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    5キング



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「ここの患者を舐めてちゃいけませんよ・・・」

 酸素マスクを付ける僕の横で、前園さんがブツブツと呟きながらコーヒーを啜っていた。
 僕は、酸素マスクから出てくる爽やかな空気を穏やかに吸いながら、何度も何度も、どうやって自分がここに助け出されたのかを思い出していた。が、しかし、頭に浮かんで来るのは八号室の患者の不気味な笑顔だけで、後は何も思い出されなかった。

 そんな僕がやっと言葉を喋れるようになったのは、鏡嶋主任が出勤してきた頃だった。
「お風呂でのぼせちゃうなんて、今時、小学生でもやらないよ」
 鏡嶋主任は酸素マスクをあてている僕にそう笑いかけると、「二階でコーヒー飲んできますから」とまた管理室を出て行った。
「本当に申し訳ございませんでした・・・・」
 鏡嶋主任が出て行くなり、ソッと酸素マスクを外した僕は、事務椅子に座りながらテレビを見ていた前園さんに詫びを入れた。

「私が気付くのがあと一分遅かったら、死んでましたよ・・・・」

 前園さんはそう言いながらベッドをムクリと起き上がった僕をみてクスッと笑った。
 僕の首には大きな湿布がベタリと貼られ、その上に包帯が何重にも巻かれていた。前園さんいわく、僕の首には八号室の患者の十本の指の跡がクッキリと残っているらしく、当分の間は包帯で隠しておいた方がいいという事だった。
「いいですか。これからは絶対に私の言う事を聞いて下さいよ。そうじゃないと、あなた、本当に患者に殺されてしまいますよ」
 前園さんは、ベッドで項垂れている僕に、叱るようにそう言いながら笑ったのだった。

 しかし、僕は前園さんに注意されるまでもなく、もう患者と関わり合う気は一切失せていた。
 そう、あの時の八号室の患者の不気味な笑い顔がどうしても頭から離れず、今の僕はここの患者を性的に見るどころか、恐怖さえ感じてしまっているのだ。
 そんな脅えた僕には、もはや無抵抗のナメクジ女でさえヤル勇気は残っていなかったのだった。

 患者達に完全に脅えてしまった僕は、まだ首が痛いからという理由で次の夜勤も出勤しなかった。
 仕事をサボった僕は、ただひたすらアパートに籠っては借りて来たDVDを見続け、そして時折フラッシュバックのように現れる八号室の患者の笑顔にブルブルと脅えた。
 そんなヒキコモリな日々が4日ほど過ぎた頃、いきなり僕のアパートにタイ焼きをおみやげにぶら下げた前園さんがひょっこり現れた。

 前園さんは仕事をサボっている僕をひとつも責める事なく、垂れ流しになっているDVDをぼんやりと見つめながらモソモソとタイ焼きを頬張り、そしてふいに「あずみちゃん、凄く可愛いよ・・・」っとポツリと呟いた。
 おみやげのタイ焼きを手にしたまま一口も食べず、ただジッと項垂れていただけの僕が、そんな前園さんに恐る恐る顔をあげると、前園さんは前歯にタイ焼きのアンコをぐっちゃりとさせながら満面の笑みでニターっと微笑んでいた。
 そして目玉をギラギラと輝かせながらまたムシャっとタイ焼きに被り付き、それをモグモグと噛みながら「例のリストカットの女子高生。最近、ポツリポツリと話すようになりましてね、うん、やっぱり若い患者はいいですね、とっても可愛いよ、うん」と口をモグモグさせながら頷き、そして唇の端に大量の小豆を付着させては「今夜は入浴日だしね」とニヒヒヒヒヒっと嬉しそうに笑った。

 そんな前園さんの笑顔を呆然と見ていた僕は、迷う事なくその晩の夜勤は出勤したのであった。



 確かに、前園さんが言う通り、保護房のあずみちゃんはとても可愛い女の子だった。
 管理室で雑誌を読むフリをしながらそっと保護房を覗くと、あずみちゃんはいつも壁に凭れたまま体育座りをし、モジモジと動かしいる自分の足を指をジッと見つめていた。
 そんなあずみちゃんの保護房の前へ行き、全面アクリル板の扉の前に静かにしゃがみながら部屋を覗くと、僕に気付いたあずみちゃんはチラッと僕を見つめ、そして小動物的に「ん?」と首を傾げた。

 確かに、前園さんが言う通り、あずみちゃんのその仕草は堪らなく可愛かった。
 あずみちゃんのその細くて小さな体。手足が長く、顔が小さく、まるでアニメのキャラクターのようにバランスが取れている。そして何よりもその顔。どんなDNAからこれほどまでに可愛い顔が作られるのかと、まさにこれこそ「親の顔が見てみたい!」と言いたくなる程の美形で、ツンと尖った鼻先と、その黒目が大きな澄んだ瞳、そして、もしかしたら有名なイラストレーターが書いているのではないかと疑ってしまうくらいのその美しい唇は、まさに完璧な美少女とは彼女の為にある言葉だと、僕は廊下から彼女を見つめながらつくづくそう思った。

 僕はそんなあずみちゃんにジッと見つめられてはタジタジになりながらも、「あのぅ・・・」っと食器を出し入れする小さな小窓を開けた。
 あずみちゃんは体育座りをしたまま、黙って僕を見つめていた。
 僕は、そんなあずみちゃんともっと近くで会話したいが為に、わざと小さな声でゴニョゴニョっと言葉を発した。
「えっ?」
 あずみちゃんはもう1度首を斜めに傾けながらそう答えると、そのまま、床に敷かれたスノコの上で子猫のように四つん這いになりながらチョコチョコと小窓に向かってやって来た。
「体の具合はどうですか?」
 小窓の前にやって来た子猫に僕は優しく微笑んだ。
「うん・・・まぁまぁ・・・」
 四つん這いで小窓を覗き込むあずみちゃんは、暗い表情でポツリとそう答えながら、そのびっくりするくらいの大きな瞳に僕の顔を映していた。

「今夜、入浴日なんだけど・・・どうする?入れそう?」

 僕が看護士の顔でそう尋ねると、突然あずみちゃんはパッと表情を明るく変え「はりれれます!」と、今だクスリが効いているのかロレツの曲がらない口調でそう叫びながら慌てて何度も頷いた。
 やはり若い女の子には、この不潔極まりない劣悪な保護房はかなりキツいらしい。そんなあずみちゃんは、今すぐにでもお風呂に入りたいという凄い目力で僕を見つめながら、ウンウンっと頷いている。
「でも・・・傷。大丈夫かなぁ・・・・」
 僕はわざとらしく心配しながらも、あずみちゃんの両手首に痛々しく巻かれている包帯をソッと覗き込んだ。少しでも長くこの美少女と会話がしたかったからだ。
「れんれんらいじょうぶ!」
 あずみちゃんは曲がらない舌でそう叫ぶと、僕の目の前でスルスルと包帯を取り始めた。
「ほら!」
 あずみちゃんは包帯を外した手首を小窓にヌッと入れては廊下の僕に示した。
 赤いボールペンで線を引かれたような極細のカスリ傷がほんのりと瘡蓋になっていた。それはまるで、子猫と遊んでいるうちに、知らない間に子猫の小さな爪で引っ掻かれたような、そんな弱々しいカスリ傷だった。
 僕はそんなあずみちゃんの小さくて白い手をそっと握った。そしてあくまでも看護士的にその何でもないカスリ傷をジッと見つめた。あずみちゃんの小さな手はほんのりと温かくそして少し汗ばみ、桜貝のような小さな爪には、本棟で塗ったであろうと思われるピンク色のマニキュアが微かに残っていた。
「どうして・・・こんなことしたの?」
 僕は、あずみちゃんの手を握ったままソッとあずみちゃんの目を覗き込んだ。
 あずみちゃんは、一瞬、サッと心を閉ざしたように暗い表情をした。そしてゆっくりとその大きな瞳を床のスノコに移動させながら、静かに小窓から手を引き戻した。
「わかんないの・・・・」
 あずみちゃんはスノコの上に落ちていた包帯をタラタラと指で弄びながら淋しそうに呟いた。
 僕は、みるみると塞ぎ込んで行くあずみちゃんを見つめながら、これ以上、その傷については聞かない方がいいと思った。そして、項垂れているあずみちゃんを黙って見つめながら、白衣のポケットの中からキャラメルをひとつ取り出した。

「ねぇ・・・・」

 僕はあずみちゃんにそう声を掛けながら、それを小窓にそっと置いた。
 あずみちゃんは無言でゆっくりと顔を上げ、小窓の台の上に乗っている小さな四角いキャラメルをジッと見つめた。
「食べる?」
 僕は本棟の監視カメラを意識しながら小声で言った。
「・・・いいの?」
 あずみちゃんは不思議そうに僕の顔を見つめた。
「・・・内緒だよ・・・」
 僕はそう言いながら、天井の監視カメラの死角になる部分で静かにキャラメルの紙を破り始めると、わざとらしく「それじゃあ、一応、頭痛薬を飲んでおきましょうね」と監視カメラに聞こえるような大きな声でそう言った。
 あずみちゃんはそんな僕を見て小さくクスッと笑った。

「はい、それじゃあ、大きくアーンして・・・」
 
僕は手の平にキャラメルを隠しながらその手を小窓に入れた。保護房でクスリを与える場合は、患者が不正にクスリを隠し持たないようにと、看護士がこうして患者の口の中にクスリを入れる規則になっているのだ。
 そんな規則を知っていたあずみちゃんは、悪戯な瞳をキラキラとさせながら、僕の手の前で「アーン」と声を出しながら口を開けた。

 僕の目の前に、激カワ女子高生のピンク色に輝く口内がパックリと開いた。唾液でキラキラと光る小さな舌ベラはまるで銀座の三ツ星寿司屋の大トロのように鮮明な桃色を輝かせ、そしてそれを優しく囲んでいるかのように、並びの良い真っ白な歯がミルキーウェイのように連なっていた。

(舐めたい・・・・)

 僕はあずみちゃんの口内を覗き込みながら背筋をゾクっと震わせ、恐る恐る彼女の口の中にキャラメルを摘んだ指を入れる。
 彼女の真っ白な前歯が僕の親指に微かに触れた。なかなかキャラメルを離さない僕の指は彼女の喉から溢れて来る生温かい息で次第に湿って来る。
「あぁぁぁん!」
 あずみちゃんは、目を笑わせながら口をポカンと開けたまま「早く頂戴よ!」と言わんばかりに子供がタダをこねるようにそう唸った。僕はそんなキャラメルを離したくなかった。もう少し、彼女の喉から溢れる生暖かい息を指に感じていたかったのだ。
 そんなあずみちゃんの舌にみるみると唾液が溜って来るのが見えた。素直にその唾液を飲みたいと思ったその瞬間、いきなりあずみちゃんはパクッと唇を閉じ僕の指を銜えた。
 とたんに「ズキン!」という衝撃が僕の亀頭を襲った。
 あずみちゃんは口の中で舌を素早く動かし、僕の指からキャラメルを奪い取った。そして口に溜っていた唾液が溢れないように、僕の指に唇を窄めたままニュルッと顔を引き、ニヤッと嬉しそうに笑ったのだった。

 すぐさま管理室に飛び込んだ僕は、あずみちゃんの唾液がテラテラと輝いている自分の指の匂いをクンクンと嗅いだ。微かに唾臭いがほとんど無臭でおもしろくなかった。僕はその唾液付きの指を、そのまま舐めようかそれとも亀頭の尿道に擦り付けようかと真剣に悩んだ。そして散々悩んだ挙げ句、その指をパクッと口の中に銜え、まるでバカの子供のように隅々まで自分の指を舐めたのだった。


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 入浴は三号室から八号室の順番で、1人ずつ入るようになっていた。保護房や謹慎中の患者は一番最後と決まっているため、当然あずみちゃんは最後だった。
 入浴時間は1人20分と規則で決まっていたが、まぁ、大目に見て30分くらいはのんびりとさせてやっていた。
 本来の規則では、女性患者が入浴する場合は女性看護士が立ち会いのもとで行なわれるのだが、しかしここは地獄の特Bだ。女性の看護士なんて誰一人としてこの地獄の地下室に近寄る者はいなかった。

 そんな入浴室は監視カメラで確認する事が出来た。
 男の看護士が女性患者の入浴シーンをカメラで監視するなど、今のこの安全で安心のゆとり社会・日本では想像もつかないセクハラであり、どこかの女性人権擁護団体などという団体にこの実態を知られようものならさぞかし大変な騒ぎになる事だろうが、しかしこの特Bに限りそんな心配はなかった。そう、ここの患者は人権などというハイカラなものは持っていないからである。

 僕はいつものようにポテトチップスをボリボリと齧りながら、モニターに映る患者達をボンヤリと眺めていた。
 三号室のアル中がバスタブで溺れそうになるのをケラケラと笑い、四号室の茶髪女が意味不明な叫び声をあげながら狂ったようにシャンプーを身体中にぶっかけているのに腹を抱えて笑い、そして30分間ただ呆然と湯気の立ち籠める浴室に立ちすくんだままの五号室のナメクジ女を僕も30分間ただ呆然と見つめていた。

 そんな狂った女達が入った後の浴室は、まさしく水族館のような悪臭に満ち溢れていた。
 バスタブの湯には大量の垢と陰毛がプカプカと浮き、そしてかなりの確立で湯の中では小便をしていると思われた。
 僕はこんな地獄のような風呂に、あれだけお風呂を楽しみにしているあずみちゃんを入れる事はできなかった。
 さっそくバスタブの汚れた湯を抜き、ヌルヌルに汚れた洗い場の床タイルをデッキブラシで擦った。シャンプーとリンスとボディーソープを新しく詰め替え、歯磨き粉も新品の物を出してやると、やっとバスタブの汚れた湯が抜け、底に転がっていた2つのウンコが現れた。「恐らく八号室だな・・・」そう思いながらも、その忌々しく溶けかけたウンコを指で摘んでは取り除き、バスタブに洗剤をぶっかけてはデッキブラシでゴシゴシと磨き上げ、そしてサラサラの綺麗な湯をドボドボドボっと入れてやった。

 管理室に戻った僕は、浴室監視モニターのスイッチを切った。そして、一刻も早くあずみちゃんに会いたいという気持ちから、まだバスタブに湯が溜っていないうちから保護房へと急いだ。
 管理人室から出た僕が保護房に向かうと、今か今かと僕を待ちわびていたあずみちゃんは保護房のドアの前で嬉しそうにムフフフフっと笑っていた。
 そんなあずみちゃんに僕も笑いかけながら、保護房のアクリル扉の鍵をガチガチっと開けた。

 保護房の扉を開けると、あずみちゃんは嬉しそうにピョコン!と廊下に飛び出した。そして僕を見上げ「えへへへへ」っと微笑んだ。
 僕はそんなあずみちゃんをまずは管理室へ連れて行った。保護房には私物を持ち込めない為、保護房の患者の歯ブラシやタオルといった私物は管理室で保管されているからだ。

「4日間もお風呂に入らなかったなんて初めてなの・・・・」

 あずみちゃんは、自分の髪を指で摘んではそれを匂いをクンクンと嗅ぎながら僕と一緒に廊下を進む。瞬間、僕の脳裏には「4日間履き続けた激カワ女子高生の下着のシミはいったいどうなっているんだろう・・・」っという疑問が溢れ、とたんに僕の鼻息は荒くなった。

 管理室に入ると、僕はあずみちゃんの私物が保管されているロッカーを教えた。あずみちゃんは鼻歌を歌いながらロッカーを開けると、中に入っていたビニール製の大きな紙袋からガサゴソと衣類を取り出した。
 まだバスタブの湯は溜っていない。僕はそれをあずみちゃんに告げると、とりあえず事務椅子をあずみちゃんに薦めた。事務椅子にちょこんっと座ったあずみちゃんは「へぇ~・・・」っと珍しそうに管理室の中を見渡す。入浴室の監視モニターは事前に切っていた為、あずみちゃんに「浴室も監視されている」という警戒をされる事はなかった。

「なんか飲む?」
 僕はそんなあずみちゃんに聞いた。
「えっ?ホント!」
 あずみちゃんは大きな目を輝かせながら僕を見た。
「うん。アルコール以外だったらね」
「じゃあコーラ!」
 あずみちゃんは軽く握った両手の拳を唇の前にあてながら肩を窄めた。
 よく冷えたペットボトルのコーラを「プシュ!」と開き、それをあずみちゃんに手渡すと、あずみちゃんは「4日ぶりのコーラだよ」と嬉しそうに白い歯を輝かせ、それをゴクッと一口飲むなり「シュワシュワしてるね」と嬉しそうに笑った。

 僕はそんなあずみちゃんを正面の事務椅子に座りながらボンヤリと眺めていた。出来る事なら、こんな可愛い女の子とずっとここで過ごしていたいと素直にそう思う。
 ふと気がつくと、事務椅子の上で足をブラブラとさせながらコーラを飲んでいたあずみちゃんの視線が、僕の食べかけのポテトチップスをジッと見ていた。

「よかったらどうぞ・・・」

 僕はそう笑いながらあずみちゃんの前にポテトチップスを差し出す。
 あずみちゃんは「ムフっ!」と満面の笑みを浮かべながらボテトチップスに指を伸ばすが、しかしふいにその指がピタリと止まった。
「・・・・どうしたの?」
 僕はポテトチップスにゴミでも付いていたのかと、慌てて袋の中を覗き込んだ。しかし、そんな物はポテトチップスには付いていない。
「ん?」と、僕があずみちゃんの顔を見ると、あずみちゃんはジッと黙ったまま僕を見つめていた。
「どうしたの?・・・」
「・・・・・・」
 あずみちゃんは僕を見つめていた瞼をゆっくりと閉じ、そしてまたゆっくりと大きな瞳を開いては僕を見つめると、「どうしてそんなに優しいの?」と、びっくりするほど可愛い声でそう呟いた。

「もちろん、キミが可愛いからだよ・・・」

 などとは口が裂けても言えなかった。いや、ナメクジ女や八号室の色情魔にならそんな言葉はどれだけでも言えるし、例えウンコをしてるところだって見せてやる事ができるが、しかしあずみちゃんにだけは違った。そう、僕はあずみちゃんと接している間中、まるで学生時代に初恋をしたクラスメートの愛子ちゃんと喋っているような、そんな緊張の連続だったのだ。
「・・・いや・・・それは・・・」
 僕が言葉に詰まっていると、あずみちゃんは小さく首を傾げながら「あずみに同情してるの?」と聞いて来た。
「いや、同情だなんて・・・・」
「そうね、きっと同情してるのね。何度自殺しようとしても失敗ばかりしている死に損ないの私だもんね、哀れな女だと同情しているのね・・・」
 あずみちゃんはいきなり投げ遣りにそう呟くと、持っていたコーラをゴン!と事務机の上に置き、そして大きな瞳にたっぷりと涙を浮かべながら「もういい!」と管理室を飛び出そうとした。
「ちょっ!ちょっと待ってよ!」
 僕は慌ててそんなあずみちゃんの細い腕を掴んだ。
「同情なんてされたくない!」
 あずみちゃんは僕に腕を掴まれたまま、管理室の入口でポロポロと涙を流し始めた。
(おいおい、なんなんだこのコは・・・・)
 僕がそう対処に困っていると、いきなりあずみちゃんがクルッと振り返った。そして何にもなかったかのようにスッと椅子に座り直すと、再びペットボトルのコーラを手にし、そしてポテトチップスを前歯でカリカリと齧った。

「お風呂、まだかなぁ・・・・」

 あずみちゃんは事務椅子で両足をブラブラと振りながら、嬉しそうに僕を見て「ムフフフフっ」と微笑んだ。

 やっぱり、ここにやって来る患者というのは・・・・タダモノではない。


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 ほかほかの湯がバスタブにたっぷりと張られると、あずみちゃんは私物のお風呂セットを両手に抱え込みながら、嬉しそうに「じゃあ行って来るね」と僕に微笑んだ。
 僕はそんなあずみちゃんを見つめながら意味不明な幸福感に包まれ「いってらっしゃい」とハニカミながら微笑み返す。
 あずみちゃんは鼻歌を歌いながらスタスタと浴室へスリッパの音を立てると、すぐに浴室の手前で立ち止まった。

「そう言えば、さっき言ってた洗濯機ってどこ?」

 クルッと振り返ったあずみちゃんが僕を見つめて首を傾げた。
「洗濯機は脱衣場の中にあるよ」
 僕がそう伝えると、あずみちゃんは「了解!」となぜか右手を上げた。
「あっ、そうそう、ちょっと待ってて!・・・・」
 僕はそう言うと、不思議そうに首を傾げたまま立ち止まるあずみちゃんを廊下に残したまま、急いで管理室に戻った。そして、前園さんのロッカーを急いで爪楊枝でこじ開けると、中から「名湯シリーズ・奥飛騨の湯」と書かれた入浴剤を鷲掴みにし、再び廊下へ走った。

「これ、良かったら使ってよ・・・ちょっとオヤジ臭いかも知れないけど・・・」

 僕がそう言いながら、前園さんが夜な夜な夜勤で楽しみにしている入浴剤をあずみちゃんに渡すと、あずみちゃんは「わあっ・・・」と嬉しそうに目を大きくさせた。
「いいの?!」
 僕を見上げるあずみちゃんの瞳はキラキラと輝いていた。今時、「名湯の湯」ごときでこれほどまでに喜ぶ女の子というのは、ここの患者か女子刑務所の受刑者くらいだろう。
「いいですよ。あっ、それと、規則では二十分なんだけど、好きなだけ入っててもかまわないから」
「うそ!ホントに!」
 あずみちゃんは今にも僕に抱きつかんばかりに飛び跳ねながら喜び、そしてニヤニヤと笑いながら「いってきまーす!」と、両手でお風呂グッズを抱えながら僕に向かってバイバイと手を振ったのだった。

 あずみちゃんが脱衣場のドアを閉めるなり、僕は慌てて管理室に飛び込んだ。
 興奮のあまり、いきなり頭に浮かんだ「ドリフの早口言葉」をデタラメに口ずさみながら、浴室のモニターのスイッチを入れた。焦った時の僕の頭には、なぜかいつも「ドリフの早口言葉」が流れ出す。一度、じっくりと、本棟の医師に診てもらったほうがいいかもしれない。

 モニターには浴室と脱衣場の映像が二分割されて映し出されていた。僕は慌ててリモコンを手にするとモニター画面を脱衣場に切り替えた。あずみちゃんは抱えていたお風呂グッズを床に置くと、「♪ふんふん♪」と御機嫌に鼻歌を歌いながら院内着の帯を解く。因みに、この監視カメラはマイク機能が付いているため、どんな些細な音でも素早く拾う優れモノだ(但し、屁とかも聞こえる事があるため一概には喜べない。以前僕は五号室のナメクジ女の屁を延々と聞かされた事がありウツに入った事がある)

 帯を解かれた院内着がパラっと脱衣場の床に落ちると、目を疑う程に美しい美白裸体がそこに輝いていた。
 とにかく透き通るように白いその身体は、プルン!と小ぶりなヒップから背筋がスラッと美しく伸び、それはまるでバービー人形のようにスレンダーなスタイルだった。
 そして当然ながら胸も綺麗だった。決して巨乳ではなく、いやどちらかというと貧乳気味ではあるが、しかしそれはスレンダーな身体とのバランスが取れている丁度いい膨らみであり、その真っ白な乳肉がプルンと尖った釣り鐘型のオッパイの先には、桜貝のような乳首がツン!と上を向いていたのだった。

 僕の目に映るあずみちゃんの裸体は、まさしく「妖精」そのものだ。
 それは、ちょっと頭のおかしい妖精だけれど、僕は、そんな妖精の裸体を見つめながら、ふいに「彼女の為なら死ねる・・・」っと、愛と誠の岩清水君のような情熱的な言葉を口走っていた程だった。

 そんな彼女は、細くて小ちゃな身体を前屈みにさせると、その細い脚に白くて小さなパンティーをスルスルっと滑らせた。そしてそれを脱衣場の隅に置いてあった洗濯機の中にポイッと投げ入れると、あずみちゃんはピョンピョンと飛び跳ねるかのように浴室へと消えて行った。
 僕はすかさずモニターを浴室へと切り替えた。
 浴室の中はカメラが曇らないようにと随時換気扇が回っているため、モニターに映る浴室映像は鮮明に浴室を映し出していた。
 シャワーを出したあずみちゃんは、そのまま頭からシャワーをぶっかけた。そして噴射の強いシャワーに顔を向けると、そのまま降り注ぐシャワーに向かって「ふーっ・・・・」と安堵の溜息を漏らしていた。
 僕は、彼女が髪を洗い始めたのを確認すると、いよいよ作戦を実行に移した。いや、作戦実行などと大袈裟な事を言っているが、要するに、あの洗濯機の中からあずみちゃんの脱ぎたてホヤホヤのパンティーを盗んで来ると言う、タダそれだけの事である。

 僕は素早く廊下を進むと、音を立てないように脱衣場の扉を開けた。実際は、こんなビクビクしなくとも、患者が入浴している時は看護士は堂々と中を覗ける権限があったのだが、しかし、あずみちゃんに対してだけはどうしてもそんな手荒なマネはできなかった。

 洗濯機の扉をソーっと開ける。洗濯機のドラムに大量に積み重ねられたキチガイ共の洗濯物が、とんでもないケモノ臭を放ちながら僕を包み込んだ。この地獄のような汚物の中から一刻も早くあずみちゃんのパンティーを救出しなくては、ヤツラのケモノ臭が彼女のパンティーに染み付いてしまうのだ、と僕は焦る。
 しかし、そんなに焦る事はなかった。入浴が一番最後だったあずみちゃんの下着は、大量の洗濯物の上にパサリとその身を横たえていたのである。
 僕はそんなあずみちゃんのパンティーをソッと手にした。そのパンティーにはまだあずみちゃんの体温がほんのりと残っている。だからそれはあずみちゃんの物である事に間違いないのだが、しかし、ここは一応、念には念を入れないとマズい。もし間違えて、それが三号室のアル中おばさんの下着だったら大変だ。僕は白いパンティーに黒いマジックで書かれている番号を読み取った。

「11924・・・イイクニヨ。よし、間違いない」

 僕は静かに頷くと、あずみちゃんのパンティーだけを手にしたまま、静かに洗濯機の蓋を閉め、そして浴室を後にしたのだった。
 管理人室へ行くまでの廊下で、あまりの幸福感に包まれた僕はふと足を止めると、いきなり膝をグニャグニャと曲げながら、「♪生ムギ生ゴメ生タマゴ♪生ムギ生ゴメ生タマゴぉぉ~ぉぉぉぉ~♪」と、生前のいかりや長介が取り憑いたかのように「ドリフの早口言葉」を熱唱しながらこの悦びをヒシヒシと味わった。しかも、興奮するあまりに、ワケのわからない太鼓の音をバンバンバババン!と、そこらじゅうに唾を飛ばしながらリズミカルに口ずさみ始め、そして戦利品であるあずみちゃんのパンティーを右手で高く掲げては不気味なダンスを踊りながらで廊下を進む。
「♪カエルピョコピョコ三ピョコピョコ♪合わせてピョコピョコ六ピョコピョコぉぉぉ~ぉぉぉぉぉ~♪」と調子に乗って2番まで歌い出すハイテンションな僕。挙げ句の果てにはリオのカーニバルのように「ハッ!ハッ!アララララララ!」と奇声をあげながらサンバなのかなんなのかわからないデタラメダンスを尻をフリフリ踊り始めると、いきなり廊下から「うるせぇバカ!死ね変態!」という、五号室の茶髪患者のツッコミがすかさず入ったのだった。


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 管理室の事務机に静かに座った僕は、机の上にあずみちゃんの使用済みパンティーを見つめながら、「さて・・・」っと感情込めてひとこと呟いた。

 激カワ女子高生が4日間履き続けたパンティー。

 これに興味を示さない男がこの世の中に何人いるだろうか。
「そんな汚ねぇモン、全然興味ねぇしぃー」と、あたかもキムタクの口調を意識しながらそう思った御仁がもしこのブログに御見えでしたら、その方は今すぐにでもこのブログを立ち去って頂きたい。そんな想像力に欠けた御仁は、今すぐこの変態小説を立ち去り、無料のサンプル動画見放題のインチキ臭いサイトへと飛び、ほんのわずか数十秒のエロ動画に煽られては慌ててズボンを下ろし、「おぉぉ・・・すげぇ・・・」と唸りながらチンポをシゴいたのはいいものの、しかし発車寸前に動画は終わり、いきなり現れた「会員登録はこちらにアクセス!」という冷血な画面を見つめながら後悔の射精するがいい。

 僕は、そんなあずみちゃんの白いパンティーをジッと見つめながらも、同時に浴室監視モニターに映るあずみちゃんの裸体を見つめた。
 残念ながら、モニターにはあずみちゃんの背中しか映っていないが、しかし、椅子の上で前屈みになりながら洗髪しているあずみちゃんのポッコリと突き出した尻はバッチリと拝む事が出来る。僕はその白桃のような見事なケツのワレメにカメラをズームする。幸い、カメラがズームする時の電子的なズーム音はシャワーの音で掻き消される為、あずみちゃんには気付かれる事はまずない。

 真っ白な尻の谷間の中に、ほんのりと黒ずんだ部分が見えた。彼女のカルテによると、彼女がこの病院に入院したのは今から二ヶ月前。恐らくこの二ヶ月間、彼女はきっと無駄毛の処理を怠っているに違いない。という事は、そこにほんのりと見える谷間の黒ずみは、彼女の「ケツ毛」という可能性もなきにしもあらずなのだ。

 激カワ女子高生のケツ毛。

 これに興味を示さない男というのは、この世の中にいったい何人いるのだろうか。
「それ、興奮するとこじゃないっしょ」と、これまた、あたかもスマスマのキムタクがゲストの笑福亭鶴瓶にツッコミを入れる口調で、今、この小説にツッコミを入れた御仁が御見えでしたら今すぐにこのブログをお去り下さい。激カワ女子高生の「ケツ毛」、若しくは「尻谷間の黒ずみ」にロマンを感じない御仁は、今すぐ、「タイトルだけやたらとショッキングなくせに小説内容が薄く、その癖やたらめったら広告の多い官能小説ブログ」へとお進み下さい。そしてそんなブログでタイトルだけショッキングな小説を読んでいると途中でいきなり現れる「続きを読む」を何の疑いもなくクリックし、するとその小説の続きどころか、「淋しいからあなたを待ってます・・・」と、いきなり現れた「出会い系」の広告に、コンニャロ!と頭に来たあなたは、更に更にそのブログの隅に貼ってある「家出娘が待ってるよ!」というあまりにも不自然なバナーを踏んでしまい、そしていつの間にかどこか遠い世界へと導かれて行ってしまうのであります・・・。

 僕は、モニターに映るそんなあずみちゃんの尻の谷間をドアップにしながら、白くて小さなパンティーを恐る恐る広げた。
 そんな彼女のクロッチは予想以上に凄まじい汚れだった。恐らく、保護房に入れられた2日間は睡眠剤で眠らされていた為、尿道にカテーテルを入れられていたのだろう、そこからジワジワと尿が洩れ、それが4日経った後、この壮大なシミを作り上げたに違いない。
 クロッチにはそんな茶色くシミ付いた小便のシミがまるでアメリカ大陸のように全体に広がり、そしてその中心に、本命であるオリモノ群が「縦ジミ一本主義」的に膣の姿を形取りながらクリーミーな色合いを醸し出していた。

 そんなクロッチを一言で表現するなら、それは「悲惨」だった。このクロッチを広げたパンティーを四号サイズの額縁に入れ、銀座1丁目の画廊「ギャラリー新陽堂」の片隅にソッと掲げていようものなら、物知り顔の初老の男性がその額に収められたあずみちゃんのパンツを見つめながら「ほう・・・・」と深い溜息をつき、そして、画廊の隅で、中国の消印が押された段ボールの中からニセモノのピカソの絵をせっせと取り出していたベレー帽のホモ主人に、「これこれ、この『悲惨』という素晴らしい作品の作者は誰かの?」と、きっと尋ねるであろうと予想できるくらいの、それはそんな芸術作品だった。

 クロッチの中心に一本の線を作っていたオリモノは、4日の間に何重にも重ねられてはまるで瘡蓋のようにカリカリに乾いていた。僕はそんな悲惨なクロッチを恐る恐る鼻先に近付け、アイドリング程度にほんの少しだけ「クン・・・」っと嗅いでみた。
 一瞬、「おや?」っと首を傾げてしまった。そう、これほどまでに悲惨な芸術作品にも関わらず、そこにはあの使用済みパンティー独特の「ツーン!」とした刺激臭が漂って来ないのである。

「嘘だろ?」

 僕はもう一度クンクンと嗅いでみた。しかし、そこにはクレゾールの消毒臭が漂っているだけで、あの野趣あふれる暴君な香りはない。ただ、ほんのりと汗とアンモニアが乾いた香りはするものの、しかし肝心なイカ臭やチーズ臭といった、日本古来より伝わる女性本来のオマンコ臭がまったく漂って来ないのである。
 これにはさすがに調子抜けした。先日など、ナメクジ女のパンティーの匂いを嗅いだ時には、そのあまりの強烈な臭さに目をやられポロポロと涙を流しながらもクンクンとそのゲテモノを嗅いだものだが、僕はそれくらいの強烈な刺激臭を、いや、それ以上の魑魅魍魎とした激臭をこの激カワ女子高生が4日間履き続けたパンティーに期待していたのだ。
 なのに、まさか無臭とは・・・・僕は落胆した。

 しかし僕のペニスは、そんな僕の心情とは裏腹に、強烈に勃起していた。
 スボンからソレを取り出すと、既に尿道から溢れていた大量の我慢汁が僕の紀州梅のような亀頭をギラギラと輝かせている。
 僕は彼女のパンティーを鼻に押し付けながら深い息を吸い、そして事務椅子に凭れて足を伸ばしながらペニスをシコシコとシゴいた。何重にも積み重ねられたオリモノ化石の奥から、微かに「人間らしい匂い」が漂い、おもわず興奮した僕はその一本筋のオリモノを舌先でチロチロと舐めた。
 化石のように固まっていたオリモノは、まるで瞬間冷凍されていた冷凍食品のようにみるみるとその身を溶かし始めた。すると僕の舌先に、あの濃厚なオリモノ特有のなんとも言えないドロッとした食感が絡み付いて来た。僕はそんな彼女の汚物を味わいながら舐めまくり、実際に彼女のアソコを舐めている気分に浸っていたのだった。

 と、その時だった。

 一瞬、僕の耳に信じられないような「声」が春の微風のようにさりげなく通り過ぎて行った。
 今のはまさか・・・・
 僕は凭れていた事務椅子から身体を起き上がらせ、慌ててモニターのリモコンを手にすると、浴室監視モニターに向けて音量を上げた。

「ふうぅぅぅん・・・・」

 間違いない。その声は、まさしく浴室のカメラが捉えた音である。
 慌てた僕はカメラの角度を微調整し、かろうじて椅子に座る彼女を斜めから撮影する事に成功した。
 僕はそんなモニターを見つめながら、まるで目の前で飛び降り自殺の瞬間を目撃したかのように凍り付いた。そう、なんと彼女は、自分の股間にシャワーを押しあてていたのである・・・・


               28


 彼女のそんな気持ちはわからないこともなかった。
 彼女は保護房と言う狭い部屋に4日間も閉じ込められていたのである。しかもそこは二十四時間態勢で監視されており、そのカメラから逃れる場所はその部屋にはどこにもなく、掛け布団もないそこでは布団に潜り込むことすらできない状態なのである。
 そんな空間に4日間閉じ込められれば、当然ストレスは溜る。本もなければテレビもない、室内運動も禁止で、言葉を交わす相手もいない。そんな空間で唯一出来る事と言えば「空想」だけだった。
 そんな空想は、ストレスが爆発寸前の精神異常者にとったら危険極まりないものだった。そう、それはまるで患者に刃物を渡すようなものなのだ。

 凶暴性のある患者は、そんな制圧された空想の中でひたすらに人を殺し続けるという。そんな恐ろしい空想は一時的にクスリで抑えられるが、しかし、クスリが切れて現実に戻ると再びその空想は甦り、いつしか患者の頭の中では現実と空想が一緒になってしまうのだ。
 それと同じように、この時のあずみちゃんの精神状態というのは、溜まりに溜ったストレスが爆発寸前となっているに違いなく、凶暴性のない穏やか系狂人のあずみちゃんは、人を殺し続けるという物騒な空想はしないものの、しかし、好きな物を食べまくるという「食欲」や、強制的に監禁されていた場所からの「解放欲」、そして、若い身体と精神に宿る「性欲」を、この閉じ込められた狭い部屋でムラムラと空想し、それをおもいきり発散させたかったと思っていたに違いないのだ。

 僕はそんな事を思いながらモニターに映る彼女を見つめ、もし自分がこんな立場に置かれていたとしたらば、やっぱり僕も浴室でセンズリこいてスッキリしたくなるだろうなぁ、と、そんな彼女の気持ちに感情移入した。

 そんな彼女は、浴室の低い椅子に腰掛けたままスラリと伸びる細い足を大きく広げ、その中心に勢い良くシャワーを吹き掛けていた。
 その部分がカメラでは見えないのが残念だが、しかし、時折モニターのスピーカーから聞こえて来る彼女のススリ泣くようなアエギ声や、飛沫をあげて吹き出すシャワーの音などから、今、彼女のアソコがどんな状態になっているかが手に取るように想像できた。

 僕はそんな彼女のアソコをリアルに想像しながら、彼女のパンツにこびり付くアソコから滲み出た分泌物をジワジワと舐め、そしてペニスをシゴいた。いっその事、そのまま全裸で浴室に侵入し、その既にヌルヌルに緩んでいるであろう彼女の穴におもいきりペニスをぶち込んでやろうかとも考えたが、しかし消灯時間まであと三十分しかない、消灯時間までに彼女を保護房へ返さなければまずいのだ。残り時間30分しかない今、ここでそれを実行するにはあまりにも無謀過ぎた。

 シャワーを股間に押しあてるあずみちゃんは、いきなり椅子の上で腰をエビ反りにさせた。プリンっと丸い尻が突き出し、その小さな肩が小刻みに揺れている。

(イクのか?・・・・)

 僕はそう思いながら慌ててティッシュを大量に抜き取り、僕自身も発射準備に備えた。

「あぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・」

 浴室に、初めて「声」らしい「声」が響いた。
 椅子に座るあずみちゃんの左足の指が、タイルの上でピーンと爪先立ちになりツルツルの足の裏を露出した。椅子にしゃがむ膝がヒクヒクと痙攣し、その瞬間、真っ白だったあずみちゃんの肌が一瞬にして桜色に火照った。

「あぁぁん!」

 最後の言葉を振り絞ったあずみちゃんは、そのままガクリと力が抜け、持っていたシャワーをカタンと手放すと、シャワーはまるで尻尾を掴まれた蛇のようにあずみちゃんの足下でクネクネと暴れ回った。

「うっ!」

 少し遅れて僕が発射した。せっかくならあずみちゃんと同時にイキたかったが、しかし僕はセンズリではいつもギリギリまで引っ張る癖があり、そのせいでいつもAVでセンズリする時には、顔射をされるAV女優の顔がジワジワとフェードアウトしていくシーンで射精してしまい、最後のテロップに映し出される「宇宙企画」という文字でフィニッシュしてしまう事が多々ある。
 しかし今回は、あの忌々しい「宇宙企画」や「企画/制作・桃太郎映像出版」といったテロップはモニターには出て来なかった。だから僕は、オナニー後のあずみちゃんの気怠いシーンを堪能しながら、シミジミと射精の快楽を味わう事ができたのだった。

 オナニーを終えたあずみちゃんは、しばらく自分の股間をジャブジャブとシャワーで洗い流していた。その際、彼女の腰がピクッ!と反応していたのは、イッたばかりのクリトリスが敏感だったからであろう。
 そんなあずみちゃんは股間を洗い終えると、そのままドボン!と大きな浴室に飛び込んだ。たっぷりのお湯の中に唇まで浸かったあずみちゃんは、「♪ふんふん♪ふふん♪」と御機嫌に鼻歌を歌い始める。

 可愛い。さすがは女子高生である。つい今さっき、シャワーをオマンコに噴射しては“オナる”と言う日活ロマンポルノ的な卑猥なアクションを起こしておきながらも、しかし、すぐにこうやってジブリ的な「可愛らしさ」を見せてくれるとこは、やはり女子高生である。これが三十過ぎたババアだと、いつまでもその余韻をダラダラと引きずり、再び浴槽の中で股間に手を伸ばすと言う「しつこさ」を見せるものだが、しかし女子高生はやっぱり違う。なんといっても「行為後」が可愛くて爽やかで、中年ババアの「行為後」のような罪悪感は微塵も感じさせないのである。

 そんな爽やかなあずみちゃんは、浴槽の中に前園さんの「名湯の湯」をサラサラサラっと溶かし、湯を細い腕で掻き回しながら、深呼吸するかのようにその香りを吸い込み、そして「うふっ」と白い歯を見せて笑った。
 彼女のその「うふっ」を確認した後、手の平の中にパンティーをギュッと握りしめた僕は、再び脱衣場へと向かった。浴室から聞こえて来る彼女の鼻歌を聞きながら脱衣場に潜入した僕は、浴室に向かって「そろそろ消灯の時間だよ~」と声を掛けながら、そのどさくさに紛れて彼女の下着を洗濯機の中に落とした。

「ふぁ~い・・・・」

 浴室から聞こえて来た彼女の可愛らしい返事にはエコーが効いていた。
「ねぇ・・・・」
 僕はそんな浴室の磨りガラスに向かって声を掛けた。
「なぁにぃ~」
 あずみちゃんはお湯をチャプチャプさせながら答えた。
「この後、何か冷たいモノでも用意するけど何がいい?」
 僕はまるで新婚の旦那様のようだ。
「えっ!いいの?」
 彼女は嬉しそうに叫ぶ。同時に湯船のチャプン!という音が聞こえた。
「プリンとヨーグルトがあるんだけどどっちがいい?」
 そんな事、そこでいちいち聞かなくてもいい事なのだが、しかし、これはここで聞く事に意義があるのであって、まるで、付き合い始めたばかりの恋人同士のようなこの甘い雰囲気を僕は味わいたいのであって、僕はこういった甘い雰囲気はこういった形でしか味わう事が出来ないんだから、読者諸君よ、こんな不自然なラブ&ピースを許してくれたまえ・・・。

「プリン!」

 あずみちゃんは、幼稚園児に「これなぁーんだ?」と画用紙に書いたアンパンマンを見せた瞬間、幼稚園児が自信満々に「アンパンマン!」と叫ぶかのような、そんな絶対的な口調で「プリン!」と僕に叫んだ。
 あずみちゃんのその声は普通の女子高生であって、精神病院の特別病棟に隔離されている女の子とは思えなかった。
 僕はそんなあずみちゃんに「じゃあプリンを用意しておくから早く出ておいで」と、日光東照宮に新婚旅行でやってきた青髭ビッシリの馬ヅラ旦那さんのようなそんないやらしい口調で浴室のあずみちゃんに微笑んだのであった。

 風呂から上がったあずみちゃんは、火照った顔からホカホカと湯気をあげながら管理室へとスキップしながらやって来た。
 あずみちゃんが着ている洗濯したての院内着は強力な洗濯糊がバリバリしており、それはまるで安い温泉宿の浴衣のようだった。
「はい・・・」っと僕がプリンとスプーンを差し出すと、あずみちゃんは「ありがとう・・・」っと目を輝かせながら火照った手でそれを受け取った。
 さっきと同じように事務椅子の上で両足をブラブラさせながらプリンを食べるあずみちゃんは、まるでアニメに出てくる美少女そのものだった。
 そんなあずみちゃんをソッと見つめながら、僕は、あずみちゃんのパンティーのシミと、そして今までこのモニターに映し出されていたシャワーオナニーシーンを思い浮かべ、濃厚なゾクゾク感に包まれていた。

(僕はキミの秘密を2つも見たよ・・・)

 僕は心の中でソッと呟きながら、あずみちゃんを見る。そんな僕と目が合ったあずみちゃんは、「うふっ」と微笑みながら小さなスプーンでプリンを掬い、そして、なんとそのプリンを掬ったそのスプーンを僕の口元にひょいっと向けては「はい」と優しい笑顔を見せた。

 僕は瞬間的に猛烈な幸福感に包まれた。これほどまでの幸福感は、その昔、まだ僕が准看護士時代、深夜の病院の倉庫でオナニーをしている所を夜勤の看護婦さんに見つかり、その時、いきなりその看護婦さんから「舐めてあげよっか」と言われては思う存分ペニスを舐め尽くされ、精液を1滴残らず吸い取られたあの時以来の幸福感だ(但し、その時のその看護婦は定年間近の56才の古株で、彼女は僕のペニスを舐めながら何度も何度も入歯をカパッ!と外したりしては僕を爆笑させた)。

 目の前に優しく差し出されたプリン。そのスプーンはあずみちゃんが今までその愛くるしい唇で散々舐めていた唾液たっぷりのシロモノだ。そんな甘い経験をこの28年間1度も経験したことのない僕は、そんな甘い幸福を目の当たりにしながらもモジモジと脅えしまった。

「おいしいよ?」

 あずみちゃんは僕の口の前にスプーンを突き付けたまま、子猫のように首を傾げた。

「・・・・い、いいの?」

 恐らくその時の僕の顔は、バカみたいに弛んでいた事だろう。そんなバカヅラ下げた僕があずみちゃんにそう聞くと、あずみちゃんは「うん」とひまわりのような笑顔を見せた。
 僕は恐る恐る唇を少しだけ開けた。その唇は、情けない事にブルブルと震えている。ふいに、波平の御先祖様が僕の頭上にポワンっと現れ、「大人のくせにこんなことくらいでいちいち怖がるな!この臆病者!」と、なぜかプンプンと怒り出し、僕は関係のない磯野家の御先祖に叱られた。

「はいっ」

 あずみちゃんは僕の唇の隙間にスプーンをツルンっと入れた。口内に入って来たスプーンを慌てて唇で押さえ込み、スプーンの上のプルプルのプリンを素早く舌で掬い取る。そう、今まであずみちゃんのパンティーに付着する分泌物をベロベロと舐めていた不浄なその舌で・・・。
 そんな僕の舌に、プリンの甘さとスプーンの金属的な感触が広がった。もう少しそのスプーンを舐めていたかったが、しかしあずみちゃんは「おいしいね」と笑いながら、無情にも素早くスプーンを抜き取り、その僕の不浄な唾液がたっぷりと付着するスプーンで再びプリンを掬っては、それを人形のように可愛い口の中にツルンと運んだ。

(これが噂に聞く間接キッスというやつか・・・・)

 どこでどう噂になっているのか知らないが、僕は中学生の時から憧れていた「好きな子との間接キッス」を28才になった今、この精神病院の特別室で、精神病の患者と、やっと告げる事が出来たのだった。

 そんな幸せを噛みしめていると、病棟のスピーカーからパッヘルベルの「カノン」が鳴り出し、狂った患者達に消灯を告げた。

 僕はもう少しこの甘い時間を過ごしていたかったが、しかし、本棟から監視カメラで監視されている保護房の彼女をこれ以上ここに引き止めておく事は出来なかった。
「部屋に戻ろうか・・・」
 僕は、椅子に座ったまま悲しそうな表情で僕をジッと見つめているあずみちゃんからソッと目を反らしてそう告げた。

「まだ帰りたくない・・・・」

 あずみちゃんは駄々をこねる子供のように、椅子の上で足をバタバタさせた。
 僕だって帰したくないよ!・・・・
 そう心で叫びながら、僕は彼女の細い肩をポンッと叩いた。彼女は諦めたかのようにバタバタさせる足を止め、静かに立ち上がった。
 そして僕の顔をジッと見つめながら「もう自殺とかしないから、絶対に約束するからここにいちゃダメ?」と、今にも泣きそうな声でそう囁いた。僕の胸にグッと熱いモノが込み上げて来た。「いいよ、もうあんな地獄のような部屋なんかに帰らなくていいよ、このまま僕とどこか遠い所へ行こう」。僕は泣き出しそうな彼女を見つめながら何度も何度もそう心で叫んだ。
 ふいに彼女の真っ白な頬にポロッと涙が溢れた。
 僕はその瞬間、無意識に彼女を抱きしめた。

「あそこに戻りたくないよぅ・・・・」

 彼女は僕の胸に顔を押し付け、声をあげて泣いた。
 抱きしめる彼女の濡れた髪から、安物のシャンプーが漂って来た。僕は力一杯、彼女の小さな体を抱きしめた。
 そして彼女の涙で濡れた頬に静かに唇を押しあてると、「大丈夫・・・必ず僕が助け出してあげるから・・・それまで少しだけ我慢するんだよ・・・・」と、優しく呟いた。
「ホント?」
 彼女は僕の胸に押しあてていた顔をパッと離すと、僕を見上げながら真剣な目をして呟いた。
「うん。約束する」
 僕は彼女の大きな瞳を見つめたまま、強く頷いた。

「じゃあ帰ろっ」

 突然彼女は、僕の身体からスッとすり抜けると、僕はまさしく吉本新喜劇のそれのようにズルッとした。
 あずみちゃんは、今までのキミのその涙は何だったんだ!と言いたくなるくらいに普通に戻り、そして相変わらず「♪ふんふん♪ふふんふん♪」と鼻歌を歌いながら、勝手に保護房に向かってスタスタと歩き始めた。
 おいおいちょっと待ってくれよ、いくら躁鬱病だからって、これじゃあまるで、今までのこのシーンが韓流ドラマのようにとっても恥ずかしいじゃないかよ・・・・
 僕はそう思いながらトホホっと項垂れ、恥ずかしそうにしながら彼女の後に付いて保護房へ向かった。

 あずみちゃんは保護房の中にピョッンと飛び込むように入ると、着地と同時にクルッと僕に体を向けた。
 そんなあずみちゃんの顔に苦笑いしながら僕が静かにドアを閉めようとすると、あずみちゃんは小さな声で「絶対だよ」と呟いた。

「えっ?」

 僕は扉を閉めようとしていたドアを途中で止めた。

「や、く、そ、く」

 あずみちゃんは監視カメラに声を聞かれないように囁くような小さな声でそう呟くと、おもいきりヒマワリのような笑顔で笑ったのだった。



 そんなあずみちゃんとの約束を果せないまま月日は過ぎて行き、いよいよあずみちゃんが保護房から出られる日が近付いて来た。
 その日、僕と前園さんが患者のカルテを整理していると、ふいに管理室の窓を鏡嶋主任が覗いた。
「明日、保護房の患者を一般室に移動するから」
 鏡嶋主任は監視窓からそれだけ伝えると、「それじゃあ、あとヨロシク」っといつものように5時きっかりに病棟を出て行った。

「ふーっ・・・・・」
 前園さんが患者のカルテが保管されているファイルをパタンと閉じると深い溜息を付いた。
 ふいに鏡嶋主任からあずみちゃんの移動を聞かされ、いよいよ明日の夜勤であずみちゃんとひとつになれると内心爆発しそうなくらいに喜んでいた僕は、そんな前園さんに内心を悟られないよう「どうかしましたか?」と平然とした表情で聞いた。

「うん・・・いよいよだなぁって思いましてね・・・・」

 前園さんはそう呟きながら、妙に暗い表情で煙草をソッと銜えた。
「・・・いよいよって何がですか?・・・・」
 僕はその妙に暗い前園さんの表情が気になり、カルテを捲っていた手を止めて前園さんに振り返った。
「保護房の彼女、明日、転房なんでしょ・・・・」
 前園さんは、管理室から見える保護房のあずみちゃんをアゴで指しながらそう呟いた。
「・・・それが、どうかしましたか?・・・・」
 首を傾げながらそう聞く僕に、前園さんは、「うん・・・」っと低く呟き、そしてゆっくりと煙を吐きながら口を開いた。

「・・・新入りはね、まずは最初に中村が喰うことに決まってるんですよ・・・・だから、我々に回って来るのは中村の洗礼を終えてからだから、まだまだ先の話です・・・。っていうか、中村はかなりあの娘を気に入ってますからね、恐らく中村は八号室の女みたいに彼女を独占してしまうでしょう・・・だから、まず我々には回って来る事はありませんよ・・・」

 前園さんは重苦しくそう話すと、言葉の途切れでスっと煙草を吸った。
 前園さんの話しを聞いていた僕の脳裏に、瞬間、あの八号室の患者に殺人的な性的拷問をしていた中村の鬼のような表情が浮かんだ。

 保護房では、何も知らないあずみちゃんがデタラメなヨガをしながら、歪なポーズのままドテッと床に尻餅を付いては「えへへへ」っと1人で恥ずかしそうに笑っている。そんな彼女を目にした僕の膝がとたんにガクガクと震え出した。

「それはいいんです。私たちに彼女が回って来なくてもそれはいいんですが・・・ただ、中村は若い女には手加減しないんですよ・・・・」

 僕はそんな前園さんの顔を「はっ」と見た。っという事は、八号室のあの拷問は、あれでも手加減していたということなのか?・・・・・

「中村にはね、丁度、彼女くらいの歳の娘が1人いるんですよ・・・・その娘と最後に面会した時に、娘から『お父さんなんか死んでしまえ!』とかなりの暴言を吐かれたらしくてね・・・それからですよ、中村が若い女を目の敵にするようになったのは・・・・」

 僕は絶句した。確かに、血が繋がっていない僕でも中村のような外道には「死んでしまえ」と言いたいくらいだ。だから実の娘ならば、そんな父親を「殺してしまいたい」と思うのはそれは当然であろう。そんな中村の娘の気持ちは痛い程わかる、わかるのだが、しかし中村。嗚呼中村。あいつはなんという糞野郎なんだ。娘にそう言われただけで、それをいつまでもウジウジと根に持ち、しかも、関係のない他人の若い女にその鬱憤を晴らしているとは、あいつはなんという腐れ外道なんだ。

 僕はそんな怒りを感じながらも、あずみちゃんが中村に虐待されるシーンを思い出しては心底震えた。

「あの娘、可愛いから・・・・恐らく、相当な事をされると思いますよ・・・可哀想に・・・・」

 前園さんはそう言いながら、煙と同時に再び深い溜息を付くと、「可哀想だけれど何もしてやれないんですよ・・・」、と諦めの表情のまま、また患者のカルテのファイルを開いた。

 僕は、膝をガクガクさせながらも、そんな前園さんから目を反らし項垂れた。そして震える膝をジッと見つめていた僕は、その顔を恐る恐る保護房へと向ける。
 すると、保護房から管理室をジッと見つめていたあずみちゃんとふと目が合った。僕はあずみちゃんのその澄んだ瞳を直視する事が出来なかった。
 そんなあずみちゃんの目からソッと目を反らそうとすると、ふいにあずみちゃんの口がパクパクと動き始めた。
「ん?・・・・」
 あずみちゃんは何か言っているようだ。僕はあずみちゃんのその口の動きをジッと見つめ、その言葉を読み取った。

「や、く、そ、く」

 確かにあずみちゃんの口はそう動いていた。
 あずみちゃんは僕がその言葉を読み取った事を確認すると、再び我流で考え出したデタラメなヨガを始め、奇怪なポーズででんぐり返しをし、床のスノコに後頭部を激しくぶつけた。
 僕はそんなあずみちゃんを見つめていると、突然あの時に食べた甘いあま~いプリンの味が口の中に広がった。そんなあの時の甘くやるせないプリンの味をリアルに思い出しながら、僕は彼女をこのまま見捨てる事はできないと強く思った。

 そんな僕は保護房ででんぐり返ししているあずみちゃんに向かって小さく小さく唇を動かした。

「りょ、う、か、い」

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