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毒林檎14

2013/05/30 Thu 17:59

毒林檎14




 俺は写真を摘む指と声を同時に震わせながら聞いた。

「どうしてあんたがこの写真を持ってるんだ……」

 原田凉子は、真っ赤な口紅をテラテラと怪しく輝かせながら小さく笑った。

「お忘れですか? 私はあなたの会社の顧問弁護士をしながらも、同時にコンプライアンス部も任されている事を」

「コンプラとこの写真と、いったいどう言う関係があると言うんだ……」

「セクハラです」

 原田凉子はキッパリとそう言い切ると、その八頭身に近い小顔を俺の顔にグッと近づけた。そして、狼狽える俺の目を鋭く覗き込むと、「あなた、第二営業課の小笠原由貴さんに随分と酷い性的嫌がらせをしてますよね」と囁いた。

「違う、何を馬鹿な事言ってんだ。俺たちは付き合っていたんだ。当時俺と彼女は結婚の約束までしてたんだ。だから何もかもがお互い合意の上だったんだ。変な言い掛かりを付けないでくれ」

 必死にそう話す俺を見て、原田凉子は「合意?」と首を傾げた。そして俺の顔を呆れたように見つめながら「では、どうして小笠原由貴さんは、私にこんな写真を渡して来たんでしょうね……」と薄ら笑いを浮かべた。

「それは……俺があいつを振ったからだよ。あいつと別れてすぐに、俺が今の女房と結婚したからだよ。それをあの女は恨んでるんだ。だから今更になって性的嫌がらせなどと変な言い掛かりをつけてきてるんだ。そのくらい、あんたも弁護士ならわかるだろ」

「もちろんわかりますよ。女として小笠原由貴さんの悔しい気持ちは痛いほどわかります。ですから私は、小笠原由貴さんからの依頼を引き受け、あなたを婚約不履行と貞操権の侵害で訴える事にしたのです」

 一瞬にしてカッと頭に血が上った。糞を喰わされたのは俺の方なのだ。あのスカトロプレイは、どちらかと言えば小笠原由貴の方が積極的だったのだ。

「て、貞操権の侵害って、ふざけんな! あれは合意だったって言ってるだろ! それに、俺に糞尿を喰わせたのはあいつなんだ! 俺にそんな趣味はねぇ! 糞を喰わされた俺の方が被害者なんだ!」

 そう怒鳴り散らすと、原田凉子は冷静な目で俺を見つめながら、「もちろん、あなたにも言い分はあるでしょう」と頷いた。

「しかし、今ここでそれをあなたが主張していても何の意味もありません。それは法廷にて主張するべき事です。ですから、あの変態プレイが合意だったか不合意だったかは法廷で争いましょう。その、人糞を貪り食っている変態プレイの写真を証拠として提出しますので、それを判事に見て貰い、正しい審理をして頂きましょう」

 原田凉子は、真っ赤な唇の端に真っ白な歯を覗かせながらニヤリと笑った。
 俺は、そんな彼女の冷血な目を見つめながら、まるでメドゥーサに睨まれたかのように固まってしまったのだった。

 あの変態行為が合意だったか不合意だったかは、もはや関係なかった。あの無惨な写真を公の場に曝け出された時点で、俺の人生は幕を閉じるのだ。仕事も家庭も友人も、そして社会的信用も人権も全てを失くし、俺は糞食い男として生きて行かなければならなくなるのだ。

 完全に俺の敗北だった。
 まんまと悪徳弁護士にしてやられた。
 立場が逆転した今、もはや二千万円など望めなかった。それどころか、この先俺は、この悪徳弁護士に一切逆らう事はできず、まさに奴隷として生きていかなければならなくなるだろう。
 しかし、糞食い男よりは奴隷の方がましだった。糞食い男として全てを失くすくらいなら、奴隷として全てを保った方がましなのだ。

 そう実感した俺は、ニヤリと笑う原田凉子を見つめながらガクリと肩を落とした。そして溜め息混じりに項垂れると、「わかった……何でも言う事を聞くよ……だから、小笠原由貴の件だけは……勘弁してくれ……」と、蚊の鳴くような声で呟いた。

「私があなたを選んだ理由がわかって頂けたようですね」

 原田凉子はそう言いながら、俺の手から静かに写真を取った。そしてその写真をバッグの中にスッと入れると、「因みに、これは動画もありますので」と、念を押すかのように微笑んだ。

「それは、どうしたら廃棄してもらえるんだ」

 俺は縋り付くようにして原田凉子に聞いた。

「それはあなた次第です。幸か不幸か、あなたのソレは奥さんに気に入られてしまいましたからね……今後のあなたの働きによって決まるでしょうね」

 原田凉子は、俺の股間で項垂れる巨根をチラッと見つめながらそう言った。

「それはどう言う意味だ。奥さんにもっともっと気に入れられれば廃棄してもらえるという意味なのか、それともお払い箱になったら廃棄してもらえるという意味なのか、どっちだ?」

「両方です。あなたが、私の命令通りに働いてさえくれれば結果は問いません。更に奥さんに気に入られようが、途中でお払い箱にされようが、あなたの仕事に誠意が感じられた時点で、私はあれを全て廃棄します」

 新宿公園の緑を映し出す窓からは既に西日が差し込んでいた。都庁の方から、さっきと同じ軍歌が聞こえて来た。しかしその街宣車は、移動しながらそれを流しているのか、すぐにみるみると遠ざかって行き、再び部屋は静まり返った。

 俺は全裸で立ち竦んだまま、「嘘じゃねぇだろうな……」と原田凉子に聞いた。
 原田凉子は、いつもの氷の目で俺をジッと見つめながら、「弁護士は嘘をつきません……」と呟いた。

 一瞬の間を置いて、見つめ合っていた二人が同時に微笑んだ。
 その笑みは、俺が彼女を主人とし、彼女が俺を奴隷とする、なんとも奇妙な契約成立を意味していた。
 そんなお互いの笑みにより、ピーンっと張りつめていた空気が一瞬にして和んだ。
 その空気に乗じて、箕輪社長の事を聞いてみようと思った俺は、「あんたを信じて一生懸命働くよ。ただ……ひとつだけ教えて欲しい事がある……」と柔らかく言った。

 しかし、原田凉子は何かを察したのか、「社長や奥さんについては一切お話しできませんからね」と先手を打った上で、「なんですか?」と首を傾げた。

 しかし俺は、これだけは聞いておかなければならなかった。
 それをはっきりさせておいておかなければ、俺も加藤常務の二の舞になる恐れがあるからだ。

「加藤常務を毒殺したのは……」

 そう言いかけた瞬間、いきなり原田凉子が俺のペニスをギュッと握った。「えっ?」と驚く俺の目をギッと見つめ、完全に萎んでいるペニスをシコシコとシゴき始めたのだ。

「ちょ、ちょっと待ってくれ」

 そう焦りながらも、しかし、上下に動く彼女の手を俺は止めようとはしなかった。

「あなた、二回目はイッてないんでしょ……ムラムラしてるから変な事ばかりに興味を持つのよ……」

 原田凉子は、氷のように冷たい目で俺を見つめながら、掠れた声で囁いた。
 萎んだペニスに装着されたままのコンドームが、パサパサパサと乾いた音を鳴らしていた。
 俺は乾いた喉にゴクリと唾を飲みながら、この予想外の展開にドキドキしていた。

「あなたは何も知らなくていいの……あなたは何も考えず、ただ眠ったふりをしていればそれでいいのよ……」

 原田凉子はそう囁きながら、半立ちの肉棒からパチンっとコンドームを引き抜いた。
 剥き出しにされたペニスはしっとりと湿っていた。社長の奥さんの唾液と俺の我慢汁がゴムで密封されていた。
 そんな湿ったペニスを五本の指で摘まれた。シコシコシコと扱かれると、生の感触が直接脳に伝わり、俺のペニスはみるみると大きくなっていったのだった。

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 俺は、この羞恥的な手コキに、異常な興奮を覚えていた。
 それは、散々社長の奥さんに弄ばれた後だという事もあるが、しかしそれよりも、この自ら手コキをして来た女弁護士が、ついさっきまでオナニーしていたという事実の方が興奮を高めていた。

(ペニスをシコシコしているその指は……ついさっきまで自分のアソコを弄っていた指なんだ……)

 そう思いながら上下に動く原田凉子の右手を見ていると、おもわず俺の口から「はあぁぁ……」という深い息が漏れた。
 そんな半開きの俺の目を、冷たい目でジッと見つめながら、原田凉子は「出してもいいわよ」と囁いた。
 その言葉に更に興奮した俺は、ハァハァと荒い息を吐きながら「舐めてくれよ……」と彼女の肩にソッと手を置いた。
 原田凉子は素早くその手を振り払った。そして「ふっ」と鼻で笑いながら「調子に乗らないで……私を誰だと思ってるの」と、握っていたペニスにギュッと力を込めた。

「私、東大卒の敏腕弁護士ですよ。そんな私が、どうしてあなたみたいな低学歴のゴミ人間のコレを舐めなきゃならないの……手でヤってもらってるだけでも有り難いと思いなさいよ……」

 そう言いながら、更に俺のペニスを強く握りしめた。
 原田凉子の小さな手の平の中で、亀頭が潰れんばかりに締め付けられていた。親指以外の四本の爪が竿に食い込み、痛みと快楽が脳でごっちゃ混ぜになった。

「あぁぁぁぁ……頼む……何でも言うことを聞くから、しゃぶってくれ……」

「何でも言う事を聞くから?……ふふふふ……あなたは既に私の奴隷なのよ……私の言うことを聞くのは当然じゃない……」

「それはわかっている……わかってはいるが、しかし、あぁぁぁぁ……もう我慢できないんだ……あんたとヤリたい……ヤリたくて気が狂いそうなんだ……」

 そう唸りながら、半開きの目でコキコキと腰を振り始めると、原田凉子は握っていたペニスをパッと手離した。そして、「あなたとヤルくらいなら舌を噛み切って死んだ方がましよ」と冷たく言うと、いきなり俺の頬を平手で叩いたのだった。

 パシッ! と乾いた音が、静まり返った部屋に響いた。
 不思議に全く痛く無かった。いや、痛いというより、もはやそれは快楽と言っても過言ではなかった。
 呆然とする俺の脳裏に、あの小笠原由貴との変態行為で得た、異様な快楽がジワジワと蘇って来た。縄で縛られ、鞭で叩かれ、そしてヒールの踵でペニスをグリグリと踏みつけられていた快感が濃厚に蘇って来たのだ。

毒りんご28

 俺はいきなりその場に土下座した。
 生肌がパシッ! と叩かれる、その乾いた音に反応してしまった俺は、まさにパブロフの犬そのものだった。

「ヤらせてもらえないのなら、せめてアソコを舐めさせて下さいお願いします」

 そう言いながら絨毯に額を擦り付けると、すぐに頭上から「いやよ」という冷たい声が帰って来た。
 俺は埃臭い絨毯に鼻を押し付けたまま、(嘘だ)と心で呟いた。

(この女は欲求不満だ。仕事仕事で毎日が追われ、そのストレスからムンムンと欲情しているはずだ。でなければ、わざわざローターなど持ち歩くわけがなく、他人の性行為を盗み聞きしてオナニーなどするわけがないのだ)

 俺はそう確信しながら、もう一度「お願いします!」と額を擦り付けた。そして、そのまま絨毯の茶色いシミを見つめながら、「舐めるのもダメならアソコを見せて下さい! いや、それもダメならアソコの匂いだけでも嗅がせて下さい! もちろんパンツの上からで結構です!」と叫んだ。

 すると、土下座する俺の頭の前で、原田凉子の体がスッと下りて来る気配を感じた。
 恐る恐る顔を上げた。すぐ目の前に黒いヒールの先が見えた。
 ドキドキしながら更に顔を上げると、足をM字にさせてしゃがんでいる股間が真正面に迫っていた。
 俺は興奮で胸を締め付けられながらサッと視線を上げた。
 氷のように冷たい大きな目が、無言でジッと俺を見下ろしていた。

 俺と目が合った瞬間、原田凉子は面倒臭そうに呟いた。

「しょうがないわね……匂うだけならいいわよ……」

 俺は目をギラギラさせながら、喉をゴクリと鳴らして唾を飲み込んだ。すると原田凉子は、そんな俺の目を呆れたように見つめながら、「ほら、早く仰向けになりなさいよ変態。顔の上に跨いであげるから」と笑った。
 それを聞いた瞬間、あの小笠原由貴の股間で窒息しそうになった時の事を思い出した。
 しかし俺は、原田凉子の股間でなら窒息してもいいと思った。
 この知的な変態女の股間で窒息死できるなら本望だとさえ思った。

 正座していた膝を崩し、そのまま仰向けに寝転がった。
 首をブリッヂさせながら原田凉子を見ると、ストッキングの中でシワシワになっている白いレースのパンティーが、すぐ目の前に迫っていた。
 そんなパンティーの中心に、十円玉ほどの丸いシミが滲み出ているのを俺は発見した。
 それを逆様に見ながら(やっぱりこの女は欲求不満だ)と確信し、俺は異様な興奮に胸を煽られたのだった。

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(つづく)

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