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堕落のアッコちゃん(2)

2013/05/30 Thu 17:30

●2アッコちゃんタイトル



 あの日、松崎に家の前まで送ってもらった明子は、一刻も早くこの出来事は忘れるべきだと自分に言い聞かせ、至って普通に明るく「バイバイ」と松崎と別れた。
 明子は、何もなかったかのように自分を誤魔化していた。ファーストキス。そして、生まれて初めて胸や性器を他人に触られた事など、初心な明子にとっては、目の前で投身自殺を目撃するくらいに衝撃的な出来事だった。
 しかし、それでも必死に平常を装う明子は、未だ頭の中でリピートし続けている、安室奈美恵の『SWEET 19 BLUES』を口ずさみながら玄関を開けた。
 玄関には見覚えのある茶色い革靴が無造作に並んでいた。
「ただいまぁ」と呟きながらドアを閉めると、リビングの扉が同時に開き、「よっ」と昌史伯父さんが顔を出した。
「こんばんは」と笑う明子に、昌史は「またまた来てるよ。ただ今、図々しくも義姉さんのおいしいグラタンを御馳走になってる所だ」と戯けながらリビングの扉を大きく開いてくれたのだった。

 昌史は明子の父の実弟だった。父が長期海外出張している為、母と明子二人だけでは心配だと言って、ちょくちょく家に立ち寄ってくれている優しい伯父さんだった。
 明子がリビングに入ると、ピンクのキッチンミトンを両手にはめながらオーブンの中からグラタンを取り出していた良枝が、「せっかく昌史さんが来てくれてるんだから一緒に食べましょ。早く着替えてらっしゃい」と、満面の笑みで迎えてくれた。

 その日は、久しぶりに三人で食卓を囲んだ。
「グラタンは熱ければ腹が立つし、冷めてたらもっと腹が立つ。いずれにせよ腹が立つ食べ物ではあるが、しかし、義姉さんのグラタンは美味いから今日の所は許すとしよう」
 昌史は、変な屁理屈をつけながらも、熱々のグラタンを美味しそうにハフハフと頬張っていた。
 それを見て、良枝も明子も腹から笑った。そんな剽軽な昌史伯父さんの出現により、明子はあの出来事を一時でも忘れる事が出来たのだった。

 しかし、部屋に戻って一人になると、あの時の恐怖と感触が再び蘇って来た。見えない何者かに心臓をギュッと鷲掴みされながらそのままベッドにバタンっと倒れ込んだ。場末のカラオケボックスの不潔な匂いと、あの下手糞な『SWEET 19 BLUES』の歌声が鮮明に蘇り、慌てて枕に顔を押し付けた。あんな場所でファーストキスを奪われたのかと思うと涙が溢れた。そしてあんな不潔な場所で、まして洗ってもいない指で性器を触られたのかと思うと、身震いするほどの恐怖に襲われた。

 枕に顔を押し付けたまま叫ぶようにして泣いた。腹から声を振り絞り、溢れる涙を枕の綿の中に吸い込ませた。日頃、大きな声を出した事がなかったせいか、そこまでおもいきり泣き叫ぶと少しすっきりした気分になった。
 ゆっくりと仰向けになり、白い天井を見ながら涙を拭いた。全て忘れよう、と小さく呟くと、階段の下から「アッコちゃーん、先にお風呂入っちゃってよー」という良枝の声が聞こえて来たのだった。

 浴室に入るなり、明子は和式便器でおしっこをするようにしてしゃがんだ。大きく開いた股間を覗き込んだ。ウヨウヨと生える陰毛の奥で、不気味な色をしたビラビラが貝のように口を閉じているのが見えた。こんな所を松崎に触られたのかと思うと、再び激しい羞恥が蘇り、おもわず股を閉じてしまった。
 これではいけないと下唇を噛み、必死に羞恥を堪えながら、再び大きく股を開いた。しゃがんだまま引いていた腰をゆっくり前に突き出すと、黒ずんだ陰の部分が浴室の茶色い照明にぼんやりと照らされ、その醜い姿を露にした。

 ここまで陰部をマジマジと見たのは初めてだった。いつもソコを洗う時は、ボディーソープを手の平にワンプッシュし、手探りでガシュガシュと洗うだけだった。
 開いた股の中心には、まるでナイフの先でスパっと斬りつけたような縦線が一本走っていた。そんなワレメに恐る恐る指を這わし、いつもタンポンを挿入する時のようにして左右に開いた。
 因みに明子は、一時期タンポンを使っていた事があった。処女の明子にとってタンポンを挿入する事は苦痛だったが、しかし、テニスの試合と生理が重なった時などはタンポンに頼るしかなかったのだった。

 逆ピースに開いた指の間から、ペロリと剥き出された粘膜が見えた。それは、いつも父が帰国した際に家族で食事をしている、銀座の『すし若』の大トロのように美しいピンク色をしていた。
 そんなピンクの生肉におもわず見とれていると、その中心で丸くポッカリと開いていた穴が、餌を欲しがる鯉の口のようにヒクヒクと動いた。

(こんな小さな穴の中に……男の人のアレが入るなんて……)

 そう思った瞬間、さっきまで太ももに押し付けられていた松崎のペニスの感触が蘇った。あのコリコリとした感触は、テニスボールの硬さによく似ているとふと思った。
 それと同時に、松崎の伸びた黒爪を思い出した。一刻も早く消毒しなければと焦り、シャワーのボタンを押した。シャワーヘッドの細かい穴からワッと湯が噴き出し、あっという間に浴室の鏡が曇ってしまった。
 股間にシャワーを噴射させようとしたが、しかし、中途半端な温度では余計雑菌を繁殖させるだけだと思った明子は、何かを思い出したかのように一度脱衣場に出た。そして洗面所の前に置いてあった『イソジンうがい薬』を手にすると、それを持って再び浴室に戻った。
 それは、以前、何気なく見ていたネットの掲示板に、『巷の風俗でイソジンが使われているのは性病防止に効果的だからだ』と書かれていたのを思い出したからだった。
 そんな書き込みを本気で信じていたわけではないが、しかしこの時の明子は藁にもすがる思いでいた。もしそれが『ワサビをアソコに塗り込めば性病は防げる』と書かれていたなら、迷う事なくハウスの『おろし生わさび』を浴室に持ち込んでいた事だろう。

 明子は、再びしゃがんだ股を大きく開くと、イソジンの蓋をカチッと開けた。赤いキャップの先の小さな穴を性器に向け、カバのイラストが書かれている容器の腹をギュッと摘んだ。
 ビュっと黒い液体が飛び出し、ピンクのワレメを茶色く染めた。独特な消毒液の香りに包まれながら更に容器を押していると、ワレメから溢れる黒い汁が肛門へと伝わり、まるで黒い下痢を漏らしているかのように肛門から床にポタポタと滴り落ちた。
 その姿は、東大合格間違い無しと太鼓判を押された才女の姿ではなかった。少なくとも、学園のアイドルといわれながら芸能界やモデル事務所からスカウトが来るほどの美少女の姿ではなかった。
 そんな自分の情けない姿に明子は泣きたくなって来た。しかし、これが愚か過ぎるほどに愚かな行為だとわかっていても、それでも明子はイソジンの噴射がやめられなかったのだった。

 イソジンを噴射する事によって、どれだけの効果が得られたのかはわからないが、しかし、ブスブスと胸にくすぶっていた強迫観念は取り除かれ、気分的にはすっきりした。
 使い切ってしまった空の容器を脱衣場のゴミ箱の中に捨て、濡れた髪をバスタオルで擦りながらリビングに行くと、ダイニングテーブルでブランデーを飲んでいた良枝と昌史が、怪訝な表情で明子に振り向いた。
「アッコちゃん、何、この匂い?」
 良枝は手の平で鼻と口を塞ぎながら驚いた。どうやら一本使い切ったイソジンの匂いは明子が思っている以上に強烈なもののようだった。
「ああ」と、一瞬は慌てた明子だったが、しかし頭の回転はコンピューター並みに速いため、「イソジンの使用期限が切れてたから、洗面所に流しちゃったの」と即答した。確かにあのイソジンは、かれこれ二年以上、洗面所の隅に放置されていた。良枝は、イソジンに使用期限があった事に驚きながらも、「全然気付かなかったわ」と、首を傾げていたのだった。

 冷蔵庫を開けたまま冷たいミルクをグラスに注いだ。キッチンに凭れながらクピクピと音を立てて真っ白なミルクを飲んでいると、頬をほんのりと赤らめた良枝が、「泊まっていけばいいじゃない」と、スルメをしゃぶっている昌史に言った。
「うん……どうしようかな……」
 腕時計を見ながらそう呟く昌史に、明子が「お布団出しておこうか?」と首を傾げた。
 独身の昌史はこれまでにも何度かここに泊まった事があった。明子の家には、ビジネスホテル並みの本格的なゲストルームあるのだ。
「じゃあ、そうしようかな……明日は会社も休みだし……」
 昌史はそう答えると、「という事ですので、さっそくですが義姉さん、もう一杯おかわり」と戯けながら一気にグラスを空けたのだった。

 明子の父親は一流企業の商社マンであり、かれこれ三年近くも海外に長期滞在していた。
 母と明子は二人きりで、この大きな家に暮らしていた。
 そのせいか、昌史伯父さんの訪問はいつも大歓迎だった。昌史伯父さんがやって来ると、淋しかった家の中が急にパッと明るくなるのだ。
 昌史叔父さんが「わっはははははは」と野太く笑うと、明子は、子供の頃にお父さんに抱っこされた時のような、そんな温かい心強さに包まれた。
 良枝もそうだった。二十五歳で結婚してから十年、その間、夫は中国、アメリカ、フランスと転勤を続けていた。日本に帰って来るのは年に数回しかなく、それはまともな結婚生活とは言えなかった。
 だから良枝も昌史が来ると嬉しそうだった。溜まりに溜まったストレスを発散させるかのように、泣いて笑って昌史とお酒を飲むのだった。

 この日の宴会も遅くまで続いた。時刻は既に十二時を過ぎていた。
 しかし、ほろ酔い加減の良枝は、クローゼットの中から古いアルバムを引っぱり出し、若き日の夫とのノロけ話を嬉しそうに昌史に話し続けていた。
 明子は、そんな母を昌史に預け、一人二階に上がった。
 ゲストルームのベッドを手早くセットした。ベッド脇のサイドテーブルにクリスタルの灰皿を置き、照明をスタンドライトに切り替え、そのまま隣の自室に入った。

 ベッドに入ってスマホを開くとメールが七通届いていた。そのうちの二通は夏美とテニス部の後輩の瑞希だったが、残りのメールは松崎からだった。
 松崎のメールには、言い訳じみた長文がダラダラと書き綴られていた。焦っているのか、全く同じメールが二通続けて送られていた。その後すぐ、誰と間違えているのか、『バカボンドの九巻がない』という意味不明なメールが届いており、その二分後には『ごめん、間違えた』というメールが続けて届いていた。
 そんな松崎のマヌケなメールにおもわずプッと噴き出すと、階段を上がってくるスリッパの音が聞こえて来た。良枝の寝室は一階にあるため、その足音は昌史に間違いなかった。

 夏美にメールを返信すると、隣のゲストルームから昌史の咳が聞こえて来た。すぐ隣に昌史伯父さんがいるんだと思うと妙な安心感に包まれた。明子はスマホを閉じると、止まらない昌史の咳を心地良く感じながら布団に潜り込んだのだった。

 しかし、なかなか寝付けなかった。何度目かの寝返りを打ちながら時計を見ると、時刻は既に二時を過ぎ、いつしか隣のゲストルームも静まり返っていた。
 寝付けない理由はわかっていた。寝ようとすると異様に股間がムズムズし、居ても立ってもいられなくなるのだ。
 それはまるで蚊に刺されたようなヒリヒリとした痒みだった。
 きっとイソジンの副作用に違いないと思いながらソッとベッド抜け出すと、鏡台の上に置いてあった手鏡を手にした。電気を点け、窓際のソファーに腰掛け、パジャマのズボンと薄ピンクのパンティーを脱いだ。そして開いた股の間に手鏡を置き、そこに陰部を映し出した。

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 何度見ても好きになれないフォルムだった。どうして神様はわざわざここだけをグロテスクに作ったのだろうと不思議に思いながらも、ピタリと口を閉じている小陰唇をクニャっと指で開いてみた。
 案の定、粘膜が赤く爛れていた。やはりイソジンの原液を直接粘膜に噴きかけるのは刺激が強すぎたらしい。
 熱を帯びた粘膜はジクジクと疼いた。まるで擂り下ろした山芋が肌に触れた時のように痒く、おもわずソコを爪でカリカリと掻きたい衝動に駆られた。

 そんな痒みに耐えられなくなった明子は、悶え苦しみながらも(冷水シャワーで冷やそう)とふと思った。
 急いでパジャマのズボンを履いた。どうせすぐ脱ぐんだからと下着は履かずノーパンのままドアに向かった。
 静まり返った廊下に足を忍ばせ、息を殺しながら階段を下りた。
 薄暗いリビングには、昌史伯父さんの煙草の匂いがほんのりと残っていた。綺麗に片付けられたダイニングテーブルを横目に奥の廊下へと進み、北側の母の寝室をソッと確認しながら南側の廊下の角を曲がると、ふと脱衣場のドアの隙間から明かりが漏れているのが見えた。
 またお母さん電気を点けっぱなしにしてる……
 そう思いながらドアノブを握ろうとすると、ほんの少し開いたドアの隙間から、蠢く人の背中が目に飛び込んで来た。

 ドクン! っと明子の心臓が飛び跳ねた。一瞬、大声を出しそうになった明子だったが、慌ててそれを堪え、サッと壁に身を隠した。
 そこで蠢いているのは昌史伯父さんだった。なんと昌史伯父さんは、ズボンとトランクスを足首まで下し、毛深い尻を丸出しにしていた。そして狭い脱衣場にハァハァと荒い息を響かせながら、何やら股間で青い布をゴシゴシと動かしていたのだ。

 愕然としながら明子はドアの隙間からそれを見ていた。
 昌史伯父さんは「あぁぁ」と低く唸ると、ゆっくりと体を横に向け、そのまま浴室側の壁に凭れた。
 明子はサッと壁に隠れた。昌史伯父さんはいったい何をしているんだろうと黒い渦が胸の中でとぐろを巻いた。
(見ないほうがいい、見ちゃダメ)と自分に警告しながらも、明子は再びドアの隙間を覗いてしまった。
 横向きになった昌史伯父さんが目に飛び込んで来た。
 それは信じられない光景だった。昌史伯父さんの勃起したペニスに被せられていたのは、ついさっきまで母が履いていた青い下着だった。昌史伯父さんはそれを洗濯機の中から取り出し、そしてそれをペニスに被せながらオナニーをしていたのだ。

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 強烈なショックが明子の脳を襲った。一瞬、目の前が真っ暗になり、そのままクラクラと目眩を感じた。
 しかし、ここで倒れるわけにはいかなかった。ここで倒れれば昌史伯父さんに気付かれてしまうと思い、明子は必死になって壁に張り付いていた。
 昌史伯父さんは下着を被せたペニスを上下に動かしながら、時折、何かを確認するかのように下着を剥ぐっていた。
 その度に紫色の亀頭が見えた。昌史伯父さんはチョコレート色した肉棒を摘みながら、母の下着に付着している白いシミにその先っぽを擦り付けていた。
 そのおぞましい光景に恐怖を感じた。見てはいけない、これは見てはいけないものだ、と自分に言い聞かせるが、しかし明子の足は竦み、身動きできなくなっていた。
 すると突然、昌史が野太い声で「おい……」と呟いた。
 再び明子の心臓が飛び跳ねた。覗いていたのがバレていたと思うと、突如として殺されるのではないかという別の恐怖が涌き上がった。
 しかし、そんな昌史の呟きは明子にではなかった。なんと昌史は、ピストンさせている良枝の下着に向かって呟いていたのだ。

「どうなんだ……気持ちいいか……気持ちいいならもっと尻を突き出してみろ、ほら、いやらしい声で喘いでみろよ義姉さん……」

 義姉さんという声が明子の胸にグサッと突き刺さった。昌史伯父さんに陵辱されながら犬のようにキャンキャンと鳴いている母の姿が唐突に浮かんだ。

アッコちゃん2

 昌史は、シコシコと動かしていた右手を止めた。そして今度は、右手を固定したまま、下着を握った手の中に腰を振り始めた。

「ほら、ほら、気持ちいいだろ、兄貴のチンポよりいいだろ、ほら、ほら、ほら」

 犯される母の姿を思い浮かべながら、明子は頭の中で何度も(やめて!)と叫んでいた。
 大好きな伯父さんの衝撃的なシーン。絶対に見てはいけない醜い姿。そんな残酷な現実を目の当たりにする明子の唇はわなわなと震えていた。それは、怒りでもなく悲しみでもない、何か特別な恐怖だった。

 昌史の腰の動きがいきなり止まった。
 まるで静止画のように止まってしまった昌史だったが、しかし暫くするとゆっくり天井を見上げ、天井の蛍光灯に向かってフーッ……と深く息を吐いた。

「危ねぇ……危うくイクところだったよ……さすがに義姉に中出しはヤバいよな……」

 そう笑うと同時に、昌史は下着で包んだペニスから恐る恐る手を離した。
 肉棒をすっぽりと包み込んでいた下着が、花柄のクッションフロアの床にパサッと落ちた。
 天井に向かってニョキッと伸びるペニスが蛍光灯に照らされていた。ビクン、ビクン、と小刻みに痙攣しながら、赤黒い亀頭の先から透明の汁をタラタラと垂らしていた。

 明子は生のペニスをまだ見た事がなかった。ネットをしている時、ついついそれらしきサイトに迷い込んでしまい、いきなりペニスの画像を見せつけられた事は何度かあったが、しかしこうして生のペニスを見るのは生まれて初めてだった。
 生のペニスは画像とは違った。ドクドクと脈を打ちながらダラダラと涎を垂らしている。それは、まさに怒り狂ったカミツキ亀のように獰猛であり、こんなモノが膣の中で激しくピストンするのかと思うと、明子は激しい戦慄を覚えた。

 昌史は、勃起したペニスを張り子の虎のようにユラユラと揺らしながら床の下着を摘まみ上げると、それを洗面台の縁に置き、クロッチの部分が正面になるようにして丁寧に広げた。
 クロッチには、まるでヨーグルトを擦り付けたような白いオリモノが染み付いていた。そのカピカピに乾いたオリモノに昌史の我慢汁がネトネトと絡み付き、おどろおどろしい卑猥感を漂わせていた。

 それを洗面台の縁にセットすると、昌史は蓋が開いたままの洗濯機の中を覗き始めた。
 一瞬、明子の背筋が凍った。(まさか!)と思いながらも、祈るようにしてそれを見続けた。
 すると、洗濯機の中をガサガサと漁っていた昌史が、銀色に輝く洗濯槽の中に顔を入れたまま「アッコちゃん、みーつけた」と笑った。
 悪い予感は的中した。なんと昌史は、ついさっきまで明子が履いていた白いパンティーを洗濯機の中から摘まみ上げていたのだ。

(伯父さんやめて!)

 明子は激しく下唇を噛んだ。噛まれた下唇はブルブルと震え、それが右頬に伝わっては頬肉がヒクヒクと痙攣していた。
 昌史は、ニヤニヤと笑いながら明子のパンティーを広げた。
 しかし、クロッチを見た瞬間、そんな昌史の笑顔がそのまま固まった。

「……もしかしてアッコ……濡れてるのか?……」

 昌史のその一言に、明子は卒倒しそうなほどの衝撃を受けた。確かにその下着を履いていた時の明子は、松崎に変な事をされたせいで陰部がヌルヌルに濡れていたのだ。
 明子は凄まじい羞恥に襲われた。絶対に知られたく無い、誰にも見られたく無い秘密が、今、目の前で明かされてしまった。それはまるで、好きな人に大便をしている所を覗かれるに等しい羞恥であり、震える明子は目の前が真っ暗になった。

「どうして濡れてんだよ……ん?……誰かにエッチな事をされちゃったのか?……」

 昌史は、語りかけるようにそう呟きながら、ねっちょりと湿っているクロッチに指をヌルヌルと滑らせた。そしてその指の匂いをクンクンと嗅ぎ、突然「ふふふふ」と微笑んだ。
「これは間違いなくオマンコ汁だな」
 確信するようにそう頷いた昌史は、笑っていた顔を急に真顔に戻し、ハァハァと荒い息を吐きながら濡れたクロッチを直に嗅ぎ始めた。そして、勃起したペニスを狂ったようにシゴきながら、明子が最も隠しておきたかったその部分をペロペロと舐め始めたのだった。

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 そんな昌史の姿に、明子は素直に吐き気を覚えた。陰部から滲み出た不潔な汁を、恍惚とした表情で美味しそうにペロペロと舐めている昌史伯父さんが別の生き物に見えた。中世のヨーロッパで夜な夜なキリスト信者達を苦しめていたという不浄な獣に見えた。

「あぁぁぁ……チーズみたいな匂いがするよアッコ……義姉さんのスルメのような匂いよりも興奮するよ……」

 凄まじい羞恥が明子のこめかみをギリギリと締付け、もはや立ってられない状態になっていた。
 それでも明子は、必死に壁に張り付きながらその悲惨な光景に釘付けになっていた。
 それは不思議な感覚だった。逃げようと思えば逃げる事も出来たし、見たく無ければ目を閉じる事だって出来た。なのに明子は、苦しみながらもそこから逃げ出そうとはせず、そのシーンをまともに凝視していた。

 そんな感覚は、自分でもよくわからなかった。どうしてこんなものを必死になって覗いているのか不思議でならなかった。しかし、ノーパンのパジャマのズボンの中で、太ももの内側に何やらヌルヌルとした生暖かいヌメリを感じた瞬間、ふと、その謎が解けた気がした。
 明子は濡れていた。いやらしい汁が溢れ、太ももにまで垂れていたのだ。

(なぜ……こんな醜いシーンを見て……私は……)

 絶望が明子を襲った。
 松崎に、あんな事をされながらも濡れていた自分が理解できなかったように、今また、昌史伯父さんにあんな事をされているというのに溢れんばかりに濡れている自分が納得できなかった。

(パラフィリア……)

 ふと、二年生の時に家庭教師をしてもらっていた、現役東大生の中江さんから借りた精神医学の本に、そう書いてあったのを思い出した。パラフィリアとは、病理的な精神疾患と診断される、いわゆる性的倒錯の事である。
 脳ではそれを拒絶しているというのに、体は無意識のうちに異常反応しているという自分は、明らかに異常だと思った。
 奥歯をギリっと噛み締める明子の脳裏に、(変態)という言葉が浮かんでは消えた。
 自分が変態性欲者であるなど絶対に認めたくは無かった。が、しかし、ヌルヌルに濡れているこの事実は認めざる得なかった。

 ふと見ると、明子のパンティーを顔に押し付ける昌史が、大きく広げられた良枝の下着のクロッチに亀頭を向けながらシコシコとシゴいていた。

「あああ、あああ、中で出すぞ義姉さん……」

 そう唸った瞬間、亀頭の先から凄まじい量の精液が飛び出し、母の下着を無惨に汚した。

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 精液は止めどなくドクドクと溢れ、まるでカルピスゼリーのような光沢を放ちながらクロッチに溜まった。
 昌史は、ハァハァと肩で息をしながら、その余韻を味わうかのように、未だゆっくりとペニスをシゴいていた。
 明子は、ドアの隙間から昌史を睨んだままソッと後退した。
 後ろ向きのまま摺り足で廊下を進み、リビングに出るなり階段に向かって走り出した。

 もはや恐怖は消えていた。
 いつの間にか膣の痒みも消えていた。
 今は、一刻も早くその濡れた部分を自分の目で確かめたいだけだった。
 部屋に入るなりベッドに潜り込んだ。ハァハァと荒い息を漏らしながら急いでパジャマのズボンを脱いだ。
 両膝を立て、股を大きく開いた。手の平にジリジリした陰毛を感じながらそこに指を這わすと、ダラダラに濡れた小陰唇が指の隙間からツルンっと逃げた。
 その日、明子は、生まれて初めてオナニーの快感を知ったのだった。

(つづく)

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