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ショートボブの女

《あらすじ》
出会い系で知り合った自暴自棄な女教師はショートボブだった。
そんな自虐な彼女の内面には、教育者ゆえに苛まれる罪悪感がドス黒い汚れのようにこびり付いていたのだった。




 主婦とは、その字の如く主人を持つ女である。
 主人は婦の支配権を持ち、婦の人生と肉体の所有者だ。婦の髪の毛一本から、婦の肌に滲む一滴の汗に至るまで、全て主人の物である。
 そんな支配された主婦が、今、私の為にバスタブに湯を溜めている。バスタブの縁にしゃがみ、湯の温度を確認し、蛇口を調節するその行為は、私一人だけの為なのだ。
 女の姿を浴室のドアの影からソッと眺めていた私は、今からこの他人の所有物を奪い、好きなように支配できるんだと、卑しい欲望に微笑んだ。
 私のその微笑みにはそれなりの理由があった。
 今から私が支配できるこの女は、主婦であると共に、なんと小学校の学級担任を受け持つ教育者でもあったからだ……

 短い髪の女だった。
 この女と知り合ったのは、肉体関係のみを目的とした出会い系サイトだった。
 そのサイトはセックスパートナーを求めている者だけに限られた専用サイトだった。もちろん、そのサイトには、サクラや営利目的の業者、又は援交を希望する女も大勢潜んでいたが、しかし、本当にセックスを求めている素人女も大勢いた。
 そんなサイトの中から、私はこの女を発見した。
 住所が近かったという理由から、それだけでこの女を選んだのだが、しかしそれが大当たりだった。


『髪型はショートボブです』
 たったそれだけの特徴を頼りに、待ち合わせ場所に向かった。
 繁華街にある大きな書店に入り、エスカレーターで4Fに上った。
 4Fは医学書のフロアだった。その階にほとんど客は見当たらず、静まり返ったフロアには、女店員がレジカウンターでパソコンを打つ音だけが小刻みに響いていた。
 本棚の上にぶらさがっているコーナー看板を眺めながら奥へと進んだ。待ち合わせ場所の『東洋医学』の文字を発見し、どきどきしながら本棚を曲ると、鍼灸関係の専門書がズラリと並ぶ本棚をジッと見上げている短い髪の女がいた。
 その女を見た瞬間、私はすぐさま女の全身から漂って来る卑猥なオーラを感じた。どうしてそう思ったのかわからないが、この女はセックスに飢えている、と、一目でそう確信した。
 女は振り向くなり、私が右手に持っていた赤い手提げ袋に視線を落とした。それが私の『目印』だった。
 女はゆっくりと視線を戻すと、私の目を一瞬見て、すぐに視線を反らした。そして自分の足下をジッと見つめたまま、短い髪の頭をコクンっと下げたのだった。

 想像していたより綺麗な女だった。
 全体的に細身だったが、胸と尻は柔らかく突き出し、その柔らかそうなラインが可愛いエロスを作り上げていた。
 女は、見るからに出会い系サイトに馴れていないようだった。声を震わせながら「初めまして……」と丁寧に挨拶し、唐突に自己紹介を始めた。
 真由美、二十八才、主婦、子供が二人……
 そう話す女の大きな目は常に恥ずかしそうに俯いていた。言葉が途切れる度に小さな下唇をキュッと噛んだ。
 そんな女の仕草を見ながら、(Mだな……)と予想する私は、鍼灸関係の専門書がズラリと並ぶ本棚をさりげなく見上げながら「すぐにホテルに行きましょう……」と優しく囁いた。
 どうでもいい自己紹介を続けていた女は、私のその言葉にはっと息を飲んだ。そして、やはり自分の足下を見つめたまま、コクンと小さく頷いたのだった。

 書店からラブホまでは歩いて十分と掛からなかった。
 あらかじめ決めておいたラブホへと向かう途中、私は「初めてでしょ?」と聞いてみた。
 雨上がりの路地を俯きながら歩いていた女は、一瞬「えっ?」と聞き直したが、すぐにその質問を理解したらしく、恥ずかしそうに俯いたまま「初めてです……」と答えた。
 狭い路地を進んで行くと、薄汚れた中華料理店の黄色い看板が見えて来た。あの角を曲るとそこはもうラブホテル街だった。
私はソッと女を見た。項垂れる女の白い頬に栗毛色に染めたショートボブの髪が踊り、ベッドの上で乱れる女の姿を連想させた。
「どうしてこんなことするんですか?」
 私は女の顔を覗き込むようにしながら聞いた。M女というのは、直視されながら核心を突かれると、それだけで感じてしまう性癖だという事をSの私はよく知っていた。
 女は私の質問に眉を顰めた。頭の中で必死に言葉を探しながら、「それは……」と桜貝色した唇を噛んでいる。
 そんな女の表情を見ていると、益々虐めてやりたくなった私は、「旦那さんの職業は?」と聞いてやった。それは、出会い系で浮気する人妻が最もされたくない質問である。
 更に困惑した表情を浮かばせた女は、それを言うべきか言わぬべきかと葛藤していた。出会い系に馴れた主婦ならデタラメな職業を答えるだろうが、しかし出会い系が初めてのこの主婦には、そんな余裕はなかった。つまり、素直な素人なのである。
 女は項垂れたまま大きな目をギロッと私に向けながら、蚊の鳴くような小声で「教師です……」と答えた。女のその目は、それを聞いた時の私のリアクションを確認しているようだった。
 そんな女の言葉を私は素直に信じた。この気の弱いM女は嘘がつけるタイプではない。
 私は「先生ですか……」と意味ありげに頷きながらも、すかさず、「あなたの職業は?」と聞いた。さっき自己紹介している時に主婦だと言っていたが、どうも嘘臭い。
 すると女は、案の定、口を噤んだ。
 さっき主婦だと言っていたなら、もう一度主婦だと答えればいいのに、なのに女は顔を引き攣らせながら黙ってしまった。やはり嘘をついていたようだ。
 私は中華料理店の角を曲りながら、スーツの内ポケットに手を入れた。そこから取り出した名刺を歩きながら女に渡し、「私は、普通のサラリーマンです」と笑った。
 中華料理店の前にはスポーツ新聞を広げたサラリーマンと、労働者風の男が携帯を見つめながら行列を作っていた。昼時の店内は、真っ赤なカウンターにズラリと客が座り、中華鍋をカンカンっと振る音と、濃厚な油の香りが路地に溢れていた。
 そんな中華料理店を横切りながら、「やっぱり、」と私は言葉を続けた。
「例え出会い系サイトで知り合ったとはいえ、今から見知らぬ同士がセックスをするわけですから、お互いの身分ははっきりとさせておくべきだと思います。それがマナーです。私達は犬や猫ではないのですから……」
 最もらしくそう言うと、女はいきなり「すみません、そんなつもりじゃ」と激しく首を振り、短い髪を頬で揺らした。そして一呼吸つくなり、慌てた口調で「私も小学校の教師です」と、まんまと暴露してしまったのだった。

 両サイドをラブホの塀に挟まれたその通路は、まるで迷路のようだった。
 まだ昼の十二時半だというのに、両サイドのラブホテルの換気扇からは、ボディーソープの香りを含んだ湯気がむんむんと漂っていた。
 そんな路地を、ひたすら入口に向かって進んだ。
 私の口車に乗せられ、思わず秘密を打ち明けてしまった女はそれっきり口を噤んでいた。私の背中に隠れるようにしながらラブホの玄関に入る女のその表情は、癌を宣告された直後の患者のように暗く引き攣っていた。

 部屋に入ると、まだそこには前の客の温もりがほんのりと残っていた。
 私は、入口のドアの前でジッと立ちすくんだままの女に、「お風呂を入れて下さい」と告げながら、ベッドの上に腰を下ろした。
 女の姿が浴室に消えて行くと、おもわず私の顔に笑みがこぼれた。
 可愛い顔をしたM女……
 ゾクゾクするような卑猥な体……
 初めての出会い系……
 教師の旦那を持つ真面目な素人主婦……
 しかも、自身も小学校の教師……
 そんな言葉を頭の中に並べながら、浴室から響いて来る湯の音を聞いた。これほどの上玉に出会えると思ってもいなかった私は、既に硬くなっている股間をいやらしく揉みながら、これだから出会い系はやめられないんだと不敵に微笑んだのだった。

 ドアが開いたままの浴室をソッと覗くと、UFOのような形をした丸い浴槽からもわもわと湯気が立ち上っていた。
 浴槽の縁にしゃがみながら、湯が溜っていくのをぼんやりと見つめていた女は、私が浴室の入口にいる事に気付くと、慌てて「すみません」と言いながら立ち上がった。
 既に湯は半分以上溜っていた。私は浴室に一歩足を入れ、そのまま蛇口を閉めて湯を止めると、「何か飲みませんか」と、女を部屋へと誘った。
 ベッドの端に二人並んで座った。
 私は缶コーヒーを飲み、女はウーロン茶を飲んだ。
 浴室から漏れてくる湯気でむんむんとする室内には、ひと昔前の流行歌が微かに響いていた。
 私は、スッと伸びる女の脹ら脛を舐めるように見つめながら、残っていた缶コーヒーを一気に飲み干すと、未だ黙ったままの女に「さっきの質問の答えがまだなんですが」と顔を向けた。
 女は小さく首を傾げながら、「さっきの質問……と申しますと?」と、いかにも小学校の教師らしい仕草で私を見た。
「ですから、どうしてこんなことするんですか? っという質問ですよ……」
 私はそう言いながら、コーヒーの空き缶を出窓の上にコツンっと置くと、女の太ももの上にソッと左手を乗せた。
 私の手が太ももに触れた瞬間、女の小さな肩が微妙に揺れた。 女はかなり脅えているらしく、私のどんな些細な仕草にも警戒しているようだった。
 女は、脅えながらも私の手を太ももの上からソッと払い除けた。
 しかし、私は再びその手を太ももの上に乗せた。女は、そんな私の手を諦めるように見つめながら放置し、「それは、どうしても答えなければいけませんか……」と呟いた。
 私は笑った。いえいえ、嫌だったら答えなくてもいいですよ、と笑いながら、女の太ももを優しく擦った。
 女は上下に動く私の手を見つめながら、「すみません……」と呟き、再び口を噤んでしまったのだった。

 私はそのままベッドにごろりと横になると、女の細い背中を見つめながら考えた。コレ系のM女はどうやって責めるべきかと。
 恐らく、この女は自分がマゾだという事に気付いていないはずだ。自分がマゾだという事を自覚していない女に、その喜びを教える事ほど興奮するものはないが、しかし、この手の真面目な女に、いきなり過激なSMプレイをするのは危険だと思った。
 となれば、肉体的ではなく精神的に虐めてやるのがいい。
 狙い所はやはり旦那だろうか?
 それとも、聖職という職業でありながら不浄な行為を犯しているという罪悪感を、徹底的に炙り出してやろうか?
 そんな作戦をあれこれと練りながら、私はさりげなく女の尻に手を伸ばした。
 ベッドの端に座る二十八歳の尻は見事に丸かった。手の平ですりすりと擦りながら、時折ギュッと鷲掴みすると、むちむちとしたその尻肉は、食い込む五本の指を跳ね返そうとするほど弾力性を持っていた。
 そんな尻の谷間にスっと指を入れ、スカートの上から谷間の奥を擦った。
 やめて下さい……と腰をくねらす女に、どうして? と聞くと、女は俯いたまま、「恥ずかしい」と一言呟いた。
 女のその言葉に、責めどころのヒントを得たような気がした私は、「恥ずかしい事をしに来たんでしょ……」と卑猥に囁きながら女の細い腰を左腕で抱え込み、尻の谷間を擦りまくってやった。
 そのうち女は抵抗を諦め、ジッと項垂れたまま尻の谷間を這い回る指の動きに身を震わせていた。
(やはりこれは、羞恥責めだな……)
 そう頷きながら攻撃方法を決めた私は、身動きしない女の黒いロンTを素早く脱がせ、事務員の制服のような地味なスカートのホックをソッと外した。
 女はその服の中に、更にもう一枚インナーを着ていた。
 それはベージュ色した薄いワンピースだった。ニッセンのカタログ通販あたりで『二枚組セット1950円』で売っていそうな安物で、しかもそれは随分とくたびれており、背中から尻にかけてポツポツと毛玉が引っ付いていた。
(今から見知らぬ男に抱かれるというのに、よくこんな所帯じみた物を着て来たもんだ……)
 そう呆れながら背中の毛玉を毟っていると、ふと、この女が小学校の教師だったという事に気付き、同時に学校はどうしたんだろうと不思議に思った。
 私は背後から手を伸ばし、パジャマ生地のようなワンピースの上から女の乳を優しく揉んだ。そしてショートボブから伸びる細いうなじにソッと唇をあてながら、「今日は、学校は休んだんですか?」と聞いてみた。
 女は、揉みしだかれる自分の乳を愕然と見下ろしながら、「早退しました」と唸るように呟いた。
「早退?……じゃあ、もしかして、今朝、私とメールをしていたのは学校からですか?」
 そう驚く私に、女は少し間を置いてからコクンと頷いた。
 今思えば、サイトに載せていたこの女のコメント内容は、確かに切羽詰まったものを感じさせた。
『今すぐ会える方、十二時までに新宿の紀伊国屋書店に来れる方なら、容姿、年齢、一切問いません。ホテル代もいりません。誰でもいいです』
 この自虐的なコメントを、神聖なる学び舎から聖職者たる教師が入れていたのである。
(この女教師は恐らく精神が壊れてるな……なにやらおもしろくなって来たぞ……)
 私はそう思いながら、細く白いうなじに舌を這わせた。女は、緊張のあまり汗をかいているのか、そのうなじは妙に塩っぱかった。
 そのままわざとらしくハァハァと卑猥な息を吐きながら耳に舌を伸ばすと、女はいきなり「先にお風呂に入らせて下さい」と、恥ずかしそうに首を窄めた。
 女は、学校から直接待ち合わせ場所に来た為、お風呂に入って来ていないと言う。
 その言葉に、なぜか私は異様な興奮を覚えた。
 小学校の女教師が学校から出会い系サイトにアクセスし、そこで知り合った男と昼間からセックスをする為に学校を早退し、その足でラブホテルにシケ込む。そんな狂った現実に、私は、教会のマリア像に精液をぶっかけるような冒涜的なエロスを感じ、異様な興奮に包まれたのだ。
 私は女の両胸を、背後から両手で鷲掴みしながら耳元に囁いた。
「おまえは、どこであの出会い系サイトのアドレスを知ったんだ……」
 女の呼び方が、『あなた』から『おまえ』に変わった。既に私の中に潜んでいたサディストな変態性欲はメラメラと燃え滾っていた。
 黙ったままの女の乳を、握り潰すかのようにギュッと強く握った私は、「正直に答えるんだ」と、声にドスを利かせた。
 すると女は、その痛みに顔を顰めながら慌てて呟いた。
「旦那の携帯で見つけました」
 女のその言葉に「なるほど……」と頷く私は、女の背中を抱きしめたままズボンのベルトを外し、更に女の耳に唇を近づけた。
「……そう言う事か……旦那はあの出会い系にアクセスして浮気をしてたんだな……それを知ったおまえは、その腹いせに自分も浮気をしてやろうと同じ出会い系にアクセスした……つまりこれは旦那への復讐ってわけか……ヤな女だなおまえは……」
 そう囁きながら、女の背中に硬くなったペニスを押し付けた。女は項垂れたまま細い体を震わし、急変した私の態度に脅えていた。
「で、私にどうして欲しいんだよ先生」
 そう笑いながら女の体をベッドの中心へと引きずり、その細い背中を乱暴に突き飛ばした。
 うつ伏せでベタっと倒れる女のワンピースの裾を素早く捲り上げると、地味な白いパンティーに包まれた尻が露になった。
 そのパンティーの中心部分に、じっとりとしたシミが滲み出ているのを私は見逃さなかった。

「先にお風呂に入らせて下さい!」
 ベッドの上でもがく女は、悲願するように小さく叫んだ。
 私は女を風呂に入らせるつもりはなかった。つい、今さっきまで教室で生徒達に勉強を教えていた女教師の性器は、いったいどんなふうに汚れ、そしてどんな匂いが漂っているのかを確かめてみたかったのだ。
 悲願する女を無視した私は、ベッドに降りると素早く全裸になった。
 勃起したペニスを突き立てながら、「どんなふうにセックスされたいのか言ってみろよ」と女を見下ろすと、女は今にも泣き出しそうな表情で「ごめんなさい……」と呟いた。
「ごめんなさいっていうのは、どう言う意味だ……今更になって旦那への復讐劇が怖くなったのか?」
 女の目の前でペニスを上下にしごきながら聞くと、女は唇をぶるぶると震わせながらコクンっと頷き、お金を支払いますから帰して下さい、と、消え入りそうな声で呟いた。
「ふざるんじゃない。おまえのつまらない復讐劇に振り回された私はどうなる。これはどうしてくれるんだ」
 そう言いながら勃起したペニスを女の顔に突き付けた。シャワーを浴びていない仮性包茎の亀頭からは、生ゴミのような悪臭がムンムンと漂っている。
「ほら、しゃぶるんだ。その、いつも生徒達に勉強を教えている清潔なお口で、見知らぬ男のチンカスまみれたチンポをしゃぶりまくるんだ!」
 あえて口汚く怒鳴ってやった。それが残酷な言葉であればあるほど、この隠れM女は興奮するに違いないと、私は確信していたからだ。
 その強行な私の態度に女は身を縮めた。細い肩を小刻みに震わせながらソッと私を見上げた女は恐る恐る呟いた。
「約束して下さい……それを舐めたら、帰らせて下さい」
 私は返事もせぬまま女のショートボブを鷲掴みにした。そして強引に私の股間に女の顔を引き寄せながら、「能書きは、しゃぶってからにしろ」と、わざと鬼のような形相を作りながら唸ったのだった。

 女は観念した。大きな目にうるうると涙を潤ませた女は、ベッドの上に四つん這いになると細いアゴをガクガクと震わせながら唇を開いた。
「ぷちゅ」っと唾液が弾ける音が亀頭の先で鳴った。それと同時に生温かい感触が私のペニスをヌルヌルと包み込んでいった。
 女はぎこちなく舌を動かしながら小さな顔を上下に揺らした。ベッドが微かに軋み、ショートボブの毛先が私の睾丸をわさわさとくすぐっていた。

「旦那にも、いつもそうやっているのか……」
 パラパラと踊るショートボブを指先で掻き分けながら、肉棒を銜える女の顔を覗き込んだ。
 シャワーを浴びていない仮性包茎のペニスはさぞかし匂うのだろう、女は苦しそうな表情をしながら、肉棒にぴちゃぴちゃと音を立てていた。
 女のその表情にはサディストな心がくすぐられたが、しかし、そんなフェラは実にヘタクソだった。
 これ以上続けていても仕方がないと思った私は、無我夢中でペニスを銜える女の肩を突き飛ばし、その小さな体をベッドに投げやった。
 唇を唾液でテラテラと輝かせる女は、ゆっくりと起き上がりながら「帰ってもいいですか」と聞いた。
 私は再び女を突き飛ばし、ベッドの上に投げやった。
「あんたのフェラは最高に下手だったよ。あんな糞フェラしかできなかったら旦那に浮気されて当然だよ……」
 私はそう呟きながらスカートの中にソッと手を入れた。
「浮気した旦那を見捨てる前に、まずは自分が反省しろ。旦那を喜ばせてやれなかった自分の下手糞なテクニックを恥じろ。そして、旦那がおまえの体に酔いしれるようなテクニックを一生懸命学ぶんだ」
 私はパンティーを素早く下ろしながら、「私が教えてあげるよ」と女に微笑んだ。
 女は「いやっ!」と叫びながら体を閉じた。
 私はすかさず女の頬をおもいきり引っ叩いた。この手の女に肉体的な責めは危険だと思ったが、とりあえず大人しくさせる為にはそうするしかなかった。
 案の定、一発叩かれただけで女は大人しくなった。しかし、叩かれた事により女が抱く恐怖心は更に膨らみ、まるでライオンの檻に投げ込まれたかのように放心状態になってしまった。
 これではおもしろくなかった。こんな状態の女を抱くのは、ダッチワイフを抱いているようなもので味気ない。やはりこの女にはMの喜びを知ってもらいたい。それによってSの私は喜びを得られるのだ。
 私は固まっている女の体を腕の中に優しく包み込んだ。そして耳元で「もう乱暴はしないから、大人しくするんだよ」と囁きながら、毛玉だらけのワンピースを静かに脱がせたのだった。

 さすが安物のワンピースだけあり、脱がす時にはパチパチと激しい静電気が走った。そんなワンピースをベッドの下に投げ捨てると、私は改めて女の体をマジマジと見つめた。
 女教師の裸体には、何者にも汚されていない清楚なオーラが漂っていた。彼女の裸体が『使用前のナプキン』ならば、いつも遊んでいる出会い系で知り合った女達の体は、『使用後のナプキン』だと思った。そんな、汚れを知らぬ女教師の裸体を前にして、激しく欲情した私はペニスをシゴかずにはいられなかった。
 シコシコと上下する私のペニスを、女は脅えながらジッと見ていた。私はもう片方の手でブラジャーを捲り上げると、「可愛いオッパイだね……」と囁きながら、その桜貝のような乳首を舌で転がした。
 乳首がペロリと舐められた瞬間、女の細い体がピクンっと揺れた。キュッと閉じていた股が弛み、そこに微かな隙間が出来た。
 私は、乳首を舐める舌を、そのまま腰の方へと下げながら、股間の隙間に手を差し込み、ムチムチとする細い太ももを静かに開かせた。
「お願いします……もう抵抗しませんから、せめてお風呂に入らせて下さい……」
 女は微かな吐息と共にそう呟いた。しかし、そうはいかなかった。女のその言葉こそが、今から始まろうとしている羞恥調教の幕開けなのである。

 女の突き出た骨盤をチロチロと舐め回す私は、そのまま手を伸ばし、股をM字に開かせた。
 開いた股を覗き込み、薄い陰毛に囲まれた小陰唇に人差し指をあてた。
 ワレメに蓋をしていた小陰唇を捲ると、ぬちゃっと糸を引きながら口を開いた。女教師の膣は驚くほどに美しいピンク色をしていたが、しかしそこには魑魅魍魎とした汚れと匂いが貪よりと渦を巻いていた。
「凄く汚れてるね……この白いヌルヌルとしたものは、まるで舌の上に残るカルピスのカスみたいだ……」
 語りかけるようにしてそう呟くと、女はすかさず「いや……」と顔を背け、下唇をキュッと噛みながらその羞恥に必死に耐えた。
「こんな汚いオマンコをして教壇に立っていたのか……」
 そう呟きながらパックリと開いたワレメに鼻を近づけた私は、わざとスースーと音を立てて匂いを嗅いだ。
「うわぁ……チーズの匂いがプンプンと漂ってるよ……凄い匂いだ……」
 私のその言葉に、女は泣き声のような羞恥の声をあげ、両手で顔を塞いだ。
「臭い」を連発しながら、豚がトリュフを探すように下品に鼻を鳴らして女教師の陰部を嗅いだ。授業中、教壇に立つ女教師のスカートの中に顔を突っ込み、そのストッキングの中でムレムレに蒸れた股間に顔を押しつけるシーンを想像しながら、そのチーズ臭漂う陰部の細部まで嗅ぎまくった。

「こんなに可愛い先生なのに、ふふふふ、まさかクサマンだったとはね……」
 私は、わざと笑いながら、顔を塞いでいる女の手を強引に剥いだ。
 女の顔は長風呂していたように紅潮していた。慌てて視線を反らしたその瞳には貪よりと絶望感が漂っていた。
 そんな女の顔を覗き込みながらワレメに指を滑り込ませた。女は「んっ」と唸りながら眉間にシワを寄せ、そこをくちゃくちゃと音立てながら掻き回すと、腰をくねらせながら足をゴソゴソと上下に動かし始めた。
「どうしてこんなに濡れてるんだ?」
 女の目を直視しながら聞いた。
 女は赤ちゃんがイヤイヤをするように顔を振りながら「もう許して下さい……」とうわ言のように言った。
「許して下さいって、こんなに濡れてるんだぜ?……本当はペニスを入れて欲しいんじゃないのか?」
 私はあえて『ペニス』という言葉を使ってやった。言葉責めをする場合、『チンポ』よりも『ペニス』のほうが生々しくて効果があるのだ。
 そんな卑猥な言葉を耳元で囁かれながら、性器を弄られまくる女は、次から次へといやらしい汁を溢れさせた。
 しかしそれでも女は声を出さなかった。真っ赤な顔をしたまま下唇を噛み締め、声が洩れるのを必死に堪えている様子だった。
「あんた、旦那が出会い系で知り合った女とどんな事をしていたか想像した事あるか?」
 私は中指を膣口でピチピチと震わせながら聞いた。
「ありません」
 女は両目をギュッと瞑りながら苦々しく吐き捨てた。しかし女のその仕草は、まるで万引きした主婦が、スーパーの入口で万引きGメンに呼び止められた瞬間に見せる仕草と同じだった。
 そんな女の顔を見つめながら、やっぱりそうかと私は思った。
 聖職者であるこの女は、同じ聖職者である旦那が不浄な行為を犯したという罪悪感に苛まれているのだ。旦那の裏切り行為と、その淫らで不潔な行為が許せなかったのだ。
 しかしこの女は弱い。精神的に細すぎる。だからその罪悪感に耐えられなかった。そんな弱い女が、悔しさと悲しさと罪悪感から逃れるには、自ら汚物入れの中に身投げするという自虐行為しかなかったのだろう。
 私は、顔を背ける女の顔を強引に元に戻すと、その顔を覗き込みながら囁いた。
「……嘘だ。あるはずだよ。あんたは旦那が他の女とセックスしている姿を想像してはムラムラしていたはずだ。オナニーしただろ。旦那が他の女の股の中で腰を振っているのを想像してオナニーしただろ」
 女は、私の言葉を脳で感じた。突然ハァハァと荒い息を吐きながら体をくねらせ、「してません……そんなこと絶対にしてません」と、明らかに欲情を剥き出しながら否定した。
「嘘だよ……あんた、授業をしている最中も旦那が浮気する光景を思い描いて欲情してたんだよ……だから我慢できなくなり出会い系サイトにあんなコメントを入れたんだ……じゃなきゃ、こんなにいやらしい汁が次から次へと溢れるわけがないよ……」
 そう呟きながらヌチャヌチャと糸を引くワレメに二本の指を泳がすと、女は突然「はあぁぁん……」と声をあげ、細い背中を逆エビに反らした。
 女の反応が急変した。私は慌てて女の唇の中に舌を滑り込ませた。最初は、必死にうぐうぐと私の舌を押し出そうともがいていたが、しかし、陰部を弄る指をクリトリスに移動させると、女の舌は観念したかのように私の舌を招き入れ、そして更には濃厚に舌を絡ませて来た。
 ぶちゃ、ぶちゃ、と舌を絡ませながら、私は女の柔らかい体の上に這い上がった。
 ムチムチの乳肉を揉みながら女の股に下半身を潜り込ませた。ワレメを弄っていた濡れた指でペニスを握った。根元をがっちりと固定しながらドロドロに濡れたワレメに亀頭を擦り付けた。
 べちょっ、と唾液の糸を引きながら唇を離すと、そのまま女のうなじに顔を埋め、そして囁いた。
「あんたの旦那がヤってたのは、きっと高校生だよ。あのサイトは家出娘が多い事で有名なんだ。だからもしかしたら中学生ともヤっているかも知れない……」
 女は私の首にしがみつきながら「言わないで下さい」と啜り泣いた。
「いや、言うよ。あんたの旦那は、今まで不特定多数の少女達とオマンコをして来たんだ。教師という立場でありながら、あんたの旦那は今の私とあんたみたいにラブホテルにシケ込んではいやらしい事をしていたんだ。それもこれも全てあんたのセックスが下手だからだ。あんたにセックスの魅力がない為に旦那は浮気したんだ。その結果、本来はあんたたち教師が守るべき未成年者の娘達を、淫らな世界へと引きずり込んでしまったんだ。それもこれも全部あんたのせいだ。旦那が浮気したのも、娘達が旦那の性欲の犠牲にされたのも、全てあんたの責任だ。その事実をあんたは受け止めるべきだ」
 そんな極論で女を追い込みながら、亀頭だけをヌルッと挿入すると、女は「やめて!」と叫びながら、私の言葉を封印するかのように私の口に唇を押し付けて来た。
 私はそんな女の唇を突き放した。亀頭だけで穴の中をぐじょぐじょに掻き回しながら「オナニーしたんだろ、旦那のこんな姿を想像してオナニーしてたんだろ、正直に言え!」と怒鳴った。
「あぁぁん、しました! ごめんなさい!」
 女が泣きながら叫んだ。穴に埋もれていた亀頭を素早くクリトリスに移動させ、亀頭をピンクローターのように震わせながらクリトリスを転がした。
 女の穴は、小便を洩らしたかのようにびしょびしょに濡れていた。
 いやらしい悲鳴をあげて悶えぎまくる女に、「どこでやったんだ。どんなふうにオナニーしたんだ。詳しく説明してみろ」と、更に亀頭の振動を早めながら耳元で囁いた。
「お風呂でしました……あぁぁぁん、ベッドでもしました……」
 半開きの唇に人差し指を入れ、前歯で指先を噛みながら女は答えた。
「学校でもしたんだろ……正直に白状しろ……」
 ショートボブの頭を左腕に抱え、腰だけスコスコと振りながら耳元に囁く。
「しました……おトイレの個室でも、放課後の教室でもしました……あぁぁぁ……」
「どうやって!」
 更に腰の動きを早めながら聞く。
「あぁぁん、指を入れました……あの人が知らない女の人とセックスしているのを想像して……指を入れました……はぁぁぁん!」
 女が仰け反った。目を閉じたまま人差し指を銜える女は、オナニー時に得たオルガスムスを思い出しているようだった。
「……そうだ。おまえの旦那は、出会い系で買った家出娘をラブホテルに連れ込み、少女の幼気なオマンコを舐め、肛門を吸い、熱り立ったペニスを少女にしゃぶらせたんだ。そして嫌がる少女を無理矢理ベッドの上に押し倒し、その欲望でギラギラと起立したペニスを、こうやって入れたんだ!」
 そう怒鳴りながら私は、ドロドロに濡れた女の穴の中にペニスを根元まで滑り込ませた。
 女は悲鳴をあげた。ブリッジのように首を曲げ、顎を天井に向けながら全身を痙攣させた。
 そんな女の上半身を両腕で押さえ込みながら腰を振りまくった。太く長い肉棒が深い湖の中をいったりきたりとピストンした。肌と肌とがぶつかり合う音に混じりながら、ぐじょぐじょと粘着力のある音が、互いの下半身から響いていた。
 私は腰を振りながら上半身を起こした。女の顔を真正面から見下ろしながら「気持ちいいか」と聞くと、女は無言で私の首に両手を回した。そして自らの意思でカエルのように股を開くと、更に深い挿入を求めるように腰を突き上げたのだった。

 互いにがっつりと四つに組み合うと、性器が摩擦する感触を堪能するかのように、ひたすら腰を振り合った。腰を速めたり、スローに動かしたり、時には円を書くように掻き回したりと、様々な動きで攻めていると、女は気が狂ったように喘ぎまくり、栗毛色に染めたショートボブを激しく乱した。
「主婦が、見知らぬ男とこんな事をしてていいのか……」
 腰の動きを駆使しながら、女の耳元にそう囁いた。
 心の内面にこびり付いていた罪悪感を毟り取られた女は、泣きながら左右に首を振った。
「教育者が、出会い系で知り合った男とこんな卑猥な事をしてもいいのか?」
 女は、声を押し殺しながら泣き声を張り上げ、顔をクシャクシャにしながら更に激しく首を左右に振った。
 女の罪悪感は最高潮に達しているようだった。ここらが潮時だと思った私は、そんな女に向かって優しく微笑んだ。そして、耳たぶにソッと唇を押しあてると、生温かい息を吹き掛けながら囁いた。
「いいんだよ。主婦だって、教師だって、人間なんだから……」
 そう囁くと同時に、私は最後の力を振り絞って、おもいきり腰を振りまくった。ベッドがギシギシと激しく軋み、掛け布団がドサッと床に落ち、そして女が絶頂に達した。
 曲げていた両脚を天井に向けてピーンッと引き攣らせながら叫ぶ女は、まさに解放に満ち溢れた表情で天国へと飛び立った。
 そんな女の痙攣する脚を必死に抱えながら腰を振る私は、汚れを知らぬ女教師の穴の中に、悪魔の精液をドクドクと注入した。
 凄まじい快楽に身を捩らせながら、私は、これからこの女を徹底的に調教してやろうと思った。そして、ありとあらゆる方法で最高の性奴隷に変身させ、いつか、リモバイを挿入したまま教壇に立たせてやろうと細く微笑んだのだった。


 その後、彼女とは七回会った。
 会う度に調教されていく彼女の成長は目紛しく、あれだけ清楚だった彼女の心はみるみる汚れていった。
 私達はいつも新宿の大型書店の四階で待ち合わせをした。書店のトイレでリモバイを膣に挿入させ、そのまま新宿の街を徘徊させた。現役女教師が腰をくねらせながら歌舞伎町を歩く姿は実に官能的だった。
 ある時、リモバイを挿入したままの彼女を映画館に連れ込み、一人ポツンと座っていた男の隣りに座らせた。
 男はよく太った中年のサラリーマンだった。映画を観ると言うより、時間潰しという感じだった。
 私は彼女に、男の隣りでスカートを腹まで捲り上げながらオナニーをするよう命令した。
 大胆な彼女に、男は最初は驚いていたが、そのうち彼女の胸を触りだし、股間を弄り始め、そしてペニスをしゃぶらせた。
 毎回、そんな淫らな行為を彼女にさせていた。
 出会ってから七回目の時には、既に彼女は女教師ではなく、完全に肉便器と化していた。

 しかし、彼女は七回目の出会いを最後に忽然と姿を消した。
 携帯は解約され、小学校も退職していた。自宅に電話を掛けてみたが、『この電話番号は現在使われておりません』という冷たいアナウンスだけが流れているだけだった。
 彼女にいったい何があったのか、教師だった旦那とはどうなったのか、今では何もわからない。

 一週間も過ぎると、私は彼女の事をすっかり忘れてしまった。
 所詮、出会い系で知り合った赤の他人だ、彼女に対して情も未練も何もない。
 しかし、ある週刊誌の片隅に載っていた記事をふと目にした時、突然彼女の香りが脳裏に甦り、胸が締め付けられるほどに彼女を愛おしく感じた。

 『夫惨殺・ラブホテルで47カ所メッタ刺し・元教師夫婦の転落』

 犯人の名前は伏せられ、そこに映っている写真には黒線の目隠しがされていた。
 それが果たして彼女かどうかは定かではない。
 が、しかし、その写真の女の髪型は、見覚えのあるショートボブだった。

(ショートボブの女・完)



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