汚れし者は二度夢を見る3
2013/05/30 Thu 18:00
(三話・汚れた下着)
公園での出来事があったその日の晩、セックスがしたくて堪りませんでした。私たち夫婦のセックスというのは、夫がやりたい時にやるというのが当たり前になっており、私からソレをねだる事など今までに一度もございませんでした。ですから私の口からソレを言い出す事は出来ず、私は昼のムラムラした状態で夕食の後片付けをしていたのでした。
七時に洗い物を終えると、次はお風呂です。夫は子供達を風呂に入れる事を面倒臭がりますので、二人の子供は私一人で入れなくてはなりません。私はリビングのソファーに寝転がりながらテレビを見ている夫を横目に、裸の子供達を連れて浴室へと向かったのでした。
お風呂から上がると、遊び疲れた息子は催眠術にでもかかったかのようにコロンっと寝てしまいました。もう一人の娘を寝かせようとリビングのソファーで授乳をしておりますと、不意に夫がソファーをムクリと起き上がり、「ふわぁぁぁぁぁぁぁぁ」と大きなあくびと背伸びを同時にしながら「風呂、入ってくるわ」と呟いたのでした。
浴室に向かう夫の背中をソッと見上げる私はドキドキしていました。というのは、私は脱衣場に、ある仕掛けをしていたからでした。
仕掛けなどと大袈裟に言いましても、それは、私がさっきまで履いていた下着を夫の目につく場所に置いているだけという非常に単純なものでした。
しかし、これが結構効果的なのです。
私は以前から夫にその趣味がある事を知っていました。主婦というのは、脱衣カゴに入れられている洗濯物の順番を結構覚えているものでして、そこを荒らされたりすると、洗濯時にその異変に気付くものなのです。
ですから私は、夫が私の使用済み下着を時々見ている事に気付いていました。それが趣味なのか、若しくは私が浮気をしていないかを調べているのかその目的はわかりませんが、しかし夫が脱衣カゴの中を漁ったその晩というのは必ずと言っていいほどセックスを迫ってきましたから、やはり夫にはその趣味があるのでしょう。
普通の女性ならば、使用後の下着を物色されるなど、それが例え夫であっても嫌なものですが、しかし私は別でした。先ほども言いましたように、私には汚いモノに欲情するというおかしな癖がございますので、女性の汚れた下着に欲情するという夫の異常さが理解できました。ですから私は、それを夫に問い詰めた事もなければ、脱ぎ捨てた下着を隠そうとしたりする事もなく、自由に鑑賞させていたのでした。
しかし、いつも夫が私の下着を物色しているとは限りませんでした。恐らく夫は、余程性欲が溜まっている時しか物色しないのです。
となると、今夜の物色はあまり期待できませんでした。前回のセックスからわずか三日しか経っていませんから、夫はそれほど溜まっていないのです。
ですが、今夜夫をソノ気にさせるには、何としても私の下着を見て貰わなければなりません。それが彼をソノ気にさせる一番手っ取り早い方法なのです。
そこで私は、いつもは何気に脱ぎ捨てている下着を、今夜は意図的に脱ぎ捨てる事にしました。わざと脱衣カゴの一番上に私の下着を置き、クロッチが見えるように広げておいたのです。
そんな私の今夜の下着は尋常ではありませんでした。公園でのオナニーで、下着の中に手を突っ込んだまま二回も絶頂に達していましたので、クロッチに染み付くその汚れは明らかに不自然でした。
しかも、その不自然な汚れの上に、更にコーティングするかのようにして新鮮な性的分泌物がじっとりと付着していましたから、この日の私のクロッチは、まるでパンティーを履いたままクロッチをズラして犯されたような、そんな淫らな汚れがたっぷりと染み込んでいたのでした。
あのような不自然なシミを見せられた夫は、たちまち凄まじい妄想に取り憑かれ、激しく興奮する事でしょう。
というのは、私の夫は病的なほどに嫉妬深い男なのです。
常に嫉妬心を剥き出し、まるで万引きGメンのように私の周囲に目を光らせては、例えNHKの集金係であろうと、例え義父であろうと、見境無しに疑惑の目を向けるほどの重症嫉妬狂いなのでした。
そんな苦悩の末、いつしか夫は異常な願望を抱くようになりました。嫉妬に苦しむ夫はその嫉妬心を歪曲し始め、異常な妄想を抱くようになったのです。
夫は、私が浮気などしていない事を知っています。そう知っていながらも、しかし私が浮気していると思い込み、常にその妄想を頭に描いているのです。
つまり夫には、俗にいう『寝取られ願望』という奇妙な性癖があるのです。いや、実際には、本当に私が誰かに寝取られる事を望んでいるわけではありませんので、この場合、『寝取られ願望』よりも『寝取られ妄想』と言った方が正しいのかもしれません。
きっと夫は、私が誰かに寝取られる事を妄想する事によって興奮を得る変態なのです。なぜなら夫は、私に浮気を問い質すのは決まってセックスの最中だったからです。
夫は、私の腹の上で腰を振りながら、いつも勝手に浮気の妄想を描いていました。それがさも現実であるかのように勝手に妄想し勝手に絶望しているのです。
そして挙げ句の果てには「山下接骨院の先生にはどうやって犯されたんだ?」などと、実在する人物を登場させてはリアルに脚色し始めます。それに私が答えないと機嫌が悪くなるため、私は仕方なく「両手を縛ってもらいました」などとデタラメを答えます。
すると夫は、それが私のデタラメだとわかっていても、いちいち私の言葉に激しく興奮します。そして更に激しく腰を振りながら「そいつのチンポを舐めたのか!」などと怒鳴り散らし、「舐めさせられました。精子まで飲まされました」などと、毎回くだらない事を私に言わせるのでした。
この他にも夫は、セックスの最中に元彼の事をよく聞いてきました。元彼とはどんなセックスをしていたのかなど事細かく私に告白させ、元彼の名前やペニスのサイズなどを聞き出しては勝手に嫉妬していました。
ある時など、セックスの最中にその元彼に電話をしろと言い出し、それだけは嫌だと私が断固として拒むと、元彼を諦めた夫は、突然『女性専用ツーショットダイヤル』などという所に電話をかけ始め、見知らぬ男が電話に出ると、慌てて私に携帯を渡したのでした。
夫はその携帯をスピーカーにしていましたので、相手の男の声を聞く事が出来ました。スピーカーに耳を傾けながらも夫は、私の耳元に「今、オナニーをしていますと言え」などと指示を出してきました。それに従い、夫の言葉を相手に告げると、すかさず相手の男が「指を入れてみて」などと話に乗ってきました。すると夫は突然激しく腰を振り始め、「あなたの指でピストンして下さい」や「お尻の穴にも指を入れて下さい」などと私に言わせるのです。
そんな変態セックスに、おもわず私も興奮してしまいました。男の言葉に合わせて夫は腰を振り、クリトリスを弄ったりしました。相手の男の言葉通りにそれを実行するのです。その為私は、本当にその男とセックスしているような気になってしまい、おかしな気分になってしまったのでした。
私が乱れ始めると、夫は背後から攻めながら黙って私を見下ろしていました。私は、夫の目の前で他人に犯されているような異様な感覚にとらわれ、ふと気が付くと、私も携帯に向かって淫らな声で喘いでしまっていたのでした。
そんな私の激しい喘ぎ声に、相手の男もかなり興奮しているようでした。受話器に向けてペニスをクチュクチュとシゴいたり、ハァハァと荒い息を吐いてみたり、受話器をベロベロと舐めながら「オマンコおいしいです」などと唸るなど、次々にいやらしい事をしてきました。
そしていよいよ興奮が高まって来ると、男は荒い声で「気持ちいいか、イキそうか」と聞いてきました。私は、何が何だかわからないくらいに興奮してしまい、いつしか夫の指示を受ける事なく男の言葉に答えていました。無意識のうちに、「イキそうです! もっともっと突いて下さい!」などと、今まで夫にさえ言った事のないような淫らな言葉を、狂ったように叫びまくっていました。
そんな淫らな私を見下ろしながら、夫は満足げに射精しました。そして、私の中に大量の精液を出し尽くすと、いきなり私の手から携帯を奪い取りました。
男はまだ卑猥な言葉を囁きながらオナニーを続けていました。そして遂に男が限界に達し、「あぁぁぁ、出ちゃうよ、出しちゃうよ、おまえのオマンコに中出ししちゃうよぉぉぉぉぉぉ」と射精した瞬間、夫はいきなり携帯に向かって「餅つきペッタン、ペッタンコォー、ペッタン、ペッタン、ペッタンコォー」などと猛禽類のような奇声を発し、慌てて電話を切ってしまったのでした。
携帯を床に投げ捨てた夫は、凄まじい形相で私をギロリと睨みました。そして「指示を無視して勝手に相手と会話した罪は浮気に値する」などと言い出し、激しい嫉妬に顔を真っ赤にさせながら、床に転がっていた枕をバンバンと蹴り始めました。
しかし夫は、そう怒り狂いながらも、射精したばかりのペニスを早くもビンビンに復活させていました。そして「あれがおまえの本性なんだ、ああやっていつも見知らぬ男とヤリまくってるんだろ」などと勝手に妄想しながら、またしても私を乱暴に犯し始めたのでした。
このように、私の夫は『寝取られ妄想』に取り憑かれた変態なのです。ですから脱衣場に仕掛けたあの不自然に汚れた下着を目にすれば、夫は確実に興奮し、必ず私に襲い掛かってくるはずなのです。
私はそう確信しながら脱衣場のドアをジッと見つめていました。今にもあのドアが蹴破られ、欲情に駆られた夫がペニスを勃起させながら襲い掛かって来るような気がし、私は恐怖と期待に胸をドキドキさせながら、黙って脱衣場のドアを見つめていたのでした。
暫くすると、不意に脱衣場の中から、浴室のドアがガラガラガラっと開かれる音が聞こえてきました。すぐにボイラーが点火するボッという音が響き、微かにシャワーの音が聞こえてきました。
私は、夫はちゃんと下着を見てくれたのだろうかと心配になりました。すぐにでも脱衣場を飛び出して来ると予想していたのが外れ、このまま時が過ぎてしまったらどうしようという不安に襲われました。
既に私の陰部は、大量のシロップを垂らしたかのようにドロドロに濡れていました。このまま放置されるのは、まさに生き地獄なのです。
居ても立ってもいられなくなった私は、既に寝息を立てている娘を抱きかかえたまま脱衣場へと向かい、ドアをソッと開けて中を覗きました。
狭い脱衣場にはモワモワと湯気が溢れ、甘いボディーソープの香りに包まれていました。浴室ドアのアクリル板に映る夫の裸体を横目に、その場でソッと背伸びをした私は、洗濯機の横にある脱衣カゴの中を覗き込みました。
押し込められた夫のジャージの隅に、白く丸まったモノが見えました。クロッチを広げて置いていた私の下着が、まるでボールのように丸められていたのです。
それは明らかに夫が下着を見たという形跡でした。私はソッとドアを閉めるとそのまま摺り足で寝室へと向かい、抱いていた娘をベビーベッドの上に静かに寝かせました。
夫があれを見て黙っているはずはない。私はそう確信すると、浴室から出て来た夫が求めてくる事を期待しながら、寝室に布団を敷き始めたのでした。
夫の布団と私の布団を二つ並べると、夫の布団に掛け布団を広げ、そこに四つん這いになりながら掛け布団の皺を静かに伸ばし始めました。
このままバックで入れて欲しい。骨盤が歪んでしまうほど激しく打ち付けて欲しい。そうムラムラしながら四つん這いのお尻を高く突き上げると、夫の枕に頬擦りしながらスカートをスルスルと下ろし、下着のお尻をふるふると振りました。
履き替えたばかりだというのに既に下着は汚れていました。クロッチはまるで水を浸したかのようにベタベタに濡れ、お尻を振る度に肛門までもがネチャネチャしていました。
早く入れて……誰でもいいから入れて……
そう思いながら股間に指を這わせると、ふと、昼間の公園の男の顔がぼんやりと浮かんできました。背中に精液をぶっかけられた感触が、四つん這いで撓る背中に蘇りました。
ああ、もう我慢できない、とそう思いながらパンティーの中に指を滑り込ませると、まるで中華飯に入っている、熱を帯びたキクラゲのような小陰唇がヌルヌルと指に絡み付いて来ました。
「あぁぁぁ……」
おもわずそう声を漏らしてしまいました。
するとその直後、突然背後から、「おい」という夫の野太い声が聞こえてきたのでした。
(つづく)
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