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普通の妻3

2010/04/02 Fri 10:51

普通の妻3




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「しかし、旦那さんに内緒でこんなとこに一人で来るのはよくないねぇ・・・」
右側の男は、京子が何も答えていないのにも関わらず、勝手に話しを捏造し始めた。

「淋しかったんだからしょうがないよねえ・・・」
左側の男も、右側が捏造する話しに乗って来た。

右側の男は、「そっかぁ・・・淋しかったのか・・・」と呟きながら、ミニスカートから伸びる京子の太ももに静かに手を置いた。

「・・・やめて下さい・・・」
太ももにベタリと張り付いた男の手を払いのけようと、京子が小さくそう叫びながら男の腕を押すと、左側の男が「淋しかったからこんなトコ来てオナってたんだもんな」と言いながら、すかさず京子の胸に手の平をソッと触れさせた。

「ええっ!あんたこんな所でオナニーしてたの?」
太ももをネチネチと揉んで来る右側の男がわざとらしくそう驚くと、左側の男は服の上から京子の胸を揉みながら「そうだよ、この人はミニスカのノーパンで大股開いてオナってたんだぜ」と大きな声で笑った。

京子の背後で数人の男達がせせら笑う。
京子は恥ずかしさと恐怖でパニック状態に陥った。

二人の男に挟まれながら痴漢行為をされている京子は、四本の腕を必死に払い除けながらも、確実に身体中を触られていた。
そんな京子の座席の正面に、いつの間にかどやどやと人影が集まって来ていた。

「さっきはどーも」
黒いジャージを着た青年が京子の座席の正面でニヤリと笑いながら手を振った。

京子が青年の顔を見て一瞬ギクッ!と脅えると、その隙を狙った青年が、京子の上着をガバッと捲り、ブラジャーの上から京子の胸を鷲掴みにした。

京子が「いやっ!」と慌てて上着を下げようとすると、今度は右隣の男の手がその隙を狙ってミニスカートの中に手を入れようとする。「やだ!」っと京子が右隣の男の手を押さえると、ノーガードになった京子の胸元に左側の男が手を伸ばし、早業でブラジャーをズリ下げた。

必死でガードする京子だが、しかし六本の腕を全て防ぐ事は不可能だ。

正面の座席から身を乗り出す黒いジャージの青年は、暗闇の中でスクリーンの逆行に照らされながらムチムチと白く輝く京子の胸を激しく揉みしだき、そして「さっきはどーして逃げたの?」と尋ねながら京子の乳首をグリグリと乱暴に摘んだ。

「ねぇねぇ増岡さん、この人、大股開きでオナニーしてたってホント?」
右側の男がまたしてもわざとらしく驚きながら、黒いジャージの青年に聞いた。
「ホントホント。凄かったよ、オマンコびしょ濡れ。っで、僕のチンチンもシゴいてくれたし・・・ね?」
青年は、乳首を摘まれて「痛っ!」と顔を歪める京子を覗き込んだ。

「ひゃあ~こんなに真面目そうな奥さんがポルノ映画館でオナニーしてたとはねぇ~・・・で、どんな風にヤッてたのよ、教えてよ増岡さん」
右側の男はそう言いながらもどさくさに混ざれては、もの凄い力で京子のスカートの中に手を入れて来た。
そして防御する京子の細い指を強引に突破しながら、その太い指でオマンコをグッと触ると、小さな声で「もう濡れてんじゃねぇか・・・」と低く呟きながら京子をジロッと睨んだ。

「まずね、椅子の上に両足乗っけてM字に股を開いてたな・・・」
青年がそう言うと、両脇に座っていた男達が京子の両足を両サイドから持ち上げ、座席の上でM字に足を開かせると「こうか?こんな風にか?」と青年に向かって笑った。

強引にM字に開かれた京子の股を座席の周りにいた男達が一斉に覗き込む。パックリと開いたオマンコがスクリーンの明かりに照らされてメラメラと輝く。股を覗き込んでいた誰かが「もしかして濡れてる?」と驚くと、正面にいた白い服を着た男が京子のオマンコにグチャっと指をあて、「ハンパじゃねぇよ」とケラケラ笑った。

京子は既に抵抗する力を失いかけていた。どれだけ男達の手を払い除けようが、次から次へと暗闇の中から男達の魔の手は現れるのである。これ以上抵抗しても意味がない、と京子が思い始めた時、ふいに京子の頭の中に夫の淋しそうな顔が浮かんでは消えた。

(マーくん・・・ごめんなさい・・・私、バカな事しちゃった・・・)

右隣に座っていた男が、豚のようにハフハフと荒い息を吐きながら京子の首スジに顔を埋めて来た。
そして右隣の男はハフハフしながら、京子の耳元に「シゴけ・・・シゴくんだ・・・」と語りかけると、京子の左手を自分の股間に持って行った。

コリコリとした筋肉の棒が京子の手の平に当たった。尿道が濡れているらしく京子の拳に男の冷たい汁がネチャッと付着した。
左隣の男が京子の顎をガッシリと固定し、京子の唇に自分の唇を押し当てて来た。男の生臭い舌が京子の口の中で暴れ回る。キスをされながら「うぅぅぅ・・・」と呻く京子が、右側の男に無理矢理ペニスを握らされると、前の座席からそれを見ていた男達が、堰を切ったように京子の座席の列に雪崩れ込んで来た。

2人が同時にオマンコを弄る。10本の指が京子の膣とクリトリスとアナルを同時に弄りまくった。
後の「立ち見場」からも手が伸びて来た。後から京子の股間に手を伸ばす男は「オナニーしてたんやろ?あんた変態か?」と耳元で囁きながら、京子の膣の中に乱暴に指を突き刺したのだった。


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後、前、横と四方八方から5人の男に愛撫される京子は、同時に、ギャラリーと呼ばれる見学者達から卑猥な言葉で罵られては「言葉責め」を受けた。

薄汚い親父達が、5人の獣に汚される京子を見つめながら、「メス豚」や「変態」といった言葉で罵る。
中にはペニスをシゴきながら京子を見つめている変態親父もいた。

「凄くヌレヌレだなぁ・・・」
黒いジャージ姿の青年が京子の足下でそう呟くと、そのまま京子のオマンコに舌を伸ばし、レロレロレロっとその濡れたオマンコを舐め始めた。

「感じるやろ・・・」
クンニするジャージ青年の姿を見下ろしてはセンズリをしていた男が、背後から京子の耳元にそう囁いた。

しかし京子は感じていなかった。感じる前に恐怖心のほうが先に出てしまっているのだ。
左隣の男から乱暴なディープキスを解放された京子は、もう肉体的には抵抗出来なくなってはいたが、群がる5人の男達に「ヤメて下さい・・・お願い、助けて」と何度も叫んでは精神的な抵抗を続けていた。

しかし、京子がそうやって抵抗すればするほど、この男達は悦んでいた。京子が「やめて!」と叫ぶと、京子の顔にペニスを向けながらセンズリしていた男は「もっと叫べ・・・」と残虐な目でニヤニヤ笑いながら京子を見下ろした。

そのうち、それを見ていたギャラリー達も我慢出来なくなって来たのか、1人2人と参加して来た。
京子は10本以上の手に全身を愛撫されながら「お願いします!助けて!」と泣き叫んだ。

誰かが「素っ裸にしろ」と笑う。
その言葉に、京子に群がる10本の手は、一斉に京子の衣類を脱がし始めた。

強引に剥がされる上着が京子の顔を覆った。京子の視界が遮られると同時に、男達の手は京子の剥き出された裸体に容赦なく一斉に貪り付く。両足をM字に開かれていた京子のオマンコに何本もの指が群がった。そして男達はオマンコを弄りながら「ヌルヌルに濡れてるよ」とケラケラと笑っていたのだった。

全裸にされた京子は、順番にペニスをしゃぶらされた。
生臭いペニスを強引に口に押し込められながら、同時にオマンコを舐められる京子は、この初めての体験にアソコを激しく濡らしていた。

しかし、性的に感じているかというとそうでもなかった。やはり普通の主婦にとってこれほどハードな行為は、快感よりも恐怖の方が強かったのだ。
この後、どれだけの人間にこの暗闇の映画館で犯されるのだろうかと想像すると、京子はこのまま舌を噛み切って死んでしまおうかとさえ思っていたくらいなのだ。

途中参加も増えて来たという事で、男達は再びジャンケンを始めた。
京子は、恥垢だらけの包茎のペニスを喰わえさせられながら、そのジャンケンを横目で見ていた。

ジャンケンをしているのは全員で8人だった。
という事は、京子はこの8人全員を相手にしなくはならないという事である。しかも、ジャンケンをしている男の中には、ホームレスだと思われるような不潔な男も交じっていた。

「あらら、どこ見てんのアンタ。ちゃんと舐めなさいよ」
京子に包茎チンポを舐めさせていた親父が沖縄訛りでそう言うと、ジャンケンを見ていた京子の顔を両手で固定し、顔を真正面に向けては自ら腰をコキコキと振り始めた。
京子の口の中で琉球の包茎チンポが激しく上下する。

「アンタは今から全員に犯されるのさ」
琉球男は京子を見下ろしたままそう呟くと、「うっ!」と目を綴じながら小さな呻き声を吐き、そして京子の口の中に生暖かい精液を飛び散らせた。

京子の頭を両手で固定しながら琉球男が腰を振っていると、それを見ていた誰かが「あっ!」と叫んだ。
「おい、シーサーのヤツ、口で出したみてぇだぞ!」
誰かがそう叫ぶと、琉球男は慌てて京子の口からヌポッとペニスを抜き取り、「知らないさー俺じゃないさー」と叫びながら包茎チンポをブラブラさせたままそそくさと逃げていった。

「ちっ!・・・」
ホームレスのような男が舌打ちしながら京子に近付いて来た。
そして京子の両頬を摘み、強引に京子の口を開けさすと、中を覗きながら「やっぱりシーサーの野郎、口で出してるよ・・・」と苦々しくまた舌打ちをした。

「だからあの沖縄野郎は出入り禁止にするべきなんだよ」
きゅうりのキュウちゃんのような顔をした男がみんなに向かってそう言うと、皆が「異議なし!」と力強く叫ぶ。
するとルパン三世のような顔をした男が「うんうん」と頷きながら前に出て来た。
「わかりました。シーサーさんの件は劇場側と話し合ってみます」
ルパン三世はみんなにそう告げると、全裸で座席に座っている京子に近付いて来た。そして、「次にまたココで刑事事件なんか起きたらこの映画館は閉鎖されてしまいますからね・・・だから皆さんもルールだけはちゃんと守って下さいよ」などと語りながら、「はい」と京子にコカコーラのペットボトルを手渡した。

「・・・・・・・」
京子が黙ったままそれを受け取り、ルパン三世の顔を見上げた。
「・・・ごめんなさいね乱暴な事しちゃって。すぐにそれでウガイして下さい」
ルパン三世はお猿さんのような顔をしてニコッと笑った。

京子は、急いでペットボトルの蓋を開けると、炭酸の強いコーラをおもいきり口に含み、口の中でビタビタと張り付くしつこい琉球精液にグチャグチャと激しくウガイをした。

「コンドームは装着しますから中出しは絶対に致しません。だから安心して下さいね」
ルパン三世は京子の手からコカコーラを受け取ると、そう言ってまたニコッと笑い背中を向けた。

「・・・あのぅ・・・」
京子は口の中に残る琉球精液を苦々しくさせながら、恐る恐るルパン三世に声を掛けた。
「なにか?」
ルパン三世は額に3本のシワをくっきりさせながらクルリと振り返った。

「・・・全員・・・ですか?」
京子が不安な顔をしてジャンケンをしていた男達を見渡す。

「まさか。ここにいる全員を相手したら貴女は死んでしまいますよ。貴女も欲張りですねぇ~ははははは・・・大丈夫です、一人ですよ一人。安心して下さい」
ルパン三世はそう言いながら優しい目をして笑った。

それを聞いた京子はホッと安心したが、しかし、「じゃあそろそろええか?」と、京子に近付いて来た男を見てまた泣き出しそうになった。

その男は、どこからどう見ても乞食のナニモノでもなかった。
全裸の乞食は、脂肪だらけの醜い体から生ゴミのような臭気を発し、びっくりするような大きなペニスをブラブラさせては、「行くぞ」と京子の細い腕を掴んだ。

(助けて!)という光線をルパン三世に向ける京子。

しかしルパン三世は、「しかし乞食熊さんはジャンケンが強いなぁ、これで3連続だもんなぁ、ラッキーだよなぁ」などと呑気な事を言っては、スタスタと暗闇の中へと消えて言ってしまったのだった。


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全裸の京子は全裸の乞食に手を引かれながら、スクリーンに向かってトボトボと進んだ。

劇場の座席には数人の客が座っていたが、しかし、彼らもここの常連らしく、全裸で劇場を進んで行く2人を見ては「がんばって」などと声援を送って来ていた。
その度に、この乞食熊と呼ばれる男は、全裸の京子をその声援をくれた客の前に立たせ、剥き出しの尻肉を押し開いては京子のオマンコからアナルまで見せたりとサービスしていた。
中にはヘラヘラと笑いながら京子のオマンコに指を入れて来るいやらしい客などもおり、その度に京子は「やめて下さい!」と叫ぶのだが、しかしそんな京子の仕草が彼らには堪らないらしく、京子が叫べば叫ぶだけキャッキャッと歓喜の声を上げていた。

京子は、スクリーン正面の最前列に連行された。
座席に座らされた京子は、正面に立つ乞食熊の巨大なペニスを目の当たりにしながら、座席の中で貝のように体を閉じながら身を縮めた。

スクリーンでは、荒縄で全身を縛られた人妻がミシミシと縄音を立てながら天井に吊るされていた。吸血鬼のような表情をした男が、縛られた人妻の股間を覗き込みながら「綺麗なイボ痔だ・・・」と呟いた。
そんなシーンを背景に、乞食熊はニヤニヤと京子を見下ろしながら巨大なペニスをシゴいていた。

「・・・しゃぶれや・・・」
乞食熊は座席に踞る京子に、半分立ちかけのペニスをダランと向けて来た。

「元気ネェぞ熊さん!」
劇場の二階からそんなヤジが飛んで来ると場内がどっと笑いに包まれた。
どうやらギャラリーと呼ばれる男達は、二階の客席から最前列の京子達を見物しているようだ。

乞食熊の巨大ナマコのようなペニスが京子の真っ白な頬に押し付けられた。
乞食熊のペニスはまだ半起ちであるにもかかわらず、夫の勃起したペニスの何倍もの大きさだ。
そのニオイも強烈だった。その生臭さは、まるでポリバケツに捨てられている『蟹』のようなそんな強烈な生臭さだった。

この状況で逆らう事の出来ない京子は、吐き気を催しながらもその腐敗臭漂う肉棒を口に含んだ。
「・・・温けぇ・・・」と、まるで温泉に入った時のように乞食熊が唸った。
京子の口の中で、それはみるみると膨らんで来た。京子の舌の上で、グン、グン、グン・・・と固くなって行く乞食熊のペニスは、獰猛な獣のように京子の口の中でジュブジュブと上下に暴れ回る。

「舌使えや・・・」
京子のサラサラな髪の毛を撫でながら乞食熊が呟いた。

反抗出来ない京子は、カクカクと頭を上下に動かされながら、夫にもしたことのないような破廉恥な舌の動きを乞食熊のペニスに這わせた。京子は無我夢中だった。一刻も早くこの映画館を逃げ出したい一心から、この乞食熊を早くイカせようと必死になっていたのだ。

まるで韓国産松茸のように鰓の張ったカリ首を舌の先でチロチロとくすぐる。そうしながら亀頭全体を舌でザラザラと擦り、尿道と思われる一部味の違う部分に舌先を捻り込ませた。

「へへへへ・・・この女、かなり餓えてるぜ・・・」
乞食熊が巨大な下っ腹を突き出しながら二階客席にそう話し掛ける。

(餓えてる・・・)
その言葉が他人のペニスをしゃぶる京子の脳裏に焼き付いた。
とたんに京子は自分という人間が哀れに思えて来た。
結婚してすぐに旦那を会社に奪われ、それからというもの夜な夜な冷たいベッドで1人淋しく自分を慰めている女。
魂のない玩具だけが唯一の幸せをもたらせてくれるパートナー。
京子は、客観的に自分という女を見つめながら、なんて哀れな女なのだろうとふと思い、そしてもう冷たい玩具は欲しくない、と激しくそう思った。

そんな京子はいつの間にか乞食熊の肉棒を手で握りながら、それを慈しむかのように口の中で愛撫していた。

(これ・・・これが、欲しかったの・・・・)

京子はそう思いながらその筋肉隆々のベニスをシコシコとシゴき舌腹に尿道を擦り付けた。

「あぁ、我慢できねぇ・・・」
乞食熊はそう言いながら乱暴に京子の口からペニスを引き抜く。
そして「足開けや」と下水道のような臭い息で呟いた。

「熊さん!ゴム、ゴム!・・・ルール守ってよ!」
二階からルパン三世の声が場内に響き渡った。

乞食熊は「ちっ!」と舌打ちをすると、隣の座席の上に転がっていたコンドームの摘まみ上げた。

そんな乞食熊を見つめていた京子は、唇の回りにテラテラと垂れる唾液を腕で拭っていると、ふと隣から物音が聞こえ、慌てて振り向いた。

京子が座っている列の、すぐ隣の列の座席で、男の腰が怪しく動いているのが見えた。
腰を振るその男は黒いジャージの青年だった。青年は女を座席に寝転がせては正常位で腰を振っている。
よく見ると、その女は中年親父と戯れていた赤毛の少女だった。

青年が赤毛の少女の股をおもいきり開きながら、そこにガンガンと腰を叩き付けている。
青年の後には2人の男がおり、その2人は自分でペニスをシゴきながら青年と赤毛少女の結合部分を覗いていた。
赤毛の少女が苦しそうに目を綴じながら、スクリーンから垂れ流れている卑猥な喘ぎ声に負けないような、若い喘ぎ声を張り上げる。
「イキそう!イキそう!」と赤毛の少女が若い声でそう叫ぶと、ふいに顔をあげた青年とそれを眺めていた京子の目が合った。
青年は暗闇の中から不敵に目を光らせては京子をジッと見つめた。
そして青年は京子の目を見つめたまま「うっ!」と顔を歪ませると、そのまま赤毛少女の胸の中へと沈んで行った。

「よし・・・これでええな・・・」
乞食熊の声に「はっ」と顔を元に戻した京子は、コンドームを被りながら天井に向かって聳え立っている乞食熊の巨大ペニスを見て、あらためて恐怖が湧いて来た。

(こ、こんなモノを入れられたら・・・私、頭がおかしくなっちゃう・・・・)

そんな脅えた京子の目を見ながら、乞食熊は「早よ股開かんかい・・・」と無愛想に笑った。

隣から、再び赤毛少女の「イクぅー!」という叫び声が聞こえて来た。
その少女の叫び声がスタートの合図であるかのように、乞食熊は座席に座る京子の股を乱暴に押し開いたのであった。


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座席に座ったままの京子に、その脂肪だらけの巨体を覆いかぶせて来た乞食熊は、京子の華奢な体を両手に包み込むと、下水道のような息を京子の顔に吹き掛けながら「へへへへへ」と下品に笑った。

乞食熊の顔は、近くで見ると額や頬に無数の吹き出物が広がっていた。無精髭と吹き出物で埋められた顔面にはドロドロの脂が輝き、それはまるでホラーマスクを被っているようだった。

骨がギシギシと音を立てるくらい京子を強く抱きしめていた乞食熊は、京子の顔にそのホラーマスクのような顔を近づけながら大きく口を開いた。
そして「吸え・・・」と笑いながら、京子の目の前にレバ刺しのようにドス黒い巨大な舌をダラリンと突き出した。

乞食熊の大きく開く口内から人間業とは思えないような口臭が漂って来た。乞食熊の前歯三本がへし折れており、その折れた部分が真っ黒な虫歯だった。
その舌を舐めろと言われるのは、野良犬の肛門を舐めろと言われるのと同じだと、その痰が糸を引く舌を見つめながら京子は思った。

しかし、この状態の京子には選択権はない。乞食の舌であろうと野良犬の肛門であろうと舐めろと言われたら舐めなくてはならないのだ。

乞食熊の巨大な舌の半分にも満たない小さな舌を突き出した京子は、恐る恐る乞食熊の舌をペロペロと舐めた。
あまりの臭さに慌てて息を止める京子。乞食熊の舌には、まるで排水口に詰まっているドロドロした泥液のような「ぬめり」が大量に付着していた。恐らくその「ぬめり」は乞食熊の痰だろうと京子は思ったが、本当に吐いてしまいそうだったのでそれ以上は考えない事にした。

「でへへへへへ・・・・」と嬉しそうに笑いながら、自分の舌に絡まる京子の舌を見下ろす乞食熊は、座席の上でM字に開かされている京子の股間に指を這わした。
ガサガサとした指の感触が下腹部に広がる。乞食熊のガサガサ指は膣のヒダヒダを丁寧に掻き分け、穴をパックリと開かせた。そして開いた中心部を太い指でヌラヌラと擦りながら「びしょびしょに濡れとるやんけ・・・」と京子の鼻に酒臭い息を掛けた。

乞食熊の指は一度ググッと膣の奥まで押し入ると、すぐにヌポッと抜き出された。
その指を乞食熊は京子の目の前に突き立てた。
「ほら、スゲェ濡れとるやろ?・・・おまえ、色情魔やろ?」
乞食熊はそう言うと一人でクックックッと笑い、そしてその指をクンクンと嗅いでは「飢えた女の匂いや・・・」とその指をペシャっとしゃぶった。

指をしゃぶりながら欲情したのか、乞食熊の目が急にギロッと険しいものに変わる。
「ほな、入れるでぇ・・・・」
乞食熊が巨大な肉棒を握りしめた。
乞食熊は、京子の体を座席でM字に足を開かせたまま自分の体重で押さえ込み、身動き出来ないように固定している。

肉棒を握る乞食熊は、ペニスを自在に操作しながら、その野球ボールのような大きな亀頭を京子の濡れたオマンコの先にグチャグチャと擦り付けた。
コンドームがビチビチとゴム音を響かせ、コンドームを被ったペニスの先がシワクチャになって行く。

俯いた状態で股間のそれを見ていた京子は、そのナマズのような肉棒に脅えていた。こんなモノが押し入って来たら膣が裂けてしまうのではないかという恐怖心に襲われる。

と、その時だった。膣にペニスを擦り付けていた乞食熊は、こっそりとコンドームの先を引っ張った。
まるでアメリカンハイスクールの落ちこぼれ少女の口から伸びるチューインガムのようにコンドームはビヨーンと伸び、そしてパチン!という音を立ててコンドームは抜けた。

「えっ?」
おもわず京子は乞食熊の顔を見た。
「・・・なんだよ・・・いいじゃねぇか生でも・・・」
乞食熊は剥き出しになった亀頭を京子の膣にグチャグチャと擦り付けた。
「いや!やめて」
京子は乞食熊にそう言いながら、二階席にいるルパン三世に振り向こうとする。

そんな京子の顔を乱暴に元に戻し、「てめぇ、逆らうと首の骨へし折るぞ」と京子の耳に低く呟いた。
そして京子の頬にイガイガの髭を擦り付けながら頬擦りすると、「ちゃんと外で出すからよ、心配すんなって・・・」と言いながら、京子の口の中にドス黒い舌を捻り込んで来た。

京子が口の中に広がる猛烈な悪臭に気を取られている瞬間、乞食熊のナマズペニスは一気に京子の中へ突き刺された。

「うっ!」
まるで腹部に出刃包丁をブスリ!と刺されたような、そんな衝撃が下腹部に走った。
痛くはない。しかし気持ち良くもない。ただただ重圧な異物感が下腹部に重く伸しかかっていた。

「やっぱ・・・生はええなぁ・・・」
乞食熊が小声でそう呟きながら、ユッサユッサと腰を動かし始めた。
座席がギシギシと音を立て始めるにつれ、膣の中を行ったり来たりするペニスの感触が段々と脳に伝わって来た。
乞食熊の大きく広がったカリ首の鰓が、京子の膣壁を引っ掻き回す。極太な竿は膣穴を隙間なく埋め、竿がピストンする度に膣のヒダヒダが竿に絡み付いた。

乞食熊が座席の京子を見下ろしながら、「・・・どや・・・ワイのイチモツは気持ちええ・・・やろ!」と、グッと奥までペニスを突き刺した。
京子の子宮を乞食熊の薄汚れた亀頭がパンチした。
その衝撃がとたんに脳天へと突き刺さり、京子は狂ったように悲鳴をあげた。

そんな京子を乞食熊は満足げに見下ろしながら、「ほれ、ほれ、ほれ」と更に激しく腰を振って来た。
そしてその振動でプルプルと揺れる京子の乳を優しく手の平で包み込みながら、「おまえ、シマリええなぁ・・・」とガタガタの前歯を剥き出して嬉しそうに笑った。

乞食熊は、キャンキャンと子犬のように悲鳴をあげる京子を愛おしそうに抱きしめながら、京子の口に鼻を押し当てた。
そして「おまえの息、甘い匂いがするわぁ・・・」と、京子の唇から洩れる息をクンクンと嗅ぎ、そしてそれに欲情したのか、ハァハァと荒い息を吐きながら京子の小さな顔をベロベロと舐め始めた。

これほどの気色悪いセックスは今までにした事がない。
元彼の和夫とは、ごっこ的なSMプレイを何度かした事はあったが、結局いつも体をロープで縛られた京子がオシッコをさせられ、そのシーンを見ながら和夫がニヤニヤと笑っているだけという、なんとも子供じみたプレイで終わった。
しかし、京子にしてみれば、そんな和夫との『ごっこ的なSMプレイ』でも、かなり気色の悪いものだったのだ。

しかし、そんな京子も、今は顔中を下水道臭い唾液でヌラヌラにさせながら、乞食熊の巨大肉棒に溺れている。乞食熊のペニスが押して入ってと繰り返される度に、言いようのない快感が京子の全身を襲い、脳味噌を激しくクラクラとさせるのだ。

遂に、「あぁぁ!あぁぁ!」と卑猥な声を上げ始めた京子に、乞食熊は満足げに唇の端を歪めた。

喘ぐ京子の隣の席では、ムーミンのような顔をした男が座席に背を凭れながら京子の結合部分を覗き込んでいた。
ムーミンは時折、京子の耳元に「気持ちいい?気持ちいい?」と擦れた声で囁きかけては、京子にキスを迫って来た。
そんなムーミンのキスを首を振りながら躱していた京子だったが、ふとムーミンの足下を見て一瞬にして体が凍り付いた。
なんとムーミンの足下には男が踞り、剥き出しにされたムーミンのペニスを一心不乱にしゃぶっているではないか。
ムーミンのペニスをしゃぶるその男を見て、スナフキンに似ている・・・と京子が思った瞬間、不意打ちにムーミンに唇を奪われた。

ムーミンのザラザラとした舌が京子の口内で暴れ回る。
京子は「うぅぅん・・・」と艶っぽい声で唸りながら、口内で暴れるムーミンの舌に舌を絡み付けた。
それを眺める乞食熊は、激しく腰を振りながら「色情魔が!」と京子を罵る。

ふと気付くと、京子の周りにはゾロゾロとギャラリーが集まって来ていた。
男達は、京子が乱れて行く姿を眺めながらオナニーをしているのだ。

黒いジャージの青年が、ニヤニヤと笑いながら赤毛の少女を連れてやって来た。
赤毛の少女は腰を振る乞食熊の背後にゆっくりとしゃがまされると、体を屈めて乞食熊の股の中に入って来た。
俯いた京子は、乞食熊に抱かれる隙間からその少女を覗き込んだ。
なんと、少女は京子のオマンコと乞食熊のペニスが激しくぶつかり合う結合部分を、子猫のような小さな舌を伸ばしてはチロチロと舐め始めたのである。
そんな少女は、乞食熊のペニスに絡み付く京子の汁だけでなく、京子のアナルまで垂れている白濁汁までもチロチロと舐めていた。京子の剥き出された肛門を少女の子猫のような小さな舌が小刻みにくすぐる。
ふと見ると、そんな少女の背後にも男達は容赦なく群がっていた。
京子の肛門に舌を這わせる少女はコンクリート床に四つん這いにされ、二人の男が同時に少女の尻を舐めたり指を入れたりと弄んでいた。

京子はこの状態に、もう何が何だかわからないくらいに興奮していた。
背後からいきなり現れる、誰の物かもわからないペニスを片っ端から口に喰わえ、暗闇から伸びる無数の手に体中を愛撫されながら歓喜の悲鳴をあげた。

「あぁぁ・・・もう我慢できねぇ・・・」
乞食熊はそう呟くと、京子の小さな体を大きな手の平でがっちりと固定し、もの凄い早さで腰を動かし始めた。

誰の物かわかならない肉棒を喰わえたまま、大きく開かれた自分の股を覗き込む京子。
馬のように大きくドス黒い乞食熊のペニスが、京子のオマンコから溢れる淫水でヌラヌラと輝きながら、高速ピストンされている。
京子の体の中で、ゾクゾクと体内のマグマが沸き上がって来た。
イキそうだ。
今ここでクリトリスを触ればイケる・・・・・・
しかし、京子は右手で誰かのペニスを扱かせれ、左手にも誰かのペニスを握らされていた。

身体、両手、口、そして膣。全てを拘束された京子はまるで十字架に張付けにされているかのように身動き出来ない状態だ。
クリトリスを触りたい!と、絶頂寸前の京子が半狂乱になっていると、突然、ニュッと細く白い腕が現れ、京子の胸の谷間をすり抜け股間へ降りて行った。

赤毛の少女だった。
赤毛の少女は乱れ狂う京子の耳元に「クリちゃん触ったげるね」と囁くと、ニコッと微笑みながら、その白魚のような細い指先で、プックリと突起している京子のクリトリスをクリクリと転がし始めた。

少女のその指の動きは、京子が望んでいた、あのオナニーの時の指の動きを見事に再現してくれた。

赤毛の少女のその小刻みな指の動きを見ていると、とたんにパッ!と京子の目の前が真っ白になった。
急に嗅覚が敏感になり男達の体臭が京子の脳を激しく刺激する。身体中を愛撫する無数の指が内臓までも愛撫しているかのように感じられ、巨大な肉棒をズブズブと突き刺される京子は狂人のような悲鳴をあげながら、映画館の狭い座席の中で身体をトロトロに溶かしていった。

「うっ!」と唸る乞食熊の顰めた顔が幻覚のようにボンヤリと浮かんだ。
乞食熊の精液が京子の膣の中で破裂する。
子宮に精液がビシャビシャと掛けられるのを感じていた京子は、ふと気がつくと、少女にディープキスをされていた。
少女はミルキーのような甘い香りを漂わせながら、一心不乱に子猫のような小さな舌を京子の舌に絡み付けて来た。

京子はそんな少女の甘い香りに包まれながら、淫欲の渦のような映画館の暗闇の中へと堕ちて行ったのであった。


               18


昼から降り出した雨も夕方にはすっかりあがっていた。
所々濡れた路上を歩きながら、京子は正博に「雨、止んでよかったね」と微笑みかけた。

クリーニング屋の配達車が通り過ぎるのを見計らっていた正博は、クリーニング屋の配達車の音が遠離って行くと、雨上がりの草木を背景に歩く京子を見つめながら、「最近、綺麗になったね」と恥ずかしそうに呟いた。
「やだぁ、なによマーくん急に・・・」
京子は照れながらも正博の腕に掴まると、路上の水溜りを正博の腕にぶら下がりながらピョンと飛び越えたのだった。


レストランで食事を終えた2人は、東京タワーの見えるシャレたバーで久々のデートを満喫していた。
飲めないくせに無理をしてカクテルを頼んだ正博は、ボンヤリと顔を赤らめながら京子の耳にソッと囁いた。

「今度のお土産は、・・・凄いよ・・・」

正博は自分で言っておいて勝手にワクワクしながら「ムフフフフフ」と含み笑いを京子に向けた。

「なに?」
ブラッディーマリーに真っ赤な口紅でキスをしながら京子が正博を見つめた。

「ムフフフフフ・・・なんと、騎乗位型のバイブ付きオナマシーン・・・フフフフフ」
正博は鼻の舌をびっくりするくらい伸ばしていやらしく笑った。

「なに、それ」
やたらと嬉しそうに笑う正博を見て母性本能をくすぐられた京子がマリア様のように優しく微笑む。

「しかも、しかもだよ・・・なんとそのマシーンは・・・射精までするのである!」
正博は嬉しくてしょうがないといった感じで、声を潜めながらも力強くそう叫んだ。

正博は飲み慣れないカクテルに顔を歪めながら、「こいつがあればキミももう淋しくないよ・・・」と呟き、そして椅子の上の尻を右側だけ少し浮かすと、ふいに「パピッ!」という可愛らしい音の放屁をやらかした。

心地良いジャズの低音が真っ赤に浮かび上がる夜の東京タワーを、いっそうムーディーなものにしてくれた。
年老いた黒人がやんわりとサックスの音を響かせると、正博は「今夜はそのマシーンと3Pだよ・・・覚悟してね」と、唇の端をキザに歪ませた。

灰皿の上の吸いかけの煙草が、蜘蛛の糸のように1本の線を浮かび上がらせながら天井に向かって行った。
隣の席の白人から漂うアラミスの香りに包まれながら、京子がゆっくりと正博に目を向けた。

「・・・ねぇ、あなた・・・」

隣の白人のアラミスの香りにライバル心を燃やし、日本魂的な放屁をもう一発かましてやろうと企んでいた正博は、その京子の妙にかしこまった口調に、右側の尻を椅子から持ち上げたまま「ん?」京子に振り向いた。

「それよりも・・・もっと楽しい遊びがあるんだけど・・・・」

照明に照らされ赤く輝くブラッディーマリーをコトリと置きながら京子が恥ずかしそうに呟いた。

「・・・ピストンマシーンと3Pよりも・・・か?」

正博は右側の尻を上げたまま聞いた。

「・・・うん・・・」

京子がそう頷いたと同時に、自尊心を傷つけられた正博の尻から「ピリリリリリリ・・・」という奇妙な屁が発射され、それをまともにぶっかけられた隣の白人が慌てて振り向き「こらっ!」と日本語で怒鳴った。
よく見るとそれは白人ではなく、ただの顔色の悪い田舎者だった。しかも彼から漂っていたのはアラミスの香水の香りではなく、それは彼が酒のツマミに食べていた「味噌田楽」の香りだった。

「そ、そんなぁ・・・僕はせっかくキミの為にわざわざドンキーにまで足を運んで、ピストンマシーンを買って来たんだぜ・・・」

正博がそう言いながら口を尖らせると、京子はスっと席を立ち「とにかく今夜は私に付き合ってよ。最高のカ・イ・カ・ンをあげるから・・・」と、口紅の甘い香りを吹き掛けた。

正博は黙ったまま京子の黒いヒトミを見つめ、その後で緩やかにサックスを奏でている黒人も実は顔色の悪い日本人だったという事実を思い知らされた。
あのドス黒い顔色は尋常ではない・・・恐らく彼は・・・肝臓が悪い・・・
正博は男の顔色を心配しながらも、京子の黒いヒトミに「いいだろう・・・」と呟いた。
そして京子を見つめながら静かに席を立ちあがると、飲みかけのソルティードッグを、と言ってもカクテルには1口しか口を付けずグラスの口に散りばめられた塩を舐めただけのソルティードッグだが、それをそのままテーブルに残したまま、ネイビーブルーの深い絨毯を踏みしめながら出口に向かった。
そして、色白の田舎者のテーブルを横切る瞬間、最後のトドメとばかりに、「スっ!・・・」とスカしっ屁を散布してやった。すかさずそのスカしっ屁に気付いた色白の田舎者が「またか!」と叫ぶと、正博は色白の田舎者に向かって「アディオス・・・」と人差し指を立て、店を後にしたのだった。


正博は黙ったまま電車に揺られながら、京子が囁いた「もっと楽しい遊び」や「最高のカ・イ・カ・ン」のセリフの意味を考えていた。
「快感」を、あえて「カ・イ・カ・ン」とロボット的に感覚を開けながら呟いたのは、どうせ薬師丸ひろ子の「セーラー服と機関銃」に感化されてのセリフだろうが、しかし「もっと楽しい遊び」というセリフにはどうにも解せなかった。
なぜなら、京子はまだ「ピストンマシーン」との3Pをしていないのだ。していないにも関わらず「もっと楽しい」という言葉は、せっかくお土産を買って来てくれた者に対しあまりにも無礼ではないか。例えばそれは、名古屋出張のお土産にと「ういろう」をプレゼントしてくれた人に対し、もっと旨いモノがあるからと「とらやの羊羹」を出すようなものなのである。

座席に座る正博は、苦々しく思いながらも電車の吊り革に掴まる京子の身体を見上げた。ちなみに、正博はいつも電車に乗る時は、身障者用の座席に座っては阿呆のように口をポカンと開け、時々「おかーさん!」などと見知らぬ人に奇声をあげては知能障害のフリをするという、意地でも座席に座る派だ。
だからこの時も、異常に混んでいる電車にも関わらず、正博だけはゆったりと座席に座っていたのだった。

正博は吊り革に掴まる京子のボディーラインを第三者的に眺めてみた。
ボディコンシャスなワインレッドのワンピースにポッテリとした胸と尻とがクッキリと浮かび上がっている。少し茶髪の長い巻き髪が真っ白なウナジをより引き立てていた。

正博は、京子の隣で吊り革にぶら下がっているサラリーマンを見つめ、(ふふふふ・・・どうだ、いいオンナだろ・・・ヤリたいだろ・・・)と胸の中で細く微笑んだ。
そして京子の背後で、京子の身体に寄り添うようにして吊り革にぶら下がっている若い男を見つめながら、(その女の尻は最高に柔らかいぜ・・・その女のムチムチの尻肉に勃起したチンポをズボズボと入れてみたいだろ・・・ふふふふ俺様は今夜、チンポの皮が擦り切れるまでできるんだぜ・・・)と、ニヤニヤと笑いながら優越感に浸った。

正博がそんな優越感を密かに味わっていると、突然電車が「キキキキキキキッ!」と急ブレーキを掛けた。
車内で吊り革にぶら下がっていた者達が一斉に斜めに傾く。
京子の背後にピッタリとくっついていた若い男の下半身が京子のボディコンシャスな尻にグググッ!と押し付けられた。

(おぉぉぉぉ・・・)
それを目撃した正博は、心の中で興奮の溜息を吐きながら瞬間に勃起した。正博のチンポは異常に小ちゃい為、勃起の速度も異常に早いのだ。

電車の角度が正常に戻っても、その若者の下半身は京子の尻に密着したままだった。
それを見つめていた正博は、京子がその若者に背後から犯されては淫らな声を張り上げる京子の姿を妄想した。
セックスの時に見せる京子のあの淫乱な表情が浮かび上がる。背後で腰を振る若い男は、そんな淫乱な京子の顔を後から眺め、満足そうに笑っている・・・。

正博はそんな妄想を繰り広げながら、興奮のあまりクラクラと目眩を感じた。妻が他人に犯されそして感じている・・・・私以外には見せた事のないあの卑猥な表情を、見ず知らずの苦学生に向けては欲情を誘っている・・・・
カーッと頭に血が上った正博は、そのまま後に仰け反り後頭部を電車の窓にゴッ!とぶつけ、そこでまたよからぬ空想をしてはイヒヒヒヒっと一人で笑った。

正博が「ふっ」と身体を起こすと、正面に座っていた老婆と目が合った。
老婆はそんな正博の奇怪な行動を一部始終見ていたのか、まるで「13日の金曜日」を初めて観る少女のような表情で正博を見つめていた。
正博はそんな老婆に向かって突然叫ぶ。
「おとーさん!おかーさん!そしてPTAの皆さん!」
慌てた老婆は、「ひぃ!」と首をすくめると、素早く正博から目を反らしたのだった。


電車を降りると、妙に長い地下道を2人は並んで歩いた。
「このままだと家に着いちゃうよ?・・・いったい何処に行こうとしてるんだキミは?」
歩きながら正博は、鼻筋がキリリと通った京子の顔を覗き込んだ。

京子はそんな正博に「うふっ」と意味ありげに微笑むと、黙ったまま先を急ぐ。

地下道の真ん中辺りで、路上に大の字に寝ているホームレスがいた。
2人がそこを横切ろうとすると、ムクッと顔をあげたホームレスが、京子の顔を見て「よう!」と手を振った。

そんなホームレスにニコッと笑いかける京子を見て、「キミ、いつからあんなのと知り合いなの?」と驚いた正博が聞く。
京子はまた意味ありげに「うふっ」と笑っただけだった。

地下道を出ると、いきなり夜の突風が2人を包み込んだ。
夜の歩道を無言で歩く2人の前方には、ケバケバしい原色看板を掲げた薄汚い映画館がボンヤリと輝いていた。

「・・・ねぇ・・・ひとつ聞いてもイイ?」
カツコツとヒールの音を立てながら京子がポツリと呟いた。

「なんだい、改まって・・・・」
正博は夜風の突風で目に砂埃が入ったのか、拳に唾を垂らしてはそれで懸命に目を擦りながら答えた。

「私の事・・・愛してる?」

「ふっ・・・なんだよ、こんな所で90年代の浅野温子でも演じようってのかい?ならば僕は武田鉄矢ではなくカンチか若しくはチー兄ちゃんがいいぞ・・・」
正博は目の中の埃を取ろうと、必死に目を擦りながら呟いた。

「真面目に答えて」

「・・・当たり前じゃないか・・・愛してるに決まってるよ・・・」
やっと目の中の埃が穫れた正博はそう答えると、唾液が付いた自分の拳をクンクンと嗅ぎながら「唾くせっ」と小声で吐き捨てた。

突然、京子が足を止めた。
二歩先に進んだ正博は、急に足を止めた京子に、不審そうに振り向く。
京子のすぐ横に立てかけてあるポルノ映画の卑猥な立て看板が正博の目に飛び込んで来た。

「じゃあ、私を信用してくれる?」

京子が真剣な表情で正博を見つめながら首を斜めにした。

「・・・・あぁ・・・・」

戸惑いながらも正博がそう頷くと、京子はニコッと笑いながら2歩先の正博の腕にピョンと飛びついた。
そして、正博の胸の中で「じゃあ、行こっ」と嬉しそうに微笑むと、正博の手を引きながら映画館へと向かったのであった。

(普通の妻・完)



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