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 青年は湯の中にしゃがんだまま、ギラギラする目で見上げていた。
 青年のすぐ顔の上には中村さんの尻があり、その谷間には、くちゅ、くちゅ、と音を立てて動き回る中村さんの細い指が見えた。

「ほら、オナニーしてるでしょ……この女はキミに見られて感じてるんだ……」

 俺は中村さんの尻の谷間を思い切り開きながら、青年にそう囁いた。
 青年は、口をぽかんっと開けたまま「はぁ……」と頷いた。そんな青年の股間にソッと視線を落とすと、湯の中でゆらゆらと揺れる白いタオルの隙間から、膨張した赤い亀頭がチラチラと見えた。
 青年の勃起したペニスを目にした瞬間、何やら異様な興奮が俺を襲った。その感情は明らかに嫉妬だった。但しそれは、中村さんのいやらしい姿が別の男に見られているという独占欲的な嫉妬ではなく、ただ単にペニスが勃起している事が羨ましいという、実にケチな嫉妬に過ぎなかった。

(俺のペニスも、あんなに太くて長くてビンビンに硬くなっていたら……)

 そう思うと、俺はもう中村さんを喜ばせられなくなったんだ、という絶望感が胸を締め付け、誰に対するわけでもなく無性に腹が立って来た。

「ほら、もっと激しくやれよ、せっかくおまえの変態マンコを見てくれてるんだからよ」

 俺はイライラしながら中村さんの体を抱き寄せた。立ったまま中村さんの体を背後から抱きしめ、湯の中にしゃがんでいる青年に向けて股を大きく開かせた。
 そこで中村さんは初めて青年の姿を目にした。中村さんは、一瞬全身をブルっと震わせると、青年に向かって「見ないで!」と叫び、そのまま顔を背けて下唇をギュッと噛んだ。

 青年は戸惑いながら俺を見た。俺はそんな青年にニヤリと笑いながら、「触ってもいいよ」と、中村さんの左太ももを腕に抱え、そのグロテスクな陰部を月の灯りに照らした。

「マジっすか?」

 青年は、目玉をギョッとさせながら素っ頓狂な声を出した。

「マジだよ。指を入れてもいいぜ」

「…………」

 青年は恐る恐る中村さんの顔を見た。唇を噛み締めながら羞恥に耐えている中村さんは、そんな青年の視線をわざと無視していた。イヤともダメとも拒否しない所を見ると、早くそこをこの見知らぬ青年に弄ってもらいたくてウズウズしているようだった。

「ほら、早く触ってやれよ……穴の中に指入れてぐちょぐちょにしてやれよ……ほら……」

 俺は、青年をそう急かしながらも、中村さんの乳肉を背後から揉みしだいた。両乳首を指で摘んでクリクリしてやると、中村さんは腰を反らしながら後ろを振り向き、俺にキスを求めて来た。
 そんな中村さんの唇の中に舌を入れながら、俺は青年が触りやすいようにと、中村さんの左足を岩の上に持ち上げてやった。
 青年は「本当に触りますよ……」と念を押しながら、俺の顔を見上げた。俺は中村さんの舌を口内で転がしながら、「早くしろ」と目で合図したのだった。

 やっと青年の長い指が、水滴が流れる中村さんの太ももに伸びて来た。指は、肌を撫でるようにして股関節へと進み、恐る恐る陰毛の中に潜り込んだ。
 俺は、キスをしながら視線を下に向けた。左足を岩に掛けた中村さんの股間は大きく開き、そこに青年の腕がヌッと伸びていた。
 弄られる陰部までは見えなかったが、青年の腕の筋の動きからして、青年の指がかなり激しく動いている事がわかった。

 中村さんは、俺の口の中で「んんんん……」と喘いでいた。抵抗や拒否をする事なく、見知らぬ男に平気で陰部を触らせているこの女を、俺はとんでもない変態だと思った。そして、この流れで行けば、この女は見知らぬこの男にヤらせてしまうだろうと確信した。

「すげぇ……ヌルヌルだ……」

 青年の声が聞こえた。俺はゆっくりと中村さんの唇から舌を抜くと、その舌を耳元へと滑らせた。

「どんな事されてる?」

 そう聞くと、中村さんは顔を顰めながら「指を……」と答えた。

「指を入れられてるのか?」

 中村さんは身悶えながらコクンっと頷いた。

「何本?」

「……二本……」

「二本の指がどうなってるんだ?」

「…上下に……動いてる……」

 そう答えた瞬間、中村さんは「あぁぁぁん」と身を捩らせた。
 そんな中村さんの体を慌てて支えながらふと青年を見下ろすと、月夜に輝く湯が、ちゃぷ、ちゃぷ、ちゃぷ、と波打っていた。
 どうやら青年は、中村さんの陰部に指を入れながら、もう片方の手でペニスをシゴいているようだった。

「見てみろ……おまえのいやらしい体に欲情して、オナニーしてるぞ……」

 中村さんは半開きの目をソッと青年に向けた。ちゃぷ、ちゃぷ、と波打つ湯の中でハァハァと荒い息を吐く青年を見た中村さんは、「こんなの初めて……凄い……」と俺の耳に囁きながら、俺の股間を弄って来た。
 しかし、俺のペニスは萎んだままだった。中村さんは、だらりと萎えた俺のペニスを後ろ手でシゴきながら「あああん、欲しいの、おちんちんが欲しいの」と、うわ言のように呟いた。
 それでも俺のペニスは反応しなかった。もはや俺のペニスは、残業続きの中年サラリーマンのように、その気力さえも失われていたのだ。

 俺は中村さんの体を優しく抱きしめながら、冷静な口調で青年に言った。

「この女とヤリたいか……」

「えっ!」と青年が顔を上げると、同時に中村さんが「それはダメ!」と、慌てて俺の顔を見た。

 俺は二人に見つめられていた。二人に決断を迫られていた。青年の目は血走り、中村さんの目は恐怖で固まっていた。
 俺は、尻肉を掻き分け中村さんの股間に指を這わせた。陰部全体にネトネトの汁が広がっていた。穴には青年の指がすっぽりと入り、穴の中ではその指がグニグニと蠢いていた。
 俺はそんな穴の中に指を乱入させた。突然の乱入者に、一瞬、青年の指の動きが止まったが、しかし、俺の指が彼の指に絡み付きながら蠢き始めると、再び彼の指は動き始めた。
 指は合計四本蠢いていた。二人の男にサンドイッチされながら陰部を弄られる中村さんは、泣いているのか感じているのかわからない呻き声を出しながら、必死に下唇を噛んでいた。

「チンポ……欲しいだろ?」

 そう耳元に囁くと、中村さんはコクンッと頷いた。

「あいつのチンポ、かなり大きいぞ……それに、若いから相当激しそうだ……あんな若くて元気なチンポは、なかなか喰えないぜ……今、喰っとかないときっと後悔するぜ……」

 そう囁きながら穴の中から指を抜き、ラストチャンスとばかりに、指に絡み付いた中村さんのヌルヌルの汁をペニスに擦り付けてみたが、しかし、俺のペニスは何も反応してくれなかった。

 いきなり俺は、中村さんを抱きしめたまま体を反転させた。
 中村さんを岩の上に座らせ、その横に白いタオルを素早く敷いた。
 青年は、いきなり引き抜かれた指を二本立てたまま、これから何が始まるのかと俺をジッと見ていた。
 俺は、中村さんをタオルの上に押し倒した。嫌がる中村さんの両脚を持ち上げ、出産する時のような格好にさせた。
 ぽっかりと開いたままの穴が、月明かりでテラテラと輝いていた。四本の指に攻められていた穴はグニョグニョに弛み、いつでも挿入できる状態だ。

「早く入れろ」

 青年にそう言うと、中村さんが俺の腕をガシっと握った。
「ダメ!」と言いながらもがき始めた中村さんを見て、青年はたちまち怖じ気づいた。
 中村さんの足を必死に押さえつける俺は、「何やってんだ、早く入れろよ!」と怒鳴った。
 すると青年は「あっ、はい」と言いながら、湯の中からザバッと立ち上がり、黒光りするペニスを闇に浮かび上がらせた。
 それを目にした俺は、おもわず「うわっ」と声を出してしまった。
 同じくそれを見ていた中村さんも、もがいていた両脚をピタリと止めながら、「絶対、無理……」と愕然と呟いた。

 それは凄まじいペニスだった。太さは五百ミリリットルのペットボトルくらいあり、長さは二十センチを優に超えていた。その太さや長さも獰猛だったが、しかし、何と言ってもその亀頭が凄かった。みかんほどもあるその亀頭は、まるで威嚇するエリマキトカゲのように、カリ首が大きく広がっているのだ。

(あんなモノで引っ掻き回されたら……失神するぞ……)

 俺は、その獰猛なペニスに身震いしながら、ソッと横目で中村さんを見た。
 すると、中村さんも俺の目を見ていた。しかし、俺と目が合った瞬間、中村さんはサッと目を反らしたのだった。

 そんなよそよそしい仕草と、もはや抵抗していない両脚に気づいた俺は、中村さんはあの獰猛なペニスを受け入れるつもりなんだと察した。いや、受け入れるというよりも、もはや入れて欲しいと願っているように思え、俺は軽いショックを受けた。

 青年が「本当にヤっちゃってもいいんっすか」と戸惑いながら、大きく開いた中村さんの股の前でモジモジしていた。
 俺は黙ったまま湯から上がった。そして岩の上に立つと、冷静な目で青年と中村さんを見下ろした。

「俺には関係ない。本人同士で決めろ……」

 そう捨て台詞を残したまま俺は大浴場へと歩き出した。背後に戸惑う二人の視線を感じたが俺は振り向かなかった。この萎れた情けないペニスをぶら下げて歩く俺は、恥ずかしくて後ろを振り向けなかったのだった。

(つづく)

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