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汁と汗4

2012/12/02 Sun 00:00

汁と汗4



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「これより、ヘルポ注入の儀式を執り行う・・・」
万之助の野太い声が、四方を大理石に囲まれた空間にエコーを聞かせて響き渡った。
真っ白な大理石の床に敷かれたマットの上で正座する娘は、全裸となった身体を深々と床に伏せ、正面で象牙の椅子に座る教祖に「宜しくお願いします・・・」と厳かにそう言った。

万之助がこの儀式に選んだ場所は、巨大な幸福ファミリーの本山の中にある「中神の間」であった。
この「中神の間」は中神位を持つ教祖の部屋として使われていた。この大理石張りの部屋には、1万へルポ以上の天の位を持った幹部信者しか入る事が出来ず、一般の信者はこの部屋を見る事さえ禁じられているのだ。
そんな神聖な場所に一般信者が入れるのは異例だった。過去にこの部屋に入った事のある一般信者は、秘書の勝又と、そして今赤いマットの上で全裸で正座しているこの娘の2人しかいなかった。

「キミは、特別だ・・・・」

そう微笑みながら象牙の椅子から立ち上がり、紫の教団服をバサッと脱ぎ捨てた万之助の股間には、既に破裂しそうなほどに勃起しているペニスが大理石の天井に向かって聳え立っていた。

「今日はそのまま目を開けて、この神聖な儀式をじっくりと見ているがいい・・・」
そう言いながら万之助は、娘が正座する赤マットの上へと足を踏込んだ。
ギンギンに勃起している万之助のペニスの先からは既に我慢汁がヌラヌラと輝いていた。そんなペニスを剥き出しにしたまま万之助が娘のか細い肩に手をかけると、娘のその桜色に輝く乳首を指で転がした。

「今までの施しにより、キミの身体は純真無垢となった・・・・後はその体内に私の『汁』を注入すれば・・・キミは強力なヘルポを身につけ、一生、いや霊界に言っても幸福を手にする事が出来るであろう・・・」

万之助はそう呟くと、歯槽膿漏の悪臭漂う唇を、娘の桜貝のような唇に押しあてた。
巨大なナメクジのような万之助の舌が娘の口内を隅々まで這い回った。娘の唾液を一滴残らず吸い付くさんとするその激しいディープキスは、この時をどれだけ待ちわびていたかという万之助の思いが込められていた。

ブチョっ・・・という下品な音を立てて唇を離した万之助は、そこに正座する娘の前にゆっくりと立ち上がった。
そしてビーンと天に聳えるペニスを、娘の口元に突き立てると「さぁ・・・その可愛いお口で私の肉棒を清めなさい・・・」と娘の頬を静かに擦った。

娘が唇を開こうとすると、ふいに万之助が「舐めるのは初めてだよな?」と聞いた。
慌てて開きかけた唇を閉じた娘は、上目遣いに万之助を見つめながら、小さくコクンと頷いた。

「よしよし・・・では教えて上げよう、とりあえずコレを口の中に含むんだ・・・あぁ、絶対に歯を立てるでないぞ・・・」
娘はゆっくりと口を開くと、いつも勝又にやっているように万之助のペニスをペロッと飲み込んだ。
「よし・・・それでは舌で肉棒を掃除するように丁寧に舐めなさい・・・・」
娘が口内でネチャッと舌を転がした。勝又のペニスよりも二倍はあろうかと思われるソレは、いつもよりも舐めにくいと娘は思った。

「そうだそうだ・・・上手いじゃないか・・・・あぁぁ・・・そのまま、唇を肉棒に吸い付けながら顔を上下に動かしてごらん・・・」

万之助に言われるまま娘が顔を動かすと、万之助は「おぉぉぉ!・・・」と身体を仰け反らせながら、慌ててペニスを引き抜いた。
「いかんいかん・・・おもわずエネルギーを洩らしてしまう所だった・・・」
万之助はニヤニヤ笑いながらそう言うと、次は娘にマットの上に寝転ぶように指示をした。

真っ赤なマットに娘の真っ白な肌がポッと浮かび上がり、万之助は激しい興奮に包まれながら娘の足の裏をベロベロと舐め回す。
「キミは・・・ちゃんと約束を守っていたか?」
娘のアキレス腱をチューチューと吸いながら万之助が聞いた。
一瞬ドキッ!とした娘は狼狽えながらも「な、なにをですか?」と聞いた。勝又にエルポを与えていたのがバレたと思ったのだ。
「・・・その動揺は・・・約束を破ったな・・・」
娘の膝っ小僧をザラザラと舐めながら万之助が睨む。
「・・・いえ・・・・それは・・・・」
「正直に言え。キミはまたオナニーをしたんだろ!」
娘は「へ?」と力が抜けた。
「正直に言え・・・キミはまたココを指で弄ったりシャワーをあてて淫らな行為に耽ったのであろう・・・どっちなんだ、正直に答えるんだ・・・・」
万之助はハァハァと荒い息を吐きながら、娘の股を開き、股間に鼻を押しあてた。
「いえ、絶対にあれからオナニーはしてません」
勝又の事ではなかったと安心した娘がキッパリとそう答えると、万之助は「本当か?・・・本当か?・・・」と唸りながら、豚の如くワレメに鼻を押し付けてはクンクンと匂いを嗅いでいる。
そして両手で娘のワレメを一杯に広げると、中でピンク色に輝く肉を見つめ「あぁぁぁ・・・・」と嘆きながら、それを愛おしむかのようにベロベロと舐め始めたのだった。

「よし・・・それでは、今日は特別だ・・・ヘルポのパワーを高める為に、今日だけオナニーを許してやる・・・ほら、私の前でいつもやっているようにオナニーをしてみなさい・・・・」
万之助はそう言いながら、娘の腕を掴み、強引に下半身へと持って行った。

娘は命令されるままにオナニーを始めた。両足をピーンと伸ばし、閉じた股間の中に細い指を押し込んではその指をグニグニと動かした。
「ほう・・・いつもそうやってヤってたわけだな・・・」
万之助は寝転がる娘の身体をあっちこっちと走り回りながら閉じた股間を覗き込み、自分でペニスをシゴいていた。

万之助は「うっ・・・」と声を洩らし始めた娘の顔の上に、ペニスを突き出した。そして娘の目の前でソレを激しくシゴきながら「これが男のオナニーだ・・・よく見なさい・・・」と唸り、そして我慢汁をポタポタと娘の頬に垂らした。
「あっ・・・教祖様・・・・」
苦しそうに呟く娘は、ピーンと伸ばしていた両足をモゾモゾとさせ始める。
「イ、イキそうなのか?・・・・」
万之助は狼狽えた。処女がオナニーで絶頂する瞬間を初めて目の当たりにする万之助は、不発を怖れ慌ててペニスから手を離した。
「あっ!・・・教祖様!教祖様!」
娘の顔がカーッと紅潮した。ハァハァと荒い息を吐く万之助は慌てて娘の唇に吸い付いた。
「うごっうごっうー!・・・・」
万之助の口の中で何かを叫んだ娘は、ピーンと伸ばした両太ももをピクピクと痙攣させ始め、爪先を一直線に伸ばした。

「あわあわあわ・・・・」
大興奮した万之助は娘の身体にむしゃぶりついた。
大きな巨体で娘の小さな身体を包み込み、桜色した乳首や汗ばんだ腋の下を必死に舐めまくった。
そして「これだ・・・この身体をどれだけ待ち望んでいたことか・・・」と呟きながら、娘の両足をおもいきり開かせると、パックリと口を開いたピンクのワレメにむしゃぶりつき、イッたばかりの敏感なクストリスをレロレロと刺激した。

娘のワレメからは大量の愛液が溢れ、既に挿入体勢は整っているようだった。
万之助は我慢汁でギトギトに輝くペニスを、娘のワレメに押しあてると、いよいよ待ちに待ったこの瞬間に浸るかのようにニヤニヤしながら娘を見下ろした。
娘はギュッと目を閉じたまま右手の人差し指を噛んでいた。
「それでは・・・いよいよヘルポを注入するぞ・・・」
コクンと頷いた娘は小さな声で「おねがいします・・・」と言った。

ヌプっ!
万之助の獰猛な亀頭がワレメの入口に滑り込んだ。
「うっ!」
娘が真っ赤な顔をしながら万之助の猪のような身体にしがみつく。
「痛いか?・・・痛いだろ・・・でも我慢だぞ・・・私の汁を受ければ、キミのヘルポはアップするんだ・・・」
しがみつく娘の耳元に、そう諭すように呟く万之助は、更にヌプヌプとペニスを押し込んで行く。

「あっ!・・・・い、痛い!」
娘の膝が万之助の巨大な腹を撥ね付けるかのように伸びた。
そんな娘の足を太い腕でがっちりと押さえ込んだ万之助、「大人しくしろ・・・今に気持ち良くなるから・・・」と腰をグイグイと動かし始め、痛がる娘の顔を覗き込みながらヨダレを垂らした。

娘のマンコは万之助のペニスを強烈に締め付けて来た。
処女のマンコがこれほどまでにイイものかと思い知らされた万之助は、腰をガンガンと振りながらも、教団の中に新しく「処女の位」という地位を作り、そこに処女の娘ばかりを集めようと密かに計画した。

「痛い!痛い!」と叫ぶ娘の口から発せられる生暖かい息をクンクンと嗅ぎながら、万之助は「イクぞ!最強のヘルポを含んだ『俺の汁』をたっぷりと注いでやる!」と叫ぶと、娘にブチュ!とキスをしながら、大量の精液を噴き出したのであった。


何もかもが真っ白だった。四方を囲む真っ白な大理石をボンヤリと見つめる万之助は、なにもかも全て出し尽くしたという達成感と共に、射精後の朦朧とした脱力感に襲われていた。
精液を垂らしたままのペニスを曝け出しては赤いマットに寝転がる万之助は、娘の肌から漂って来る汗の香りを春の桜のような香りだとふと思った。

赤いマットをムクリと起き上がった娘は、部屋の隅に置いておいたバッグの中からいつものメモ帳を取り出すと、グッタリと横たわる力尽きたイノシシへと近寄り、「教祖様・・・お願いします・・・」と、そのメモ帳とボールペンを手渡した。

「あ?・・・あぁ、これか・・・どれどれ・・・」
万之助はうつ伏せに寝転がったまま、半開きの目をトロトロさせては、そこに『井上弥生氏に5000へルポを授ける』と乱暴に殴り書きし、「あいよっ!」とそれを床に投げつけると再びゴロンと仰向けに寝転がった。

(そんな紙切れ・・・なんの役に立つと思ってんだこのバカ娘は・・・それにしても・・・処女ってのは素晴らしいなぁ・・・さっそく『処女の位』を作って、処女の信者ばかりを集めてやろう・・・ひひひひひ・・・・)

そんな事をボンヤリ考えながら突き出た太鼓腹をボリボリと掻いていた万之助は、ウツラウツラと睡魔が押し寄せて来た。射精後に大鼾をかいで寝てしまうのは万之助の癖だが、特に今日は処女という大獲物を頂いたという達成感と疲労感からか睡魔が襲って来るのがいつもより早かった。

「グガァァァァァァァァァァ・・・・・」
イノシシのような万之助は、神聖なる「中神の間」に、脳梗塞レベルの大鼾を響かせた。

「教祖様?・・・教祖様?・・・・」
娘がそう何度身体を揺すっても、万之助の大鼾は音色を変える事はなかった。

娘は音もなくソッと立ち上がった。
大鼾をかく万之助に何度も何度も振り返りながら、神聖な教祖の机へと足を忍ばせた。
象牙で出来た立派な教祖の机の下に、シルバー色に輝く頑丈な金庫がズッシリと置いてあった。
娘はソッと金庫の前にしゃがむと、金庫の扉に付いているまるで電卓のような数字ボタンを覗き込んだ。
「グガァァァァァァァァァァ!・・・・ブッ!」
象牙の机から教祖を覗き込むと、教祖は大鼾をかいたまま、ついでに乾いたガスを放屁した。
娘は勝又に教えられた通りの8ケタの数字をピッピッピッと打ち込んだ。
そして最後にシャープボタンを4回押すと、金庫はカチッという金属音を響かせた。
静かにレバーを引きながら国語辞典のように太い扉をゆっくりと開ける。
金庫の中には、拳銃が1丁無造作に転がっていた。そして拳銃の下には、なぜか太宰治の「人間失格」が1冊置いてあった。
金庫の一番奥の引き出しをそっと引いた。引き出しの中で何かがコロコロっと転がった。
見るとそれは、純金に輝く幸福ファミリーを司る刻印だった。
(あった・・・これが勝又さんが教えてくれた刻印だわ・・・)
娘は急いでその刻印を手にすると、昨夜、勝又から教えられた通りに、これまで万之助が娘に渡したメモ用紙にその刻印をビタビタと押しまくった。

「グガッ!」
痰を絡ませた万之助がいきなり鼾を止めた。
娘の心臓が一瞬止まる。
息を殺しそのまま金庫の前でジッと潜む娘の耳に、再び万之助の下品な鼾が聞こえて来た。
娘がホッと息を吐いたその瞬間、娘のワレメからトロッと万之助のヘルポが垂れたのだった。



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東京に比べると大阪の夏は異様に暑かった。
西成のドヤ街。行くあてもなくそんな埃臭い歩道を彷徨っていると、職安の前のパラソル屋台に「水だしレーコー100円」と書いてあるのをふと見つけ、勝又は額から流れる汗を拭いながらポケットを探った。
ポケットの中の小銭を全て掴み出し、ガムの銀紙が交じった10円玉の塊を1枚ずつ手の平で数える。

「なんぼあんねん?」

パラソル屋台の親父が、勝又の手の平を覗き込みながら聞いた。親父の息はなぜか山手線の電車の匂いがした。

「・・・74円・・・・」

勝又が俯きながらそう答えると、親父は「ええわ。74円に負けといたる」と言いながら、クーラーボックスから氷を取り出し、それをカップの中にコロコロと投げ入れた。

水滴の滴るカップを手に日陰を探した。しかしどこの日陰も労務者達がイモ洗い的にひしめき合い、そんな日陰は逆に暑そうに感じた。

トボトボと歩きながら、我慢できずに一口だけ飲んだ。水の中にコーヒーを2、3滴垂らしたような薄いコーヒーだった。ストローで底を掻き混ぜると溶けきれていない砂糖がザラザラと音を立てた。

勝又が企んでいた幸福ファミリーの革命はあと一歩だった。
あと一歩で天下が取れた。
しかし、あと一歩と言う所で、逆に、ファミリーの顧問弁護団からこれまでの不透明な金の流失について追及された教祖は、いとも簡単に失脚した。
そして、それら全ての事件に、秘書である自分までもが関わっていたと追及され、詰腹を切らされる結果となった。
わずか数週間前の出来事だった。
あと一歩だった。本当にあと一歩だった。あの娘さえ手に入れていれば、あと一歩と言う所だったのに・・・。
そんな後悔の念にかられる勝又は、辿り着いたこの西成のドヤ街というヤケクソな町に溢れるニオイがどうしても好きになれなかった。

気がつくと公園の淵をトボトボと歩いていた。
その公園を皆は「三角公園」と呼び、日雇い労働者のおっさんたちがウジャウジャと蠢いていた。
初めてこの西成に辿り着いた三日前、右も左もわからない勝又はこの公園で労務者達から身ぐるみ剥がされ、わずかな全財産を奪われた。おまけに顔面を数発殴られ顔の右半分をボンボンに腫らしたという忌々しい公園だ。
勝又はあの時の恐怖が甦り、公園を見つめたまま思わず足が竦む。

「兄ちゃん・・・一口くれや・・・」

フクロウのように顔が浮腫んだホームレスが、立ちすくむ勝又を覗き込んだ。
その男のボロボロのランニングシャツはゴミ箱そのものの匂いを放ち、耳からは大量の耳毛がまるで威嚇するかのように生えていた。
そんな図々しいホームレスを見て呆然と立ちすくむ勝又を横目に、男は勝手にストローに吸い付くと一気に半分飲んでしまった。
「おおきに・・・」
そう言って立ち去る男のランニングシャツの背中には日焼けした般若のイレズミが淋しそうに笑っていた。

「山崎ー!」
いきなり公園から怒号が響いた。
おもわずその声に反応した勝又は、なぜだか無性に走り出したくなった。
そんな勝又の前を「はっ!」と叫びながら、サムライのように駆け抜けて行く1人のホームレス。
なぜか黄色いヘルメットを被ったそのホームレスを目で追う勝又は、公園のど真ん中に信じられない光景を目にした。

「何度言ったらわかるんだ!俺はシャケ弁は嫌いなんだよ!こんなモン貰ってきやがって!」

そう怒鳴る男は、手に持っていたシャケ弁を黄色いヘルメットのホームレスに投げつけた。
しかしそのシャケ弁はホームレスの頬をスレスレに通り過ぎ、公園の隅に立っていた街頭テレビの柱に激突した。
散らばるシャケ弁に数人のホームレスとあばら骨が浮き出た野良犬が一斉に群がる。

「申し訳ございませんでした教祖様!」

黄色いヘルメットが公園の土の上に額を擦り付けると、どっしりとあぐらをかくイノシシのような男は「わかったらもう一度コンビニ行って生姜焼き弁当貰って来い!グズグズするなぁ!」と、公園中に響き渡るような怒鳴り声を上げた。

「うひゃあ・・・教祖はん、またご機嫌斜めやわ・・・」
勝又の後で前歯が1本しかないホームレスが肩をすくめた。
「障らぬ神に祟りなっしや、はよ行こや」
片割れのホームレスがそう言いながら前歯一本のホームレスの破れたTシャツを引っ張った。

「おい!そこのアイスクリーム喰ってる親父!」
再びイノシシのような男が、公園の隅で溶けかかったアイスクリームを必死に舐めている労務者を指差した。
「そのアイスクリームお布施しろ!500へルポやるぞ!」
イノシシがそう叫ぶと、アイスクリームの親父は「んなもんいるかボケぇ!」と叫んだ。

勝又はおもわず「ぷっ!」と噴き出した。
それを合図に勝又の腹の中から次から次へと笑いが込み上げて来る。

(教祖は・・・こんな所でもやっぱり教祖なんだ・・・)

堪え切れずにギャハハハハハハハ!と笑った瞬間、万之助がジロッと勝又を見た。

「おい!そこで笑ってるオマエ!なにがそんなに可笑しい!・・・あれ?どっかで見たコトあるなおまえ?・・・まぁいい!早くそのレーコーをお布施しろ!1000へルポやるぞ!」

万之助は、そこに立ちすくんでいる薄汚れた男を元秘書とも知らず、いつもの変わらぬ調子でそう叫んだ。

勝又はなんだかとっても嬉しくなった。
薄汚れた大阪の空にワハハハハハ!と久しぶりの笑い声をあげると、再び教祖が「なにが可笑しい馬鹿野郎!早くそのコーヒーをお布施しろ!」と叫んだ。

勝又は爆笑しながら、あの時のように「はっ!」と腹の底から返事をした。
そして笑いながら、公園の入口にある街頭テレビの柱を走り抜ける。

その街頭テレビの柱には「幸福ファミリー」のポスターが貼られていた。
そのポスターには、満面の笑顔で微笑む井上弥生の写真と、その写真の下に「新教祖誕生祭」と書かれた文字がギラギラと輝いていたのだった。

(汁と汗・完)

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