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夜顔・前編

2012/05/19 Sat 02:10

夜顔2





《本編》
小さな公衆便所の上で巨大な樹木が揺れていた。
夜風が吹く度にザワザワと揺れる樹木の葉がこの小さな公衆便所を包み込み、それはまるで巨大津波に飲み込まれる小船のようだった。
男子便所の小窓から、葉の揺れる音が不気味に聞こえて来た。
蛇口の壊れた洗面所からは小川のせせらぎのような水音が延々と繰り返し、蜂なのか蝿なのかわからない昆虫が、サッシの下でジージーと音を立ててもがいていた。
履き古したショーツをスルスルと下ろすと、止まったままの換気扇から吹き込む生温かい夜風が、生尻をいやらしく撫でた。
小便器と小便器の間に立ち、丸い尻肉にソッと両手を回した。ベビーパウダーを叩いたようにすべすべした尻肉を優しく鷲掴みすると、それはまるでつきたてのお餅のように柔らかかった。

(誰でもいいです……この中におちんちんを入れておしっこして下さい……)

そう呟きながら尻肉を大きく広げると、尻肉の谷間から溢れ出た透明の汁が、尻肉に食い込んだ小指を生温かく濡らした。この状況でこれほどまでに濡れている自分自身におもわず欲情した。
尻肉を鷲掴みにしていた人差し指を開いた陰部に伸ばした。ヌルヌルとした中に小陰唇のコリコリとした肉感が伝わった。その指がヌルヌルと滑り、陰毛の中で固くなっていた陰核を捕らえると、自然に腰がカクンっと跳ね、小さな吐息が唇から漏れた。
壁に頬を押し付けながら、ヌルヌルと転がる陰核の快楽に身を捩らせていると、ふと、昼顔の自分が頭に浮かんで来た。
教壇に立つ昼顔の自分と、深夜の公衆便所で陰部を開く夜顔の自分。その二つの顔を客観的に思い浮かべながら、もしこの変態行為が発覚したらどうしよう、という恐怖に襲われた。
しかし、そんな恐怖は更に性的興奮を呼び起こした。全校生徒が見ている目の前で、昼顔の仮面を剥がされた時のその瞬間を思い浮かべると、胸の内に秘めていた被虐的な性倒錯が膨れ上がり、おもわず男達が小便を引っ掛けた黄ばんだ小便器を舐めていた。
小便器に顔を埋めながら、まるで小動物が水を飲んでいるかのように、便器の底に溜る汚れた水をペロペロと舐めていると、不意に公衆便所の外から足音が聞こえて来た。
すぐさま立ち上がり小便器の間で尻肉を広げた。足音が近付くにつれ背筋にゾクゾクとした寒気が走った。
(おちんちんを入れて……乱暴におちんちんを入れて滅茶苦茶にして……)
口内にアンモニアの酸味を感じながらそう目を閉じていると、背後で足音が止まった。
靴底と小石がジリジリっと音をたてた。明らかに動揺しているとわかった。
「こ、この中に……おしっこをして下さい……」
相手の顔も見ぬまま陰部を開いた恵子のその顔は、完全に夜顔と化していたのだった。


               ※


古い校舎の廊下には、給食の酢豚の香りが微かに漂っていた。
「先生」と呼ばれ振り返ると、廊下の奥の音楽室から松江紗季が笑顔で駆け寄って来た。
「昨日、あれからお父さんともよく話し合ったんですけど、やっぱり先生の言う通り北駱高校を受ける事にしました」
松江紗季は恥ずかしそうにモジモジしながらも、右の八重歯を剥き出して大きく微笑んだ。
恵子は「そう」と頷きながら右手に抱えていた数学の教科書を左手に持ち直した。
そして松江紗季の大きな黒目を覗き込みながら「がんばってね」と微笑むと、松江紗季は「色々とありがとうございました」と深くお辞儀をし、そのポニーテールの髪束をバサッと揺らしたのだった。


ふと時計を見ると七時を過ぎていた。いつしかグラウンドの野球部の掛け声も消え、窓の外はどっぷりと日が暮れていた。
やっと松江紗季の進路が決定した喜びを日誌に書き綴っていた恵子は、柔らかい溜め息と共に静かに日誌を閉じた。
職員室には数人の教師が残っていた。そんな教師達を横目に帰り支度をしていると、扇風機の前で携帯電話を弄っていた国語の城川が「水間先生も一緒にどうですか? カラオケ」と聞いて来た。
すると、職員室の奥でコピーを取っていた体育の野中や理科の不破も、「たまには水間先生も付き合って下さいよ」と一斉に誘って来た。
皆、恵子と同じ三十代前半の独身男性教諭ばかりだった。彼らは、この学校で唯一独身の恵子を何かにつけてよく誘ってきた。
「ごめんなさい、帰ってからもまだやらなくちゃならない事が沢山ありますので……」
そう笑顔で断りながら、そそくさとカバンの中に書類を仕舞っていると、「水間先生って本当に真面目だよなぁ」と城川が笑った。
ふと見ると城川の視線が恵子の胸元でいやらしく泳いでいた。
城川の視線に背筋をゾクッとさせた恵子は、今、この男がBカップの貧乳をどのように視姦しているのかと想像すると、一刻も早く例の場所に行きたくて堪らなくなった。
そんな城川に慌てて背を向けると、背後で城川が呟いた。
「水間先生もたまには息抜きしなきゃ、精神がやられちゃいますよ」
そう笑う城川の視線が、尻の谷間をいやらしく滑り降りていく気配を感じた。
(息抜き……)
そう心で呟いた恵子の脳裏に、公衆便所の汚れた便器がふと甦り、慌ててカバンの金具を留めた。
「ねぇ、水間先生……」と妙に湿った口調で近付いて来た城川に目もくれないまま軽く御辞儀をして職員室を出た。薄暗い廊下を、職員用の玄関に向かって早々と進む恵子の股間には、生温かい汁がネチャネチャと糸を引いていたのだった。


駅の改札口を抜けると、自宅マンションのある世田谷方面とは反対のホームへと向かった。
ホームを歩く恵子は、今日はやめたほうがいい、今日こそきっと怖い目に遭う、と呟きながらも電車に乗り込んだ。
電車は空いていたが、しかし車内にはつい数時間前のラッシュ後の生温かい空気が漂い、不意に吊り革にぶら下がっていた豚のようなサラリーマン達が目に浮かんできた。
電車に揺られながら、通り過ぎて行く家庭の灯りをぼんやりと見つめながら、あの赤い屋根の家の今日の夕飯はきっとカレーライスだ、あの荒れた庭木に囲まれた家には寝たきり老人が住んでるはずだ、などと窓の外に妄想を膨らませてはストレスだらけの溜め息を何度も吐いていた。

何も考えないまま電車を降りると、そこは以前、一度だけ来た事のある町だった。
あの時の公園ははっきりと覚えていたが、しかしそこまでの道のりが全く思い出せなかった。
駅裏のファミレスに入ると海老ドリアを注文した。
夕食時とあってか店内は客で溢れ、一人でボックス席を占領する事に気が引けた。
忙しそうな店員達から目を反らすように文庫本を開いた。騒がしい店内のせいで内容は一向に頭に入らず、ただただ活字だけを目で追っていた。

そんなファミレスにかれこれ四時間も居座っていた。時刻はいつしか0時を過ぎ、辺りを見回すと夕食時とは客層がガラッと変わっていた。
レジで海老ドリアの七百八十円を支払い、店員に「この辺に大きな公園はありませんでしたか?」と聞いた。
いかにも頭の悪そうな店員は「あ、すぐソコです」と南の方向を指差し、「でも真っ暗ですよ」と笑った。そんな店員は最近テレビで良く見かけるきゃみーなんとかという少女によく似ていた。

人気のない大通りの歩道を南に進むと、二十四時間営業のガソリンスタンドの奥に、鬱蒼とした森に囲まれた公園が見えてきた。
『サイクリングロード』と表示された細い通路に入った。その看板には『公園への近道です』と書かれていた。
公園の中は、ファミレスのきゃりーなんとかが言っていた通り真っ暗だった。点々と立っている街灯は何の役にも立たず、ただただ夜蟲を狂喜乱舞させているだけに過ぎなかった。
見覚えのある階段を上りながら、確かこの先を行けば図書館があるはずだと記憶を甦らせた。
確かに、階段を上りきると巨大な図書館が見えて来た。しかし図書館の照明は既に消され、それはまるで山中に取り残されたホテルの廃墟のようだった。
その図書館の正面に近代的な公衆便所が煌々と灯りをともしていた。さすがは区の公園だけあり障害者用のトイレが二つも並んでいた。
しかし恵子はそんな公衆便所を素通りした。恵子が目指す公衆便所はこんな偽善的な公衆便所ではない。
恵子が目指す公衆便所は、人間の本性を剥き出しにしたもうひとつの公衆便所だった。

大きな図書館の建物の裏手に回ると、そこは月の灯りさえも遮られた闇だった。『自然遊歩道』と表示された通路は舗装されておらず、固まった地面からは握り拳大の石がいくつも突き出ていた。
真っ暗な遊歩道の先に公園の向こう側にあるコンビニの灯りがポツンっと見えた。その灯りを頼りに暗い遊歩道を進み、図書館の給水塔の角を曲ると、今にも消えそうな蛍光灯に照らされたコンクリートの箱が立っているのが見えた。
その弱々しい蛍光灯の灯りに吸い寄せられていく恵子の顔は、既に夜顔へと変身していたのであった。

トイレ写真2

図書館裏の公衆便所は、手付かずのまま取り残された昭和の建物そのものだった。図書館前に近代的な公衆便所が立てられてからというもの、この古い公衆便所を利用する者は一部の者を除いてほとんどいなかった。

公衆便所に近付くにつれ糞尿の匂いがキツくなって来た。決して学校では嗅げない不衛生なニオイだったが、しかしそんな匂いが恵子をより興奮させていた。
恵子は迷う事無く男子便所に侵入した。
誰もいない男子便所は薄暗い蛍光灯の灯りで寒々と輝いていた。鏡の割れた洗面所の脇の壁に、赤いスプレーで『目黒JOKERS』と殴り書きされた落書きに見覚えがあった。
ドス黒く変色したコンクリートの床を進むと、静まり返った男子便所にカツコツとヒールの音が響いた。
小便器は二つあったが、一つは粉々に砕かれ、黄ばんだ小便器がひとつだけぽつんと立っていた。
個室はひとつだった。恵子は、個室の半開きのドアを恐る恐る覗いた。以前、新宿の公衆便所の個室に忍び込んだ時、ドアを覗くなりいきなりそこに潜んでいたホームレスに羽交い締めにされるという恐ろしい経験をした事があった為、それからというもの、恵子は男子便所の個室を覗く時は慎重になっていた。

個室のドアを全開にすると床にはビリビリに破かれた馬券が散らばっていた。
和式便器の中には何故か袋に入ったままの『あんぱん』が押し込められ、便器の横にはコンビニ弁当の空箱と『お〜いお茶』のペットボトルが二本転がっていた。
個室に忍び込んだ恵子は立ったまま息を潜めた。
弁当の空箱が置いてあるすぐ横の壁には、下痢らしきモノが飛び散ったシミが点々とあった。
弁当の空箱の中にあるエビフライの尻尾を見つめながら、よくこんな所で食事ができるものだと身震いした。

四方の壁を埋め尽くす卑猥な落書きをひとつひとつ読んだ。
『肉便器をお貸しします。毎週火曜日AM2時にここにいます』
『スーパー南屋でパートしている江間翔子は誰にでもヤらせるよ』
『僕の肛門にあなたの大っきなチンポをぶち込んで下さい』
『ヤリたいヤリたいヤリたいヤリたいヤリたいヤリたい22才女』
『マンコ汁を一万円で売って下さい』
そんな卑猥な落書きの中には、性器や結合部分が実にリアルに描かれたイラストがあり、卑猥な落書き文とはまた違う興奮を恵子に与えた。
そんな病的な落書きをひとつひとつ読みながらその場でスカートを脱いだ。ショーツを引っ張りクロッチを確認すると、既にそこはハチミツを垂らしたようにねちょねちょに湿っていた。

下半身がショーツ一枚だけという無防備な姿になると、とたんに逃げ場のない恐怖に包まれた。
(もし今、ここに誰かが来たら、私は間違いなく乱暴される……)
そんな恐怖がマゾヒストな恵子の陰部をウズウズとさせた。
ハァハァと熱い息を吐きながら、湿ったショーツを太ももまでズラし、薄暗い蛍光灯の下に陰毛を曝け出したまま再び落書きに目をやった。
ドアの脇に『無料でSEXをしてくれる女性募集します』という落書きがあった。その落書きの下には日付と携帯番号が記されており、日付は三年前のものだった。

トイレ写真4

恵子はその番号に非通知で掛けた。その番号は恐らくイタズラだろうが、しかしそこに電話を掛けるという行為自体に堪らなく興奮していた。
すぐに電話は繋がった。「もしもし」という野太い男の声が恵子の脳をクラクラさせた。
「だれ?」という男の後にはテレビゲームの音が響いていた。恵子はデブで眼鏡のヒキコモリ中年男を想像しながら、無言のまま陰毛の中に指を滑り込ませた。
「だれだよ」と呟く男は、息を殺しながらこちらの様子を伺っているようだった。
非通知の無言電話をすぐに切らないという事は、もしかしたらこの男は落書きした本人かも知れないとそう思った恵子は、この変態男にアグレッシブな愛撫をされる自分を想像しながらグジョグジョになった陰部を指で引っ掻き回した。

陰毛をジョリジョリと音立てる指先が、ふいにクリトリスに触れた。突起したクリトリスがヌルヌル汁にまみれながらクリッと転がった瞬間、おもわず恵子の口から卑猥な声が漏れた。
そんな恵子の吐息を聞いて、電話の相手が女だとわかった男は慌ててテレビゲームの音を消すと、更に低い声で呟いた。
「おまえ、どこの公衆便所から掛けて来てるんだ……」
やっぱりこの男は落書きを書いた本人だった。そう確信した恵子の膝が、とたんにガクガクと震え始めた。
「今から行くからどこの公衆便所か教えろよ……」
男はそこらじゅうの公衆便所に同じような落書きをしているのだろう、恵子がどこの公衆便所から電話を掛けて来ているのかわからないようだった。
それがわかった瞬間、この男に襲われる心配はないと安心した恵子は急に大胆になった。
和式便器にしゃがみながら股を大きく開き、ドロドロに濡れた膣を指で掻き回しては「セックスして下さい……私のオマンコにチンポを入れて下さい……」と携帯に向かって喘いだ。
グジュ、グジュと膣を掻き回す音が深夜の公衆便所に響いた。男もその音を聞いているのか、ハァハァと興奮した息を吐きながら「おまえ、歳はいくつだ」と聞いて来た。
「三十二才です…」
「人妻か?」
「違います……独身です……」
「仕事は何してんだ」
恵子は一瞬躊躇った。こんな男に個人情報を正直に教えるのはまさに自殺行為だった。教師としてだけでなく人間として命取りになりかねないのだ。が、しかし、この見知らぬ変態男にあえて本当の個人情報を教えるというのも、ある意味、堪らないマゾヒズムだった。
膣の奥まで滅茶苦茶に掻き回していた恵子は、自分をとことんまで追い込んでやりたいと思った。この変態男の肉便器となって一生を棒に振ってもかまわないとさえ思い始めた恵子は、震える声で携帯に呟いた。
「教師です……中学校で……教員をしてます……」
男はそれを信じていないのか、「へぇ〜中学校の先生かぁ〜」と軽く答えると、「で、どこの中学よ」とせせら笑いながら聞いて来た。
このまま正直に答えていけば本当にこの変態男の肉便器にされてしまう。そう思った恵子は凄まじい恐怖に襲われると共に強烈な性的興奮を感じた。
(怖い……怖い……)としゃがんだ膝をブルブルと震わせながら、剥き出しになった膣に指をヌポヌポと出し入れした。ポッカリと丸く開いた膣は、まるで餌を欲しがる金魚の口のようにパクパクしていた。
ふと便器のタンクの下にしわくちゃになったコンドームがペタリと横たわっているのを発見した。
「どこの中学なんだよ、教えてくれよ、毎日チンポを入れに行ってやるから……」
そんな変態男の声を聞きながらコンドームを摘まみ上げた。薄ピンクのコンドームの先には真っ白な精液がたっぷりと溜っていた。

トイレ写真5

「ほら……どこの中学か言ってみろよ……ハァハァ……チンポ欲しいんだろ……ハァハァ……ズボズボにしてやるから早く教えろよ……」
男はオナニーを始めたのか、携帯越しに恵子の耳に熱い息を吹き掛けて来た。
男のそんな卑猥な呼吸に背筋をゾクゾクさせながら、恵子は携帯を肩に挟むと、素早くコンドームの中に溜っていた精液を右の手の平の上にドロッと垂らした。
再び左手で携帯を握りながら男の荒い息を聞いた。男は俺のチンポは十八センチあるとか亀頭はピンポン玉くらいあるなどと説明し、「ギンギンに勃起したチンポでおまえのマンコをムチャクチャにしてやるよ」と声を震わせていた。
そんな男の卑猥な声を聞きながら、恵子は手の平の上の精液をクンクンと嗅いだ。プールの消毒液に似たキツい精液の香りが恵子の脳を刺激し、おもわずしゃがんだ股からシャッ! と尿を噴き出した。恵子には激しく興奮すると失禁する癖があるのだ。
目眩を感じる程に興奮していた恵子は、「おちんぽ舐めさせて下さい、私を肉便器にして下さい」と教師らしからぬ卑猥な言葉を連続して吐きながら、その誰のモノかも知れない精液をペロペロと舐めた。
「舐めさせてやるよ、我慢汁がダラダラに垂れたチンポをおもいっきりしゃぶらせてやるよ、だから今いる公衆便所の場所を教えろって」
おもわず男の言葉に答えようとして慌てて口を噤んだ。もし本当に男がここにやって来たら、恵子は間違いなく肉便器にされ人生にピリオドを打たれるのだ。
恵子はそんな恐怖に脅えながらも、肉便器にされる自分を想像した。薄汚い公衆便所で、変態男達に代わる代わる犯される自分を想像しながら、手の平に溜っている精液を膣に擦り付けた。
「中に出して下さい! 中に、中に、精液をいっぱい出して!」
そう叫びながら、誰の者かわからない精液を膣の奥底に擦り付けた。ドロドロの精液は指の隙間を伝い、しゃがんでいた便器の下とへ落ちると、便器に押し込まれていたあんぱんの袋の上でボタボタっと音を立てた。
と、その時、ふと男子便所の入口からジャリッと小石を踏む音が聞こえてきた。
その音に瞬間的に驚いた恵子は「ひっ」と喉を鳴らしながら慌てて立ち上がると、指を震わせながら携帯を切った。
その足音は恵子が潜む個室に近付いて来た。
息を殺して立ちすくむ恵子は、凄まじい恐怖に襲われながらも、しかし同時に失禁してしまいそうなくらいの性的興奮に包まれていたのだった。

(つづく)

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