昏睡(KONSUI)3
2011/07/19 Tue 10:47
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店の外は、完全に日が落ちていた。
会社帰りのラッシュが過ぎると、この田んぼに囲まれた国道は、時折大型トラックが走り去るくらいで、後はシーンと静まり返っていた。
A氏が「何か食べませんか?」とメニューを出して来たが、私は、どうもこの不潔なファミレスで食事をする気にはなれず、空腹を我慢しながらも2杯目のコーヒーを頼んだ。
A氏は厨房の奥へと「シゲさーん!」と叫んでは大男を呼び出すと、私のコーヒーとそしてハンバーグ定食を注文した。
シゲさんと呼ばれる大男は、「もう、今日は店を閉めようと思ってるから、これがラストオーダーね」と疲れた笑顔でそう微笑むと、そのまま気怠そうに厨房へと消えて行ったのだった。
私は、時が過ぎる早さに焦りを感じながら、さっそく取材を再開させた。
次にA氏が告白してくれたのは、上司の娘を昏睡レイプさせた時の話しだった。
「寺岡さんっていう僕の会社の課長だった人がいたんですけどね、その人、とにかく僕をいびる人だったんですよ。
まぁ、僕が仕事をサボってばかりいましたからしょうがないんですけどね、それでもそれはもうイジメに近いいびりようでね、もうパワハラですよパワハラ。
で、僕はその課長が大嫌いでしたから、なんか仕返ししてやりたくてね、それで課長の奥さんをレイプしてやろうって計画したんです。
でも、これがまた凄いブスなんですよ課長の奥さん。ブスだしデブだしババアだし、さすがにこんなバケモノはレイプできねぇよって事になって計画を立て直してたんですけどね、そしてたら、なんとこの課長にはびっくりするほど綺麗な娘がいたんですよ・・・
しかも女子高生・・・ふふふふふ・・・・
でもね、そんな娘にどうやって近付くのかってのが問題なんですよね。
ましてや、クスリを飲ますって事になると余程接近してないと飲ませられませんからね・・・
でね、僕は、一か八かの勝負に出たんですよ。
今思えば、実に幼稚な作戦なんですけどね・・・・
ある時ね、僕は課長に言ったんですよ、『会社を辞めさせて欲しい』って。
えぇ、もちろん作戦です。
作戦ですけど、ただ、もうこの会社はどっちみち辞めようと思ってたんですよ。全然セールスの成績が上がんないし(笑)
そしたらね、課長は、会社を辞めてどうするんだ?って聞いて来ましたから、『はい、実は家庭教師を頼まれまして・・・』って嘘を付いたんです。
課長は、『キミに家庭教師なんてできるのか?』なんて驚きましてね、はははは、できるわけないですよね、ド三流の大学しか出てないんですから。
でも、そこで嘘を付き通したんですよ。僕は昔から家庭教師のバイトをずっとしてましたから、ここらで家庭教師を本職にしたいんだってね。
僕があんまり自信満々に言いながら辞表を出すもんだから、課長、「そうだったのか・・・」なんて妙に納得し始めましてね、だから僕、言ってやったんですよ『課長にはお世話になりっぱなしですから、もし、お嬢さんに家庭教師が必要でしたら無料でやらせてもらいます』ってね。
瞬間でした。瞬間に引っ掛かって来ましたよ課長(笑)
散々僕をいびっておきながらね、『じゃあせっかくだからウチの娘の勉強もみて貰おうかなぁ。ウチの娘、来年は大学受験なんだよ』なんてね、本当に図々しいおっさんですよ(笑)
まぁ、そんな感じでね、無事に課長の娘に近付く事が出来たんですけどね、でも、初日にさっそくヤっちゃいましたからね、次の日からはトンズラですよ、トンズラ(笑)
あん時は気分が良かったですねぇ~
もう、ざまぁみろ!って爽快感ですよ、ははははは。
・・・えっ?どうやってレイプしたか聞きたいって?
いゃあ、これはちょっとあんまり詳しくは話せないんですよ、マジにヤバいから、うん。
えっ?記事にしないからって?
・・・う~ん、どうしようかなぁ・・・
・・・本当に記事にしないって約束してよ?、この件は警察も動いてたから、記事になったら犯人がだれだかすぐにわかっちゃうんだから・・・・」
A氏は困った表情を見せながらタバコに火を付けた。
私は、そんなA氏を静かに見つめながら、場合によっては警察にリークしてやろうと考えていた。
もちろん、A氏の告白は捏造している場合がある為、それなりに裏付けを取ってから警察へリークするつもりだ。
今から告白するA氏のその話しに、どれだけ信憑性があるかを見極め、その裏付けを取り、警察にリークする。
それはもちろん、記事が出来上がってからの事だ。
私が書いた記事により警察が動き出しそしてA氏が逮捕される。
このパーフェクトな筋書きは、私自身のメリットを考えると共に、これ以上こんな野獣を社会に野放しにさせないと言う意図もある。
いささかジャーナリストとして邪道な方法かも知れないが、しかし、私はジャーナリストの前に女でもある。
こんな外道を許すわけにはいかなかったのだ。
A氏は、そんな私の企みも知らず、寝転がっていたソファーからゆっくりと体を起こすと、「それじゃ、オフレコという事で・・・」と不敵に笑いながらタバコの煙を吐いた。
私は、そんなA氏を見つめながら、バッグの中に忍ばせていた録音テープのスイッチを押した。
そして、これがオフレコであるとA氏に信じさせる為に、あえてテーブルの上に広げていたルーズリーフをゆっくりと閉じたのであった。
「課長の娘はね、有名大学を目指す、真面目な高校3年生でした。
彼女、さすがに有名大学を目指しているだけあって頭いいんですよ。
でも、僕はまるっきりのバカでしょ、下手に勉強なんか教えようものならたちまちニセモノだってバレちゃいますからね。
ですから最初は『キミの学力を確認したいから』なんて嘘ついてね、本屋で買って来た大学の問題集をやらせてたんですよ。
その間、課長がちょこちょこと部屋を覗きにきました。
課長はこの娘さんをかなり大切に育てて来たんでしょうね、もう目の中に入れても痛くないって感じで娘の勉強する姿を眺めていましたよ。
でも、そんな課長がいたらクスリを飲ませる事もレイプする事もできませんから、僕は慌てて『勉強中は入室しないで下さい』なんて、わざと気難しそうな顔して言ってやりましたよ(笑)
課長はすぐに部屋を出て行きまして、それと入れ違いに今度は奥さんがやって来ました。
えぇ、例のデブブスババアの奥さんです(笑)
奥さんはケーキとコーヒーを持って来たんです。
すかさずそれがコーヒーだった事にラッキーだと思いましたね。
えぇ、そうです、紅茶だったらクスリを混ぜても苦味でバレてしまうんですよ。
ですからビール以外でクスリを混入させるには、苦いコーヒーしかないんです。
で、奥さんが部屋を出て行くと、さっそく僕は彼女のコーヒーに粉末にしたクスリを混ぜました。
彼女、都合のいい事にブラックだったんですよ・・・・」
A氏は、ブラックコーヒーを静かに啜る私を見つめながらいやらしく笑った。
そんなA氏の視線を躱すかのようにゆっくりと頷くと、私はコーヒーを啜る音がテープに録音されないよう、再び静かにコーヒーを啜った。
「でね、娘は何も知らずにクスリ入りのコーヒーを飲み始めました。
ただ、ここで問題なのが、彼女がアルコールを飲んでいないって事なんですよ。
さっきも言ったように、このクスリってのはアルコールとの相性がいいわけでね、アルコールを飲んでないと効き目が遅いんです。
どうかなぁ、シラフで飲んだ場合だと、効き目が現れるのに30分ほど掛かっちゃいますかね・・・
それに、シラフの場合だと完全に昏睡しちゃわないんですよ。
いや、体はぐったりとしてますから抵抗とかは一切できないんだけど、意識はハッキリしてるんですよ。
だからクスリが切れた時には、何をされたかってのが全部バレちゃってるんです。
ただ、その時の僕は、もう破れかぶれでしたからね。
もう会社もヤメちゃってるし、課長との関係なんてどうでもいいんですよ。
いや、逆にね、課長に復讐してやるという意味では娘さんの意識があったほうが良かったんです。
そのほうが残酷ですもんね(笑)
だから、娘の意識があるっていうのはどーでも良かったんだけど、ただ、クスリが効いてくる時間が遅いってのにはちょっと焦りましたね。
だって、コーヒーを飲み始めた頃にはもう既に2時間が経過してましたからね。
家庭教師の時間は3時間でしたから、残り1時間しかないんですよ。
だから僕、娘に向かって(早く効いてくれぇー)って心で叫びながら焦ってました(笑)」
A氏はハンバーグを口の中に押し込みながらグヒグヒと下品に笑った。
そのハンバーグは思っていた以上にマズそうで、焼け付く鉄板から漂って来る匂いもどこか生ゴミのような香りを感じさせた。
そんなハンバーグをガツガツと食べるA氏に、水を持って来た大男が「どうだ、うめぇだろ」と自慢そうに笑った。
大男はそう笑いながらも、私に「コーヒーおかわりは?」と聞いて来た。
さすがに、この生ゴミのような匂いを嗅いでしまった後では、コーヒーのおかわりをする勇気はなかった。
「10分ほどするとね、机に向かっている娘の体がフワフワとして来ました。
フワフワしながら、時々、カクン!って頭を落とす感じですよ。
で、それから20分程経つと、意味不明な言葉をブツブツと言い始めましてね、ブツブツ言いながらも突然、グガァ!とかって鼾かきはじめました。
そうなれば後は早いです。
僕はそんな娘をソッと見つめながら、持って来たカバンの中からハンディーカムのビデオカメラを取り出しました。
えぇ、一部始終を録画してやるつもりでしたからね。
ウトウトしている娘の顔をカメラで撮ってると、やっぱり娘は意識があるらしくて、一生懸命顔を隠そうとしているんです。
でも、そう思っていても体がいう事聞きませんから、何の抵抗も出来ず、ただボンヤリしてるとこを撮られ続けていました。
その頃になると、もう体を触っても大丈夫でしたから、僕は制服の上から胸を揉んだり、ミニスカートの中に手を入れたりして悪戯してやりました。
もちろん、そんなシーンも全部録画してます。
椅子に座っている彼女のスカートの中に手を入れてね、パンティーの上から股間を触るとね、彼女、フニャフニャになった唇を一生懸命動かしながら『やめひぇくらひゃい・・・』なんて言うんですよ(笑)
やっぱり女子高生はいいですよ。
しかも課長の娘は真面目な女子高生でしたから、なんていうのかなぁ、処女の清潔感みたいなものがふんわりと漂ってるんですよね。
えっ?
処女だったのかって?
いや、残念ながら処女ではありませんでした。それは直接本人に聞いたわけじゃないんですけどね、まぁ、チンポを入れればわかりますよ、処女か処女じゃないかくらいは。
で、そんな僕はしばらく娘の身体中をいやらしく触っていたんですけどね、30分ほどしたら彼女は完全に落ちましたね。
うん、意識はあるみたいなんだけど、見た目はもう完全に廃人ですよ、廃人。
抵抗も出来ず、「うぅぅぅぅ」なんて唸っては、5分に1回くらいの割合で「グガァ!」って鼾かいてましたよ。
さっそく僕は、そんな彼女が座っている学習机の下に潜り込みました。
ビデオカメラを抱えたまま。
机の下に潜って、椅子に座った彼女の股を広げてね、その中をビデオ撮影したんですけど・・・
なんと、彼女、下着にシミを作る程に・・・・濡れてましたよ・・・・」
A氏は、その時の写真だと言って、携帯に保存してあった画像を私に見せつけた。
その画像には真っ白な少女の肌が生々しく映り、そして、ショーツの中央部分にはジワっと湿ったシミが浮き出ていた。
そのシミは女の私から見てまぎれもなく本物だった。
しかし、こんな気持ちの悪い男に悪戯されてショーツを汚してしまう程に感じてしまうなど考えられない。
そう思いながら画像を見つめる私は、改めてこのクスリの効果に驚かされたのだった。
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「で、完全に落ちた彼女を床に寝かせたんですけどね、でも、いつ課長や課長の奥さんが部屋を覗きに来るかわからないですから、あの時は必死でしたね。
せっかくの上玉だったんですけど、楽しんでいる余裕はありませんでした。
ブラウスのボタン外して、中のブラジャー剥ぐって、小さな乳首をコロコロっと指で転がしたりしてね、本当ならじっくりとやりたい所だったんですけど、みつかっちゃったら元もこうも無いですからね。
だから急いで、グーグーと鼾かいてる彼女の口を広げてね、その可愛いお口の中にチンカスだらけのチンポを入れてやりました」
「でも、やっぱりアルコール入ってないからわかるんでしょうね、臭いのが。
彼女、臭かったんでしょうね、僕のチンポ銜えさせられながら『うぅぅぅ・・・うぅぅぅぅ・・・』って犬みたいに唸ってるんですよ。
僕はチンポを噛み切られちゃうんじゃないかと怖くなっちゃってね、本当なら口の中で一発ヌイておく所なんですが、慌てて口からチンポ抜きました(笑)
それで、スカートを捲り上げてね、ブラウス広げてね、Hなポーズを色々させたりしてそれをビデオで録画してたんですけど、本当なら全裸にする所ですが、やっぱりそれもマズいってことで我慢したんですよ・・・
でも、彼女、有名女子高の制服を着てましたからね、今思えば、逆にそのほうが興奮ですよね。
パンティーなんてもうビショビショに濡らしてましたから、そこを指でネチネチと弄りながらカメラをズームアップにしてやりましたよ。
そしたら「ピチャピチャ」ってHな音までビデオに収録できましてね、真面目女子高生が昏睡させられて「ピチャピチャ」ですから、あれはなかなか凄いビデオに仕上がりましたね・・・」
「で、課長達に見つからないうちにとっとと終わらせようと思いまして、なんの愛撫もせず、パンティー脱がしたと同時にヌルッて入れちゃったんですけどね・・・・
いやぁ、正直言って、あの快感は感動でしたよ。
また、彼女のアソコが綺麗なんだなコレが・・・
まぁ、ちょっとばかりは小便の残り汁みたいなニオイもしましたけどね、でも、そこらで遊んでいるヤリマン女達とは違いますよ、色もニオイも。
そしてなんといってもコリコリとしたシマリ具合が最高でしたね。
僕のチンコにピッタリフィットって感じですよ。
だから僕はいつもよりも感じちゃいましてね、いつ課長達が来るかわからないって恐怖に包まれながらも、彼女にキスしたり、汗でビショビショになった彼女の腋の下を舐めたりしながらコキコキと腰を振りました。
もちろん中出しです。
そりゃあそうですよこれは復讐なんですから。
彼女のムチムチの尻とか太ももの肉をギュッと鷲掴みにしながらね、彼女のシャンプーの匂いのする髪の毛に顔を埋めて、ガンガンと腰を振ってはたっぷりと射精してやりました」
A氏は得意気になりながら私に携帯を示し、その時の写真を私に見せつけた。
幼気な少女が股を大きく開かされ、その中心にある膣からはA氏の生々しい精液が肛門に向かってトロリと垂れていた。
私はその写真を目にした瞬間、猛烈な吐き気を催した。
体の心底から湧き出て来る憤り感が身体中をカッカッと熱くさせ、そのくせ、恐怖からなのかゾクゾクとした悪寒が身体中を走り回る。
私は、この男だけは絶対に許せない、っと下唇を噛みながらブルブルと震えてしまっていた。
「この時のビデオと写真をね、課長の家に送ってやったんですよ。
ひひひひひひひ、焦ってましたよあのバカ課長。
『金はいくらでも払うからそのビデオと写真をよこせ!』ってね。
でも、そう簡単には渡せませんよ。
これは恐喝じゃなくて復讐が目的なんですからね。
で、そうやって課長をジワジワといびってやってたら、その次の年には、娘が見事に有名大学に合格したんです。
だからね、僕、娘が入学すると同時に、画像の一部をその大学の生徒達がよく見ているサイトに投稿してやったんです(笑)
もちろんモザイク無しですから、顔もマンコもバッチリ映ってますよ。
凄かったですよ反響が。
そこの学生達に大ウケしましてね、もっと画像をクレクレってせがまれちゃって、ははははは。
もちろん、娘は学校に行けなくなりました。
あんな画像を晒されたら学校なんて行けないでしょ(笑)
そんな事からこれが評判になっちゃってね、警察なんかも乗り出してきたんですけど、でも、結局、課長には僕を告訴する事は出来ませんでしたね。
だってそうでしょ、僕が逮捕されればこれが公になるって事だもん、今はこの田舎町周辺で騒がれている問題だけど、これが公になったら全国で問題にされちゃいますもんね。
そうなったら娘さん、学校どころか結婚だって出来なくなっちゃいますよ。
まぁ、それもこれも課長が僕をイジメた罰ですよ。
自業自得ってヤツですよね。
って事ですから、この件は記事にしないで下さいよ。
まだ一部の刑事がね、この件で僕の周りをウロチョロしてるんですよね。
っていうか・・・・大丈夫ですか?
お姉さん、なんか顔色悪いっすよ?」
A氏はそう言うと、タバコを銜えながら私の顔を覗き込んできた。
私は怒りが爆発しそうだった。
もう取材なんてどうなってもかまわない、ここから警察に電話をして今すぐにでもこの男を逮捕してもらいたいという感情に包まれていた。
しかし、そんな私は怒りで体がブルブルと震えるものの、しかしどういうわけか体が思うように動かない。
いや、体だけでなく、頬がピクピクと痙攣を起こし始め、喋る事さえもままならなくなってきたのだ。
「あれれ?・・・・
なんか様子が変だぞお姉さん・・・・
救急車呼びますか?・・・・」
そう言いながらA氏がソファーをズルズルと移動しながら私の隣に来た。
私はそんなA氏に向かって「近寄らないで!」と必死で叫ぶが、しかし、私のその声は言葉にならずただ唇の端からヨダレだけをタラタラと流すばかりだった。
そんな私の目の前に、いつの間にかこの店の店主である大男が突っ立っていた。
大男は私を見下ろしながら、A氏に向かって「ここでヤるのか?」と聞いている。
そこで初めてコーヒーの中にクスリを混ぜられた事に気がついた。
A氏はそんな大男に向かって「取りあえず、店、閉めれば」と言いながら、私の顔にその醜い顔を近付けて来た。
「お姉さんって・・・今まで僕の回りにはいなかった知的美人なんですよね・・・・」
A氏はそう言いながら私の震える唇に、紫色をしたヌルヌルの舌を伸ばして来た。
ヘビースモーカー特有のタバコ臭さと、今まで食べていたハンバーグの油臭さが私の顔を包み込んだ。
抵抗しようにも私の体はガクガクと震えるだけで、指先さえも自由に動かす事は出来なかった。
もうどうする事も出来なかった。
抵抗も出来なければ、喋る事も出来ない。
脅し文句のひとつも言えないまま、私はこうしてブルブルと震えているだけだ。
こうなってしまった以上、もはや彼らに好き放題にされてしまうしかないのだ。
A氏の舌が私の唇の上を、その形に添ってゆっくりと這い回っていた。
A氏の唾液がネチャネチャと音を立てながら糸を引く。
A氏はそんな舌を器用に動かしながら私の唇をこじ開けて来た。
私はA氏の生温かくも気味の悪い舌の感触を受けながら、この地獄のような現状から目を背けようと必死で目を綴じようとするが、しかし瞼にも力は入らず、私の目は半開きのままその地獄の現状をまざまざと見せつけられた。
今更ながら、こんな危険な取材に1人でノコノコとやって来てしまった事に激しく後悔していた。
あの時、デスクの前田さんが同行しようとしたのを、私は自分1人の手柄にしたいがために、それを無下に断った。
欲をかいた罰だ。
店の看板を消して、入口ドアの鍵を閉めた大男が、ニヤニヤ笑いながら私に近付いて来た。
A氏は私のブラウスの中に手を入れながら「温けぇ・・・」っと嬉しそうに笑っている。
そんなA氏の手が私のスカートの中に潜り込んできた時、大男が「奥でゆっくりと楽しもうぜ」とA氏に向かって微笑んだ。
私は、そのままこの大男に人形のように担ぎ上げられたまま、ファミレスの奥へと連れて行かれてしまったのだった。
(つづく)
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