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露出狂時代1

2009/04/25 Sat 23:48

露出1




               1

その日、昨夜ハプニングバーで仲良くなった中島氏から相談を受けていた私は、そのあまりにもくだらない相談内容にいささか退屈していた。

中島氏は一流商社に勤める29歳。歳は私よりも11歳も若いが、私よりはそこそこ社会的地位の有る「お人」である。
昨夜、いきつけのハプニングバーで意気投合した私と中島氏は、二人して変態女子大生輪姦プレイに参加したのだが、しかし、さすが中島氏はエリートである、私のように本能の赴くままの野生的交尾とは違い、彼のセックスは、どこか知的で品のある、まぁはっきり言って全然おもしろくないセックスだった。

とにかく理屈っぽい彼は、チンポをマンコに入れるという、いたって単純な行為にしても「角度が悪い」や「タイミングがいまいちだ」などと、まるで三流のAV監督のように屁理屈を捏ねては、せっかく盛り上がった行為に水を差した。
そのうち周りの仲間達も、そして変態女子大生さえもシラケてしまい、あれほどまでに濡れていたマンコも、北朝鮮の田んぼのように乾涸びてしまい、なんとも不完全燃焼なプレイとなったのであった。

そんな中島氏が、まだ一度しか面識の無い私に相談を持ちかけたのは、やはりハプニングバーという独特な世界で肌を合わせたという気心が、私を他人と感じさせなかったのであろう。

「僕は、性欲は人一倍あるのですが、その、セックスに対して、想像力と言いますか発想力というものに欠けておりましてね・・・妻が私とのセックスに全く悦んでくれないんですよ・・・」
中島氏はアイスコーヒーを音を立てずに飲んだ。テーブルの上には、彼が飲むストローの袋がシワひとつなく綺麗に折り畳まれている。そこから見ても、いかに彼が几帳面な性格であるかが伺える。

あのセックスでは当たり前だのクラッカーだ、と、言ってやりたいのを堪え、「奥さんは今おいくつですか?」と、アイスコーヒーをズルズルと音を立てて飲みながら私が聞いた。テーブルの上には、私が飲むストローの袋はない。さっき、袋をストローに付けたまま「ふーっ」と飛ばし、ウェイトレスのお姉ちゃんの尻のワレメに当てたからだ。袋は見事にウェイトレスのアナルに命中したが、それをカウンターから見ていたマスターに睨まれた。そのせいでか、その後に注文したサンドウィッチのハムの量が幾分か少なく感じたのは気のせいだろうか。

とにかく、私と中島氏とは、性格が正反対だった。

「妻は今年で26になります。三年前に上司の勧めで見合い結婚したのですが、子供はまだ・・・」
中島氏は眼鏡を外すと、いきなり内ポケットからハンカチを取り出し、たいして汚れていないレンズを拭き始めた。

結婚して三年目。しかもお見合い結婚。まして子供がいないとなれば・・・実に危険な状況だ。
私がもしこの男の妻だったら、慰謝料だけガッポリと頂いてとっとと離婚し、第二の人生をエンジョイする為に次の男を物色しているであろう。
中島氏はそれほどつまらないオトコだった。

「んで、奥さんは、中島さんの事を愛してるの?」
「・・・えぇ、多分・・・」
「どうしてそう思うんです?」
「・・・私も妻の事を愛していますから、多分、妻も・・・・」

私は心の中で「おまえ、死ね」とポツリと呟く。

「んで、結局、私に何をして欲しいわけですか?」
私は少し投げやりになった。こんな頭でっかちな屁理屈坊主のツマンネー悩み事なんかダラダラと聞いている暇はないのだ、それよりも、早く帰って『闇金ウシジマくん』の続きが読みたいのである。
次の中島氏の言葉によっては「そんなこたぉ暇なみのもんたにでも相談しろぃ!」とテーブルを蹴飛ばして店を出て行くつもりだった。

「・・・貴方なら、私達夫婦に何か刺激を与えてくれるのではないかと思いまして・・・」
中島氏がカマキリのような目玉をキョロキョロさせながら呟いた。
学生時代、いい学校、いい会社、をスローガンにひたすら勉学に励んで来たタイプのその爬虫類のような目は、恐らく松坂季実子の110センチの巨乳も見た事なければ、マンコに三本のバイブをぶち込んで絶叫する豊丸も見た事がないであろう。
そんなツマンネー青春時代を歩んで来たこの男と、これ以上話しているのは時間の無駄だと思った私が、「そんなこたぉ暇なみのもんたに―――」と言いかけたその瞬間、彼の内ポケットから出された「妻の写真」を目の当たりにし、一瞬にしてその言葉が腹の中に引き返した。

「・・・奥さん・・・リア・ディゾンに似てるって言われません?・・・」
彼の手から「妻の写真」をひったくると、私は食い入るようにその写真を見つめる。

全体的にふんわりとした雰囲気の女だった。手、足、腰、胸、顔、のバランスが非常に良く、肌も透き通るように白く実に柔らかそうな肉質だった。顔もかなりの美形で、ほどよくパッチリとした目と今風の薄く形の良い唇、この全体的に整った顔立ちは、まるでリア・ディゾンそっくりだった。
ただ、この「ふんわり系」の美女には、残念ながらエロスが感じられない。いわゆる、「色っぽい」と呼ばれる、淫乱フェロモンが全然出ていないのである。これはあきらかに旦那の不甲斐なさから、今だ開発しきれていない証拠だった。
私は素直にこの女を調教してみたいと思った。

「妻は、学生時代にファッション誌のモデルをしていまして・・・」

中島氏はそれを自慢するふうでもなく、逆に自信なさそうに答えた。
それはきっと、このままセックスレスが続けば妻に浮気をされてしまう、という恐怖感から自信喪失しているのであろう。

「わかりました。奥さんの写真を見て、中島さんの気持ちはよ~くわかりました。このままだと、奥さんが心配ですもんね・・・」
私は煙草に火を付けながらそう言う。

「そうなんです。旦那である自分で言うのも何ですが、妻はとてもよく男にモテまして、あいつがモデル時代の友達と飲みに出かけるなんて時は、僕はいつ浮気されるかとそればかりが心配で心配で、仕事どころの騒ぎじゃないんですよ・・・」
中島氏は今にも泣きそうな表情で訴えた。

「わかりました。それではひとつ、何か、こう、二人の性生活に刺激のある企画を考えてみましょう・・・」
私は精神科の医師の如く、その悩めるカマキリ男に温かい視線を投げ掛けながら、大きく頷いたのであった。


               2

「まず・・・現在の奥さんとのセックス。これを簡単に説明してもらえますか?」
私は新たなアイスコーヒーを注文し、ソファーに腰を落ち着かせると、そう中島氏に尋ねた。

「セックスは、週に1回・・・いや、2週間に1回ってとこですかね・・・なんせ、仕事が忙しくて・・・」

結婚三年目、二十代の夫婦で、2週間に1回とは、随分と冷めた夫婦である。

「どんなセックスするんですか?・・・例えば、場所や体位、アダルトグッズやコスプレなど具体的に教えて下さい」
ほとんど私の興味本意で聞いた。

「場所はいつも寝室です。体位は・・・ま、普通に正常位とかバックとかですかね・・・グッズやコスプレは一度も使った事ありません」
「え?でも中島さん、昨夜、ハプバで女子大生にセーラー服を着させたり、バイブを使ったりしてたじゃないですか?」
昨夜ハプバで、女子大生の小さなアナルに巨大なバイブを無理矢理突っ込もうとして、女子大生から「もうマジヤダこいつ死ね・・・」と呆れ返られていた中島氏を思い出す。

「えぇ・・・風俗や援交なんかでは、僕もソッチ系は結構好きなほうなんですが・・・これが妻だとなかなかできなくて・・・」
「じゃあ、使わないというのは中島さんが原因であって、奥さんが嫌がっているというわけではないんですか?」
「えぇ。あいつ、セックスに対してはウブなんですよ。だから、ソッチ系は嫌がると思います。だから今まであいつには使っていません」

これだから頭でっかち男というのはオンナにモテないのである。コレ系の男というのは何でも勝手に想像し、絶対にそうだと決めつける癖がある。データーやリサーチなどという言葉が大好きで、それに伴って進めば、絶対に失敗しないという変なマニュアルを持っているのだ。
これをいちいち恋愛に組み込まれては、女からしてみれば、なんともつまらない男なのである。

「・・・ところで・・・つかぬことを聞きますが、奥さんって、中島さんとのセックスでイった事はあるんですか?」

瞬間、中島氏の顔が硬直した。

昨夜、私は、中島氏の質素なペニスと、まるで高校生が、雑誌デラべっぴんの「オンナをイカせるテクニック講座」で学んだような、ケチなテクニックを見ている。
あれではオンナを悦ばせることは無理であろう。ましてグッズも使わずにイカせようとするのは、それはまるで、メスを使わずガンと戦う外科医のようなものである。

私は背筋がゾクゾクときた。ペニスによるオルガスムスをまだ知らない女。いや、この無能男と結婚する前は、恐らく何度か経験しているとは思うが、しかし、少なくとも、最近はその味を知らない。
あれほどのイイ女である、言いよって来るオトコは星の数ほどいるはずだ。もしかしたら、既に浮気をしているかも知れない。しかし、一日の大半は、この、実にツマンネー男と暮らしているのだ。たとえ浮気をしているにせよ、欲求不満は溜まる一方であろう。

そんなシチュエーション、私、大好きです。はい。

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このカマキリ男から、元モデル妻の情報をアレコレと聞いていた私は、なんとなくボンヤリと企画がまとまって来ていた。

おもしろい企画はまとまってきたが、しかし、その企画を実行するに際して、カマキリ男が出した条件がある。
それは、

一、妻の身体には絶対に触れない事

二、妻の合意を得る事

三、この企画が第三者、又は社会に発覚する事無く内密に行なう事

の三点である。
ま、当然と言えば当然の条件だろう。
中島氏は、この条件で、見事このセックスレスを解消してくれた暁には、百万円の謝礼を支払うと約束した。

さてさて、これらの条件と、妻の性格を考えた上で企画を進めて行かなければならない私は、成功報酬の百万円よりも、いかにどーやってこの奥さんとスリリングでアダルティーなひとときを過ごせるかを重視して考えた。

元々、その女はモデルという仕事をしていたのだ、自分のプロポーションにはかなり自信を持っているはずである。
いわゆるナルシストというやつだ。
このナルシストというのは、そもそも、人に見られるという事が快感なのであり、ひとり部屋の中で、自分を写した鏡にうっとりと見とれていてもしょうがないのである。不特定多数の他人に、美しい自分を見せつけてこそ、ナルシストとしての喜びが得られるのである。
そう考えると、この元モデル妻に性の悦びを与えるには「露出」という手段が最も適していると考えられる。

露出ならば、妻が身体を触れられる事はないため、条件一はクリアできた。
そして、見知らぬ土地に行き、まったくの他人にゲリラ露出をするのであれば、条件三もクリアできるのだ。
問題は、条件二の「妻の合意」である。これが一番の問題なのである。


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「・・・露出をしたことで、私達のセックスレスは解消できるのでしょうか?」
私の企画を聞かされた中島氏は不審そうにそう尋ねると、私の表情を伺った。

「愛する妻の裸が他人に見られる。中島さん、ソレ、どんな感じがします?」
「嫌です。正直言ってムカつきます」
中島氏ははっきりと答えた。

「なぜ?」
「なぜって・・・そりゃあやっぱり私は妻を愛してしますから・・・そんな姿を他人に見られたくありません・・・」
「それは嫉妬ですよね?」

中島氏はゆっくりと視線を落とした。
「まぁ、嫉妬といえば嫉妬なんでしょうが・・・でも、それって誰でも当たり前じゃありませんか?」
「そうです。その当たり前ってのが、奥さんに対する性欲の壁になっているのです」

中島氏は斜めに顔を傾けながら「ちょっと意味がわかりません・・・」と呟いた。
当然だ、これを書いている私自身、意味がわからない。

「いわゆる、貴方は常識にとらわれすぎているんですよ。あーしたらこうなる、こーしたらあーなる。それは貴方の仕事の中の方程式であって、人間の性欲の中では、そんなデーターなど糞の役にも立たないのです」

中島氏はまだわからない、といった感じで視線を横に向ける。
書いている私もまだわからない。

「奥さんになぜバイブを使わないのか?奥さんがウブだからですか?」
中島氏はコクリと頷く。
「それが常識にとらわれているのです。私なら反対です。相手がウブなら余計バイブを使うでしょう」
中島氏は私の目をジッと見つめた。

「他人に愛する妻の裸を見られる。常識で考えれば誰だって嫌でしょう。しかし、こう考えて下さい。他人が貴方の妻の裸を見て性的興奮をする。男達は、貴方の妻とヤリてぇ~なんて思うのです。しかし、実際には、それらの男達は貴方の奥さんを抱く事はできません。奥さんを抱けるのは貴方だけなのです。そこに性的興奮は生まれませんか?」

中島氏は「・・・はぁ・・・なんとなく・・・」と答えた。

「男達は、貴方の奥さんの裸を見てあらゆる想像をするのです。奥さんの足を大きく広げ膣を舐めまくり、腫れ上がったペニスを奥さんの濡れた膣の中にぶち込み・・・奥さんは男達の妄想の中でグチャグチャに犯されて行くのです。その時の、妄想の中で犯されている時の奥さんの表情を想像して見て下さい、あれほどウブで純粋な奥さんが、男達にペニスをぶち込まれ、ヒィーヒィーとヨガリ声をあげながらオルガスムスに達していくのです、ほら、もっともっとリアルに想像してみてください・・・」

中島氏は視線を天井に移しながらも、妻がレイプされながらも感じている姿を懸命に想像した。

「貴方が思っているほど奥さんはウブではないかも知れませんよ・・・想像の中ではいかがですか?ほら、奥さんは複数の男達に羽交い締めにされながらも、懸命にペニスを喰わえているじゃないですか・・・」

中島氏の顔が徐々に赤らんで来た。

「貴方の前でウブなフリをしているだけなんですよ・・・本当はどーしょーもない淫乱女なんです。貴方の前では我慢をしているだけなんです・・・本当は色んなオトコに抱かれ、おもいきりマンコから潮を噴いてみたいのです・・・」

私はテーブルの上に置いてあった奥さんの写真を手に取ると、その写真を中島氏の目前でベロベロと舐めた。
「ほら・・・全身を舐められて・・・奥さんイッちゃいそうですよ・・・」

中島氏は突然カーッと顔を赤くし、慌てて私の手から奥さんの写真を奪い取った。

「ふふふふふ・・・・。大丈夫ですよ中島さん。それはただの写真ですから・・・・」

私はテーブルの下に腕を突っ込むと、向かいに座る中島氏の股間を握った。

「ほら、ビンビンに立ってるじゃないですか・・・奥さんが犯されるのを想像してペニスが立ってますよ中島さん」

そう笑いかけると、中島氏は真っ赤な顔をしたまま「ちょっと失礼・・・」と立ち上がり、奥さんの写真を手にしたままトイレに駆け込んで行った。

しばらくして、席に戻った中島氏の表情は妙に晴れやかだった。
「物凄く興奮しました・・・こんなの始めてです!」
妻が複数の男達に裸を見られるシーンを想像しながらトイレでヌいてきた中島氏は、是非とも、その露出企画を実行して下さい!と力強く答えた。

あとは条件二の「妻の合意」である。これが一番やっかいなのである。
さて、どーやって奥さんを説得しようか・・・・

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ウブな奥さんを説得するシナリオを一晩中考えていた私は、招かれた中島宅のリビングで、キッチンに立つ元モデルの奥さんをジッと眺めていた。

「何もおかまいできなくて・・・」
奥さんはそう言いながら、銀座の有名店のチョコレートケーキと上品な紅茶をテーブルの上に置いた。

この言葉遣いとその雰囲気、そしてこの高級チョコレートケーキをさりげなく出す仕草から、この奥さんの育ちの良さが伺える。

大手貿易会社の次女に生まれ、名門である○○女学院に在籍中にファッション雑誌のモデルのアルバイトをしていた恵美子は、卒業後、すぐに一流企業の商社マンである中島と結婚した。
生まれも育ちも私のような変態とはまるで違う。毛並みだって、イギリス王妃に飼われるゴールデン・レトリバーと、西成のドヤ街で段ボール運搬に精を出す、リヤカーを引く雑種犬ほどの差があった。

今までの私の人生において、触れた事の無いお嬢様である。

恵美子は、紅茶をテーブルの上に置くと、自分もソファーの上にゆっくりと腰を下ろし、そして、テーブルの上に置いたままの私の名刺を改めてマジマジと見始めた。

(精神カウンセリング 心クリニック カウンセラー 如月虎次)

この家には私と恵美子の二人きりだった。
中島氏から奥さんに事前に連絡をしておいてもらい、私ひとりで恵美子を説得するつもりだった。

「精神カウンセリング・・・」
彼女は何度も私の名刺を読み返し、徐々に不安の表情を見せ始めた。

「いや、精神カウンセリングなんて言っても、そんな大した事じゃありませんから、そう心配なさらずに」
私はお上品なお紅茶をズルズルと啜りながら笑った。

「主人がいったい何を・・・えっと・・・・・」
「あ、それ、キサラギと読みます」
「・・・主人はいったい何を如月さんにお願いしたのでしょうか・・・」
彼女は不安げに私に目を向けた。
彼女のその上品な瞳を見れば、中島氏がバイブを使えなかった気持ちがよくわかる。

「御主人は、いわゆる、御夫婦の間に子供ができない事を心配しておりましてね・・・」
「でも、それは、お医者様では何の問題もないと診断されましたが・・・」
マンコの事を「おまんこ」と呼ぶオンナはいても、医者の事を「お医者様」と呼ぶオンナは私の周囲にはいない。

「いや、それはあくまでも身体に異常はないと診断されたものですよね?私どものクリニックは主に精神面から診断させていただくというものでございまして・・・」
「・・・妊娠と精神面は何か関係があるのでしょうか?」
「はい。中島様の場合、ズバリ申しまして、御夫婦の性生活に大きな問題がございます」
彼女は瞬間に顔を赤らめた。

この手の女にはズケズケと言ってやった方が効果的なのである。

「まず、性行為中、奥様は濡れにくいと御主人からお聞きしましたが・・・」
私はさりげなくドギツイ事を言いながら、意味の無い書類をバッグから取り出した。

「!・・・・・」
彼女は顔を真っ赤にさせながら下を向いてしまった。

「いや、奥さん、これは恥ずかしがらずお答え下さい。これは妊娠するという事にはとても重要な事ですから・・・」
私は意味なく書類をペラペラとさせながら事務的に告げる。

「・・・は・・・い・・・」
彼女は恥ずかしそうに下唇の端を前歯で噛みながら答えた。

「まったく濡れないですか?それとも少しは濡れる?」
「・・・・少しなら濡れる時はありますけど・・・ほとんど濡れません・・・」

「ちょっと失礼・・・」
私はそう言いながら、いきなり、ソファーに座る彼女の腰に手を回した。
いきなり中島氏との条約破棄である。

「!・・・」
「いや、ちょっとそのままにしてて下さい・・・」
私は彼女の肉付きの良い尻に軽く掌を乗せると、中指で、彼女の尾てい骨付近をグイッと押した。

「あぁ・・やっぱり、新陽径が固くなってますね・・・」
私はそう言いながら手を引っ込めると、膝の上の書類に「新陽径」と書いた。

「その新陽・・・というのは何でしょう?」
いきなり痴漢をされたにも関わらず、彼女は心配そうな表情で私の顔を覗き込んだ。

「ええ。新陽径というのは、いわゆる生殖器のツボなんですけどね、ココは女性器から出る分泌物に関係しているツボでしてね、これが奥さんのように固いと、分泌物が排出されにくくなるんですよ・・・」
もちろんデタラメだ。新陽径などという言葉も、今、私がキャラメルコーンを食べながらテキトーに考えた言葉だ。

「・・・・」
彼女は、今私に触られた部分を、もう一度自分で確認するように触っていた。

「わかりますか新陽径?・・・・」私はそう言いながら再び彼女の丸く肉付きのいい尻に掌を当てた。
「この尾てい骨のちょっと下の部分、これが新陽径」
そこをグイッと押す。私の指に彼女の尻のワレメの肉が食い込んだ。

「ほら、ちょっと自分で押してみて下さい・・・」
彼女は恐る恐る尻に手を当てる。私は彼女の手にそっと触れると、その細い指を尻のワレメに押し付けた。
「ここが新陽径。奥さんの場合、少し固くなっていますよね」
彼女はソコを押しながら「はい、なんかゴリゴリして固くなってますぅ」と大きく頷いた。

当たり前だ、ソコは尾てい骨だ、固いに決まってる。

私は存分に彼女の尻の肉を撫で回した後、ようやく彼女の尻から手を離した。
私のペニスは破裂しそうなくらいに勃起しているのであった。

               6

「それで・・・どんな治療をしていただけるのでしょうか・・・」
彼女はまだ半信半疑な表情ではいたが、私自身を怪しんでいる様子は無かった。

「まぁ、当クリニックの場合はあくまでも精神的な面での治療となりますから、奥様と御主人様との性生活が潤滑になるように、できるだけ努力させていただきますが・・・」
私はそう言いながら、バッグの中から試験管やビーカー、顕微鏡などを取り出した。

「・・・それで、まずは奥様の『濡れにくい』という問題から解決していきたいと思うのですが・・・」
私はテーブルの上に理科の実験に使われるようなグッズを並べた。これは、私の変態仲間である、大学教授から借りて来た実験道具である。使い古した道具ではあるが、逆にそれがよりリアルに感じさせていた。

「先程も説明いたしましたように、奥様の場合、新陽径が活発に働いていない恐れがございます。今から、その細胞を検査致しまして、それが陰性ならば精神的なカウンセリングで十分治療できますが、しかし、これがもし陽性の場合ですと、これは産婦人科に行ってもらいまして、精密な検査を受けた方がよろしいかと思われます」

彼女は不安そうな表情で身を乗り出す。
「陽性の場合だとどうなるんですか?・・・・」

「・・・まぁ、それは検査をしてみないとなんともお答えできませんが、陽性の場合ですと、子宮や卵巣になんらかの問題があると考えられます。例えば、卵管が詰まっているとか、子宮に腫瘍ができているとか・・・」

いや、ホントはね、アンタが濡れないのはアンタの旦那さんのセックスがヘタだからなんですよ、と、お上品なお紅茶のおカップの中に、大量のおウンコをパンパンに詰めてやろうかとふと考えたが、意味が無いのでやめた。

「・・・検査というのは・・・」
彼女は更に不安げな表情で私を見つめる。イイ女の不安げな表情というのは、なぜにこうも切なくなるのだろうか・・・

「検査は簡単です。奥様の女性器から排出された分泌物を、この、ベチシデタラメーナという薬品と混ぜてみまして、その色が変色しなければ陰性ですし、青く変色した場合は陽性ということになります」
私はデタラメな薬品名を、さも本当の薬品名のように発音を変えながら言う。

彼女は、この、まるで覚醒剤の検査のような、デタラメな検査を信じきっていた。

「分泌物って・・・どうすればいいのでしょう?」
「分泌物はオリモノで結構ですよ。オリモノが付着した下着、若しくはオリモノ専用シートなどを御使用になっていましたらそれでも結構です。ただし、二十四時間以内のオリモノでなければ細胞が死んでしまっていますから、二十四時間以内の物でお願いします」

彼女は目をキョロキョロとさせながら考えていた。

「二十四時間以内の物はございませんか?」
私は顕微鏡のレンズを微調整しながら尋ねる。私の心臓は期待に膨らみ過ぎて破裂しそうであった。

「下着は今朝洗濯機を回してしまいましたし・・・サラサーティーも生理前にしか使わないものですから・・・」

「じゃあ、今履いている下着で結構ですよ」
顕微鏡を覗いている私の目はきっとウサギのように充血しているはずだ。

「・・・それじゃ、準備してきます・・・」
彼女は、何の疑いを見せる事無く、すんなりと立ち上がると、パンツを脱ぎに部屋を出て行った。

私は彼女が部屋から出て行ったのを確認すると、叫びたい声を押し殺し「やったぁーーー!」と心で叫んだ。そして、うほほっ!うほほっ!という即興の踊りを踊りながらソファーの周りを一周した。その踊りは、たぶん子供の頃に見たトムとジェリーに出て来たインデアンの踊りだろう、私は胸がドキドキしたりワクワクしたりすると、なぜかよくこのインデアン踊りを踊る癖があった。

もし、突然彼女がここに現れて、この踊りが見られたとしても、「この踊りは古くから中国で行なわれて来た雨乞いの儀式です。奥さんの乾いたマンコに潤いが甦るよう、踊っているのです、さぁ、奥さん、あなたも御一緒に!」とでも言えば、あのお嬢さん育ちの世間知らずなバカ女房のことだ、一緒にうほほっ!うほほっ!とインデアン踊りをするだろう。

               7

彼女が下着を持って現れたのは、それから五分ほどしてからだった。

彼女の左手には、赤いチェック柄のショーツが隠すように持たれていた。

「それじゃ、ちょっと見せて下さい・・・」
私はドキドキしながらも、彼女に手を差し出す。

「なんか・・・あはははは・・・・」
彼女は恥ずかしそうに笑いながら、私の手を拒む。
始めて彼女の笑う顔をみたが、やはりイイ女というのは笑顔も素晴らしくカワイイ。

「いや、恥ずかしがらなくても、これは実験ですので」
彼女をリラックスさせようと、私も笑顔で答える。

そんなやり取りを繰り返した後、遂に私は、彼女の脱ぎたてホヤホヤのパンティーを手にする事ができたのだった。

私は彼女の見ている前で、パンティーをテーブルの上に広げ、クロッチを露出させた。
クロッチの中心に見事なまでのオリモノがクッキリと刻み込まれている。
その妙にエロティークなシミはしっかりと存在感をアピールしていた。

「・・・少し、尿素がキツいようですね・・・」
私はそういいながら、彼女の目の前でオリモノに人差し指を突きつけ、ザラザラとそれを擦り付けた。

彼女の目が私の目を恥ずかしそうに見ているのが視野でわかる。

私はいきなりパンティーを匂ってやった。
彼女は一瞬、ハッ!と私を止めようとした。
「うん。ニオイ、色は問題ありませんね。少し尿素がキツいようですが、これはビタミン不足からきているようですし、問題ないでしょう」
私はそう言いながら、ピンセットで乾いたオリモノのカスをつまみ上げた。

「それでは、オリモノを薬品と混ぜてみますので、奥さんも見ていて下さい・・・」
ピンセットでつまみ上げたカスを、六甲のおいしい水が入った試験管の中にヒラヒラと落とす。

当然ながら、色は変わるわけが無い。

「・・・・大丈夫ですね。検査の結果は陰性です、安心して下さい」
私がそう告げた瞬間に、彼女はもの凄い勢いでテーブルの上のパンティーを奪い取り、逃げるように奥の部屋へと猛ダッシュしていった。
それと同時に私も股間を押さえながら、トイレへと猛ダッシュしたのであった。

               8

彼女と、かれこれ一時間近く、このリビングで二人っきりの状態が続いていた。
私は既に彼女のパンティーのシミという秘密を見ている。彼女も私に、女性にとってかなりデリケートな部分の下着のシミを見られているのである。
そんな不思議な関係が、二人の距離を徐々に縮めて行ったのか、もう、彼女は、何も恥ずかしがることはなく、旦那とのセックスライフについて全て私に話してくれたのだった。

「はっきり言って、旦那とのセックスはできるだけしたくないんですよね・・・」
彼女は、そうズバっと切り捨てた。

「でも旦那さんの事は愛しているんでしょ?」
私の質問に彼女は困惑の表情を見せた。
「一応は愛してますけど・・・それとセックスの感情ってのは、また別なんですよね・・・」
彼女は、中島氏が聞いていたらば卒倒しそうな言葉を淡々と言い放った。

所詮、見合い結婚なんてこんなものだろう。

「旦那さんとセックスしたくないという一番の理由ってなんですか?」
彼女のミニスカートから伸びる美脚を舐めるように見ながら、私は質問を続けた。

「やっぱり、気持ち良くないってことですかね・・・濡れないから痛いし・・・」
「旦那さんは、奥さんを気持ち良くさせようとは努力してないんですか?」
質問をしては再び彼女の美脚に目を戻す私。このスカートの中のパンティーは、先程の検査のパンテイーなのか、それとも新しいパンティーに履き替えているのか、それがとても気になった。

「色々とシテくるんですけど・・・なんか途中でシラケてしまって・・・」
「元々、セックスはあまり好きな方ではないんじゃないですか?」
彼女は、は?と私を見つめ「私ですか?それとも旦那?」と聞いた。
「奥さんです。普通の女性なら、愛している旦那に裸で抱きしめられれば、それなりに濡れて来るものだと思いますが・・・」

彼女は「う・・ん・・」と考えた後、「嫌いではないです」とポツリと答えた。
それに対し私の亀頭もズキンと答えた。

「嫌いじゃないんですけど・・・旦那とのセックスってのが、なんか面倒臭くて・・・」

私はそれを聞きながら、バッグの中から再び偽書類を引っ張り出した。

「実は、奥さんのような方は、かなり沢山おみえになるんですよ・・・」
そう言いながら、私は昨夜、徹夜で作成したデタラメグラフを彼女に見せた。

「結婚三年目ってのは、第一倦怠期と言いまして、妻が旦那を最も嫌いになる期間なんです。この期間に離婚する確立が最も多いというのはこのグラフを見て頂ければわかると思います」
彼女は真剣な眼差しで偽物グラフを見つめている。

「特に、中島さんの場合は、お見合い結婚ですよね。お見合い結婚の場合、三年で破局する確立は30%にも達しているんです」
私が作ったデタラメグラフを見ながら、彼女は「二十代後半って年齢も当てはまっていますね・・・」と頷く。

「これは四年目まで持ち越せば、第一倦怠期は回避されると言われています。ですから、中島さん夫婦の場合ですと、あと9ヶ月近くの期間が最も危険な期間であるといえますね」

彼女は偽グラフを静かにテーブルの上に置くと「あと9ヶ月か・・・子供どころじゃありませんよね・・・」と呟いた。

「いや、それは違います。離婚という最悪な状態を回避する為には、その危険な9ヶ月の間に子供を作るのです。今が子供を作る絶好のチャンスなんですよ」

彼女は唇を尖らせながら「でも・・・」と呟いた。

「大丈夫です。私が旦那さんとのセックスが楽しくなるようにしてあげます。ちゃんと濡れるようにしてあげますから、もっと前向きに、元気出して」
私は、韓国ドラマにでてきそうなインチキ臭い笑顔を浮かべながら彼女にそう言った。

「どうやって・・・ですか?」

「はい。まずは、奥さんの精神的な面から改善して行く必要があります」
「例えば?」
「奥さんのセックスに対する陰の感情に内面から刺激を与え、それを陽に変えて行く方法です」
「難しくて意味がわかりません。具体的に教えて下さい」
「具体的に言えば、露出治療法です。医学的な正式名称は『性神経刺激正常回復法』と申しまして、いわゆる、裸や性行為を他人に見せる事により羞恥心が活発となり、その刺激で交感神経を興奮状態にさせ、脳から分泌されるアドレナリンを活発にするという方法でして、これは1926年にドイツの精神医学者でりますディートリッヒ博士が学会で発表し、我が国の精神医学でも非常に高い成果を出しております」

まったくのデタラメだ。
しかし、こんなデタラメでもこの無知な人妻はウンウンと真剣に聞いている。

「・・・でありますから、ま、簡単に、一言で説明しますと、奥さんが、まったく見ず知らずの他人の男性の前で淫らなポーズを見せればいいんです。はい」

彼女はクリクリの瞳を私に向けたまま「それでどうして子供ができるんですか?」と最もな質問をした。

「・・・ですから、奥さんがエッチな姿を他人に見せる事により、それを想像した旦那さんは興奮するわけなんですよ。ついでに奥さんも、今までのマンネリ化したセックスに刺激が与えられ、濡れ濡れになるわけです。したがって、旦那さんとものすごく気持ちのイイセックスができるようになるってわけです」

彼女の頭にはまだ「?」マークが沢山浮かび上がっている。

「とにかく、この方法は、絶対に効果を発揮するんです。こないだ治療した駅前の惣菜屋の葉山さんちの奥さんも、ベロンベロンに露出して大興奮して子供できたし、町内会長んトコに嫁にきた詩織ちゃんも、セックスレスになってたけど、ダランダランに露出して臭っさいマンコおっぴろげて、そんで興奮して旦那といっぱいヤって妊娠して、立派な三頭身の子供できたもん」

なぜか私はムキになった。

「恥ずかしいですか?露出は恥ずかしいですか?でもね、その恥ずかしさが徐々に快感になって、アドレナリンがガッパガパに溢れ出して、マンコからも汁がガッパガパに溢れ出して、大変なんだよ、もう」

「・・・・・」

「イヤなら、ま、無理にとはいいません。ただ、今、この第一倦怠期を乗り切る為には、たとえ可能性が少ないとはいえ、試してみる価値はあるとは思いますがね・・・」

私は、もし彼女がイヤだと断って来たら、その場でレイプして、とっとと帰って「闇金ウシジマくん」でも読もうと決めていた。

少し沈黙が続く。

「・・・あのぅ・・・旦那は、私が露出する事に何と言っているんですか?」
彼女の表情に少しだけ変化が見えた。

「いや・・・旦那さんは、それでセックスレスが解消できるなら、是非と申してますが・・・」
「ヤキモチ焼いてませんでしたか?」
「えぇ。確かに、話しをした時は、タコ助みたいに真っ赤な顔して嫉妬してましたけど・・・でも、それでもセックスレスが解消されて子供ができるのなら仕方ないって諦めてました・・・」
「・・・へぇ~あのバカみたいにヤキモチ焼きの旦那が・・・意外だなぁ・・・」
彼女は何かがふっきれたように、爽やかな表情で小さくクスッと笑った。

「その嫉妬心が、性的興奮に繋がるってわけですよ。奥さんも、思い切ってヤってみたら意外と癖になるかもしれませんよ」
もう、どーでもよくなった私はテーブルの上に置いてあったカッパエビセンを鷲掴みにすると、それを口の中一杯に押し込み、一気にボリボリガリガリと貪り喰いながら尻をボリボリと掻いた。

「・・・なんか・・・おもしろそう・・・旦那が了承してくれてるなら・・・やってみようかな・・・」

私は思いもよらぬ彼女のその言葉に、口の中のエビセンを豪快にブァッ!と吹き出した。そして、口の周りのエビセンのカスを素早く取り除くと、改めてネクタイをキュッと締め直し「私もそれがいいと思います」と、ありったけ上品に答えた。

そんな私を見て、彼女は大きな瞳をクリクリさせながらプッと吹き出したのであった。

(つづく)

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