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救急車

2012/05/26 Sat 01:35

142救急車

《解説》
泥酔女子高生、意識なし。鬼畜救急隊員は直ちに現場に急行し身柄を確保せよ!




《午前二時三十分通報、中山町のハニーハイツ二〇三号室、香山有希十七才、一名、酒を飲んでいる最中に意識不明、直ちに現場に急行せよ。繰り返します、午前二時三十分通報、中山町のハニーハイツ二〇三号室、香山有希十七才……》

 狭い詰所に、そんなアナウンスと警告音が鳴り響いた。
 繰り返される災害救急情報センターからの出場指令に、ソファーに寝転がって深夜放送を見ていた男達が、大きなあくびをしながら気怠く立ち上がった。

 救急車の助手席に乗込むなり、田畑はナビに現場の住所を打ち込んだ。運転席の飯島がズレたヘルメットを直しながら大きな溜息を付く。

「四十を過ぎて、ガキの飲み会の後片付けをさせられるとはね……」

 そう舌打ちしながら飯島が面倒臭そうにハンドルを握った。そんな不謹慎な飯島を田畑は横目で見ながら、夜食で食べていた『どん平』の油揚げを食べ残していた事を酷く後悔した。

 中山町のハニーハイツは、随分と奥深い山中にあるマンションだった。
 この付近のナビを見ていると、それっぽいマンションがいくつも点在していた。近くに大きな高校や短期大学、それに専門学校などが集中している事から、これらが学生寮として使われているのだろうと田畑はふと思った。
 担架を担ぎながら二階へ上がると、二〇三号室のドアは既に開いていた。
 凄まじいミニスカートを履いたセーラー服姿の女の子が、階段を駆け上がって来た田畑達を見て「こっちです!」と叫んだ。ふと、深夜に見るセーラー服はどうしてこんなにエロいんだろうと思いながら、田畑は部屋に入った。
 狭い部屋の中は、煙草の煙と安っぽい香水のニオイが充満していた。部屋の奥には、学生服を着た三人の男子学生がニヤニヤと薄ら笑いを浮かべながら田畑達を見つめていた。
 田畑はフローリングの上でぐったりしている女子高生の枕元にソッとしゃがんだ。うつ伏せになっている女の子の唇からは、大量のヨダレと少量の吐瀉物がだらしなく垂れていた。

「どれくらい飲んだの?」

 田畑の後で、飯島が男子学生に事情を聞き始めた。
 田畑は女子高生の耳元に向かって「香山さーん、大丈夫ですかー」と呼びかけた。一瞬、「うぅぅ……」と唸り声を上げる女子高生に、「自分の名前を言えますかー」とマニュアル通りに呼びかけると、背後で男子学生達がクスクスと忍び笑いをした。

 女子高生をゆっくりと仰向けにさせた。どことなく新垣結衣に似た美少女だった。
 そんな美少女が吐いた茶色い吐瀉物が田畑の人差し指にねちょっと付いた。見るからに酸っぱそうなその吐瀉物の中には、短冊状の海苔が数本混じっていた。その短冊状の海苔が、永谷園の『お茶づけ』のソレだと気付いた瞬間、田畑の背筋がブルっと震えた。
 男子学生達から事情を聞いていた飯島に泥酔する女の子の身柄を任せると、田畑は吐瀉物の付いた人差し指を立てたまま、急いで洗面所へと向かった。
 狭い洗面所には、奥のバスルームから漏れてくる生温かい湯気がムンムンと充満していた。風呂を出たら換気扇くらい付けろよバカガキめ、と小声で吐き捨てながら洗面所の蛇口を捻った。
 洗面所の棚にあった石鹸を勝手に使いながら、人差し指を念入りに洗っていると、ふと、洗面所の床にくしゃくしゃになったジーンズが脱ぎ捨てられているのに気付いた。

(ったく、だらしねぇガキだな……こんなガキに一人暮らしなんかさせる事自体間違ってるんだよ……)

 足下に転がるジーンズを見つめながらそう思う。しかし、そう思うものの、妙にそのジーンズが気になって仕方なかった。というのは、なんと、そのジーンズには何やら下着らしきピンクの布切れが、卑猥に絡み付いていたからである。
 新垣結衣に似た女子高生の使用済み下着。
 例え、どれだけだらしないガキであろうと、喉から手が出る程に見たくて堪らない代物だ。
 田畑は、指先の石鹸を洗い流すと、ヌッと廊下に顔を出した。
 飯島が泥酔する女子高生の脈を測っていた。学生達は心配そうな表情でソレを覗き込んでいる。
 田畑は、「意識はどうですか?」と飯島に聞きながら、その場にソッとしゃがんだ。

「意識はないね。こりゃあ、病院に運んだ方が良さそうだね」

 飯島の判断に田畑は「了解しました」と返事をしながら、脱ぎ捨てられたジーンズにソッと手を伸ばした。
 案の定、そのジーンズにはピンク色の下着が絡み付いていた。どうやらこの娘はジーンズと下着を同時に脱いだようである。
 田畑は廊下を気にしながらも、複雑に絡み合うジーンズを急いで解いた。ジーンズの裏側をペロリと捲ると、そこに絡み付いていたピンクの下着も同時に裏側を曝け出した。

 ピンクの下着は、なんとTバックだった。その為、通常のパンティーよりもクロッチの面積は小さかったが、しかし、そこに染み付くオリモノの面積は十分に大きかった。
 ピンクの下地に、溶き卵を塗り付けたようなオリモノがカリカリに乾いていた。しかもそこに付着するオリモノの模様は、女子高生の性器の形を転写したかのように、くっきりと『ワレメ』を浮かび上がらせているのである。
 田畑はおもわず「はぁぁ」という熱い溜め息を洩らしてしまった。
 新垣結衣に似た女子高生の恥ずかしいシミが、今、目の前に広がっているのである。絶対に誰にも見られたくないであろう彼女の秘密の部分を、今、自分はこっそり覗き見しているのである。そう思うと、居ても立ってもいられなくなった田畑は、それをジーンズごと鷲掴みにしては顔に近づけた。
 ツーンっと来る酸っぱいニオイが田畑の鼻孔をくすぐった。今までにも何度か妻の下着の匂いを嗅いだ事はあったが、しかしこのニオイは妻のソレとは明らかに違っていた。

(やはり、子持ちの三十路女のパンツと女子高生のパンツのシミは、色もニオイも全く違うんだな……)

 そう納得しながらも、田畑はその中心部をソッと唇に触れさせた。乾いたオリモノのカリカリ感が田畑の唇を挑発した。
 そんなオリモノの感触に脳天をクラクラさせた田畑が恐る恐る舌先を突き出すと、舌先に触れた乾いたオリモノが、熱い唾液で瞬間的に液状化するのを感じた。
 田畑の口内に何とも言えない酸味が広がった。
 全くの赤の他人の性器から排泄した分泌物を、今、自分は舐めている……しかも相手は女子高生であり、新垣結衣に似た美少女だ……。
 そう思うと田畑の頭にカッと血が上り、おもわず異常興奮しながらも犬のようにソコをベロベロと舐めてしまったのだった。

「田畑さん、そろそろ行こうか」

 廊下から聞こえて来た飯島の声に、ハッと我に返った田畑は慌てて持っていたジーンズを元に戻した。
 廊下に向かって「了解」と返事をした田畑は、慌てて出しっぱなしにしていた水道を止めた。そして、勃起しているペニスをヘソ下に移動させ、そそくさと洗面所を出ると、既に女子高生は担架の上に乗せられていたのだった。


 少女が乗った担架をマンションから運び出した。
 事前に玄関に置いておいたストレッチャーに少女が乗った担架を静かに乗せると、ふいに顔を顰めた飯島がマンションを見つめながら「あの子達、どうしても同乗を嫌がるんだけど、どうしようか……」と呟いた。
 田畑がマンションの二階を見上げると、廊下の手摺から顔を出した学生達がニヤニヤと笑いながら見下ろしていた。そこには堂々と煙草を吹かしている少年までいた。

「いいんじゃないですか。患者の身元はわかってるんだし、病院から家族に連絡するでしょう」

 そう言いながら田畑が救急車のドアを開けると、飯島が「あいつら、酒を飲んでいたのがバレると退学になるから同乗を拒否してんだよ、ったく、最近のガキってのはどうしょうもなんないね……」とブツブツ言いながら、救急車の中にストレッチャーを押し込んだ。
 飯島が運転席に乗込み、田畑が少女の横に付き添った。
 意識のない少女の口に酸素マスクを装着すると、エンジン音と共に救急車のサイレンが鳴り出した。走り出す救急車の小さな窓から、マンションの二階でバイバイと手を振っている少年達の笑顔が見えた。そんな少年達が、ふと水木しげるが描く妖怪に見えた田畑は、おもわず窓に向かって「ケッ」と忌々しい笑いを吐き捨てていたのだった。

 救急車は、誰もいない深夜の山中をサイレンを響かせながら走っていた。窓の外では鬱蒼とした暗い森に救急車の赤色灯がパカパカと反射し、異様な不気味さを醸し出していた。
 田畑はそんな窓からソッと視線を下ろし、目の前で横たわる少女を見つめた。制服のミニスカートから伸びる細い生足を見ていると、ついさっき嗅いだ汗臭いクロッチの香りと、酸っぱいオリモノの味が鮮明に甦って来た。
 ほんの少し手を伸ばせば、その酸っぱい香りを放つ実物に触れられると思うと、田畑の鼓動は、けたたましく鳴り響く救急サイレンと連動するかのようにドクドクと早まった。
 乾いた喉にゴクリと唾を押し込みながら、運転席をソッと見た。受け入れ先の病院と無線交信していた飯島は、痰の絡んだ声でボソボソと喋っていた。
 田畑は、少女の額に右手をあてながらソッと前屈みになった。少女の制服から爽やかな甘い香水の香りが微かに漂ってきた。
 わざと運転席に聞こえるように、「熱は無いようだな……」と独り言を呟くと、左手をソッと少女の太ももに置いた。
 まるで死んでいるかのように意識不明だったが、しかしその太ももはしっかりと温かく、ちゃんと生きている事を物語っていた。その生温かくもムチムチとした女子高生の太ももを、手の平でスリスリと擦りながら、もう片方の手で固くなっている自分の股間をスリスリと撫でた。
 そのまま息を殺し、ミニスカートの中へとゆっくり左手を忍び込ませた。不意に、運転席から「浅香病院に搬送するから」という飯島の声が聞こえ一瞬その手を止めるが、しかし飯島が後を振り向かないのを確認すると,田畑は「了解」と返事をしながら、再びスカートの奥を目指して左手を進ませた。
 太ももの横をナメクジが這うように指を進めていたが、しかし、随分奥へと進んでも下着の生地に到着はしなかった。おかしいぞ?と思いながらも更に指を進めると、ついにその指はポコッと迫り出した骨盤の骨にまで達していた。
 まさか……と思った田畑は、運転席をチラチラと気にしながらその指を真横に移動させた。すると田畑の指先にフワフワとした陰毛が絡み付いた。なんと、この女子高生は下着を履いてはいなかったのだった。

 陰毛に触れたまま指を止めていた田畑は、頭上でけたたましく鳴り響くサイレンの音を聞きながら、その猛烈に襲い掛かって来る性的興奮にジッと耐えていた。
 女子高生の陰毛を触るのは初めてだった。もちろん、女子高生の性器なども触った事など一度もない。
 見たい、嗅ぎたい、舐めたい、入れたい。そんな淫らな欲望が、サイレンのリズムに乗って頭の中を駆け巡る。
 田畑はソッと運転席の飯島を見た。飯島はガムでも噛んでいるのか、右頬をクイクイと動かしながら黙ってハンドルを握っている。
 搬送先の浅香病院まではまだ十五分程掛かる。十五分あれば充分だった。いや、相手が女子高生なら三分でも事を達成できる。
 そう思いながら、田畑はスカートの中でゆっくりと手を開き、手の平全体で女子高生の下半身に触れた。
 チリチリの陰毛が、汗ばんだ手の平の中でジャリジャリと蠢いた。そのまま手の平を下へと滑らせると、ムチムチとした尻肉が手の平の中で元気よく弾んだ。
(この弾力性……さすが女子高生だけはある……)
 田畑は悶々としながら女子高生の尻肉の感触を手の平に感じた。そして同時に、もう片方の手でズボンのチャックを静かに下ろし、ビンビンに勃起したペニスを股間の間でソッと突き立てた。
 尻、太もも、陰毛。この三カ所を行ったり来たりと撫でながら、その生々しい感触と共に静かにペニスをしごく。田畑の太ももにゾクゾクと快感が走り、一刻も早く全てを放出してしまいたいという衝動に掻き立てられた。
 しかし、このまま果ててしまうのはあまりにも勿体なさ過ぎた。意識不明の泥酔女子高生が、付添人もなく救急車に乗るなど滅多にない事で、しかもこの女子高生は新垣結衣に似た美少女であり、なんと驚く事にノーパンなのである。
 こんなシチュエーションはもう二度とないであろう。そう思った田畑は、彼女とセックスまでは出来ないまでも、せめて彼女の性器を見ながら射精したいと激しく思った。
 が、しかし、残念な事に彼女の両脚は頑丈に閉ざされていた。それは、ストレッチャーに付いている転倒防止用のベルトが、少女の胸、腰、太もも、足首、の四カ所を頑丈に締め付けており、少女の股を開かす事が出来なかったのだ。
 そんな、ベルトで押し付けられたミニスカートの中を覗いたとて、がっしりと閉じた股間には微かに黒い陰毛が見えるだけで、ワレメの筋すら拝む事は出来なかった。だから田畑は、せっかくのチャンスであっても、少女の尻、太もも、陰毛と、この三カ所ばかりを撫で回すしか方法はなかったのだった。

 そんな不謹慎な救急車は、学生寮が連なる地区を越し、いくつもの学校が並ぶ大通りに出た。
 夜の学校群はまるで軍艦島に立ち並ぶ廃墟のようにシーンっと静まり返り、広大なグラウンドが巨大な闇をポッカリと浮かび上がらせていた。
 この大通りを過ぎれば国道に出る。国道に出れば目的地の浅香病院までは一直線だった。
 田畑は、国道に出る前に射精しなければと焦っていた。国道に出れば長距離トラックも多く、道路を照らす街灯も多いからだ。
 焦った田畑は、歪に前屈みになりながら、少女の生膝に亀頭をグニグニと擦り付けた。せめて少女の肉体の一部に、自分の身体から放出する熱いモノをぶっかけたいと思っていたのだ。
 すると、突然救急車はそのスピードを緩めた。鹿が道路に飛び出して来たのかと思った田畑は慌ててペニスを隠した。ここら一帯の森には野生の鹿がウヨウヨしており、毎年鹿による交通事故が絶えない場所なのだ。
 しかし、前方の道路には鹿も障害物も何も無かった。それどころか、その道路は非常に見通しの良い一直線の道路で、他の車は一台も見当たらないのである。
 そんな道路で救急車はみるみるとスピードを落としていった。そして遂にメーターが三十キロにまで落ちた時、突然飯島が口を開いた。

「あいつら、その女の子に無理矢理酒を飲ませてたみたいだね……」

 飯島はそう呟くと、いきなり内ポケットの中から煙草を取り出し、黙ったままソレを銜えた。勿論、救急車の中では絶対禁煙だった。患者を搬送中に煙草を吸っていたなどという事が発覚しようものなら、間違いなく懲戒免職だった。
 そんな飯島の百円ライターには、田畑もよく行く『ぎゃるっ子ハウス新宿店』の店名がプリントがされていた。

「あいつらね、その子に無理矢理酒を飲ませてヤっちゃったみたいだね。ほら、金髪でピアスしたガキいたでしょ、あいつがね、事情を聞いてる最中、床に転がってたバイブやその子のパンツなんかを必死になってテレビ台の下に隠してたよ。ホント、最近のガキってバカだね」

 飯島は、煙と同時に「ははははは」と笑い声を吐き出しながらバックミラーで田畑の顔を覗き込んだ。そして、呆然とする田畑をジッと見つめながら、

「だからその子、パンツ履いてないでしょ」

 と、飯島は意味深な笑顔でニヤリと笑ったのだった。

 田畑の全身に嫌な汗がドッと噴き出した。これまでの行為を飯島があのバックミラーから見ていたのかと思うと、せっかく手に入れた救急隊の資格も、何もかもが全てが台無しだと絶望し、一瞬にして全身の力が抜けて行った。
 飯島は堕落した男だった。酒、女遊び。競輪、競馬、パチンコに明け暮れ、署員達からもかなり金を借りていた。そんな飯島に弱みを握られたら、ケツの毛まで毟り取られるのは火を見るよりも明らかなのだ。
 田畑は顔面を蒼白にさせながら、徐行運転する飯島を見つめた。そして「つい、出来心で……」と、痴漢で捕まったサラリーマンのような言い訳をポツリと呟くと、ふいに飯島が笑顔のまま後部に振り返った。

「ヤるんなら、早く終わらせてくれよ。俺ももう我慢できねぇから」

 飯島はそう笑いながら自分の股間をムギムギと握った。飯島のその言葉に田畑は絶句した。が、しかし、絶句すると共に、どうせこの男にケツの毛まで抜かれるのなら最後までヤってしまったほうが得ではないかという不埒な考えがムラムラと湧いて来た。

「どうせあのガキ共、散々ヤリまくってんだし、今更一発ヤった所でどうってことないでしょ。それに、その子、意識ないんだし、ヤってもわかんないよ。だから気にする事ないって」

 ニヤニヤと笑う飯島は、そう言いながら再び前を向いた。そしてバックミラーの角度をクイッと上に向けると、「見ないから心配しなくていいよ」と気怠そうにハンドルを握ったのだった。

 田畑は激しく迷っていた。
 もし、これが発覚して救急隊の職を失えば、家族は路頭に迷うだろう。いや、それどころか自分は逮捕され、新聞やネットで『意識不明の少女を搬送中にレイプした鬼畜救急隊員』などと徹底的に叩かれ、子供達は学校にすら行けなくなってしまうであろう。それを思うと、田畑はその場に泣き崩れたい心境に駆られた。
 が、しかし、その反面では、野性的な本能が田畑の心を猛烈に掻き立て、その『鬼畜』と呼ばれる反社会的行為を激しく唆すのだ。

(こんなチャンスは二度とない。相手は意識不明の患者だ、パッパッとヤッてしまえば絶対にバレっこない。それに、どうせこの少女は誰にでもヤらせるヤリマン女だ。あんな糞ガキ共にヤらせるくらいだから、命を救ってやろうとしている俺がヤッても何も文句は言わないだろう……)

 そんな事をモヤモヤと考えながら、田畑は無意識のうちにストレッチャーのベルトをカチカチと外していた。
 足首のベルトを外し、太もものベルトに手を掛けると、田畑の唇から熱い息が「ハァハァ」と漏れ始めた。

「腰と胸のベルトは外さないほうがいいと思うよ。もし、途中で意識が戻って暴れ出したりしたら厄介だから」

 運転席から飯島の声が聞こえた。
 そんな飯島の言葉は、これまでにも何度か経験した事のある者の、そんな口ぶりだった。
 一心不乱に腰のベルトに手を掛けようとしていた田畑は、飯島のその言葉でハッと我に返った。そして、今から自分が犯そうとしている行為に気付き、背筋をゾッとさせた。

 しかし、一瞬は冷静さを取り戻した田畑だったが、しかし、既に田畑の目の前では制服のミニスカートは乱れ、女子高生の真っ白な下半身が露になっていた。白い肌に栗毛色の陰毛がフワフワしているのを見た瞬間、再び田畑の脳から理性というものが消え去り、とたんに本能が占領してしまった。

 田畑は無我夢中で少女の下半身にむしゃぶりついた。
 陰毛に額をジョリジョリと擦り付けながら、夢にまで見た激カワ女子高生の陰部を間近で覗き込んだ。少女のそこは、明らかに妻のモノとは違い綺麗な色をしていた。膣を取り巻く小陰唇も小さく、妻のソレのように堕落してはいなかった。
 しかし、未だ痛々しさが残る綺麗なワレメを指で開くと、そこから生々しい液体がドロリと垂れ落ちた。そう、それは紛れもなくあのガキ共の精液なのだ。

「どうだい。女子高生のマンコは。さぞかし綺麗だろ」

 煙草を吹かしながら徐行運転する飯島がポツリと呟いた。

「いや……マンコ自体は綺麗だけど、こんなオマケが付いてますよ……」

 田畑はそう呟きながら人差し指でそのドロリとした液体をすくい取ると、テラテラと輝く指先を運転席の飯島に突き付けた。

「あらら……あいつら中出ししちゃってるのかよ……」

 飯島は戯けるようにそう言いながらも、

「でも、ちょうど良かったじゃん。これで心置きなく俺達も中出しできるってもんじゃない」

 と、下品な声でケラケラと高笑いをした。

 中出し……女子高生に中出し……。
 そう呟いただけで田畑は目眩を感じた。ムラムラと熱いモノが胸に込み上げ、おもわずハァハァと荒い息を吐きながらも、ガキ共の精液が溢れるワレメに舌を這わせた。
 狭い救急車の中にべちょべちょべちょっという卑猥な音が響いた。ガキ共の精液が舌に絡み付き、それをペッペッと吐き出しながらも、田畑は少女の汚れた膣を丹念に舐めまくった。
 ぐったりする少女の両脚を高く掲げ、大きく開いた股間にむしゃぶりつく田畑は、少女の肛門まで舌を伸ばしていた。
 そんな田畑にチラチラと振り向きながら、ニヤケ顔の飯島が「そろそろ入れないと時間がないぜ」と急かした。
 顔中をあらゆる液体でテラテラと輝かせた田畑は、そんな飯島の言葉に慌ててズボンのベルトを外し始めた。ズボンとパンツを同時に下ろした田畑の股間には、先っぽから我慢汁をニトーッと垂らしたペニスが、まるで中世のヨーロッパの武器のようにいきり立っていた。

「いきなり入れると、意識が戻っちゃうかもしれないから気を付けたほうがいいよ……」

 そう運転席で呟く飯島の声を聞きながら、田畑はストレッチャーの上でM字に足を開いている小さな女子高生を、ゆっくり静かに両腕の中に包み込んだ。
 上半身をベルトで固定されていた少女は、田畑のワキガ臭い腕の中に包まれながらジッと動かないまま目を綴じていた。それはまるで人形のようだった。
 制服からニョキッと伸びる細く長い脚を両腕に抱え込み、大きく股を開かせる。
 少女の顔を間近で見つめながら、なんと綺麗な顔をした少女なんだろうと感動する田畑は、M字に開いた少女の股の中でモゾモゾと腰を動かしながら焦点を定めた。
 既に敏感になっている亀頭に『ヌルッ』とした少年達の液体が触れた。そのヌルヌルに沿って亀頭をワレメに擦り付けると、互いの下半身からぴちゃぴちゃという卑猥な音が聞こえて来た。
 田畑は腰を小刻みに動かしながら、ベルトでガッチリと固定されている少女の小顔を両手で抱きしめた。そして少女の頬に唇を押しあてながら、「入れるよ……おちんちん入れちゃうよ……」と潤んだ声で囁いた。
 ヌポッという感触が亀頭を生温かく包み込んだ。少年達に汚されていた少女のアソコは、何の抵抗もなくいとも簡単に田畑を受け入れた。
 まるで泥沼の中に潜り込んで行くうなぎの如く、田畑のペニスは少女の穴の中をヌルヌルと進んだ。その膣筋の締め付けは想像以上のもので、もはや妻のユルユル膣筋など足下にもおよばなかった。
 意識不明の少女の顔にハァハァと臭い息を吐きかけながら、腰を上下に動かした。ストレッチャーがギシギシと軋み、垂れ下がったベルトの金具がカチャカチャと音を立てていた。

「どうだい、意識不明の女子高生の具合は」

 運転席の飯島が、煙草を銜えたまま聞いた。
 田畑は、まるで全身が生殖器になったかのような激しい快感に包まれながら、「最高ですよ……」と低い声を吐き出した。
 そんな田畑に「ふふっ」と微笑みながら、飯島は何かをバッグの中から取り出した。
 すかさず「カシュッ」という音が運転席から聞こえてきた。田畑はせっせと腰を振りながらもソッと運転席に目を向けた。銜え煙草の飯島が、茶色い小瓶の蓋をシャカシャカと回していた。よく見ると、なんとそれはポケットウィスキーの小瓶だった。

「救急車もさぁ、そろそろ本気で民営化すればいいんだよな……各病院が専用の救急車を持てばいいんだよ。もちろん料金に応じて救急車のタイプや救命士なんかが違っててさぁ、Aクラスの救急車になると美人看護婦なんかも付いちゃって、車内も高級キャンピングカーみたいに豪華なの。そーなれば俺達ももうちょっと楽しめるのになぁ……」

 飯島はそう呟きながら、ウィスキーの小瓶をクピクピと鳴らした。
 そんな飯島を無視して田畑は快楽に溺れた。少女の膣壁がペニスをコリコリと刺激し、そんな飯島の戯言に付き合っている暇はなかったのだ。
 そんな田畑はもはや我慢の限界に来ていた。少女の蜜壷に挿入してからまだ一分も経っていないというのに、その締り具合とこの愛くるしい顔、そしてこのスリリングなシチュエーションに凄まじいほどの興奮を感じていたのだ。

(あ、いくっ、いくよ、ああ)

 田畑はベルトで固定された少女の体に抱きついた。そして、その少女とは初対面にも関わらず、(好きだ、好きなんだ)などと奇妙な事を呟きながら少女の唇に舌を押し込んだ。少女の動かない舌は、まるで刺身コンニャクのように柔らかかった。
 少女の口内を舐め回しながら、少女の膣に射精した。少女の膣の中でガキ共の汚れた精液と、それよりも更に汚れた田畑の精液が魑魅魍魎に混じり合った。
(あぁぁぁぁぁ……)と、凄まじい快感に襲われながらも、無我夢中で舌を動かした。二人の前歯が激突し、二人の口内では「カツカツ」という鈍い音が鳴り響いた。そんな音を脳に感じながら、田畑は底知れぬエクスタシーに達した。
 と、その瞬間、救急車はいきなり激しいブレーキ音と共に車体を斜めに傾けた。
 延々と続く暗い一本道の真ん中には、「えっ?」と首を傾げた子鹿が不思議そうにこちらを見ていた。
「危ねっ!」と短く叫んだ飯島の声が車内に響き、それと同時に車体がゴワン!っという音を立てて飛んだ。道を外した救急車は、二メートル程の小さな土手を飛び越えると、そのまま学校のフェンスに突っ込んだのだった。

 土手にハマった後部タイヤがカラカラと空回りし、ボンネットからは白い煙がプスプスと沸き上がっていた。電気医療器機は全てショートし、ボンネットの赤色灯とサイレンだけが無情に鳴り響いていた。
 運転席の飯島はフロントガラスに激しく頭を打ち付け気絶していた。ストレッチャーから振り落とされた田畑は、心電図の角に額をぶつけ、そのまま床にぐったりと横たわっていた。

 香山有希は、その衝撃で意識を取り戻した。脳味噌がグワングワンと激しく回り、何が何だかわからなかったが、しかし、ストレッチャーの上でベルトに縛られながらも、ノーパンでM字開脚している自分の姿を確認する事はできた。

「えっ?」

 そんな自分の卑猥な姿に気付いた有希は、子鹿と同じように首を傾げた。
 床に救急隊員が倒れていた。救急隊員はなぜかペニスを剥き出したままだった。

「おーい! 大丈夫かぁー!」

 学校の当直員が懐中電灯をチカチカと振りながら、漆黒の闇に包まれたグラウンドを駆け抜けて来た。
 救急車の外から聞こえて来るそんな声に、有希は慌てて股を閉じた。その瞬間、有希のワレメから、まだ生温かい新鮮な精液がトロロっと溢れ出したのだった。


 その翌日、田畑がその朝刊の記事を読んだのは、タバコ臭い取調室の中だった。

《救急救命士が搬送中の未成年患者をレイプ。救急隊員は酒を飲みながら運転》

  ひっきりなしにタバコを吸いまくる刑事が、供述調書をカリカリと作成する手を休め、項垂れる田畑を見つめながらポツリと呟いた。

「警察官に教師に自衛官。公務員の不祥事が続く中、いよいよ救急隊員のおでましか……こりゃあ、本気で日本は終わったね」

 刑事はそう呟くと、意味ありげに「ふふふっ」と微笑んだ。そして持っていたペンを机の上にピシャンっと置き、紙コップの中で冷えてしまっているコーヒーを一気に飲み干すと、再び田畑をジロッと見据えながら呟いた。

「全部、女子高生が悪いんだよ。あいつらが可愛すぎるんだって。だから世の中の性犯罪を完全に無くそうと思えばさ、まず女子高生に対する法律を作ってもらわないと無理だよな。例えば、女子高生のミニスカートの丈の長さを法律で定めるとかさ、あんまりカワイイ女子高生は逮捕して隔離しちゃうとか……ね、そう思うだろ?」

 そう笑う刑事が持っていたライターには、『子猫ハウス新宿店』というセーラー服パブの名前がくっきりとプリントされていたのだった。

(救急車・完)



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