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ハゲタカ1

2010/03/05 Fri 10:27

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               1


全体的にネズミ色を基調とした取調室の、少しサビが浮き出た鉄格子付きの窓際の椅子に連行されて来た女子高生は、不貞腐れながらドスンと乱暴に座った。

30を過ぎたおばさん婦警がそんな少女を見つめて「ふーっ・・・」と溜息をつく。

「もう帰ってもいい?」
少女は唇を尖らせながら、入口に立っていた婦警を上目遣いで見る。
「今来たばかりじゃない」
婦警は神経質そうな薄い唇を、ピクピクと左右に動かしながら少女を見下ろした。

少女が健康的な唇を「ちっ」と鳴らすと、静まり返った廊下から、スタ、スタ、スタ、という健康サンダルの音が取調室に近付いて来た。

「今、担当の刑事さんが来るから。正直に全部話しなさい。そうしたらすぐに帰れるから・・・」

地味な化粧をした婦警がしんみりとした口調で少女にそう告げると、少女はニヤニヤと笑いながら「その人、怖い?」と聞いた。

「・・・とっても厳しい刑事さんですよ。でも、あなたが正直にお話しすればとっても優しい―――」
「―――どんな人?『踊る』の織田裕二みたいなかっこいい刑事さん?」

最近ドモホルンリンクルを使い始めた婦警は、目尻のシワを気にしながら少女を「キッ」と睨み、「あなた、ココをドコだと思ってるの、あなたはねぇ―――」と話し始めた時に取調室のドアがカチャッと開いた。

開かれたドアの前に、ぴょこんと豆狸のような男が立っていた。
チビ、デブ、ハゲ、と三拍子揃った、おもいっきりユルキャラだ。

とたんに椅子に座っていた少女が「プッ!」と吹き出した。

「・・・・・」
男はそんな少女の笑いに少しムッとしながら、スタ、スタ、スタ、と健康サンダルを鳴らし取調室に入って来た。

男は少女と向かい合わせになったデスクに腰を下ろすと、すかさず婦警を見上げながら「あー・・・佐々木君、キミは席を外してくれたまえ」と、アニメチックな声で言った。

そのアニメチックな声に、再び少女が「ププッ!」と唇を鳴らす。

「しかし、部長・・・・」
婦警は困惑した表情で男を見た。
基本的に女性被疑者を取り調べる場合は、女性取調官が取調べを行なうか、若しくはその取調べに婦警が立ち会わなければならない事になっている。

しかし、この男が担当の時だけはいつも婦警は取調室を追い出される。
この男には規則や法律など通用しないのだ。

「あー、いいから、いいから、キミはいつものように喫茶店でも行ってお茶を飲んで来なさい。終わったら連絡するから」
男は、まるで婦警を追い出すかのように「シッシッ」と手を振りながらそう言うと、バタバタと調書を書き込む為のノートパソコンを準備し始めた。

「・・・では・・・」
仕方なく取調室を出て行く婦警。

以前、この婦警が「しかし規則ですから」と頑として取調室を出て行かなかった事があったのだが、その時この豆狸は、いきなり子供のようにワンワンと泣き出し、真っ赤な顔をしては「こんにゃろー!」と婦警の体に体当たりし、下手糞な柔道技を婦警に掛けようと必死になって暴れ出した事がある。
そんな婦警は、今まで上司には何度もこの豆狸の苦情を訴えて来たのだが、しかしどの上司も口を揃えて「ほかっておけ」と投げ遣りに答え、この豆狸には関わり合いたくない様子だった。

だから婦警は、この豆狸の命令通り、大人しく取調室を出て行ったのだった。

婦警が出て行くと、1人取り残された少女は、まるで動物園のアライグマを観察するかのように、ニヤニヤと笑いながらその刑事を見つめた。

「・・・なんだ。何がそんなにおかしい・・・」
男はノートパソコンを印刷機に繋げながら呟いた。

男のそのアニメチックな声を聞いて、またしても少女が「プッ!」と吹き出した。

ブスッと印刷機にPCのコードを差し込んだ男は、いきなり大きな声で「ちっともおもしろくない!」と叫ぶと、太陽にほえろ!みたいにテーブルをバーン!と平手で叩き、しかしその叩いた手があまりにも痛かった事から、手の平にフーフーと息を吹き掛けては「笑うな!」とまた怒鳴ったのだった。

               2

萩鷹健一42歳。独身。生活安全課巡査部長。
シャブ、風俗、少年、わいせつ、ハジキ、などなど、あらゆる犯罪を取り締まる生活安全課の中で、萩鷹は主に「小便ワイセツ」と呼ばれる、下着泥棒やチカン、援交やノゾキといった、社会の隅っこに転がっているような小さな事件ばかりを担当する、いわゆる「落ちこぼれデカ」だった。

萩鷹が落ちこぼれた理由は、今から18年程前に遡る。
18年前、留置場勤務だった萩鷹は、ある当直勤務の深夜、覚醒剤の容疑で逮捕され留置場に入れられていたスナックホステス(38才)の私物棚から、ビニール袋に入っていた洗濯用の下着1枚をこっそりと持ち出し、留置場の鉄格子越しに彼女の寝顔を眺めながら、その下着を嗅ぎ、舐め、そしてセンズリをした。
それを運悪く同当直だった先輩に発見されてしまった萩鷹は、次の日から留置場を追い出され、老人ばかりが住む田舎町の交番勤務へと飛ばされてしまったのだった。

幸いにもその事件は公にはならなかったのだが、しかし署では誰もが知っている「珍不祥事」として瞬く間に噂になってしまった。
それからというもの萩鷹の出世はキッパリと断たれ、各地の田舎交番をタライ回しにされては「お巡りさん」の日々が続いたのだが、しかし3年前、やっとの思いでなんとか巡査部長にまで這い上がる事ができた萩鷹は、遂に念願の現場に復帰する事ができたのであった(但し、巡査部長とは、最下位である巡査のひとつ上であり、部長と呼ばれているものの地位はかなり低い)。

念願の巡査部長になった萩鷹の一番の楽しみは、そう、取調べだった。
しかし、強盗殺人犯やヤクザ、酔った長渕剛や機嫌の悪い朝青龍といった、いわゆる粗暴犯を取り調べるのが嫌だった萩鷹は、比較的エロ系犯罪が多い生活安全課に配属してもらおうと、あの手この手の根回しをし、なんとか念願の生活安全課に入る事ができたのだった。

そんな萩鷹が最初に担当したのが、何の因果かパンティー泥棒。
46歳の犯人は、アパートの押し入れの中に60枚もの下着を隠し持っていたという常習犯で、その押収物を1枚1枚確認する萩鷹は、その犯人の趣味の良さに「さすがだ・・・」と感心しては勃起してしまう程だった。

「おまえのようなド変態野郎は社会に必要ねぇんだよ!無期、若しくは死刑にしてやるから覚悟しろよコンニャロメ!」
自分の事を棚に上げては、下着泥棒にそう叫び散らす萩鷹だったが、しかし、その初めての事件で何よりも感動したのが、そう、被害者の取調べである。

その時、被害届を出していたのは、2人の子供を持つ若い主婦(26歳)だった。
取調室に60枚のパンティーを広げ、「奥さんの下着はどれですか?」と、聞いた時の、あの興奮を萩鷹は今でも忘れていない。

「・・・これと・・・これと・・・あ、これもです・・・」
そう恥ずかしそうに自分の下着を手に取る主婦を見ては、(お母さんともあろう者がなんだ!そんなスケスケ破廉恥な下着を履きよって!ケシカラン!)と、心中で怒鳴りながらもビンビンに勃起したペニスを机の下で密かに擦る萩鷹。

主婦の目の前に、そのピンクのパンティーを広げ、薄らとシミの付いたクロッチを主婦に見せつけては「このシミは犯人が汚したのでしょうか?それとも元々付いていたシミでしょうか?」などとセクハラまがいの尋問をしては主婦を困らせた。

そして、更にはその主婦に、『下着が盗まれたベランダの見取図』を紙に書くように告げ、それを主婦が定規とペンを使ってカリカリと書き始めると、すかさず萩鷹は「どうもパソコンの調子が悪くてね・・・コンセントの接触不良かなぁ・・・」などとわざとらしく言いながらテーブルの下に潜り込み、主婦のスカートの中を覗き込んだりもしたのだった。

そんなやりたい放題の初取調べを経験した萩鷹は、そんなセクハラまがいの取調べが癖になってしまい、それからというもの萩鷹の取調べは、違法捜査を犯してまでも徹底してエロに突っ走った。

そんな事から、いつしか署内では萩鷹の事を「ハゲタカ」と呼ぶようになっていたのであった。


               3


「・・・で、キミは今回、万引きをしたという事件でココに連れて来られたわけなんだけども・・・ま、万引きについては追々聞くとして、その前に、ちょっとキミの携帯電話を見せてみなさい・・・」

萩鷹は開いたノートパソコンを前にして、その髪の毛を茶髪に染めた少女に向かって、ドロリと淀んだ腐った目をゆっくりと動かした。

「どうしてよ・・・万引きとケータイなんて関係ないじゃん・・・」
少女は椅子の上で足をブラブラさせながら膨れっ面でそう答える。

確かに、たとえ刑事であろうとも他人の携帯電話を見る権利はない。令状がなければ他人の携帯電話を見たり身体検査はできないのだ。
それが逮捕された被疑者と言う立場なら別だが、しかし、この少女は補導されているのであり被疑者ではない。少女が刑事に携帯電話を見せなくてはならないという義務はどこにもないのだ。

「よしわかった。キミがそういう態度なら私にも考えがあるぞ。キミを窃盗容疑の被疑者として逮捕する。そしてキミをブタ箱にぶち込んで、その後ゆっくりとキミの携帯電話を見てやろう。どうだ?」

「どーして窃盗なんかになるのよ、マツキヨで口紅ひとつ万引きしただけじゃない・・・」

「いや、それは立派な窃盗罪だ。口紅ひとつであろうと100万円入った金庫であろうと、盗めばそれ即ち窃盗罪だ。しかし、これをただの万引きにするか、それとも窃盗にするかは私の腹ひとつで決まるんだ、うん。だからキミは素直に私の言う事を聞いた方が得だと思うがな・・・どうだ?」

「・・・ちっ、何が『どうだ?』だよ・・・ほら、見たけりゃ勝手に見なよ・・・」

少女は投げ遣りにそう言うと、キラキラにデコレーションされた携帯電話をガタッとデスクの上に投げ出した。

「そうそう。それでいいの。そーやって素直にしてればね、早くお家に帰ってお母さんが作ってくれた温かいクリームシチューが食べられるんですよ・・・」
萩鷹はそう言いながら少女の携帯電話を開くと、メール、リダイヤル、着信、メモリー、と次々に開いては、何やらメモ用紙にガリガリと書き込み始めたのであった。


               4


「・・・で、この森山って男とはどーいう関係だい。キミみたいな子供に毎月結構な大金を振り込んでいるようだが・・・」
萩鷹は携帯を見つめながら、デスクの上の紙に書かれた「森山38歳会社員八王子市」という文字をボールペンでコツコツ叩いた。

「べつに・・・刑事さんには関係ないじゃん」
あきらかに動揺した目をキョロキョロとさせながら、少女は「ふん」と顔を横に向けた。

「まぁいい。おまえがこいつとの関係を話さないなら本人に聞くまでだ・・・」

「どーしてよー!森山ちゃんは何も関係ないじゃん!」

「関係ない事ない!」
萩鷹はデスクをバーンと平手で叩くと、唇をタコのように迫り出させ、それを団子っ鼻の下でヒクヒクと動かし始めた。
この奇妙にヒクヒクと動かすタコ唇は、萩鷹が相手を威嚇している時だ。取調中の「ここぞ!」という時に、まるで狂った日本猿のように目を見開いては大袈裟にヒクヒクとさせては容疑者を威嚇するのだが、しかし、その威嚇に脅える容疑者など誰一人としておらず、反対に吹き出してしまう容疑者の方が圧倒的に多かった。

「なぜこの男は毎月5万もの金をキミの通帳に振り込むんだ!しかもなんだこのメールは!」
と叫ぶと、萩鷹はアニメチックな声を更にアニメチックにさせながら『美佐ち~ん、いつもの5マソ振り込んでおいたよ~ヾ(=^_^=)早く土曜日にならないかなぁ~美佐ちんに会いたいよぅ~(´_`*)ゞテヘヘ』と、叫ぶようにしてそのメールを読んだ。

「なんだこの男は!これでも日本男児か!38歳にもなって何が『テへへ』だ大馬鹿者!こんなケシカラン野郎はすぐにしょっぴいて来てゴーモンしてやる!ケツの穴にハジキぶち込んで撃鉄で金玉の皮を挟んでやる!ケツ毛なんかツルツルに剃ってやる!それが社会の為だ、いや我が国、日本の為だ!」

萩鷹はそう叫びながら取調室のコンクリートの壁をガツ!ゴツ!と数発殴りつけると、それで幾分かスッキリしたのか、いつの間にか威嚇のタコ唇も消え穏やかな表情でフーッと溜息をつきながら、ひと仕事終えた職人のように椅子に深く腰を沈めた。

そして、拳から滲み出た血をペロッと舐めながら、減量中の力石徹のような三日月の目でジロッと少女を睨むと、「援交だな?」とドラゴンボールの孫悟空のようなアニメチックな声で問い質した。

そんなキチガイのような萩鷹を見て、少女は完全にビビってしまっていた。
少女は視線をデスクに向けたまま小さくコクンと頷く。

「この垣山という男も援交だな?」
萩鷹は次のメールを開いてはそれを少女に示しそう聞く。
「・・・うん・・・」
「中山ってのも、長谷川ってのも、みんな援交だな?」
「・・・・・・・・」
少女は観念したかのように深く項垂れた。

「よし。キミがそーやって素直に答えるのなら、これは事件にしない。約束しよう。うん。では、この紙に、キミが援交している男の名前と住所、そして受け取った金額を全部書きなさい」
萩鷹はウムウムと頷きながら、少女の前にA4用紙をパラリと敷いた。

「本当に事件にしない?・・・」
「うん。しない」
「みんな逮捕されたりとか絶対ないよね?」
「うん。絶対ない」

ゆっくりとボールペンを握った少女は、白い紙に丸い字で「森山」と書くと、「住所とかわかんないんだけど・・・・」と眉間にシワを寄せて萩鷹を見た。

萩鷹は机の上のパソコンをガチャガチャと設置しながら、「じゃあ携帯番号とアドレス書いといてくれ・・・」と言うと、印刷機のコードを引っ張りながら、大好きなデスクの下にサッと潜り込んだのだった。

頭上からカリカリと聞こえて来るボールペンの音を聞きながらデスクの下で息を潜める萩鷹は、壁のコンセントに何度も何度も印刷機のコンセントを差したり抜いたりして、いかにも作業をしているような音を立てては、時間稼ぎをしながら女子高生のスカートの中を覗き込んだ。

ガバッ!と大胆に開かれた少女のミニスカートの中からは、ほんのりとチーズのようなニオイが漂って来ていた。
ギリギリまで股間に顔を近付ける萩鷹は、その女子高生のチーズ臭に包まれながら、股間にクッキリと浮かび上がっているワレメの縦線をジッと見つめ、静かにペニスを揉み始める。

「・・・そいつらとは出会い系で知り合ったのか?・・・」
机の下で、コードをカタカタと音立てながらオナニーする萩鷹が聞く。

「・・・ほとんどがそうだよ・・・」
少女のあどけない返事を聞きながら、萩鷹は(俺もヤリてぇ・・・)と、少女の白いハイソックスをクンクンと嗅いだ。

「・・・そいつらは親父ばっかりだから・・・変態が多いだろ?・・・」
「う~ん・・・ほとんどノーマルな人ばっかだけど・・・中にはいるよ、変態オヤヂ・・・」
頭上から聞こえて来るカリカリというボールペン音に合わせ、股間をズリズリと擦る萩鷹。

「どんな事されるんだ?・・・・」
萩鷹はギンギンに勃起するペニスをズボンから取り出した。
ペニスの先には大量の我慢汁がヌルヌルと光っていた。

「どんな事って・・・例えば、おしっこ飲ませてくれ?とか言われるよ・・・」
少女はあどけない口調でキワドい言葉を平然と吐いた。

机の下の萩鷹は、少女の股間をガン見しながら、(ココからチョロチョロと出てくる小便を飲むのか!飲むのか!飲むのか!)と心の中でナゼか3度も繰り返し叫んではコーフンしている。

「できたよ~」
頭上から少女の声が聞こえて来た。思ったよりも早い少女のその声に、ちっ!と舌打ちしながらも、萩鷹は急いでペニスをズボンに押し込み、ノソノソと机の下から這い出した。

「どれどれ・・・・」
萩鷹がその紙を覗き込むと、紙には8人の男の名前と携帯番号とアドレス、そして男達から受け取っていた金額が、少女らしい丸文字で可愛らしく書き綴られていた。

「おいおい・・・って事は、キミは毎月40万円近くの収入があったという事かよ・・・」
手取り16万円の萩鷹は、その金額を目で計算しながら驚いてそう言った。

「だって現役ジョシコーセーだもん」
少女がウフっと笑う。

とたんに、萩鷹の例のタコ唇がニュッと突き出された。

「キサマというヤツは・・・新大久保の中之島さんだってそんなに稼いじゃいねぇというのに・・・」
萩鷹はブルブルと握り拳を震わせ始めた。

「中之島さんはな・・・中之島さんはな・・・体を売った金で13人の子供と甲斐性無しの旦那を養ってるんだ・・・しかもその13人の子供のうち、なぜだか末っ子の2人はフィリピン人なんだぞ!キサマのような小便臭いガキに1発6千円の中之島さんの苦労がわかるか!」

萩鷹は少女の茶髪を鷲掴みにした。

「なによ中之島って!そんな人、知らないわよー!」

「中之島さんは俺の心の友だ!新大久保で売春しながら大家族を養う肝っ玉母さんだ!そんな事も知らないで、よくもヌケヌケと40万も稼ぎやがって!・・・・」

萩鷹がそう叫びながら掴んだ茶髪を上下左右に振ると、少女は「だってそんな人ミサわかんないもーん!」と椅子の上で足をバタバタさせた。

「やい!」と、萩鷹が髪をグイッと引き、少女の顔を天井に向けた。
「・・・よくも中之島さんをバカにしやがったな・・・上等じゃねぇか・・・こいつら全員、淫行でパクってやるからな・・・ついでにテメーもネンショーにぶち込んでやる・・・・」

萩鷹がアニメチックながらも野太い低音でそう脅すと、少女は髪を引っ張られたまま「事件にしないって約束したじゃなーい!」と、脅えた目を萩鷹に向けた。

「毎月40万も稼いでれば話は別だ。これは立派な犯罪だ。税金の問題もあるしな・・・ま、諦める事だな・・・」

「・・・許してよ・・・お願い・・・」
少女は泣きそうな表情をしながら萩鷹を見つめる。
少女のリップクリームの匂いが交じった甘い息が萩鷹の顔に漂う。

「許して?お願い?・・・・じゃあ、もう中之島さんを馬鹿にしないか?」
萩鷹はヒッツメ髪にされている少女の小さな顔を覗き込んだ。

「・・・しない・・・」
「俺の言う事を何でも聞くか?」
「・・・うん」
「本当か?」
「・・・うん・・・」
「本当に何でも言う事を聞くんだな?」
「・・・・うん」

萩鷹は、少女の最後の「うん」が終わらないうちに、少女のプルプルとした唇にガバッ!と吸い付いた。

萩鷹のタバコ臭い口内で「うぐっ!」と少女が小さな悲鳴を上げる。
慌てて閉じた少女の唇を、萩鷹の「厚切りレバ刺し」のような分厚くもヌルヌルとした舌が強引にこじ開ける。
ヌルッ!と少女の小さな口内に押し込んで来た萩鷹の舌は、その生暖かい女子高生の舌に、まるでスクリューするかのように回転しながら絡み付いて来たのであった。

しばらく激しいディープキスを繰り返していると、そのうち少女が諦めたのか、それまで固くなっていた肩が、まるで空気が抜ける風船のように、みるみると力を失って来た。

ヌポッと少女の口内から舌を抜いた萩鷹は、鼻の頭を少女の鼻の頭に押し付けた状態で「俺の言う事を聞けば、すぐに家に帰してやる・・・そしてこれからも今までのように稼がせてやる。わかったか?」と呟いた。
少女は大きな目をトロンとさせながら、小さく「うん・・・」と頷いた。

それを確かめた萩鷹は「よし、いいコだ・・・」と言いながら、再び煙草臭い口を開いては舌を突き出し、少女の薄ピンクの舌を濃厚に舐め始めたのであった。


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こうして、ハゲタカと異名を持つ萩鷹は、数々の容疑者・被害者にこれらの悪戯行為を繰り返しては、この厳粛なる取調室を単なるエロボックスへと変えてしまった。

交番勤務時代は、なけなしの給料を叩いては駅前のファッションヘルスに通っていた萩鷹だったが、しかし、巡査部長となり、この取調室で自由自在に性欲が満たされるようになると、いつしか金を払って射精するのがアホらしくなり、それまでの風俗通いをピタリと止めたのであった。

そんな萩鷹だったが、しかし、さすがに取調室での本番行為だけはヤらなかった。
というのは、もし被疑者に対するこれらの悪戯行為が発覚した場合、本番をシテいるのとシテいないとでは、その罰が大きく変わって来るからである。
被疑者のスカートの中を覗いたり、胸を触ったり、更に、フェラさせたりクンニしたりと、その程度の行為なら、「取調中についついムラムラとしてしまいまして・・・」と項垂れて反省するか、若しくは「被疑者に強引に誘われまして・・・」とデタラメな言い訳したりすれば、まぁ、減給を喰らった上で、再び田舎の交番に飛ばされる程度で済むのだが、しかし、これが「本番ヤっちゃいました」となると、事は大事となり、強姦罪が適用される恐れもあるのだ。
それは、たとえ亀頭のほんの先っちょをヌルッと入れただけでも強姦罪は成立し、「入れようとしたけどモゾモゾしてたらついイっちゃいました」、という、チンポを入れていない状態であっても、ヤろうと試みただけで強姦未遂は成立してしまうのだ。

更に現職の警察官の場合、これにプラスして「特別公務員虐待」という、誠に恐ろしげな罪名がオマケされ、こうなれば間違いなく塀の中の住人になってしまうのである。

そこら辺の知識を十分に知り尽くしている現職の萩鷹は、どれだけチンポが入れたくたって、どんなに相手がパックリまんこを押し付けて来たって、本番だけは絶対にヤらなかったのであった。



いつものように萩鷹は、取調室から婦警を追い出すと、取調室の隅でビクビクと脅えているケバい女を、煙草をプカプカと吹かしながら見つめていた。

正木静香・24歳。詐欺。
この女は、出会い系サイトで餓えた男達を探し出し、自分の淫らな写メをその男達に送りつけては見事にスケベ男達を釣り上げ、「前金で2万円振り込んでくれたら会ってあげる」などと甘く囁いては金を振り込ませ、合計3人の男達から総額6万円を騙し取ったという悪質なオンナだった。

「ま、幸い、被害額が少ないから、大した事件にはならないと思うが、しかし、キミの犯した罪は、金額云々というよりも、淋しい男達の心を傷つけたという、いわば傷害罪でもあるのです。わかってますか?」

萩鷹は、まるで神父さんのような口調でそう聞くと、派手な化粧をした女の顔を覗き込んだ。

その目の回りにクッキリと縁取られたアイラインは、まるでゴールデン街のオカマのようだった。
今にもパンツが見えそうなミニスカートを履いた女は、透き通るような真っ白な肌に真っ赤な口紅をギラギラと輝かせ、それらが金髪に染めた髪と妙にマッチしていた。
その女の風体は、誰が見ても、街角に立つ商売女そのものだった。

女は真っ赤な唇の端を前歯で小刻みに咬みながら、小さくコクンと頷いた。

見た目よりは随分と素直である。
従来のコレ系の姉ちゃんなら、「別にアタイは騙したつもりはないわよ、あいつらがヤらせてくれって勝手に金を振り込んできたんじゃないさ」と、ガムをクチャクチャと咬みながら、三丁目の玉突き屋の用心棒、通称・人斬りサブから貰った十字架のネックレスを指でクルクル回しては、「ったく、9月だというのにまだ暑いわねぇ~」とミニスカートの裾をパタパタとさせるというのがおキマリなのだが、しかしこの女は違った。

取調室に入ってからというもの、やたらとビクビクと脅え始め、萩鷹が咳払いをしただけでも、その小さな肩をビクン!と震わせるのだ。

見た目は闇市のパンスケだが、しかし内面はまったくの素人だ。
そう、この女は素人中のド素人、なんと、小学校の教員なのである。

「先生・・・その格好・・・生徒達が見たらさぞかし驚くでしょうね・・・」
萩鷹はそう呟きながら煙草に火を付ける。

取調室では、シャバと違って「お煙草吸ってもよろしいでしょうか?」などという軟弱な喫煙エチケットを気にする必要はない。
取調室の刑事は偉いのだ。
相手が女性だろうと社長だろうとヤクザの親分だろうと総理大臣だろうと、おかまいなしに堂々とスパスパ煙草が吸える。
この「上から目線」が、刑事になって良かったと思える瞬間だと萩鷹はつくづく思う。
もし、天皇陛下を取り調べる事があったとしたら、萩鷹は間違いなく陛下が座る机の上に脱糞する事であろう。

「・・・すみません・・・」
先生は、その闇市のパンスケのようなド派手な格好には似合わない弱々しい声でそう呟くと、教職者らしく、頬にツーッと涙を落とした。

「しかし、先生ともあろう人がこんな事件を犯すのも、何かそれなりの事情がある事でしょう・・・まぁ、そこんところ今から色々と聞きながら調書を書いていきますけど・・・答えたくない事は答えなくていいという権利があなたにはございますので・・・一応、伝えておきます」
萩鷹はそう言いながら、天井にくっきりと描かれた、コウモリの形をした雨漏りのシミに向かって煙草の煙を吐くと、調書用のPCのスイッチをゆっくりと押したのだった。


先生の動機。
先生には2年前から付き合っていた婚約者がいた。相手はやはり同じ教員で、中学で数学を教えているという32歳のモヤシ野郎。
どうやら、先生の犯行の動機というのは、このモヤシ野郎のパチンコ狂いがそもそもの原因らしい。

モヤシ野郎は時間があればパチンコ屋に入り浸るというどーしょーもない奴で、当然、給料のそのほとんどが銀の玉となって消えて行った。
モヤシ野郎は自分の給料が底をつくと、婚約者の先生の給料にまで手を出し始めた。それどころか、2年間2人でコツコツ貯めた結婚資金にまで手を出し、その全てをものの3日でパチンコ台に吸い取られてしまうという、典型的な破滅の道を辿って行った。

そこまではいい。この程度のプチ悲惨な話ならどこにでも転がっている。
しかしこのモヤシ野郎は、そんなプチ悲惨では物足りないらしく、遂に、「人生の転落の第一歩」である消費者金融に手を出したのだ。

後はおキマリのコースを真っ逆さまに転げ落ちて行くだけだった。
消費者金融の取り立て電話が学校にまで掛かって来るようになると、それを防ごうとしたモヤシ野郎は、とにかく利息だけでも返そうと別の消費者金融からまた金を借りる。しかし、すぐその別の消費者金融から催促の電話が掛かるようになり、慌てたモヤシはまた別のサラ金に手を出す・・・。
このようにして、モヤシ野郎は瞬く間に借金の雪だるまのように膨れ上がってしまったのだった。

6社のサラ金から金を借りていたモヤシ野郎は、給料の全てをその利息分に充て、生活費は婚約者の先生に頼るしかなかった。
返済が少しでも遅れると、6社の狼共は我先にとモヤシ野郎に群がった。各社からの追い込みが激しいモヤシ野郎が、自殺したり自己破産でもされたら元が取れなくなるからである。

そんな時に、あるサラ金屋から、モヤシ野郎のように、もうどこの消費者金融でも借りれなくなった、いわゆる「ブラック」と呼ばれるアホばかりを扱うという高利貸しを紹介してもらった。
つまり、闇金だ。

闇金は、モヤシ野郎が6社から借りている借金を全て立て替えてやり、モヤシ野郎の借金をその闇金会社1本にまとめさせると、とんでもない利息を請求して来た。
しかし、そんな金をモヤシ野郎が払えるわけがない。
すると闇金は、モヤシ野郎の保証人へと取り立ての矛先を変えたのである。
その時の保証人というのが、今回の容疑者である、婚約者の先生なのであった。


               6


萩鷹は、フンフンと鼻返事をしながら先生の話を聞いていた。

そして、「そりゃあ、保証人になったのはマズかったな・・・」などと呟きながら、おもむろに先生のデスクの上にA4用紙をパラリと敷くと、「その男が借りていたという6社のサラ金会社。あんたがわかる範囲でイイから、ここに名前を書いてくれるかな・・・」とボールペンを手渡した。

「・・・はい・・・」
先生は下唇を噛みながら、ゆっくりとペンを握る。

「サラ金の会社名と借りてた金額と期日、あと、もし知ってたらでいいけど、そのサラ金会社の担当者の名前と、あと予想でいいから担当者の年齢なんかも書いていただきたい・・・」
萩鷹は、その質問をわざと複雑にした。
質問が複雑であればあるほど時間稼ぎができる・・・・と、心中でニヤリと笑う萩鷹は、「・・・調書をパソコンで書くというのは便利なんだけど、この印刷機の接続が面倒臭いんだよね・・・」などと独り言を呟きながら、いつもの机の下へと潜り込んでいったのだった。

外見は派手な衣装を身にまとっていたが、しかし、下着となると、さすがは学校の先生だけはあると頷けるような地味なパンツを履いていた。

(いいねぇ・・・・パンツに毛玉が付いてるじゃねえか・・・)

萩鷹は少しだけ開かれている先生の股間に顔を近づけ、その、スーパーの篭の中に山積みされた3枚1000円の庶民的なパンティーをジロジロと観察した。

「担当者の名前がはっきり思い出せなくて・・・間違っててもいいですか?」
机の上から、真面目一筋といった感じの先生の声が聞こえて来た。

「あぁ、適当でいいですよ・・・」
萩鷹はそう言いながら、カタカタと印刷機のコードを音立てながら、先生のミニスカートの中の匂いを嗅いだ。

その空間には、スバリ、洗濯洗剤の匂いが立ち籠めていた。
しかもそれはメジャーな洗濯洗剤の香りではなく、マイナーな激安洗剤の香りだ。

(恐らく、この手の貧乏臭い女は、バスクリン入りの残り湯なんかで洗濯してるに違いねぇ・・・)
萩鷹はそう思いながらも、ふいに実家の風呂釜を思い出した。

その昔、萩鷹の家では、洗濯をする時にはいつも前夜の風呂の残り湯を洗濯機の中に流し込んでは、その残り湯で洗濯をしていた。その為、幼い萩鷹少年の服は、いつも入浴剤の香りがプンプンと漂い、遂には入浴剤名の「ムトウハップ」などというアダナを付けられた萩鷹少年は、クラスでいつもイジメられていたものだった。

(あん時、担任の先生まで、俺をムトウハップと呼んでは、笑いやがった・・・・)
今更ながら、萩鷹の胸の中に当時の怒りが沸々と甦って来た。
(先生なんて・・・先生なんて・・・俺の気持ちなんて何にもわかってくれやしねぇ!)
そう思いながら、机の下で拳をブルブルと震わせる萩鷹は今年42歳だ。

今更ながら、先生という人種に怒りを覚える萩鷹は、先生の股間を間近に見つめながら、勃起したペニスをズボンから取り出した。
ヤキトリ屋の砂肝のようにコリコリとした亀頭が、紫色の光を放ちながらパンパンに腫れ上がっていた。
尿道から溢れる我慢汁を亀頭に塗り込み、人差し指でコリコリの亀頭を優しく撫でる。

(先生・・・あんた、この勾留期限の間に、絶対にこの取調室で犯してやるからな・・・真面目なあんたが今までに味わった事もないようなセックスで・・・狂わせてやるからな・・・)

萩鷹は我慢汁でヌルヌルになったペニスをシコシコとシゴき始めた。
先生の股間から顔を覗く貧乏臭いパンツを眺めながら、頭の中で先生を乱暴する妄想を繰り広げる。

見た目はケバいが中身は純粋で真面目な女教師・・・・
いくら髪の毛なんか染めてたって、脅えた子羊のようなその目は誤魔化せねぇよ・・・・
きっと、この貧乏臭いパンツの中にある、使い慣れていないオマンコにはマンカスが大量に溢れ、そのピンクのビラビラを白いカスが覆い尽くしている事だろうよ・・・
さぁ、先生、オマンコを開きな・・・俺が綺麗に舐めてやるよ・・・

萩鷹は、先生のオマンコを舐めるのを想像し、自分の唇をペロペロと舐めた。

先生・・・次は俺のもの舐めてくれ・・・
どうだ、なかなか太いだろ・・・・
おぉぉ・・・そうだ、そうやってもっと舌をグリグリとさせておくれ、あぁぁ・・・・

萩鷹は、先生にペニスを舐められながら先生の激臭オマンコに顔を押し付ける姿を想像し、そして戸惑う事なく尿道からピュッ!と精液を飛び出させ、先生の足下に白い精液の塊を作った。

射精しながらも先生のミニスカートの中で鼻深呼吸を繰り返していると、「あのぅ・・・書き終わったんですが・・・」という先生の声が机の上から聞こえて来た。

「あぁ、そのまま、待ってて、下さい・・・・」
まるで、水の中に潜ったまま喋ったような口調でそう答えると、萩鷹は、最後の1滴までもペニスから精液を搾り出し、半目を開けたまま「ムフーッ・・・」と深い溜息を付いたのであった。


               7


取調べ2日目。
いつものように、取調室から立ち会いの婦警を追い出すと、萩鷹は「よく眠れましたか?」などと、いかにも紳士的な親父ヅラをして、先生に微笑んでみせた。

「・・・はい・・・おかげさまで・・・・」
そう答える先生の顔からは、昨日のあのケバケバしい化粧が綺麗サッパリ消え失せていた。
相変わらず染めた髪は金髪で、衣服も昨日のままのミニスカートではあったが、しかし化粧を落としたスッピンの顔だけは、犯罪者に不釣り合いな、純粋な面構えをしていた。

そんな先生の表情は、化粧を落としたせいもあるが、昨日よりもグッと暗く落ち込んでみえた。
まるで、朝のゴミ捨て場で出会った、疲れきったホステスのようだ。

「あのぅ・・・」と、先生は澄んだ瞳を萩鷹にゆっくりと向けた。

「なんだい?」と、萩鷹が調書用のパソコンを立ち上げながら聞く。

「今朝の新聞には・・・載ってるのでしょうか・・・・」
先生は下唇を噛みながら、まるで死刑宣告を待つ死刑囚のような表情でそう呟いた。

「いや、心配ない。マスコミの方にはまだ発表していないからね・・・」
萩鷹がそう答えると、先生は空気の抜ける風船のようにゆっくりと肩を落とすと、「ありがとうございます・・・」と深々と頭を下げた。


「それじゃあ、昨日の続き、話してくれるかな・・・」
煙草を唇に挟んだ萩鷹がそう言うと、先生はコクリと小さく頷いたのだった。


モヤシ男の保証人にさせられた先生は、当然の如く、闇金に利息さえも支払う事が出来ない状態であった。
そんな先生に闇金は、当然のように風俗で働く事をススメて来た。
しかし、先生の立場上、堂々と風俗で働く事などできるはずはない。

そこで闇金は、ある金儲けを先生に斡旋した。
それは、出会い系サイトで客を集めるという「素人売春」であった。

さすがに売春まではモヤシ男が黙っていなかった。モヤシ男は先生に売春させるくらいなら自分の臓器を売ってくれと闇金に泣きつくが、しかし闇金から「今時、臓器なんかドコで売れるんだバーカ、おまえはマンガの読み過ぎだ」と笑われ、結局先生は、闇金達の指示通りに素人売春をやらされるハメになった。

先生は、自分の身分がバレないように、とびっきり派手な化粧で誤魔化した写真を撮ると、それを闇金が運営する出会い系サイトに登録した。

『お金に困ってます。割り切ったお付き合いをしてくれる方を求めます。詳しくはメール下さい』

元々、この先生はかなりの美人だ。しかもこんなエロい写真まで見せつけられ、出会い系に集まる飢えた男達が黙って指を喰わえているわけがない。
さっそく先生のメールには飢えた狼達からのメールが殺到し、瞬く間に先生のメールボックスはパンク寸前となった。

そこで、今回の犯行を思い付いたのが、そう、先生に売春をさせたくないモヤシ男だ。

モヤシ男は、咄嗟に思い付いた詐欺を、何の計画もなく実行した。
モヤシ男は、止める先生を振り払い、60人の男達に次々にメールを返信した。

『今すぐお金が必要なので、前金で2万円を振り込んで下さい。振込が確認でき次第、ご連絡致します』

それは、実に馬鹿げた計画だった。昨今、これだけ振り込め詐欺が騒がれている御時世で、こんな子供騙しが通用するわけがない。やっぱりこのモヤシ男は世間知らずのお坊っちゃまなのであろう。

と、思っていたら、なんと、バカが3人引っ掛かった。
そのバカはいずれも60代の親父ばかりで、どーして60になってまでもまだ出会いを求めるのかと不思議に思うくらいのバカだったが、しかし、そんなバカだったからこそ、こんなバカな作戦に引っ掛かってくれたのであった。

計6万円を、ものの数時間で手に入れたモヤシ男は、この分なら2ヶ月もあれば借金の全額が返済できる、しかも売春などしなくても・・・と大喜びし、あらゆる出会い系サイトに先生の写真を登録し、まったく同じ内容のコメントを入れたのであった。



「・・・あんたの婚約者・・・数学の教師のわりには・・・頭悪いんだね・・・」
萩鷹は、ポツリポツリと自白する先生を眺めながら、哀れむようにそう呟いた。

「・・・すみません・・・」
先生は恥ずかしそうに俯いた。

その先生の恥ずかしそうな仕草が萩鷹を激しく刺激した。
萩鷹の人生において、今までこんな女はいなかった。
萩鷹の周囲には、泥棒女、売春婦、シャブ中、ヤクザの情婦、援交少女、保険金詐欺女、などなど、いわゆる「汚れ」と呼ばれる女しかいなかったのだ。

(ゼッテェに犯してやる・・・・その真面目そうな面に濃厚な精液をぶっかけてやる・・・)

萩鷹は心にそう固く誓いながら、さてさて、どーやってこの真面目な教師を、変態という奈落の底に突き落としてやろうかと密かに企みながら、抜けた前歯を剥き出しにしてはニンマリと笑ったのであった。

(つづく)

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