指のない男の荒い鼻息が、すぐ後に迫っていた。
耐えきれないほどのストレスが脳を疼かせた。
気が狂いそうになりながらフラフラと歩いていると、ふと例のメロディーが再び頭の中で流れ始めた。それは、あの男に覚醒剤を打たれた時、突然頭の中に湧いて出て来た、あの懐かしいメロディーだった。
歩きながらメロディーを口ずさんだ。何度も何度も頭の中で繰り返していた。しかし、何度繰り返してもそのメロディーはサビしか浮かばず、ムラムラと涌き上がっていたストレスに更に拍車をかけた。
そのメロディーは止めようと思っても止まってくれなかった。サビの部分だけが頭の中で繰り返しリピートされ、その曲に合わせて脳がグルグルと回り始めた。
もはや我慢できなくなった広美は背後の男にサッと振り返った。
男は慌てて足を止め、濁り目でギラリと広美を睨んだ。
すると広美は、そんな男の険しい顔を見つめながら、いきなり「ララ〜♪ララララ〜♪」と歌い始めた。
「この曲、なんだかわかりますか?」
広美は緊迫した表情で男にそう聞いた。
男は迷う事なく、「石野真子ちゃんの『春ラララ』だ」と即答した。
石野真子は知らなかった。
だけど『春ラララ』は知っていた。
極度な鼻づまりがスーッと消えて行くような爽快感を感じた。
まるでそのメロディーが呪文であったかのように、今まで脳でウニュウニュしていたストレスが一瞬にして溶けてなくなった。
一瞬にしてドロドロとした澱の中から解放された広美は、男に優しく微笑みながら、ポケットの中に押し込められていた名古屋刑務所の封筒を差し出した。
「お礼です」と笑うと、男は黙ってその封筒を受け取った。そして警戒しながら封筒の中身を見ると、男は「えっ?」と困惑し、慌てて広美の顔を見返した。
そんな男に優しく微笑んだままクルリと踵を返した。
再び出口に向かって歩き出した。
(早く家に帰って、あいつにこの汚れた膣を舐めさせよう)
そう思いながら歩く広美は、サビしか知らない『春ラララ』を口ずさんでいた。
すれ違う人達が慌てて広美に振り返っていた。
本人は気付いていないが、広美はかなり大きな声で『春ラララ』を歌っていた。
(ストレス・完)
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