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鬼と悪魔と妖怪と4

2012/05/19 Sat 02:10

鬼と悪魔と妖怪と4



マンションの裏手にあるレンタルビデオショップに車を停めた僕は、カーテンが閉まったままの恵美の部屋の窓を見つめながら細い路地を進んだ。
埃っぽい階段を上がると、ドアの前で息を潜めながらソッと鍵穴の中に鍵を差し込んだ。
開いたドアの隙間から溢れて来た生温かい香りに恵美の気配を感じた。
足音を立てないよう、フローリングの廊下を靴下で滑って進んだ。
突き当りのリビングはシーンっと静まり返り、どうやら恵美は寝室に籠っているようだった。

どんな顔をして寝室のドアを開けようか悩んだ。
笑うべきか、怒るべきか、それとも悲しむべきか。いくつかの表情を作りながらそのまま体の向きを変え、寝室の向かいにある洗面所に忍び込んだ。
洗面台を覗き込み、鏡に映る自分の顔を見た。精気の抜けた目はだらしなく垂れ下がっていたが、しかし、目玉は異様にギラギラと輝いていた。その目はまさに犯罪者の目だと自分でつくづくそう思った。

洗面台の前で深く項垂れると、自然に大きな溜息が溢れた。
婚約者をレイプされた男。しかもレイプした相手は、仲の良い先輩。
そんな自分を客観的に見ながら、なんという情けない男なんだと泣きそうになった時、ふと洗面台の横に置いてある脱衣カゴが目に飛び込んで来た。

迷う事無く脱衣カゴの中を漁った。昨夜の恵美の下着がいったいどうなっているのかが気になって仕方なかった。
バスタオルを剥ぐと、そのすぐ下に丸められた白いパンティーが転がっていた。
(このパンティーを先輩たちはどんな気分で脱がせたのだろう……)
怒りに震えながらソッと摘み上げ、胸の奥をゾワゾワさせながらその丸まったパンティーを静かに広げた。

高いビルの屋上で、誰かに背中をドンっと突き飛ばされた時のような嫌な衝撃が僕を襲った。
そのパンティーの、性器が当たっていた部分には明らかに『いやらしい汁』とわかるシミがべっとりと付着していた。

過去、恵美の下着を好奇心から物色した事は何度かあった。しかし、日頃の恵美はオリモノシートを使用しているせいかシミはほとんど見られず、そこにはチーズのようなオリモノ臭を微かに感じるだけだった。
しかし、この下着は違っていた。それはまるで、わざと塗りたくられたかのように、いやらしい汁が所狭しと染み付いているのだ。

あの清楚な女教師の恵美が、これほどまでに下着を卑猥に汚すなど想像できなかった。が、しかし、この下着は恵美の下着に違いなく、このヌルヌルに湿ったいやらしい汁も恵美の体内から溢れ出た性的分泌物に違いないのだ。
これは隠しようのない事実だった。
やはり恵美は、昨夜、あのインチキ精神科医の変態治療を受けたんだと確信した。

その揺るぎない証拠を目の当たりにする僕は、強烈な悲しみに襲われながらも、その乱れ狂う恵美の姿を想像しては、異様な興奮に包まれていた。
あの時見た、淫乱症の女が再び僕の脳裏に浮かんで来た。
大勢の裸男達に、人形のように弄ばれながらも膣から喜びの尿を洩らしていたあの変態女。昨夜の恵美も、あの変態女のように尿を噴き出しては動物のように喘いでいたのかと想像すると、居ても立ってもいられなくなった。
洗面台の前でペニスを捻り出した僕は、肉棒の皮を上下にしごきながら、湿ったクロッチをクンクンと嗅いだ。
微かな洗剤の香りの中にチーズ臭を嗅ぎ取りながら、この匂いを先輩も嗅いだのだろうかと思い、手の動きを猛烈に速めた。
大勢の男たちに見られたのか?
変態男たちにアソコの匂いを嗅がれたのか?
そんな疑問を汚れたクロッチに問い掛けながらペニスをシゴいていると、その光景がありありと頭の中に浮かんでは消え、その度に僕は射精しそうになったその手をピタリと止めていたのだった。

その時だった。
不意に寝室からガサッという音が聞こえて来た。それは明らかにベッドから起き上がる音であり、僕は心臓を鷲掴みされたかのように驚いた。
勃起したペニスをズボンの中にスルリと押し込むと、それと同時にパンティーを脱衣カゴの中に投げ捨て、素早くバスタオルを上から被せた。
その二秒後、寝室のドアがカチャリと開いた。

「えっ?」と驚く恵美の声を左の頬に感じた。
「うん……」と頷きながら顔を左に向けると、パジャマ姿の恵美が呆然と立ちすくんでいた。
「驚かせてごめん……キミの事が心配で心配で居ても立ってもいられなかったから……部屋に来てしまった……ホント、ごめん……」
ポツリポツリと呟く間に、恵美の大きな目にみるみると涙が浮かんで来た。
もう一度「ごめん……」と呟くのと同時に恵美の瞳から涙が零れた。恵美はその涙を隠すかのように顔を背けると、そのまま無言で寝室のドアを閉めたのだった。

ドア越しに、ベッドに崩れ落ちる音が聞こえて来た。
普通ならば、「来るのなら電話くらいしてくれてもいいじゃない」と小言のひとつでも言うはずの恵美が、今日は病的に感傷的だった。
それはきっと、他の男たちと性行為をしてしまったという罪悪感が恵美をそうさせているに違いないと思った僕は、更に昨夜の治療が事実だった事を確信し、先輩たちに対する激しい怒りと、恵美に対する異様な性的興奮に包まれた。

そのうち、寝室から啜り泣く声が聞こえて来た。
僕はそんな恵美の啜り泣きを聞きながら静かに服を脱いだ。
あんなインチキ治療を恵美が信じているはずはなかった。しかし、恵美は今夜もまたあの治療を受けようと先輩に電話していた。
これが恵美の本性なんだ……と、自分自身に呟いた。
清楚ぶって教壇に立つ教師の恵美は仮面を被っているんだ、あの変態行為の快楽が忘れられず、またしても先輩に電話を掛けるのが本当の恵美の素顔なんだ。
そう自分に言い聞かせながら全裸になると、フローリングに素足をヒタヒタと鳴らしながら寝室へと向かった。
ドアを開くと、カーテンが閉められたままの薄暗い部屋で、ベッドに顔を押し付けながら肩を震わせている恵美がいた。
「恵美……」
しゃがれた声で呟くと、恵美はベッドからソッと顔を上げた。
全裸の僕を逆光で見た恵美は、ヒクヒクと鳴らしていた喉をピタリと止めた。そして何かを観念したかのように大きな目をギョッと見開きながら、聞き取れない程の小声で「ごめんなさい」と呟いた。

「何に対して謝ってるんだ……」
僕はそう呟きながらベッドに進み、床に正座しながらベッドに泣き崩れていた恵美の前にゆっくりと腰を下ろした。
「…………」
恵美は黙ったまま僕の顔を見つめていた。それは、この件について僕がどこまで知っているのかを模索しているような、そんな表情だった。
僕は、唇を震わせる恵美の顔をソッと覗き込んだ。そして恵美の耳元に囁くようにして、「全部、先輩から聞いてるよ」とカマを掛けてやった。
僕を見つめていた恵美の視線がゆっくりと下がって行った。そのうちガックリと項垂れてしまった恵美は、まるで万引きが見つかった女子高生のように「ごめんなさい……」と呟いたのだった。

わかっていた事ではあるが、しかし改めて白状されると、新たなる衝撃が僕の胸を締め付けた。
もしかしたら、という望みは少なからず抱いていた。あの恵美に限ってこんな淫らな事をするはずがないと、心の隅では恵美を信じていたのだ。
「くそっ……」
そんな言葉が自然に僕の口から溢れた。拳をギリギリと握る僕を見て、恵美が慌ててサッと顔を上げた。
「で、でも、ちゃんとした精神科の医師がこれは治療だからって言ったのよ、だから私は先生を信じて」
「じゃあなぜまた先輩に電話したんだ。あの治療が偽物だと言う事くらいわかったはずだ。なのになぜキミは今夜もまた治療に行こうと先輩に電話をしたんだ」
「違う、あれは私から電話したんじゃないわ、近田さんから電話が来たのよ、本当よ」
「だとしても、キミは今夜もあのインチキ精神科医の所へ行くつもりだったんだろ?……」
「…………」
恵美は歪んだ顔を固めたまま絶句した。そして、そのままゆっくりと項垂れると、再び聞き取れない程の小声で「ごめんなさい」と呟いたのだった。

そんな恵美を冷静に見下ろしていた僕は、いつしか怒りは去り、今はただひたすらドス黒い渦が頭の中でモヤモヤとしているだけだった。
そんな恵美のパジャマの襟首から白い谷間が見えていた。この胸の谷間に何人の男達が顔を埋めたのだろうかと想像していると、激しい欲情が僕の胸を押し付け、萎れていたペニスに熱い血が通った。

「恵美……」と項垂れる恵美の髪を優しく撫でた。
ゆっくりと顔を上げた恵美の目の前に、ゆっくりと上下にシゴかれるペニスがピクンピクンっと脈を打っていた。
「先輩のペニスを舐めたんだってな……」
僕は優しく髪を撫でながら、そうカマを掛けた。
恵美は答えなかった。無言でジッと僕の目を見つめたままだった。
我慢汁がぴちゃぴちゃといやらしい音を立てていた。ネトネトに輝く亀頭に陰茎の皮を上下にしごきながら更に僕はカマを掛けた。
「目隠しされながら、誰ともわからない男達のペニスをしゃぶったんだってね……婚約者の僕のペニスは一度もしゃぶってくれなかったのにね……」
無言でソッと目を伏せる恵美に、僕はペニスを突き出しながら不敵に微笑んだ。
「みんなと同じように僕のもしゃぶってくれよ……」
その言葉に、すかさず「いやっ」と小声で呟く恵美の髪を、僕はいきなり鷲掴みにした。
生まれて二十五年、そんな乱暴を一度もされた事のない恵美の顔は一瞬にして蒼白に変わり、まるで殺人鬼と出会った時のような目で僕を見つめながら唇を震わせた。
そんな恵美の表情に更なる欲情を感じた僕は、髪をおもいきり引っ張りながら意味不明な言葉を叫び、振り回される恵美の顔を股間に押し付けたのだった。

遂に観念したのか、恵美の舌が僕のペニスに絡み付いた。
それは付き合って四年にして、始めての事だった。
これまでにも、高校の時に付き合っていた彼女や風俗の女から何度かフェラをしてもらった経験はあったが、恵美のソレはひときわ感慨深かった。
それが自然な形での成り行きならば、これほどまでの快楽はなかっただろうが、やはり、他人の肉棒を舐めたというプロローグがあるがため、それは肉体だけでなく精神にまでも快楽を与えてくれたのであろう。
そう考えると、先輩の悪質な企みも満更ではなかった。

恵美は口内でカリ首を刺激しながら、白魚のような細い指で肉棒を静かにシゴいた。
それが先輩たちに教え込まれた技だと思えば思う程、僕は複雑な心境に陥った。
子猫がミルクを飲むようにぴちゃぴちゃと音立てる恵美の顔を覗き込み、「これまでに何回治療されたんだ?」と聞いた。
恵美はペニスを口に含んだまま目を伏せ、それに答えようとしない。
そんな恵美の髪を再び鷲掴みし、グイッと顔を上げながら「正直に答えろよ」と睨むと、恵美はペニスを銜えたまま脅える目で僕を見た。

恵美の口からペニスがヌポっと抜けた。唾液と我慢汁が混じる透明の汁がニトーッと糸を引き、唇に垂れたソレを慌てて拭いながら恵美は答えた。
「四回目……」
恵美のその言葉で、更にムラムラと感情を湧かせた僕は、声を震わせながら尚も質問を続けた。
「……その四回とも治療を受けたのか?」
「……始めの一回目は診察だけだった……後の三回は……」
「その三回とも先輩は来てたのか?」
すかさずそう聞くと、恵美は顔をカッと赤く染め、唇を震わせながら「……近田さんは……昨日が初めて……」と答えた。
わかっていながらも、改めてそれを聞かされると、更に胸の奥でムラッと炎が沸き上がった。

今までにない嫉妬心に胸を押し潰されながら、僕は恵美の髪を引っぱり、その細い体をベッドに引きずり上げた。
「よりにもよって先輩なんかと浮気しやがって……」
そう唸りながら恵美のパジャマのズボンを一気にズリ下ろした。
そこにはボーダー柄の小さなパンティーが張り付いていた。それは初めて見る下着で、いかにも女子高生が好んで履きそうなその小さなパンティーは両サイドが紐になっており、あたかも治療を意識して買った物のように思われた。
それにより僕の怒りは更に熱く燃え滾り、引き千切るようにしてその忌々しいパンティーを乱暴に脱がせると、ぶどうの身が皮から飛び出すように真っ白な下腹部がツルンっと現れた。
ベッド横のカーテンを開き、明るい光りの下で初めて恵美の下腹部を見てやった。
小さなパンティーの締め付けにより、黒々と生え茂る陰毛は天然岩海苔のように渦を巻き、細い腰には紐の跡がくっきりと残っていた。

「アソコを見せてみろ……」
そう呟くと、恵美は微かに唇を動かしながら「イヤ」と首を振った。
「大勢の男達にそこを弄られたんだろ。傷が付いていないか調べてあげるから見せてみろよ」
そう言いながら閉じていた膝に手をあてると、恵美は「ヤダ!」と叫びながら体を閉じ、無言でポロポロと涙を流した。

ここまで事実が発覚しておきながらも、まだ抵抗しようとする恵美。
そんな恵美の股間にとんでもない秘密が隠されているなど、今はまだ知る由もなかった僕は、恵美の両脚を強引に押し広げさせながら、おもわず「殺すぞ」と呟いていたのだった。

(つづく)

《←目次》《5話へ続く→》

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