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入浴介助2

2013/05/30 Thu 17:59

入浴介助2



 湿気で籠った脱衣場には、低いボイラーの音がブーンっと響き、石鹸と消毒液の混じった匂いがムンムンと溢れていた。
 漂うこの雰囲気は、まさにボディーソープとイソジンの匂いが充満する風俗のシャワールームだと思いながら、大井は恐る恐る脱衣場に入った。
 バタンっとドアが閉まると、それまで廊下に響いていた雑音が遮断され、シーンっと静まり返った脱衣場は密室と化した。
 ドアを閉めた看護婦がドアノブの鍵をカチッと押した。
 風呂場のドアに鍵をかけるという事は、至って普通の事なのだが、しかし、今の大井には、そのカチッという鍵の音が異常に聞こえた。

「風邪とかひいてませんよね……」

 若い看護婦はそう言いながら、脱衣棚の上にある看護婦用のバスタオルを取ろうと手を伸ばした。が、しかし、それには到底届かず、看護婦は脱衣棚の下に押し込められていた小さな脚立を引きずり出した。

「ええ……風邪はひいてません……」

 そう答えながらモジモジしていると、看護婦は「インフルエンザが流行り始めてますから気をつけて下さいね……」と言いながら、恐る恐る脚立に乗った。
 いきなり大井の目の前に、白いナース服に包まれた尻が浮かんだ。
 激しい胸の鼓動で咳き込みそうになった。おもわず大井は、誰もいるはずのない脱衣場の中をキョロキョロと見回すと、突然中腰になり、素早くスカートの中を覗いたのだった。

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 それはあまりにも衝動的過ぎる行動だった。鼻からスカートの中を覗く気など全くなかったのに、無意識のうちに覗いてしまったのだった。
 素人女のパンティーを見るのは久しぶりだった。しかも若い女のソレを見るなんて、もしかしたら高校生以来かも知れなかった。

 カーッと頭に血が上った。慌てて体を元に戻した大井は顔が真っ赤になっていた。
 右手にバスタオルを抱えた看護婦は、「よいしょっ」と呟きながら脚立から下りた。
 その仕草が異様に可愛く見えた。それが、まだ頭の中に浮かんだままのパンチラと重なり、大井の胸と股間を激しく締め付けた。

「それじゃあ、脱がせますね……」

 看護婦はそう言いながら大井の真正面に立つと、パジャマの上着のボタンをひとつひとつ外し始めた。
 それはかなりの接近だった。すぐ目の前に彼女の顔が迫り、彼女の小さな呼吸までもが聞こえてくる程の至近距離だった。
 目のやり場に困った大井が視線を斜め下に下げると、看護婦の胸にある手書きの名札が目に飛び込んで来た。
『水野真美』とフルネームで書いてあった。自分で書いたのか、名前の横には何故かアンパンマンの絵が書いてあった。
 沈黙が流れていた。二人きりの密室で若い看護婦に裸にされるという、この気まずい雰囲気に耐えきれなくなった大井は、「これ……看護婦さんが書いたんですか?」と名札のアンパンマンを指差しながら、どうでもいい事を聞いた。
 看護婦は、チラッと自分の胸元を見つつ、「あっ、はい」と満面の笑みを浮かべた。

「私、小児科の看護婦なんです。小さな子供達はみんなアンパンマンに反応してくれますから、注射を打つ時なんかコレで子供の気を紛らわせたりしてるんですよ」

 そう「うふふふ」と微笑む看護婦に「へぇ〜」と頷きながらも、大井は(俺もガキと一緒じゃねぇか)と自分にツッコミを入れた。
 しかし、大井は全然気が紛れてはいなかった。恥ずかしそうに微笑む看護婦があまりにも可愛く、気が紛れるどころか余計緊張してしまった。

(落ち着け……こんな小娘に俺は何をドキドキしてるんだ……立つなよ……こんな所で立つんじゃないぞチンポ……駅裏の『ピンクパンサー』の明菜を思い出せ……あの馬のような出っ歯と真っ黒な歯茎。そしてあの五十八歳の恥垢だらけのマンコの匂いを思い出すんだ……)

 高まる興奮を抑えようと、大井は記憶の中に眠る明菜の陰部の激臭を手繰り寄せた。
 明菜のアソコは生ゴミから滲み出た汁のような臭いだった。どれだけ感情が高ぶっていても、その臭いを思い出せばとたんにクールダウンする事が出来た。
 先日も、棚田専務の葬儀場で、お経を唱える坊さんがあまりにも内山君に似ている事から笑いを堪えるのに必死だった。が、しかし、明菜のアソコの臭いを思い出した瞬間、その笑いは一瞬にして消え去り、気持ちを穏やかにする事が出来た。
 そんな明菜の激臭を鮮明に蘇らせながら、大井は、(立つなよ……立つんじゃないぞ……)と、念仏のように唱えた。
 しかし、パジャマの上着を脱がせる瞬間、不覚にも看護婦の髪に漂うリンスの匂いを嗅いでしまい、せっかく呼び起こした明菜の激臭を消去してしまった。
 慌てた大井は再び明菜を呼び戻した。明菜のあの醜い顔を思い出し、そしてあのダチョウのような下半身デブの体型を頭の中に再現したが、しかし、そんな大井の苦悩も知らず、看護婦は大井のYGの肌着シャツを摘むと、「バンザ〜イして下さい」と、小首を傾げて微笑んだのだった。
 さすが小児科の看護婦さんだった。小首を傾げた仕草が小動物のように可愛く、「バンザイ」の「ザ〜イ」と伸ばす所が、これまたNHKの教育番組のお姉さんのようで堪らなく可愛かった。
 そんな彼女の攻撃により、またしても明菜の記憶は木っ端微塵に打ち砕かれてしまったのだった。

 YGの肌着シャツを、頭からすっぽりと引き抜かれた大井は、もはや撃沈していた。いや、言葉で表現するなら『激ちん』と書くのだろうか、大井のペニスは、まるで大木の根元のようにしっかりと勃起してしまっていた。
 そんな大井の下半身の異変にまだ気付いていない看護婦は、大井のパジャマの上着と、少し黄ばんだ肌着シャツを素早く畳み、脱衣棚の中に丁寧に仕舞った。
 大井のパジャマのズボンに突き立つソレは、もはや隠しきれない事実となっていた。誰が見ても勃起している事は一目瞭然であり、完全に逃げ場はなかった。
 看護婦の背中を見ながら、(どうしよう……どうしよう……)と焦っていた。もしかしたら看護婦は、それを見た瞬間カッと顔を赤らめ、凄い勢いで脱衣場を飛び出すと、先ほどの若井みどりや百貫デブの看護婦を援軍として連れて来るかも知れないのだ。
 そう脅えながら看護婦の細い背中を見ていると、遂に看護婦が振り返った。そしてそのまま、突き出た下半身の前にゆっくりしゃがんだのだった。

 彼女のすぐ顔の前に、青いチェックのパジャマの生地が、不自然に一カ所だけニョキッと伸びていた。
 凄まじい恐怖と羞恥に駆られた大井は、おもわずギュッと目を閉じ、この悲惨な現実から逃避した。
 一瞬、看護婦の動きが止まった。瞬きせぬままソレを見つめ、呼吸さえも止めていた。
 その沈黙は暫く続いた。
 大井は堪えきれなくなり、恐る恐る薄目を開けて看護婦を見下ろした。
 看護婦はしゃがんだまま静かに目を伏せていた。
 しかし、すぐにゆっくりと目を開けると、何もなかったかのようにパジャマのズボンのゴムにソッと指を引っ掛けたのだった。

 さすがは看護婦だった。最初は驚いていた様子だったが、しかし目を伏せていたそのわずか数秒の間に平常心を取り戻したのか、まるで子供のズボンを脱がすかのように大井のズボンをスルリと下ろしてしまった。
 トランクスの中心はピーンっと突っ張り、その、俗にいう『社会の窓』という切れ目には、真っ赤に腫れ上がった亀頭の半分が、歪な格好で顔を出していた。
 大井は完全に言葉を失っていた。何も言えないまま、ただ呆然と立ち竦んでいるだけだった。
 看護婦も、さすがにこのトランクスを下ろす事には躊躇っているようだった。この状態でこれを下ろせば、たちまち目の前には剥き身のペニスがビンっと飛び出す事くらい看護婦は百も承知なのだ。

 再び沈黙が訪れた。今度の沈黙には、さっきの沈黙よりも数段重い空気が漂っていた。
 大井は焦った。何とか勃起を治める事は出来ないだろうかと、必殺の明菜の臭いを思い出そうとするが、しかし、もはや大井の頭の中は真っ白になっており、明菜の出て来る隙はなかった。
 すると、ふと大井の目に、名札のアンパンマンが飛び込んで来た。それは、泣く子の『気』を紛らわせてくれるという優れものだった。
 大井は、その下手糞なアンパンマンに、自分の『起』も紛らわせてもらおうと、祈る思いでそれを見つめた。
 が、しかしそこには、思いもよらないトラップが仕掛けられていた。
 なんと、そのアンパンマンの名札のすぐ下には、しゃがんだ看護婦のスカートの中が剥き出しになっていたのだった。

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 大井はギョッと目を見開きながらそこを凝視した。
 きっとこの看護婦は、勃起ペニスを見せつけられた事で動揺し、無防備になっているのだろうと思いながらそこを見続けた。
 それは実に生々しい光景だった。蒸れたストッキングに包まれた白く輝くパンティーには、うっすらとワレメの縦線までもが浮かび上がっていた。そんなものを見れば更に勃起が続く事はわかっていたが、しかし、もはや大井の視線はそこに釘付けとなり、一寸たりとも動かなくなっていたのだった。

(顔を埋めたい……働く看護婦のあの蒸れたストッキングに顔を押し付け、食い込む陰部をストッキングの上からザラザラと舐め回したい……)

 そう思いながら高ぶる欲情に脳をクラクラさせていると、不意に看護婦が「失礼します」と小さく呟いた。
 その口調は酷く淡々としていた。今までのような、いかにも小児科の看護婦的な明るさは消え、業務的な冷たい口調に変わっていた。
 そんな口調に、大井は一瞬恐怖を感じた。それは、ドMだと思ってホテルに連れて行った女が、服を脱ぐなり実はとんでもないSだったと知った時のような恐怖だった。

 変異した看護婦は、その中心で熱り立つモノからソッと目を反らしながらもトランクスを一気に下ろした。
 看護婦の目の前に、熱り立ったペニスがビンッ! と勢い良く飛び出し、まるで『張り子の虎』の頭部のようにびょんびょんと揺れた。

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 太くて長くて逞しいペニスだった。しかし黒光りする竿の先には、仮性包茎の皮がベロリと捲れた真っ赤な亀頭が剥き出され、せっかくのそのフォルムを酷く稚拙にしてしまっていた。
 しかもその痛々しい亀頭のカリ首には三日分の恥垢が白く粉を吹いており、向かい合う二人の間には、何ともいえない饐えた臭いがモワモワと立ち籠めていたのだった。

 看護婦は、そんなペニスを一切見る事なくスッと立ち上がると、黙ったまま大井の右手にビニール袋をバサバサと被せ始めた。
 そんな彼女の表情には、いかなる感情も見当たらなかった。あの『NHKの歌のお姉さん』のような明るさは消え失せ、まさに能面のように無表情だった。

 看護婦のそのツンツンした仕草は、大井の緊張感を更に高めた。
 勃起して何が悪い。大井はそう思いながらも、(俺よりも二十歳近くも下のガキじゃねぇか、どうして俺がこんなガキに遠慮しなくちゃならねぇんだよ!)と、そう心の中で怒鳴るのだが、しかし、元々気の小さな大井にはそれを態度に出す勇気はなく、まるで、初めて女郎屋に来た昭和の童貞青年のようにモジモジするばかりだった。

 そんな大井を無視したまま、看護婦は浴場のドアをカラカラカラっと開けた。
 ゴォォォォォォと響くボイラーの音と共に、懐かしいバスクリンの香りが浴場から溢れてきた。こざっぱりとした四人用の浴場には午後の光りが差し込み、モワモワと立ち籠める真っ白な湯気を眩しいくらいに照らしていた。
 浴場の入口には、くるぶしまで隠れるプラスチックの浴用スリッパが無造作に並べてあった。
 看護婦は「準備しますからちょっと待ってて下さい」と、業務的にそう言いながらそれを履いた。
 が、しかし、それを履いた瞬間、看護婦は「あっ」と小さく叫びながら慌ててそこから右足を抜いた。
 プラスチックの浴用スリッパの底に水が溜まっており、看護婦のストッキングの足の裏がじっとりと濡れていたのだった。

 看護婦は濡れた足の裏を見ながら「もう……」と顔を顰めた。
 そして、背後にチラッと振り向くと、そこに立ち竦む全裸勃起の大井に向かって、「先に入っててもらえますか」と呟いたのだった。

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 黄色いバスクリンの湯に足を入れた。三日ぶりの湯は肌をピリピリと刺激し、太ももから尻にかけて一瞬にして鳥肌を走らせた。
 ゆっくりと膝を曲げ、右手を高く突き上げたまま体を沈めた。腹の底から「あぁぁ……」という声が漏れ、何ともいえない心地良さに全身を包まれた。

 そんな大井のペニスは既に萎えていた。黄色い湯の中でユラユラと揺れている陰毛とペニスは、まるで海中のワカメとウツボのようだった。
 浴槽の壁に背中を凭れながらリクライニングすると、脱衣場のドアのモザイク調のガラス越しに、看護婦の白いナース服が見えた。
 それを見ながら、おもわず大井はペニスを握った。湯の中で上下にシゴくと、萎えていた肉の塊がみるみる力を帯び、たちまちビンビンに勃起した。
 そんなペニスの尿道からは大量の我慢汁が滲み出ており、湯と交わらないソレは、その部分だけをヌルヌルさせていた。

 モザイクのガラスには、ストッキングを脱ごうとしている看護婦のシルエットが映っていた。大井はそれを見ながら尿道を指腹で擦り、ヌルヌルの快楽に身を捩った。
 このまま湯の中で抜いてしまおうかどうしようか悩んでいた。可愛い看護婦のこんなシーンはなかなかお目にかかれぬものであり、大井の頭の中では、(抜くなら今だぞ)ともう一人の自分が急かしていた。
 抜こうと思えばすぐにでも抜けた。それは例え湯の中でも、例え左手であっても、数回シゴくだけで射精できる状態だった。
 一週間のオナ禁と、若くて可愛い看護婦に勃起したペニスを見せつけた刺激により、もはや大井のペニスは一触即発となっていたのだった。

 しかし大井は抜かなかった。湯の中でソッとペニスから手を離した。パンストを脱いだ看護婦が、もっと刺激的なシーンを見せてくれるかも知れないという期待感が高まり、ここで抜いてしまうのは勿体ない気がしたのだ。

 だから大井は、かろうじて尿道を指腹でヌルヌルさせるだけに止め、『生かさず殺さず』の状態にしておいた。
 するとガラスには、ストッキングを足首から抜き取ろうとしながら前屈みになっている看護婦の尻が映っていた。ガラスには白いパンツがはっきりと映し出され、その丸みを帯びた柔らかそうな感触までもが伝わって来た。

ナース4

 そのあまりにも刺激的なシーンに、(やっぱりここで抜くべきだったか……)と後悔した大井だったが、しかし、ストッキングを脱いだ生足がそこに映し出されると、あの生足を今から間近に見る事が出来るんだと急に心が躍り出した。

(やっぱり慌てて抜かなくて良かった)

 そうおもわず微笑む大井純一郎は、今年41歳を迎えようとしているおっさんだった。

(つづく)

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