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汚れし者19



 嘘で固められた真野夫婦を、この世から抹消しようと心に誓った日から五日間が経過していました。その間、私は何の計画もないまま、ただただ真野夫婦はこの世から消えればいいと、そればかりを念じて過ごしていました。

 あの夜以来、東さんの姿は見ていません。それ以前から東さんは公園に出入りしなくなっていましたから、かれこれ東さんとは二週間近くも話をしていませんでした。
 あの夜、東さんはあのホームレスに中出しされたのだろうか。そして、今もまだあの白いライトバンに通っているのだろうか。そんな事をいつも考えながら、私は東さんの旦那のペニスを口に含んだあの感触を思い出してはオナニーに没頭していました。
 結婚以来、夫以外のペニスに触れるのも、しゃぶる事も初めてでした。
 ここ最近、突然発情したように、朝の公園でホームレスのペニスを見たり、公衆便所で少年の射精を見たりとしていましたが、しかし、実際に触ったりしゃぶったりした事はありませんでした。
 だからあの夜の出来事は私に激しい衝撃を与え、いつまでもオナニーのネタとして脳裏にこびりついていたのでした。

 このように、ただただ悶々と時を過ごしていると、早くも二回目の夜回りが今夜に迫っていました。
 夫に束縛されている私にとって、夜間に出歩くと言うのはこの夜回りしかありませんでした。ですから、汚れたアバンチュールを楽しむのは、夜回りの日以外ありませんでした。
 そんな何かを期待する私は、子供が昼寝をしたのを確認すると、さっそくクローゼットの中を漁り出し、夜回りに履いて行く下着を選び始めました。
 すると、リビングに置いていたスマホが突然鳴り出しました。
 どうせまた、夫がネット購入したアダルトグッズを、ヤマト運輸か佐川急便が「今からお届けします」と電話を掛けて来たのだろうと思い、面倒臭そうにリビングに向かうと、スマホのディスプレイには『真野さん』と表示されていたのでした。

 慌てて電話に出ると、真野さんは「今夜の夜回りの件で、ちょっと相談したい事がありまして……」と言い、十分後に公園の北側にある東屋に来て欲しいと呼び出されました。
 わざわざそんな所まで呼び出すというのは余程の事だろうと思い、子供が昼寝したばかりだった事から私はそれを了解し、すぐにマンションを出たのでした。

 ぽかぽか陽気が眩しい午後の昼下がりでした。
 公園の北側は、地域の人達が無料で使用できる農場が広がっていました。都会の真ん中で家庭菜園ができるという事から、多くの人達がここの畑を借りていました。
 収穫時になると、新鮮で安全な野菜を安く売ってくれる直売店がずらりと立ち並ぶ事から、地域の主婦達からも人気のスポットなのでした。
 そんな農場の端に、真野さんが指定した東屋がポツンと佇んでいるのでした。

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 緩い坂道を進んで行くと、どこからともなく野鳥の囀りが、ぴよぴよ、ぴよぴよ、と聞こえてきました。雨上がりの爽やかな風とぽかぽか陽気に包まれながら歩いていると、どこか田舎の山奥に迷い込んだような錯覚に陥り、まさかここが東京だとはとても思えませんでした。
 いつもなら、この坂を上れば近所の老人ホームのお年寄りや保育園の子供達の笑い声が聞こえて来るのですが、しかし、今は昼時のせいか誰も見当たらず、ただただのんびりとした静けさに包まれていました。

 そんな静まり返った農場の緑の中に、白い帽子がふわふわと揺れているのが見えました。それが真野さんだと気付いた私が、「こんにちはー!」と手を振ると、緑の中からヒョイっと顔を出した真野さんが、「こんにちはー!」と手を振り返したのでした。

 百メートルほど先にいた真野さんは、右手にカマを持ったまま「ごめんなさーい! どーしてもここだけ終わらせちゃいたいので、あと十分だけ待っててもらえませんかー!」と叫び、満面の笑みでお辞儀をしました。
 内心イラッと来た私でしたが、しかし相手は『ゆとりママ』です。人を呼び出しておきながら平気で待たせる事など、屁とも思っていない礼儀知らずな人種なのです。
 だから私は、「わかりましたー!」と大声で答えてやると、溜め息混じりに東屋へと向かったのでした。

 そんな東屋の前には、キュウリが山積みになったカゴが二つ並べられ、そこには『一本20円』と段ボールの切れ端に書かれた札がぶら下がっていました。その横には、『お代はこちらに入れて下さい』と書かれた募金箱のような箱が置かれ、そこには『生産者・山原武雄』と、わざわざ御丁寧に名前まで書かれているのですが、しかしその箱の中には、黄金色に輝く五円玉が一個、淋しく転がっているだけでした。

 一本二十円のはずなのにどうして五円しかないんだろうとクスリと笑いながら東屋に入ると、そこのベンチの上に男がゴロリと寝転がっており、天井を見つめながらバリバリとキュウリを齧っていました。
 一瞬、この人が生産者の山原武雄さんなのだろうかと思いましたが、しかし、その正面のベンチに腰を下ろすなり男の横顔がはっきりと見え、それが例の白いライトバンの男だとわかった瞬間、私の全身は凍りついてしまったのでした。

 男は天井を見つめたまま、齧ったキュウリを口の中でバリボリと砕き始めると、頬をモグモグと動かしながら横目でソッと私を見ました。
 私を見た瞬間、男はピタリと咀嚼を止めました。それと同時に私の心臓がビクンっと飛び跳ね、まるで蛇に睨まれた蛙のように、その視線さえも動かす事が出来なくなってしまったのでした。

 十秒……二十秒……。
 私と男は無言で見つめ合っていました。
 暫くすると、男はゆっくりと咀嚼を開始し、静まり返った東屋に、またバリボリという音が響き出しました。
 そのまま男は、再び視線を天井に戻しました。が、しかし、私との視線を反らす瞬間、一瞬男がニヤリと唇を歪めたのを私は見逃しませんでした。

 そのニヤリが、私の下半身をゾクっと痺れさせました。
 あの夜、白いライトバンの中で狂ったように悶えていた東さんの姿が鮮明に蘇ってきました。たちまち陰部が疼きました。まるで絶頂に達した時のような痺れが断続的に続き、むずむずと陰部が疼いて堪りませんでした。
 私は、お尻をモゾモゾさせながら男が寝転がるベンチの真正面に腰を下ろし、疼きが治まるのを必死に堪えていました。
 しかし、私の頭の中では妄想が先走りし、この男が私を陵辱しながらニヤリと笑っている姿などが鮮明に浮かび上がっては、更に疼きを酷くさせるばかりでした。
 このままでは取り返しのつかない事になってしまうと私は危惧しました。このまま妄想と疼きが続けば、自らの意思であの男の股間に手を伸ばし兼ねないのです。

 私は下唇をギュッと噛み締めながら後ろを振り向きました。
 広大な農場はのどかな陽気に照らされ、キラキラと輝く緑の真ん中では真野さんの白い帽子がせっせと動いていました。
 そんな真野さんの畑仕事は、まだまだ終わる気配はありませんでした。何といっても彼女は『ゆとりママ』なのです。十分と言っておきながらも平気で三十分待たせるという常識知らずな『ゆとりママ』なのです。

 私は再び下唇を噛み締めながら、ゆっくりと前に向きました。
 すると、今まで天井を見ていた男の顔が私に向いていました。
 なんと男は、寝転がったまま真正面に座る私の股間をジッと見ていたのです。
 私はミニスカートを履いていました。ですからあの男の顔の位置からだと、私のスカートの中は丸見えになっているに違いありませんでした。

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 私は必死に太ももを閉じましたが、しかしミニスカートだったため、上からスカートを押さえない限りは、どれだけ太ももを閉じても下着は見えてしまいました。
 それでも私は太ももを必死に閉じました。
 それは、閉じなければならない理由が他にもあったからです。

 私の陰部は、既にヌルヌルに濡れていました。陰部から溢れ出した汁はクロッチにまで染み込み、閉じた太ももの内側さえもネトネトに濡らしていました。そんなクロッチを見られたら男がその気になってしまうと焦ったため、だから太ももを閉じなければならなかったのです。

しかし、暫くすると、逆にその汚れた下着を見られたいという異様な欲望が涌き上がり、いつもの変態性欲に追い立てられた私は、居ても立ってもいられなくなってしまったのでした。

 そうモジモジしている間にも、男の視線は私のスカートの中に突き刺さっていました。その視線は、まるで念力でもかけているかのように鋭く、妄想狂の私の頭の中では、『股を開け……股を開け……』と唸る男の声が響いていました。
 そんな幻聴に導かれるかのように、ギュッと閉じていた私の太ももが次第に弛んできました。
 股関節がジワジワと弛むにつれ、私の唇からはハァハァと息が漏れ始めました。そんな私を、一瞬ギョッと見返した男でしたが、しかしみるみると弛んで行く股間に、男のその驚きは次第に喜びへと変わっていき、私の股が完全に開かれた頃には、また、例のニヤリとした不敵な笑みを浮かべていたのでした。

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 いやらしい汁がじっとりと滲み出るクロッチを見つめていた男は、不意に「濡れてるね」と呟きました。
 その言葉が私の胸に突き刺さりました。
 今までかろうじて胸に止めていた道徳感覚が鋭く抉られ、その傷口から激しい羞恥心が涌き出してきました。
 しかし私はマゾヒストです。肉体的、精神的苦痛に喜びを感じる被虐嗜好者です。だからその羞恥心が激しければ激しい分だけ、性的興奮を感じる変態M女なのです。

 たったその一言でスイッチが入ってしまった私は、今まで必死に押し殺していた感情を剥き出しにしてしまいました。
 男の熱い視線を感じながらスカートの中に指を入れると、そのぐっしょりと濡れた部分に指を這わせ、ヌルヌルと上下に滑らせたのでした。

 そんな私は顔を伏せていました。恥ずかしくて恥ずかしくて、とてもではありませんが男を見る事などできなかったのです。
 しかし、男が身を乗り出しながら、私の恥ずかしい部分を覗き込んでいる様子はわかりました。そして、モゾモゾとズボンを下ろす気配も、ちゃんと感じていました。
 そのうち、ベンチに寝転がる男の体が、一定のリズムで動き出したのがわかりました。カサカサと服が擦れる音に合わせ、ハァハァと荒い息が漏れ、そしてそれらの音の中に、まるで納豆を混ぜるているような『ぴちゃぴちゃ』という音が混じっていました。

 男が何をしているのか、わざわざ見なくてもわかりました。
 だから、敢えてそれを見る事こそが相互オナニーというプレイの醍醐味だと言う事を、例の公衆便所の少年に教えられていた私は、恐る恐る視線を男に向けたのでした。

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 私の視線がそれを捕らえるなり、肉棒をシゴいていた男の手がいきなり止まりました。
 男は私を見ながら、まるで乳首をレロレロと舐めるかのようにカサカサの唇を舐め、「へへへへ」と下品に笑いました。そしてニヤニヤしながら、摘んでいた肉棒をペロリと裏返しにし、「俺も……ヌルヌルだ……」などと呟いては、そこを私に見せつけてきたのでした。

 亀頭の裏は、まるでトカゲの喉元のようでした。『人』という字から我慢汁がダラダラと溢れ、それがチョコレートのように黒いペニスの裏側に垂れては、そこを獰猛に黒光りさせていました。
 それを見ながら私も、男と同じように自分の唇をチロチロと舐めました。それはまるで、亀頭の裏にある『人』という字を、舌先でチロチロと舐めるかのように、いやらしく舐めたのでした。
 そんな私の口元を見ていた男は、喉が渇いた大型犬のようにハァハァと荒い息を吐きながら、再びペニスをシゴき始めました。
 上下に動く皮が、そこに溢れる我慢汁をぴちゃぴちゃと鳴らし、どこかで鳴いている野鳥の囀りとハモりました。

 私が座っている座席と男が寝転がっている座席とは、わずか二メートルしか離れていませんでした。
 一歩前に出れば、あの獰猛なペニスを口に含む事ができる距離なのです。
 私はドキドキしながら、背後に広がる農場に振り向きました。
 真野さんの白い帽子が、広大な緑の中でフワフワと風に靡いているのが見えました。
 ここから真野さんまで百メートルほど離れています。しかも畑は、昨夜の大雨で泥状と化していますので、この状態であそこからここに来るには、少なくとも二、三分は掛かりそうなのです。

(今しかない……)

 そう思いながら、私はパンティーの端に指を引っかけました。
 そしてゆっくりと男に振り返りながら腰を上げ、お尻からパンティーをスルッと下ろしました。
 突然男は獰猛な目をギラリと輝かせると、睨むようにしてスカートの中を見つめ、再び下品に舌を舐め始めました。
 私はパンティーを素早く足首から抜き取ると、右手の中に握りしめました。
 すると男はそんな私の右手をジッと見つめ、ニヤリと微笑みました。そして猿のように汚れた手を私に伸ばし、無言でゆっくりと頷いたのでした。

 私は震える手をゆっくりと開き、素早くクロッチを確かめました。
 そこは微かに黄ばみ、じっとりと濡れていました。
 これを他人に見られるのかと思うと、激しい羞恥心に襲われ、おもわず声を漏らしそうになりました。

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 確かに、以前にも公衆便所で少年に下着を汚された事がありました。
 しかしあの時は、その下着が汚される瞬間は見ておりません。汚された後のモノを見せつけられたのです。
 だけど今は違います。今ここでこれを男に渡せば、すぐ目の前で汚されるのです。わずか二メートル先で、嗅がれ、舐められ、そして犯されてしまうのです。

 それをリアルに想像した瞬間、おもわず私は「いや……」と小さく呟きながら項垂れてしまいました。
 それなのに私は……
 なんと、そのパンティーを握りしめた右手を、恐る恐る男に向けて伸ばしているのです。

 マゾヒストの悲しい性です。
 被虐嗜好者の惨めな性癖です。
 私は、辱められる事に恐怖を感じながらも、内心ではそれをひしひしと望んでいる野良犬以下の変態なのです。

 そんな私は、男に右手を向けながらも拳は握ったままでした。
 男は身を乗り出すと、私の拳を包み込むようにして両手で握りました。
 皮の厚いガサガサとした手でした。じっとりと汗ばむその手は、つい今まで不潔なペニスをシゴいていた手でした。
 項垂れたまま拳を開こうとしない私を、男はニヤニヤと見つめながら、私の拳の指を一本一本剥ぐり始めました。
 項垂れる私の目には、ベンチに座る男のペニスが天に向かってピーンっと突き立っているのが映っていました。そのペニスで今から膣の中を掻き回されるのかと思うと、不意にあの時の東さんの悶える顔が浮かびました。
 そして再び激しい膣の疼きを感じると、私の指は力を失くしていったのでした。

(つづく)

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